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JP2012224215A - ハイブリッド車 - Google Patents

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JP2012224215A JP2011093685A JP2011093685A JP2012224215A JP 2012224215 A JP2012224215 A JP 2012224215A JP 2011093685 A JP2011093685 A JP 2011093685A JP 2011093685 A JP2011093685 A JP 2011093685A JP 2012224215 A JP2012224215 A JP 2012224215A
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Abstract

【課題】二酸化炭素の排出量を増加させたり燃費を悪化させたりすることなく二次電池の蓄電割合を増加させる。
【解決手段】バッテリの蓄電割合SOCの回復指令がなされたとき(S120)、走行用パワーPdrvが閾値Pth以上(駆動パワー)の場合には(S140)、走行用パワーPdrvをエンジン要求パワーPe*に設定しエンジン要求パワーPe*がエンジン22から出力されると共にバッテリの入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動軸に出力されるようエンジンとモータMG1とモータMG2とを制御し(S150,S160)、走行用パワーPdrvが閾値Pth未満(制動パワー)の場合には、要求トルクTr*(制動トルク)のすべてがモータMG2から出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定してモータMG2を制御する(S170)。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関と、発電可能な走行用の電動機と、該電動機と電力のやり取りが可能な二次電池と、走行に要求される走行用パワーを設定する走行用パワー設定手段と、前記内燃機関を運転して走行する機関運転モードと前記電動機からの動力だけで走行する電動走行モードとの切り替えを伴って前記設定された走行用パワーにより走行するよう前記内燃機関と前記電動機とを制御する制御手段とを備えるハイブリッド車に関する。
従来、この種のハイブリッド車としては、トランスミッションを介して駆動軸に動力を出力するエンジンと、駆動軸に動力を出力するモータと、モータと電力をやり取りするバッテリとを備え、モータからの動力のみによって走行するモータ走行とエンジンからの動力とモータからの動力とを併用して走行するハイブリッド走行とエンジンからの動力のみによって走行するエンジン走行とが可能なものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド車では、バッテリの残存容量が第1の設定量以上のときにはモータ走行により走行し、バッテリの残存容量が第1の設定量未満で第1の設定量よりも小さい第2の設定量以上のときにはハイブリッド走行により走行し、バッテリの残存容量が第2の設定量未満のときにはエンジン走行により走行している。
特開2007−269249号公報
こうしたハイブリッド車では、エンジンから走行に要求される走行用パワーよりも大きなパワーを出力すると共にエンジンから出力したパワーの余剰分をモータで発電することにより走行用パワーにより走行しながらバッテリを充電することもできる。しかしながら、エンジンはバッテリを充電するための余剰のパワーを出力する必要から、エンジンの燃焼に伴って二酸化炭素の排出量が増加したり燃費が悪化したりする場合が生じる。
本発明のハイブリッド車は、二酸化炭素の排出量を増加させたり燃費を悪化させたりすることなく二次電池の蓄電割合を増加させることを主目的とする。
本発明のハイブリッド車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のハイブリッド車は、
内燃機関と、発電可能な走行用の電動機と、該電動機と電力のやり取りが可能な二次電池と、走行に要求される走行用パワーを設定する走行用パワー設定手段と、前記内燃機関を運転して走行する機関運転モードと前記電動機からの動力だけで走行する電動走行モードとの切り替えを伴って前記設定された走行用パワーにより走行するよう前記内燃機関と前記電動機とを制御する制御手段とを備えるハイブリッド車において、
前記制御手段は、前記二次電池の蓄電割合の増加要求がなされたとき、前記設定された走行用パワーが駆動パワーの場合には該駆動パワーを前記内燃機関だけから出力して該走行用パワーにより走行するよう該内燃機関と前記電動機とを制御し、前記設定された走行用パワーが制動パワーの場合には該制動パワーを前記電動機から出力して該走行用パワーにより走行するよう前記内燃機関と該電動機とを制御する手段である
ことを要旨とする。
この本発明のハイブリッド車では、二次電池の蓄電割合の増加要求がなされたとき、設定された走行用パワーが駆動パワーの場合には駆動パワーを内燃機関だけから出力して走行用パワーにより走行するよう内燃機関と電動機とを制御し、設定された走行用パワーが制動パワーの場合には制動パワーを電動機から出力して走行用パワーにより走行するよう内燃機関と電動機とを制御する。これにより、駆動パワーで走行する際には二次電池の放電を抑制し、制動パワーで走行する際には電動機の回生制御により二次電池を充電させることができる。この結果、二次電池を充電させるために内燃機関から余剰パワーを出力することがないため、二酸化炭素の排出量を増加させたり燃費を悪化させたりすることなく二次電池の蓄電割合の増加させることができる。
こうした本発明のハイブリッド車において、前記制御手段は、前記二次電池の蓄電割合の増加要求がなされていないときには前記設定された走行用パワーから前記二次電池に要求される充放電要求パワーを減じたパワーが前記内燃機関から出力されると共に該走行用パワーにより走行するよう該内燃機関と前記電動機とを制御し、前記二次電池の蓄電割合の増加要求がなされ且つ前記設定された走行用パワーが駆動パワーの場合には前記設定された走行用パワーが前記内燃機関から出力されると共に該走行用パワーにより走行するよう該内燃機関と前記電動機とを制御する手段であるものとすることもできる。なお、「充放電要求パワー」は、放電側を正とし、充電側を負として用いている。したがって、二次電池の蓄電割合の増加要求がなされていないときに二次電池を充電する際には、内燃機関からは走行用パワーよりも大きなパワーが出力されることになる。
また、本発明のハイブリッド車において、前記制御手段は、前記二次電池の蓄電割合の増加要求がなされたとき、前記設定された走行用パワーが駆動パワーの場合には前記二次電池の状態に基づいて該二次電池が放電してもよい電力の最大値としての許容最大放電電力を設定すると共に該設定した許容最大放電電力の範囲内で前記電動機を制御し、前記設定された走行用パワーが制動パワーの場合には前記二次電池の状態に拘わらず前記許容最大放電電力に値0を設定すると共に該設定した許容最大放電電力の範囲内で前記電動機を制御する手段であるものとすることもできる。
さらに、本発明のハイブリッド車において、前記制御手段は、前記二次電池の蓄電割合の増加要求がなされたとき、前記設定された走行用パワーが駆動パワーの場合には前記電動走行モードによる走行を禁止し、前記設定された走行用パワーが制動パワーの場合には前記電動走行モードによる走行を許可する手段であるものとすることもできる。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 EVECU70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 走行中に蓄電割合SOCの回復指令がなされているときの車速Vと要求パワーP*と蓄電割合SOCの時間変化の様子を示す説明図である。 変形例の駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変形例の駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車320の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車420の構成の概略を示す構成図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、ガソリンや軽油などを燃料とするエンジン22と、例えばクランクシャフトの回転位置を検出するクランクポジションセンサなどの各種センサからの信号を入力してエンジン22を駆動制御するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという。)24と、エンジン22のクランクシャフト26にキャリアが接続されると共に駆動輪38a,38bにデファレンシャルギヤ37を介して連結された駆動軸36にリングギヤが接続されたプラネタリギヤ30と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されたモータMG1と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子が駆動軸36に接続されたモータMG2と、モータMG1,MG2を駆動するためのインバータ41,42と、モータMG1,MG2を駆動制御するモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという。)40と、インバータ41,42を介してモータMG1,MG2と電力をやりとりするバッテリ50と、バッテリ50を管理するバッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52と、車両全体を制御するハイブリッド用電子制御ユニット(以下、HVECUという。)70と、を備える。
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力ポートを介して入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子をスイッチングするためのスイッチング制御信号が出力ポートを介して出力されている。また、モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2を演算している。
バッテリECU52は、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ラインに取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりHVECU70に送信する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいてそのときのバッテリ50から放電可能な電力の容量の全容量に対する割合である蓄電割合SOCを演算したり、演算した蓄電割合SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算したりしている。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の蓄電割合SOCに基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。
HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。HVECU70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。HVECU70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を計算し、この要求トルクTr*に対応する要求動力が駆動軸36に出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とを運転制御するハイブリッド制御(HV制御)を実行する。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてがプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されて駆動軸36に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部がプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力が駆動軸36に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力を駆動軸36に出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。なお、トルク変換運転モードと充放電運転モードとは、いずれもエンジン22の運転を伴って要求動力が駆動力36に出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するモードであり、実質的な制御における差異はないため、以下、両者を合わせてエンジン運転モードとも呼ぶ。
エンジン運転モードでは、HVECU70は、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accと車速センサ88からの車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を設定し、設定した要求トルクTr*に駆動軸36の回転数Nr(例えば、モータMG2の回転数Nm2や車速Vに換算係数を乗じて得られる回転数)を乗じたものに損失Lossを加えて走行に要求される走行用パワーPdrvを計算すると共に計算した走行用パワーPdrvからバッテリ50の蓄電割合SOCに基づいて得られるバッテリ50の充放電要求パワーPb*(バッテリ50から放電するときが正の値)を減じてエンジン22から出力すべきパワーとしての要求パワーPe*を設定する。そして、要求パワーPe*を効率よくエンジン22から出力することができるエンジン22の回転数NeとトルクTeとの関係としての動作ライン(例えば燃費最適動作ライン)を用いてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定し、エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*となるようにするための回転数フィードバック制御によりモータMG1から出力すべきトルクとしてのトルク指令Tm1*を設定すると共にモータMG1をトルク指令Tm1*で駆動したときにプラネタリギヤ30を介して駆動軸36に作用するトルクを要求トルクTr*から減じてモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮トルクTm2tmpを設定し、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと設定したトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との差分をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm2min,Tm2maxを計算し、設定した仮トルクTm2tmpをトルク制限Tm2min,Tm2maxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する。そして、設定した目標回転数Ne*と目標トルクTe*とについてはエンジンECU24に送信し、トルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40に送信する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによってエンジン22が運転されるようエンジン22の吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などを行ない、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
モータ運転モードでは、HVECU70は、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定する共にモータMG2の仮トルクTm2tmpに要求トルクTr*を設定し、バッテリ50の入出力制限Win,Woutに基づいて前述したモータMG2のトルク制限Tm2min,Tm2maxを計算し、設定した仮トルクTm2tmpをトルク制限Tm2min,Tm2maxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し、設定したトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する。そして、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
実施例のハイブリッド自動車20は、モータ運転モードで運転している最中に、運転者のアクセルペダル83の踏み込みによりバッテリ50からの電力だけでは走行用パワーPdrvを賄うことができないときや、バッテリ50の蓄電割合SOCがエンジン運転モードに切り替えるために予め定められた閾値以下になったとき、その他、車両の状態がエンジン運転モードに切り替えるために予め定められた状態に至ったときに、エンジン22を始動してエンジン運転モードに移行する。エンジン22の始動は、モータMG1からトルクを出力してエンジン22をモータリングすると共にモータMG1からのトルクの出力により駆動軸36に作用するトルクをモータMG2からのトルクによりキャンセルし、エンジン22のエンジン回転速度Neが予め定められた制御開始回転数に至ったときに燃料噴射制御や点火制御などを開始することにより行なわれる。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、バッテリ50の蓄電割合SOCを増加させる際の動作について説明する。図2は、HVECU70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、HVECU70のCPUは、まず、アクセル開度Accや車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の入出力制限Win,Woutなどの制御に必要なデータを入力し(ステップS100)、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を設定すると共に要求トルクTr*に駆動軸36の回転数Nrを乗じたものに損失Lossを加えて走行用パワーPdrvを設定する(ステップS110)。続いて、バッテリ50の蓄電割合SOCの回復指令がなされているか否かを判定する(ステップS120)。ここで、蓄電割合SOCの回復指令は、例えば、蓄電割合SOCの回復を指示するためのスイッチを設け、このスイッチがオン操作されたときになされるものとしたり、蓄電割合SOCが所定割合(例えば、40%や50%など)未満となったときになされるものとしたりすることができる。蓄電割合SOCの回復指令がなされていないときには、通常のHV制御を実行する(ステップS130)。この通常のHV制御では、前述したように、エンジン22が運転中のときには、基本的には、走行用パワーPdrvから充放電要求パワーPb*を減じたものをエンジン要求パワーPe*に設定し、エンジン要求パワーPe*がエンジン22から出力されると共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動軸36に出力されるようエンジン22とモータMG1とモータMG2とを制御する充放電運転モードによる制御が行なわれる。したがって、バッテリ50は充放電要求パワーPb*に応じた電力で充放電されることになる。また、エンジン22が停止中のときには、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動軸36に出力されるようモータMG2を制御するモータ運転モードによる制御が行なわれる。一方、蓄電割合SOCの回復指令がなされているときには、走行用パワーPdrvが閾値Pth以上であるか否かを判定し(ステップS140)、走行用パワーPdrvが閾値Pth以上であるときには、エンジン要求パワーPe*に走行用パワーPdrvを設定し(ステップS150)、エンジン要求パワーPe*がエンジン22から出力されると共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動軸36に出力されるようエンジン22とモータMG1とモータMG2とを制御する(ステップS160)。この場合、エンジン22から出力される動力のすべてがトルク変換されて駆動軸36に出力され、バッテリ50は充放電されない。したがって、この制御は、トルク変換運転モードによる制御となる。走行用パワーPdrvが閾値Pth未満であるときには、エンジン要求パワーPe*を値0とすると共にモータMG1のトルク指令Tm1*を値0とし、要求トルクTr*(制動トルク)のすべてがモータMG2から出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定してモータMG2を制御するモータ運転モードによる制御を実行する(ステップS170)。この場合、走行用パワーPdrvは、モータMG2によって回生されてバッテリ50に充電されることになる。
図3は、走行中に蓄電割合SOCの回復指令がなされているときの車速Vと要求パワーP*と蓄電割合SOCの時間変化の様子を示す説明図である。図示するように、走行用パワーPdrvが閾値Pdrv以上のときには(図中期間T1,T3,T5,T7)、トルク変換運転モードでエンジン22は走行用パワーPdrvを丁度賄うことができるよう運転制御され、バッテリ50は充放電しないから、蓄電割合SOCは変化しない。一方、走行用パワーPdrvが閾値Pdrv未満のときには(図中期間T2,T4,T6)、モータ運転モードで走行用パワーPdrvがモータMG2によって回生されるから、バッテリ50は充電される。即ち、実施例では、モータMG2による回生エネルギーだけでバッテリ50を充電し、バッテリ50の蓄電割合SOCを回復させているのである。したがって、エンジン22は余剰のパワーを出力することがないから、エンジン22の燃焼に伴う二酸化炭素の排出量の増加や燃費の悪化を抑制することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、バッテリ50の蓄電割合SOCの回復指令がなされたとき、走行用パワーPdrvが閾値Pth以上、即ち駆動パワーの場合には、走行用パワーPdrvをエンジン要求パワーPe*に設定しエンジン要求パワーPe*がエンジン22から出力されると共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動軸36に出力されるようエンジン22とモータMG1とモータMG2とを制御し、走行用パワーPdrvが閾値Pth未満、即ち制動パワーの場合には、要求トルクTr*(制動トルク)のすべてがモータMG2から出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定してモータMG2を制御するから、モータMG2による回生エネルギーだけでバッテリ50を充電してバッテリ50の蓄電割合SOCを回復させることができる。この結果、エンジン22は余剰のパワーを出力することがないから、エンジン22の燃焼に伴う二酸化炭素の排出量の増加や燃費の悪化を抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、図2の駆動制御ルーチンを実行するものとしたが、図2の駆動制御ルーチンに代えて図4の駆動制御ルーチンを実行するものとしてもよい。なお、図4の駆動制御ルーチンの各処理のうち図2の駆動制御ルーチンと同一の処理については同一のステップ番号を付し、その説明は重複するから省略する。変形例の駆動制御ルーチンでは、ステップS120で蓄電割合SOCの回復指令がなされると、走行用パワーPdrvが閾値Pth以上のときには(ステップS140)、ステップS100で入力した入出力制限Win,Woutのうち出力制限Woutに値0を設定し直し(ステップS210)、値0を設定した出力制限Woutを用いて充放電運転モードによる制御を実行する(ステップS220)。この場合、出力制限Woutが値0に設定されているためバッテリ50が放電されることはない。したがって、走行用パワーPdrvのすべてはエンジン22からの出力によって賄われることになる。なお、走行用パワーPdrvが閾値Pth未満のときには(ステップS140)、出力制限Woutの制限を開放し(ステップS230)、ステップS100で入力した入出力制限Win,Woutをそのまま用いて要求トルクTr*(制動トルク)のすべてがモータMG2から出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定してモータMG2を制御するモータ運転モードによる制御を実行する(ステップS170)。
実施例のハイブリッド自動車20では、図2の駆動制御ルーチンを実行するものとしたが、図2の駆動制御ルーチンに代えて図5の駆動制御ルーチンを実行するものとしてもよい。なお、図5の駆動制御ルーチンの各処理のうち図2の駆動制御ルーチンと同一の処理については同一のステップ番号を付し、その説明は重複するから省略する。変形例の駆動制御ルーチンでは、ステップS120で蓄電割合SOCの回復指令がなされると、走行用パワーPdrvが閾値Pth以上のときには(ステップS140)、モータ運転モードを禁止し(ステップS310)、走行用パワーPdrvが閾値Pth未満のときには(ステップS140)、モータ運転モードを許可する(ステップS320)。即ち、走行用パワーPdrvが駆動パワーの場合には加速走行時にバッテリ50が放電しないようにするためにモータ運転モードを禁止し、走行用パワーPdrvが制動パワーの場合には走行用パワーPdrvをモータMG2の回生制御によって回収してバッテリ50を充電するためにモータ運転モードを許可しているのである。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を駆動軸36に出力するものとしたが、図6の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力を駆動軸36が接続された車軸(駆動輪38a,38bが接続された車軸)とは異なる車軸(図6における車輪39a,39bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の動力をプラネタリギヤ30を介して駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に出力するものとしたが、図7の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフトに接続されたインナーロータ232と駆動輪38a,38bに動力を出力する駆動軸36に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸36に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22からの動力をプラネタリギヤ30を介して駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に出力すると共にモータMG2からの動力を駆動軸36に出力するものとしたが、図8の変形例のハイブリッド自動車320に例示するように、駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に変速機330を介してモータMGを取り付け、モータMGの回転軸にクラッチ329を介してエンジン22を接続する構成とし、エンジン22からの動力をモータMGの回転軸と変速機330とを介して駆動軸36に出力すると共にモータMGからの動力を変速機330を介して駆動軸に出力するものとしてもよい。あるいは、図9の変形例のハイブリッド自動車420に例示するように、エンジン22からの動力を変速機430を介して駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に出力すると共にモータMGからの動力を駆動輪38a,38bが接続された車軸とは異なる車軸(図6における車輪39a,39bに接続された車軸)に出力するものとしてもよい。即ち、エンジンと走行用の動力を出力する電動機とを備えるものであれば如何なるタイプのハイブリッド自動車としてもよいのである。
実施例では、本発明をハイブリッド自動車20の形態として説明したが、自動車以外の車両の形態としてもよいし、車両の制御方法の形態としてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、バッテリ50が「二次電池」に相当し、図2の駆動制御ルーチンのステップS100,S110の処理を実行するHVECU70が「走行用パワー設定手段」に相当し、図2の駆動制御ルーチンのステップS120〜S170の処理を実行するHVECU70が「制御手段」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド車の製造産業などに利用可能である。
20,120,220,320,420 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、30 プラネタリギヤ、36 駆動軸、37 デファレンシャルギヤ、38a,38b 駆動輪、39a,39b 車輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ、234 アウターロータ、329 クラッチ、330,430 変速機、MG,MG1,MG2 モータ。

Claims (1)

  1. 内燃機関と、発電可能な走行用の電動機と、該電動機と電力のやり取りが可能な二次電池と、走行に要求される走行用パワーを設定する走行用パワー設定手段と、前記内燃機関を運転して走行する機関運転モードと前記電動機からの動力だけで走行する電動走行モードとの切り替えを伴って前記設定された走行用パワーにより走行するよう前記内燃機関と前記電動機とを制御する制御手段とを備えるハイブリッド車において、
    前記制御手段は、前記二次電池の蓄電割合の増加要求がなされたとき、前記設定された走行用パワーが駆動パワーの場合には該駆動パワーを前記内燃機関だけから出力して該走行用パワーにより走行するよう該内燃機関と前記電動機とを制御し、前記設定された走行用パワーが制動パワーの場合には該制動パワーを前記電動機から出力して該走行用パワーにより走行するよう前記内燃機関と該電動機とを制御する手段である
    ことを特徴とするハイブリッド車。
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