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JP2013061622A - カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ - Google Patents

カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ Download PDF

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JP2013061622A JP2012064892A JP2012064892A JP2013061622A JP 2013061622 A JP2013061622 A JP 2013061622A JP 2012064892 A JP2012064892 A JP 2012064892A JP 2012064892 A JP2012064892 A JP 2012064892A JP 2013061622 A JP2013061622 A JP 2013061622A
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Abstract

【課題】コントラスト比と着色力に優れたカラーフィルタ用着色組成物、およびそれを用いたカラーフィルタを提供することにある。
【解決手段】着色剤と、バインダー樹脂と、有機溶剤とを含有するカラーフィルタ用着色組成物において、着色剤が、一般式(1)で表されるキノフタロン色素[A1]および下記一般式(2)で表されるキノフタロン色素[A2]を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物によって解決される。
また、基板上に、前記カラーフィルタ用着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタによって解決される。
【選択図】なし

Description

本発明は、カラー液晶表示装置、およびカラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用されるカラーフィルタ用着色組成物、並びにこれを用いて形成されるフィルタセグメントを具備するカラーフィルタに関するものである。
カラー液晶表示装置は、2枚の偏光板に挟まれた液晶層が、1枚目の偏光板を通過した光の偏光度合いを制御して、2枚目の偏光板を通過する光量をコントロールすることにより表示を行う表示装置であり、ツイストネマチック(TN)型液晶を用いるタイプが主流となっている。液晶表示装置は、2枚の偏光板の間にカラーフィルタを設けることによりカラー表示が可能となった。近年、テレビやパソコンモニタ等に用いられるようになったことから、カラーフィルタに対して高コントラスト化、高明度化とともに、広い色再現領域や高い信頼性の要求も高くなっている。
その他の代表的な液晶表示装置の方式としては、一対の電極を片側の基板上に設けて基板に平行な方向に電解を印加するイン・プレーン・スイッチング(IPS)方式、負の誘電異方性をもつネマチック液晶を垂直配向させるヴァーティカリー・アライメント(VA)方式、また一軸性の位相差フィルムの光軸を互いに直交させ、光学補償を行なっているオプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)方式等があり、それぞれが実用化されている。
一般的にカラーフィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に形成された、赤色フィルタ層(R)、緑色フィルタ層(G)および青色フィルタ層(B)からなる微細な帯(ストライプ)状のフィルタセグメント(画素)を平行または交差して配置したもの、あるいは微細なフィルタセグメントを縦横一定の配列で配置したものからなっている。フィルタセグメントは、数ミクロン〜数100ミクロンと微細であり、しかも色相毎に所定の配列で整然と配置されている。また最近では、赤色フィルタ層(R)、緑色フィルタ層(G)、青色フィルタ層(B)に加えて、黄色フィルタ層(Y)からなるフィルタセグメントも使用されるようになっている。
カラーフィルタに要求される品質項目の一つとして、明度が挙げられる。明度が低いカラーフィルタを用いると、光の透過率が低いため、暗い画面となってしまい、明るい画面とするためには、光源であるバックライトの数を増量する必要がある。そのため消費電力の増大を抑制する観点から、カラーフィルタの高明度化がトレンドとなっている。
またC−MOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補型金属酸化膜半導体)、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)などに代表されるカラー撮像管素子は、その受光素子上に赤色フィルタ層(R)、緑色フィルタ層(G)および青色フィルタ層(B)の加法混合の原色のフィルタセグメントを具備するカラーフィルタをそれぞれ配設して色分解するのが一般的である。また、原色のカラーフィルタに比べ高感度が得られるため、赤色、緑色、青色の補色に相当する、シアン、マゼンタ、イエロー(CMY)のフィルタセグメントを具備するカラーフィルタもよく用いられている。補色のカラーフィルタは、フラッシュなどの補助光源を利用しにくいビデオカメラ等で採用される場合が多い。
近年においては、カラー撮像管素子に用いられるカラーフィルタにおいても高透過率、すなわち明度や、高い信頼性といった要求が高まっている。
カラーフィルタの製造方法には、着色剤として染料、造塩染料を使った染色法、染料分散法や、着色剤として顔料を使った顔料分散法、印刷法、電着法などがある。このうち染色法、あるいは染料分散法は着色剤が染料であることから、耐熱性や耐光性にやや劣る場合がある。
よってカラーフィルタの着色剤としては耐熱性や耐光性に優れる顔料が用いられ、製造方法としては形成方法の精度や安定性から顔料分散法を用いる場合が多かった。
顔料分散法は、樹脂中に着色剤である顔料粒子を分散させたものに感光剤や添加剤などを混合・調合することによってカラーレジスト化し、このカラーレジストを基板上にスピンコーターなどの塗布装置により塗膜形成し、アライナーやステッパー等によりマスクを介して選択的に露光を行い、アルカリ現像、熱硬化処理をすることによりパターニングし、この操作を繰り返すことによってカラーフィルタを作製する方法である。
従来、赤色フィルタセグメントの形成に用いられる着色剤には、アントラキノン系顔料(例えばC.I.ピグメント レッド 177)や、ジケトピロロピロール系顔料(例えばC.I.ピグメント レッド 254)が用いられてきた。これらの顔料は、機械的な処理によって容易に微細化することができ、さらに微細化された顔料を比較的容易に分散することができるため、コントラストや明度向上には有用である。さらに、高い明度と広い色再現領域を達成するため、これらの赤色顔料とC.I.ピグメント イエロー 138、139、150、185等の黄色顔料を着色剤として併用するのが一般的である。
また緑色フィルタセグメントの形成に用いられる着色剤としては、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料(例えば、C.I.ピグメント グリーン 36やC.I.ピグメント グリーン 7)が従来用いられていたが、近年は鮮明な色調と広い色表示領域を発揮し高い着色力を持つ色材である、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(例えば、C.I.ピグメント グリーン58)がよく用いられてきている。さらに、高い明度と広い色再現領域を達成するため、これらの緑色顔料とC.I.ピグメント イエロー138、139、150、185等の黄色顔料を併用して用いることが一般的である。
しかしながら、市場において高明度化の要求が高まっているが、赤色フィルタ、緑色フィルタのどちらにおいても、従来用いられてきた黄色顔料を用いる限り、更なる高明度化を達成することが困難な状況である。
さらに前記述べたように、カラーフィルタの色再現範囲の拡張を目的として、赤色フィルタセグメント・緑色フィルタセグメント・青色フィルタセグメントを具備するカラーフィルタに、黄色フィルタセグメント(画素)を加える方式が提案されて来ている(特許文献1)。この黄色フィルタセグメントの形成に用いられる着色剤としては、C.I.ピグメント イエロー 138、139、150、185等の黄色顔料が挙げられるが、黄色フィルタセグメントにも高明度化が必要となっている。こちらにおいても従来用いられてきた黄色顔料を用いる限り、更なる高明度化を達成することが困難な状況である。
カラーフィルタ用黄色色素として、これまで特許文献2、3に示されるようなキノフタロン系色素、C.I.ソルベント イエロー33、またはC.I.ディスパースイエロー54、64等が提案されている。しかしながら、これらの色素では着色力、あるいはコントラスト比が低いことにより、カラーフィルタ用着色組成物として実用レベルに達していないのが現状である。
特開2005−196166号公報 特開平6−009891号公報 特開2006−091768号公報
本発明が解決しようとする課題は、コントラスト比と、着色力とに優れたカラーフィルタ用着色組成物、およびそれを用いたカラーフィルタを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、特定構造のキノフタロン色素[A1]と、さらに特定構造のキノフタロン色素[A2]とを含有することで、カラーフィルタ用着色組成物が上記した課題を解決しえることを見出し、本発明に至った。
即ち本発明は、着色剤と、バインダー樹脂と、有機溶剤とを含有するカラーフィルタ用着色組成物において、着色剤が、下記一般式(1)で表されるキノフタロン色素[A1]および下記一般式(2)で表される色素[A2]を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物に関する。
Figure 2013061622
[一般式(1)中、R1〜R6は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、水酸基、または−O−R7を表わす。ただし、R1〜R6が同時に水素原子になることは無い。
また、R7は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。]
Figure 2013061622
[一般式(2)中、R8〜R13は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、または−O−R18を表わす。
また、R18は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。
14〜R17は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のスルホアミド基、置換もしくは無置換の複素環状残基、−S−R19、−O−R19、または、−COO−R19、を表わす。
また、R19は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。]
また、本発明は、着色剤が、さらに顔料を含有することを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、さらに樹脂型分散剤を含有することを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を含有することを特徴とする請前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、基板上に、前記カラーフィルタ用着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタに関する。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いることにより、コントラスト比と、着色力とに優れたカラーフィルタを提供することが出来る。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、または「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイルおよび/またはメタクリロイル」、「アクリルおよび/またはメタクリル」、「アクリル酸および/またはメタクリル酸」、「アクリレートおよび/またはメタクリレート」、または「アクリルアミドおよび/またはメタクリルアミド」を表すものとする。
また、本明細書に挙げる「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
本発明は、着色剤と、バインダー樹脂と、有機溶剤とを含有するカラーフィルタ用着色組成物において、着色剤が、一般式(1)で表されるキノフタロン色素[A1]および一般式(2)で表される色素[A2](以下、キノフタロン色素[A1]および下記一般式(2)で表される色素[A2]をあわせて特定キノフタロン色素[A]と称すことがある)を含有するカラーフィルタ用着色組成物である。
<着色剤>
本発明の着色剤は、一般式(1)で表されるキノフタロン色素[A1]および一般式(2)で表される色素[A2]を含有する。
一般式(1)で表わされるキノフタロン色素[A1]は、色素骨格内にあるナフタレン骨格起因により、高い吸光度を持つ。このため、カラーフィルタ用着色組成物として使用した場合、着色力が非常に高く、また、透過率も高いため明度も良好であるが、蛍光が大きく発光してしまうために、コントラスト比が低い。
一方、一般式(2)で表わされるキノフタロン色素[A2]は、蛍光はほとんど発光しないものの、着色力が低いという問題がある。
しかし、このようなキノフタロン色素[A1]と、キノフタロン色素[A2]とを共に用いた場合には、キノフタロン色素[A1]から発光する蛍光を、キノフタロン色素[A2]を用いて消光することが可能となり、蛍光発光を大きく抑制することができるため、コントラスト比に優れ、かつ着色力も高いカラーフィルタ用着色組成物とすることができるものとなる。
蛍光を消光するためには、蛍光エネルギー転移(FRET)プロセスという機構がある。蛍光エネルギー転移(FRET)は、蛍光ドナーの放出スペクトルが消光物質の吸収スペクトルと重複する場合、およびドナーおよび消光物質がフォルスター距離(Forster distance)として十分な距離内にある場合に生じ得る。消光物質により吸収されたエネルギーは、引き続きその消光物質の化学的性質に応じて、様々な機構を通じて、実質的に放出され得る。捕獲されたエネルギーは、蛍光機構を通じて、または電荷移動および衝突機構もしくはそのような機構の組合せを含む、非蛍光機構を通じて放出され得る。消光物質が、非蛍光機構を通じて捕獲されたエネルギーを放出する場合、FRETは、単純に蛍光ドナーの蛍光放出の低下として観察される。
前述のような蛍光エネルギー転移(FRET)が生じることを見出し、本発明に至った。すなわち、キノフタロン色素[A1]およびキノフタロン色素[A2]は、フォルスター距離(Forster distance)としての十分な距離にあり、またキノフタロン色素[A1]、キノフタロン色素[A2]は骨格が類似しているためエネルギーの移動が円滑に起こることができ、キノフタロン色素[A1]の蛍光をキノフタロン色素[A2]が消光させることが出来ると推察される。
(キノフタロン色素[A1])
キノフタロン色素[A1]は、一般式(1)で表される構造を有するキノフタロン色素である。
Figure 2013061622
[一般式(1)中、R1〜R6は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、水酸基、または−O−R7を表わす。ただし、R1〜R6が同時に水素原子になることは無い。
また、R7は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。]
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
1〜R7における置換もしくは無置換のアルキル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基、または炭素数2から18であり場合により1個以上のエステル結合(−COO−)やエーテル結合(−O−)を含む直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基が挙げられる。炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、トリフルオロメチル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、2−エチルヘキシル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、tert−オクチル基、ネオペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、4−デシルシクロヘキシル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
炭素数2から18であり場合により1個以上のエステル結合を含む直鎖状、分岐鎖状アルキル基の具体例としては、−CH2−CH2−CH2−COO−CH2−CH3、−CH2−CH(−CH3)−CH2−COO−CH2−CH3、−CH2−CH2−CH2−OCO−CH2−CH3、−CH2−CH2−CH2−CH2−COO−CH2−CH(−CH2−CH3)−CH2−CH2−CH2−CH3、−(CH2)5−COO−(CH211−CH3、−CH2−CH2−CH2−CH(−COO−CH2−CH3)2等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、炭素数2から18であり場合により1個以上のエーテル結合を含む直鎖状、分岐鎖状アルキル基の具体例としては、−CH2−O−CH3、−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−CH2−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−(CH2−CH2−O)n−CH3(ここでnは1から8である)、−(CH2−CH2−CH2−O)m−CH3(ここでmは1から5である)、−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH3−、−CH2−CH−(OCH32等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
炭素数2から18であり場合により1個以上のエーテル結合を含む単環状または縮合多環状アルキル基の具体例としては、以下のようなものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2013061622
1〜R7における置換もしくは、無置換のアルケニル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルケニル基が挙げられる。それらは構造中に複数の炭素−炭素二重結合を有していてもよい。具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプロペニル基、イソブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、1,3−ブタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロペンタジエニル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
1〜R7における置換もしくは無置換のアリール基としては、炭素数6〜18を有する置換もしくは未置換の単環または縮合多環芳香族基であり、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、p−ビフェニル基、m−ビフェニル基、2−アントリル基、9−アントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、9−フェナントリル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基、9−フルオレニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、3−ペリレニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、4−メチルビフェニル基、ターフェニル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−tert−ブチル−1−ナフチル基、4−ナフチル−1−ナフチル基、6−フェニル−2−ナフチル基、10−フェニル−9−アントリル基、スピロフルオレニル基、4−マレイミジルフェニル基、2−ベンゾシクロブテニル基などが挙げられる。
(キノフタロン色素[A2])
キノフタロン色素[A2]は、一般式(2)で表される構造を有するキノフタロン色素である。
このキノフタロン色素[A2]を含有する事で、キノフタロン色素[A1]の蛍光を抑えることができるため、コントラスト比の高いカラーフィルタ用フィルタセグメントの形成が可能となる。
Figure 2013061622
[一般式(2)中、R8〜R13は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、または−O−R18を表わす。
また、R18は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。
14〜R17は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のスルホアミド基、置換もしくは無置換の複素環状残基、−S−R19、−O−R19、または、−COO−R19、を表わす。
また、R19は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。]
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
8〜R19における置換もしくは無置換基のアルキル基としては、R1〜R7における置換もしくは無置換のアルキル基と同一である。
8〜R19における置換もしくは無置換基のアルケニル基としては、R1〜R7における置換もしくは、無置換のアルケニル基と同一である。
8〜R19における置換もしくは無置換基のアリール基としては、R1〜R7における置換もしくは無置換のアリール基と同一である。
14〜R17におけるカルボキシル基は、置換もしくは無置換のアルキル基によって、エステル基、またはカルボアミド、誘導されていても良い。カルボキシル基の誘導に用いる置換もしくは無置換のアルキル基は、R1〜R7における置換もしくは無置換基のアルキル基と同一である。
14〜R17における置換もしくは無置換のスルホアミド基は、1級アミド、2級アミド、もしくは3級アミドである。2級アミド、3級アミドを形成する、置換もしくは無置換のアルキル基は、R1〜R7における置換もしくは無置換基のアルキル基と同一である。
14〜R17における置換もしくは無置換の複素環状残基としては、5員環、6員環の複素環状残基が上げられる。例として、5員環としてはオキサゾリン、オキサジアゾール、イミダゾリン、チアジアゾール等が挙げられる。6員環としては、ピリジン、キノリン等を挙げることが出来る。
本発明のキノフタロン色素[A1]およびキノフタロン色素[A2]は、下記反応式のように、対応する2−メチルキノリンとナフタレンジカルボン酸無水物または、無水フタル酸を安息香酸中、高温で反応させることで、得ることが出来る。
Figure 2013061622
なお、本発明の一般式(1)で表されるキノフタロン色素[A1]は下記一般式(1−イ)および(1−ロ)等の構造の互変異性体が、本発明の一般式(2)で表されるキノフタロン色素は、下記一般式(2−イ)および(2−ロ)等の構造の互変異性体が存在するが、これらの互変異性体についても本発明の権利範囲内のものである。
Figure 2013061622
Figure 2013061622
キノフタロン色素[A1]と、キノフタロン色素[A2]との含有量は、キノフタロン色素[A1]100重量部に対し、キノフタロン色素[A2]が、11〜900重量部の範囲が好ましい。より好ましくは27〜650重量部の範囲であり、さらに好ましくは、43〜400重量部の範囲である。キノフタロン色素[A2]が11重量部以上であると、キノフタロン色素[A1]の蛍光が十分に消光され、コントラスト比が高くなり、900重量部以下の場合着色力が実用レベルであるため、好ましいものである。
(その他の着色剤)
本発明の着色組成物は、特定キノフタロン色素[A]以外に、さらにその他の着色剤として、顔料、特定キノフタロン色素[A]以外の染料を含有しても良い。なかでも、耐性(耐熱性、耐溶剤性、耐光性)の観点から顔料を用いることが好ましい。
本発明のキノフタロン色素[A1]およびキノフタロン色素[A2]を含む着色組成物は、その色相自体は黄色を呈するものであり、顔料と併用して用いることで、同色の黄色、さらに緑色、赤色を呈する着色組成物とすることができ、耐性に優れ、かつ発色性、色再現性に優れた着色剤を得ることができる。中でも本発明の着色組成物は、緑色顔料および/または青色顔料と併用することで、高明度かつ高コントラスト比を有する、緑色フィルタセグメントに用いる緑色着色剤を得ることができる。また本発明の着色組成物は、赤色顔料と併用することで、高明度かつ高コントラスト比を有する、赤色フィルタセグメントに用いる赤色着色剤を得ることができる。また本発明の着色組成物は、黄色顔料と併用することで、高明度かつ高コントラスト比を維持しながら耐性に優れ、着色力のある、黄色フィルタセグメントに用いる黄色着色剤を得ることができる。
また顔料は、キノフタロン色素[A1]の励起状態からのエネルギー移動を起こすため、可視光を一部カットするためなどの理由により、消光効果も有しており、その結果として、コントラスト比をさらに大きく上げることもできる。なかでも顔料として、緑色顔料、青色顔料、黄色顔料、または赤色顔料であることが好ましく、それぞれを単独で使用しても、複数の顔料を併用しても構わない。
(緑色フィルタセグメントを形成する着色剤)
緑色フィルタセグメントを形成する場合の緑色着色剤は、以下に述べる緑色顔料および/または青色顔料および/または黄色顔料と、本発明のキノフタロン色素[A1]およびキノフタロン色素[A2]とからなるものであることが好ましい。
[緑色顔料]
併用可能な緑色顔料としては、C.I.ピグメントグリーン7、10、36、37、および58等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。併用する緑色顔料で好ましいものは、コントラスト、明度の観点からC.I.ピグメントグリーン36、58が挙げられる。
[青色顔料]
併用可能な青色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79、または一般式(3)で表されるフタロシアニン色素(以下、「特定フタロシアニン色素」と称すことがある)などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、好ましくは一般式(3)で表されるフタロシアニン色素、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、または15:6であり、更に好ましくは一般式(3)で表されるフタロシアニン色素、またはC.I.ピグメントブルー15:6である。
《一般式(3)で表されるフタロシアニン色素[B]》
Figure 2013061622
[一般式(3)中、A1〜A16は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアリール基を表す。
97およびR98は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、または−OR99を表し、R97とR98とが互いに結合して環を形成しても良い。
99は、置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアリール基である。]
1〜A16におけるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
1〜A16およびR97〜R99における置換基を有してもよいアルキル基としては、炭素数1〜18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基が挙げられる。「置換基」としては、塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子、メトキシ基等のアルコキシ基、ニトロ基等がある。具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2−ジブロモエチル基、2−エトキシエチル基、2−ブトキシエチル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、2−ニトロプロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、2−エチルヘキシル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、tert−オクチル基、ネオペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、4−デシルシクロヘキシル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
1〜A16およびR97〜R99における置換基を有してもよいアリール基としては、炭素数6〜18の単環または縮合多環芳香族基が挙げられる。「置換基」としては、塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子、アルキル基、メトキシ基等のアルコキシ基、アミノ基、ニトロ基等がある。具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、p−メチルフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−メトキシフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2−アミノフェニル基、2−メチル−4−クロロフェニル基、4−メトキシ−1−ナフチル基、6−メチル−2−ナフチル基、4,5,8−トリクロロ−2−ナフチル基、アントラキノニル基、2−アミノアントラキノニル基等がある。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物に使用できる特定フタロシアニン色素としては、分散性や色特性の観点から、A1〜A16が水素原子、ハロゲン原子、メチル基のいずれかであることが好ましい。より好ましくは、A1〜A16がすべて水素原子である。
さらに、本発明のカラーフィルタ用着色組成物に使用できる特定フタロシアニン色素としては、分散性や色特性の観点から、R97およびR98のうちの少なくとも1つが、置換基を有してもよいアリール基、または置換基を有してもよいアリールオキシ基(−OR99において、R99が置換基を有してもよいアリール基であるもの)であることが好ましい。より好ましくは、R97およびR98が、置換基を有してもよいアリール基、あるいは置換基を有してもよいアリールオキシ基(−OR99において、R99が置換基を有してもよいアリール基であるもの)であり、さらに好ましくは、R97およびR98が、フェニル基あるいはフェノキシ基であると、明度に優れるために好ましい。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物に使用できる特定フタロシアニン色素の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2013061622
Figure 2013061622
[黄色顔料]
また緑色着色剤は、さらに黄色顔料を併用してもよい。併用可能な黄色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、221、または一般式(4)で表されるキノフタロン顔料[B]等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。併用する黄色顔料で好ましいものは、明度、コントラストの観点から一般式(4)で表されるキノフタロン顔料[B]、C.I.ピグメントイエロー138、139、150、または185が挙げられる。
《一般式(4)で表されるキノフタロン顔料[B]》
Figure 2013061622
[一般式(4)中、R19〜R31は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシル基、置換基を有しても良いアリール基、−SO3H;−COOH;およびこれら酸性基の1価〜3価の金属塩;アルキルアンモニウム塩、置換基を有しても良いフタルイミドメチル基、または置換基を有しても良いスルファモイル基を示す。
19〜R22、および/または、R28〜R31の隣接した基は、一体となって、置換基を有してもよい芳香環を形成する。]
ここで、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
また、置換基を有してもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、プチル基、イソプチル基、tert−プチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、n−オクチル基、ステアリル基、2−エチルへキシル基等の直鎖または分岐アルキル基の他、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2−ジブロモエチル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、2−エトキシエチル基、2−ブトキシエチル基、2−ニトロプロピル基、ペンジル基、4−メチルペンジル基、4−tert−プチルベンジル基、4−メトキシペンジル基、4−ニトロベンジル基、2,4−ジクロロベンジル基等の置換基を有するアルキル基が挙げられる。
また、置換基を有してもよいアルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソプチルオキシ基、tert−プチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、2,3−ジメチル−3−ペントキシ、n−へキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、ステアリルオキシ基、2−エチルへキシルオキシ基等の直鎖または分岐アルコキシル基の他、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルオキシ基、2,2−ジトリフルオロメチルプロポキシ基、2−エトキシエトキシ基、2−ブトキシエトキシ基、2−ニトロプロポキシ基、ベンジルオキシ基等の置換基を有するアルコキシル基が挙げられる。
また、置換基を有してもよいアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基等のアリール基の他、p−メチルフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−メトキシフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2−アミノフェニル基、2−メチル−4−クロロフェニル基、4−ヒドロキシ−1−ナフチル基、6−メチル−2−ナフチル基、4,5,8−トリクロロ−2−ナフチル基、アントラキノニル基、2−アミノアントラキノニル基等の置換基を有するアリール基が挙げられる。
また、酸性基としては、−SO3H、−COOHが挙げられ、これら酸性基の1価〜3価の金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、鉄塩、アルミニウム塩等が挙げられる。また、酸性基のアルキルアンモニウム塩としては、オクチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン等の長鎖モノアルキルアミンのアンモニウム塩、パルミチルトリメチルアンモニウム、ジラウリルジメチルアンモニウム、ジステアリルジメチルアンモニウム塩等の4級アルキルアンモニウム塩が挙げられる。
置換基を有してもよいフタルイミドメチル基(C64(CO)2N−CH2−)、および、置換基を有してもよいスルファモイル基(H2NSO2−)における「置換基」としては、上記のハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシル基、置換基を有してもよいアリール基等が挙げられる。
一般式(4)のR19〜R22、および/または、R28〜R31の隣接した基は、一体となって、置換基を有してもよい芳香環を形成する。ここでいう芳香環とは、炭化水素芳香環および複素芳香環が挙げられ、炭化水素芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環等が、また、複素芳香環としては、ピリジン環、ピラジン環、ピロール環、キノリン環、キノキサリン環、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、インドール環、カルバゾール環などが挙げられる。
本発明のカラーフィルタ用着色剤に用いられる一般式(4)で表されるキノフタロン顔料[B]としては、一般式(4a)〜(4c)のいずれかであることが好ましい。ここで、R32〜R46、R47〜R61、R62〜R78は、一般式(4)におけるR23〜R27で説明した、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシル基、置換基を有しても良いアリール基、−SO3H;−COOH;およびこれら酸性基の1価〜3価の金属塩;アルキルアンモニウム塩、置換基を有しても良いフタルイミドメチル基、または置換基を有しても良いスルファモイル基と同義である。
さらに、本発明のカラーフィルタ用着色剤に用いられるキノフタロン顔料は、一般式(4a)〜(4c)のR32〜R46、R47〜R61、R62〜R78が、水素原子またはハロゲン原子であることがより好ましい。
Figure 2013061622
Figure 2013061622
Figure 2013061622
本発明のカラーフィルタ用着色剤に用いられるキノフタロン顔料[B]の具体例として、下記に示すキノフタロン顔料(B−1〜18)等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2013061622
Figure 2013061622
Figure 2013061622
・キノフタロン顔料[B]の製造方法
本発明で使用されるキノフタロン顔料[B]は、例えば、特許公報2930774号記載の方法によって製造することができる。以下、一般式(4)で表されるキノフタロン顔料[B]の一般的な製造法について述べる。下記一般式(5)で表される8−アミノキナルジン1当量に対して、下記一般式(6)で表される無水フタル酸2〜3当量を、安息香酸中、窒素雰囲気下、160〜200℃で加熱して縮合反応させる。反応させる際、反応混合物が160〜200℃に達する前に、140〜160℃で1〜3時間保持しておくことで、2段階工程で、無水フタル酸の縮合を進行させることができる。
Figure 2013061622
[一般式(5)中、R79〜R83は、一般式(4)におけるR23〜R27と同義である。]
Figure 2013061622
[一般式(6)中、R84〜R87は、一般式(4)におけるR19〜R22、R28〜R31と同義である。]
反応の際、一般式(5)で表される8−アミノキナルジン1当量に対して、一般式(6)で表される無水フタル酸を1〜2当量添加して140〜160℃で1〜3時間加熱攪拌した後、構造の異なる一般式(6)で表される無水フタル酸を1〜2当量添加して160〜200℃で加熱、縮合反応させることで、8−アミノキナルジンのアミノ基側とメチル基側で構造の異なる無水フタル酸を縮合させることができる。
また、8−アミノキナルジンに対して、2種以上の構造的に異なる無水フタル酸を同時に反応させることにより、2種類以上の構造的に異なるキノフタロン顔料を同時に合成することができる(以下、「共合成法」と称す)。例えば、8−アミノキナルジン1当量に対して、テトラクロロ無水フタル酸1.8当量と、それ以外の無水フタル酸1.2当量を縮合させることで、C.I.ピグメントイエロー138と特定のキノフタロン顔料[B]を同時に製造することができる。
また、特開2008−81566号公報に記載の化合物(1)の合成法に従い、一般式(4)で表されるキノフタロン顔料から、一般式(7)の化合物を合成することができる。さらに、一般式(7)と一般式(6)で表される無水フタル酸を安息香酸中、160〜200℃で縮合させることで、一般式(4)で表されるキノフタロン顔料[B]を合成することも可能である。
キノフタロン顔料[B]の製造方法はこれらの方法に限定されるものではない。
Figure 2013061622
Figure 2013061622
[一般式(7)中、R88〜R96は、一般式(4)におけるR23〜R31と同義である]
緑色顔料および/または青色顔料と特定キノフタロン色素[A]との使用割合は、顔料100重量部に対し特定キノフタロン色素[A]が5〜1000重量部が好ましい。より好ましくは17〜600重量部である。特定キノフタロン色素[A]の添加量が5重量部よりも少ないと再現可能な色度領域が狭くなり、また1000重量部を越えると色相が変化してしまうため好ましくない。
また、緑色顔料および/または青色顔料に、黄色顔料と特定キノフタロン色素[A]を併用して使用する場合、黄色着色剤(黄色顔料と特定キノフタロン色素[A]の混合物)との使用割合は、顔料100重量部に対し黄色着色剤が5〜1000重量部が好ましい。より好ましくは17〜600重量部である。黄色着色剤の添加量が5重量部よりも少ないと再現可能な色度領域が狭くなることがあり、また600重量部を越えると色相が変化してしまう場合がある。
このように黄色顔料と特定キノフタロン色素[A]を併用して使用する場合、色構成を考慮すると、黄色顔料と特定キノフタロン色素[A]の含有量との配合割合は、黄色顔料100重量部に対して、特定キノフタロン色素[A]が1〜400重量部であることが好ましい。より好ましくは、黄色顔料100重量部に対して、特定キノフタロン色素[A]が5〜300重量部の範囲である。これらの配合は、着色剤の耐熱性、耐光性、明度を考慮しながら適宜調整して用いることができる。
(黄色フィルタセグメントを形成する着色剤)
[黄色顔料]
黄色フィルタセグメントを形成する場合は、特定キノフタロン色素[A]に加えて、「緑色フィルタセグメントを形成する着色剤」で既に述べた黄色顔料を使用する事が出来る。中でも、C.I.ピグメント イエロー138、139、150、185、一般式(4)で表されるキノフタロン顔料を用いることが好ましい。
黄色顔料と特定キノフタロン色素[A]との使用割合は、黄色顔料100重量部に対し特定キノフタロン色素[A]が1〜400重量部が好ましい。より好ましくは5〜300重量部である。また、色構成を考慮すると、黄色顔料と特定キノフタロン色素[A]との配合割合は、黄色顔料100重量部に対して、特定キノフタロン色素[A]が1〜400重量部であることが好ましい。より好ましくは、黄色顔料100重量部に対して、特定キノフタロン色素[A]が5〜300重量部の範囲である。これらの配合は、着色剤の耐熱性、耐光性、明度を考慮しながら適宜調整して用いることができる。ここで特に好ましい顔料は、C.I.ピグメント イエロー 138、139、150、185、一般式(4)で表わされるキノフタロン顔料である。
(赤色フィルタセグメントを形成する着色剤)
[赤色顔料]
赤色フィルタセグメントを形成する場合の赤色着色剤は、以下に述べる赤色顔料と本発明のキノフタロン色素とからなるものである。
赤色顔料としては、C.I.ピグメントレッド7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、122、146、149、166、168、169、176、177、178、179、184、185、187、200、202、208、210、221、242、246、254、255、264、270、272、273、274、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、または287等が用いられる。中でもC.I.ピグメントレッド177、179、254を用いることが好ましい。
また、キサンテン系、アゾ系、ジスアゾ系、アントラキノン系などの赤色染料も使用できる。具体的には、C.I.アシッドレッド52、87、92、289、388などのキサンテン系酸性染料の造塩化合物等が挙げられる。
[黄色顔料、橙色顔料]
また赤色着色剤はさらに黄色顔料、橙色顔料を併用しても良い。黄色顔料、橙色顔料としては、以下のものを併用してもよい。中でも、C.I.ピグメントイエロー138、139、150、185、または一般式(4)で表されるキノフタロン顔料を用いることが好ましい。
C.I.ピグメントオレンジ38、43、71、または73等、および/またはC.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、または221等を併用することができる。
赤色顔料と特定キノフタロン色素[A]との使用割合は、赤色顔料100重量部に対し特定キノフタロン色素[A]が1〜100重量部が好ましい。より好ましくは5〜50重量部である。特定キノフタロン色素[A]の添加量が1重量部よりも少ないと再現可能な色度領域が狭くなり、また50重量部を越えると色相が変化してしまうため好ましくない。また、色構成を考慮すると、赤色顔料と特定キノフタロン色素[A]との配合割合は、赤色顔料100重量部に対して、特定キノフタロン色素[A]が1〜100重量部であることが好ましい。より好ましくは、赤色顔料100重量部に対して、特定キノフタロン色素[A]が5〜50重量部の範囲である。ここで特に好ましい顔料は、C.I.ピグメントレッド177および/または254である。
本発明による着色組成物の全不揮発成分中において好ましい着色剤の含有量としては、十分な色再現性、安定性の観点から10〜90重量%であり、より好ましくは15〜85重量%であり、最も好ましくは20〜80重量%である。
(顔料の微細化)
本発明の着色組成物に顔料を併用する場合、微細化して用いることが好ましい。微細化方法は特に限定されるものではなく、例えば湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用でき、本発明で例示するように湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理等を行い微細化することができる。顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)により求められる平均一次粒子径は5〜90nmの範囲であることが好ましい。5nmよりも小さくなると有機溶剤中への分散が困難になり、90nmよりも大きくなると十分なコントラスト比を得ることができない場合がある。このような理由から、より好ましい平均一次粒子径は10〜70nmの範囲である。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル、プラネタリー型ミキサー等のバッチ式または連続式混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100重量部に対し、50〜2000重量部用いることが好ましく、300〜1000重量部用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料および水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料100重量部に対し、5〜1000重量部用いることが好ましく、50〜500重量部用いることが最も好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料100重量部に対し、5〜200重量部の範囲であることが好ましい。
<バインダー樹脂>
本発明の着色組成物に含まれるバインダー樹脂は、着色剤を分散するもの、もしくは染色、浸透させるものであって、従来公知の熱可塑性樹脂、および熱硬化性樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。また、バインダー樹脂は、キノフタロン系色素[A1]と化学的相互作用を及ぼすことにより、蛍光を消光することによるコントラスト比の向上効果があるために好ましい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、およびポリイミド樹脂等が挙げられる。
また、アルカリ現像型着色レジスト材の形態で用いる場合には、酸性基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性樹脂を用いることが好ましい。また、さらに光感度を向上させるために、エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂を用いることもできる。
特に側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂をアルカリ現像型着色レジスト材に用いることで、活性エネルギー線で露光し塗膜を形成する際に、樹脂が3次元架橋されることで着色剤が固定され、耐熱性が良好になり、着色剤の熱による退色(明度低下)を抑制できる。また、現像工程においても着色剤成分の凝集・析出を抑制する効果もある。
酸性基含有エチレン性不飽和モノマーを共重合したアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂として具体的には、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、またはイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、およびスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
エチレン性不飽和活性二重結合を有するエネルギー線硬化性樹脂としては、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
熱可塑性樹脂として、アルカリ可溶性能とエネルギー線硬化性能とを併せもつものも、カラーフィルタ用着色組成物として好ましい。
上記熱可塑性樹脂を構成するモノマーとして以下のものが挙げられる。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、またはエトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類、
あるいは、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、またはアクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類、スチレン、またはα−メチルスチレン等のスチレン類、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、またはイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、またはプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類が挙げられる。
あるいは、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、1,2−ビスマレイミドエタン1,6−ビスマレイミドヘキサン、3−マレイミドプロピオン酸、6,7−メチレンジオキシ−4−メチル−3−マレイミドクマリン、4,4'−ビスマレイミドジフェニルメタン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、N,N'−1,3−フェニレンジマレイミド、N,N'−1,4−フェニレンジマレイミド、N−(1−ピレニル)マレイミド、N−(2,4,6−トリクロロフェニル)マレイミド、N−(4−アミノフェニル)マレイミド、N−(4−ニトロフェニル)マレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−ブロモメチル−2,3−ジクロロマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオナート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチラート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドヘキサノアート、N−[4−(2−ベンゾイミダゾリル)フェニル]マレイミド、9−マレイミドアクリジン等のN-置換マレイミド類が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、およびフェノール樹脂等が挙げられる。中でも、耐熱性向上の観点から、エポキシ樹脂、メラミン樹脂がより好適に用いられる。
バインダー樹脂の重量平均分子量(Mw)は、着色剤を好ましく分散させるためには、5,000〜80,000の範囲が好ましく、より好ましくは7,000〜50,000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は2,500〜40,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
ここで重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、装置としてHLC−8220GPC(東ソー株式会社製)を用い、カラムとしてTSK−GEL SUPER HZM−Nを2連でつなげて使用し、溶媒としてTHFを用いて測定したポリスチレン換算分子量である。
バインダー樹脂をカラーフィルタ用着色組成物として使用する場合には、着色剤吸着基および現像時のアルカリ可溶基として働くカルボキシル基、着色剤担体および溶剤に対する親和性基として働く脂肪族基および芳香族基のバランスが、着色剤の分散性、浸透性、現像性、さらには耐久性にとって重要であり、酸価20〜300mgKOH/gの樹脂を用いることが好ましい。酸価が、20mgKOH/g未満では、現像液に対する溶解性が悪く、微細パターン形成するのが困難である。300mgKOH/gを超えると、現像で微細パターンが残らなくなる。
バインダー樹脂は、着色剤100重量部に対し、20〜500重量部の量で用いることが好ましい。20重量部未満では、成膜性および諸耐性が不十分となり、500重量部より多いと着色剤の濃度が低くなり、色特性を発現できない。蛍光消光の観点からは、20重量部〜400重量部の量で用いることが好ましい。20重量部より少ないと蛍光が十分には消光されないため好ましくない。また、400重量部以上だとキノフタロン色素[A1]同士による自己消光が阻害されてしまうため好ましくない。また、バインダー樹脂の構造中に、芳香環を含有することが蛍光消光の観点から好ましい。とくに、芳香環をより多く含むことがさらに好ましい。
<有機溶剤>
本発明の着色組成物には、着色剤を充分に着色剤担体中に分散、浸透させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために有機溶剤を含有させる。有機溶剤は、着色組成物の塗布性が良好であることに加え、着色組成物各成分の溶解性、さらには安全性を考慮して選定される。
有機溶剤としては、例えば、乳酸エチル、ベンジルアルコール、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
これらの溶剤は、単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
中でも、着色剤の分散性、浸透性、および着色組成物の塗布性が良好なことから、乳酸エチル等のアルキルラクテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ベンジルアルコール、ダイアセトンアルコール等のアルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類を用いることが好ましい。
また有機溶剤は、着色組成物を適正な粘度に調節し、目的とする均一な膜厚のフィルタセグメントを形成できることから、着色剤100重量部に対して、500〜4000重量部の量で用いることが好ましい。
<光重合性単量体>
本発明の着色組成物に添加しても良い光重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれる。
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
これらの光重合性化合物は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合性単量体の配合量は、着色剤100重量部に対し、5〜400重量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜300重量部であることがより好ましい。
<光重合開始剤>
本発明の着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成するために、光重合開始剤を加えて溶剤現像型あるいはアルカリ現像型感光性着色組成物の形態で調製することができる。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、または2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、またはベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド、または3,3',4,4'−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、または2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、または2,4−トリクロロメチル−(4'−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、またはO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4'−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、または2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物; ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
これらの光重合開始剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合開始剤の含有量は、着色剤100重量部に対し、2〜200重量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から3〜150重量部であることがより好ましい。
<増感剤>
さらに、本発明の着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、またはミヒラーケトン誘導体、ビイミダゾール誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4'−ジエチルイソフタロフェノン、3,3',または4,4'−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
これらの増感剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、および「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
増感剤の含有量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤100重量部に対し、3〜60重量部であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50重量部であることがより好ましい。
<多官能チオール>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有することができる。
多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。
これらの多官能チオールは、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
多官能チオールの含有量は、カラーフィルタ用着色組成物の全固形分の重量を基準(100重量%)として好ましくは0.1〜30重量%であり、より好ましくは1〜20重量%である。多官能チオールの含有量が0.1重量%未満では多官能チオールの添加効果が不充分であり、30重量%以下だと感度が良好な範囲となり解像度が高くなる。
<酸化防止剤>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤は、カラーフィルタ用着色組成物に含まれる光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱硬化やITOアニール時の熱工程によって酸化し黄変することを防ぐため、塗膜の透過率を高くすることができる。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、高い塗膜の透過率を得る事ができる。
本発明における「酸化防止剤」とは、紫外線吸収機能、ラジカル補足機能、または、過酸化物分解機能を有する化合物であればよく、具体的には、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシルアミン系、サルチル酸エステル系、およびトリアジン系の化合物があげられ、公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤等が使用できる。
これらの酸化防止剤の中でも、塗膜の透過率と感度の両立の観点から、好ましいものとしては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤またはイオウ系酸化防止剤が挙げられる。また、より好ましくは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、またはリン系酸化防止剤である。
これらの酸化防止剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
酸化防止剤の含有量は、カラーフィルタ用着色組成物の固形分重量を基準(100重量%)として、0.5〜5.0重量%の場合、明度、感度が良好であるためより好ましい。
<アミン系化合物>
また、本発明の着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。
このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、およびN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
<レベリング剤>
本発明の着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性をよくするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造またはポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の全重量を基準(100重量%)として、0.003〜0.5重量%用いることが好ましい。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
<硬化剤、硬化促進剤>
また本発明の着色組成物には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含んでいてもよい。硬化剤としては、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。また、これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げられる。上記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物およびその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。上記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性樹脂100重量部に対し、0.01〜15重量部が好ましい。
<その他の添加剤成分>
本発明の着色組成物には、経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色剤100重量部に対し、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
密着向上剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色組成物中の着色剤100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量で用いることができる。
<着色組成物の製造方法>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、本発明のキノフタロン色素を含む着色剤を、前記バインダー樹脂と、必要に応じて溶剤とからなる着色剤担体中に、好ましくは色素誘導体などの分散助剤と一緒に、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、またはアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。また、本発明のキノフタロン色素の溶解性が高い場合、具体的には使用する溶剤への溶解性が高く、攪拌により溶解、異物が確認されない状態であれば、上記のような微細に分散して製造する必要はない。
また、本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、顔料、本発明のキノフタロン色素、その他の着色剤等を別々に着色剤担体に分散したものを混合して製造することもできる。
また、カラーフィルタ用感光性着色組成物(レジスト材)として用いる場合には、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物として調製することができる。溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物は、前記顔料分散体と、光重合性単量体および/または光重合開始剤と、必要に応じて、溶剤、分散助剤、および添加剤等を混合して調整することができる。光重合開始剤は、着色組成物を調製する段階で加えてもよく、調製した着色組成物に後から加えてもよい。
(分散助剤)
着色剤を着色剤担体中に分散する際に、適宜、色素誘導体、樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤を含有してもよい。分散助剤は、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を着色剤担体中に分散してなる着色組成物は、明度および粘度安定性が良好になる。また、顔料を着色剤担体中に分散する場合だけでなく、キノフタロン色素[A1]溶液に樹脂型分散剤、色素誘導体を含むことで、キノフタロン系色素と樹脂型分散剤または色素誘導体が化学的相互作用を及ぼすことにより、キノフタロン色素[A1]の蛍光を消光することによるコントラスト比の向上効果があるために好ましい。
[色素誘導体]
色素誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物があげられ、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報、特開2001−335717号公報、特開2003−128669号公報、特開2004−091497号公報、特開2007−156395号公報、特開2008−094873号公報、特開2008−094986号公報、特開2008−095007号公報、特開2008−195916号公報、特許第4585781号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独または2種類以上を混合して用いることができる。色素誘導体を使用する場合、明度の観点から、キノフタロン骨格を有するものが好ましい。また、蛍光消光という観点からは、アントラキノン骨格や、アクリドン骨格、フタロシアニン骨格を有するものが好ましい。さらに、置換基としてスルホンアミドを有するものが好ましい。
色素誘導体の含有量は、分散性向上の観点から、着色剤100重量部に対し、好ましくは0.5重量部以上、さらに好ましくは1重量部以上、最も好ましくは3重量部以上である。また、耐熱性、耐光性の観点から、好ましくは40重量部以下、さらに好ましくは35重量部以下である。また、蛍光消光の観点からは、10重量部以上、100重量部以下であることが好ましい。誘導体量が10重量部より少ないと十分な消光効果が期待できない。また、100重量部より多いと、キノフタロン色素[A1]同士の自己消光を阻害してしまうため消光効果が薄れてしまうため好ましくない。
[樹脂型分散剤]
樹脂型分散剤は、着色剤に吸着する性質を有する着色剤親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、着色剤に吸着して着色剤の着色剤担体への分散を安定化する働きをするものである。また、樹脂型分散剤を用いることでキノフタロン色素[A1]の蛍光をさらに消光させる働きもある。これは、樹脂型分散剤がキノフタロン色素[A1]に吸着することにより、キノフタロン色素[A1]のみの場合に起こる光反応を阻害することで蛍光の発光を抑制することができ、その結果、コントラスト比を増加させることができる。さらに、樹脂型分散剤の構造中に、蛍光消光の観点から芳香環を含有することが好ましい。とくに、芳香環をより多く含むことがさらに好ましい。
樹脂型分散剤の具体例としては、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、167、168、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2009、2010、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155、2163、2164またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、21116、21324、21407、21715またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、56000、76500等、チバ・ジャパン社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
[界面活性剤]
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
樹脂型分散剤、界面活性剤を添加する場合には、着色剤100重量部に対し、好ましくは0.1〜55重量部、さらに好ましくは0.1〜45重量部である。樹脂型分散剤、界面活性剤の配合量が、0.1重量部未満の場合には、添加した効果が得られ難く、含有量が55重量部より多いと、過剰な分散剤により分散に影響を及ぼすことがある。蛍光消光の観点からは5重量部以上、400重量部以下が好ましい。5重量部より少ないと十分な消光効果が期待できず、400重量部より多いとキノフタロン色素[A1]同士による自己消光を阻害してしまうため効果が薄れてしまう。
<粗大粒子の除去>
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
<カラーフィルタ>
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、基板上に、本発明のカラーフィルタ用着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを備えるものであり、例えば、ブラックマトリックスと、赤色、緑色、青色のフィルタセグメントとを備えることができる。前記フィルタセグメントは、さらにマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、および黄色フィルタセグメントを具備するものであってもよい。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、赤色、緑色、または黄色フィルタセグメントの形成に用いられることが好ましく、中でも緑色フィルタセグメントに用いられることが好ましい。
本発明のカラーフィルタは、少なくとも1つのフィルタセグメントが、本発明のカラーフィルタ用着色組成物から形成されてなるものであればよく、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いないその他の色のフィルタセグメントの形成に用いる着色剤は、従来公知のものを用いることができる。
赤色フィルタセグメントを形成する赤色着色剤は、「赤色フィルタセグメントを形成する着色剤」で既に述べた赤色顔料、黄色顔料、および橙色顔料を使用する事が出来る。
また、キサンテン系、アゾ系、ジスアゾ系、アントラキノン系などの赤色染料も使用できる。具体的には、C.I.アシッドレッド52、87、92、289、338などのキサンテン系酸性染料の造塩化合物等が挙げられる。
また、その他のキノフタロン系、アゾ系、ジスアゾ系、メチン系などの橙色染料および/または黄色染料も使用できる。
緑色フィルタセグメントを形成する緑色着色剤は、「緑色フィルタセグメントを形成する着色剤」で既に述べた緑色顔料および/または青色顔料および/または黄色顔料を使用する事が出来る。
また、その他のキノフタロン系、アゾ系、ジスアゾ系、メチン系などの黄色染料も使用できる。
青色フィルタセグメントは、青色顔料と着色剤担体を含む通常の青色着色組成物を用いて形成することができる。青色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64等が用いられる。また青色着色組成物には、紫色顔料を併用することができる。併用可能な紫色顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、27、29、30、31、32、37、39、40、42、44、47、49、50等の紫色顔料を挙げることができる。また、青色や紫色を呈する塩基性染料、酸性染料の造塩化合物を使用することもできる。染料を使用する場合、トリアリールメタン系染料、またはキサンテン系染料が明度の点で好ましい。
<カラーフィルタの製造方法>
本発明のカラーフィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
印刷法によるフィルタセグメントの形成は、印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジストを塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法、インクジェット法などにより製造することができるが、本発明の着色組成物はいずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の基板に転写させる方法である。
透明基板あるいは反射基板上に各色フィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成することができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、上記の透明基板あるいは反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後に各色フィルタセグメントを形成することもできる。また本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や透明導電膜などが形成される。
カラーフィルタは、シール剤を用いて対向基板と張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、液晶表示パネルが製造される。
かかる液晶表示パネルは、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)等のカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」および「%」は、「重量部」および「重量%」をそれぞれ表す。また、「PGMAC」とはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを意味する。
また、顔料の平均一次粒子径、樹脂の重量平均分子量(Mw)、およびコントラスト比の測定方法は以下の通りである。
<顔料の平均一次粒子径>
顔料の平均一次粒子径は、透過型(TEM)電子顕微鏡を使用して、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で測定した。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料一次粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径とした。
<樹脂の重量平均分子量(Mw)>
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、装置としてHLC−8220GPC(東ソー株式会社製)を用い、カラムとしてTSK−GEL SUPER HZM−Nを2連でつなげて使用し、溶媒としてTHFを用いて測定したポリスチレン換算分子量である。
<コントラスト比>
液晶ディスプレー用バックライトユニットから出た光は、偏光板を通過して偏光され、ガラス基板上に塗布された着色組成物の塗膜を通過し、もう一方の偏光板に到達する。この際、偏光板と偏光板の偏光面が並行であれば、光は偏光板を透過するが、偏光面が直交している場合には光は偏光板により遮断される。しかし、偏光板によって偏光された光が着色組成物の塗膜を通過する際に、着色剤粒子によって散乱等が起こり、偏光面の一部にずれが生じると、偏光板が並行のときは透過する光量が減り、偏光板が直交のときは一部光が透過する。この透過光を偏光板上の輝度として測定し、偏光板が並行の際の輝度と、直交の際の輝度との比を、コントラスト比として算出した。
(コントラスト比)=(並行のときの輝度)/(直交のときの輝度)
従って、塗膜中の着色剤により散乱が起こると、直交のときの輝度が増加するため、コントラスト比が低くなる。
なお、輝度計としては色彩輝度計(トプコン社製「BM−5A」)、偏光板としては偏光板(日東電工社製「NPF−G1220DUN」)を用いた。測定に際しては、測定部分に1cm角の孔を開けた黒色マスクを介して測定した。
まず、実施例および比較例で用いたキノフタロン色素[A1]ならびにキノフタロン色素[A2]、バインダー樹脂溶液、樹脂型分散剤溶液、キノフタロン顔料[B]、およびアルミニウムフタロシアニン顔料の製造方法と、顔料の微細化方法と、緑色着色組成物ならびに赤色着色組成物の製造方法と、緑色感光性着色組成物ならびに赤色感光性着色組成物の製造方法とについて説明する。
<キノフタロン色素[A1]の製造方法>
[キノフタロン色素(A1−1)]
Figure 2013061622
6−iso−プロピル−2−メチルキノリン2.3部とナフタレンジカルボン酸無水物2.5部、安息香酸30部を混合し、200℃で7時間攪拌した。放冷後、メタノールを100部加え、1時間撹拌した。そして、析出している固体を吸引ろ過で収集した。さらに固体をメタノール200部中に入れ、1時間攪拌後、吸引ろ過で固体を収集した。真空乾燥機(40℃)で一晩乾燥し、3.1部の生成物を得た。収率は67%であった。生成物は、質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行なった。m/z=366(分子量365.4)で目的物であることを確認した。
[キノフタロン色素(A1−2)]
Figure 2013061622
キノフタロン色素(A1−1)と同様の方法で、8−(1,3−ジオキサン−2−イル)メチル−2−メチルキノリンとナフタレンジカルボン酸を反応させた色素を、N−ブロモスクシンイミドで臭素化して合成し、キノフタロン色素(A1−2)を得た。生成物は、質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行ない、目的物であることを確認した。
[キノフタロン色素(A1−3〜14)]
キノフタロン色素(A1−1)と同様の方法で、対応する2−メチルキノリン類とナフタレンカルボン酸無水物を反応して、キノフタロン色素(A1−3〜14)を得た。生成物は、質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行ない、目的物であることを確認した。
<キノフタロン色素[A2]の製造方法>
[キノフタロン色素(A2−1)]
Figure 2013061622
6−iso−プロピル−2−メチルキノリン10.8部と無水トリメリット酸12.1部、および安息香酸60部を混合し200℃で7時間反応した。精製した黄色固体をジメチルホルムアミドで洗浄し黄色物14gを得た。黄色物を5gにピリジン0.2g、o−ジクロロベンゼンを加え、ついで塩化チオニル3.8部を作用させ、減圧留去後、3−アミノ−2−プロパノール1.76gを加え、180℃で7時間反応させ、冷却後、ヘキサンで洗浄し、乾燥後、シリカゲルでカラム精製を行い、黄色粉末を得た。構造は質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行ない、目的物であることを確認した。
[キノフタロン色素(A2−2)]
Figure 2013061622
キノフタロン色素(A2−1)と同様の方法で、5−ブロモ−8−(1,3−ジオキサン−2−イル)メチル−2−メチルキノリンと無水フタル酸を反応させて黄色粉末を得た。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行ない、目的物であることを確認した。
[キノフタロン色素(A2−3〜16)]
キノフタロン色素(A2−1)と同様の方法で、対応する2−メチルキノリン類と無水フタル酸類を反応して、キノフタロン色素(A2−3〜16)を得た。質量分析装置(TOF−MS:ブルカー・ダルトニクス社製 autoflexII)で化合物の同定を行ない、目的物であることを確認した。
製造したキノフタロン色素[A1]およびキノフタロン色素[A2]の構造を表1に記す。
Figure 2013061622
Figure 2013061622
Figure 2013061622
<バインダー樹脂溶液の製造方法>
(アクリル樹脂溶液1)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン196部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、ベンジルメタクリレート37.2部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート12.9部、メタクリル酸12.0部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)20.7部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1.1部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにPGMACを添加してアクリル樹脂溶液1(樹脂溶液 1)を得た。重量平均分子量(Mw)は26000であった。
(アクリル樹脂溶液2)
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を備えたセパラブル4口フラスコにシクロヘキサノン370部を仕込み、80℃に昇温し、フラスコ内を窒素置換した後、滴下管より、グリシジルメタクリレート18.2部、メタクリル酸メチル53部、および2,2'−アゾビスイソブチロニトリル2.0部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下後、更に100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、更に100℃で1時間反応を続けた。次に、容器内を空気置換に替え、アクリル酸9.3部(グリシジル基の当量)にトリスジメチルアミノフェノール0.5部およびハイドロキノン0.1部を上記容器内に投入し、120℃で6時間反応を続け固形分酸価0.5となったところで反応を終了し、アクリル樹脂の溶液を得た。更に、引き続きテトラヒドロ無水フタル酸19.5部(生成した水酸基の当量)、トリエチルアミン0.5部を加え120℃で3.5時間反応させアクリル樹脂の溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにPGMACを添加してアクリル樹脂溶液2(樹脂溶液 2)を得た。重量平均分子量(Mw)は19000であった。
<樹脂型分散剤溶液の製造>
(樹脂型分散剤溶液1)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、n−ブチルメタクリレート80部とベンジルメタクリレート120部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3‐メルカプト‐1,2‐プロパンジオール12部に、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を溶解した溶液を添加して、10時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。ピロメリット酸無水物30部、シクロヘキサノン242部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.40部を追加し、120℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了し樹脂型分散剤1を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにシクロヘキサノンを添加して樹脂型分散剤溶液1(分散剤 1)を調製した。重量平均分子量(Mw)は9500であった。
(樹脂型分散剤溶液2)
樹脂型分散剤(ビッグケミー社製「BYK−LPN6919」)をPGMACで希釈し、不揮発分が20重量%の樹脂型分散剤溶液2(分散剤 2)を調整した。
<キノフタロン顔料[B]の製造方法>
(キノフタロン顔料(B−1)の製造)
まず始めに、特開2008−81566号公報に記載の合成方法に従い、化合物(1)を得た。
Figure 2013061622
続いて、安息香酸メチル300部に、化合物(1)100部、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物70部、および安息香酸143部を加え、180℃に加熱し、4時間反応させた。TOF−MSにより、下記式(50)で表わされるキノフタロン顔料(B−1)の生成、および原料の化合物(1)の消失を確認した。さらに、室温まで冷却後、反応混合物をアセトン3130部に投入し、室温下にて1時間攪拌した。生成物を濾別し、メタノールにて洗浄、乾燥を行い、120部のキノフタロン顔料(B−1)を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、キノフタロン顔料(B−1)であることを確認した。
Figure 2013061622
(キノフタロン顔料(B−2)の製造)
まず始めに、キノフタロン顔料(B−1)を原料として、特開2008−81566号公報に記載の合成方法に従い、化合物(1)の合成と同様の方法で、化合物(2)を得た。
Figure 2013061622
続いて、安息香酸メチル300部に、化合物(2)100部、テトラクロロ無水フタル酸108部、および安息香酸143部を加え、180℃に加熱し、4時間反応させた。TOF−MSにより、キノフタロン顔料(B−2)の生成、および原料の化合物(2)の消失を確認した。さらに、室温まで冷却後、反応混合物をアセトン3510部に投入し、室温下にて1時間攪拌した。生成物を濾別し、メタノール洗浄、および乾燥を行い、下記式(51)で表わされる120部のキノフタロン顔料(B−2)を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、キノフタロン顔料(B−2)であることを確認した。
Figure 2013061622
<アルミニウムフタロシアニン顔料の製造方法>
(アルミニウムフタロシアニン顔料(C−1))
反応容器中でn−アミルアルコール1250部に、フタロジニトリル225部、塩化アルミニウム無水物78部を添加し、攪拌した。これに、DBU(1,8−Diazabicyclo[5.4.0]undec−7−ene)266部を加え、昇温し、136℃で5時間還流させた。攪拌したまま30℃まで冷却した反応溶液を、メタノール5000部、水10000部の混合溶媒中へ、攪拌下注入し、青色のスラリーを得た。このスラリーを濾過し、メタノール2000部、水4000部の混合溶媒で洗浄し、乾燥して、135部のクロロアルミニウムフタロシアニンを得た。さらに、反応容器中でクロロアルミニウムフタロシアニン100部をゆっくり濃硫酸1200部に、室温にて加えた。40℃、3時間撹拌して、3℃の冷水24000部に硫酸溶液を注入した。青色の析出物をろ過、水洗、乾燥して、下記式(53)で表されるアルミニウムフタロシアニン顔料(C−1)を102部得た。
Figure 2013061622
(アルミニウムフタロシアニン顔料(C−2))
反応容器中でメタノール1000部に、式(53)で表されるアルミニウムフタロシアニン顔料(C−1)を100部とリン酸ジフェニルを49.5部とを加え、40℃に加熱し、8時間反応させた。これを室温まで冷却後、生成物をろ過し、メタノールで洗浄後、乾燥させて、下記式(54)で表されるアルミニウムフタロシアニン顔料(C−2)114部を得た。
Figure 2013061622
(アルミニウムフタロシアニン顔料(C−3))
反応容器中でメタノール1000部に、式(53)で表されるアルミニウムフタロシアニン顔料(C−1)を100部と、ジフェニルホスフィン酸を43.2部とを加え、40℃に加熱し、8時間反応させた。これを室温まで冷却後、生成物をろ過し、メタノールで洗浄後、乾燥させて、下記式(55)で表されるアルミニウムフタロシアニン顔料(C−3)112部を得た。
Figure 2013061622
<顔料の微細化方法>
(黄色着色剤(PY−1))
キノフタロン顔料(B−1)100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の黄色着色剤(PY−1)を得た。平均一次粒子径は31.3nmであった。
(黄色着色剤(PY−2))
キノフタロン顔料(B−2)40部、C.I.ピグメントイエロー138(BASF社製「パリオトールイエローK0960−HD」)60部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で8時間混練した。次に、この混練物を温水に投入し、約70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状として、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、黄色着色剤(PY−2)97部を得た。平均一次粒子径は36.8nmであった。
(黄色着色剤(PY−3))
C.I.ピグメントイエロー138(BASF社製商品名パリオトールイエローK0961HD)を100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で6時間混練した。この混練物を3000部の温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、黄色着色剤(PY−3)98部を得た。平均一次粒子径は35.5nmであった。
(黄色着色剤(PY−4))
金属錯体系黄色顔料C.I.ピグメントイエロー150(ランクセス社「E4GN」)500部、塩化ナトリウム2500部、およびジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、100℃で6時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、黄色着色剤(PY−4)を得た。得られた顔料の体積平均一次粒子径は28.3nmであった。
(黄色着色剤(PY−5))
イソインドリン系黄色顔料C.I.ピグメントイエロー139(BASF社製「パリオトールイエローD1819」)500部、塩化ナトリウム2500部、およびジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、100℃で6時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、黄色着色剤(PY−5)を得た。得られた顔料の体積平均一次粒子径は29.3nmであった。
(緑色着色剤(PG−1))
緑色顔料C.I.ピグメントグリーン58(DIC株式会社製「ファーストゲーングリーンA110」)500部、塩化ナトリウム1500部、およびジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、緑色着色剤(PG−1)を得た。得られた顔料の体積平均一次粒子径は25.2nmであった。
(緑色着色剤(PG−2))
緑色顔料C.I.ピグメントグリーン36(東洋インキ製造社製「リオノールグリーン 6YK」)500部、塩化ナトリウム2500部、およびジエチレングリコール:250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、100℃で2時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、490部の緑色着色剤(PG−2)を得た。得られた顔料の体積平均一次粒子径は26.6nmであった。
(緑色着色剤(PG−3))
緑色顔料(C.I.ピグメントグリーン7、東洋インキ製造社製「リオノールグリーン Y−101」)500部、塩化ナトリウム1500部、およびジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、緑色着色剤(PG−3)を得た。得られた顔料の体積平均一次粒子径は33.1nmであった。
(赤色着色剤(PR−1))
赤色顔料(C.I.ピグメントレッド177、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製「クロモフタールレッドA2B」)500部、塩化ナトリウム1500部、およびジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、赤色着色剤(PR−1)を得た。得られた顔料の体積平均一次粒子径は28.3nmであった。
(青色着色剤(PB−1))
アルミニウムフタロシアニン顔料(C−1)100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で6時間混練した。この混練物を3000部の温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、青色着色剤(PB−1)を得た。平均一次粒子径は30.4nmであった。
(青色着色剤(PB−2))
アルミニウムフタロシアニン顔料(C−1)をアルミニウムフタロシアニン顔料(C−2)に変えた以外は、青色着色剤(PB−1)と同様のソルトミリング処理法で、青色着色剤(PB−2)を得た。平均一次粒子径は31.2nmであった。
(青色着色剤(PB−3))
アルミニウムフタロシアニン顔料(C−1)をアルミニウムフタロシアニン顔料(C−3)に変えた以外は、青色着色剤(PB−1)と同様のソルトミリング処理法で、青色着色剤(PB−3)を得た。平均一次粒子径は29.5nmであった。
(青色着色剤(PB−4))
青色顔料(C.I.ピグメントブルー15:6、BASF社製「ヘリオゲンブルーL−6700F」)500部、塩化ナトリウム2500部、およびジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、100℃で2時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、490部の青色着色剤(PB−4)を得た。得られた顔料の体積平均一次粒子径は26.6nmであった。
(青色着色剤(PB−5))
α型銅フタロシアニン系シアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:1、東洋インキ製造社製「リオノールブルー 7120−V」)を500部、塩化ナトリウム:2500部、およびジエチレングリコール:250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、100℃で2時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、490部の青色着色剤(PB−5)を得た。得られた顔料の体積平均一次粒子径は35.2nmであった。
得られた着色剤を表2に示す。
Figure 2013061622
<緑色着色組成物(DG−1)の製造方法>
下記の組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)にて5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、緑色着色組成物(DG−1)を得た。
緑色着色剤(PG−1) 10.0部
樹脂型分散剤溶液2 10.0部
アクリル樹脂溶液1 40.0部
PGMAC 40.0部
<赤色着色組成物(DR−1)の製造方法>
下記の組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)にて5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、赤色着色組成物(DR−1)を得た。
赤色着色剤(PR−1) 3.3部
赤色着色剤(ピグメントレッド254) 6.7部
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「IRGAPHOR RED B−CF」
樹脂型分散剤溶液2 10.0部
アクリル樹脂溶液1 40.0部
PGMAC 40.0部
<緑色感光性着色組成物(RG−1)の製造方法>
下記組成の混合物を均一に攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して感光性着色組成物(RG−1)を作製した。
着色組成物(DG−1) 60.0部
アクリル樹脂溶液1 15.0部
(樹脂溶液 1)
光重合性単量体A 3.0部
(東亞合成株式会社製「アロニクスM402」)
光重合開始剤 1.6部
(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー379」)
シクロヘキサノン 20.4部
<赤色感光性着色組成物(RR−1)の製造方法>
下記組成の混合物を均一に攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して感光性着色組成物(RR−1)を作製した。
着色組成物(DR−1) 60.0部
アクリル樹脂溶液1 15.0部
(樹脂溶液 1)
光重合性単量体A 3.0部
(東亞合成株式会社製「アロニクスM402」)
光重合開始剤 1.6部
(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー379」)
シクロヘキサノン 20.4部
[実施例1]
(着色組成物(P−1))
下記の成分からなる混合物を50℃で加温しながら、均一になるように0.5時間攪拌した。その後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で0.5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、着色組成物(P−1)を作製した。
キノフタロン色素(A1−1) 5.0部
キノフタロン色素(A2−1) 5.0部
アクリル樹脂溶液1 50.0部
(樹脂溶液 1)
シクロヘキサノン 40.0部
(アノン)
[実施例2〜24、比較例1、2]
(着色組成物(P−2〜24およびP−46、47))
キノフタロン色素、樹脂型分散剤溶液、アクリル樹脂溶液、溶剤の種類、配合量(重量部)を表3のように変更した以外は着色組成物(P−1)と同様にして、着色組成物(P−2〜24)および着色組成物(P−46、47)を作製した。なお、着色剤を併用している場合には、着色剤の合計量は全ての着色組成物において10部である。
Figure 2013061622
表3中の略語を下記に示す。
有機溶剤
・アノン:シクロヘキサノン
[実施例22]
(着色組成物(P−25))
下記の成分からなる混合物を均一になるように50℃で加温しながら攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、着色組成物22(P−22)を作製した。

キノフタロン色素(A1−1) 2.5部
キノフタロン色素(A2−1) 2.5部
黄色着色剤(PY−1) 5.0部
樹脂型分散剤溶液1 10.0部
(分散剤 1)
アクリル樹脂溶液1 40.0部
(樹脂溶液 1)
シクロヘキサノン 40.0部
[実施例26〜45、比較例3〜8]
(着色組成物(P−26〜45およびP−48〜53))
キノフタロン色素、顔料、樹脂型分散剤溶液、アクリル樹脂溶液、溶剤の種類、配合量(重量部)を表4のように変更した以外は着色組成物(P−25)と同様にして、着色組成物(P−26〜45)および着色組成物(P−48〜53)を作製した。なお、着色剤を併用している場合には、着色剤の合計量は全ての着色組成物において10.0部である。
Figure 2013061622
表4中の略語を下記に示す。
有機溶剤
・アノン:シクロヘキサノン
[着色組成物の評価]
着色組成物(P−1〜53)についてコントラスト比、着色力の評価を下記の方法で行った。結果は表5に示す。
(コントラスト比評価)
得られた着色組成物(P−1〜53)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、放冷することで塗膜基板を作製した。得られた塗布基板の初期コントラスト比(初期CR)を測定した。この際、表面形状測定装置「Dektak8(Veeco社製)」を用いて測定した膜厚が1μmに合うようにスピンコーターの塗布条件を調整して、塗膜を作製した。
(着色力評価)
得られた着色組成物(P−1〜32及び、P−34〜53)と、緑色着色組成物(DG−1)とを混合して、緑色着色組成物を作製した。なお、着色組成物(P−1〜32及び、P−34〜53)と緑色着色組成物(DG−1)の配合比率は、いずれも塗布基板を作製した際に、C光源でx=0.290、y=0.600の色度に合うように、比率を選定した。つぎに、得られた混合着色組成物を、スピンコーターを用いて、C光源でy=0.600になるように塗布し、次に70℃で20分乾燥することにより塗布基板を得た。得られた塗布基板の膜厚の測定結果により着色力を評価した。得られた塗膜の膜厚の測定は、表面形状測定装置「Dektak8(Veeco社製)」を用いて行った。結果は下記の基準によって判断した。目的の色度を与える膜厚が小さいほど、着色力が大きいことを示しており、優れていると言える。
◎:2.40未満[μm]
○:2.40以上2.56未満[μm]
×:2.56以上[μm]
また、得られた着色組成物(P−33)と、赤色着色組成物(DR−1)とを混合し、赤色着色組成物を作成した。なお、着色組成物(P−33)と、赤色着色組成物(DR−1)の配合比率は、いずれも塗布基板を作製した際に、C光源でx=0.640、y=0.334の色度に合うように比率を選定した。つぎに、得られた混合着色組成物を、スピンコーターを用いて、C光源でx=0.640になるように塗布し、次に70℃で20分乾燥することにより塗布基板を得た。得られた塗布基板の膜厚の測定結果により着色力を評価した。得られた塗膜の膜厚の測定は、表面形状測定装置「Dektak8(Veeco社製)」を用いて行った。結果は下記の基準によって判断した。目的の色度を与える膜厚が小さいほど、着色力が大きいことを示しており、優れていると言える。
◎:1.52未満[μm]
○:1.52以上1.60未満[μm]
×:1.60以上[μm]
Figure 2013061622
表5に示すように、本発明の特徴である着色剤が、特定構造のキノフタロン色素[A1]と、さらに特定構造のキノフタロン色素[A2]とを含有する着色組成物は、コントラスト比が非常に高く、着色力に優れていた。
なかでも、実施例25〜45(着色組成物(P−25〜45))のように、着色剤がさらに顔料を含む場合は、コントラスト比がさらに良好であった。
また、実施例3(着色組成物(P−3))と、実施例6、7(着色組成物(P−6、7))を比較すると、樹脂型分散剤を含む着色組成物(P−6、7)の方がコントラスト比の観点でさらに良好であった。
一方、比較例の着色組成物のように、キノフタロン色素[A2]を含まない場合には、蛍光の影響でコントラスト比が低い結果であった。また、キノフタロン色素[A1]を含まない場合、蛍光が出ないためコントラスト比は良好であるが、着色力が非常に悪い結果であった。
[実施例46]
(感光性着色組成物(R−1))
下記組成の混合物を均一に攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して感光性着色組成物(R−1)を作製した。
着色組成物(P−1) 60.0部
アクリル樹脂溶液1 15.0部
(樹脂溶液 1)
光重合性単量体A 3.0部
(東亞合成株式会社製「アロニクスM402」)
光重合開始剤 1.6部
(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー379」)
シクロヘキサノン 20.4部
[実施例47〜90、比較例9〜16]
(感光性着色組成物(R−2〜53))
着色組成物、アクリル樹脂溶液、光重合性単量体、光重合開始剤、増感剤、有機溶剤、酸化防止剤の種類、配合量(重量部)を表6〜8のように変更した以外は感光性着色組成物(R−1)と同様にして、感光性着色組成物(R−2〜53)を作製した。
Figure 2013061622
Figure 2013061622
Figure 2013061622
表6〜8中の略語について以下に示す。
光重合性単量体
・光重合性単量体A:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート/ペンタアクリレート混合物
(東亞合成株式会社製「アロニクスM402」)
光重合開始剤
・開始剤A:2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン
(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー379」)
・開始剤B:エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)
(チバ・ジャパン社製「イルガキュアーOXE02」)
増感剤
・増感剤A:4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」)
酸化防止剤
・酸化防止剤A:ヒンダートフェノール系酸化防止剤
ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
・酸化防止剤B:イオウ系酸化防止剤
3,3'−チオジプロパン酸ジオクタデシル
・酸化防止剤C:リン系酸化防止剤
トリス[2,4−ジ−(tert)−ブチルフェニル]ホスフィン
・酸化防止剤D:ヒンダートアミン系酸化防止剤
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート
・酸化防止剤E:サルチル酸エステル系酸化防止剤
サリチル酸p−オクチルフェニル
有機溶剤
・アノン:シクロヘキサノン
[感光性着色組成物の評価]
感光性着色組成物(R−1〜53)についてコントラスト比、着色力、および明度の評価を下記の方法で行った。結果は表9〜11に示す。
(コントラスト比評価)
得られた感光性着色組成物(R−1〜53)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、放冷することで塗膜基板を作製した。得られた塗布基板の初期コントラスト比(初期CR)を測定した。この際、表面形状測定装置「Dektak8(Veeco社製)」を用いて測定した膜厚が1μmに合うようにスピンコーターの塗布条件を調整して、塗膜を作製した。
(着色力評価)
得られた感光性着色組成物(R−1〜R−32及び、R−34〜R−53)と、緑色感光性着色組成物(RG−1)とを混合して、緑色感光性着色組成物を作製した。なお、緑色感光性着色組成物(R−1〜53)と緑色感光性着色組成物(RG−1)の配合比率は、いずれも塗布基板を作製した際に、C光源でx=0.290、y=0.600の色度に合うように、比率を選定した。つぎに、得られた混合着色組成物を、スピンコーターを用いて、C光源でx=0.600になるように塗布し、次に70℃で20分乾燥することにより塗布基板を得た。得られた塗布基板の膜厚の測定結果により着色力を評価した。得られた塗膜の膜厚の測定は、表面形状測定装置「Dektak8(Veeco社製)」を用いて行った。結果は下記の基準によって判断した。目的の色度を与える膜厚が小さいほど、着色力が大きいことを示しており、優れていると言える。
◎:3.91未満[μm]
○:3.91以上4.17未満[μm]
×:4.17以上[μm]
得られた感光性着色組成物(R−33)と、赤色感光性着色組成物(RR−1)とを混合し、赤色着色組成物を作成した。なお、感光性着色組成物(R−33)と、赤色感光性着色組成物(RR−1)の配合比率は、いずれも塗布基板を作製した際に、C光源でx=0.640、y=0.334の色度に合うように比率を選定した。つぎに、得られた混合着色組成物を、スピンコーターを用いて、C光源でx=0.640になるように塗布し、次に70℃で20分乾燥することにより塗布基板を得た。得られた塗布基板の膜厚の測定結果により着色力を評価した。得られた塗膜の膜厚の測定は、表面形状測定装置「Dektak8(Veeco社製)」を用いて行った。結果は下記の基準によって判断した。目的の色度を与える膜厚が小さいほど、着色力が大きいことを示しており、優れていると言える。
◎:2.47未満[μm]
○:2.47以上2.61未満[μm]
×:2.61以上[μm]
(塗膜の明度評価)
感光性着色組成物(R−1〜32、R−34〜53)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、ついで220℃で30分間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。得られた塗膜の明度Y(C)を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用い、測定した。作製した塗膜基板は、220℃での熱処理後で、C光源でx=0.290、y=0.600の色度に合うようにした。また、感光性着色組成物(R−33)に関しては、色度がx=0.640、y=0.334の色度に合うようにした以外は前述の方法で明度の評価を行った。
Figure 2013061622
Figure 2013061622
Figure 2013061622
表9〜表11に示すように、本発明の特徴である着色剤が、特定構造のキノフタロン色素[A1]と、さらに特定構造のキノフタロン色素[A2]とを含有する感光性着色組成物は、コントラスト比が非常に高く、着色力にも優れていた。
なかでも、実施例70〜90(感光性着色組成物(R−25〜45))のように、さらに顔料を含む場合は、コントラスト比がさらに良好であった。
また、実施例48(感光性着色組成物(R−3))と、実施例51、52(感光性着色組成物(R−6、7))を比較すると、樹脂型分散剤を含む感光性着色組成物(R−6、7)の方がコントラスト比の観点でさらに良好であった。
一方、比較例の感光性着色組成物のように、キノフタロン色素[A2]を含まない場合、蛍光の影響でコントラスト比が低い結果であった。また、キノフタロン色素[A1]を含まない場合、蛍光が出ないためコントラスト比は良好であるが、着色力が非常に悪い結果であった。
また、明度について、本発明の感光性着色組成物は、いずれも比較例の感光性着色組成物よりも明度が高く、良好な結果であった。さらに、顔料として、亜鉛フタロシアニン顔料、またはアルミニウムフタロシアニン顔料を含む感光性着色組成物(R−30〜32、34〜45)の明度は、非常に高明度であり、優れていた。
[カラーフィルタの作製]
まず、カラーフィルタの作製に使用する青色感光性着色組成物の作製を行った。尚、赤色については感光性着色組成物(R−33)、緑色については感光性着色組成物(R−41)を使用した。
(青色感光性着色組成物(RB−1)の作製)
下記の組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)にて5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、青色着色組成物(DB−6)を作製した。
青色顔料(C.I.ピグメントブルー15:6) 7.2部
紫色顔料(C.I.ピグメントバイオレット23) 4.8部
樹脂型分散剤(チバ・ジャパン社製「EFKA4300」) 1.0部
アクリル樹脂溶液1 35.0部
PGMAC 52.0部
続いて、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過し、青色感光性着色組成物(RB−1)を作製した。
青色着色組成物(DB−6) 34.0部
アクリル樹脂溶液2 15.2部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM400」) 3.3部
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー907」) 2.0部
増感剤(保土谷化学工業社製「EAB−F」) 0.4部
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート 45.1部
(カラーフィルタの作製)
ガラス基板上にブラックマトリクスをパターン加工し、該基板上にスピンコーターで赤色感光性着色組成物(R−33)を、C光源において(以下、緑色、青色にも用いる)x=0.640、y=0.334になるような膜厚に塗布し着色被膜を形成した。該被膜にフォトマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて300mJ/cm2の紫外線を照射した。次いで0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で20分加熱して、赤色フィルタセグメントを形成した。同様の方法により、本発明の緑色感光性着色組成物(R−41)をy=0.600になるように、青色感光性着色組成物(RB−1)を用いてx=0.150、y=0.060になるように、それぞれ塗布し、緑色フィルタセグメント、青色フィルタセグメントを形成して、カラーフィルタを得た。
本発明の赤色感光性着色組成物(R−33)、緑色感光性着色組成物(R−41)を用いることにより、高コントラスト比、高明度であるカラーフィルタを作製することが可能であった。

Claims (5)

  1. 着色剤と、バインダー樹脂と、有機溶剤とを含有するカラーフィルタ用着色組成物において、
    着色剤が、下記一般式(1)で表されるキノフタロン色素[A1]および下記一般式(2)で表されるキノフタロン色素[A2]を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。
    Figure 2013061622
    [一般式(1)中、R1〜R6は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、水酸基、または−O−R7を表わす。ただし、R1〜R6が同時に水素原子になることは無い。
    また、R7は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。]
    Figure 2013061622
    [一般式(2)中、R8〜R13は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、または−O−R18を表わす。
    また、R18は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。
    14〜R17は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のスルホアミド基、置換もしくは無置換の複素環状残基、−S−R19、−O−R19、または、−COO−R19、を表わす。
    また、R19は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。]
  2. 着色剤が、さらに顔料を含有することを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  3. さらに樹脂型分散剤を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  4. さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  5. 基板上に、請求項1ないし4いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。
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