JP5851714B2 - 繊維強化樹脂成形用材料 - Google Patents
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Description
また不織布状態の熱可塑性樹脂を強化繊維シートに半含浸させてセミプレグ状態とする方法もあるが(特許文献3)、完全含浸タイプのものよりはドレープ性があるものの、複雑な3次元形状に連続繊維基材を賦形した場合には、形状表面を覆いきれない箇所で突っ張りが、基材が余った箇所でシワが発生するため、高品位な賦形が難しい。
[繊維強化樹脂成形用材料]
本発明の繊維強化樹脂成形用材料は、強化繊維束を一方向に引き揃えた強化繊維シートの少なくとも一方に、熱可塑性樹脂からなる不織布を一体化させた積層体である。得ようとする繊維強化樹脂成形体に合わせて、不織布は強化繊維シートの両面に配しても片面に配しても良い。
繊維強化樹脂成形用材料の目付は、とくに限定はないが、複雑形状への賦形性の点で1〜1000g/m2、より好ましくは20〜500g/m2であることが好ましい。
X=F/L/w (1)
(X=賦形力評価値(m2/s2)、F:引張荷重(N)、L:試料幅(m)、w:成形用材料目付(g/m2))
本発明の繊維強化樹脂成形用材料における強化繊維シートは、強化繊維束を一方向に引き揃えたものである。本発明の強化繊維シートを構成する強化繊維としては、とくに限定はなく、例えばガラス繊維、炭素繊維、スチール繊維(ステンレス繊維)、ボロン繊維、セラミック繊維、玄武岩繊維、炭化珪素繊維などの無機繊維、およびアラミド繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維などが挙げられる。この中でも、汎用性や取扱い性からガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維が好ましい。
本発明の繊維強化樹脂成形用材料のマトリックスは熱可塑性樹脂からなる不織布である。不織布は、980.67Paの圧力下における透気度が10〜100000(ml/min/cm2)であることが好ましい。より好ましくは透気度が500〜50000(ml/min/cm2)である。このような透気度を有する多孔質材料をマトリクスとすることで、常温において複雑形状への賦形が可能な繊維強化樹脂成形用材料となっている。
[参考例1]
ディーエスエムジャパンエンジニアリングプラスチックス株式会社製ノバミッド(登録商標)1010C2(Tg47度、Tm225度)を原料とし、メルトブロー法によりPA6不織布を得た。本発明で用いるメルトブロー法は、複数個配列されたオリフィスダイから溶融ポリマーを吐出し、オリフィスダイに隣接して設備した噴射ガス口から高速ガスを噴射せしめて、吐出された溶融ポリマーを細繊維化し、次いで繊維流をコレクタであるコンベヤネット上に捕集して不織布を製造する方法である。得られた不織布は、平均繊維径5μm、平均繊維長:連続繊維、目付け35g/m2であった。
プライムポリマー株式会社製プライムポリプロ(登録商標)J108M(Tg−20度、Tm170度)を原料とし、参考例1と同様にメルトブロー法によりポリプロピレン不織布を得た。得られた不織布は、平均繊維径:4μm、平均繊維長:連続繊維、目付け35g/m2であった。透気度を細孔径分布測定器(パームポロメーター PMI社製)を用いて測定した結果、980.67Paの圧力下で20534(ml/min/cm2)であった。
引張強度4000MPa、引張弾性率240GPaの炭素繊維糸条(tenax(登録商標)STS40 F13 24K 1600tex、東邦テナックス(株)製)を幅3cmに開繊し、この炭素繊維糸条が略均一に密接して目付53g/m2のシート状をなすところの炭素繊維糸条を一方向に引き揃えてなるシート状物にした後、その片面に参考例1で得られたPA6不織布を重ね合わせた(図1参照)。次いで、この積層体を25℃の弾性ローラーと210℃の金属ローラー間に50μmのクリアランスを有するカレンダーロール機を用いて、ライン速度1m/min、接着温度約190℃にて一体化し、目付88g/m2の繊維強化樹脂成形用材料(以下基材という)を得た。得られた基材の透気度を細孔径分布測定器(パームポロメーター PMI社製)を用いて測定した結果、980.67Paの圧力下で364(ml/min/cm2)であった。次いで、繊維長手方向に、長さ100mm、幅25mmに切出した基材の強化繊維を引き剥がしたところ、1.67Nの力を要した。引き剥がした後の不織布のみを顕微鏡観察した結果を図2に示す。縦筋(3)が多数観察されるが、これは強化繊維シートにおける一方向に引き揃えた繊維の痕跡である。不織布の繊維構造は維持されており、フィルムのように一体化されていなかった。また、得られた基材を強化繊維束と直交する方向に切り出し、JIS−K7127に従って引張試験を実施したところ、歪10%の時の荷重は4.6Nであり、下記式(1)で求めた賦形力評価値は2.09m2/s2であった。
X=F/L/w (1)
(X=賦形力評価値(m2/s2)、F:引張荷重(N)、L:試料幅(m)、w:成形用材料目付(g/m2))
引張り強度4000MPa、引張弾性率240Gpaの炭素繊維糸条(tenax(登録商標)STS40 F13 24K 1600tex、東邦テナックス(株)製)を幅3cmに開繊し、この炭素繊維糸条が略均一に密接して目付53g/m2のシート状をなすところの繊維糸条を一方向に引き揃えてなるシート状物にした後、その片面に参考例2で得られたポリプロピレン不織布を重ね合わせた(図1参照)。次いで、この積層体を25℃の弾性ローラーと150度の金属ローラー間に50μmのクリアランスを有するカレンダーロール機にてライン速度5m/min、接着温度約130℃にて一体化し、目付88g/m2の基材を得た。得られた基材の透気度を細孔径分布測定器(パームポロメーター PMI社製)を用いて測定した結果、980.67Paの圧力下で165[ml/min/cm2]であった。次いで、繊維長手方向に、長さ100mm、幅25mmに切出した基材の強化繊維を引き剥がしたところ、0.74Nの力を要した。引き剥がした後の不織布のみを顕微鏡観察した(図3参照)。縦筋(3)が多数観察されるが、これは一方向に引き揃えた強化繊維シートの痕跡である。不織布の繊維構造は維持されており、フィルムのように一体化されていなかった。また、得られた基材を強化繊維束と直交する方向に切り出し、JIS−K7127に準じて引張試験を実施したところ、歪10%の時の荷重は9.8Nであり、上記式(1)で求めた賦形力評価値は4.45m2/s2であった。
260℃の弾性ローラーと260℃の金属ローラーを用いて圧着し、接着温度約250℃とした以外は実施例1と同様に目付88g/m2の基材を得た。次いで、繊維長手方向に、長さ100mm、幅25mmに切出した基材の強化繊維を引き剥がそうとしたところ、PA6不織布が溶融含浸しており、引き剥がすことはできなかった。得られた基材の透気度を細孔径分布測定器(パームポロメーター PMI社製)を用いて測定した結果、980.67Paの圧力下で8.1(ml/min/cm2)であった。次いで、得られた基材を顕微鏡観察した。強化繊維間に樹脂は完全には含浸しておらず、未含浸の部分が確認された(図4参照)。また、得られた基材を強化繊維束と直交する方向に切り出し、JIS−K7127に従って引張試験を実施したところ、歪%1で基材が破断した。この時の荷重は3.3Nであった。破断時の荷重を用いて上記式(1)より賦形力評価値を計算すると、1.5m2/s2であった。
2 熱可塑性樹脂からなる不織布
3 強化繊維シートを剥がした跡
Claims (3)
- 強化繊維束を一方向に引き揃えた強化繊維シートの少なくとも一方に、熱可塑性樹脂からなる不織布を当接させ、熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)以上融点(Tm)未満の温度域で加圧することにより一体化されたことを特徴とする繊維強化樹脂成形用材料。
- 980.67Paの圧力下における透気度が50〜1000(ml/min/cm2)である請求項1記載の繊維強化樹脂成形用材料。
- 強化繊維束と直交する方向の引張試験において、式(1)で定義される賦形力評価値が、ひずみ10%において0.3〜6.5m2/s2の範囲となる請求項1または2の繊維強化樹脂成形用材料。
X=F/L/w (1)
(X=賦形力評価値(m2/s2)、F:引張荷重(N)、L:試料幅(m)、w:成形用材料目付(g/m2))
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