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JP2010269205A - 排ガス浄化用触媒 - Google Patents

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Yukari Ishida
ゆかり 石田
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Abstract

【課題】ディーゼルパティキュレートフィルタの圧損の上昇を抑制するとともに、HCやCOの浄化能力を強化して、耐久性を向上させる。
【解決手段】排ガス下流側で目詰めされた流入側セルと、流入側セルに隣接し排ガス上流側で目詰めされた流出側セルと、流入側セルと流出側セルを区画する多孔質のセル隔壁とを有するウォールフロー構造のフィルタ基材で、流入側セル10の排ガス入側端面から下流側へ全長未満の長さの範囲に入側触媒層2を形成し、流出側セル11の排ガス出側端面から上流側へ全長未満の長さの範囲に出側触媒層3を形成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、フィルタ基材のセル隔壁に触媒層を形成してなり、ディーゼルエンジンなどからの排ガスを浄化する排ガス浄化用触媒に関する。
ガソリンエンジンについては、排ガスの厳しい規制とそれに対処できる技術の進歩とにより、排ガス中の有害成分は確実に減少している。一方、ディーゼルエンジンについては、有害成分がPM(炭素微粒子、サルフェート等の硫黄系微粒子、高分子量炭化水素微粒子( SOF)等)として排出されるという特異な事情から、ガソリンエンジンの場合より排ガスの浄化が難しい。
そこで従来より、セラミック製の目封じタイプのハニカム体(ディーゼルパティキュレートフィルタ(以下 DPFという))が知られている。この DPFは、セラミックハニカム構造体のセルの開口部の両端を例えば交互に市松状に目封じしてなるものであり、排ガス下流側で目詰めされた流入側セルと、流入側セルに隣接し排ガス上流側で目詰めされた流出側セルと、流入側セルと流出側セルを区画するセル隔壁とよりなり、セル隔壁の細孔で排ガスを濾過してPMを捕集する。
しかし DPFでは、PMの堆積によって圧力損失(以下、圧損という)が上昇するため、何らかの手段で堆積したPM(主にスート)を定期的に除去して再生する必要がある。そこで従来は、圧損が上昇した場合に高温の排ガスを流してPMを燃焼させることで DPFを再生すること(強制再生)が行われている。例えば DPFの上流側に酸化触媒を配置し、HCやCOの多い排ガスを供給して酸化触媒における反応熱で排ガス温度を上昇させ、その高温の排ガスを DPFに供給することで堆積したPMを酸化する強制再生方法が知られている。しかしながらこの場合には、PMの堆積量が多いと加速度的な燃焼が生じ、時には熱暴走が生じて DPFの中心部や下流側端部に熱損傷が生じる場合がある。
そこで近年では、例えば特公平07−106290号公報に記載されているように、 DPFのセル隔壁の表面にアルミナなどからコート層を形成し、そのコート層に白金(Pt)などの触媒金属を担持したフィルタ触媒が開発されている。このフィルタ触媒によれば、捕集されたPMが触媒金属の触媒反応によって酸化燃焼するため、捕集と同時にあるいは捕集に連続して燃焼させることでフィルタ触媒を連続的に再生することができる。そして触媒反応は比較的低温で生じること、及び捕集量が少ないうちに燃焼できることから、フィルタ触媒に作用する熱応力が小さく破損が防止されるという利点がある。
しかしながらフィルタ触媒でも、使用条件によってはPMの堆積が多くなり強制再生する必要が生じる場合がある。例えば触媒金属としてPtを担持したフィルタ触媒を強制再生する場合には、排ガス温度をおよそ 600℃以上の高温とする必要がある。ところが流入側セルと流出側セルの両方で全長に亘ってセル隔壁に触媒層を形成した従来のフィルタ触媒にあっては、強制再生時の反応熱によって流出側セルにおける排ガス温度が特に高くなり、強制再生を繰り返すと触媒金属が粒成長劣化するという不具合があった。またフィルタ隔壁にアッシュが残り、アッシュが触媒金属とPMとの間に介在すると触媒金属によるPMの酸化が困難になるという不具合もあった。さらに触媒層とアッシュによって圧損が上昇するという問題もあった。
そこで特開2003−154223号公報には、流入側セルのセル隔壁の触媒層を入側端面から全長より短い範囲に形成したフィルタ触媒が提案されている。このフィルタ触媒によれば、流出側セルには触媒層が形成されていないので、強制再生時における触媒金属の粒成長劣化を抑制することができる。そして流入側セルの下流側には触媒層が形成されていないので、下流側におけるガス透過性が妨げられるのが抑制され、圧損の上昇を抑制することができる。
特公平07−106290号公報 特開2003−154223号公報
ところが特許文献2に記載のフィルタ触媒では、流出側セルには触媒層が形成されていないので、HCやCOの浄化が不十分であるという不具合があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、圧損の上昇を抑制するとともに、浄化性能を向上させることを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する本発明の排ガス浄化用触媒の特徴は、排ガス下流側で目詰めされた流入側セルと、流入側セルに隣接し排ガス上流側で目詰めされた流出側セルと、流入側セルと流出側セルを区画する多孔質のセル隔壁とを有するウォールフロー構造のフィルタ基材と、
流入側セルのセル隔壁表面に排ガス入側端面から下流側へフィルタ基材全長未満の長さの範囲に形成され多孔質酸化物担体に貴金属を担持してなる入側触媒層と、流出側セルのセル隔壁表面に排ガス出側端面から上流側へフィルタ基材全長未満の長さの範囲に形成され多孔質酸化物担体に貴金属を担持してなる出側触媒層と、からなることにある。
入側触媒層は、排ガス入側端面から下流側へフィルタ基材全長の1/6〜1/2の範囲に形成されていることが望ましい。また出側触媒層は、排ガス出側端面から上流側へ前記フィルタ基材全長の1/6〜1/2の範囲に形成されていることが望ましい。
さらに入側触媒層には少なくともPtが担持され、出側触媒層には少なくともPdが担持されていることが望ましい。
本発明の排ガス浄化用触媒によれば、流入側セルの目詰め部分から上流側へ所定長さの範囲に触媒層が形成されていないセル隔壁が表出している。流入側セルの目詰め部近傍の部位は、アッシュが堆積し易い部位であるが、その部位に触媒層を形成していないのでアッシュによって貴金属とPMとの接触が損なわれるような不具合が回避される。したがって貴金属を有効に利用することができ、貴金属担持量を低減しても従来と同様の浄化性能を確保できるので、コストの低減を図ることができる。そして流入側セルと流出側セルの両方に一部に触媒層をもたないセル隔壁が表出しているので、初期圧損を低くすることができ圧損の上昇も抑制される。
また本発明の排ガス浄化用触媒によれば、流出側セルの排ガス出側端面から上流側へ所定長さの範囲に出側触媒層が形成されている。流出側セルの排ガス出側端面近傍は、堆積したPMが燃焼する際の熱を受けにくいため、貴金属の劣化を抑制できる。そして排ガス中に燃料などの液体還元剤を添加して酸化触媒で燃焼させ、それによって温度が上昇した排ガスをフィルタ触媒へ流入させる強制再生時には、多量のHC、COが流入して入側触媒層では酸化しきれないHC及びCOがセル隔壁をすり抜ける場合がある。しかしそのようなすり抜けHCなどは出側触媒層で酸化することができるので、強制再生時のエミッションが低減される。
さらに出側触媒層に少なくともPdを担持すれば、Pdは高濃度のHCを酸化する能力が高いので、強制再生時のすり抜けHCを効率良く酸化できるとともに、排ガス中のSOx の一部は流入側セルにアッシュとして捕捉されるので、PdのSOx 被毒を抑制でき耐久性が向上する。
本発明の一実施例に係る排ガス浄化用触媒の模式的な断面図である。 本発明の第2の実施例に係る排ガス浄化用触媒の模式的な断面図である。 本発明の第3の実施例に係る排ガス浄化用触媒の模式的な断面図である。 本発明の比較例1に係る排ガス浄化用触媒の模式的な断面図である。 本発明の比較例2に係る排ガス浄化用触媒の模式的な断面図である。 本発明の比較例3に係る排ガス浄化用触媒の模式的な断面図である。
本発明の排ガス浄化用触媒は、フィルタ基材と、フィルタ基材のセル隔壁に形成された触媒層とからなる。このうちフィルタ基材は、排ガス下流側で目詰めされた流入側セルと、流入側セルに隣接し排ガス上流側で目詰めされた流出側セルと、流入側セルと流出側セルを区画し多数の細孔を有する多孔質のセル隔壁とをもつ従来の DPFと同様のウォールフロー構造のものである。フィルタ基材は、コージェライト、炭化ケイ素などの耐熱性セラミックスから製造されたものを用いることができる。
フィルタ基材を製造するには、例えばコージェライト粉末を主成分とする粘土状のスラリーを調製し、それを押出成形などで成形し、焼成する。コージェエライト粉末に代えて、アルミナ、マグネシア及びシリカの各粉末をコージェライト組成となるように配合することもできる。その後、一端面のセル開口を同様の粘土状のスラリーなどで市松状などに目封じし、他端面では一端面で目封じされたセルに隣接するセルのセル開口を目封じする。その後焼成などで目封じ材を固定することでハニカム構造のフィルタ基材を製造することができる。流入側セル及び流出側セルの形状は、断面三角形、断面四角形、断面六角形、断面円形など、特に制限されない。
セル隔壁は、排ガスが通過可能な多孔質構造である。セル隔壁に細孔を形成するには、上記したスラリー中にカーボン粉末、木粉、澱粉、樹脂粉末などの可燃物粉末などを混合しておき、可燃物粉末が焼成時に消失することで細孔を形成することができ、可燃物粉末の粒径及び添加量を調整することで細孔の径と細孔容積を制御することができる。この細孔により流入側セルと流出側セルは互いに連通し、PMは細孔内に捕集されるが気体は流入側セルから流出側セルへと細孔を通過可能となる。
セル隔壁の気孔率は、40〜70%であることが望ましく、平均細孔径が10〜40μmであることが望ましい。気孔率及び平均細孔径がこの範囲にあることで、触媒層を 100〜 200g/L形成しても圧損の上昇を抑制することができ、強度の低下もさらに抑制することができる。そしてPMをさらに効率よく捕集することができる。
流入側セルのセル隔壁表面には、多孔質酸化物担体に貴金属を担持してなる入側触媒層が形成されている。この入側触媒層は、排ガス入側端面から下流側へフィルタ基材全長未満の長さの範囲に形成され、流入側セルの最下流に存在する目詰め部から上流側へ所定長さの範囲には入側触媒層が形成されておらずセル隔壁が表出している。入側触媒層はセル隔壁の表面に形成されているが、一部はセル隔壁の細孔の内表面にまで形成されていてもよい。ここでフィルタ基材全長とは、排ガス入側端面から排ガス出側端面側における流入側セルの目詰め部までの長さをいう。
入側触媒層は、排ガス入側端面から下流側へフィルタ基材全長の1/6〜1/2の範囲に形成されていることが望ましい。排ガス入側端面から下流側へフィルタ基材全長の1/6未満の範囲に形成した場合には、圧損は低減できるものの、HCやCOを浄化するのに必要な量の貴金属と排ガスとの接触面積が少なく十分な浄化性能が得られない。またフィルタ基材全長の1/2を超えて形成すると、圧損が上昇するとともにアッシュによって貴金属とPMとの接触が阻害されるためPMの浄化性能が低下するようになる。
流出側セルのセル隔壁表面には、多孔質酸化物担体に貴金属を担持してなる出側触媒層が形成されている。この出側触媒層は、排ガス出側端面から上流側へフィルタ基材全長未満の長さの範囲に形成され、流出側セルの最上流に存在する目詰め部から下流側へ所定長さの範囲には出側触媒層が形成されておらずセル隔壁が表出している。出側触媒層はセル隔壁の表面に形成されているが、一部はセル隔壁の細孔の内表面にまで形成されていてもよい。またフィルタ基材全長とは、排ガス出側端面から排ガス入側端面側における流出側セルの目詰め部までの長さをいう。
出側触媒層は、排ガス出側端面から上流側へフィルタ基材全長の1/6〜1/2の範囲に形成されていることが望ましい。排ガス出側端面から上流側へフィルタ基材全長の1/6未満の範囲に形成した場合には、触媒層を形成した効果が奏されにくい。またフィルタ基材全長の1/2を超えて形成すると、圧損が上昇するとともに、出側触媒層に担持されているPdなどの貴金属がSOx 被毒によって劣化し易くなる。
入側触媒層及び出側触媒層を構成する多孔質酸化物担体としては、アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリア、あるいはこれらから選ばれる複数種からなる複合酸化物の一種又は混合物などから選ばれる多孔質酸化物を用いることができる。入側触媒層と出側触媒層とで異なる酸化物種を用いてもよいし、同一の酸化物種を用いてもよい。
入側触媒層及び出側触媒層に担持されている貴金属としては、Pt、Rh、Pdなどが例示される。貴金属に加えてSr、La、Pr、Ndなどの卑金属、Ba、K、LiなどのNOx 吸蔵材などを担持することもできる。
入側触媒層には少なくともPtを担持し、出側触媒層には少なくともPdを担持することが望ましい。入側触媒層に酸化活性の高いPtを担持することで比較的低温域からHC、COを酸化浄化でき、その反応熱とNOが酸化して生成した酸化活性の高いNO2 によってPMも燃焼することができるので、強制再生までの時間を長くすることができる。また出側触媒層にPdを担持することで高濃度のHCを酸化することができ、強制再生時における浄化性能が向上する。またSOx の一部は流入側セルにアッシュとして捕捉されるため、出側触媒層に担持されたPdの被毒劣化が抑制され耐久性が向上する。
入側触媒層及び出側触媒層は、フィルタ基材1リットルあたりそれぞれ10〜 200g形成することができる。10g/L未満では多孔質酸化物に対する貴金属量が多くなるため貴金属の担持密度が高くなって粒成長劣化が生じ易くなり、 200g/Lを超えて形成すると圧損が上昇するため好ましくない。
また入側触媒層及び出側触媒層における貴金属の担持量は、フィルタ基材1リットルあたりそれぞれ 0.1〜10gとするのがよい。担持量がこの範囲より少ないと浄化性能が不十分となり、この範囲より多く担持しても浄化活性が飽和するとともにコストアップとなる。
図1に本実施例に係る排ガス浄化用触媒の模式的な断面図を示す。この排ガス浄化用触媒は、コージェライト製のフィルタ基材1を基材としている。フィルタ基材1は、排ガス下流側で目詰めされた流入側セル10と、流入側セル10に隣接し排ガス上流側で目詰めされた流出側セル11と、流入側セル10と流出側セル11を区画する多孔質のセル隔壁12とを有するウォールフロー構造のものである。
流入側セル10のセル隔壁12表面には、排ガス入側端面から下流側へフィルタ基材1の全長の1/2の範囲に入側触媒層2が形成され、入側触媒層2の下流側端部から流入側セル10の目詰め部 100までの範囲の流入側セル10にはセル隔壁12の表面が露出している。また流出側セル11のセル隔壁12表面には、排ガス出側端面から上流側へフィルタ基材1の全長の1/2の範囲に出側触媒層3が形成され、出側触媒層3の上流側端部から流出側セル11の目詰め部 110までの範囲の流出側セル11にはセル隔壁12の表面が露出している。
以下、この排ガス浄化用触媒の製造方法を説明し、構成の詳細な説明に代える。
先ずアルミナの水性スラリーを調製後、このスラリーにフィルタ基材1(全長 150mm、直径 130mm、 200セル/inch2 、見掛け体積2リットル)を排ガス入側端面から全長の1/2の範囲を浸漬し、引き上げて 120℃で乾燥後 500℃で焼成して、流入側セル10のセル隔壁12表面に入側コート層を形成した。入側コート層は、フィルタ基材1の1リットルあたり25g形成された。次いで上記と同様のスラリーに、入側コート層が形成されたフィルタ基材1の排ガス出側端面から全長の1/2(75mm)の範囲を浸漬し、引き上げて 120℃で乾燥後 500℃で焼成して、流出側セル11のセル隔壁12表面に出側コート層を形成した。出側コート層は、フィルタ基材1の1リットルあたり25g形成された。
続いて排ガス入側端面から全長の1/2(75mm)の範囲に、所定濃度のジニトロジアンミン白金硝酸水溶液の所定量を含浸させ、 120℃で乾燥後 500℃で焼成して入側コート層にPtを担持して入側触媒層2を形成した。Ptの担持量は、触媒1個あたり1gである。さらに排ガス出側端面から全長の1/2の範囲に、所定濃度の硝酸パラジウム水溶液の所定量を含浸させ、 120℃で乾燥後 500℃で焼成して出側コート層にPdを担持して出側触媒層3を形成した。Pdの担持量は触媒1個あたり1gである。すなわち触媒1個あたりの貴金属の合計担持量は2gである。
図2に本実施例に係る排ガス浄化用触媒の模式的な断面図を示す。この排ガス浄化用触媒は、実施例1と同様のフィルタ基材1を用い、入側触媒層2が排ガス入側端面から下流側へフィルタ基材1の全長の1/6(25mm)の範囲に形成されていること以外は実施例1と同様に形成されている。
入側コート層はフィルタ基材1の1リットルあたり25g形成され、入側触媒層2には触媒1個あたり1gのPtが担持されている。すなわち触媒1個あたりの貴金属の合計担持量は、実施例1と同様の2gである。
図3に本実施例に係る排ガス浄化用触媒の模式的な断面図を示す。この排ガス浄化用触媒は、実施例1と同様のフィルタ基材1を用い、入側触媒層2が排ガス入側端面から下流側へフィルタ基材1の全長の1/6(25mm)の範囲に形成されていること、出側触媒層3が排ガス出側端面から上流側へフィルタ基材1の全長の1/6(25mm)の範囲に形成されていること以外は実施例1と同様に形成されている。
入側コート層及び出側コート層はそれぞれフィルタ基材1の1リットルあたり25g形成され、入側触媒層2には触媒1個あたり1gのPtが担持され、出側触媒層3には触媒1個あたり1gのPdが担持されている。すなわち触媒1個あたりの貴金属の合計担持量は、実施例1と同様の2gである。
(比較例1)
図4に本比較例に係る排ガス浄化用触媒の模式的な断面図を示す。この排ガス浄化用触媒は、実施例1と同様のフィルタ基材1を用い、入側触媒層2が排ガス入側端面からフィルタ基材1の全長に形成されていること、出側触媒層3が排ガス出側端面からフィルタ基材1の全長に形成されていること以外は実施例1と同様に形成されている。
入側コート層及び出側コート層はそれぞれフィルタ基材1の1リットルあたり50g形成され、入側触媒層2には触媒1個あたり1gのPtが担持され、出側触媒層3には触媒1個あたり1gのPdが担持されている。すなわち触媒1個あたりの貴金属の合計担持量は、実施例1と同様の2gである。
(比較例2)
図5に本比較例に係る排ガス浄化用触媒の模式的な断面図を示す。この排ガス浄化用触媒は、実施例1と同様のフィルタ基材1を用い、入側触媒層2が排ガス入側端面から下流側へフィルタ基材1の全長の1/2(75mm)の範囲に形成されていること、流出側セル11には出側コート層及び出側触媒層が形成されていないこと以外は実施例1と同様に形成されている。
入側コート層はフィルタ基材1の1リットルあたり50g形成され、入側触媒層2には触媒1個あたり2gのPtが担持されている。すなわち触媒1個あたりの貴金属の合計担持量は、実施例1と同様の2gである。
(比較例3)
図6に本比較例に係る排ガス浄化用触媒の模式的な断面図を示す。この排ガス浄化用触媒は、実施例1と同様のフィルタ基材1を用い、同一の触媒層4が流入側セル10と流出側セル11の全長に形成されていること以外は実施例1と同様に形成されている。
触媒層4はフィルタ基材1の1リットルあたり50g形成され、触媒1個あたり1gのPtと触媒1個あたり1gのPdが担持されている。すなわち触媒1個あたりの貴金属の合計担持量は、実施例1と同様の2gである。
(試験例)
各実施例及び各比較例の排ガス浄化用触媒の構造を表1にまとめて示す。
Figure 2010269205
各実施例及び各比較例の排ガス浄化用触媒について、定常運転と強制再生とを繰り返す耐久試験を行い、その後の浄化性能と圧損を評価した。
試験方法は、ストレートフロー構造の酸化触媒の排ガス下流側に各排ガス浄化用触媒を配置した触媒コンバータをディーゼルエンジンの排気管に装着し、定常運転で各排ガス浄化用触媒に10gのPMを堆積させた。次いで酸化触媒への入りガス温度が 300℃になる条件で5分間運転し、酸化触媒の上流側に軽油を2g/分の添加量で添加しながら5分間運転した。このサイクルを 100サイクル実施した後、11モード走行時のHCとCOの浄化率を測定した。また室温にて空気を5m3/分の流量で供給し、圧損を測定した。これらの結果を表2に示す。
なお酸化触媒としては、ストレートフロー構造のコージェライト製ハニカム基材(直径 130mm、 400セル/inch2 、見掛け体積1リットル)にアルミナコート層をハニカム基材の1リットルあたり 150gコートし、アルミナコート層にハニカム基材の1リットルあたり2gのPtを担持したものを用いた。
Figure 2010269205
各実施例の排ガス浄化用触媒は、いずれも比較例1に対し高い浄化率を示している。比較例1の触媒が耐久試験後の浄化性能に劣る理由は、入側触媒層を全長に形成しているために、 100サイクルの耐久試験時に流入側セルの下流側にアッシュが堆積し、その付近に担持されている貴金属と排ガスとの接触が妨げられたことによるものである。
各実施例の排ガス浄化用触媒は、いずれも比較例2に対し高い浄化率を示している。比較例2の触媒が耐久試験後の浄化性能に劣る理由は、出側触媒層を形成しておらず、流出側セルに貴金属が担持されていないことによるものである。
また比較例1と比較例3とを比較すると、比較例1の方が浄化率が高い。比較例1の触媒は出側触媒層にPdを担持しているのに対し、比較例3の触媒では入側触媒層と出側触媒層とにPdを分けて担持している。排ガス中の硫黄成分によってPdが被毒されることがわかっているが、硫黄成分は一部が硫酸カルシウムとして流入側セルに捕捉されるため、出側触媒層にPdの全量を担持した比較例1の方が被毒されるPdが少なくなり浄化率が高くなったと考えられる。
そして表2から、各実施例の触媒は高い浄化率と低い圧損とが両立していることがわかり、これは特許請求の範囲に記載した構成としたことによる効果であることが明らかである。
本発明の排ガス浄化用触媒は、ディーゼルエンジンからの排ガスの浄化に用いられる他、ボイラーなどからの排ガスの浄化にも用いることができる。
1:フィルタ基材
2:入側触媒層
3:出側触媒層
10:流入側セル
11:流出側セル
12:セル隔壁
100、110:目詰め部

Claims (4)

  1. 排ガス下流側で目詰めされた流入側セルと、該流入側セルに隣接し排ガス上流側で目詰めされた流出側セルと、該流入側セルと該流出側セルを区画する多孔質のセル隔壁とを有するウォールフロー構造のフィルタ基材と、
    該流入側セルの該セル隔壁表面に排ガス入側端面から下流側へ該フィルタ基材全長未満の長さの範囲に形成され多孔質酸化物担体に貴金属を担持してなる入側触媒層と、
    該流出側セルの該セル隔壁表面に排ガス出側端面から上流側へ該フィルタ基材全長未満の長さの範囲に形成され多孔質酸化物担体に貴金属を担持してなる出側触媒層と、からなることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  2. 前記入側触媒層は排ガス入側端面から下流側へ前記フィルタ基材全長の1/6〜1/2の範囲に形成されている請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
  3. 前記出側触媒層は排ガス出側端面から上流側へ前記フィルタ基材全長の1/6〜1/2の範囲に形成されている請求項1又は請求項2に記載の排ガス浄化用触媒。
  4. 前記入側触媒層には少なくともPtが担持され、前記出側触媒層には少なくともPdが担持されている請求項1〜3のいずれかに記載の排ガス浄化用触媒。
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