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JP2006208986A - 電子写真捺染用イエロー現像剤及びその捺染方法 - Google Patents

電子写真捺染用イエロー現像剤及びその捺染方法 Download PDF

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JP2006208986A
JP2006208986A JP2005023777A JP2005023777A JP2006208986A JP 2006208986 A JP2006208986 A JP 2006208986A JP 2005023777 A JP2005023777 A JP 2005023777A JP 2005023777 A JP2005023777 A JP 2005023777A JP 2006208986 A JP2006208986 A JP 2006208986A
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Takeshi Asami
剛 浅見
Aiko Yamazaki
愛子 山崎
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

【課題】 電子写真捺染用電子写真現像剤において、帯電特性、分散性、色特性が優れ画像濃度が高い電子写真捺染用イエロー現像剤及び電子写真捺染方法を提供する。
【解決手段】 着色剤を担体液に分散用樹脂と共に分散させた現像剤粒子を電子写真方式により捺染布に直接捺染する電子写真捺染方法において、着色剤としてキノフタロン系の染料を含有することを特徴とする電子写真捺染用イエロー現像剤を主たる構成にする。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真方式による捺染用現像剤及びその捺染方法に関し、特に帯電特性、分散性、色特性が優れ画像濃度が高い電子写真捺染用イエロー現像剤とその捺染方法に関する。
従来、捺染法としては、糸、編織物、二次製品等色々な形態の繊維品に適用され、版形式及び機械操作によって凹版を用いるローラ捺染、孔版によるスクリーン、型紙捺染が主流である。スクリーン捺染には手工捺染、半自動スクリーン捺染機、自動走行スクリーン捺染機による捺染、フラット型及びロータリー式自動スクリーン捺染機による捺染などがある。
しかし、ローラ捺染は、金属ローラに図柄を彫刻する工程が煩雑でローラの取り扱い等も大変であり、スクリーン捺染は、スクリーンの製造に時間がかかり、捺染作業に手間がかかる等の問題があった。また、ロータリー式スクリーン捺染もスクリーンの製作、ローラの彫刻等に時間がかかる等の問題があった。このように従来からの捺染法はその製作工程が煩雑で、出来上がりまで長期間費やされるため、簡便な捺染法が望まれていた。
一方、近年従来の彫刻製版工程を省略し、短期間で製作が可能なインクジェットを用いた捺染方法が提案されており(例えば特許文献1、2参照)、特に蛍光色素を用いたものが知られている(例えば特許文献3〜5参照)。しかし、インクジェットによる捺染方式は、濃度を上げることができない、捺染していくうちに濃度が変化してしまう等の欠点があった。
これらの問題を総じて解決するため、電子写真方式を用いた捺染方法が最近開発されている(例えば特許文献6、7参照)。この方法は、感光体上に静電潜像を形成し、現像剤を付着させ、これを布類に転写し、熱により現像剤を定着させるものである。しかし、この電子写真方式による捺染方法は乾式現像剤を用いたものであり、現像剤層厚が厚いため、肌触りが良くない、樹脂により物理的に繊維に付着させているため、摩擦堅牢度、耐洗濯特性が劣る等の問題があった。
又、液体現像剤を用いた電子写真方式による捺染法も考案されている(例えば特許文献8、9参照)。これは、昇華染料を用いた液体現像剤をイオン流により現像し、図柄を転写物に印刷し、これを布類に重ね合せ昇華熱転写するものである。
この方法は、肌触り等も自然で、簡便な方法であるが、カラーの場合、2色目に重ねた濃度が出にくい、耐洗濯性に劣る等の欠点があった。また、布の裏面まで現像剤が染込まず、両面捺染する必要があった。加えて作業が煩雑で、布に転写後、不要になった紙(転写物)がムダになるなどの問題があった。
特開平10−195776号公報 特許第2995135号公報 特開2003−96340号公報 特開平7−278482号公報 特開平8−226083号公報 特開平5−027474号公報 特開平5−033275号公報 特開平9−73198号公報 特開平10−239916号公報
本発明は、上述した実情を考慮してなされたもので、帯電特性、分散性が良好で、色特性が優れ画像濃度が高い捺染用電子写真イエロー現像剤及びその捺染方法を提供することを目的とする。また、捺染の作業性を大幅に効率化し、オンデマンド性を持たせた、ムダのない捺染方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、着色剤を担体液に分散用樹脂と共に分散させた現像剤粒子を電子写真方式により捺染布に直接捺染する電子写真捺染方法に用いられる電子写真捺染用現像剤であって、着色剤として下記一般式(1)又は(2)で表わされる染料を含有する電子写真捺染用イエロー現像剤を最も主要な特徴とする。
Figure 2006208986
一般式(1)
Figure 2006208986
一般式(2)
(式中R1はH、Cn2n+1、ハロゲン、R2はH又はOHである。)
請求項2に記載の発明は、着色剤を担体液に分散用樹脂と共に分散させた現像剤粒子を電子写真方式により捺染布に直接捺染する電子写真捺染方法に用いられる電子写真捺染用現像剤であって、着色剤として一般式(1)又は(2)で表わされる染料を、体積抵抗109Ω・cm以上の高抵抗低誘電率の担体液中に分散させた電子写真捺染用イエロー現像剤を主要な特徴とする。
請求項3に記載の発明は、着色剤を担体液に分散用樹脂と共に分散させた電子写真捺染用イエロー現像剤において、前記染料の純度が80〜100%である請求項1又は2記載の電子写真捺染用イエロー現像剤を主要な特徴とする。
請求項4に記載の発明は、着色剤を担体液に分散用樹脂と共に分散させた電子写真捺染用イエロー現像剤において、担体液が沸点100〜350℃の脂肪族飽和炭化水素である請求項1から3のいずれか1項に記載の電子写真捺染用イエロー現像剤を主要な特徴とする。
請求項5に記載の発明は、着色剤を担体液に分散用樹脂と共に分散させた電子写真捺染用イエロー現像剤において、樹脂の少なくとも一部にアルカリ可溶性樹脂又は水溶性樹脂を含有する請求項1から4のいずれか1項に記載の電子写真捺染用イエロー現像剤を主要な特徴とする。
請求項6に記載の発明は、着色剤を担体液に分散用樹脂と共に分散させた電子写真捺染用イエロー現像剤の前記アルカリ可溶性又は水溶性樹脂において、該樹脂の酸価が0〜2000mg/KOHである請求項5記載の電子写真捺染用イエロー現像剤を主要な特徴とする。
請求項7に記載の発明は、着色剤を担体液に分散用樹脂と共に分散させた電子写真捺染用イエロー現像剤において、前記着色剤染料がフミン酸、フミン酸塩又はフミン酸誘導体の存在下に水溶性樹脂を用いて混練又はフラッシング処理されている請求項1から6のいずれか1項に記載の電子写真捺染用イエロー現像剤を主要な特徴とする。
請求項8に記載の発明は、着色剤を担体液に分散用樹脂と共に分散させた電子写真捺染用イエロー現像剤において、前記着色剤の平均粒径が0.1〜5μmである請求項1から7のいずれか1項に記載の電子写真捺染用イエロー現像剤を主要な特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載の電子写真捺染用イエロー現像剤を使用し、静電潜像を感光体上に現像後、転写ローラで圧力をかけ、画像を転写させる電子写真捺染方法を最も主要な特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載の電子写真捺染用イエロー現像剤を使用する電子写真捺染方法において、静電潜像を感光体上に現像し、中間転写体に画像を1次転写後、転写画像を2次転写させる電子写真捺染方法を主要な特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載の電子写真捺染用イエロー現像剤を使用する電子写真捺染方法において、前記2次転写前に前記中間転写体に溶媒を吹きかける工程を含む電子写真捺染方法を主要な特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載の電子写真捺染用イエロー現像剤を使用する電子写真捺染方法において、感光体の線速に対して、画像を現像するための現像ローラの線速が1.2〜6倍、過剰溶剤を除去するスクイズローラの線速が1.2〜4倍である電子写真捺染方法を主要な特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載の電子写真捺染用イエロー現像剤を使用する電子写真捺染方法を使用し、タンデム型に感光体を配置し、ベルト上に貼りつけた捺染布に画像を転写し、フルカラー捺染する電子写真捺染方法を最も主要な特徴とする。
本発明によれば、着色剤を担体液に分散用樹脂と共に分散させた現像剤粒子を電子写真方式により捺染布に直接捺染する電子写真捺染方法に用いられる電子写真捺染用現像剤であって、着色剤として下記一般式(1)又は(2)で表わされる染料を含有することを特徴とする電子写真捺染用イエロー現像剤により、オンデマンド性に優れ帯電特性が良好で画像濃度の高い捺染が可能になる。
また、静電潜像を感光体に現像後、中間転写体に画像転写後、画像を形成させると、平滑性の悪い紙や布への転写性を良好にすることが可能となった。
さらに、タンデム型に感光体を配置し、ベルト上に貼りつけた布に画像を転写すると、高速で高画品質のフルカラー捺染を提供することが可能となった。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明は着色剤を分散させた現像剤粒子を電子写真方式により、捺染布に直接捺染することを特徴とした電子写真捺染方法において、着色剤として前記一般式(1)又は(2)を含有することを特徴とする電子写真捺染現像剤である。
体積抵抗109Ω・cm以上高抵抗低誘電率の担体液中に、一般式(1)又は(2)の染料を分散させた電子写真液体捺染現像剤においては、特に高品質の捺染が得られる。
捺染用のイエロー染料はアントラキノン系、メチン系、キノリン系、ニトロ系、キノフタロン系、クマリン系などが一般に用いられるが、電子写真捺染用イエロー現像剤においてはキノフタロン系の一般式(1)又は(2)の染料を用いることにより帯電特性、色特性、画像濃度において優れた性能が得られる。一般の捺染インクでは版を用いて画像を作成するためインクの電気的な特性は意味を持たないが、電子写真の場合はプラスあるいはマイナスの電気的な特性により像を形成しているため帯電特性は非常に重要である。一般式(1)又は(2)の染料を用いることにより帯電特性が良好になる明確な理由は不明であるが染料骨格と電子吸引基、電子供与基との微妙なバランスによるものと考えられる。
一般式(1)又は(2)の例として以下のようなものがある。
Figure 2006208986
また、一般式(1)又は(2)の黄色染料と一緒に他の黄色染料を混合して使用することもできる。他の黄色染料を使用する場合は全染料分の30%以下が望ましい。
電子写真方式でフルカラー画像を形成する場合は、4原色の混合によるが各色が目標となる現像剤の基準色に近い方が望ましい。印刷分野ではジャパンカラーがその目標基準の一つとして用いられるが、一般式(1)又は(2)の黄色染料は現像剤化した場合この目標値に近く色再現性が良好となる。また一般式(1)又は(2)の黄色染料は着色力が高く、少ない着色剤量でも高濃度を出すことができる。
染料と樹脂とを混合してマスターバッチ化することは高濃度化や帯電性能を安定化させる場合に有効である。しかし、樹脂の含有量を多くしてしまうと裏面への染込みや繊維の風合が、悪くなるので、着色剤に対して4倍以下の量に抑えることが望ましい。
市販の紛体染料は、染料純度50%程度で、食塩、芒硝が多量に入っている場合が多く、液の抵抗、帯電性に悪影響を与えるため、精製するか、初めから塩類含有量の少ない染料を用いたほうが、良好である。純度80%以上が望ましい。
本発明の液体現像剤に使用される担体液としては、高抵抗で低誘電率のものが良く、イソパラフィン系炭化水素、シリコーン系オイル等が良好である。イソパラフィン系炭化水素は、アイソパーC、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、アイソパーV、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ソルベッソ200、エクソール100/140、エクソールD30、エクソールD40、エクソールD80、エクソールD110、エクソールD130(以上エクソンモービル社製)(エクソン化学)などがあり、シリコーン系オイルとしては、KF96 1〜10000cst(信越シリコン)、SH200、SH344(東レシリコン)、TSF451(東芝シリコン)などがある。
沸点は100〜350℃が望ましい。100℃以下であると転写前に溶媒が揮発しやすく転写性向上の効果が低減したり、臭気、安全性の点や、揮発溶剤蒸気が作業者にとって好ましくない。350℃以上では、溶剤が揮発しにくく、発色工程で溶剤が除去できず発色特性に問題が生じる。350℃以下であれば、後工程の加熱、スチーミングの段階で蒸発させることができる。
また本発明に併用することが好ましい分散用樹脂としては
Figure 2006208986
一般式(3)
(R1はHまたはCH3を、nは6〜20の整数を表わす。)
であらわされるビニルモノマーAと、
Figure 2006208986
一般式(4)
(R2はCが1〜4のアルキル基)
で表わされるビニルモノマー及びビニルピリジン、ビニルピロリドン、エチレングリコールジメタクリレート、スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエンより選ばれるモノマーBの各一種ずつもしくは、数種の共重合体、グラフト共重合体があげられる。
また樹脂の一部にはアルカリ可溶性樹脂、水溶性樹脂を含有させると、発色、水洗工程で現像剤中の樹脂が溶解し、布から脱離するため、風合の良好な捺染布が得られる。
発色水洗工程では、100℃前後でスチーミング後、0.1〜2%程度のアルカリで処理する場合があり、アルカリ可溶性樹脂、水溶性樹脂を含有させないと、樹脂分が残り、風合を劣化させる原因となるが、アルカリ可溶性樹脂、水溶性樹脂を含有させることにより、発色水洗工程で樹脂が離脱し、風合の良好な捺染が得られる。
アルカリ可溶性樹脂又は水溶性樹脂は、水溶性メラミン樹脂、水溶性ロジン変性樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、コラーゲン、ゼラチン、デンプン、キトサン等がある。
商品としては、クラレ社製ポバール(PVA)、イソバン(イソブチレン/マレイン酸樹脂)、ハリマ化成製ネオトール、ハリディプ(アルキッド樹脂、アクリル樹脂)、日本合成化学社製エコアティ(PVA)、ナガセケムテックス社製デコナール(エポキシ樹脂)、日本純薬社製ジュリアー(アクリル樹脂)、カブセン(ポリエステル樹脂)などが挙げられる。
酸価は0〜2000mg/KOHであることが望ましく2000mg/KOHより高いと現像特性が低下する。特に、アルカリ可溶性樹脂又は水溶性樹脂、着色剤をフラッシング処理を行った場合は画像面で優れた現像剤が得られる。
フラッシング処理とは、色素を水に溶かした含水液に、更に樹脂分散媒を加え、フラッシャーと呼ばれるニーダー中で良く混合し、顔料のまわりに存在する水を後から添加される樹脂分散媒によって置換する処理をいう。
この操作により取出される水を排出し、樹脂溶液中に顔料が分散された状態とし乾燥させて、溶剤を除去し、得られた塊を粉砕することにより着色剤の粉末が得られる。
フラッシングする際の着色剤と樹脂の割合は、樹脂100重量部に対して着色剤10〜60重量部が適当である。フラッシング処理には、フミン酸、フミン酸塩(Na塩、NH4塩など)またはフミン酸誘導体の存在下に行うのが特に有利である。これら添加されるフミン酸類の量は、着色剤含水液の0.1〜30重量%程度が適当である。
フミン酸、フミン酸塩、フミン酸誘導体の構造はスフェロコロイド状で各種芳香環が架橋結合し、複雑な構造を形成している。これらの骨格に各種の側鎖や活性基が結合している。活性基の主なものはカルボキシル基およびフェノール基である。構造式としては、C78525(COOH)8(OH)7(CO)2、C484410(COOH)8(OH)6(CO)4(NH2)3(NOH)等がある。これらの効果としては、着色剤、樹脂の分散を高めることである。
乾式捺染現像剤の平均粒径は3〜20μmが望ましく、3μm未満ではチリが生じ、20μmを超えると色彩、解像性が悪くなる。液体捺染現像剤の平均粒径は0.1〜5μmが望ましく、0.1μm以下では、十分な濃度が得られない場合やニジミが発生しやすくなる場合があり、5μm以上では、色彩、解像性が悪くなる場合がある。
感光体に現像後、転写ローラで0.1〜3Kg/cm2の圧力をかけ転写した場合、平滑性の悪い転写紙や捺染の場合は転写性が向上し、高濃度の画像を形成できる。また、中間転写体を用いて転写する場合も、更に高い圧力がかけられるため転写性が向上する。しかし、中間転写体を用いない場合よりも転写時の溶媒量が少なくなるため、捺染の場合は、2次転写前に中間転写体上に脂肪族炭化水素やシリコーンオイル等の溶媒を吹き付け転写に必要な溶媒量を確保することが望ましい。
吹き付け量は0.20〜0.70mg/ cm2程度が良好である。また、捺染の場合、濃度を向上のためには現像付着量を上げたり、あるいは、現像後リバースローラの溶剤スクイズ量を少なくすることにより、感光体上の現像液量を多くして布への溶剤染込み量を増やすと効果がある。
次に、本発明の画像形成方法の実施例を説明する。図1に本発明の画像形成方法を実施する上での構成例を示す。帯電電圧付与部材1により、感光体2に電荷を与え、露光3により非画像部の電荷を消去する。感光体2はセレン感光体、有機感光体、アモルファスシリコン感光体が使用できる。感光体2の表面電位は、400V〜1600Vの範囲が良好である。感光体2の電荷の残っている潜像を現像ローラ4から供給される液体現像剤5により現像し、リバースローラ6で余剰の現像液5を除去し、転写電圧付与部材7により現像剤の電荷と逆電荷の電圧をかけ捺染布8に転写させる。
現像ローラ4は感光体2と順方向に回転し、リバースローラ6は逆方向に回転させ、感光体2に対する線速は現像ローラ4が1.2倍〜6倍、リバースローラ6の線速は1.2倍〜4倍が効果的である。
現像ローラ4と感光体2のギャップは50〜250μm、リバースローラ6と感光体2とのギャップは30〜150μmが良好である。転写電圧は500〜4000Vの範囲が良好である。
捺染布8に転写されずに感光体2に残った現像剤5をクリーニングブレード9、クリーニングローラ10で除去後、感光体2を除電器11で除電する。また、画像部の電荷を消去し非画像部の電荷を残す現像方式でも同様に画像形成できる。
図2は図1の転写電圧付与部材7をチャージャを用いた方式から転写ローラ12を用いた方式にした例である。尚、図1に符号を付して説明したものと同一のものの説明は割愛する。チャージャ方式に比べ、転写ローラ12を用いた方式は転写時の圧力を付与できるため、表面性の荒れた凹凸の大きい布の場合でも転写性が良好である。転写圧は0.1〜3Kg/cm2が良好である。
図3は図2の装置に中間転写部材13を追加した例である。尚、図2に符号を付して説明したものと同一のものの説明は割愛する。図2の装置よりもさらに高い転写圧力を付与できるため、表面性の荒れた凹凸の大きい布の場合でも転写性が良好である。一次転写圧は0.1〜3Kg/cm2二次転写圧は0.1〜5Kg/cm2が良好である。ただ、中間転写部材への一次転写時に現像剤中の溶媒成分が少なくなり、中間転写部材から布への二次転写に必要な溶媒量が少なくなる場合があるため、二次転写前に溶媒塗布噴霧装置14による溶媒を吹きかける工程を追加すると効果的である。
図4は感光体2及び前述した感光体周辺に設けられた像形成手段をタンデムに配置し、布搬送ベルト15上に捺染布8を貼りつけてフルカラー捺染を行う装置の一例である。
電子写真液体捺染現像剤は着色剤、樹脂、担体液をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミルなどの分散機に投入、分散、混練を行い濃縮現像剤を調製し、これを本発明の担持液中に分散させることにより現像液を得ることができる。
表1の染料A(純度50%品) 55部
ラウリルメタアクリレート/メチルメタアクリルレート/メタクリル酸/グリシジルメタアクリレート(80/10/5/5)共重合体のアイソパーH20%溶液 110部
ポリオレフィン樹脂(エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂)(エバフレックス)(三井・デュポン) 60部
水溶性樹脂 ポバール(PVA)(クラレ) 60部
アイソパーH 180部
荷電制御剤(ナフテン酸ジルコニウム) 3部
をボールミルに入れて24時間分散後、さらにアイソパーHを300部加え、1時間分散し、これを濃縮現像剤とした。
この濃縮現像剤100gとアイソパーH1Lを混合した現像剤により図1の装置で電子写真捺染を行った。
表1の染料B(純度90%品) 23部
ポリオレフィン樹脂(エチレン・メタクリル酸共重合樹脂)(ニュクレル)(三井・デュポン) 40部
水溶性樹脂 カブセン(水溶性ポリエステル)(ナガセケムテックス) 70部
荷電制御剤(サリチル酸誘導体の金属錯体) 2部
をブスコニーダで混練、冷却後パルペライザーで粗粉砕しジェットミルで粉砕後分級し平均粒径8.11μmの乾式現像剤を得た。布を紙に張り付け、この現像剤を用いリコー乾式プリンタImagioで捺染をおこなった。
表1の染料E (純度80%品) 60部
ポリオレフィン樹脂(エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂)(エバフレックス)(三井・デュポン) 20部
水溶性樹脂 ハリディブ(水溶性アルキド樹脂)(ハリマ化成) 80部
ニトロフミン酸 3部
をニーダ混練、フラッシング処理した。
上記フラッシング混練物 60部
ラウリルメタアクリレート//メチルメタアクリルレート/メタクリル酸/グリシジルメタアクリレート(80/10/5/5)共重合体のアイソパーH20%溶液 100部
アイソパーH 250部
荷電制御剤(オクタン酸ジルコニウム) 5部
をボールミルに入れて24時間分散後、さらにアイソパーHを250部加え、1時間分散し、これを濃縮現像剤とした。
この濃縮現像剤100gとアイソパーH1Lを混合した現像剤により図2の装置で電子写真捺染を行った。
実施例1の染料A(純度50%品)を純度90%に精製して用いた以外は、実施例1と同一にして濃縮現像剤を作成した。
この濃縮現像剤100gとアイソパーH1Lを混合した現像剤により図2の装置で電子写真捺染を行った。
実施例3の分散媒をアイソパーHからシリコーンオイル(KF-96 2cst)に変えた以外は全て実施例2と同様にして濃縮現像剤を作成した。
この濃縮現像剤100gとシリコーンオイル(KF-96 2cst)を混合した現像剤により図2の装置で電子写真捺染を行った。
表1の染料F (純度90%品) 45部
ポリオレフィン樹脂(エチレン・メタクリル酸共重合樹脂)(ニュクレル)(三井・デュポン) 5部
水溶性樹脂 カブセン(水溶性ポリエステル)(ナガセケムテックス) 95部
を混練粉砕した。
上記混練粉砕物 90部
ラウリルメタアクリレート/メチルメタアクリルレート/メタクリル酸/グリシジルメタアクリレート(80/10/5/5)共重合体のアイソパーH20%溶液 120部
アイソパーH 200部
荷電制御剤(ナフテン酸ジルコニウム) 2部
をボールミルに入れて24時間分散後、さらにアイソパーHを350部加え、1時間分散し、これを濃縮現像剤とした。
この濃縮現像剤100gとアイソパーMを混合した現像剤により図2の装置で電子写真捺染を行った。
表1の染料G (純度80%品) 40部
ポリオレフィン樹脂(エチレン・メタクリル酸共重合樹脂アイオノマー)(ハイミラン)(三井・デュポン) 95部
水溶性樹脂 カブセン(水溶性ポリエステル)(ナガセケムテックス) 5部
を混練粉砕した。
上記混練粉砕物 90部
ラウリルメタアクリレート/メチルメタアクリルレート/メタクリル酸/グリシジルメタアクリレート(80/10/5/5)共重合体のアイソパーH20%溶液 120部
アイソパーH 200部
荷電制御剤(ナフテン酸ジルコニウム) 2部
をボールミルに入れて24時間分散後、さらにアイソパーHを350部加え、1時間分散し、これを濃縮現像剤とした。
この濃縮現像剤100gとエクソールD30を混合した現像剤により図2の装置で電子写真捺染を行った。転写布は全てポリエステル布を用いた。実施例1〜7の捺染布を130℃、蒸気0.2Mpaの環境に30分間入れ、アニオン系界面活性剤で良く洗浄し、捺染サンプルを作成した。その結果は次表2の通りであった。
チャージ転写での画像品質を確認するため、実施例3の現像剤を用い、図1に示した装置により捺染画像を形成した。
中間転写方式での画像品質を確認するため、実施例3の現像剤を用い、図3に示した装置により捺染画像を形成した。
中間転写方式では溶媒が減少し転写性が悪くなるため、溶媒を吹きかけることによる画像品質の向上を確認した。実施例3の現像剤を用い、図3に示した装置を使用して、2次転写前に0.3mg/cm2のアイソパーを吹きかけて捺染画像を形成した。
この実施例8、9、10を実施例1〜7と同様に評価した。
〈比較例1〉
実施例1の染料をメチン系のディスパースイエロー31 純度50%にした以外は実施例1と同様にして捺染を行った。
〈比較例2〉
実施例3の染料をアントラキノン系のディスパースイエロー11 純度50%にした以外は実施例3と同様にして捺染を行った。比較例1、2も実施例と同様の後処理を行い評価した。
表2の結果より明らかなとおり、本画像形成方法、捺染現像剤により、帯電制御率、転写率、布濃度が高く、高解像な捺染布が得られた。
実施例3は染料のフラッシング処理を行っているため濃度が高く、実施例4は染料純度を上げているため更に濃度が高い。実施例5は分散媒に脂肪族炭化水素以外の溶媒を使用しているため、実施例4に比べて分散性がやや悪い。実施例6は水溶性樹脂量が多いため濃度がやや低い。実施例7は水溶性樹脂量が少ないため風合がやや低い。
実施例10は二次転写前に中間転写ローラ上の画像にアイソパーHを吹きつけているため転写率が上がり画像濃度が向上した。
比較例の捺染現像剤は帯電制御性が悪く現像剤としての機能が出せなかった。
Figure 2006208986
*濃度はX-Riteにより測定
*地汚れは地汚れ段階見本布による 5:最良、1:最悪
*風合は風合段階見本布による
5:布のみと同程度の柔らかさ、4:柔らかい、3:中程度、2:やや硬い、1:硬い
*平均粒径は島津製作所SA-CP3による
*解像性は、段階見本による 5:最良、1:最悪
*転写率はテープ剥離法による濃度から算出
転写率=(転写前感光体上濃度−転写後感光体残濃度)/(転写前感光体上濃度)×100%
*帯電制御率は電着法により算出
*ΔEはX-Riteによりジャパンカラーとの色差を算出
本発明の画像形成方法の一例を示す概略構成図である。 本発明の画像形成装置でローラ式転写機使用装置の構成図である。 本発明の中間転写部材使用の画像形成装置の概略構成図である。 本発明の画像形成方法をタンデムカラー装置に適用した場合の装置構成図である。
符号の説明
1 帯電電圧付与部材
2 感光体
3 露光
4 現像ローラ
5 液体現像剤
6 リバースローラ
7 転写電圧付与部材(転写チャージャ)
8 捺染布
9 クリーニングブレード
10 クリーニングローラ
11 除電器
12 転写電圧付与部材(転写ローラ)
13 中間転写部材
14 溶媒塗布噴霧装置
15 布搬送ベルト

Claims (13)

  1. 着色剤を担体液に分散用樹脂と共に分散させた現像剤粒子を電子写真方式により捺染布に直接捺染する電子写真捺染方法に用いられる電子写真捺染用現像剤であって、着色剤として下記一般式(1)又は(2)で表わされる染料を含有することを特徴とする電子写真捺染用イエロー現像剤。
    Figure 2006208986
    一般式(1)
    Figure 2006208986
    一般式(2)
    (式中R1はH、Cn2n+1、ハロゲン、R2はH又はOHである。)
  2. 着色剤を担体液に分散用樹脂と共に分散させた現像剤粒子を電子写真方式により捺染布に直接捺染する電子写真捺染方法に用いられる電子写真捺染用現像剤であって、着色剤として一般式(1)又は(2)で表わされる染料を、体積抵抗109Ω・cm以上の高抵抗低誘電率の担体液中に分散させたことを特徴とする電子写真捺染用イエロー現像剤。
  3. 着色剤を担体液に分散用樹脂と共に分散させた電子写真捺染用イエロー現像剤において、前記染料の純度が80〜100%であることを特徴とする請求項1又は2記載の電子写真捺染用イエロー現像剤。
  4. 着色剤を担体液に分散用樹脂と共に分散させた電子写真捺染用イエロー現像剤において、担体液が沸点100〜350℃の脂肪族飽和炭化水素であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電子写真捺染用イエロー現像剤。
  5. 着色剤を担体液に分散用樹脂と共に分散させた電子写真捺染用イエロー現像剤において、樹脂の少なくとも一部にアルカリ可溶性樹脂又は水溶性樹脂を含有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電子写真捺染用イエロー現像剤。
  6. 着色剤を担体液に分散用樹脂と共に分散させた電子写真捺染用イエロー現像剤の前記アルカリ可溶性又は水溶性樹脂において、該樹脂の酸価が0〜2000mg/KOHであることを特徴とする請求項5記載の電子写真捺染用イエロー現像剤。
  7. 着色剤を担体液に分散用樹脂と共に分散させた電子写真捺染用イエロー現像剤において、前記着色剤染料がフミン酸、フミン酸塩又はフミン酸誘導体の存在下に水溶性樹脂を用いて混練又はフラッシング処理されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の電子写真捺染用イエロー現像剤。
  8. 着色剤を担体液に分散用樹脂と共に分散させた電子写真捺染用イエロー現像剤において、前記着色剤の平均粒径が0.1〜5μmであることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の電子写真捺染用イエロー現像剤。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の電子写真捺染用イエロー現像剤を使用し、静電潜像を感光体上に現像後、転写ローラで圧力をかけ、画像を転写させることを特徴とする電子写真捺染方法。
  10. 請求項1から8のいずれか1項に記載の電子写真捺染用イエロー現像剤を使用する電子写真捺染方法において、静電潜像を感光体上に現像し、中間転写体に画像を1次転写後、転写画像を2次転写させることを特徴とする電子写真捺染方法。
  11. 請求項1から8のいずれか1項に記載の電子写真捺染用イエロー現像剤を使用する電子写真捺染方法において、前記2次転写前に前記中間転写体に溶媒を吹きかける工程を含むことを特徴とする電子写真捺染方法。
  12. 請求項1から8のいずれか1項に記載の電子写真捺染用イエロー現像剤を使用する電子写真捺染方法において、感光体の線速に対して、画像を現像するための現像ローラの線速が1.2〜6倍、過剰溶剤を除去するスクイズローラの線速が1.2〜4倍であることを特徴とする電子写真捺染方法。
  13. 請求項1から8のいずれか1項に記載の電子写真捺染用イエロー現像剤を使用する電子写真捺染方法を使用し、タンデム型に感光体を配置し、ベルト上に貼りつけた捺染布に画像を転写し、フルカラー捺染することを特徴とする電子写真捺染方法。
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