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JP2012524866A - マット - Google Patents

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Abstract

モノリスを支持するためのマットであって、そのマットは、耐侵食性無機(例えばシリカ)ゲル組成物またはその前駆体で少なくとも部分的に被覆された繊維を含む1つ以上の第1部分を備える。

Description

本発明は、触媒コンバーターを取り付けるために有用なマットのようなマット、およびマットを製造する方法に関する。
燃焼生成物を触媒と密接させて通過させることにより、燃焼生成物の酸化または還元を触媒することが知られている。また、例えば気体などの流体の流れをろ過することにより、望ましくない同伴粒状物質を除去することも知られている。
車両排気ガスは、大気に放出される有害ガスの量を低減するために処理される。車両は、典型的には、直結式(close coupled)または車体下部式(underbody)のガソリンもしくはディーゼル酸化触媒または選択触媒還元装置のような触媒コンバーター(catalytic converter(CC))を用いる。燃焼中に生成された煤煙および他の物質の小さな粒子の放出を低減するために、燃料としてディーゼルを使用する自動車には、典型的にはディーゼル排気微粒子フィルタ(diesel particulate filter(DPF))が取り付けられている。
CCおよびDPFは双方とも、典型的には、燃焼生成物が排気から放出される前にそれを通過するセラミックモノリスとして製造される。セラミックモノリスは壊れ易く、比較的高価である。従って、それらのセラミックモノリスを使用中の損傷から保護することは重要である。
前記モノリスは、車両の排気システムの一部として取り付けられる金属容器内に位置する。燃焼生成物が前記モノリスを通過すると、それらの燃焼生成物は前記モノリスを加熱し、モノリスを膨張させる。もちろん、前記容器も熱くなって膨張するであろう。明らかに、2つの物質が熱くなって異なる割合で膨張するにつれて、前記容器とモノリスとの間で相対運動する可能性がある。車両排気システムに見られる条件においては、確実に保持されていない場合にはモノリスを損傷させることもある有意な振動も存在する。
モノリスが確実に保持されることを保証するために、それらのモノリスは、典型的には、取り付けマットに包まれる。これらのマットは膨張性または非膨張性材料を用いて形成され得る。同様の材料は、他の自動車の断熱用途、特に気体流がその上に衝突し得る用途に用いられ得る。
非膨張性材料としては、シリカ、アルミノケイ酸塩(alumino silicates)、ホウケイ酸塩、アルミナ、ジルコニアなどのようなセラミックまたはガラス繊維から選択される繊維が挙げられる。前記繊維は、通常、取扱性を助けるためにバインダーマトリックス中に保持されるが、例えばニードリングのような付加的かつ/または代替の一体化技術(consolidation technique)が用いられてもよい。
前記取り付けマットがモノリスに圧力をかける形態を採り、かつ前記容器の壁が使用中にモノリスを適所に確実に保持することを可能にするために、前記バインダーは、存在する場合には、分解して前記マットから焼失されるように構成され得る。当然のことながら、保持力は熱サイクルレジームにわたって維持される必要があるであろう。重要な別の因子は、前記容器とマットとの間およびマットとモノリスとの間における摩擦係数である。明らかに、摩擦係数が低すぎる場合には、マットおよび/またはモノリスが容器に対して滑動することがあり、これは性能を損なったり、またはモノリスの損傷を招いたりし得る。
従って、モノリス上における最低保持圧を維持し、かつ適当な摩擦特性を有するとともに、熱的に安定しており、かつ容器およびモノリスの膨張率の差を補償することができる取り付けマット材を有することが望ましい。
また、前記マットは、モノリスと容器との間のインサイチューに位置する間に、前記マットを通る流体の流れに対する有意な耐性を提供しなければならないということを考慮することも重要である。これは流体がモノリスを通って優先的に(例えば排他的に)流れることによって、触媒またはフィルタに晒されることを保証するために必要である。
直結式触媒コンバーターは、エンジンに近接して位置する触媒コンバーターである。前記触媒コンバーターでは、処理のための排気ガスは、車両の後部に近接した、または後方の、より従来型のCC位置における温度よりも高い温度にある。直結式CCの1つの利点は、排気ガスからのより大きな熱が触媒をその有効温度により速やかに加熱し、従って、特に低温(cold)からエンジンを始動させる場合に、CCをより効率的にすることである。
しかしながら、直結式CCの設備に関連する問題は、取り付けマットが、特にその上流端において、高温流体流による侵食の影響を受け易いということである。時間とともに、この侵食は、例えば、マットによってモノリスにかけられる保持圧力を低下させたり、またはより多くの流体がモノリスではなくマットを通過する、すなわち、モノリスを迂回することを可能にしたりするといった、マットの性能に対する悪影響を有する。
従って、本発明は、特に(排他的にではないが)、直結式CCを保持するために配備された場合に、侵食に強い取り付けマットを提供することを目的とする。
マットがモノリスと共に直結式CCシステム内にキャニングされる(canned)前に、マットに、例えばシリカゾルまたはアルミナゾルなどのコロイド粒子のような硬質化化合物(rigidising compound)を添加することが知られている。この硬質化化合物はマットの侵食の影響を軽減するために用いられるが、その「硬い」性質のために、硬質化化合物はマットをかなり可撓性が低いものにし、それにより該マットをモノリスの周りに巻き付けることをより困難にする。よって、典型的には、据付者は、硬質化化合物が乾燥する前にマットおよびモノリスが排気システム内にシールされ得るように、キャニングの直前に硬質化化合物をマットに適用しなければならない。この双方は多くの時間を要し、かつ高価であり、また、据付者が潜在的に危険な化学薬品を取り扱うことを必要とする。後者の問題は、据付者に対する安全性およびコストの懸念を増大する。またそれは、供給者がマットおよび硬質化化合物を供給しなければならないことにより、供給者に対する費用を増大させることを意味する。
従って、本発明の目的は、据付け前に据付者によって行われる処理を必要とせず、かつ/または平坦状態で輸送することができ、かつ/または容易にインストール可能であり、かつ/または可撓性マットを提供し、かつ/または据付け工程の前または最中に損傷または破壊されない、耐侵食性マットを提供することにある。
楕円形モノリスまたはレーストラック状モノリスのような円形断面ではないモノリスは、耐侵食性マットの製造に対するさらなる課題を意味する。これは少なくともある程度はモノリスの形状が、取り付けられたモノリスの周のまわりで繊維間隙嵩密度(fibre gap bulk density(FGBD))として測定されるマットの圧縮が一定にならないようにするためである。次いで、これはマットがそれほど圧縮されない領域のような侵食により弱いマットの特定部分をもたらす。
従って、本発明のさらなる目的は、不均一な取り付け特性を有するモノリスを取り付ける場合に耐侵食性を示すマットを提供することにある。
マットの圧力性能(PP)は、特定のFGBDでのマットによってモノリスに掛けられる圧力に関連する。本発明のさらなる目的は、改善されたPPを有するマットを提供することにある。
この明細書において、「耐侵食性」および「侵食に強い」という用語並びに同様の語句は、未処理の繊維マットよりも大きな耐侵食性を有する化合物、処理または物質を示す。
第1態様によれば、本発明はモノリスを支持するためのマットを提供し、前記マットは、耐侵食性無機(例えばシリカ)ゲル組成物またはその前駆体のコーティングで少なくとも部分的に被覆された繊維を含む1つ以上の第1部分を備える。
本発明のさらなる態様によれば、モノリスを支持するためのマットが提供され、前記マットは、耐侵食性無機(例えばシリカ)ゲル組成物またはその前駆体で少なくとも部分的に被覆された繊維を含む1つ以上の第1部分を備え、前記組成物または前駆体は、前記繊維の隙間が前記組成物または前駆体を実質的に有さないままにするように、前記繊維を被覆する。
好ましくは、前記コーティングは、繊維の平均直径の、50%未満、例えば、45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、または5%未満の平均厚さを有する。薄いコーティングを提供する際に、繊維間の間隙はゲル組成物または前駆体を実質的に有さない状態にされる。前記ゲルまたは前駆体は、密に隣接し、かつ/または当接もしくは接触する繊維間に存在するように、例えばそれらの繊維を保持するように、生じるか、または提供され得る。
好ましくは、前記マットは前記耐侵食性無機ゲル組成物またはその前駆体を実質的に有さない第2部分を備える。
好ましくは、前記無機ゲル組成物は、オルガノシロキサン化合物の加水分解および/または縮合のようなシリカ前駆体の酸または塩基触媒反応によって前記繊維上に形成されたシリカ化合物またはシリコーンポリマーまたはシリコーンゲルを含有する。
本発明のさらなる態様によれば、モノリスを支持するためのマットが提供され、前記マットは、耐侵食性化合物またはその前駆体で処理された1つ以上の第1部分と、前記耐侵食性化合物またはその前駆体を実質的に有さない第2部分とを備える。
前記耐侵食性化合物は、好ましくはオルガノシロキサン化合物の加水分解および/または縮合のようなシリカ前駆体の反応によって形成されたシリカ化合物、またはシリコーンポリマーもしくはシリコーンゲルを好ましくは含有する。
好ましくは、1つ以上の第1部分の主要表面積は、前記マットの主要表面積の80%未満、例えば70%未満、60%未満、または50%未満を占める。より好ましくは、1つ以上の第1部分の主要表面積は、前記マットの主要表面積の40%未満、30%未満、20%未満、または10%未満を占める。
好ましくは、第1部分の少なくとも一部は、前記マットの対象とする前縁の少なくとも一部に隣接する。より好ましくは、第1部分の少なくとも一部は、前記マットの対象とする前縁の全部、またはほぼ全部に隣接する。
好ましくは、前記少なくとも1つの第1部分の1つまたは各々は、前記マットの全厚の少なくとも一部を通って延び、好ましくはほぼ全厚を通って延びる。
いくつかの実施形態において、前記マットは複数の第1部分を備える。これらの第1部分は、マットの主要表面にわたって、無作為または規則的なパターンで配置され得る。
好ましくは、前記複数の第1部分は、前記耐侵食性材料の柱状部を備え、該柱状部は、好ましくは、マットの厚さの一部またはほぼ全部を通って延びる。好ましくは、前記柱状部は規則的なパターンに配置され、各第1柱状部は、その最も近い1つ以上の隣の柱状部から1mm〜50mmに位置する。より好ましくは、各柱状部はその最も近い1つ以上の隣の柱状部から5mm〜25mmにある。
別の態様において、本発明は、触媒コンバーターを取り付けるための無機繊維マットを製造する方法を提供する。前記方法は、前記マットの少なくとも一部を水性シリカ前駆体混合物で処理することを含む。
さらなる態様において、本発明は、触媒コンバーター用の取り付けマットを製造する方法を提供する。前記方法は、マットの第1部分をシリカ前駆体またはその前駆体で処理する工程を含む。
いくつかの実施形態において、マットのほぼ全体が混合物で処理される。その場合、シリカ前駆体は好ましくは水溶液系中に存在する。
これに代わって、マットの1つ以上の部分が混合物で処理され、マットの1つ以上のさらなる部分は処理されないままにされる。好ましくは、マットの20%超、例えば30%超、40%超、または50%超が、シリカ前駆体によって処理されないままにされる。より好ましくは、マットの60%超、70%超、80%超、または90%超が、シリカ前駆体によって処理されないままにされる。
いくつかの実施形態において、シリカ前駆体によって処理されたマットの部分の一部または全部は、前記マットの対象とする前縁の一部または全部に隣接する。
いくつかの実施形態において、前記マットの複数の部分は、例えば、マットの厚さの一部または全部を通ってシリカ前駆体の柱状部を形成するように、シリカ前駆体によって処理される。好ましくは、前記マットの複数の部分は、それらの部分にシリカ前駆体を注入することによって処理される。これに代わって、前記複数の部分は、シリカ前駆体を、前記部分の表面上に点状に配置すること(spotting)により、前記マット内に注入または挿入することにより、前記マット上に印刷することにより、および/または1つ以上の技術の組み合わせにより、処理され得る。前記シリカ前駆体の適用は、前記マットの主要表面の一方または他方から、あるいは双方から行われる。
好ましくは、前記部分には処理後に付加的な溶媒が添加され、その付加的な溶媒はシリカ前駆体がマットを通って浸透する毛細管作用を促進し得る。添加される付加的な溶媒の量を変更することにより、前記複数の部分における主軸線のいずれか、または前記マットの厚さ方向において、シリカ前駆体の濃度プロファイルに対する制御を提供し得る。例えば、前記マット内に、横方向および縦方向の双方において、不均質な濃度プロファイルを提供するように、前記部分または各部分は前記溶媒によって部分的に溶離され得る。
好ましくは、前記複数の部分の各々は、その最も近い1つ以上の隣の部分から1mm〜50mmにある。より好ましくは、前記複数の部分の各々は、その最も近い1つ以上の隣の部分から5mm〜25mmにある。より好ましくは、前記複数の部分の各々は、その最も近い1つ以上の隣の部分から10mm〜20mmにあり、例えば15mmにある。
好ましくは、シリカ前駆体は、下記式を有する化合物を含有する混合物を含む。
前記式中、R〜Rは同一であるか、または異なり、かつHまたは置換もしくは非置換のアルキル鎖、例えばC〜Cアルキル鎖を含み得る。好ましくは、R〜Rはメチル基またはエチル基を含む。前記シリカ前駆体は上述した化合物の二量体(または適宜にオリゴマー)であってもよく、例えば、前記式中、RはSiORORORを含み、R〜Rは同一であるか、または異なり、かつHまたは置換もしくは非置換のアルキル鎖、例えばC〜Cアルキル鎖を含み得る。
好ましくは、前記シリカ前駆体は、オルトケイ酸テトラエチルを含有する混合物を含む。
好ましくは、前記シリカ前駆体は、水または油を含有する混合物を含む。
好ましくは、前記シリカ前駆体は、プロパノール、イソプロパノール、エタノールまたはメタノールのうちの1種以上のような、1種以上のアルコールを含む。
好ましくは、前記シリカ前駆体は酸触媒を含む。前記酸触媒は、塩酸のような強酸および/または酢酸のような弱酸を含有し得る。これに代わって、シリカ前駆体は塩基触媒を含む。前記塩基触媒は、水酸化ナトリウムのような強塩基および/またはピペリジンまたはアンモニアのような弱塩基であってもよい。
好ましくは、前記シリカ前駆体のpHは2〜10であり、例えば4〜8であり得る。より好ましくは、前記シリカ前駆体のpHは5〜7である。
好ましくは、前記シリカ前駆体のシリカ固形分含有量は、50質量%未満であり、例えば48質量%、または40質量%未満、30質量%未満、20質量%未満、15質量%未満、10質量%未満、8質量%未満、7質量%未満、または6質量%未満である。
好ましくは、前記シリカ前駆体のシリカ固形分含有量は、5質量%未満、4質量%未満、3質量%未満、2質量%未満、または1質量%未満である。より好ましくは、前記シリカ前駆体のシリカ固形分含有量は、0.01質量%超であり、例えば0.05質量%超、または0.1質量%超である。
好ましくは、前記方法は、前記マットを乾燥させることをさらに含む。いくつかの実施形態において、前記マットは10°C〜200°Cで乾燥させられ得る。加えて、またはこれに代わって、前記マットは、通常の大気圧未満で、かつ/または蒸気存在下で、乾燥させられ得る。
本発明のさらなる態様は、モノリスを支持するための非膨張性取り付けマットを包含する。前記マットは、複数の繊維と、一体化媒体(consolidating medium)とを含み、前記一体化媒体は、マットの厚さ方向に延びる複数の個別領域において前記繊維に適用される薬剤を含む。
前記一体化媒体は、好ましくはオルガノシロキサン化合物の加水分解および/または縮合のようなシリカ前駆体の反応によって形成されたシリカ化合物、またはシリコーンポリマーもしくはシリコーンゲルであり得る。
本発明のさらなる態様は、下記式を有する化合物X
(前記式中、R〜Rは同一であるか、または異なり、かつHまたは置換もしくは非置換のアルキル鎖、例えばC〜Cアルキル鎖を含み得る)、
または化合物Xの二量体またはオリゴマーと、
水と、
アルコールと、
を、含有するシリカ前駆体混合物であって、40重量%未満のシリカ固形分含有量を有する前記シリカ前駆体混合物を提供する。
化合物Xの二量体(または適宜オリゴマー)は、RがSiORORORを含む形態をとってもよく、前記式中、R〜Rは同一であるか、または異なり、かつHまたは置換もしくは非置換のアルキル鎖、例えばC〜Cアルキル鎖を含み得る。
好ましくは、前記混合物は、36質量%未満、例えば35.8質量%、または35質量%未満、30質量%未満、25質量%未満、23質量%未満、20質量%未満、16質量%未満、15質量%未満、10質量%未満、9質量%未満または5質量%未満のシリカ固形分含有量を有する。好ましくは、前記混合物は、0.01質量%以上、例えば0.05質量%超、0.1質量%超、0.5質量%超、1質量%超、2質量%超、4質量%超のシリカ固形分含有量を有する。
好ましくは、前記混合物は、ほぼ等しい化学量論的量の水とアルコールとを含有する。
好ましくは、前記混合物は酸または塩基触媒をさらに含む。前記酸触媒は、塩酸のような強酸および/または酢酸のような弱酸を含有し得る。前記塩基触媒は、水酸化ナトリウムのような強塩基および/またはピペリジンもしくはアンモニアのような弱塩基であってもよい。
好ましくは、前記混合物のpHは2〜10であり、例えば4〜8であり得る。より好ましくは、前記シリカ前駆体のpHは5〜7である。
別の態様において、本発明はモノリス用の取り付けマットであって、前記マットの少なくとも一部は耐侵食性材料を含み、前記マットは侵食試験1に供された場合には28mm未満の侵食を受け、かつ/または前記マットは侵食試験2に供された場合には50mm未満の侵食を受ける、モノリス用の取り付けマットを提供する。
別の態様において、本発明は、上述したマットのようなマットであって、前記マットは、柔軟性試験1によると100mm未満の最小巻き付き径(minimum wrapping diameter)を有し、かつ/または柔軟性試験2によると180mm−1未満の可撓性を有する、マットを提供する。
好ましくは、前記マットは、柔軟性試験1によると、95mm未満、例えば90mm未満、85mm未満、80mm未満、78mm未満、76mm未満、75mm未満、74mm未満、73mm未満、72mm未満、71mm未満、または70mm未満の最小巻き付き径を有する。
好ましくは、前記マットは、柔軟性試験2によると、180mm−1未満、例えば120mm−1未満、116mm−1未満、110mm−1未満、100mm−1未満、95mm−1未満、94mm−1未満、93mm−1未満、92mm−1未満、91mm−1未満、90mm−1未満、89mm−1未満、88mm−1未満、87mm−1未満、86mm−1未満、85mm−1未満、84mm−1未満、80mm−1未満、75mm−1未満、70mm−1未満または69mm−1未満の可撓性を有する。
別の態様において、本発明はキャニング用の乾燥した可撓性マットであって、前記マットは、同マットの少なくとも一部の上に耐侵食性媒体またはその前駆体を有する、キャニング用の乾燥した可撓性マットを提供する。
さらなる態様において、本発明は、本願に記載されるような取り付けマットを備えた触媒コンバーターを提供する。
本発明をより容易に理解するために、以下の図面を参照しながら特定の実施形態について説明する。
その一部が耐侵食性材料で処理されたマットを示す図。 モノリスの周りに巻き付けられた、その一部が耐侵食性材料で処理されたマットを示す図。 耐侵食性材料で処理されているマットの図。 本発明によるマットのSEM写真。 比較のマットのSEM写真。 耐侵食性材料で処理された複数の部分を有するマットを示す図。 耐侵食性材料で処理された複数の部分を有するマットを示す図。 比較例1および実施例1によるマットの写真。 比較例1、比較例2および実施例1による写真。 異なるシリカ固形分含有量のピペリジン触媒混合物で処理された本発明のマットの侵食特性のグラフ。 本発明によるマットのSEM写真。 本発明によるマットのSEM写真。 本発明によるいくつかのマットの圧力性能の棒グラフ。 本発明によるいくつかのマットの圧力性能の棒グラフ。 本発明および従来技術によるマットの押抜き特性のグラフ。 本発明および従来技術によるマットの押抜き特性のグラフ。
図1Aおよび図1Bを参照すると、主要寸法長Aおよび幅Bを有するマット10が提供されている。マット10は、寸法Aがモノリス18の主軸線に沿って整合されるように、モノリス18を包み込むために形成されている。マット10は、不織アルミナシリカ繊維を含み、かつ、取り扱いの間におけるその構造的完全性を維持するのを支援するラテックスなどの有機バインダーを含有する。第1端14の内側で寸法Bと平行なマットの部分12がシリカゲルを含有するという点において、前記マットは耐侵食性材料で処理されている。マット10の残りの部分16は、そのようなシリカゲルを実質的に有さない。
シリカゲルを含むマット10の部分12は、図1Bに示すように、マットがモノリス18のまわりに巻き付けられるときに、前記部分が配置される端14がマット10の長手軸線(長さAに対応)に直交するように配置される。
モノリス18およびマット10が自動車排気システムにキャニングされて設置される場合、シリカゲルを含むマット10の部分12は気体流(GF)に対して前縁を提供する、すなわち、前記部分12はマットの残り部分の上流に配置される。かくして、優れた耐侵食性特性が観察される。
前記シリカゲルはシリカ前駆体混合物によってマットに適用される。
図2にはマット10にシリカゲルを適用する簡単な方法が示されている。下記に述べるように、槽20はシリカ前駆体混合物で充填され、マット10は、端14に隣接するマット10の部分12に溶液22が含浸するように、槽20に浸漬される。前記マットは、数秒〜数分の期間にわたって溶液中に放置される。浸漬中に、マット10が濡らされて、既に形成されたゲルが繊維に付着し始め、そのゲル化は浸漬後のマット10において継続することが好ましい。第2浸漬工程が行なわれてもよい。
マット10は、周囲温度または高温かつ/または減圧下において、空気中で乾燥させられて、可撓性マットを提供する。乾燥したゲルからのコロイド状シリカまたはポリメリックシリカ(polymeric silica)は、マット10において繊維の両端および表面に付着する。マット10は、シリカゲルへの損傷をほとんど、または全く有することなく、容易にキャニングされる。
TEOSのようなオルガノシロキサンの化学的性質は、マット10にシリカゲルを適用するための好都合なシリカ前駆体を提供する。
TEOSは水に容易に可溶ではないが、TEOS粒子の水性懸濁液は形成され得る。溶解度は、エタノールまたはプロパノールのような短鎖アルコールを水に添加することによって改善され得る。
TEOSが水に溶解する場合、TEOSは加水分解してシリカモノマーおよびエタノールを形成する傾向がある。そのシリカモノマーは縮合反応を受けて、シリカゲルおよび/またはシリカ二量体および/またはシリカオリゴマーおよび/またはシリカポリマーを形成し得る。
実際、多くの場合にケイ酸エチル溶液と称される市販のTEOS「溶液」は、ケイ酸エチルの二量体および他のオリゴマーを含むことがあり、前記TEOSは初期の加水分解および縮合処理を受けている。かつてそのような市販のケイ酸エチル溶液は、英国スラウ(Slough)のアルケム(Allchem)によって製造されたアドミン ES−40(ADOMINE ES−40)である。
酸または塩基触媒の慎重な使用により、TEOS/ケイ酸エチル溶液は、シリカゲルを生成する効率的なゾル−ル反応によって利用され得る。マット10が浸漬される溶液22中、および浸漬後のマット10の濡らされた部分12上で起こるのはこの反応である。
マット10を処理するための溶液22は、典型的にはケイ酸エチル溶液、プロパノールまたはメチレーテッド・スピリットのような1種以上の短鎖アルコールと、水と、小量の酸または塩基触媒とを含有し得る。
弱酸および強酸、並びに弱塩基および強塩基の双方が触媒として用いられ得る。
図3Aは、そのようなシリカ前駆体溶液で処理されたマットの繊維のSEM写真を示しており、前記SEM写真は、そのように形成されたシリカゲルで被覆された繊維をはっきりと示している。コーティングの厚さは、繊維の厚さと比較して、比較的小さい。なんらかの特定の理論によって縛られるわけではないが、この相対的な厚さは、処理混合物中における低いシリカ固形分含有量、および/または処理混合物中の触媒によってもたらされる制御されたゲル化時間によって提供されるものと思われる。
とりわけ、繊維の隙間は、いかなる物質、例えば微粒子シリカのような粒状物質の蓄積も実質的に有さないことが注目される。
被覆された繊維は、マットの可撓性を維持しながら、優れた耐侵食性を提供する。
図3Bは、「ダウ84(Dow 84)」(ダウ カバリング(Dow Covering)から入手可能)という市販のシリカコロイドで処理されたマットの繊維のSEM写真を示している。はっきりと見ることができるように、粒状物質は繊維間の間隙を充填して、橋架けしている。
別の実施形態では、図4に示すように、触媒コンバーターを取り付けるためのマット10が提供される。マット10は、不織アルミナシリカ繊維と、取り扱い中における構造の完全性を維持するのを支援するとともに高い圧力性能を改善するラテックスバインダーと、を含む。
シリカゲルの複数の柱状部24は、マットの表面上に点のパターンが形成されるように、マット10内を通って延在する。これらの柱状部24は、使用時における優れた耐侵食性を提供するだけでなく、さらなる構造的完全性を与えるとともに、取り付けの間に該マットがモノリスに周りに容易に巻き付けられることを可能にする。
柱状部24は、上述したように、ケイ酸エチル混合物のアリコートをマットに注入することによって製造される。これに代わって、ケイ酸エチル混合物をマットの表面上に点状に配置して、前記柱状部が前記柱状部毛細管作用によってマットを通って形成するようにしてもよい。毛細管作用を促進するため、および/または前記柱状部内におけるシリカの濃度プロファイルを制御するために、注入または点状の配置後に、イソプロパノールのような付加的な溶媒が柱状部24に添加されてもよい。
前記柱状部の格子パターンおよび/または、柱状部を製造するために用いられるケイ酸エチル混合物の濃度、および/またはケイ酸エチル混合物の量を変更することによって、マットの圧力性能(PP)および可撓性を変化させることができる。当業者が分かるように、できるだけ高いPPおよび可撓性を備えたマットを生成することが望ましい。
本発明は、可撓性を保持しながら、PPを増大させる手段を提供し、上述のパラメーターのうちの一部または全部は、異なる繊維および/または基本重量および/または厚さのマットに最適な性能を提供するために変更され得る。例えば、大きな厚さおよび/または基本重量のマットには、より薄いおよび/または軽いマットによりも、より多くのシリカ前駆体を充填ことが望ましいことがある。
もちろん、マット全体をケイ酸エチル混合物または他のそのような水性シリカ前駆体で処理することが望ましいこともある。これは、そのような混合物中に前記マットを単に浸漬することにより、または前記混合物を、それを乾燥させる前に、マット上に噴霧する(例えば、マットの一方または双方の主要表面上にシリカの層を提供するために)ことにより行なわれ得る。これに代わって、繊維をマットに形成する前に、繊維自体をケイ酸エチル混合物または他のそのような水性シリカ前駆体で処理してもよい。
前記シリカ処理は繊維の欠陥または損傷した繊維を修復する効果を有し得ることも認められる。
本発明をより完全に理解するために、ここで以下の非限定的な例を参照する。
実施例1
66体積%のケイ酸エチル溶液(40%のシリカ固形分、部分的に加水分解されて部分的に縮合されている)と、
32体積%のプロパノールと、
0.5体積%のピペリジンと、
0.5%体積の水と、
を含有する液体Aと、
75体積%のメチレーテッド・スピリットと、
25体積%の水と、
を、含有する液体Bとを、
1:3のA:Bの体積比で混合して、シリカ前駆体液Cを形成する。
直ちに、サフィル(アールティエム)ファイバーズ(Saffil (RTM)fibres)から製造された約0.15gcm−3〜0.2gcm−3の密度のアルミナシリカ繊維マットを、その前縁の長さに延びる幅5mmの部分が飽和されるように、液体C中に部分的に浸漬した。
次に、前記マットを取り出して、周囲温度および周囲圧力で2日間にわたって乾燥させた。前記マットは取り扱い可能であり、可撓性であった。
マットの耐侵食性を判定するために、以下のように2つの試験を用いた。
侵食試験1
マットの耐侵食性を試験するために、下記の試験を適用した。
まず、マットを0.6gcm−3の繊維間隙嵩密度(FGBD)に圧縮して、300秒間保持する。
次に、前記マットを0.4gcm−3のFGBDで保持しながら、そのバインダーを900°C以内で焼き飛ばす。そして前記マットは、0.4gcm−3のFGBDと15%のRGEとのサイクルを2500サイクルにわたって繰り返される。
次に、前記マットをスペーサ内でFGBD0.3gcm−3の圧縮で保持しながら、前記マットを、周囲温度および0.16MPaの圧力において、200Hzの空気のパルス流(pulsed stram)に50分間にわたって晒す。空気のジェットを放出するノズルは、マットから11mmに配置した。
侵食されたマットの体積は流体置換試験を用いて測定した。
侵食試験2
直結式触媒のコンバーターにおける状態をシミュレートする第2侵食試験は下記工程から成る。
マットを0.56gcm−3のFGBDに300秒間にわたって圧縮する工程。
マットをFGBD0.3gcm−3の圧縮状態に保持して、バインダーを700°C以内で焼き飛ばし、0.3gcm−3のFGBDと8%のRGEとのサイクルを2500サイクルにわたって繰り返す工程。
前記マットをスペーサ内でFGBD0.27gcm−3の圧縮で保持しながら、前記マットを、周囲温度および0.16MPaの圧力において、200Hzの空気のパルス流に50分間にわたって晒す工程。空気のジェットを放出するノズルは、マットから11mmに配置した。
侵食試験1におけるように、侵食のレベルを評価するために、マットの体積を置換試験によって測定した。
実施例1に従って生成したマットを侵食試験1および侵食試験2によって試験した。各場合において、処理された端部を空気のパルス流に対面させた。結果を表1に示す。
比較例1
約0.16gcm−3の嵩密度を有する、ニードリング加工された(needled)ムライト繊維マットを侵食試験1に供した。
比較例2
約0.16gcm−3の嵩密度を有する、ニードリング加工されたムライト繊維マットを侵食試験2に供した。
比較例3
シリカゾルを含浸させたアルミナシリカ繊維マットを侵食試験2に供した。
図5および図6は、これらの試験後の侵食されたマットの写真を示している。前記写真は、比較例のマットは、程度の差はあるが、すべて侵食されており、一方、実施例1のマットはいずれの試験においても全く侵食を受けなかったことを明らかに示している。
実施例2〜8
実質的に実施例1の方法に従って、いくつかのさらなるマットを調製した。しかしながら、有効な耐侵食性のために最適のシリカ固形分濃度を評価するために、異なる量のケイ酸エチルを各処理溶液中に用いた。
これらのマットの各々を侵食試験2に供した。
結果がグラフで表示されている図7を見ても分かるように、本発明のマットは、わずか2%のシリカ固形分濃度を有するケイ酸エチル調合物で処理された場合に完全に耐侵食性となり、一方、わずか0.2%のシリカ固形分濃度を有するケイ酸エチル溶液で処理された場合には前記マットは非常に有効な耐侵食性を有するように見える。さらに、0.1%のシリカ固形分濃度を有するケイ酸エチル溶液で処理された実施例8のマットは、ニードルマットと比較して、相当に改善された耐侵食性を示す。
柔軟性試験1
200mm(幅)および160mm(長さ)の寸法を有するマットを、該マットが裂けることなく、巻き付けることができる最小直径を判定するために試験する。
実施例9〜13
実質的に実施例1の方法に従って、いくつかのさらなるマットを調製した。しかしながら、柔軟性試験1に従って完成したマットの可撓性に対するシリカの影響を評価するために、異なる量のケイ酸エチルを各処理溶液に用いた。
比較例4
200mm(幅)および160mm(長さ)の寸法の未処理マットを柔軟性試験1に従って試験した。
もちろん、当業者には理解されるように、例えば、市販で入手可能であり得るような、より可撓性の未処理マットの使用は、相応してより大きな可撓性を得る場合にそのようなマットを可能にする。
実施例14〜16
マットの侵食性能に対するケイ酸エチルのゲル化時間の影響を評価するために、様々な濃度のピペリジン触媒を有する、実質的に実施例1に従って形成された5w/w%シリカ固体溶液を用いて、マットを調製した。触媒溶液の濃度を表4に示す。
前記マットを侵食試験1に供した。結果を下記の表4に示す。
実施例14〜16の結果は、小量の触媒の使用によるゲル化時間の慎重な制御により、低いシリカ固形分濃度を有する処理混合物を用いて、侵食性能における改善を行うことができることを明確に示している。これは、また完成したマットに増大した可撓性を提供する。
なんらかの特定の理論によって縛られるわけではないが、速いゲル化速度は、脆く、機械的損傷の影響を受けやすい粗製ゲル構造を生成するものと思われる。これは、図8Aに示すように、実施例14の処理された繊維のSEM写真によって示されている。
一方、図8Bは、実施例16の処理された繊維のSEM写真を示している。遅いゲル化速度は、より多孔性が低く、かつより脆性が低い均一に被覆された繊維を生成した。
実施例17〜21
液体Aの柱状部(各々約0.05cm)を、サフィルRTM繊維(Saffil RTM Fibers)を用いて形成されたアルミノケイ酸塩マットに注入した。次に、これらの柱状部の各々に約0.55cmの液体Bを添加した。前記柱状部は下記の表5に示すような間隔で各マット上に正方形の格子パターンで配置した。前記柱状部自体は、溶媒が外側に浸透する前には、直径約1mmであった。
前記マットを空気中で2日間にわたって乾燥させたところ、該マットは取り扱い可能であり、可撓性であった。
前記マットのPPを下記の試験方法を用いて試験した。
圧力性能(PP)試験
いかなる残留有機種およびバインダーも除去するために、マットを700°Cに燃焼させた。次に、前記マットは、スペーサにおいて、0.4gcm−3のFGBDの圧縮と8%の相対間隙拡張(relative gap expansion(RGE))との間で2500回にわたってサイクルを繰り返される。次に、2500サイクル目における8%のRGEにおいて保持圧力を測定した。
実施例17〜21のマットの各々をPP試験に供し、その結果を標準的な未処理のアルミナシリカ繊維マットのPPと比較した。結果を下記の表3に示す。表3は、PPは柱状部間の間隔が減少するにつれて増大する傾向にあり、実施例21の約0.5cm離間されたマットの柱状部は、未処理のマットのPPの約2倍になっていることを示している。
柔軟性試験2
20mmの変位までマットを曲げるのに必要とされる負荷を判定するために、200mm(幅)および160mm(長さ)の寸法を有するマットを較正されたロードセルを用いて試験した。
実施例17〜21のマットの各々を未処理のアルミナ繊維マットと共に柔軟性試験に供した。結果を表3に示す。
見て分かるように、実施例17〜19のマットは、PPにおける実質的な増大も与えながらも、少なくとも未処理のマットに匹敵する可撓性を提供する。
実施例22
100gのマットを処理するための単一溶液調合物を、
40gのケイ酸エチル溶液(40%のシリカ固形物、予め加水分解され、小さなポリマー鎖を含有)と、
46.2gのイソプロパノールと、
13.8gの水と、
を混合することによって調合した。
この溶液は、約16%のシリカ固形分含有量に等しい。
酢酸を用いてこの溶液をpH6にして、1.5cmの間隔の正方形の格子パターンで柱状部(1つの柱状部当たり0.6cm)を形成するように、アルミナシリカ繊維マットに注入した。前記マットを空気中で1日間乾燥させた。
残りの溶液はゆっくりとゲル化し、残りの溶液を数時間使用し続けることが可能であった。
次に、このマットを侵食試験2によって試験したところ、ゼロ侵食を示すことが分かった。
実施例23〜35
シリカ固形分濃度およびケイ酸エチル混合物のpHの影響を実施例23〜35においてさらに調査した。表4に示すように、シリカ固形物の様々な濃度、並びに様々な酸および塩基を使用した異なるpHを用いて、実施例14のそれに類似した方法で混合物を調合した。各混合物は、概ね等しい化学量論的量の水およびイソプロパノールを含有した。
次に、1.5cmの間隔の正方形の格子パターンで柱状部を形成するために、マットをこれらの混合物で処理した。次に、それらのマットをPP試験に供した。結果を表6に示す。
前記結果は、中性に近いpHは改善されたPPを提供するが、混合物中のシリカ固形物の濃度を低減すると、PPの低下を招くことを示しているように思われる。
結果を図9にグラフで示す。図9は未処理のマットのPPを示す線も表示している。すべての実施例が、未処理マットに対してPPにおける相当な改善を示している。
実施例34および35も侵食試験2に従って試験したところ、侵食を受けないことが分かった。
実施例36〜39
マットの乾燥条件の影響を実施例36〜39において調査した。
実施例36〜38は、実施例22のそれに類似するが、22.86%のシリカ固形分濃度を有し、酢酸によって触媒される方法で調合された溶液によって処理したマットを提供する。前記処理は、1.5cmの間隔で正方形の格子配列で柱状部を形成することを含んだ。
実施例39は、実施例22のそれに類似するが、35.7%のシリカ固形分濃度を有し、酢酸によって触媒される方法で調合された溶液によって処理したマットを提供する。前記処理は、1.5cmの間隔で正方形の格子配列で柱状部を形成することを含んだ。
それらのマットの各々をPP試験に供した。結果を表5に示す。
前記結果は、乾燥時間は、マットのPPに影響をほとんど与えないまま、1日から1〜3時間に大幅に短縮できることを示すものと思われる。前記結果を図10にグラフで示す。図10は未処理マットのPPを示す線も表示している。
実施例40〜42
実施例40〜42では、ケイ酸エチルをマットの主要表面全体を処理するために使用することについて調査した。各実施例において、4w/w%シリカ固形物溶液(実質的に実施例1のそれに従って調合)をアルミナシリカ繊維マットの表面上に噴霧した。前記マットを乾燥させ、摩擦試験に従って試験した、結果を下記の表8に示す。
摩擦試験
試料マットの摩擦係数を評価するために、一対のマットをロードセル内に中央パネルの両側にて配置する。マットが処理された主要表面を有する場合には、その表面が前記中央パネルに接触するように配置される。次に、マットを所望の繊維間隙嵩密度に圧縮するようにロードセルを調整し、それを行うのに必要とされる力Fを記録する。中央パネルを除去し、最大引抜き力Fを記録する。摩擦係数をF/Fとして計算する。
これらの結果は低いFGBDにおいて摩擦の有意な増大を提供する。これは、各マット中の繊維の量の低減が、相応して保持圧力を喪失することなく、達成され得ることを潜在的に意味する。
実施例43〜45
実施例43〜45では、マットの表面処理における異なるシリカ固形分濃度の使用について調査した。実質的に実施例40〜42に従って、8w/w%のシリカ固形物(実施例43)、10w/w%シリカ固形物(実施例44)および12w/w%シリカ固形物(実施例45)を含有するマットを形成した。
押抜き試験
モノリスを保持する際のマットの性能を試験するために、マットをモノリスの周りに巻き付けて、0.3のFGBDを与えるようにキャニングする。前記マットが処理された主要表面を有する場合には、その表面を容器に対面させて配置した。次に、キャニングされたアセンブリを900°Cに加熱して冷ます(allowed to call)。次に、モノリスを5mm移動させるために、モノリスに軸方向力を印加し、その力の大きさを継続的に測定する。
実施例43〜45を前記押抜き試験に従って試験した。図15Aは、各々の移動に対する測定された力のプロットを示す。図11Bは、未処理マットおよび実施例43のマットの移動に対する測定された力のプロットを示す。
実施例43のマットは、1490Nの最大押抜き力を示し、未処理のマットに対して8%の増大を表わしている。
実施例46〜47
アルミナシリカ繊維を、実質的に実施例1のそれに従って形成された、0.2w/w%のピペリジン触媒濃度と下記の表9に示したシリカ固形分濃度とを有するケイ酸エチル溶液で処理し、次いで乾燥させた。
次に、結果として生じた繊維をラテックスバインダーとスラリーにすることによってマットを形成した。それらのマットを圧力性能試験に従って試験した。
前記マットは、バインダー、ニードリングまたは他の一体化法を用いた湿式製紙法(wet laying papermaking techniques)によって形成されてもよいし、または乾式法によって形成され、適切に一体化されてもよい。
いくつかの実施形態において、シリカ前駆体混合物は、マット上に印刷または噴霧されてもよい。これに続いて、前駆体によるマットの浸透を支援するために、イソプロパノールのような溶媒を添加してもよい。
前記マットは、他の断熱材(insulation materials)やエンドコーンなど、つまり気体が衝突する任意の材料になってもよい。当業者はまた、前記マットは船舶用途または静的用途に用いられてもよいことも認識するだろう。
おそらく当業者は他の多数の有効な代替案に想到するであろう。本発明は記載された実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨および範囲内に存する当業者に明らかである変更を包含することが理解されるであろう。

Claims (58)

  1. モノリスを支持するためのマットであって、前記マットは、耐侵食性無機(例えばシリカ)ゲル組成物またはその前駆体のコーティングで少なくとも部分的に被覆された繊維を含む1つ以上の第1部分を備える、マット。
  2. 前記耐侵食性無機ゲル組成物またはその前駆体を実質的に有さない第2部分をさらに備える、請求項1に記載のマット。
  3. 前記無機ゲル組成物は、オルガノシロキサン化合物の加水分解および縮合のうちの少なくとも一方のようなシリカ前駆体の酸または塩基触媒反応によって前記繊維上に形成されたシリカ化合物またはシリコーンポリマーもしくはシリコーンゲルを含有する、請求項1または2に記載のマット。
  4. 前記1つ以上の第1部分の主要表面積は、前記マットの主要表面積の80%未満、例えば70%未満、60%未満、または50%未満を占める、請求項2または3に記載のマット。
  5. 前記1つ以上の第1部分の主要表面積は、前記マットの主要表面積の40%未満、30%未満、20%未満、または10%未満を占める、請求項4に記載のマット。
  6. 第1部分の少なくとも一部は、前記マットの対象とする前縁の少なくとも一部に隣接する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のマット。
  7. 前記少なくとも1つの第1部分の1つまたは各々は、前記マットの全厚の少なくとも一部を通って、好ましくはほぼ全厚を通って、延びる、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のマット。
  8. 前記マットは複数の第1部分を備える、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のマット。
  9. 第1部分は、前記マットの主要表面にわたって、無作為または規則的なパターンで配置されている、請求項8に記載のマット。
  10. 前記複数の第1部分は、前記耐侵食性無機ゲル組成物の柱状部を備え、該柱状部は、好ましくは、前記マットの厚さの一部またはほぼ全部を通って延びる、請求項8または9に記載のマット。
  11. 前記柱状部は規則的なパターンに配置され、各第1柱状部は、最も近い1つ以上の隣の柱状部から1mm〜50mm、例えば5mm〜25mmにある、請求項10に記載のマット。
  12. 第1部分は前記マットの少なくとも1つの主要表面を含む、請求項1または3に記載のマット。
  13. 第1部分はほぼマット全体を含む、請求項12に記載の方法。
  14. 触媒コンバーターを取り付けるための無機繊維マットを製造する方法であって、該方法は、マットの少なくとも一部を、酸触媒および塩基触媒のうちの少なくとも一方を含有する水性シリカ前駆体混合物で処理することを含む、方法。
  15. 前記シリカ前駆体混合物のシリカ固形分含有量は、20w/w%未満であり、例えば18w/w%未満、17w/w%未満、16w/w%未満、または15w/w%未満である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記シリカ前駆体混合物のシリカ固形分含有量は、10w/w%未満であり、例えば6w/w%未満であり、例えば5w/w%以下または2w/w%以下である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記シリカ前駆体混合物中の触媒の濃度は、5w/w%未満であり、例えば、4w/w%以下、2w/w%以下、1w/w%以下、または0.5w/w%以下である、請求項14乃至16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記触媒はピペリジンを含有する、請求項14乃至17のいずれか1項に記載の方法。
  19. マットのほぼ全体が前記混合物で処理される、請求項14乃至18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記マットの1つ以上の部分は混合物で処理され、前記マットの1つ以上のさらなる部分は処理されないままにされる、請求項14乃至18のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記マットの20%超、例えば30%超、40%超、または50%超が前記シリカ前駆体によって処理されないままにされる、請求項20に記載の方法。
  22. 前記マットの60%超、70%超、80%超、または90%超が前記シリカ前駆体によって処理されないままにされる、請求項21に記載の方法。
  23. 前記シリカ前駆体によって処理された前記マットの部分の一部または全部は、前記マットの対象とする前縁のうちの一部または全部に隣接する、請求項14乃至22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記マットの複数の部分は、前記マットの厚さのうちの一部または全部を通ってシリカ前駆体の柱状部を形成するために、前記シリカ前駆体によって処理される、請求項20乃至23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記マットの複数の部分は、
    シリカ前駆体をそれらの部分に注入すること、
    前記部分の表面上にシリカ前駆体を点状に配置すること、
    前記マット上に印刷すること、および、
    これらの技術のうちの1つ以上の組み合わせ、のうちの少なくとも一つによって処理される、請求項24に記載の方法。
  26. 前記シリカ前駆体の適用は、前記マットの主要表面のいずれかから、または双方から行われる、請求項24または25に記載の方法。
  27. 前記部分には、処理後に、付加的な溶媒が添加される、請求項24乃至26のいずれか1項に記載の方法。
  28. 前記複数の部分の各々は、その最も近い1つ以上の隣の部分から1mm〜50mmにあり、例えば5mm〜25mmにある、請求項24乃至27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 前記シリカ前駆体は、下記式を有する化合物を含有する混合物を含み、
    前記式中、R〜Rは同一であるか、または異なり、かつHまたは置換もしくは非置換のアルキル鎖、例えばC〜Cアルキル鎖を含み得、好ましくは、R〜Rはメチル基またはエチル基を含む、請求項14乃至28のいずれか1項に記載の方法。
  30. 前記シリカ前駆体は、オルトケイ酸テトラエチルを含有する混合物を含む、請求項29に記載の方法。
  31. 前記シリカ前駆体は、プロパノール、イソプロパノール、エタノールまたはメタノールのうちの1種以上のような、1種以上のアルコールを含有する、請求項14乃至30のいずれか1項に記載の方法。
  32. 前記シリカ前駆体は酸触媒を含有する、請求項14乃至31のいずれか1項に記載の方法。
  33. 前記酸触媒は、塩酸のような強酸および酢酸のような弱酸のうちの少なくとも一方を含む、請求項32に記載の方法。
  34. シリカ前駆体は塩基触媒を含む、請求項14乃至33のいずれか1項に記載の方法。
  35. 前記塩基触媒は、水酸化ナトリウムのような強塩基およびアンモニアのような弱塩基のうちの少なくとも一方を含む、請求項34に記載の方法。
  36. 前記シリカ前駆体のpHは2〜10であり、例えば4〜8である、請求項14乃至35のいずれか1項に記載の方法。
  37. 前記シリカ前駆体のpHは5〜7である、請求項14乃至36のいずれか1項に記載の方法。
  38. 前記シリカ前駆体のシリカ固形分含有量は、0.01質量%超であり、例えば0.05質量%超、または0.1質量%超である、請求項14乃至37のいずれか1項に記載の方法。
  39. 前記マットを乾燥させる工程をさらに備える、請求項14乃至38のいずれか1項に記載の方法。
  40. 前記マットは10°C〜200°Cで乾燥させられる、請求項39に記載の方法。
  41. 前記マットは、通常の大気圧未満において、及び蒸気の存在下において、のうちの少なくとも一方において乾燥させられる、請求項39または40に記載の方法。
  42. モノリスを支持するための非膨張性取り付けマットであって、前記マットは、複数の繊維と、一体化媒体とを含み、前記一体化媒体は、マットの厚さ方向に延びる複数の個別領域において前記繊維に適用された薬剤を含む、取り付けマット。
  43. 前記一体化媒体は、好ましくはオルガノシロキサン化合物の加水分解および縮合のうちの少なくとも一方のようなシリカ前駆体の反応によって形成されたシリカ化合物、またはシリコーンポリマーもしくはシリコーンゲルを含む、請求項40に記載の取り付けマット。
  44. 下記式を有する化合物
    (前記式中、R〜Rは同一であるか、または異なり、かつHまたは置換もしくは非置換のアルキル鎖、例えばC〜Cアルキル鎖を含み得る)、
    または化合物Xの二量体またはオリゴマーと、
    水と、
    アルコールと
    を含有するシリカ前駆体混合物であって、
    前記混合物は40重量%未満のシリカ固形分含有量を有する、シリカ前駆体混合物。
  45. 前記混合物は、36質量%未満、例えば35.8質量%、または35質量%未満、30質量%未満、25質量%未満、23質量%未満、20質量%未満、16質量%未満、15質量%未満、10質量%未満、9質量%未満または5質量%未満、例えば、4w/w%以下、2w/w%以下、1w/w%以下、または0.5w/w%以下のシリカ固形分含有量を有する、請求項44に記載のシリカ前駆体混合物。
  46. 前記混合物は、0.01質量%以上、例えば0.05質量%超、0.1質量%超、0.5質量%超、1質量%超、2質量%超、4質量%超のシリカ固形分含有量を有する、請求項44または45に記載のシリカ前駆体混合物。
  47. 前記混合物は、ほぼ等しい化学量論的量の水とアルコールとを含有する、請求項44乃至46のいずれか1項に記載のシリカ前駆体混合物。
  48. 前記混合物はさらに酸触媒および塩基触媒のうちの少なくとも一方を含有する、請求項44乃至46のいずれか1項に記載のシリカ前駆体混合物。
  49. 前記酸触媒は、存在する場合には、塩酸のような強酸および酢酸のような弱酸のうちの少なくとも一方を含有する、請求項48に記載のシリカ前駆体混合物。
  50. 前記塩基触媒は、存在する場合には、水酸化ナトリウムのような強塩基およびピペリジンまたはアンモニアのような弱塩基のうちの少なくとも一方を含有する、請求項48または49に記載のシリカ前駆体混合物。
  51. 前記シリカ前駆体混合物中の触媒の濃度は5w/w%未満であり、例えば、4w/w%以下、2w/w%以下、1w/w%以下、または0.5w/w%以下である、請求項48乃至50のいずれか1項に記載のシリカ前駆体混合物。
  52. 前記混合物のpHは2〜10であり、例えば4〜8である、請求項44乃至51のいずれか1項に記載のシリカ前駆体混合物。
  53. 前記シリカ前駆体のpHは5〜7である、請求項44乃至52のいずれか1項に記載のシリカ前駆体混合物。
  54. 前記マットの少なくとも一部は耐侵食性材料を含み、前記マットは侵食試験1に供された場合には28mm以下の侵食を受けるか、前記マットは侵食試験2に供された場合には50mm以下の侵食を受けるか、のうちの少なくとも一方である、請求項1乃至12のいずれか1項に記載のマット。
  55. モノリス用取り付けマットであって、前記マットの少なくとも一部は耐侵食性材料を含み、前記マットは侵食試験1に供された場合には28mm以下の侵食を受けるか、前記マットは侵食試験2に供された場合には50mm以下の侵食を受けるか、のうちの少なくとも一方である、取り付けマット。
  56. 前記マットは、柔軟性試験1によると100mm未満の最小巻き付き径を有すること、及び柔軟性試験2によると180mm−1未満の可撓性を有すること、のうちの少なくとも一方である、請求項1乃至12、54または55のいずれか1項に記載のマット。
  57. キャニング用の乾燥した可撓性マットであって、前記マットは、前記マットの少なくとも一部の上に耐侵食性媒体またはその前駆体を有する、マット。
  58. 請求項1乃至12、54または57のいずれか1項に記載の取り付けマットを備えた触媒コンバーター。
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