JP2018154773A - 繊維強化複合樹脂シートおよび成形品 - Google Patents
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Abstract
Description
近年、炭素繊維強化複合材料にはより軽量性と経済性が求められるようになり、マトリックス樹脂として軽量なオレフィン系樹脂、とりわけポリプロピレン系樹脂が好んで使用される。
[1] マトリクス成分が下記ポリプロピレン(A)であり、強化繊維が炭素繊維(B) である繊維強化複合樹脂シート。プロピレン(A): 酸量が1.0〜5.0%の酸変性ポリプロピレン(A−1)0.3〜9.0質量%と、酸変性されていないポリプロピレン(A−2)91.0〜99.7質量%を含み、酸量が無水マレイン酸換算で0.006〜0.2%である。
[2] ポリプロピレン(A)35〜75質量%と炭素繊維(B)25〜65質量%からなる、上記[1]に記載の繊維強化複合樹脂シート。
[3] 炭素繊維(B)の繊維長が10mm以上である、上記[1]または[2]に記載の繊維強化複合樹脂シート。
[4] 炭素繊維(B)が一方向に引き揃えられた炭素繊維である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の繊維強化複合樹脂シート。
[5] ポリプロピレン(A)及び一方向に引き揃えられた 炭素繊維(B)を含む層を2層以上積層する上記[1]〜[4]のいずれかに記載の繊維強化複合樹脂シート。
[6] 窒素雰囲気下で300℃1時間加熱した場合の重量減少が1%以下である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の繊維強化複合樹脂シート。
[7] 上記[1]〜[6]のいずれかに記載の繊維強化複合樹脂シートをプレス成形して得られる成形品。
本発明の繊維強化複合樹脂シートは、マトリクス成分がポリプロピレン(A)であり、強化繊維が炭素繊維(B)である。マトリクス成分がポリプロピレンである事により、成形性と優れた耐薬品性を実現する。また、強化繊維が炭素繊維である事により、優れた機械特性を実現する。
酸変性ポリプロピレン(A−1)は、本発明の効果を損なわない範囲で、分子中にプロピレン又は酸成分以外の部分構造を含んでいてもよい。当該部分構造を構成するモノマーとしては、例えばα−オレフィン、共役ジエン、非共役ジエンなどが挙げられる。
成分(A−1)の酸含有量は、JIS K 0070に記載の方法で求めた酸価から算出する事ができる。
1)押出機中でポリプロピレン(A)を加熱・溶融し、ここに炭素繊維集合体を開繊させたものを配合して含浸させる方法、
2)予め調製したポリプロピレン(A)を粉末化し、これを炭素繊維集合体表面に分散し、溶融させる方法、
3)予め調製したポリプロピレン(A)をフィルム化し、これを炭素繊維集合体にラミネートする方法、
4)予め調製したポリプロピレン(A)を繊維化し、これと炭素繊維を用いて混合糸にする方法、
5)ポリプロピレン(A)と炭素繊維(B)を含む成形材料を賦形してシート化する方法
6)上記1)〜5)の方法で得られたシートを積層する方法
などがある。
上記2)の粉末樹脂を繊維層に分散する方法は含浸がしやすいという利点があるが、粉末を均一に繊維層に分散させるのが困難である。
上記3)の樹脂をフィルム化してラミネートする方法はフィルム加工する必要があるが、比較的品質の良いものが作られる傾向にあるため好ましい。
上記4)のポリプロピレン繊維を用いる方法は、繊維加工する必要がある。
上記5)のポリプロピレン(A)と炭素繊維(B)を含む成形材料を賦形してシート化する方法では、炭素繊維が短くなり、機械特性が劣る。
上記6)の方法では、積層により異方性を調整する事が可能であり、部材に適した特性に調整し易いため好ましい。またこの場合、複数の異なる方法で製造したシートを積層しても良い。
炭素繊維(B)は一方向に引き揃えられたものが好ましい。引き揃えられたものを用いる事で、炭素繊維の優れた機械特性を発揮しやすい。
本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
以下の各例で使用した原料、繊維強化複合樹脂シートの製造方法、評価方法を以下に示す。
酸変性ポリプロピレン(A−1−1)
無水マレイン酸変性ポリプロピレン 三洋化成工業株式会社製 ユーメックス1001(酸変性量2.27%、重量平均分子量40,000)
酸変性ポリプロピレン(A−1−2)
無水マレイン酸変性ポリプロピレン 三菱化学株式会社製 モディックP958V(酸変性量0.14%)
酸変性されていないポリプロピレン(A−2)
日本ポリプロ株式会社製 ノバテックPP MA04A(MFR40g/10min)
炭素繊維(B)
PAN系炭素繊維 三菱レイヨン株式会社製 パイロフィルTR50S15L AD、平均単繊維繊度:0.67dtex、フィラメント数:15,000本、ストランド強度:500kgf/mm2、ストランド弾性率:24.5tonf/mm2、サイズ剤:エポキシ樹脂)
(1)熱重量減少
繊維強化複合樹脂シートから10mgのサンプルを切り出し、SIIナノテクノロジー社製 TG/DTA6200を用いて、窒素流量を200ml/min、40℃から300℃まで毎分20℃で昇温し、その後300℃で1時間保持した後の重量変化を測定した。
(2)曲げ強度・曲げ弾性率
表層の繊維と平行方向に長さ100mm、幅25mmに切り出したものを用いて、支点の半径2mm、圧子の半径5mm、支点間距離80mm、試験速度毎分5mmで三点曲げ試験を行い、曲げ強度・曲げ弾性率を測定した。
(3)衝撃強度
表層の繊維と平行方向に長さ80mm、幅10mmに切り出したものを用いて、フラットワイズでJIS K7077に準拠したシャルピー衝撃試験を実施する事で、0°方向の衝撃強度を測定した。また、表層の繊維と直交方向に長さ80mm、幅10mmに切り出したものを用いて同様に実施し、90°方向の衝撃強度を測定した。0°と90°の衝撃強度の差の絶対値を衝撃強度の差として記載した。
(4)スタンピング成形外観
スタンピング成形品の表面を目視で観察し、白い曇りが発生したものを×、発生しなかったものを○として評価した。
酸変性ポリプロピレン(A−1−1)1質量部と、酸変性されていないポリプロピレン(A−2)95質量部を単軸押出機(IKG(株)社製、製品名:PMS30)に投入し、厚み40μmとなる樹脂フィルムを得た。この樹脂フィルムを、ドラムワインド方式によって繊維目付け100g/m2になる様に引き揃えられた炭素繊維(B)の両面に張り合わせ、両面からリンテック(株)社製離型紙CFP−45の軽面で挟み、加熱ロールで含浸させて、繊維含有率51質量%の一方向性プリプレグを得た。
一方向性プリプレグに繊維長25mmとなるように繊維軸と45°の角度で切込を入れてスリットプリプレグを作成し、一方向性プリプレグの繊維方向が0、45、90、−45、−45、90、45、0、0、45、90、−45、−45、90、45、0°となるように16層重ね、300×300mmのキャビティを有するプレス成形用金型中で、220℃、0.3MPaで10分加熱プレスし、30℃、1MPaで2分冷却プレスする事で、疑似等方性の繊維強化複合樹脂シートを得た。
繊維強化複合樹脂シートを230℃に設定したIRヒーターで10分間予熱し、130℃に設定した310×310mmの平板状金型内にチャージし、加圧力200トンでスタンピング成形を実施した。
ポリプロピレン(A)の配合を表1に記載の通りに変更する点を除いては実施例1と同様に繊維強化複合樹脂シートを作製し評価した。結果を表1に記す。
実施例3の繊維強化複合樹脂シートは、比較例1よりも高い曲げ強度・曲げ弾性率を示す。また熱重量減少が少ないため、スタンピング成形外観に優れる。
比較例1は、本発明の範囲外の繊維強化複合樹脂シートであるため、熱重量減少が大きく、スタンピング成形外観が劣る。
機械特性と熱安定性のバランスに優れた繊維強化複合樹脂シートであるため、これをスタンピング成形する際に熱分解が起こり難く、幅広い成形条件で良品が得られる。さらに、酸変性ポリプロピレン樹脂(A−1)が少ない場合には、機械特性、特に衝撃強度の異方性が少ない成形品が得られる。その結果、考慮すべきバラつきが小さくなり、より信頼性の高い部品設計が可能になると考えられる。
Claims (7)
- マトリクス成分が下記ポリプロピレン(A)であり、強化繊維が炭素繊維(B)である繊維強化複合樹脂シート。
ポリプロピレン(A): 酸量が1.0〜5.0%の酸変性ポリプロピレン(A−1)0.3〜9.0質量%と、酸変性されていないポリプロピレン(A−2)91.0〜99.7質量%を含み、酸量が無水マレイン酸換算で0.006〜0.2%である。 - ポリプロピレン(A)35〜75質量%と炭素繊維(B)25〜65質量%からなる、請求項1記載の繊維強化複合樹脂シート。
- 炭素繊維(B)の繊維長が10mm以上である、請求項1または2に記載の繊維強化複合樹脂シート。
- 炭素繊維(B)が一方向に引き揃えられた炭素繊維である、請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化複合樹脂シート。
- ポリプロピレン(A)及び炭素繊維(B)を含む層を2層以上積層する請求項1〜4記載の繊維強化複合樹脂シート。
- 窒素雰囲気下で300℃1時間加熱した場合の重量減少が1%以下である、請求項1〜5記載の繊維強化複合樹脂シート。
- 請求項1〜6の繊維強化複合樹脂シートをプレス成形して得られる成形品。
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JP2005125581A (ja) * | 2003-10-23 | 2005-05-19 | Daicel Chem Ind Ltd | 炭素長繊維強化樹脂ペレット、その製造方法及び成形品 |
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