JP2013143913A - ホスファチジルセリン含有粉末及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】水に対する分散性を有するホスファチジルセリン含有粉末及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のホスファチジルセリン含有粉末は、ホスファチジルセリンと、サイクロデキストリンと、ショ糖脂肪酸エステルと、ゼラチンとを含む。本発明のホスファチジルセリン含有粉末の製造方法は、水にサイクロデキストリンと、ショ糖脂肪酸エステルと、ゼラチンとを混合してサイクロデキストリンの分散液を作製する工程と、上記サイクロデキストリンの分散液にホスファチジルセリンを添加してホスファチジルセリンを含む混合液を作製する工程と、上記ホスファチジルセリンを含む混合液を凍結乾燥してホスファチジルセリン含有粉末を得る工程を含む。
【選択図】図1A
【解決手段】本発明のホスファチジルセリン含有粉末は、ホスファチジルセリンと、サイクロデキストリンと、ショ糖脂肪酸エステルと、ゼラチンとを含む。本発明のホスファチジルセリン含有粉末の製造方法は、水にサイクロデキストリンと、ショ糖脂肪酸エステルと、ゼラチンとを混合してサイクロデキストリンの分散液を作製する工程と、上記サイクロデキストリンの分散液にホスファチジルセリンを添加してホスファチジルセリンを含む混合液を作製する工程と、上記ホスファチジルセリンを含む混合液を凍結乾燥してホスファチジルセリン含有粉末を得る工程を含む。
【選択図】図1A
Description
本発明は、ホスファチジルセリンを含有するホスファチジルセリン含有粉末及びその製造方法に関し、特に水に対する分散性を有するホスファチジルセリン含有粉末及びその製造方法に関する。
ホスファチジルセリン(以下において、PSとも記す。)は、細胞膜を構成するリン脂質の一種であり、特に脳の神経細胞の膜における主要なリン脂質成分である。PSは、神経伝達や情報交換などの脳細胞の機能に関わることが知られている。これまで、PSと物忘れ、気分、認知力及び学習能力などとの関連について多くの研究が行われ、PSが年齢関連の記憶障害などについて脳機能改善効果があることが分かって来た。
PSは腸に吸収されると、血中に取り込まれ、血液脳関門を通過して大脳中の神経細胞に達するため、栄養補助食品(サプリメント)として用いられている。例えば、特許文献1には、PSの粉末又は油ベース液体組成物を栄養補助食品として用いることが提案されている。また、特許文献2には、ホスファチジルセリンと界面活性剤を含有するホスファチジルセリン含有水性組成物を飲食品などに添加することが提案されている。
しかし、PSの粉末や油ベース液体組成物は、水系食品に添加すると分散性が悪いという問題点がある。また、PSの水性分散物は取り扱いが煩雑であるという問題がある。
本発明は、上記従来の問題を解決するため、水に対する分散性を有するホスファチジルセリン含有粉末及びその製造方法を提供する。
本発明のホスファチジルセリン含有粉末は、ホスファチジルセリンと、サイクロデキストリンと、ショ糖脂肪酸エステルと、ゼラチンとを含むことを特徴とする。
本発明のホスファチジルセリン含有粉末の製造方法は、水にサイクロデキストリンと、ショ糖脂肪酸エステルと、ゼラチンとを混合してサイクロデキストリンの分散液を作製する工程と、上記サイクロデキストリンの分散液にホスファチジルセリンを添加してホスファチジルセリンを含む混合液を作製する工程と、上記ホスファチジルセリンを含む混合液を凍結乾燥してホスファチジルセリン含有粉末を得る工程を含む。
本発明は、ホスファチジルセリンに、サイクロデキストリンと、ショ糖脂肪酸エステルと、ゼラチンとを添加することにより、水に対する分散性(以下において、水分散性とも記す。)を有するホスファチジルセリン含有粉末を提供することができる。本発明のホスファチジルセリン含有粉末は、50℃以上、特に85℃以上のお湯に対しても分散性が良好である。また、本発明では、水にサイクロデキストリンと、ショ糖脂肪酸エステルと、ゼラチンとを混合して作製したサイクロデキストリンの分散液に、ホスファチジルセリンを添加して得られたホスファチジルセリンの混合液を凍結乾燥することで、水に対する分散性を有するホスファチジルセリン含有粉末を提供することができる。
通常、水に溶けにくい物質をサイクロデキストリンで包接して水に可溶化又は分散させることが行われているが、ホスファチジルセリンをサイクロデキストリンで包接した後に粉末化しても、水への分散性が向上せず、膜状の浮遊物によるいわゆるネックリングが発生し、容器に強く付着することがある。上記現象は、特に85℃以上のお湯の場合顕著に発生する。これは、サイクロデキストリンのみで包接したホスファチジルセリンの粉末を水に添加した場合、ホスファチジルセリンがサイクロデキストリンから外れることにより発生するものであると推測される。そこで、本発明者らは、ホスファチジルセリンと、サイクロデキストリンと、ショ糖脂肪酸エステルと、ゼラチンとを組み合わせることで、ホスファチジルセリン含有粉末の水に対する分散性を向上し、膜状の浮遊物の発生を抑制し、本発明に至った。これは、サイクロデキストリンと、ショ糖脂肪酸エステルと、ゼラチンとを組み合わせることで、ホスファチジルセリンがサイクロデキストリンから外れるのを防止しているためであると推測される。
(ホスファチジルセリン含有粉末)
本発明のホスファチジルセリン含有粉末は、ホスファチジルセリンと、サイクロデキストリンと、ショ糖脂肪酸エステルと、ゼラチンとを含む。上記ホスファチジルセリン含有粉末は、ホスファチジルセリン含有粉末全体質量に対してホスファチジルセリンを1〜15質量%、サイクロデキストリンを83.8〜98.8質量%、ショ糖脂肪酸エステルを0.1〜0.6質量%、ゼラチンを0.1〜0.6質量%含むことが好ましく、ホスファチジルセリンを3〜8質量%、サイクロデキストリンを90.8〜96.8質量%、ショ糖脂肪酸エステルを0.1〜0.6質量%、ゼラチンを0.1〜0.6質量%含むことがより好ましい。
本発明のホスファチジルセリン含有粉末は、ホスファチジルセリンと、サイクロデキストリンと、ショ糖脂肪酸エステルと、ゼラチンとを含む。上記ホスファチジルセリン含有粉末は、ホスファチジルセリン含有粉末全体質量に対してホスファチジルセリンを1〜15質量%、サイクロデキストリンを83.8〜98.8質量%、ショ糖脂肪酸エステルを0.1〜0.6質量%、ゼラチンを0.1〜0.6質量%含むことが好ましく、ホスファチジルセリンを3〜8質量%、サイクロデキストリンを90.8〜96.8質量%、ショ糖脂肪酸エステルを0.1〜0.6質量%、ゼラチンを0.1〜0.6質量%含むことがより好ましい。
上記ホスファチジルセリン含有粉末において、ホスファチジルセリンの含有量が1〜15質量%であることにより、上記ホスファチジルセリン含有粉末を水系食品などに添加した場合、水分散性に優れるとともに、PS固有の効果を発揮しうる。
上記ホスファチジルセリン含有粉末において、サイクロデキストリンの含有量が83.8〜98.8質量%、ショ糖脂肪酸エステルの含有量が0.1〜0.6質量%、ゼラチンの含有量が0.1〜0.6質量%であることにより、上記ホスファチジルセリン含有粉末を水や水系食品などに添加した場合の水分散性に優れるとともに、耐熱性にも優れる。本発明において、耐熱性とは、上記ホスファチジルセリン含有粉末を85℃以上のお湯に添加した場合でも、膜状の浮遊物の発生が抑制され、均一に分散していることをいう。
上記ホスファチジルセリンは、グリセリンの1−及び2−位の位置に脂肪酸由来のアシル基を有し、3−位にホスホリルセリン基を有する化合物であればよく、特に限定されない。例えば、動物由来、植物由来、微生物由来などのいずれの由来であってもよく、天然より得られるもの(天然品)、化学合成により得られたものであってもよい。上記脂肪酸としては、炭素数12〜20の飽和または不飽和の脂肪酸が好ましく挙げられる。上記天然品としては、例えば卵黄、牛脳等の動物由来のホスファチジルセリン、大豆、菜種及び亜麻仁等の植物由来のホスファチジルセリンなどが挙げられる。入手の容易性から、化学合成により得られたものを用いることが好ましく、例えばホスファチジルコリンを原料とし酵素で塩基交換したホスファチジルセリンを用いることができる。
上記サイクロデキストリンとしては、特に限定されず、包接作用を有するものであればよい。α−サイクロデキストリン、β‐サイクロデキストリン、γ‐サイクロデキストリンを例示できるが、ホスファチジルセリン含有粉末の水分散性をより高めるという観点から、α‐サイクロデキストリン及び/又はγ‐サイクロデキストリンであることが好ましい。
上記ショ糖脂肪酸エステルは、構成脂肪酸、エステル化度などは特に限定されないが、ホスファチジルセリン含有粉末の水分散性をより高めるという観点から、HLB(Hydrophile−Lipophile Balance)が1〜15であることが好ましく、8〜13であることがより好ましい。例えば、ショ糖モノラウリン酸エステル、ショ糖モノミリスチン酸エステル、ショ糖モノパルミチン酸エステル、ショ糖モノステアリン酸エステル、ショ糖モノオレイン酸エステル、ショ糖ジラウリン酸エステル、ショ糖ジミリスチン酸エステル、ショ糖ジパルミチン酸エステル、ショ糖ジステアリン酸エステル、ショ糖ジオレイン酸エステル、ショ糖トリラウリン酸エステル、ショ糖トリミリスチン酸エステル、ショ糖トリパルミチン酸エステル、ショ糖トリステアリン酸エステル、ショ糖トリオレイン酸エステル等を用いることができる。上記ショ糖脂肪酸エステルは、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、ショ糖脂肪酸エステルは、ショ糖の水酸基に脂肪酸をエステル結合させたものである。ショ糖1分子中には8個の水酸基があり、これに脂肪酸をエステル結合させることができる。ショ糖1分子中に脂肪酸1分子を結合させたモノエステル(1置換体)から脂肪酸8分子を結合させたオクタエステル(8置換体)があり、また、それらのエステル化度の異なる混合物も使用できる。市販品として、例えば、第一工業製薬株式会社製のショ糖脂肪酸エステル「DKエステル」(登録商標)などを用いることができる。
上記ホスファチジルセリン含有粉末は、さらにトレハロースを含んでもよい。トレハロースを含むことにより、風味がよくなる。上記トレハロースの含有量は特に限定されないが、水分散性の観点から、上記ホスファチジルセリン含有粉末の全体質量に対して8質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、1〜5質量%であることがさらに好ましい。上記ホスファチジルセリン含有粉末が、1〜5質量%のトレハロースを含むことにより粉末の水分散性がより向上する。
上記ホスファチジルセリン含有粉末は、水分散性を阻害しない範囲内で、他の食品用添加剤、例えばビタミンEなどの酸化防止剤を含んでもよい。
上記ホスファチジルセリン含有粉末は、凍結乾燥粉末であることが好ましい。上記ホスファチジルセリン含有粉末が凍結乾燥粉末の場合、粉末表面に多孔が形成されるため、水分散性が向上すると推測される。
(ホスファチジルセリン含有粉末の製造方法)
本発明のホスファチジルセリン含有粉末は、特に限定されないが、下記のような方法で製造することが好ましい。上記ホスファチジルセリン含有粉末は、水にサイクロデキストリンと、ショ糖脂肪酸エステルと、ゼラチンとを添加し、混合して得られたサイクロデキストリンの分散液に、ホスファチジルセリンを混合して得られたホスファチジルセリンを含む混合液を凍結乾燥することで得ることができる。上記のようにして得られたホスファチジルセリン含有粉末は、水に分散しても、ホスファチジルセリンがサイクロデキストリンから外れることを防ぐことができると推測される。
本発明のホスファチジルセリン含有粉末は、特に限定されないが、下記のような方法で製造することが好ましい。上記ホスファチジルセリン含有粉末は、水にサイクロデキストリンと、ショ糖脂肪酸エステルと、ゼラチンとを添加し、混合して得られたサイクロデキストリンの分散液に、ホスファチジルセリンを混合して得られたホスファチジルセリンを含む混合液を凍結乾燥することで得ることができる。上記のようにして得られたホスファチジルセリン含有粉末は、水に分散しても、ホスファチジルセリンがサイクロデキストリンから外れることを防ぐことができると推測される。
ホスファチジルセリン、サイクロデキストリン及びショ糖脂肪酸エステルとしては、上述したものを用いることができる。上記水としては、飲食品、医薬部外品等に使用できる水であればよく、特に限定されない。例えば、イオン交換水、蒸留水等の精製水、水道水、天然水、アルカリイオン水等を用いることができる。
上記ホスファチジルセリンは、粉末でもよく、油性媒体に溶解させた流体でもよい。上記ホスファチジルセリンの純度は、特に限定されないが、純度の高いものが好ましい。ホスファチジルセリンの純度は、好ましくは、10〜95質量%、入手の容易性から20〜70質量%がより好ましい。例えば、粉末として、カーギル社製のLIPAMINE(登録商標)-PS 90 PN、LIPAMINE(登録商標)-PS 70 PNなどの市販品を用いることができる。また、油性媒体に溶解させた流体として、日油株式会社製のニチユPS25−Lなどを用いることができる。
まず、水にサイクロデキストリンと、ショ糖脂肪酸エステルと、ゼラチンとを添加し、混合してサイクロデキストリンの分散液を作製する。上記において、特に限定されないが、分散性を高めるという観点から、水とサイクロデキストリンを混合した後に、ショ糖脂肪酸エステルと、ゼラチンとを添加し、混合することが好ましい。また、必要に応じて、サイクロデキストリンの分散液にトレハロース、ビタミンEなどを添加してもよい。上記サイクロデキストリンの分散液は、サイクロデキストリンにホスファチジルセリンの包接を促進するという観点から、水30〜80質量%、ショ糖脂肪酸エステル0.06〜0.37質量%、ゼラチン0.06〜0.37質量%を含むことが好ましく、より好ましくは、水40〜60質量%、ショ糖脂肪酸エステル0.13〜0.19質量%、ゼラチン0.13〜0.19質量%を含む。混合は、特に限定されないが、例えば、ホモジナイザー、ホモミキサー、ナノマイザーなどを用いて行うことができる。
次に、上記で得られたサイクロデキストリンの分散液にホスファチジルセリンを添加し、混合してホスファチジルセリンを含む混合液を作製する。上記ホスファチジルセリンは、サイクロデキストリンに対して、包接の機会を増大させるという観点から、好ましくは1〜30質量%になるように、より好ましくは10〜20質量%になるように添加することが好ましい。混合は、特に限定されないが、例えば、ホモジナイザー、ホモミキサー、ナノマイザーなどを用いて行うことができる。より分散性を高めるという観点から、ホモミキサー(TKホモミクサーMARKII2.5型、プライミクス社製)を用い、回転数5,000rpm以上で、30〜60分間混合することが好ましく、10,000rpm以上で、5〜10分間混合することがより好ましく、8,000rpm以上で、15〜30分間混合することがさらに好ましい。
次に、ホスファチジルセリンを含む混合液を凍結乾燥し、ホスファチジルセリン含有粉末を得る。凍結乾燥処理する前に、ホスファチジルセリンを含む混合液を凍結する。凍結は、空気凍結、エアブラスト凍結、接触式凍結、浸漬式凍結、液化ガス吹付け式凍結、真空凍結などの各方式で行うことができる。凍結のための温度は特に限定されないが、一般的に、−10℃〜−100℃、好ましくは、−20℃〜−70℃の範囲内である。凍結後、常用の真空凍結乾燥機で凍結乾燥する。凍結乾燥条件は特に限定されないが、真空度10Pa〜200Pa、乾燥品温30〜80℃、乾燥時間は15〜40時間であることが好ましく、真空度30Pa〜100Pa、乾燥品温40〜50℃、乾燥時間は20〜30時間であることがより好ましい。凍結乾燥後の粉末を必要に応じて粉砕し、0.85ミリ以下の篩、好ましくは0.5〜0.85ミリの篩で粉末の塊を取り除いてもよい。
上記ホスファチジルセリン含有粉末は、お湯又は水で復元する即席食品に使用することができる。上記ホスファチジルセリン含有粉末を含む即席食品により、ホスファチジルセリンを容易に摂取することができる。即席食品としては、特に限定されないが、例えば即席麺、即席スープなどが挙げられる。或いは、上記ホスファチジルセリン含有粉末を味噌汁やスープに溶かして食べてもよい。
以下実施例を用いて本発明を具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ホスファチジルセリン25%含有油脂(日油株式会社製の「ニチユPS25−L」)、γ‐サイクロデキストリン(塩水港精糖株式会社製「デキシーパールγ‐100」)、ショ糖脂肪酸エステルA(第一工業製薬株式会社製「DKエステルF‐110」、HLB値11、モノエステル50%、ジ・トリ・ポリエステル50%)、ビタミンE(20%粉末、エーザイ株式会社製「イーミックス‐P20」)、ゼラチン(新田ゼラチン株式会社製のゼラチンG微粉)、水を下記表1に示す配合量で混合した。まず、水にγ‐サイクロデキストリンを添加して混合した後、ショ糖脂肪酸エステル、ビタミンE及びゼラチンを添加し、ホモジナイザー(プライミクス社製のTKホモミキサーMARKII2.5型)を用いて回転数8000rpmで混合し、サイクロデキストリンの分散液を得た。次いで、得られたサイクロデキストリンの分散液にホスファチジルセリン25%含有油脂を徐々に添加し、上記ホモジナイザーを用いて回転数8000rpmで30分間混合した。得られた混合液をトレーに移し、−30℃の冷凍庫で12時間凍結した。その後、凍結した混合液を凍結乾燥機(SF‐20型、株式会社大川原製作所製)にて、真空度50Pa、乾燥品温50℃、乾燥時間24時間の条件で乾燥した。乾燥後、粉砕して0.85ミリ篩を通過させて、ホスファチジルセリン含有粉末を得た。
ホスファチジルセリン25%含有油脂(日油株式会社製の「ニチユPS25−L」)、γ‐サイクロデキストリン(塩水港精糖株式会社製「デキシーパールγ‐100」)、ショ糖脂肪酸エステルA(第一工業製薬株式会社製「DKエステルF‐110」、HLB値11、モノエステル50%、ジ・トリ・ポリエステル50%)、ビタミンE(20%粉末、エーザイ株式会社製「イーミックス‐P20」)、ゼラチン(新田ゼラチン株式会社製のゼラチンG微粉)、水を下記表1に示す配合量で混合した。まず、水にγ‐サイクロデキストリンを添加して混合した後、ショ糖脂肪酸エステル、ビタミンE及びゼラチンを添加し、ホモジナイザー(プライミクス社製のTKホモミキサーMARKII2.5型)を用いて回転数8000rpmで混合し、サイクロデキストリンの分散液を得た。次いで、得られたサイクロデキストリンの分散液にホスファチジルセリン25%含有油脂を徐々に添加し、上記ホモジナイザーを用いて回転数8000rpmで30分間混合した。得られた混合液をトレーに移し、−30℃の冷凍庫で12時間凍結した。その後、凍結した混合液を凍結乾燥機(SF‐20型、株式会社大川原製作所製)にて、真空度50Pa、乾燥品温50℃、乾燥時間24時間の条件で乾燥した。乾燥後、粉砕して0.85ミリ篩を通過させて、ホスファチジルセリン含有粉末を得た。
(実施例2)
さらにトレハロース(株式会社林原製)5質量部を添加してサイクロデキストリンの分散液を作製した以外は、実施例1と同様にして、ホスファチジルセリン含有粉末を得た。
さらにトレハロース(株式会社林原製)5質量部を添加してサイクロデキストリンの分散液を作製した以外は、実施例1と同様にして、ホスファチジルセリン含有粉末を得た。
(実施例3)
ショ糖脂肪酸エステルAの添加量を0.5質量部から0.16質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして、ホスファチジルセリン含有粉末を得た。
ショ糖脂肪酸エステルAの添加量を0.5質量部から0.16質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして、ホスファチジルセリン含有粉末を得た。
(実施例4)
ショ糖脂肪酸エステルAの添加量を0.5質量部から0.94質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして、ホスファチジルセリン含有粉末を得た。
ショ糖脂肪酸エステルAの添加量を0.5質量部から0.94質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして、ホスファチジルセリン含有粉末を得た。
(実施例5)
ゼラチンの添加量を0.5質量部から0.16質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして、ホスファチジルセリン含有粉末を得た。
ゼラチンの添加量を0.5質量部から0.16質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして、ホスファチジルセリン含有粉末を得た。
(実施例6)
ゼラチンの添加量を0.5質量部から0.94質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして、ホスファチジルセリン含有粉末を得た。
ゼラチンの添加量を0.5質量部から0.94質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして、ホスファチジルセリン含有粉末を得た。
(実施例7)
γ‐サイクロデキストリンに替えてα‐サイクロデキストリン(塩水港精糖株式会社製「デキシーパールα‐100」)を用いた以外は、実施例2と同様にして、ホスファチジルセリン含有粉末を得た。
γ‐サイクロデキストリンに替えてα‐サイクロデキストリン(塩水港精糖株式会社製「デキシーパールα‐100」)を用いた以外は、実施例2と同様にして、ホスファチジルセリン含有粉末を得た。
(実施例8)
γ‐サイクロデキストリンに替えてβ‐サイクロデキストリン(塩水港精糖株式会社製「デキシーパールβ‐100」)を用いた以外は、実施例2と同様にして、ホスファチジルセリン含有粉末を得た。
γ‐サイクロデキストリンに替えてβ‐サイクロデキストリン(塩水港精糖株式会社製「デキシーパールβ‐100」)を用いた以外は、実施例2と同様にして、ホスファチジルセリン含有粉末を得た。
(実施例9)
γ‐サイクロデキストリンの添加量を125質量部から75質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして、ホスファチジルセリン含有粉末を得た。
γ‐サイクロデキストリンの添加量を125質量部から75質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして、ホスファチジルセリン含有粉末を得た。
(実施例10)
γ‐サイクロデキストリンの添加量を125質量部から200質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして、ホスファチジルセリン含有粉末を得た。
γ‐サイクロデキストリンの添加量を125質量部から200質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして、ホスファチジルセリン含有粉末を得た。
(実施例11)
ショ糖脂肪酸エステルAに替えてショ糖脂肪酸エステルB(第一工業製薬株式会社製「DKエステルF‐10」、HLB値1、ジ・トリ・ポリエステル100%)を用いた以外は、実施例2と同様にして、ホスファチジルセリン含有粉末を得た。
ショ糖脂肪酸エステルAに替えてショ糖脂肪酸エステルB(第一工業製薬株式会社製「DKエステルF‐10」、HLB値1、ジ・トリ・ポリエステル100%)を用いた以外は、実施例2と同様にして、ホスファチジルセリン含有粉末を得た。
(実施例12)
ショ糖脂肪酸エステルAに替えてショ糖脂肪酸エステルC(第一工業製薬株式会社製「DKエステルF‐160」、HLB値15、モノエステル70%、ジ・トリ・ポリエステル30%)を用いた以外は、実施例2と同様にして、ホスファチジルセリン含有粉末を得た。
ショ糖脂肪酸エステルAに替えてショ糖脂肪酸エステルC(第一工業製薬株式会社製「DKエステルF‐160」、HLB値15、モノエステル70%、ジ・トリ・ポリエステル30%)を用いた以外は、実施例2と同様にして、ホスファチジルセリン含有粉末を得た。
(実施例13)
ホスファチジルセリン25%含有油脂に替えてホスファチジルセリン含有粉末(カーギル社製「LIPAMINE」(登録商標)-PS 90 PN)を25質量部添加し、水の配合量を425質量部にした以外は、実施例2と同様にして、ホスファチジルセリン含有粉末を得た。
ホスファチジルセリン25%含有油脂に替えてホスファチジルセリン含有粉末(カーギル社製「LIPAMINE」(登録商標)-PS 90 PN)を25質量部添加し、水の配合量を425質量部にした以外は、実施例2と同様にして、ホスファチジルセリン含有粉末を得た。
(比較例1)
ゼラチンを添加していない以外は、実施例2と同様にして、ホスファチジルセリン含有粉末を得た。
ゼラチンを添加していない以外は、実施例2と同様にして、ホスファチジルセリン含有粉末を得た。
(比較例2)
ショ糖脂肪酸エステルとゼラチンを添加していない以外は、実施例1と同様にして、ホスファチジルセリン含有粉末を得た。
ショ糖脂肪酸エステルとゼラチンを添加していない以外は、実施例1と同様にして、ホスファチジルセリン含有粉末を得た。
(比較例3)
ショ糖脂肪酸エステルに替えてグリセリン脂肪酸エステル(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製ホモゲンNo.690)を用いた以外は、実施例2と同様にして、ホスファチジルセリン含有粉末
を得た。
ショ糖脂肪酸エステルに替えてグリセリン脂肪酸エステル(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製ホモゲンNo.690)を用いた以外は、実施例2と同様にして、ホスファチジルセリン含有粉末
を得た。
(参考例1〜3)
参考例1〜3として、それぞれ、カーギル社製のLIPAMINE(登録商標)-PS 90 PN、LIPAMINE(登録商標)-PS 70 PN、ビーエイチエヌ株式会社製のBHN PS-20Pを用いた。
参考例1〜3として、それぞれ、カーギル社製のLIPAMINE(登録商標)-PS 90 PN、LIPAMINE(登録商標)-PS 70 PN、ビーエイチエヌ株式会社製のBHN PS-20Pを用いた。
実施例、比較例及び参考例のホスファチジルセリン含有粉末の溶解具合を以下のように測定評価し、その結果を下記表1〜表2に示した。なお、下記表1〜表2には実施例及び比較例における各組成の配合量も併せて示した。
(溶解具合)
300mlのビーカーに90±5℃のお湯100mlを入れた後、サンプル2gを添加し、マグネティックスターラーを用いて950rpmで30秒間混合した後、サンプルの分散状態を以下のような4段階で評価した。なお、評価がC以上であれば水に対する分散性があると判断した。
A:粉末が均一に分散している。
B:粉末がほぼ均一に分散している。
C:粉末がほぼ均一に分散しているが、ある程度の膜状の浮遊物が存在している。
D:多量の膜状の浮遊物が存在し、ビーカーの壁に付着している。
300mlのビーカーに90±5℃のお湯100mlを入れた後、サンプル2gを添加し、マグネティックスターラーを用いて950rpmで30秒間混合した後、サンプルの分散状態を以下のような4段階で評価した。なお、評価がC以上であれば水に対する分散性があると判断した。
A:粉末が均一に分散している。
B:粉末がほぼ均一に分散している。
C:粉末がほぼ均一に分散しているが、ある程度の膜状の浮遊物が存在している。
D:多量の膜状の浮遊物が存在し、ビーカーの壁に付着している。
上記表1〜表2の結果から、実施例で得られたホスファチジルセリン含有粉末の溶解具体の評価は全てC以上であり、水に対する分散性を有することが分かった。一方、比較例及び参考例のホスファチジルセリン含有粉末の溶解具体の評価は全てDであった。
実施例2のホスファチジルセリン含有粉末、市販のPS含有粉末であるニチユ製「PS−50」及び市販のPS含有粉末であるカーギル社製「LIPAMINE PS90PN」の表面を走査電子顕微鏡(SEM)にて観察し、その結果を図1〜図3に示した。図1A及び図1Bは、それぞれ、実施例2のホスファチジルセリン含有粉末の表面の50倍及び500倍のSEM写真である。図2A及び図2Bは、それぞれ、市販のPS含有粉末であるニチユ製「PS−50」の表面の50倍及び500倍のSEM写真である。図3A及び図3Bは、それぞれ、市販のPS含有粉末であるカーギル社製「LIPAMINE PS90PN」の表面の50倍及び500倍のSEM写真である。図1〜図3から、実施例2の粉末表面には、市販のPS含有粉末の表面では観察されない、多孔が形成されていることが確認された。実施例2の粉末表面の多孔は凍結乾燥により形成されたものであり、表面に多孔が形成されていることにより粉末の水分散性が向上していると推測される。
Claims (5)
- ホスファチジルセリンと、サイクロデキストリンと、ショ糖脂肪酸エステルと、ゼラチンとを含むことを特徴とするホスファチジルセリン含有粉末。
- 前記サイクロデキストリンは、α‐及び/又はγ‐サイクロデキストリンである請求項1に記載のホスファチジルセリン含有粉末。
- 前記ホスファチジルセリン含有粉末は、凍結乾燥粉末である請求項1又は2に記載のホスファチジルセリン含有粉末。
- 前記ショ糖脂肪酸エステルは、HLBが8〜13である請求項1〜3のいずれか1項に記載のホスファチジルセリン含有粉末。
- ホスファチジルセリン含有粉末の製造方法であって、
水にサイクロデキストリンと、ショ糖脂肪酸エステルと、ゼラチンとを混合してサイクロデキストリンの分散液を作製する工程と、
前記サイクロデキストリンの分散液にホスファチジルセリンを添加してホスファチジルセリンを含む混合液を作製する工程と、
前記ホスファチジルセリンを含む混合液を凍結乾燥してホスファチジルセリン含有粉末を得る工程を含むホスファチジルセリン含有粉末の製造方法。
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