JP2013116252A - 医療用ガイドワイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】ステンレス鋼からなるコアワイヤを備えた従来公知のガイドワイヤと比較して更に優れたトルク伝達性を有し、血管内で屈曲させたときでも永久変形が発生しにくい形状保持性に優れたガイドワイヤを提供すること。
【解決手段】近位端側大径部20と遠位端側小径部22,24,26とを有するコアワイヤ4と、コアワイヤ4の遠位端側小径部22,24,26の外周に軸方向に沿って装着されたコイルスプリング12とを備えてなり、コアワイヤ4は、オーステナイト系ステンレス鋼の線材に伸線加工および真直加工を施して得られる、加工誘起マルテンサイト量が20〜60体積%の線材からなり、コイルスプリング12が装着されているコアワイヤ4の遠位端側小径部を、直径20mmのロッドの外周に沿って1回巻き付けた状態で150gfの引張荷重を10秒間負荷したときに、巻き付けによる先端部分の反り角度が5°未満である。
【選択図】 図2
【解決手段】近位端側大径部20と遠位端側小径部22,24,26とを有するコアワイヤ4と、コアワイヤ4の遠位端側小径部22,24,26の外周に軸方向に沿って装着されたコイルスプリング12とを備えてなり、コアワイヤ4は、オーステナイト系ステンレス鋼の線材に伸線加工および真直加工を施して得られる、加工誘起マルテンサイト量が20〜60体積%の線材からなり、コイルスプリング12が装着されているコアワイヤ4の遠位端側小径部を、直径20mmのロッドの外周に沿って1回巻き付けた状態で150gfの引張荷重を10秒間負荷したときに、巻き付けによる先端部分の反り角度が5°未満である。
【選択図】 図2
Description
本発明は、医療用ガイドワイヤに関し、更に詳しくは、トルク伝達性に優れ、屈曲されても永久変形を生じにくい医療用ガイドワイヤに関する。
カテーテルなどの医療器具を、血管などの体腔内の所定位置へと案内するためのガイドワイヤとして、コアワイヤの遠位端部の外径を近位端部の外径よりも小さくするとともに、コアワイヤの遠位端部の外周にコイルスプリングを装着して、遠位端部の可撓性の向上を企図した医療用ガイドワイヤが知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記のような医療用ガイドワイヤには、トルク伝達性が良好であること(近位端側での回転トルクが遠位端側にまで良好に伝達されること)、曲げ剛性が高いこと(腰が強いこと)、屈曲されても永久変形を生じにくく、形状保持性(耐曲げ癖性)に優れていることが要求される。
トルク伝達性が良好で曲げ剛性の高いガイドワイヤを得るなどの観点から、コアワイヤとしてオーステナイト系ステンレス鋼(SUS316,SUS304)が使用されている(例えば、特許文献2参照)
しかしながら、オーステナイト系ステンレス鋼からなるコアワイヤを備えた従来公知のガイドワイヤは、トルク伝達性が十分とはいえず、更なる改良が望まれている。
また、ステンレス鋼からなるコアワイヤを備えた従来公知のガイドワイヤを強い曲がりのある血管内に挿入する場合に、ガイドワイヤの先端部に永久変形(塑性変形)を生じ、その後の操作に支障をきたすことがある。
また、ステンレス鋼からなるコアワイヤを備えた従来公知のガイドワイヤを強い曲がりのある血管内に挿入する場合に、ガイドワイヤの先端部に永久変形(塑性変形)を生じ、その後の操作に支障をきたすことがある。
本発明は以上のような事情に基いてなされたものである。
本発明の目的は、ステンレス鋼からなるコアワイヤを備えた従来公知のガイドワイヤと比較して優れたトルク伝達性を有し、血管内で屈曲させたときでも先端部において永久変形が発生しにくい形状保持性に優れたガイドワイヤを提供することにある。
本発明の目的は、ステンレス鋼からなるコアワイヤを備えた従来公知のガイドワイヤと比較して優れたトルク伝達性を有し、血管内で屈曲させたときでも先端部において永久変形が発生しにくい形状保持性に優れたガイドワイヤを提供することにある。
本発明の医療用ガイドワイヤは、近位端側大径部と前記近位端側大径部より外径の小さい遠位端側小径部とを有するコアワイヤと、前記コアワイヤの遠位端側小径部の外周に軸方向に沿って装着されたコイルスプリングとを備えてなり、
前記コアワイヤは、オーステナイト系ステンレス鋼の線材に伸線加工および真直加工を施して得られる、加工誘起マルテンサイト量が20〜60体積%の線材からなり、
前記コイルスプリングが装着されている前記コアワイヤの遠位端側小径部を、直径20mmのロッドの外周に沿って1回巻き付けた状態で150gfの引張荷重を10秒間負荷したときに、巻き付けによる先端部分の反り角度が5°未満であることを特徴とする。
前記コアワイヤは、オーステナイト系ステンレス鋼の線材に伸線加工および真直加工を施して得られる、加工誘起マルテンサイト量が20〜60体積%の線材からなり、
前記コイルスプリングが装着されている前記コアワイヤの遠位端側小径部を、直径20mmのロッドの外周に沿って1回巻き付けた状態で150gfの引張荷重を10秒間負荷したときに、巻き付けによる先端部分の反り角度が5°未満であることを特徴とする。
このような構成の医療用ガイドワイヤにおいて、伸線加工および真直加工(特に、真直加工)により、各結晶粒内において加工誘起マルテンサイト組織が析出する。
そして、加工に供されるオーステナイト系ステンレス鋼の構成成分(オーステナイト安定度指標Md30)、加工条件(例えば、引張速度、捩じり角度、加工温度)などを適宜調整して真直加工することにより加工誘起マルテンサイト量を制御することができる。
そして、加工に供されるオーステナイト系ステンレス鋼の構成成分(オーステナイト安定度指標Md30)、加工条件(例えば、引張速度、捩じり角度、加工温度)などを適宜調整して真直加工することにより加工誘起マルテンサイト量を制御することができる。
ここに、加工誘起マルテンサイト量が20〜60体積%のオーステナイト系ステンレス鋼の線材をコアワイヤとして使用することにより、ガイドワイヤのトルク伝達性の向上を図ることができるとともに、優れた形状安定性(5°未満の反り角度)が発揮される。
本発明の医療用ガイドワイヤにおいて、前記コアワイヤの構成する線材の加工誘起マルテンサイト量が30〜40体積%であることが好ましい。
また、前記オーステナイト系ステンレス鋼がSUS304またはSUS316であることが好ましい。
また、前記オーステナイト系ステンレス鋼がSUS304またはSUS316であることが好ましい。
本発明の医療用ガイドワイヤは、ステンレス鋼からなるコアワイヤを備えた従来公知のガイドワイヤと比較して優れたトルク伝達性を有するとともに、形状安定性に優れ、血管内で屈曲させたときでも先端部に永久変形が発生しにくい。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
図1に示す本実施形態の医療用ガイドワイヤ2は、近位端側大径部20と遠位端側小径部22,24,26とテーパ部21,23,25とを有するコアワイヤ4と、コアワイヤ4の遠位端側小径部の外周に軸方向に沿って装着されたコイルスプリング12とを備えてなり、コアワイヤ4は、オーステナイト系ステンレス鋼の線材に伸線加工および真直加工を施して得られる、加工誘起マルテンサイト量が20〜60体積%の線材からなり、コイルスプリング12が装着されているコアワイヤ4の遠位端側小径部を直径20mmのロッドの外周に沿って1回巻き付けた状態で150gfの引張荷重を10秒間負荷したときに、巻き付けによる先端部分の反り角度が5°未満である。
図1に示す本実施形態の医療用ガイドワイヤ2は、近位端側大径部20と遠位端側小径部22,24,26とテーパ部21,23,25とを有するコアワイヤ4と、コアワイヤ4の遠位端側小径部の外周に軸方向に沿って装着されたコイルスプリング12とを備えてなり、コアワイヤ4は、オーステナイト系ステンレス鋼の線材に伸線加工および真直加工を施して得られる、加工誘起マルテンサイト量が20〜60体積%の線材からなり、コイルスプリング12が装着されているコアワイヤ4の遠位端側小径部を直径20mmのロッドの外周に沿って1回巻き付けた状態で150gfの引張荷重を10秒間負荷したときに、巻き付けによる先端部分の反り角度が5°未満である。
本実施形態のガイドワイヤ2は、コアワイヤ4と、コイルスプリング12とを有する。 コアワイヤ4は、近位端側大径部20と、この近位端側大径部20に対して軸方向に沿って連続して形成されて近位端側大径部20よりも外径が段階的に小さくなっている遠位端側小径部22,24,26とにより構成されている。近位端側大径部20と遠位端側小径部22との接合部、遠位端側小径部22,24,26の接合部には、それぞれテーパ部21,23,25が形成してあり、コアワイヤ4は、軸方向に沿って遠位端側に向けて段階的に外径が小さくなっている。コイルスプリング12は、これらの遠位端側小径部22,24,26の外周に装着してある。
コアワイヤ4は、横断面が略円形の線材により一体的に構成されている。
コアワイヤ4は、オーステナイト系ステンレス鋼の線材に伸線加工および真直加工を施すことにより得られる。
ここに、オーステナイト系ステンレス鋼の組成の一例としては、Cが0.08%以下、Siが1.00%以下、Mnが2.00%以下、Crが18.00〜20.00%、Niが8.00〜10.50%、残部がFeおよび不可避不純物である組成を挙げることができる。
好適なオーステナイト系ステンレス鋼としては、SUS304およびSUS316を挙げることができる。
コアワイヤ4は、オーステナイト系ステンレス鋼の線材に伸線加工および真直加工を施すことにより得られる。
ここに、オーステナイト系ステンレス鋼の組成の一例としては、Cが0.08%以下、Siが1.00%以下、Mnが2.00%以下、Crが18.00〜20.00%、Niが8.00〜10.50%、残部がFeおよび不可避不純物である組成を挙げることができる。
好適なオーステナイト系ステンレス鋼としては、SUS304およびSUS316を挙げることができる。
オーステナイト系ステンレス鋼の線材に施される伸線加工としては、鋼材の線径を連続して縮小できるものであれば特に限定されるものではなく、ダイスによる加工であってもロールによる加工であってもよい。また、湿式伸線加工であっても乾式伸線加工であってもよい。伸線加工された線材はボビンに巻き付けられて回収される。
真直加工は、伸線加工されてボビンに巻き付けられた線材を捩じりながら引張操作することにより直線化する加工である。
真直加工(ねじり)によって、線材を構成するオーステナイト系ステンレス鋼の結晶粒は、図2に示すように斜めに配向する(同図において、符号Cで示す範囲が1つの結晶粒である)。また、真直加工された線材の各結晶粒内には、加工誘起マルテンサイト組織(図示せず)が析出する。
伸線加工および真直加工された線材を切断し、この線材の端部に、先端に向けて徐々に外径が細くなるようなテーパ加工を施して、遠位端側小径部22,24,26を形成することによりコアワイヤ4が得られる。
なお、線材に残る残留応力を時効処理を行って除去してもよい。
なお、線材に残る残留応力を時効処理を行って除去してもよい。
コアワイヤ4を構成する線材において、結晶粒内に析出したマルテンサイトの量(加工誘起マルテンサイト量)は、通常20〜60体積%とされ、好ましくは30〜40体積%とされる。
加工誘起マルテンサイト量が20〜60体積%であるオーステナイト系ステンレス鋼の線材は好適な強靭性と延性とを兼ね備えている。そして、このような線材をコアワイヤとして使用することにより、後述する実施例の結果からも明らかなように、ガイドワイヤのトルク伝達性が向上するとともに、優れた形状安定性(耐曲げ癖性)が発揮される。
加工誘起マルテンサイト量が20体積%未満である線材は、十分な強靭性・捩れ剛性を有するものとならず、これをコアワイヤとして使用するガイドワイヤは、トルク伝達性を十分に向上させることができず、近位端側の回転操作に対する遠位端側の回転動作が遅れ気味になる(後述する比較例1におけるトルク伝達性の評価参照)。
また、加工誘起マルテンサイト量が20体積%未満である線材をコアワイヤとして使用するガイドワイヤは、曲げ癖がつきやすくて形状保持性に劣り(比較例1における形状保持性の評価参照)、そのようなガイドワイヤを強い曲がりのある血管内に挿入する場合には、先端部に永久変形(塑性変形)を生じやすくなる。
一方、加工誘起マルテンサイト量が60体積%を超える線材は、靭性および剛性が過大となって延性に劣り、このような線材をコアワイヤとして使用するガイドワイヤについて近位端側を回転操作すると、その回転角度に対する遠位端側の回転角度は、操作当初にはきわめて小さく、その後、(はじけるように)急激に大きくなる傾向があり、このようなガイドワイヤは操作性にきわめて劣るものである(後述する比較例2におけるトルク伝達性の評価参照)。
また、加工誘起マルテンサイト量が60体積%を超える線材をコアワイヤとして使用するガイドワイヤは、曲げ剛性が高いものの、曲げの力が加わると折れや割れが発生し易く、形状保持性にきわめて劣るものである(比較例2における形状保持性の評価参照)。
更に、加工誘起マルテンサイト量が60体積%を超える線材は硬くて脆いものであるため、これをコアワイヤとして使用するガイドワイヤを強い曲がりのある血管内に挿入する場合に、血管内壁を損傷したり、ガイドワイヤ(コアワイヤ)自体が破断したりすることがある。
コアワイヤとして使用する線材(オーステナイト系ステンレス鋼材)の加工誘起マルテンサイト量を20〜60体積%とすることによりはじめて、優れたトルク伝達性を有するとともに、永久変形を起こりにくい形状安定性に優れたガイドワイヤを得ることができる。
コアワイヤ4の全長は、使用目的などに応じて異なり、特に限定されるものではないが、例えば1000〜3000mmとされ、好ましくは1800〜2000mmである。
コアワイヤ4における近位端側大径部20の外径は、通常0.10〜0.90mm程度である。
遠位端側小径部22,24,26の外径は、特に限定されないが、近位端側大径部20の外径に対して、好ましくは1/5〜1/2程度の外径である。
遠位端側小径部22,24,26の外径は、特に限定されないが、近位端側大径部20の外径に対して、好ましくは1/5〜1/2程度の外径である。
コアワイヤ4における遠位端側小径部26の先端には、球または半球状のボール部10が接合してある。ボール部10は、ガイドワイヤ2の先端部を滑らかにして、ガイドワイヤ2を血管などの体腔内に挿入する際に体腔内壁の損傷を極力防止するための部分であるとともに、コイルスプリング12の遠位端側ストッパとなる。
このボール部10は、例えば銀、金、またはこれらの合金などの金属から構成され、遠位端側小径部26の先端に、溶接またはロー付けなどの手段で接合してある。ボール部10の外径は、コアワイヤ4の近位端側大径部20の外径に対して、好ましくは0.5〜2倍程度の外径である。
このボール部10は、例えば銀、金、またはこれらの合金などの金属から構成され、遠位端側小径部26の先端に、溶接またはロー付けなどの手段で接合してある。ボール部10の外径は、コアワイヤ4の近位端側大径部20の外径に対して、好ましくは0.5〜2倍程度の外径である。
コイルスプリング12の遠位端14は、ボール部10の背面に対して溶接またはロー付けなどの手段で接合してある。コイルスプリング12の近位端16は、遠位端側小径部22の近位端近傍のテーパ部21において、コアワイヤ4の外周に、溶接またはロー付けなどの手段で接合してもよい。
コアワイヤ4におけるコイルスプリングで覆われていない部分(近位端側大径部20)の外周面は、生体適合性コーティング膜により被覆されていてもよい。
生体適合性コーティング膜としては特に限定されないが、例えば、ポリエチレンなどのオレフィン類、ポリイミドやポリアミドなどの含窒素ポリマー、シロキサンポリマー、フッ素樹脂ポリマー(例えばPTFE)など、医療用として用いられる通常のポリマーなどを挙げることができる。また、コーティング膜としては、ポリマーに限定されず、炭化珪素、パイロライトカーボンやダイアモンドライクカーボンなどのカーボンなど、無機物のコーティング膜であってもよい。
生体適合性コーティング膜としては特に限定されないが、例えば、ポリエチレンなどのオレフィン類、ポリイミドやポリアミドなどの含窒素ポリマー、シロキサンポリマー、フッ素樹脂ポリマー(例えばPTFE)など、医療用として用いられる通常のポリマーなどを挙げることができる。また、コーティング膜としては、ポリマーに限定されず、炭化珪素、パイロライトカーボンやダイアモンドライクカーボンなどのカーボンなど、無機物のコーティング膜であってもよい。
コイルスプリング12の外径は特に限定されないが、ボール部10の外径と同程度以下が好ましい。コイルスプリング12を構成する線材の外径は、特に限定されないが、好ましくは20〜150μm、さらに好ましくは50〜100μmの範囲である。
コイルスプリング12の材質は、特に限定されず、放射線造影材でも、放射線非造影材でもよい。放射線造影材としては、白金、白金合金(例えばPt/Ir=93/7)、金、金−銅合金、タングステン、タンタルなどのX線に対する造影性が良好な材質が例示される。また、放射線非造影材としては、特に限定されないが、ステンレス(例えばSUS316、SUS304)などが主として例示される。コイルスプリング12には、親水潤滑化コーティング処理が施してあってもよい。
また、コイルスプリング12の材質は、軸方向に必ずしも同じである必要はなく、例えば遠位端側を白金コイルとし、近位端側をステンレスコイルとしてもよい。
本実施形態のガイドワイヤ2において、コイルスプリング12が装着されているコアワイヤ4の遠位端側小径部22,24,26を直径20mmのロッドの外周に沿って1回巻き付けた状態で150gfの引張荷重を10秒間負荷したときに、巻き付けによる先端部分の反り角度(曲げ癖)は5°未満であり、形状保持性(耐曲げ癖性)にきわめて優れている。従って、ガイドワイヤ2を強い曲がりのある血管(例えば冠状動脈系)内に挿入しても、先端部に永久変形(塑性変形)を生じにくい。この結果、ガイドワイヤ2を、その先端付近で強い曲がり部分を有する血管内へも容易に追随して挿入することが可能になる。
<実施例1>
SUS403の線材に伸線加工および真直加工を施して、加工誘起マルテンサイト量が30〜40体積%の範囲にある直径0.34mmの線材を得た。次に、この線材の端部に、先端に向けて徐々に外径が細くなるテーパ加工を施して遠位端側小径部22(外径0.16mm),24(外径0.10mm),26(外径0.06mm)を形成した。
コアワイヤ4の全長は約1800mmで、近位端側大径部20の外径が0.34mm、遠位端側小径部22の長さが100mm,24の長さが30mm,26の長さが40mmであった。
得られた、コアワイヤ4に、コイルスプリング12を装着して、図1に示したような構造の本発明のガイドワイヤを3本作製した。
SUS403の線材に伸線加工および真直加工を施して、加工誘起マルテンサイト量が30〜40体積%の範囲にある直径0.34mmの線材を得た。次に、この線材の端部に、先端に向けて徐々に外径が細くなるテーパ加工を施して遠位端側小径部22(外径0.16mm),24(外径0.10mm),26(外径0.06mm)を形成した。
コアワイヤ4の全長は約1800mmで、近位端側大径部20の外径が0.34mm、遠位端側小径部22の長さが100mm,24の長さが30mm,26の長さが40mmであった。
得られた、コアワイヤ4に、コイルスプリング12を装着して、図1に示したような構造の本発明のガイドワイヤを3本作製した。
<比較例1>
SUS403の線材に伸線加工および真直加工を施して、加工誘起マルテンサイト量が10〜15体積%の範囲にある直径0.34mmの線材を得たこと以外は実施例1と同様にして、図1に示したような構造の比較用のガイドワイヤを3本作製した。
SUS403の線材に伸線加工および真直加工を施して、加工誘起マルテンサイト量が10〜15体積%の範囲にある直径0.34mmの線材を得たこと以外は実施例1と同様にして、図1に示したような構造の比較用のガイドワイヤを3本作製した。
<比較例2>
SUS403の線材に伸線加工および真直加工を施して、加工誘起マルテンサイト量が65〜80体積%の範囲にある直径0.34mmの線材を得たこと以外は実施例1と同様にして、図1に示したような構造の比較用のガイドワイヤを3本作製した。
SUS403の線材に伸線加工および真直加工を施して、加工誘起マルテンサイト量が65〜80体積%の範囲にある直径0.34mmの線材を得たこと以外は実施例1と同様にして、図1に示したような構造の比較用のガイドワイヤを3本作製した。
(1)トルク伝達性の評価
実施例1および比較例1〜2によって得られたガイドワイヤの各々を、図3に示す人の冠状動脈を模擬した治具の内部に挿入し、ガイドワイヤの近位端(手元側)を、モータにより所定の手元側角度0〜360°で捻り回転させ、そのガイドワイヤの遠位端(先端)における先端回転角度(捻れ角)を測定した。結果を図4に示す。なお、図4において、各例で得られた3本のガイドワイヤのうち1本についての曲線を示しているが、同じ例で得られた他の2本についても同様の結果であった。
図4に示す理論直線に近いほど、トルク伝達性が良好であって、操作性に優れている。トルク伝達性がよいと、手元側の回転力が先端まで伝わりやすく、血管分岐選択で、目的とする血管に前進させやすくなり、挿入作業性が向上する。
図4に示す結果から、実施例1により得られたガイドワイヤは、近位端側の回転操作に対する遠位端側の回転動作の遅れが小さく、トルク伝達性は良好であるといえる。これに対して、比較例1により得られたガイドワイヤは、遠位端側の回転動作の遅れが大きく、トルク伝達性に劣るものである。また、比較例2により得られたガイドワイヤは、遠位端側の回転角度が急激に大きくなり、トルク伝達性にきわめて劣るものである。
実施例1および比較例1〜2によって得られたガイドワイヤの各々を、図3に示す人の冠状動脈を模擬した治具の内部に挿入し、ガイドワイヤの近位端(手元側)を、モータにより所定の手元側角度0〜360°で捻り回転させ、そのガイドワイヤの遠位端(先端)における先端回転角度(捻れ角)を測定した。結果を図4に示す。なお、図4において、各例で得られた3本のガイドワイヤのうち1本についての曲線を示しているが、同じ例で得られた他の2本についても同様の結果であった。
図4に示す理論直線に近いほど、トルク伝達性が良好であって、操作性に優れている。トルク伝達性がよいと、手元側の回転力が先端まで伝わりやすく、血管分岐選択で、目的とする血管に前進させやすくなり、挿入作業性が向上する。
図4に示す結果から、実施例1により得られたガイドワイヤは、近位端側の回転操作に対する遠位端側の回転動作の遅れが小さく、トルク伝達性は良好であるといえる。これに対して、比較例1により得られたガイドワイヤは、遠位端側の回転動作の遅れが大きく、トルク伝達性に劣るものである。また、比較例2により得られたガイドワイヤは、遠位端側の回転角度が急激に大きくなり、トルク伝達性にきわめて劣るものである。
(2)形状保持性の評価
実施例1および比較例1によって得られたガイドワイヤの各々について、上述の方法により、巻き付けによる先端部分の反り角度を測定した。結果を下記表1に示す。
実施例1および比較例1によって得られたガイドワイヤの各々について、上述の方法により、巻き付けによる先端部分の反り角度を測定した。結果を下記表1に示す。
※ ロッドに巻き付けたときに、折れ・割れが発生し、形状が元に戻らなかった。
2 医療用ガイドワイヤ
4 コアワイヤ
10 ボール部
12 コイルスプリング
20 近位端側大径部
21,23,25 テーパ部
22,24,26 遠位端側小径部
4 コアワイヤ
10 ボール部
12 コイルスプリング
20 近位端側大径部
21,23,25 テーパ部
22,24,26 遠位端側小径部
Claims (3)
- 近位端側大径部と前記近位端側大径部より外径の小さい遠位端側小径部とを有するコアワイヤと、前記コアワイヤの遠位端側小径部の外周に軸方向に沿って装着されたコイルスプリングとを備えてなり、
前記コアワイヤは、オーステナイト系ステンレス鋼の線材に伸線加工および真直加工を施して得られる、加工誘起マルテンサイト量が20〜60体積%の線材からなり、
前記コイルスプリングが装着されている前記コアワイヤの遠位端側小径部を、直径20mmのロッドの外周に沿って1回巻き付けた状態で150gfの引張荷重を10秒間負荷したときに、巻き付けによる先端部分の反り角度が5°未満であることを特徴とする医療用ガイドワイヤ。 - 前記コアワイヤを構成する線材の加工誘起マルテンサイト量が30〜40体積%であることを特徴とする請求項1に記載の医療用ガイドワイヤ。
- 前記オーステナイト系ステンレス鋼がSUS304またはSUS316である請求項1または請求項2に記載の医療用ガイドワイヤ。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011265406A JP2013116252A (ja) | 2011-12-05 | 2011-12-05 | 医療用ガイドワイヤ |
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