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JP2012236180A - 排ガス浄化フィルタ - Google Patents

排ガス浄化フィルタ Download PDF

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JP2012236180A
JP2012236180A JP2011108346A JP2011108346A JP2012236180A JP 2012236180 A JP2012236180 A JP 2012236180A JP 2011108346 A JP2011108346 A JP 2011108346A JP 2011108346 A JP2011108346 A JP 2011108346A JP 2012236180 A JP2012236180 A JP 2012236180A
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JP2011108346A
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Hironobu Shimokawa
弘宣 下川
Keisuke Mizutani
圭祐 水谷
Kensuke Takizawa
健介 瀧澤
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Soken Inc
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Denso Corp
Nippon Soken Inc
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Abstract

【課題】触媒の熱耐久性を確保しながら、圧力損失を低減することができ、隔壁に捕集されたパティキュレートを効率よく燃焼させることができる排ガス浄化フィルタを提供すること。
【解決手段】排ガス浄化フィルタ1は、格子状に配設された多孔質の隔壁2と、その隔壁2に囲まれて軸方向に形成された複数のセル3とを有し、セル3のうち、排ガスGが流入する流入セル31の下流側X2の端部と排ガスGを排出する排出セル32の上流側X1の端部とが栓部により閉塞されている。隔壁2には、アルカリ金属を含有するPM燃焼触媒5と、隔壁2とPM燃焼触媒5との間に形成され、両者の反応を抑制する反応抑制層6とが担持されている。PM燃焼触媒5及び反応抑制層6は、隔壁2の厚みをDとした場合、隔壁2の流入セル側の表面201及びその表面201から厚み方向にD/2以下の距離までの範囲における隔壁2の内部に、選択的に担持されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガスの浄化を行う排ガス浄化用フィルタに関する。
従来から、ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中のパティキュレート(以下、適宜、PMという)を捕集して排ガスの浄化を行う排ガス浄化フィルタが知られている。この排ガス浄化フィルタとしては、例えば、格子状に配設された多孔質の隔壁と、その隔壁に囲まれて軸方向に形成された複数のセルとを有し、セルのうち、排ガスが流入する流入セルの下流側の端部と排ガスを排出する排出セルの上流側の端部とが栓部により閉塞されたものがある。
上記構成の排ガス浄化フィルタを用いて排ガスを浄化する際には、排ガスが流入セルに流入し、多孔質の隔壁を通過した後、排出セルから排出される。このとき、排ガス中のPMが多数の細孔を有する隔壁に捕集され、排ガスが浄化される。また、隔壁に例えばアルカリ金属等を含有する触媒を担持しておくことにより、隔壁に捕集されたPMを触媒反応によって効率よく燃焼させ、除去することができる。
ところで、排ガス浄化フィルタには、隔壁とその隔壁に担持されたアルカリ金属等を含有する触媒とが高温下において反応し、触媒活性が低下してしまうという問題がある。
そこで、特許文献1には、隔壁と触媒(アルカリ金属硫酸塩等)との間に、両者の反応を抑制する反応抑制層(無機酸化物、金属酸化物)を設けた排ガス浄化フィルタが提案されている。これによれば、隔壁と触媒との高温下における反応及びそれに伴う触媒活性の低下を抑制し、触媒の熱耐久性を向上させることができる。
特開2010−51867号公報
上記特許文献1の排ガス浄化フィルタでは、隔壁の表面及び内部を含む隔壁全体に、触媒や反応抑制層が担持されている。しかしながら、隔壁の内部において、排ガス中のPMが侵入して捕集されるのは、そのほとんどが隔壁の流入セル側の領域(流入セル側の表面から厚みの半分までの領域)である。そのため、隔壁の排出セル側の領域に担持された触媒は、PMを燃焼させるに当たって有効に作用していなかった。
また、隔壁全体に触媒や反応抑制層を担持していることにより、排ガス浄化フィルタ全体の三次元構造が変化してしまい、排ガスの通過前後の圧力差(圧力損失)が大きくなるといった問題も生じていた。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、触媒の熱耐久性を確保しながら、圧力損失を低減することができ、隔壁に捕集されたパティキュレートを効率よく燃焼させることができる排ガス浄化フィルタを提供しようとするものである。
本発明は、格子状に配設された多孔質の隔壁と、該隔壁に囲まれて軸方向に形成された複数のセルとを有し、該セルのうち、排ガスが流入する流入セルの下流側の端部と排ガスを排出する排出セルの上流側の端部とが栓部により閉塞された排ガス浄化フィルタにおいて、
上記隔壁には、アルカリ金属を含有するPM燃焼触媒と、上記隔壁と上記PM燃焼触媒との間に形成され、両者の反応を抑制する反応抑制層とが担持されており、
上記PM燃焼触媒及び上記反応抑制層は、上記隔壁の厚みをDとした場合、上記隔壁の流入セル側の表面及び該表面から厚み方向にD/2以下の距離までの範囲における上記隔壁の内部に、選択的に担持されていることを特徴とする排ガス浄化フィルタにある(請求項1)。
上記排ガス浄化フィルタにおいて、隔壁には、アルカリ金属を含有するPM燃焼触媒と、隔壁とPM燃焼触媒との反応を抑制する反応抑制層とが担持されている。そして、PM燃焼触媒及び反応抑制層は、隔壁の厚みをDとした場合、隔壁の流入セル側の表面及び該表面から厚み方向にD/2以下の距離までの範囲における隔壁の内部に、選択的に担持されている。
すなわち、上記PM燃焼触媒は、隔壁全体に担持されているのではなく、隔壁の表面及び内部において排ガス中のPMが捕集されやすい領域である隔壁の流入セル側の表面及び隔壁の内部における上記特定の範囲に、選択的に担持されている。そのため、隔壁に捕集されたPMをそのPMが捕集されやすい領域に重点的に担持されたPM燃焼触媒によって効率よく燃焼させることができる。
また、上記反応抑制層は、隔壁とPM燃焼触媒との反応を抑制する必要がある領域、つまりPM燃焼触媒が担持されている領域に担持されている。そして、隔壁とPM燃焼触媒との間に介在するように形成されている。そのため、高温下における隔壁とPM燃焼触媒との反応を反応抑制層によって十分に抑制することができる。これにより、PM燃焼触媒の熱耐久性を十分に確保することができる。
また、上述のごとく、PM燃焼触媒及び反応抑制層は、隔壁の流入セル側の表面及び隔壁の内部における上記特定の範囲に、選択的に担持されている。そのため、PM燃焼触媒及び反応抑制層を隔壁全体に担持していた従来に比べて、これらの担持量を大幅に低減することができる。これにより、PM燃焼触媒及び反応抑制層を担持したことによる圧力損失の増加を抑制することができる。つまり、従来に比べて圧力損失を低減することができる。
このように、本発明によれば、触媒の熱耐久性を確保しながら、圧力損失を低減することができ、隔壁に捕集されたパティキュレートを効率よく燃焼させることができる排ガス浄化フィルタを提供することができる。
実施例1における、排ガス浄化フィルタを示す斜視図。 実施例1における、排ガス通路に配設した排ガス浄化フィルタを示す断面説明図。 実施例1における、隔壁を拡大して示す断面説明図。 実施例2における、PM燃焼速度及び差圧の結果を示す説明図。
上記排ガス浄化フィルタは、ディーゼルエンジン等の内燃機関の排ガス通路に配設され、内燃機関から排出される排ガス中のPMを捕集して排ガスの浄化を行うために用いられるものである。
また、上記PM燃焼触媒及び上記反応抑制層は、上記隔壁の厚みをDとした場合、上記隔壁の流入セル側の表面及び該表面から厚み方向にD/2以下の距離までの範囲における上記隔壁の内部に、選択的に担持されている。
ここで、隔壁の内部に担持されているとは、多孔質の隔壁の内部に形成された細孔内等に担持されていることをいう。
また、上記PM燃焼触媒及び上記反応抑制層は、上記特定の領域(隔壁の流入セル側の表面及び隔壁の内部における上記特定の範囲)に選択的に担持されている。ただし、厳密には、上記特定の領域にのみ担持されるようにし、それ以外の領域に全く担持されないようにすることは容易ではない。
したがって、例えば、隔壁に担持されたPM燃焼触媒全体を100質量%とし、そのうちの80質量%以上が上記特定の領域に担持されている場合には、PM燃焼触媒が上記特定の領域に選択的に担持されていることとすればよい。反応抑制層も同様である。
また、上記PM燃焼触媒及び上記反応抑制層は、上記隔壁の流入セル側の表面及び該表面から厚み方向にD/3以下の距離までの範囲における上記隔壁の内部に、選択的に担持されていることが好ましい(請求項2)。
すなわち、隔壁の内部に侵入して捕集されるPMのほとんどが隔壁の流入セル側の表面から厚み方向にD/3以下の距離までの範囲に集中している傾向がある。そこで、隔壁の内部においてPM燃焼触媒及び反応抑制層を担持する範囲を上記特定の範囲に絞込むことにより、これらの担持量を低減し、圧力損失をさらに低減することができる。
また、上記PM燃焼触媒及び上記反応抑制層は、少なくとも、上記隔壁の流入セル側の表面及び該表面から厚み方向にD/5の距離までの範囲における上記隔壁の内部に、担持されていることが好ましい。
例えば、PM燃焼触媒及び反応抑制層を担持する領域が、隔壁の流入セル側の表面及び該表面から厚み方向にD/5よりも短い距離までの範囲における隔壁の内部である場合には、隔壁に捕集されたPMをPM燃焼触媒によって十分に燃焼させることができないおそれがある。
また、上記PM燃焼触媒は、Na、K、Cs及びRbから選ばれる一種以上を含有することが好ましい(請求項3)。
この場合には、PM燃焼触媒によって、隔壁に捕集されたPMを十分に燃焼させることができる。
また、上記反応抑制層は、Al、Zr及びLaから選ばれる一種以上を含有することが好ましい(請求項4)。
この場合には、反応抑制層によって、高温下における隔壁とPM燃焼触媒との反応を十分に抑制することができる。
また、上記排ガス浄化フィルタを構成する材料としては、例えば、コージェライト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ムライト、チタン酸アルミニウム等を用いることができる。特に、コージェライトは、熱膨張係数が低く、耐熱衝撃性に優れている。そのため、高温下で使用され、耐熱性、耐久性が要求される排ガス浄化フィルタを構成する材料として好ましい。
また、上記排ガス浄化フィルタは、PM捕集性能、圧力損失、強度等を十分に確保する必要がある。そのため、上記隔壁の厚みは、例えば、300〜500μmとすることができる。また、上記隔壁の気孔率は、例えば、35〜70%とすることができる。また、上記隔壁の平均細孔径は、例えば、10〜30μmとすることができる。
(実施例1)
本発明の実施例にかかる排ガス浄化フィルタについて、図を用いて説明する。
本例の排ガス浄化フィルタ1は、図1、図2に示すごとく、格子状に配設された多孔質の隔壁2と、その隔壁2に囲まれて軸方向に形成された複数のセル3とを有し、セル3のうち、排ガスGが流入する流入セル31の下流側X2の端部312と排ガスGを排出する排出セル32の上流側X1の端部321とが栓部4により閉塞されている。
図3に示すごとく、隔壁2には、アルカリ金属を含有するPM燃焼触媒5と、隔壁2とPM燃焼触媒5との間に形成され、両者の反応を抑制する反応抑制層6とが担持されている。PM燃焼触媒5及び反応抑制層6は、隔壁2の厚みをDとした場合、隔壁2の流入セル側の表面201及びその表面201から厚み方向にD/2以下の距離までの範囲における隔壁2の内部に、選択的に担持されている。
以下、これを詳説する。
図1、図2に示すごとく、排ガス浄化フィルタ1は、ディーゼルエンジンの排気管8内に形成された排ガス通路81に配設され、ディーゼルエンジンから排出される排ガスG中のPM(図3)を捕集して排ガスGの浄化を行うために用いられるものである。
排ガス浄化フィルタ1は、四角形格子状に配設された多孔質の隔壁2と、隔壁2に囲まれて軸方向に形成された断面四角形状の複数のセル3とを有するハニカム構造体からなる。排ガス浄化フィルタ1は、コージェライトにより構成されており、その全体形状が直径160mm、長さ100mmの円柱状である。
同図に示すごとく、セル3は、排ガスGが流入する流入セル31と排ガスGを排出する排出セル32とからなる。流入セル31の下流側X2の端部312及び排出セル32の上流側X1の端部321は、それぞれ栓部4により閉塞されている。また、流入セル31の上流側X1の端部311及び排出セル32の下流側X2の端部322は、それぞれ上流側X1及び下流側X2に開口している。
本例では、流入セル31及び流出セル32が交互に配置されるように、排ガス浄化フィルタ1の上流側X1の端面101及び下流側X2の端面102において、栓部4がいわゆる市松模様状に配置されている。
図3に示すごとく、隔壁2は、多孔質であり、内部に多数の細孔21が形成されている。隔壁2の気孔率は50%であり、平均細孔径は12μmである。
また、隔壁2には、PM燃焼触媒5と、隔壁2とPM燃焼触媒5との間に形成され、両者の反応を抑制する反応抑制層6とが担持されている。PM燃焼触媒5及び反応抑制層6は、隔壁2の厚みをDとした場合、隔壁2の流入セル側の表面201とその表面201から厚み方向にD/2の距離までの範囲(同図の範囲A)における隔壁2の内部に担持されている。なお、隔壁2の厚みDは、300μmである。
具体的には、同図に示すごとく、反応抑制層6は、隔壁2の流入セル側の表面201に形成され、さらに隔壁2の範囲Aにおける細孔21の内表面211等に形成されている。また、PM燃焼触媒5は、その形成された反応抑制層6上に担持されている。
また、PM燃焼触媒5は、隔壁2に担持されたPM燃焼触媒5全体を100質量%とした場合に、そのうちの80質量%以上が隔壁2の流入セル側の表面201及び隔壁2の内部における範囲Aに担持されている。反応抑制層6も同様である。
また、PM燃焼触媒5は、ソーダライトに炭酸カリウムを担持させた触媒材料からなる。また、反応抑制層6は、酸化アルミニウムからなる。
次に、本例の排ガス浄化フィルタ1の製造方法について、簡単に説明する。
まず、四角形格子状に配設された多孔質の隔壁2と、隔壁2に囲まれて軸方向に形成された断面四角形状の複数のセル3とを有すると共に、所定の位置に栓部4を設けたコージェライト製のハニカム構造体(図1参照)を準備した。
次いで、ハニカム構造体を0.5mol/Lの硝酸アルミニウム水溶液(以下、適宜、水溶液という)に所定の時間浸漬し、引き上げた後、エアブローによって余分な水分を吹き飛ばした。
次いで、ハニカム構造体の上流側X1から約300℃の熱風を5分間供給し、隔壁2の流入セル側の表面201から順に隔壁2内の水溶液を乾燥させた。このとき、乾燥を開始した部分では水溶液中の金属濃度が上がることから、濃度を均一化するために水分の残存する部分から水分を引き寄せる。この現象により、隔壁2の排出セル側から流入セル側に水溶液を移動させ、隔壁2の流入セル側の表面201及びその表面201から厚み方向に150μmの距離までの範囲における隔壁2の内部に、選択的に硝酸アルミニウムを析出させた。
次いで、ハニカム構造体を700℃、5時間の条件で焼成した。これにより、隔壁2の所定の領域に酸化アルミニウムからなる反応抑制層6を担持した。
次いで、アルカリ金属触媒をアルミナゾルに分散させた触媒スラリーを準備し、ハニカム構造体を蒸留水に含浸させ、隔壁2に水分を含有させた状態とした。そして、ハニカム構造体を触媒スラリーに浸漬し、引き上げた後、ハニカム構造体の上流側から流速約10L/分の条件でエアブローによって余分な水分を吹き飛ばした。
次いで、ハニカム構造体を600℃、3時間の条件で焼成し、焼付け処理を行った。これにより、隔壁2の所定の領域にアルカリ金属を含有するPM燃焼触媒5を担持した。
以上により、排ガス浄化フィルタ1(図1〜図3)を得た。
次に、本例の排ガス浄化フィルタ1の作用効果について説明する。
本例の排ガス浄化フィルタ1において、隔壁2には、アルカリ金属を含有するPM燃焼触媒5と、隔壁2とPM燃焼触媒5との反応を抑制する反応抑制層6とが担持されている。そして、PM燃焼触媒5及び反応抑制層6は、隔壁2の厚みをDとした場合、隔壁2の流入セル側の表面201及びその表面201から厚み方向にD/2以下(本例ではD/2)の距離までの範囲A(図3)における隔壁2の内部に、選択的に担持されている。
すなわち、PM燃焼触媒5は、隔壁2全体に担持されているのではなく、隔壁2の表面及び内部において排ガスG中のPMが捕集されやすい領域である隔壁2の流入セル側の表面201及び隔壁2の内部における上記特定の範囲Aに、選択的に担持されている。そのため、隔壁2に捕集されたPMをそのPMが捕集されやすい領域に重点的に担持されたPM燃焼触媒5によって効率よく燃焼させることができる。
また、反応抑制層6は、隔壁2とPM燃焼触媒5との反応を抑制する必要がある領域、つまりPM燃焼触媒5が担持されている領域に担持されている。そして、隔壁2とPM燃焼触媒5との間に介在するように形成されている。そのため、高温下における隔壁2とPM燃焼触媒5との反応を反応抑制層6によって十分に抑制することができる。これにより、PM燃焼触媒5の熱耐久性を十分に確保することができる。
また、上述のごとく、PM燃焼触媒5及び反応抑制層6は、隔壁2の流入セル側の表面201及び隔壁2の内部における上記特定の範囲Aに、選択的に担持されている。そのため、PM燃焼触媒5及び反応抑制層6を隔壁2全体に担持していた従来に比べて、これらの担持量を大幅に低減することができる。これにより、PM燃焼触媒5及び反応抑制層6を担持したことによる圧力損失の増加を抑制することができる。つまり、従来に比べて圧力損失を低減することができる。
このように、本例によれば、触媒(PM燃焼触媒5)の熱耐久性を確保しながら、圧力損失を低減することができ、隔壁2に捕集されたパティキュレート(PM)を効率よく燃焼させることができる排ガス浄化フィルタ1を提供することができる。
(実施例2)
本例は、排ガス浄化フィルタの触媒の熱耐久性及び圧力損失について評価したものである。
本例では、PM燃焼触媒及び反応抑制層を担持した領域が異なる本発明の実施例にかかる排ガス浄化フィルタ(試験体E1〜E3)を準備し、さらに比較例としての排ガス浄化フィルタ(試験体C1〜C3)を準備した。そして、各試験体に対して触媒の熱耐久性及び圧力損失について評価を行った。
本例において準備した試験体E1〜E3、C1〜C3について説明する。
各試験体E1〜E3、C1〜C3には、直径30mm、長さ50mmのコージェライト製の排ガス浄化フィルタ(12mil、300cpsi)を用いた。隔壁の厚みDは、約305μmとした
また、各試験体E1〜E3、C1〜C3の基本的な構造は、実施例1の排ガス浄化フィルタ(図1参照)と同様である。
次に、本発明の実施例にかかる試験体E1〜E3について説明する。
試験体E1は、PM燃焼触媒及び反応抑制層を隔壁の流入セル側の表面及びその表面から厚み方向にD/5(約60μm)の距離までの範囲における隔壁の内部に担持したものである。
試験体E2は、PM燃焼触媒及び反応抑制層を隔壁の流入セル側の表面及びその表面から厚み方向にD/3(約100μm)の距離までの範囲における隔壁の内部に担持したものである。
試験体E3は、PM燃焼触媒及び反応抑制層を隔壁の流入セル側の表面及びその表面から厚み方向にD/2(約150μm)の距離までの範囲における隔壁の内部に担持したものである。
次に、試験体E1〜E3の製造方法について説明する。
試験体E1〜E3は、実施例1の排ガス浄化フィルタと同様の製造方法で製造した。
まず、隔壁と複数のセルとを有すると共に所定の位置に栓部を設けたハニカム構造体(図1参照)を準備し、そのハニカム構造体を0.5mol/Lの硝酸アルミニウム水溶液に所定の時間浸漬し、引き上げた後、エアブローによって余分な水分を吹き飛ばした。
次いで、ハニカム構造体の上流側から約300℃の熱風を所定の時間(試験体E1:5分間、試験体E2:3分間、試験体E3:1分間)供給し、隔壁の流入セル側の表面から順に隔壁内の水溶液を乾燥させた。そして、隔壁の流入セル側の表面及びその表面から厚み方向に所定の距離(試験体E1:約60μm、試験体E2:約100μm、試験体E3:約150μm)までの範囲に選択的に硝酸アルミニウムを析出させた。
次いで、ハニカム構造体を700℃、5時間の条件で焼成した。これにより、隔壁の所定の領域に酸化アルミニウムからなる反応抑制層を担持した。
次いで、アルカリ金属触媒をアルミナゾルに分散させた触媒スラリーを準備し、ハニカム構造体を蒸留水に含浸させ、隔壁に水分を含有させた状態とした。そして、ハニカム構造体を触媒スラリーに浸漬し、引き上げた後、ハニカム構造体の上流側から所定の流速(試験体E1:約10L/分、試験体E2:約15L/分、試験体E3:約25L/分)でエアブローによって余分な水分を吹き飛ばした。
次いで、ハニカム構造体を600℃、3時間の条件で焼成し、焼付け処理を行った。これにより、隔壁の所定の領域にアルカリ金属を含有するPM燃焼触媒を担持した。
以上により、試験体E1〜E3を得た。
次に、比較例としての試験体C1〜C3について説明する。
試験体C1は、PM燃焼触媒のみを隔壁全体に担持したものである。
試験体C2は、PM燃焼触媒のみを隔壁の流入セル側の表面及びその表面から厚み方向にD/3(約100μm)の距離までの範囲に選択的に担持したものである。
試験体C3は、PM燃焼触媒及び反応抑制層を隔壁全体に担持したものである。
次に、試験体C1の製造方法について説明する。
まず、アルカリ金属触媒をアルミナゾルに分散させた触媒スラリーを準備した。そして、ハニカム構造体を触媒スラリーに浸漬し、引き上げた後、ハニカム構造体の上流側からエアブローによって余分な水分を吹き飛ばした。
次いで、ハニカム構造体を600℃、3時間の条件で焼成し、焼付け処理を行った。これにより、隔壁全体にPM燃焼触媒を担持した。
以上により、試験体C1を得た。
次に、試験体C2の製造方法について説明する。
まず、アルカリ金属触媒をアルミナゾルに分散させた触媒スラリーを準備し、ハニカム構造体を蒸留水に含浸させ、隔壁に水分を含有させた状態とした。そして、ハニカム構造体を触媒スラリーに浸漬し、引き上げた後、ハニカム構造体の上流側からエアブローによって余分な水分を吹き飛ばした。
次いで、ハニカム構造体を600℃、3時間の条件で焼成し、焼付け処理を行った。これにより、隔壁の所定の領域にPM燃焼触媒を担持した。
以上により、試験体C2を得た。
次に、試験体C3の製造方法について説明する。
まず、ハニカム構造体を0.5mol/Lの硝酸アルミニウム水溶液に所定の時間浸漬し、引き上げた後、エアブローによって余分な水分を吹き飛ばした。
次いで、ハニカム構造体を150℃、60分間の条件で乾燥させ、さらに700℃、5時間の条件で焼成した。これにより、隔壁全体に酸化アルミニウムからなる反応抑制層を担持した。
次いで、アルカリ金属触媒をアルミナゾルに分散させた触媒スラリーを準備した。そして、ハニカム構造体を触媒スラリーに浸漬し、引き上げた後、ハニカム構造体の上流側からエアブローによって余分な水分を吹き飛ばした。
次いで、ハニカム構造体を600℃、3時間の条件で焼成して焼付け処理を行った。これにより、ハニカム構造体の隔壁全体にPM燃焼触媒を担持した。
以上により、試験体C3を得た。
次に、触媒の熱耐久性及び圧力損失の評価方法について説明する。
「触媒の熱耐久性」の評価については、まず、初期(耐久前)の試験体と750℃、20時間耐久後の試験体とを準備した。次いで、各試験体をディーゼルエンジンの排ガスに所定の時間曝露し、試験体の体積1L当たり7.0g程度のPMを堆積させた。そして、不活性雰囲気中で試験体を加熱し、500°に達した段階で空気を供給し、所定の時間保持することにより、堆積したPMを燃焼させた。その後、PM燃焼前後の試験体の質量から燃焼したPMの質量を算出し、これを燃焼させた時間で割ることによって単位時間当たりのPM燃焼速度を求めた。
「圧力損失」の評価については、試験体に流速40L/分で空気を流通させ、試験体の入口と出口との間(排ガス浄化フィルタの上流側と下流側との間)の差圧(圧力損失)を差圧計で計測した。
次に、触媒の熱耐久性及び圧力損失の評価結果を図4に示す。同図では、各試験体のPM燃焼速度を棒グラフで示し、差圧を●印で示してある。
同図からわかるように、試験体C1、C2は、PM燃焼触媒のみを担持しているため、差圧が小さいが、反応抑制層を担持していないため、耐久後のPM燃焼速度が非常に遅い。すなわち、圧力損失が小さいが、触媒の熱耐久性が非常に低い。
また、試験体C3は、隔壁全体にPM燃焼触媒及び反応抑制層を担持しているため、耐久後のPM燃焼速度が速いが、差圧が非常に大きい。すなわち、触媒の熱耐久性は十分に確保されているが、圧力損失が大きい。
一方、試験体E1〜E3は、耐久後のPM燃焼速度が試験体C3と同等又はそれ以上であり、差圧が試験体C3よりも小さい。これにより、試験体E1〜E3は、触媒の熱耐久性を十分に確保しながら、圧力損失を低減できることがわかる。
特に、試験体E2は、耐久後のPM燃焼速度が試験体C3よりも速く、差圧も試験体C3に比べて非常に小さく、試験体C1と同等である。
また、試験体E1は、差圧が試験体C3に比べて非常に小さく、試験体C2と同等であるが、耐久後のPM燃焼速度が試験体C3と同等である。
以上の結果より、本発明の実施例にかかる排ガス浄化フィルタは、触媒(PM燃焼触媒)の熱耐久性を確保しながら、圧力損失を低減することができ、隔壁に捕集されたパティキュレート(PM)を効率よく燃焼させることができるものであることがわかった。
また、触媒の熱耐久性の確保と圧力損失の低減とのバランスを考えると、PM燃焼触媒及び反応抑制層は、隔壁の流入セル側の表面及びその表面から厚み方向にD/3(D:隔壁の厚み)の距離までの範囲に選択的に担持されていることが好ましいことがわかった。
また、隔壁に捕集されたPMを十分に燃焼させることを考えると、PM燃焼触媒及び反応抑制層は、少なくとも、隔壁の流入セル側の表面及びその表面から厚み方向にD/5の距離までの範囲に担持されていることが必要であることがわかった。
1 排ガス浄化フィルタ
2 隔壁
201 表面(流入セル側の表面)
3 セル
31 流入セル
312 端部(下流側の端部)
32 排出セル
321 端部(上流側の端部)
4 栓部
5 PM燃焼触媒
6 反応抑制層
G 排ガス
X1 上流側
X2 下流側

Claims (4)

  1. 格子状に配設された多孔質の隔壁と、該隔壁に囲まれて軸方向に形成された複数のセルとを有し、該セルのうち、排ガスが流入する流入セルの下流側の端部と排ガスを排出する排出セルの上流側の端部とが栓部により閉塞された排ガス浄化フィルタにおいて、
    上記隔壁には、アルカリ金属を含有するPM燃焼触媒と、上記隔壁と上記PM燃焼触媒との間に形成され、両者の反応を抑制する反応抑制層とが担持されており、
    上記PM燃焼触媒及び上記反応抑制層は、上記隔壁の厚みをDとした場合、上記隔壁の流入セル側の表面及び該表面から厚み方向にD/2以下の距離までの範囲における上記隔壁の内部に、選択的に担持されていることを特徴とする排ガス浄化フィルタ。
  2. 請求項1に記載の排ガス浄化フィルタにおいて、上記PM燃焼触媒及び上記反応抑制層は、上記隔壁の流入セル側の表面及び該表面から厚み方向にD/3以下の距離までの範囲における上記隔壁の内部に、選択的に担持されていることを特徴とする排ガス浄化フィルタ。
  3. 請求項1又は2に記載の排ガス浄化フィルタにおいて、上記PM燃焼触媒は、Na、K、Cs及びRbから選ばれる一種以上を含有することを特徴とする排ガス浄化フィルタ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の排ガス浄化フィルタにおいて、上記反応抑制層は、Al、Zr及びLaから選ばれる一種以上を含有することを特徴とする排ガス浄化フィルタ。
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