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JP2011041512A - 改質アラビアガムを含有する乳化組成物 - Google Patents

改質アラビアガムを含有する乳化組成物 Download PDF

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JP2011041512A JP2009191540A JP2009191540A JP2011041512A JP 2011041512 A JP2011041512 A JP 2011041512A JP 2009191540 A JP2009191540 A JP 2009191540A JP 2009191540 A JP2009191540 A JP 2009191540A JP 2011041512 A JP2011041512 A JP 2011041512A
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Takeshi Katayama
豪 片山
Takeshi Ogasawara
健 小笠原
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San Ei Gen FFI Inc
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Abstract

【課題】60℃以上で加熱処理または乾燥処理することによって得られた改質アラビアガムを用いて、優れた乳化性および乳化安定性を有する乳化香料、乳化色素、乳化食品または粉末香料等の乳化組成物を提供する。
【解決手段】60℃以上で加熱処理または乾燥処理することによって得られた改質アラビアガムとキサンタンガム等の増粘安定剤、大豆ペプチド等のポリペプチドおよびポリグリセリン脂肪酸エステル等の界面活性剤よりなる群から選択される少なくとも1種を用いて乳化組成物を調製する。
【選択図】なし

Description

本発明は、改質アラビアガムを含有する乳化組成物に関する。より詳細には、本発明は60℃以上で加熱処理または乾燥処理することによって得られた改質アラビアガムを有効成分の1つとする優れた乳化性および乳化安定性を有する乳化組成物に関する。
アラビアガムは、乳化力を備え、さらに高濃度の溶液でも粘性が低いという特性を有することから、従来より食品や医薬品分野において広く乳化剤として使用されている多糖類である。しかしながら、アラビアガムは、そのままの状態では、単品で使用しても満足のいく乳化性能を発揮しないことも知られている。
そこで、従来よりアラビアガムの乳化力を高めるための方法が検討され、種々提案されている。例えば、かかる方法として、アラビアガムから金属イオンを除いてアラビン酸を取得し、これを加熱変性して乳化力を高める方法(例えば、特許文献1参照)、乾燥減量が50質量%以下のアラビアガムを60〜140℃で30分以上加熱して変性することにより乳化力を高める方法(例えば、特許文献2参照)、アラビアガムを水分3〜30質量%に調整して30℃以上で加温することにより乳化力を高める方法(例えば、特許文献3参照)など、アラビアガムそのものを改質する方法が知られている。しかしながら、かかる方法によると、改質処理によってアラビアガムが着色したり異臭が発生するため、乳化組成物に大量に添加できないといった問題が生じる場合があった。また、一部の乳化組成物や乳化食品においては、改質アラビアガム単独の使用では、十分な乳化力が得られないことがあった。
特開平02−049001号公報 特開2000−166489号公報 特開2003−321502号公報
本発明は、60℃以上で加熱処理または乾燥処理することによって得られた改質アラビアガムを有効成分の1つとする、より高い乳化安定性を有する乳化組成物を提供することを目的とする。
より好ましくは、本発明は、高い乳化力を発揮するという、60℃以上で加熱処理または乾燥処理することによって得られた改質アラビアガムの効果を活かしながらも、他成分をアラビアガムと併用することにより乳化力をより向上させた乳化組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねていたところ、60℃以上で加熱処理または乾燥処理することによって得られた改質アラビアガムと、増粘安定剤、ポリペプチドおよび界面活性剤よりなる群から選択される少なくとも1種を併用して使用することによって、上記目的を達成できることを見いだした。
本発明はかかる知見に基づいて開発されたものであり、下記の態様を含むものである:
項1.60℃以上で加熱処理または乾燥処理することによって得られた改質アラビアガムを含有することを特徴とする乳化組成物。
項2.60℃以上で加熱処理または乾燥処理することによって得られた改質アラビアガムと増粘安定剤、ポリペプチドおよび界面活性剤よりなる群から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする乳化組成物。
項3.増粘安定剤が、プルラン、デキストラン、カードラン、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、キサンタンガム(ザンサンガム)、熱処理キサンタンガム、マクロホモプシスガム、納豆菌ガム(納豆菌粘質物)、スクレロガム(スクレログルカン)、ラムザンガム、ウェランガム(ウェラン多糖類)、レバン、アグロバクテリウムスクシノグリカン、アゾトバクタービネランジーガム(アゾトバクタービネランジー多糖類)、アウレオバシジウム培養液、酵母細胞壁(酵母細胞膜)、β−グルカン(β1,3−グルカン、β1,3/1,6グルカン)、グァーガム(グァーフラワー、グァルガム)、グァーガム酵素分解物(グァーフラワー酵素分解物、グァルガム酵素分解物)、ローカストビーンガム(カロブビーンガム、イナゴマメガム)、熱処理ローカストビーンガム、タラガム、タマリンドシードガム(タマリンドガム、タマリンド種子多糖類)、セスバニアガム、カシアガム(カッシャガム)、アマシードガム、ダンマル樹脂、サバクヨモギシードガム(アルテミシアシードガム、サバクヨモギ種子多糖類)、トリアカンソスガム、サイリウムシードガム(サイリウムハスク)、アラビアガム(アカシアガム)、アラビノガラクタン、ガティガム(インディアンガム)、トラガントガム、カラヤガム、アーモンドガム(セドウガム)、エレミ樹脂、モモ樹脂、カラギナン(カラゲニン、カラゲナン)、ファーセレラン、加工ユーケマ藻類、寒天、易溶化寒天、寒天部分分解物、アガロース、褐藻抽出物(褐藻粘質物)、フコイダン、アルギン酸(昆布類粘質物)、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、フクロノリ抽出物(フクロノリ多糖類、フクロフノリ多糖類、フクロフノリ抽出物)、LMペクチン、HMペクチン、シュガービートペクチン、熱処理シュガービートペクチン、ポリガラクツロン酸、アロエベラ抽出物、オクラ抽出物、キダチアロエ抽出物、トロロアオイ、ダイズ多糖類(ダイズヘミセルロース)、キチン、キトサン、オリゴグルコサミン(キトサンオリゴ糖)、グルコサミン、コンニャク粉、グルコマンナン(コンニャクイモ抽出物)、セルロース、海藻セルロース、サツマイモセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(繊維素グリコール酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロースカルシウム(繊維素グリコール酸カルシウム)、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、発酵セルロース(醸造セルロース、ナタデココ)、微小繊維状セルロース、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピルリン酸架橋デンプン、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸化架橋デンプン、アセチル化酸化デンプン、酸化デンプン、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン、リン酸化デンプン、リン酸架橋デンプンカルボキシメチルデンプン、カチオンデンプン、酢酸デンプン、オクテニルコハク酸デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、リン酸デンプン、リン酸ジデンプン、グリセロールジデンプン、グラフト化デンプン、ブリティッシュガム、可溶性デンプン、未変性アルファ化デンプン、変性アルファ化デンプン、滅菌乾燥デンプン、粒状デンプン、吸油性デンプン、デキストリン、白色デキストリン、黄色デキストリン、ブリティッシュガム、マルトデキストリン、クラスターデキストリン、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、グリコーゲン、ポリアクリル酸ナトリウム、ムチン、ヒアルロン酸またはポリグルタミン酸の1種以上である項2記載の乳化組成物。
項4.ポリペプチドが、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、カゼインナトリウム、カゼインホスホペプチド、乳清タンパク質(ホエイプロテイン)、ラクトフェリン、アルブミン、フィブロイン、ダイズタンパク質、ダイズペプチド、コムギタンパク質、コムギグルテン、グルテン分解物、ポリグルタミン酸または血漿たんぱく質の1種以上である項2記載の乳化組成物。
項5.界面活性剤が、グリセリン脂肪酸エステル(蒸留モノグリセライド、蒸留ジグリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル(ジグリセリンモノラウレート、ジグリセリンモノステアレート、ジグリセリンモノオレート、デカグリセリンモノラウレート、デカグリセリンモノステアレート、デカグリセリンモノオレート)、有機酸モノグリセライド(酢酸モノグリセライド、クエン酸モノグリセライド、ジアセチル酒石酸モノグリセライド、コハク酸モノグリセライド、乳酸モノグリセリド)、モノ・ジグリセリド)、ソルビタン脂肪酸エステル(ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート)、プロピレングリコール脂肪酸エステル(プロピレングリコールモノステアレート)、ポリグリセリン縮合(ポリ)リシノール酸エステル、レシチン、酵素分解レシチン(フォスファチジン酸)、リゾレシチン、ダイズレシチン(ダイズリン脂質)、卵黄レシチン、ショ糖脂肪酸エステル(ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖ベヘニン酸エステル、ショ糖エルカ酸エステル)、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(ポリソルベート20、Tween20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(ポリソルベート80、Tween80)、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(ポリソルベート60、Tween60)、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート(ポリソルベート65、Tween65)、ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウム、サポニンおよびキラヤサポニンの1種以上である項2記載の乳化組成物。
項6.乳化組成物が、精油、油性香料、油性色素、油溶性ビタミン、多価不飽和脂肪酸、動植物油、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、及び中鎖トリグリセライドよりなる群から選択される少なくとも1種の疎水性物質を分散質として有するO/W型またはW/O/W型のエマルションである、項1に記載する乳化組成物。
項7.60℃以上で加熱処理または乾燥処理することによって得られた改質アラビアガムを、その総量が0.1〜30質量%となるような割合で含む項1に記載する乳化組成物。
項8.60℃以上で加熱処理または乾燥処理することによって得られた改質アラビアガムを50重量%以下の割合で含む項1に記載する乳化組成物。
項9.乳化組成物が、乳化香料、乳化色素、乳化食品または粉末香料である、項1に記載する乳化組成物。
項10.乳化食品が、ホイップクリーム、コーヒーホワイトナー、マーガリン、ショートニング、バター、アイスクリーム、ドレッシング、マヨネーズである、請求項9に記載の乳化組成物。
60℃以上で加熱処理または乾燥処理することによって得られた改質アラビアガムと増粘安定剤、ポリペプチドおよび界面活性剤よりなる群から選択される少なくとも1種を併用して使用することによって、乳化安定性の優れた乳化組成物を得ることができる。
斯くして調製される乳化組成物は、精油、油性色素、油性香料、脂溶性ビタミン、多価不飽和脂肪酸、動植物油、または中鎖トリグリセライド等の各種の疎水性物質の乳化を行なったものである。
60℃以上で加熱処理または乾燥処理することによって得られた改質アラビアガムと増粘安定剤、ポリペプチドおよび界面活性剤よりなる群から選択される少なくとも1種を併用して使用することによって調製される乳化組成物は、乳化剤としてアラビアガム単独を用いて調製した乳化組成物と比較して、粒子の粒度分布が均一であり、かつ、長期保存によって経時変化を受けてエマルション粒子同士が凝集したり、合一して粒子が劣化したりすることが有意に抑制されており、非常に安定である。よって、本発明の特定の割合からなる改質アラビアガムと増粘安定剤、ポリペプチドおよび界面活性剤よりなる群から選択される少なくとも1種を乳化剤として用いて調製される乳化組成物は、食品、医薬品、医薬部外品、及び香粧品の分野において、例えば乳化香料、乳化色素、乳化食品、粉末香料等として好適に利用することができる。
本発明の乳化組成物は、60℃以上で加熱処理または乾燥処理することによって得られた改質アラビアガムと増粘安定剤、ポリペプチドおよび界面活性剤よりなる群から選択される少なくとも1種を併用して使用することによって調製されたものである。
本発明に用いる改質アラビアガムは、60℃以上で加熱処理または60℃以上で乾燥処理することによって得られたものであり、例えば、特開2000−166489、特再WO2003/093324、特再WO2005/026213の方法を例示することができるが、好ましくは110℃〜130℃にて6〜48時間加熱を行ったものが好ましい。
ここでアラビアガムは、マメ科植物であるアカシア属のアカシア・セネガル(Acacia senegal)やアカシア・セイアル(Acacia seyal)またはこれらの同属植物の幹や枝から得られるゴム状の滲出液を乾燥して調製される天然樹脂(多糖類)である。本発明で用いる改質アラビアガムの調製には、は、アカシア・セネガル(Acacia senegal)及びアカシア・セイアル(Acacia seyal)の別を問わずいずれも使用できるが、好ましくはアカシア・セネガル(Acacia senegal)種に属するアラビアガムである。
アラビアガムは、スーダンを始め、エチオピアからセネガルにいたる北アフリカ一帯(エチオピア、セネガル、ナイジェリア、アフリカ北部のコルドファン、ナイル河支流近傍、その他アメラハ地方)で産出されるが、本発明においてはその由来を問うことなく、いずれの産地由来のものであってもよい。
本発明で用いる増粘安定剤は、プルラン、デキストラン、カードラン、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、キサンタンガム(ザンサンガム)、熱処理キサンタンガム、マクロホモプシスガム、納豆菌ガム(納豆菌粘質物)、スクレロガム(スクレログルカン)、ラムザンガム、ウェランガム(ウェラン多糖類)、レバン、アグロバクテリウムスクシノグリカン、アゾトバクタービネランジーガム(アゾトバクタービネランジー多糖類)、アウレオバシジウム培養液、酵母細胞壁(酵母細胞膜)およびβ−グルカン(β1,3−グルカン、β1,3/1,6グルカン)、グァーガム(グァーフラワー、グァルガム)、グァーガム酵素分解物(グァーフラワー酵素分解物、グァルガム酵素分解物)、ローカストビーンガム(カロブビーンガム、イナゴマメガム)、熱処理ローカストビーンガム、タラガム、タマリンドシードガム(タマリンドガム、タマリンド種子多糖類)、セスバニアガム、カシアガム(カッシャガム)、アマシードガム、ダンマル樹脂、サバクヨモギシードガム(アルテミシアシードガム、サバクヨモギ種子多糖類)、トリアカンソスガム、サイリウムシードガム(サイリウムハスク)、アラビアガム(アカシアガム)、アラビノガラクタン、ガティガム(インディアンガム)、トラガントガム、カラヤガム、アーモンドガム(セドウガム)、エレミ樹脂、モモ樹脂、カラギナン(カラゲニン、カラゲナン)、ファーセレラン、加工ユーケマ藻類、寒天、易溶化寒天、寒天部分分解物、アガロース、褐藻抽出物(褐藻粘質物)、フコイダン、アルギン酸(昆布類粘質物)、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、フクロノリ抽出物(フクロノリ多糖類、フクロフノリ多糖類、フクロフノリ抽出物)、LMペクチン、HMペクチン、シュガービートペクチン、熱処理シュガービートペクチン、ポリガラクツロン酸、アロエベラ抽出物、オクラ抽出物、キダチアロエ抽出物、トロロアオイ、ダイズ多糖類(ダイズヘミセルロース)、キチン、キトサン、オリゴグルコサミン(キトサンオリゴ糖)、グルコサミン、コンニャク粉、グルコマンナン(コンニャクイモ抽出物)、セルロース、海藻セルロース、サツマイモセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(繊維素グリコール酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロースカルシウム(繊維素グリコール酸カルシウム)、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、発酵セルロース(醸造セルロース、ナタデココ)、微小繊維状セルロース、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピルリン酸架橋デンプン、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸化架橋デンプン、アセチル化酸化デンプン、酸化デンプン、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン、リン酸化デンプン、リン酸架橋デンプンカルボキシメチルデンプン、カチオンデンプン、酢酸デンプン、オクテニルコハク酸デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、リン酸デンプン、リン酸ジデンプン、グリセロールジデンプン、グラフト化デンプン、ブリティッシュガム、可溶性デンプン、未変性アルファ化デンプン、変性アルファ化デンプン、滅菌乾燥デンプン、粒状デンプン、吸油性デンプン、デキストリン、白色デキストリン、黄色デキストリン、ブリティッシュガム、マルトデキストリン、クラスターデキストリン、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、グリコーゲン、ポリアクリル酸ナトリウム、ムチン、ヒアルロン酸またはポリグルタミン酸の1種以上を挙げることができる。
本発明で用いるポリペプチドは、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、カゼインナトリウム、カゼインホスホペプチド、乳清タンパク質(ホエイプロテイン)、ラクトフェリン、アルブミン、フィブロイン、ダイズタンパク質、ダイズペプチド、コムギタンパク質、コムギグルテン、グルテン分解物、ポリグルタミン酸または血漿たんぱく質の1種以上を挙げることができる。
本発明で用いる界面活性剤は、グリセリン脂肪酸エステル(蒸留モノグリセライド、蒸留ジグリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル(ジグリセリンモノラウレート、ジグリセリンモノステアレート、ジグリセリンモノオレート、デカグリセリンモノラウレート、デカグリセリンモノステアレート、デカグリセリンモノオレート)、有機酸モノグリセライド(酢酸モノグリセライド、クエン酸モノグリセライド、ジアセチル酒石酸モノグリセライド、コハク酸モノグリセライド、乳酸モノグリセリド)、モノ・ジグリセリド)、ソルビタン脂肪酸エステル(ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート)、プロピレングリコール脂肪酸エステル(プロピレングリコールモノステアレート)、ポリグリセリン縮合(ポリ)リシノール酸エステル、レシチン、酵素分解レシチン(フォスファチジン酸)、リゾレシチン、ダイズレシチン(ダイズリン脂質)、卵黄レシチン、ショ糖脂肪酸エステル(ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖ベヘニン酸エステル、ショ糖エルカ酸エステル)、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(ポリソルベート20、Tween20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(ポリソルベート80、Tween80)、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(ポリソルベート60、Tween60)、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート(ポリソルベート65、Tween65)、ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウム、サポニンおよびキラヤサポニンの1種以上を挙げることができる。
当該乳化組成物中の60℃以上で加熱処理または乾燥処理することによって得られた改質アラビアガムと増粘安定剤、ポリペプチドおよび界面活性剤よりなる群から選択される少なくとも1種の乳化組成物に対する添加量は、乳化組成物の種類に応じて適宜設定することができるが、通常、乳化組成物100質量%中、60℃以上で加熱処理または乾燥処理することによって得られた改質アラビアガムを0.1質量%以上、好ましくは0.1〜30質量%と、増粘安定剤0.1質量%以上、好ましくは0.1〜10質量%、ポリペプチド0.1質量%以上、好ましくは0.1〜10質量%、および界面活性剤0.1質量%以上、好ましくは0.1〜10質量%よりなる群から選択される少なくとも1種を併用して使用することによって調製される。
本発明が対象とする好適な乳化組成物は、水中油滴(O/W)型やW/O/W型のエマルションであり、かかる乳化組成物は、上記60℃以上で加熱処理または乾燥処理することによって得られた改質アラビアガムと増粘安定剤、ポリペプチドおよび界面活性剤よりなる群から選択される少なくとも1種を併用して使用して、疎水性物質(分散質)を親水性溶媒中に分散安定化することによって調製することができる。
ここで乳化される疎水性物質(分散質)は、通常エマルション形態に供されるもの若しくはその必要性のあるものであれば特に制限されないが、好ましくは食品、医薬品、医薬部外品または香粧品分野で用いられる疎水性物質、より好ましくは経口的に用いられることが可能な(可食性)疎水性物質を挙げることができる。
具体的には、オレンジ、ライム、レモン及びグレープフルーツなどの柑橘系植物等の基原植物から得られる各種精油;ペッパー、シンナモン及びジンジャーなどの基原植物からオレオレジン方式で得られるオレオレジン、ジャスミンやローズなどの基原植物からアブソリュート方式で得られるアブソリュート、その他、合成香料化合物、及び油性調合香料組成物などの油性香料;β-カロチン、パプリカ色素、リコピン、パーム油カロチン、ドナリエラカロチン及びニンジンカロチンなどのカロテノイドやクロロフィル等の油性色素;ビタミンA,D,E及びKなどの脂溶性ビタミン;ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、及びγ−リノレン酸などの多価不飽和脂肪酸;大豆油、菜種油、コーン油及び魚油などの動植物油;SAIB(Sucrose Acetate isobutyrate:ショ糖酢酸イソ酪酸エステル)、エステルガム、ブロム化油、またはC6〜C12の中鎖トリグリセライドなどの、加工食品用油脂及びこれら可食性油性材料の任意の混合物を例示することができる。
上記60℃以上で加熱処理または乾燥処理することによって得られた改質アラビアガムと増粘安定剤、ポリペプチドおよび界面活性剤よりなる群から選択される少なくとも1種を用いる乳化組成物の調製方法は、特に制限されず、常法に従って行うことができる。例えば、下記の方法を例示することができる。
まず、60℃以上で加熱処理または乾燥処理することによって得られた改質アラビアガムと増粘安定剤、ポリペプチドおよび界面活性剤よりなる群から選択される少なくとも1種を水等の親水性溶媒に溶解し、混合溶液を調製する。これに、目的の疎水性物質を撹拌機等で混合し、予備乳化する。なお、この際、必要に応じてSAIB等の比重調整剤にて比重を調整してもよい。次いで得られた予備乳化混合液を、乳化機を利用して乳化する。
親水性溶媒としては、水、またはグリセリンやプロピレングリコール等の多価アルコールを用いることができる。
また疎水性物質としては前述のものを例示することができるが、油性香料や油性色素を用いて乳化香料や乳化色素を調製する場合は、上記疎水性物質として予め油脂に油性香料や油性色素を溶解した混合液を用いることが好ましい。これによって、より乳化を安定化し、また成分の揮発を予防することができる。また油性香料や油性色素を溶解する油脂としては、特に制限されないが、通常、中鎖トリグリセライド(炭素数6〜12の脂肪酸トリグリセライド)、及びコーン油、サフラワー油、または大豆油などの植物油を用いることができる。
乳化に使用する乳化機としても、特に制限はなく、目的とするエマルションの粒子の大きさや、試料の粘度などに応じて適宜選択することができる。例えば、機械的に高圧のホモジナイザーの他、ディスパーミルやコロイドミルなどの乳化機を使用することができる。
乳化工程は、前述するように、親水性溶媒で溶解した60℃以上で加熱処理または乾燥処理することによって得られた改質アラビアガムと増粘安定剤、ポリペプチドおよび界面活性剤よりなる群から選択される少なくとも1種の混合溶液中に、攪拌下、疎水性物質を添加し、予備乳化し、粒子径約2〜5μmの乳化粒子を調製した後、ホモジナイザーなどの乳化機を用いて微細で均一な粒子(例えば、平均粒子径1μm以下)を調製することによって実施される。
斯くして60℃以上で加熱処理または乾燥処理することによって得られた改質アラビアガムと増粘安定剤、ポリペプチドおよび界面活性剤よりなる群から選択される少なくとも1種を用いて調製されるエマルションは、アラビアガムを単独で用いて調製したエマルションと比較して、粒子の平均粒子径が小さく、またその粒度分布が均一であり、かつ、経時的安定性に優れている。また、加熱や長期保存、経時変化などの虐待(過酷条件)により、エマルション粒子同士が、凝集したり、合一したりして粒子が劣化することが有意に抑制されている。
斯くして調製される本発明の乳化組成物は、特に制限されないが、例えば上記の精油、油性香料、油性色素、脂溶性ビタミン、多価不飽和脂肪酸、動植物油、または中鎖トリグリセライドなどの疎水性物質が、親水性溶媒に分散されてなる、水中油滴(O/W)型またはW/O/W型の乳化食品組成物、乳化医薬品組成物、乳化医薬部外品組成物、または乳化香粧品組成物を挙げることができる。とりわけ好ましくは、経口的に摂取され得る可食性の乳化組成物である。具体的には、ホイップクリーム、コーヒーホワイトナー、マーガリン、ショートニング、バター、アイスクリーム、ドレッシング、マヨネーズなどの乳化食品組成物、乳化香料、並びに乳化色素を挙げることができる。
なお、これらの乳化組成物は、その後、噴霧乾燥(スプレードライ)、ドラム乾燥(ドラムドライ)、真空凍結乾燥(フリーズドライ)等の乾燥処理を施して乾燥状態に調製することもできる。本発明が対象とする乳化組成物には、かかる乾燥状態の乳化組成物(例えば、粉末香料、粉末色素など)も含まれる。
また、斯くして調製される水中油滴(O/W)型またはW/O/W型の乳化組成物(乳化食品組成物、乳化香料、乳化色素、およびこれらの乾燥物が含まれる)は、水への溶解性および溶解安定性が高いため、水性の組成物に配合して用いることができる。例えば、本発明の乳化組成物を配合する水性の組成物としては、食品(飲料など)、医薬品(シロップ、ドリンク、眼科溶液、注射剤、点滴剤など)、医薬外部品(液剤、眼科溶液剤など)、香粧品(化粧水など)を挙げることができる。
以下、本発明の内容を以下の実験例(比較例および実施例)を用いて具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実験例などに何ら制限されるものではない。なお、下記の実験例において、特に記載しない限り、「部」とは「質量部」を、また「%」とは「質量%」を意味するものとする。また、文中の「」印は、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを意味する。
調製例1 改質アラビアガムの調製
粗挽きされた未改質アラビアガのム原料アラビアガム(Acacia senegal種)(球塊サイズ約5mm)1kgを、ステンレス容器に入れて110℃にて48時間オーブンで加熱して改質アラビアガムを得た。
使用した増粘安定剤、ポリペプチドおよび界面活性剤
キサンタンガム:サンエース(三栄源エフ・エフ・アイ社製)
オクテニルコハク酸デンプンナトリウム:ピュリティガムBE(日本エヌエスシー社製)
シュガービートペクチン:ビストップD−2250(三栄源エフ・エフ・アイ社製)
アラビアガム:ガムアラビックSD(三栄源エフ・エフ・アイ社製)
ガティガム:ガティガムSD(三栄源エフ・エフ・アイ社製)
大豆ヘミセルロース:SM−700(三栄源エフ・エフ・アイ社製)
大豆ペプチド:ハイニュートDC−6(不二製油社製)
ポリソルベート80:ニッコールTO10(日光ケミカルズ社製)
ポリグリセリン脂肪酸エステル:SYグリスターMSW−750(阪本薬品工業社製)
実験例1
調製例1の改質アラビアガムと表1、2に記載の増粘安定剤、ポリペプチドまたは界面活性剤を用いて乳化組成物(実施例1〜9、比較例1〜9)を調製した。具体的には、まず水に改質アラビアガムと増粘安定剤、ポリペプチドまたは界面活性剤を添加し、次いでクエン酸および安息香酸Naを加え、撹拌機にて撹拌溶解した。これに撹拌機で混合しながら中鎖トリグリセライド(オクタン酸・デカン酸トリグリセライド(O.D.O(日清オイリオ社製)を添加し、約2分撹拌混合した。これをホモジナイザー(APV社製)にて50MPaにて2回均質乳化処理した。この調製した各乳化組成物について、後述の方法に従って乳化安定性を評価した。
乳化安定性の評価方法
各乳化組成物30gを50ml容スクリュー管に量り取り、常温にて30日間静置したときの状態を下記の基準にて評価した。
乳化安定性評価基準
◎:クリームの分離(クリームアップ)や油滴を全く認めず、完全に均一なエマルションの状態。
○:液面に油滴が少量あり、ややクリームアップした状態。
△:液面に油滴を多く認め、大きくクリームアップして、オイル分離気味の状態。
×:完全にオイル分離した状態。
改質アラビアガムを添加していない比較例1〜9においては、いずれも常温30日の保存により、大きくクリームアップし乳化安定性が不十分であった。
一方で、改質アラビアガムを併用した実施例1〜実施例9においては、いずれも乳化安定性が大きく改善し、常温30日保存により、クリームアップなどの状態異常を認めなかった。
実験例2
調製例1の改質アラビアガムまたは改質していない通常のアラビアガムとシュガービートペクチンを用いて乳化組成物(実施例10〜実施例12、比較例10〜比較例12)を調製した。具体的には、まず、水に改質アラビアガムまたは改質していない通常のアラビアガムとシュガービートペクチンを添加し、次いでクエン酸および安息香酸Naを添加し、撹拌溶解した。これを撹拌しながら、中鎖トリグリセライド(オクタン酸・デカン酸トリグリセライド:O.D.O(日清オイリオ株式会社(株)製)を添加した。これをホモジナイザー(APV社製)にて50MPaにて2回均質化処理した。調製した各乳化組成物について、後述する方法に従って、乳化性と乳化安定性を測定して評価した。
乳化性は、調製直後の各乳化組成物の平均粒子径を、レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−1100(島津製作所(株)製)にて測定した。
乳化安定性は、常温30日保存後の各乳化組成物の平均粒子径を同様にして求めた。
また、乳化安定性評価は、実験例1と同様に常温30日静置して時の状態の評価を行った。
比較例10のように改質アラビアガム単独では、乳化性が不十分で、乳化粒子は微細化しなかった。
比較例11のようにシュガービートペクチン単独では、保存により粒子が粗大化しており、十分な乳化安定性が得られなかった。
また、比較例12においても、通常のアラビアガムとシュガービートペクチンを併用して使用しても、十分な乳化安定性が得られなかった。
一方で、改質アラビアガムとシュガービートペクチンを併用使用した実施例10〜12においては、いずれも粒子が微細化し、優れた乳化性を示すと共に、保存による乳化粒子の粗大化も見られず、高い乳化安定性を示した。
実施例3
調製例1の改質アラビアガムまたは改質していない通常のアラビアガムとオクテニルコハク酸デンプンナトリウムを用いて乳化組成物(実施例13〜15、比較例10、13〜14)を調製した。具体的には、まず、水に改質アラビアガムまたは改質していない通常のアラビアガムとオクテニルコハク酸デンプンアトリウムを添加し、次いでクエン酸および安息香酸Naを添加し、撹拌溶解した。これを撹拌しながら、中鎖トリグリセライド(オクタン酸・デカン酸トリグリセライド:O.D.O(日清オイリオ株式会社(株)製)を添加する。これをホモジナイザー(APV社製)にて50MPaにて2回均質化処理した。調製した各乳化組成物について、後述する方法に従って、乳化性と乳化安定性を測定して評価した。なお、乳化性、乳化安定性、乳化安定性評価は実験例2と同様に行なった。
比較例13のようにオクテニルコハク酸デンプンナトリウム単独では、保存により粒子が粗大化しており、十分な乳化安定性が得られなかった。
また、比較例14においても、通常のアラビアガムとオクテニルコハク酸デンプンナトリウムを併用使用しても、十分な乳化安定性が得られなかった。
一方で、改質アラビアガムとオクテニルコハク酸デンプンナトリウムを併用使用した実施例13〜15においては、いずれも粒子が微細化し、優れた乳化性を示すと共に、保存による乳化粒子の粗大化も見られず、高い乳化安定性を示した。
処方例
以下に処方例として、本発明の乳化組成物の具体的態様を示す。なお、ここで改質アラビアガムは調製例1のものを使用した。
処方例1 β−カロチン色素製剤(乳化色素製剤)
調製例1の改質アラビアガム70gとオクテニルコハク酸デンプンナトリウム30gを水800gに溶解し、混合水溶液を調製した。これを乳化剤として用いた。これに、予め30%β−カロチン濁液30gに中鎖トリグリセライド(オクタン酸・デカン酸トリグリセライド、O.D.O.商品名、日清オイリオ株式会社製))70gを配合して150℃にて加熱して溶解しておいた混合液を添加し、撹拌混合した。これをホモジナイザー(APV GAULIN社製)にて乳化し(圧力4.4MPa(450kg/cm))でのホモジナイズを4回)、乳化色素製剤であるβ−カロチン色素製剤を調製した。
処方例2 オレンジ乳化香料(乳化香料)
調製例1の改質アラビアガム50gとシュガービートペクチン粉末50gを水800gに溶解し、混合水溶液を調製した。これを乳化剤として用いた。これに、オレンジ香料20gと中鎖トリグリセライド(オクタン酸・デカン酸トリグリセライド、O.D.O.(商品名、日清オイリオ株式会社製))80gを室温下でよく混合して調製しておいた混合液を添加し、撹拌混合した。これをホモジナイザー(APV GAULIN社製)にて乳化し(圧力4.4MPa(450kg/cm))でのホモジナイズを4回)、乳化香料であるオレンジ乳化香料を調製した。
処方例3 DHA(ドコサヘキサエン酸)乳化製剤
調製例1の改質アラビアガム153gとガティガム(スプレードライ粉末)17gを水680gに溶解し、20重量%の混合水溶液を調製した。これを乳化剤として用いた。これに、予めDHA20重量%含有魚油50gと中鎖トリグリセライド(オクタン酸・デカン酸トリグリセライド、O.D.O.(日清オイリオ社製))100gとの混合物を80℃に加熱し、混合して調製しておいた混合液を添加し、撹拌混合した。これをホモジナイザー(APV GAULIN社製)にて乳化し(圧力4.4MPa(450kg/cm))でのホモジナイズを4回)、DHA乳化製剤を調製した。
処方例4 レモン粉末香料
調製例1の改質アラビアガム80g、ガティガム(スプレードライ粉末)80g、デキストリン640gを水2000gに溶解し、混合水溶液を調製する。これを乳化剤とした。これにレモンオイル200gを添加し、撹拌混合した。これをホモジナイザー(APV GAULIN社製)にて乳化し(圧力2.0MPa(200kg/cm)でのホモジナイズを1回)、次いで、この乳化溶液をスプレードライヤー(ANHYDRO社製)(インレット 140℃、アウトレット 80℃)にて噴霧乾燥し、レモン粉末香料950gを調製した。
処方例5 ラクトアイス
40℃に加熱した水688gに果糖ぶどう糖液糖55g、水飴40gを入れ、撹拌混合しながら、脱脂粉乳80g、グラニュー糖80g、調製例1の改質アラビアガム5g、グリセリン脂肪酸エステル2gを添加した。その後、さらに精製ヤシ油を加え、80℃で10分間混合した。水で全量を調整した後、ホモジナイザーにて乳化して(圧力1.5MPa(150kg/cm)でのホモジナイズを1回)、均質化した。4.5℃まで冷却した後、オーバーラン100までフリージングし、硬化させてラクトアイスを得た。
処方例6 乳化液状ドレッシング
調製例1の改質アラビアガム5gとガティガム5gを水467gに溶解する。この溶液に醸造酢80g、砂糖20g、食塩20g及びL−グルタミン酸ナトリウム3gを添加し、撹拌混合する。次いで、卵黄100gを添加して均一に混合する。これを撹拌しながら、サラダ油300gをゆっくりと滴下して、コロイドミルを用いて乳化し(スリット幅;0.2mm、回転数;3,000〜6,000rpm)、乳化液状ドレッシングを得た。

Claims (10)

  1. 60℃以上で加熱処理または乾燥処理することによって得られた改質アラビアガムを含有することを特徴とする乳化組成物。
  2. 60℃以上で加熱処理または乾燥処理することによって得られた改質アラビアガムと増粘安定剤、ポリペプチドおよび界面活性剤よりなる群から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする乳化組成物。
  3. 増粘安定剤が、プルラン、デキストラン、カードラン、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、キサンタンガム(ザンサンガム)、熱処理キサンタンガム、マクロホモプシスガム、納豆菌ガム(納豆菌粘質物)、スクレロガム(スクレログルカン)、ラムザンガム、ウェランガム(ウェラン多糖類)、レバン、アグロバクテリウムスクシノグリカン、アゾトバクタービネランジーガム(アゾトバクタービネランジー多糖類)、アウレオバシジウム培養液、酵母細胞壁(酵母細胞膜)、β−グルカン(β1,3−グルカン、β1,3/1,6グルカン)、グァーガム(グァーフラワー、グァルガム)、グァーガム酵素分解物(グァーフラワー酵素分解物、グァルガム酵素分解物)、ローカストビーンガム(カロブビーンガム、イナゴマメガム)、熱処理ローカストビーンガム、タラガム、タマリンドシードガム(タマリンドガム、タマリンド種子多糖類)、セスバニアガム、カシアガム(カッシャガム)、アマシードガム、ダンマル樹脂、サバクヨモギシードガム(アルテミシアシードガム、サバクヨモギ種子多糖類)、トリアカンソスガム、サイリウムシードガム(サイリウムハスク)、アラビアガム(アカシアガム)、アラビノガラクタン、ガティガム(インディアンガム)、トラガントガム、カラヤガム、アーモンドガム(セドウガム)、エレミ樹脂、モモ樹脂、カラギナン(カラゲニン、カラゲナン)、ファーセレラン、加工ユーケマ藻類、寒天、易溶化寒天、寒天部分分解物、アガロース、褐藻抽出物(褐藻粘質物)、フコイダン、アルギン酸(昆布類粘質物)、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、フクロノリ抽出物(フクロノリ多糖類、フクロフノリ多糖類、フクロフノリ抽出物)、LMペクチン、HMペクチン、シュガービートペクチン、熱処理シュガービートペクチン、ポリガラクツロン酸、アロエベラ抽出物、オクラ抽出物、キダチアロエ抽出物、トロロアオイ、ダイズ多糖類(ダイズヘミセルロース)、キチン、キトサン、オリゴグルコサミン(キトサンオリゴ糖)、グルコサミン、コンニャク粉、グルコマンナン(コンニャクイモ抽出物)、セルロース、海藻セルロース、サツマイモセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(繊維素グリコール酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロースカルシウム(繊維素グリコール酸カルシウム)、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、発酵セルロース(醸造セルロース、ナタデココ)、微小繊維状セルロース、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピルリン酸架橋デンプン、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸化架橋デンプン、アセチル化酸化デンプン、酸化デンプン、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン、リン酸化デンプン、リン酸架橋デンプンカルボキシメチルデンプン、カチオンデンプン、酢酸デンプン、オクテニルコハク酸デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、リン酸デンプン、リン酸ジデンプン、グリセロールジデンプン、グラフト化デンプン、ブリティッシュガム、可溶性デンプン、未変性アルファ化デンプン、変性アルファ化デンプン、滅菌乾燥デンプン、粒状デンプン、吸油性デンプン、デキストリン、白色デキストリン、黄色デキストリン、ブリティッシュガム、マルトデキストリン、クラスターデキストリン、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、グリコーゲン、ポリアクリル酸ナトリウム、ムチン、ヒアルロン酸またはポリグルタミン酸の1種以上である請求項2記載の乳化組成物。
  4. ポリペプチドが、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、カゼインナトリウム、カゼインホスホペプチド、乳清タンパク質(ホエイプロテイン)、ラクトフェリン、アルブミン、フィブロイン、ダイズタンパク質、ダイズペプチド、コムギタンパク質、コムギグルテン、グルテン分解物、ポリグルタミン酸または血漿たんぱく質の1種以上である請求項2記載の乳化組成物。
  5. 界面活性剤が、グリセリン脂肪酸エステル(蒸留モノグリセライド、蒸留ジグリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル(ジグリセリンモノラウレート、ジグリセリンモノステアレート、ジグリセリンモノオレート、デカグリセリンモノラウレート、デカグリセリンモノステアレート、デカグリセリンモノオレート)、有機酸モノグリセライド(酢酸モノグリセライド、クエン酸モノグリセライド、ジアセチル酒石酸モノグリセライド、コハク酸モノグリセライド、乳酸モノグリセリド)、モノ・ジグリセリド)、ソルビタン脂肪酸エステル(ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート)、プロピレングリコール脂肪酸エステル(プロピレングリコールモノステアレート)、ポリグリセリン縮合(ポリ)リシノール酸エステル、レシチン、酵素分解レシチン(フォスファチジン酸)、リゾレシチン、ダイズレシチン(ダイズリン脂質)、卵黄レシチン、ショ糖脂肪酸エステル(ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖ベヘニン酸エステル、ショ糖エルカ酸エステル)、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(ポリソルベート20、Tween20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(ポリソルベート80、Tween80)、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(ポリソルベート60、Tween60)、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート(ポリソルベート65、Tween65)、ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウム、サポニンおよびキラヤサポニンの1種以上である請求項2記載の乳化組成物。
  6. 乳化組成物が、精油、油性香料、油性色素、油溶性ビタミン、多価不飽和脂肪酸、動植物油、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、及び中鎖トリグリセライドよりなる群から選択される少なくとも1種の疎水性物質を分散質として有するO/W型またはW/O/W型のエマルションである、請求項1に記載する乳化組成物。
  7. 60℃以上で加熱処理または乾燥処理することによって得られた改質アラビアガムを、その総量が0.1〜30質量%となるような割合で含む請求項1に記載する乳化組成物。
  8. 60℃以上で加熱処理または乾燥処理することによって得られた改質アラビアガムを50重量%以下の割合で含む請求項1に記載する乳化組成物。
  9. 乳化組成物が、乳化香料、乳化色素、乳化食品または粉末香料である、請求項1に記載する乳化組成物。
  10. 乳化食品が、ホイップクリーム、コーヒーホワイトナー、マーガリン、ショートニング、バター、アイスクリーム、ドレッシング、マヨネーズである、請求項9に記載の乳化組成物。

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