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JP2013220682A - ハイブリッド車 - Google Patents

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JP2013220682A JP2012092243A JP2012092243A JP2013220682A JP 2013220682 A JP2013220682 A JP 2013220682A JP 2012092243 A JP2012092243 A JP 2012092243A JP 2012092243 A JP2012092243 A JP 2012092243A JP 2013220682 A JP2013220682 A JP 2013220682A
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Takeo Kinoshita
剛生 木下
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
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Abstract

【課題】バッテリの蓄電割合の回復が低いために車両の動特性が低下するのを抑制する。
【解決手段】バッテリを強制充電するときに、エンジンに対して出力制限が課されているためにエンジン出力制限実行フラグFegに値1が設定されていたり、モータMG1に対して駆動制限が課されているためにモータ駆動制限実行フラグFmg1に値1が設定されているときには、エンジン出力制限実行フラグFegに値0が設定されており且つモータ駆動制限実行フラグFmg1に値0が設定されている通常時の時間T1より長い時間T2を強制充電時間Tchgに設定し(S140)、強制充電時間Tchgが経過するまでバッテリ50を強制充電する。これにより、バッテリの蓄電割合SOCの回復を図ることができ、バッテリの蓄電割合SOCの回復が低いために車両の動特性が低下するのを抑制することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ハイブリッド車に関し、詳しくは、走行用の動力を出力可能なエンジンと、エンジンからの動力を用いて発電する発電機と、走行用の動力を出力可能な電動機と、発電機および電動機と電力のやりとりを行なうバッテリと、運転者の要求に応じて走行するようエンジンと発電機と電動機とを制御する制御手段と、を備えるハイブリッド車に関する。
従来、この種のハイブリッド車としては、バッテリから放電してもよい許容最大電力としての出力制限に制限が課されたときには、バッテリの残存容量の目標値としての目標SOCが高くなるように変更し、バッテリを充電してもよい許容最大電力としての入力制限に対して制限が課されたときには、目標SOCが低くなるように変更するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド車では、このように制御することにより、バッテリの出力制限や入力制限に対して制限が課される頻度が少なくなるようにしている。
また、イグニッションオンされてからオフされるまでの間に、バッテリが強制的に放電される強制放電制御の実行回数が、バッテリが強制的に充電される強制充電制御の実行回数よりも多いときには、バッテリの制御中心目標値を所定量だけ低下させ、イグニッションオンされてからオフされるまでの間に、強制充電制御の実行回数が強制放電制御の実行回数よりも多いときには、バッテリの制御中心目標値を所定量だけ上昇させるものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。このハイブリッド車では、このように制御することにより、運転者の運転態様や走行環境などに違いがあったとしても、バッテリの強制放電制御や強制充電制御がなるべく実行されないようにしている。
特開2005−080330号公報 特開2011−225079号公報
上述のハイブリッド車では、バッテリの残存容量の全容量に対する割合(蓄電割合,SOC:State Of Charge)が小さくなると、蓄電割合の回復のために強制的なバッテリの充電が行なわれる。この強制充電は、走行に必要なパワーに対してエンジンから過剰なパワーを出力し、この過剰分のパワーによって行なわれるが、エンジンが過熱状態にあるためにエンジンの出力に対して制限が課されているときや、発電機やその駆動回路が過熱状態にあるために発電機に対して駆動制限が課されているときには、エンジンから十分なパワーを出力することができなかったり、発電機により十分な充電電力を発電することができなかったりして、バッテリの蓄電割合を十分に回復することができない場合が生じ、車両の動特性が低下してしまう。
本発明のハイブリッド車は、バッテリの蓄電割合の回復が低いために車両の動特性が低下するのを抑制することを主目的とする。
本発明のハイブリッド車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のハイブリッド車は、
走行用の動力を出力可能なエンジンと、前記エンジンからの動力を用いて発電する発電機と、走行用の動力を出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりを行なうバッテリと、運転者の要求に応じて走行するよう前記エンジンと前記発電機と前記電動機とを制御する制御手段と、を備えるハイブリッド車において、
前記制御手段は、前記エンジンに対して出力制限が課されている状態と前記エンジンに対して出力制限が課されるのが予想される状態と前記発電機に対して駆動制限が課されている状態と前記発電機に対して駆動制限が課されるのが予想される状態の4状態のうちのいずれかの状態にある所定制限状態時には、前記バッテリを充電する際の充電量が前記所定制限状態時ではないときに比して大きくなるよう前記エンジンと前記発電機と前記電動機とを制御する手段である、
ことを特徴とする。
この本発明のハイブリッド車では、エンジンに対して出力制限が課されている状態とエンジンに対して出力制限が課されるのが予想される状態と発電機に対して駆動制限が課されている状態と発電機に対して駆動制限が課されるのが予想される状態の4状態のうちのいずれかの状態にある所定制限状態時には、バッテリを充電する際の充電量が所定制限状態時ではないときに比して大きくなるようエンジンと発電機と電動機とを制御する。これにより、バッテリの残存容量(蓄電量)の全容量に対する割合である蓄電割合の回復を図ることができ、バッテリの蓄電割合の回復が低いために車両の動特性が低下するのを抑制することができる。ここで、「エンジンに対して出力制限が課されるのが予想される状態」としては、エンジンの温度やエンジンの冷却水の温度はエンジンに対して出力制限を課す閾値温度に至ってはいないがその近傍の温度(例えば、閾値温度から2℃や3℃だけ低い温度から閾値温度までの温度)に至っているときや、エンジンの温度や冷却水の温度の上昇の程度から所定時間後(例えば、5秒後や10秒後など)に閾値温度に至ると予想されるときを考えることができる。また、「発電機に対して駆動制限が課されるのが予想される状態」としては、発電機の温度や発電機の冷却オイルの温度あるいは発電機を駆動するための駆動回路(例えば、インバータ回路)の温度は発電機に対して駆動制限を課す閾値温度に至ってはいないがその近傍の温度(例えば、閾値温度から2℃や3℃だけ低い温度から閾値温度までの温度)に至っているときや、発電機の温度や冷却オイルの温度あるいは駆動回路の温度の上昇の程度から所定時間後(例えば、5秒後や10秒後など)に閾値温度に至ると予想されるときを考えることができる。なお、「エンジンに対して出力制限が課されるのが予想される状態」か否かや「発電機に対して駆動制限が課されるのが予想される状態」か否かは、外気温や車速,走行中の道路の勾配(登坂路か否か)などを考慮して判断するものとしてもよい。
こうした本発明のハイブリッド車において、前記制御手段は、前記所定制限状態時には充電時間が前記所定制限状態時ではないときに比して長くなるようにすることによって前記バッテリを充電する際の充電量が大きくなるよう制御する手段であるものとすることもできる。これは、充電時間を長くすることによって充電量を大きくすることができることに基づく。また、前記制御手段は、前記所定制限状態時には充電終了時の蓄電割合が前記所定制限状態時ではないときに比して大きくなるようにすることによって前記バッテリを充電する際の充電量が大きくなるよう制御する手段であるものとすることもできる。これは、蓄電割合を大きくすることによって充電量を大きくすることができることに基づく。さらに、前記制御手段は、前記所定制限状態時には充電電力が前記所定制限状態時ではないときに比して大きくなるようにすることによって前記バッテリを充電する際の充電量が大きくなるよう制御する手段であるものとすることもできる。これは、充電電力を大きくすることによって充電量を大きくすることができることに基づく。あるいは、前記制御手段は、前記所定制限状態時には前記バッテリの蓄電割合が予め定められた目標範囲なるように制御するための該目標範囲の中心としての制御中心割合が前記所定制限状態時ではないときに比して大きくなるようにすることによって前記バッテリを充電する際の充電量が大きくなるよう制御する手段であるものとすることもできる。これは、制御中心割合を大きくすることによって充電量を大きくすることができることに基づく。
また、本発明のハイブリッド車において、前記制御手段は、前記所定制限状態時であっても車速が予め定められた閾値未満のときには前記バッテリを充電する際の充電量を前記所定制限状態時ではないときと同一になるよう制御する手段であるものとすることもできる。これは、車速が比較的低い低車速時には、バッテリからの大きなパワーの持ち出しの頻度が低いことから、バッテリの蓄電割合の回復が十分でなくても構わないことに基づく。また、前記制御手段は、前記所定制限状態時であっても走行に用いられている走行用パワーが予め定められた閾値未満のときには前記バッテリを充電する際の充電量を前記所定制限状態時ではないときと同一になるよう制御する手段であるものとすることもできる。これは、走行用パワーが比較的小さいときには、バッテリからの大きなパワーの持ち出しの頻度が低いことから、バッテリの蓄電割合の回復が十分でなくても構わないことに基づく。さらに、前記制御手段は、前記所定制限状態時であってもアクセル開度が予め定められた閾値未満のときには前記バッテリを充電する際の充電量を前記所定制限状態時ではないときと同一になるよう制御する手段であるものとすることもできる。これは、アクセル開度が比較的小さいときには、バッテリからの大きなパワーの持ち出しは行なわれないことから、バッテリの蓄電割合の回復が十分でなくても構わないことに基づく。
本発明の第1実施例のハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 HVECU70により実行される強制充電時間設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変形例の強制充電時間設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変形例の強制充電時間設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変形例の強制充電時間設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変形例の強制充電時間設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 第2実施例のHVECU70により実行される強制充電電力設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 第3実施例のHVECU70により実行される強制充電完了時蓄電割合設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 第4実施例のHVECU70により実行される強制充電時制御中心設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の第1実施例のハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、ガソリンや軽油などを燃料とするエンジン22と、エンジン22を駆動制御するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという。)24と、エンジン22のクランクシャフト26にキャリアが接続されると共に駆動輪38a,38bにデファレンシャルギヤ37を介して連結された駆動軸36にリングギヤが接続されたプラネタリギヤ30と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されたモータMG1と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子が駆動軸36に接続されたモータMG2と、モータMG1,MG2を駆動するためのインバータ41,42と、モータMG1,MG2を駆動制御するモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという。)40と、インバータ41,42を介してモータMG1,MG2と電力をやりとりするバッテリ50と、バッテリ50を管理するバッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという。)52と、車両全体を制御するハイブリッド用電子制御ユニット(以下、HVECUという。)70と、を備える。
エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。エンジンECU24には、エンジン22の状態を検出する種々のセンサからの信号、例えばエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ23からの冷却水温Twやクランクシャフト26の回転位置を検出する図示しないクランクポジションセンサからのクランクポジション,図示しないスロットルバルブのポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサからのスロットルポジション,吸気管に取り付けられた図示しないエアフローメータからの吸入空気量,吸気管に取り付けられた図示しない温度センサからの吸気温などが入力ポートを介して入力されている。また、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号、例えば、燃料噴射弁への駆動信号や、スロットルバルブのポジションを調節する図示しないスロットルモータへの駆動信号などの制御信号などが出力ポートを介して出力されている。エンジンECU24は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータを出力する。なお、エンジンECU24は、クランクポジションセンサからのクランクポジションに基づいてクランクシャフト26の回転数、すなわち、エンジン22の回転数Neを演算している。
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号やモータMG1,MG2に取り付けられた温度センサ45,46からのモータ温度Tmg1,Tmg2,インバータ41,42に取り付けられた温度センサ47,48からのインバータ温度Tinv1,Tinv2,図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力ポートを介して入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子をスイッチングするためのスイッチング制御信号が出力ポートを介して出力されている。また、モータECU40は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2を演算している。
バッテリECU52は、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ラインに取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からのバッテリ温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりHVECU70に送信する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいてそのときのバッテリ50から放電可能な電力の容量の全容量の割合である蓄電割合SOCを演算したり、演算した蓄電割合SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算している。
HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。HVECU70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。HVECU70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を計算し、この要求トルクTr*に対応する要求動力が駆動軸36に出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてがプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されて駆動軸36に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部がプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力が駆動軸36に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力を駆動軸36に出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。なお、トルク変換運転モードと充放電運転モードは、いずれもエンジン22の運転を伴って要求動力が駆動力36に出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するモードであり、実質的な制御における差異はないため、以下、両者を合わせてエンジン運転モードという。
実施例のハイブリッド自動車20は、モータ運転モードで運転している最中に、運転者によりアクセルペダル83が大きく踏み込まれて(例えば、アクセル開度ACCが全開)バッテリ50からの電力だけでは要求動力を賄うことができないときや、バッテリ50の蓄電割合SOCがエンジン運転モードに切り替えるために予め定められた閾値以下になったとき、その他、車両の状態がエンジン運転モードに切り替えるために予め定められた状態に至ったときに、エンジン22の始動が要求されたとして、エンジン22を始動してエンジン運転モードに移行する。また、実施例のハイブリッド自動車20は、エンジン運転モードで運転している最中に、バッテリ50の蓄電割合SOCが閾値以上で要求動力をバッテリ50からの放電で賄うことができるときや、運転者により図示しないモータ走行スイッチが押されたとき、その他、車両の状態がモータ運転モードに切り替えるために予め定められた状態に至ったときに、エンジン22の運転を停止してモータ運転モードに移行する。
エンジン運転モードでは、HVECU70は、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accと車速センサ88からの車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を設定し、設定した要求トルクTr*に駆動軸36の回転数Nr(例えば、モータMG2の回転数Nm2や車速Vに換算係数を乗じて得られる回転数)を乗じて走行に要求される走行用パワーPdrvを計算すると共に計算した走行用パワーPdrvからバッテリ50の蓄電割合SOCに基づいて得られるバッテリ50の充放電要求パワーPb*(バッテリ50から放電するときが正の値)を減じてエンジン22から出力すべきパワーとしての目標パワーPe*を設定する。そして、目標パワーPe*を効率よくエンジン22から出力することができるエンジン22の回転数NeとトルクTeとの関係としての動作ライン(例えば燃費最適動作ライン)を用いてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定し、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で、エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*となるようにするための回転数フィードバック制御によりモータMG1から出力すべきトルクとしてのトルク指令Tm1*を設定すると共にモータMG1をトルク指令Tm1*で駆動したときにプラネタリギヤ30を介して駆動軸36に作用するトルクを要求トルクTr*から減じてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し、設定した目標回転数Ne*と目標トルクTe*とについてはエンジンECU24に送信し、トルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40に送信する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによってエンジン22が運転されるようエンジン22の吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などを行い、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
モータ運転モードでは、HVECU70は、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定する共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動軸36に出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定してモータECU40に送信する。そして、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
第1実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン運転モードにおいて、エンジン22の過熱などによりエンジン22に対して出力制限が課せられる場合がある。エンジン22の出力制限は、例えば、エンジン22から出力してもよい最大パワーとして定格値より小さな制限パワーPlimを設定し、目標パワーPe*が制限パワーPlimを上回ると、制限パワーPlimを目標パワーPe*に再設定し、この再設定した目標パワーPe*を用いてモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定することによって行なう。この場合、制限パワーPlimとしては、一定値を用いたり、エンジン22の冷却水温Twが高いほど小さな値を用いたりすることができる。
また、第1実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン運転モードにおいて、モータMG1の過熱やインバータ41の過熱によりモータMG1に対して駆動制限が課される場合がある。モータMG1の駆動制限は、例えば、モータMG1から出力してもよい最大トルク(絶対値)として定格値より小さな制限トルクTlim1を設定し、モータMG1のトルク指令Tm1*の絶対値が制限トルクTlim1を上回ると、トルク指令Tm1*の符号はそのままに大きさは制限トルクTlim1としてトルク指令Tm1*を再設定し、この再設定したトルク指令Tm1*を用いてモータMG1を駆動制御することによって行なう。モータMG1はプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されており、プラネタリギヤ30のキャリアにはエンジン22のクランクシャフトが接続されているから、モータMG1に対して駆動制限が課されると、エンジン22の出力トルクに対しても制限が課されることになる。この場合のエンジン22のトルク上限は、プラネタリギヤ30のギヤ比ρ(サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)を用いれば、Tlim1・(1+ρ)/ρとなり、目標トルクTe*がこのトルク上限を上回ると、このトルク上限が目標トルクTe*として再設定されてエンジン22を制御することになる。なお、制限トルクTlim1としては、一定値を用いたり、モータMG1の温度が高いほど小さな値を用いたり、インバータ41の温度が高いほど小さな値を用いたりすることができる。
さらに、第1実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン運転モードおよびモータ運転モードにおいて、モータMG2の過熱やインバータ42の過熱によりモータMG2に対して駆動制限が課される場合がある。モータMG2の駆動制限は、例えば、モータMG2から出力してもよい最大トルク(絶対値)として定格値より小さな制限トルクTlim2を設定し、モータMG2のトルク指令Tm2*の絶対値が制限トルクTlim2を上回ると、トルク指令Tm2*の符号はそのままに大きさは制限トルクTlim2としてトルク指令Tm2*を再設定し、この再設定したトルク指令Tm2*を用いてモータMG2を駆動制御することによって行なう。この場合、制限トルクTlim2としては、一定値を用いたり、モータMG2の温度が高いほど小さな値を用いたり、インバータ42の温度が高いほど小さな値を用いたりすることができる。
次に、バッテリ50の蓄電割合SOCが予め定められた低い値の閾値(例えば、15%や20%など)未満に至ったときにバッテリ50を充電する強制充電時の動作について説明する。強制充電は、上述したエンジン運転モードにおいて、予め定められた強制充電時間に亘って充放電要求パワーPb*に強制充電電力Pb(負の値)を設定することによって行なわれる。充放電要求パワーPb*に強制充電電力Pb(負の値)が設定されると、上述したエンジン運転モードでは、基本的には、走行用パワーPdrvから充放電要求パワーPb*を減じて得られる目標パワーPe*と燃費最適動作ラインからエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*が設定され、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*で運転されると共に駆動軸36に要求トルクが出力されるようモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*が設定され、エンジンECU24によりエンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*の運転ポイントで運転されるよう吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御が実行され、モータECU40によりモータMG1,MG2からトルク指令Tm1*,Tm2*のトルクが出力されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御が実行される。こうした制御により、バッテリ50は強制充電電力Pbで充電されることになる。第1実施例のハイブリッド自動車20では、こうした強制充電を行なう時間(強制充電時間)Tchgについては、エンジン22の状態やモータMG1の状態,インバータ41の状態に基づいて定められる。図2は、HVECU70により実行される強制充電時間設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。
強制充電時間設定ルーチンが実行されると、HVECU70は、まず、エンジン出力制限実行フラグFegとモータ駆動制限実行フラグFmg1とを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、エンジン出力制限実行フラグFegは、初期値として値0が設定されており、エンジン22に対して出力制限が課されたときに値1が設定され、エンジン22に対して課された出力制限が解除されたときに値0が設定されるものであり、例えば、エンジン22の冷却水の温度Twが予め定められた適正温度範囲の上限値としての閾値温度を上回ったときにエンジン22に対して出力制限を課すべきとして値1が設定され、冷却水温Twが閾値温度以下に戻ったときに値0が設定される。実施例では、こうして設定されてHVECU70の図示しないRAMの所定アドレスに記憶されたものを読み出すことにより、エンジン出力制限実行フラグFegを入力するものとした。モータ駆動制限実行フラグFmg1は、初期値として値0が設定されており、モータMG1に対して駆動制限が課されたときに値1が設定され、モータMG1に対して課された駆動制限が解除されたときに値0が設定されるものであり、例えば、モータMG1の温度Tmg1が予め定められた適正上限温度である閾値温度を上回ったときにモータMG1に対して駆動制限を課すべきとして値1が設定され、モータ温度Tmg1が閾値温度以下に戻ったときに値0が設定される。実施例では、こうして設定されてHVECU70の図示しないRAMの所定アドレスに記憶されたものを読み出すことにより、モータ駆動制限実行フラグFmg1を入力するものとした。
続いて、入力したエンジン出力制限実行フラグFegとモータ駆動制限実行フラグFmg1の値を調べ(ステップS110、S120)、エンジン出力制限実行フラグFegもモータ駆動制限実行フラグFmg1も値0のとき、即ち、エンジン22に対して出力制限が課されていない状態であり、且つ、モータMG1に対して駆動制限が課されていない状態のときには、強制充電時間Tchgとして通常時の時間T1を設定して(ステップS130)、本ルーチンを終了する。一方、エンジン出力制限実行フラグFegが値1であるか或いはモータ駆動制限実行フラグFmg1が値1であるとき、即ち、エンジン22に対して出力制限が課されている状態であり且つモータMG1に対して駆動制限が課されている状態であるか、エンジン22に対して出力制限が課されている状態ではあるがモータMG1に対しては駆動制限は課されていない状態であるか、エンジン22に対しては出力制限は課されていない状態であるがモータMG1に対しては駆動制限が課されている状態であるときには、強制充電時間Tchgとして通常時の時間T1より長い時間T2を設定して(ステップS140)、本ルーチンを終了する。エンジン22に対して出力制限が課されているときは、走行用パワーPdrvが大きいときには走行用パワーPdrvから強制充電電力Pbに相当するパワーを減じて得られる目標パワーPe*が制限パワーPlimを超える場合が生じる。この場合、目標パワーPe*が制限パワーPlimに制限された状態で走行用パワーPdrvが出力されて走行すると、バッテリ50は強制充電電力Pbより小さな電力で充電されたり、充電されなかったり、或いはバッテリ50から放電されることも生じる。モータMG1に対して駆動制限が課されているときには、上述したように、エンジン22に対してトルク制限が課されることになる。このため、エンジン22から目標パワーPe*を出力することができない場合が生じ、バッテリ50が強制充電電力Pbより小さな電力で充電されたり、充電されなかったり、或いはバッテリ50から放電されることも生じる。強制充電では、充電電力が小さくなるものの、基本的にはバッテリ50は充電されるから、強制充電時間Tchgにエンジン22に対して出力制限が課されておらず且つモータMG1に対して駆動制限が課されていない通常時の時間T1より長い時間T2を設定して強制充電時間を長くすることにより、バッテリ50の蓄電割合SOCの回復を図ることができる。
以上説明した第1実施例のハイブリッド自動車20によれば、バッテリ50を強制充電するときに、エンジン22に対して出力制限が課されているためにエンジン出力制限実行フラグFegに値1が設定されていたり、モータMG1に対して駆動制限が課されているためにモータ駆動制限実行フラグFmg1に値1が設定されているときには、エンジン出力制限実行フラグFegに値0が設定されており且つモータ駆動制限実行フラグFmg1に値0が設定されている通常時の時間T1より長い時間T2を強制充電時間Tchgに設定し(S140)、強制充電時間Tchgが経過するまでバッテリ50を強制充電することにより、バッテリ50の蓄電割合SOCの回復を図ることができる。この結果、バッテリ50の蓄電割合SOCの回復が低いために車両の動特性が低下するのを抑制することができる。
第1実施例のハイブリッド自動車20では、バッテリ50を強制充電するときに、エンジン22に対して出力制限が課されていたり、モータMG1に対して駆動制限が課されているときには、エンジン22に対して出力制限が課されておらず且つモータMG1に対して駆動制限が課されていない通常時の時間T1より長い時間T2を強制充電時間Tchgに設定するものとしたが、バッテリ50を強制充電するときに、エンジン22に対して出力制限が課されるのが予想される状態であったり、モータMG1に対して駆動制限が課されるのが予想される状態であるときには、エンジン22に対して出力制限が課されるのが予想されず且つモータMG1に対して駆動制限が課されるのが予想されない通常時の時間T1より長い時間T2を強制充電時間Tchgに設定するものとしてもよい。ここで、エンジン22に対して出力制限が課されるのが予想される状態としては、エンジン22の温度やエンジン22の冷却水の温度Twはエンジン22に対して出力制限を課す適正温度範囲の上限値である閾値温度に至ってはいないがその近傍の温度(例えば、閾値温度から2℃や3℃だけ低い温度から閾値温度までの温度)に至っているときや、エンジン22の温度や冷却水の温度Twの上昇の程度(温度の時間微分値など)から所定時間後(例えば、5秒後や10秒後など)に閾値温度に至ると予想されるときを考えることができる。また、モータMG1に対して駆動制限が課されるのが予想される状態としては、モータMG1の温度やモータMG1の冷却オイルの温度あるいはモータMG1を駆動するインバータ41の温度TinvはモータMG1に対して駆動制限を課す適正上限温度としての閾値温度を上回ってはいないがその近傍の温度(例えば、閾値温度から2℃や3℃だけ低い温度から閾値温度までの温度)に至っているときや、モータMG1の温度やモータMG1の冷却オイルの温度あるいはインバータ41の温度の上昇の程度(温度の時間微分値など)から所定時間後(例えば、5秒後や10秒後など)に適正上限温度に至ると予想されるときを考えることができる。なお、エンジン22に対して出力制限が課されるのが予想される状態か否かやモータMG1に対して駆動制限が課されるのが予想される状態か否かは、外気温や車速V,走行中の道路の勾配(登坂路か否か)などを考慮して判断するものとしてもよい。走行中の道路勾配については、道路勾配を検出する勾配センサからの情報や、運転者によって設定された目的地までの走行ルートを案内するナビゲーションシステムからの情報などを用いることができる。この場合、図2の強制充電時間設定ルーチンに代えて図3に例示する変形例の強制充電時間設定ルーチンを実行すればよい。図3の強制充電時間設定ルーチンでは、エンジン出力制限予想フラグFestegとモータ駆動制限予想フラグFestmg1とを入力し(ステップS100B)、入力したエンジン出力制限予想フラグFestegとモータ駆動制限予想フラグFestmg1の値を調べ(ステップS110B、S120B)、エンジン出力制限予想フラグFestegもモータ駆動制限予想フラグFestmg1も値0のときには、強制充電時間Tchgとして通常時の時間T1を設定して(ステップS130)、本ルーチンを終了し、エンジン出力制限予想フラグFestegが値1であるか或いはモータ駆動制限予想フラグFestmg1が値1であるとには、強制充電時間Tchgとして通常時の時間T1より長い時間T2を設定して(ステップS140)、本ルーチンを終了する。エンジン出力制限予想フラグFestegは、エンジン22に対して出力制限が課されるのが予想される状態に至ったときに値1が設定され、エンジン22に対して出力制限が課されるのが予想される状態が解除されたときに値0が設定されるものであり、モータ駆動制限予想フラグFestmg1は、モータMG1に対して駆動制限が課されるのが予想される状態に至ったときに値1が設定され、モータMG1に対して駆動制限が課されるのが予想される状態が解除されたときに値0が設定されるものである。このように、エンジン22に対して出力制限が課されるのが予想される状態であったり、モータMG1に対して駆動制限が課されるのが予想される状態であるときにバッテリ50を強制充電するときに、エンジン22に対して出力制限が課されるのが予想されず且つモータMG1に対して駆動制限が課されるのが予想されない通常時の時間T1より長い時間T2を強制充電時間Tchgに設定することにより、バッテリ50の蓄電割合SOCの回復をより確実に図ることができ、バッテリ50の蓄電割合SOCの回復が低いために車両の動特性が低下するのを抑制することができる。
第1実施例のハイブリッド自動車20では、バッテリ50を強制充電するときに、エンジン22に対して出力制限が課されていたり、モータMG1に対して駆動制限が課されているときには、エンジン22に対して出力制限が課されておらず且つモータMG1に対して駆動制限が課されていない通常時の時間T1より長い時間T2を強制充電時間Tchgに設定するものとしたが、バッテリ50を強制充電するときに、エンジン22に対して出力制限が課されていたり、モータMG1に対して駆動制限が課されているときでも、車速Vが比較的低車速として予め定められた車速閾値Vref未満であったり、走行用パワーPdrvが比較的小さい値として予め定められたパワー閾値Pref未満であったり、アクセル開度Accが比較的小さい値として予め定められたアクセル開度閾値Aref未満であるときには、通常時の時間T1を強制充電時間Tchgに設定するものとしてもよい。車速Vが車速閾値Vref未満のときに通常時の時間T1を強制充電時間Tchgに設定するのは、車速Vが比較的低い低車速時には、バッテリ50からの大きなパワーの持ち出しの頻度が低いことから、バッテリ50の蓄電割合の回復が十分でなくても構わないことに基づいている。また、走行用パワーPdrvがパワー閾値Pref未満のときに通常時の時間T1を強制充電時間Tchgに設定するのは、走行用パワーPdrvが比較的小さいときには、バッテリ50からの大きなパワーの持ち出しの頻度が低いことから、バッテリ50の蓄電割合の回復が十分でなくても構わないことに基づいている。アクセル開度Accがアクセル開度閾値Aref未満のときに通常時の時間T1を強制充電時間Tchgに設定するのは、アクセル開度Accが比較的小さいときには、バッテリ50からの大きなパワーの持ち出しは行なわれないことから、バッテリ50の蓄電割合の回復が十分でなくても構わないことに基づいている。車速Vが車速閾値Vref未満のときに通常時の時間T1を強制充電時間Tchgに設定する変形例の強制充電時間設定ルーチンの一例を図4に示し、走行用パワーPdrvがパワー閾値Pref未満のときに通常時の時間T1を強制充電時間Tchgに設定する変形例の強制充電時間設定ルーチンの一例を図5に示し、アクセル開度Accがアクセル開度閾値Aref未満のときに通常時の時間T1を強制充電時間Tchgに設定する変形例の強制充電時間設定ルーチンの一例を図6に示す。図4の強制充電時間設定ルーチンでは、エンジン出力制限実行フラグFegとモータ駆動制限実行フラグFmg1と車速Vとを入力し(ステップS100C)、エンジン出力制限実行フラグFegが値1であるか或いはモータ駆動制限実行フラグFmg1が値1であるときには(S110,S120)、車速Vが車速閾値Vref以上であるか否かを判定し(ステップS125C)、車速Vが車速閾値Vref未満のときには通常時の時間T1を強制充電時間Tchgに設定して(ステップS130)、本ルーチンを終了し、車速Vが車速閾値Vref以上のときには通常時の時間T1より長い時間T2を強制充電時間Tchgに設定して(ステップS140)、本ルーチンを終了する。図5の強制充電時間設定ルーチンでは、エンジン出力制限実行フラグFegとモータ駆動制限実行フラグFmg1と走行用パワーPdrvとを入力し(ステップS100D)、エンジン出力制限実行フラグFegが値1であるか或いはモータ駆動制限実行フラグFmg1が値1であるときには(S110,S120)、走行用パワーPdrvがパワー閾値Pref以上であるか否かを判定し(ステップS125D)、走行用パワーPdrvがパワー閾値Pref未満のときには通常時の時間T1を強制充電時間Tchgに設定して(ステップS130)、本ルーチンを終了し、走行用パワーPdrvがパワー閾値Pref以上のときには通常時の時間T1より長い時間T2を強制充電時間Tchgに設定して(ステップS140)、本ルーチンを終了する。図6の強制充電時間設定ルーチンでは、エンジン出力制限実行フラグFegとモータ駆動制限実行フラグFmg1とアクセル開度Accとを入力し(ステップS100E)、エンジン出力制限実行フラグFegが値1であるか或いはモータ駆動制限実行フラグFmg1が値1であるときには(S110,S120)、アクセル開度Accがアクセル開度閾値Aref以上であるか否かを判定し(ステップS125E)、アクセル開度Accがアクセル開度閾値Aref未満のときには通常時の時間T1を強制充電時間Tchgに設定して(ステップS130)、本ルーチンを終了し、アクセル開度Accがアクセル開度閾値Aref以上のときには通常時の時間T1より長い時間T2を強制充電時間Tchgに設定して(ステップS140)、本ルーチンを終了する。これら図4〜図6のいずれかの変形例の強制充電時間設定ルーチンを実行することにより、バッテリ50を強制充電するときに、エンジン22に対して出力制限が課されていたり、モータMG1に対して駆動制限が課されているときでも、車速Vが車速閾値Vref未満のときや走行用パワーPdrvがパワー閾値Pref未満のとき或いはアクセル開度Accがアクセル開度閾値Aref未満のときには、通常時の時間T1を強制充電時間Tchgに設定することにより、強制充電時間が長くなるのを抑制することができる。
第2実施例のハイブリッド自動車120は、図1に例示した第1実施例のハイブリッド自動車20のハード構成と同一のハード構成をしている。また、第2実施例のハイブリッド自動車120は、強制充電時の処理が異なる点を除いて、第1実施例のハイブリッド自動車20と同様に動作する。したがって、重複する説明を回避するために、第2実施例のハイブリッド自動車120のハード構成については第1実施例のハイブリッド自動車20のハード構成と同一の符号を付し、その図示および説明は省略する。また、第2実施例のハイブリッド自動車120の基本的な動作についての説明も省略する。
第2実施例のハイブリッド自動車120では、強制充電時には、エンジン22の状態やモータMG1の状態,インバータ41の状態に基づいて強制充電電力Pbを設定し、通常時の時間T1が設定された強制充電時間Tchgに亘って設定した強制充電電力Pbによりバッテリ50の充電が行なわれる。図7は、第2実施例のHVECU70により実行される強制充電電力設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。
強制充電電力設定ルーチンが実行されると、HVECU70は、エンジン出力制限実行フラグFegとモータ駆動制限実行フラグFmg1とを入力し(ステップS200)、入力したエンジン出力制限実行フラグFegとモータ駆動制限実行フラグFmg1の値を調べ(ステップS210、S220)、エンジン出力制限実行フラグFegもモータ駆動制限実行フラグFmg1も値0のときには、強制充電電力Pbとして通常時の充電電力Pb1を設定して(ステップS230)、本ルーチンを終了し、エンジン出力制限実行フラグFegが値1であるか或いはモータ駆動制限実行フラグFmg1が値1であるときには、強制充電電力Pbとして通常時の充電電力Pb1より絶対値が大きな充電電力Pb2を設定して(ステップS240)、本ルーチンを終了する。このように、エンジン出力制限実行フラグFegが値1であるか或いはモータ駆動制限実行フラグFmg1が値1であるときに絶対値が大きな充電電力Pb2を強制充電電力Pbとして設定してバッテリ50を充電することにより、迅速にバッテリ50の蓄電割合SOCを回復することができる。
以上説明した第2実施例のハイブリッド自動車120によれば、バッテリ50を強制充電するときに、エンジン22に対して出力制限が課されているためにエンジン出力制限実行フラグFegに値1が設定されていたり、モータMG1に対して駆動制限が課されているためにモータ駆動制限実行フラグFmg1に値1が設定されているときには、エンジン出力制限実行フラグFegに値0が設定されており且つモータ駆動制限実行フラグFmg1に値0が設定されている通常時の充電電力Pb1より絶対値が大きな充電電力Pb2を強制充電電力Pbに設定することにより、バッテリ50の蓄電割合SOCを迅速に回復することができる。この結果、バッテリ50の蓄電割合SOCの回復が低いために車両の動特性が低下するのを抑制することができる。
第2実施例のハイブリッド自動車120では、バッテリ50を強制充電するときに、エンジン22に対して出力制限が課されていたり、モータMG1に対して駆動制限が課されているときには、エンジン22に対して出力制限が課されておらず且つモータMG1に対して駆動制限が課されていない通常時の充電電力Pb1より絶対値が大きな充電電力Pb2を強制充電電力Pbに設定するものとしたが、バッテリ50を強制充電するときに、エンジン22に対して出力制限が課されるのが予想される状態であったり、モータMG1に対して駆動制限が課されるのが予想される状態であるときには、エンジン22に対して出力制限が課されるのが予想されず且つモータMG1に対して駆動制限が課されるのが予想されない通常時の充電電力Pb1より絶対値が大きな充電電力Pb2を強制充電電力Pbに設定するものとしてもよい。この場合、図7の強制充電時間設定ルーチンのステップS200,S210,S220に代えて図3の変形例の強制充電時間設定ルーチンのステップS100B,S110B,S120Bを用いるものとすればよい。こうすれば、バッテリ50の蓄電割合SOCの回復をより確実に図ることができ、バッテリ50の蓄電割合SOCの回復が低いために車両の動特性が低下するのを抑制することができる。
第2実施例のハイブリッド自動車120では、バッテリ50を強制充電するときに、エンジン22に対して出力制限が課されていたり、モータMG1に対して駆動制限が課されているときには、エンジン22に対して出力制限が課されておらず且つモータMG1に対して駆動制限が課されていない通常時の充電電力Pb1より絶対値が大きな充電電力Pb2を強制充電電力Pbに設定するものとしたが、バッテリ50を強制充電するときに、エンジン22に対して出力制限が課されていたり、モータMG1に対して駆動制限が課されているときでも、車速Vが比較的低車速として予め定められた車速閾値Vref未満であったり、走行用パワーPdrvが比較的小さい値として予め定められたパワー閾値Pref未満であったり、アクセル開度Accが比較的小さい値として予め定められたアクセル開度閾値Aref未満であるときには、通常時の充電電力Pb1を強制充電電力Pbに設定するものとしてもよい。この場合、図7の強制充電電力設定ルーチンのステップS200に代えて図4〜図6の強制充電時間設定ルーチンのステップS100C,S100D,S100Eを用い、図7の強制充電電力設定ルーチンのステップS240の直前に図4〜図6の強制充電時間設定ルーチンのステップS125C,S125D,S125Eを挿入するものを用いるものとすればよい。こうすれば、エンジン22に対して出力制限が課されていたり、モータMG1に対して駆動制限が課されているときにバッテリ50を強制充電するときでも、車速Vが車速閾値Vref未満のときや走行用パワーPdrvがパワー閾値Pref未満のとき或いはアクセル開度Accがアクセル開度閾値Aref未満のときには、強制充電電力Pbとして通常時の充電電力Pbを用いることができ、その絶対値が大きくなるのを抑制することができる。
第3実施例のハイブリッド自動車220は、図1に例示した第1実施例のハイブリッド自動車20のハード構成と同一のハード構成をしている。また、第3実施例のハイブリッド自動車220は、強制充電時の動作が異なる点を除いて、第1実施例のハイブリッド自動車20と同様に動作する。したがって、重複する説明を回避するために、第3実施例のハイブリッド自動車220のハード構成については第1実施例のハイブリッド自動車20のハード構成と同一の符号を付し、その図示および説明は省略する。また、第3実施例のハイブリッド自動車220の基本的な動作についての説明も省略する。
第3実施例のハイブリッド自動車220では、強制充電時には、エンジン22の状態やモータMG1の状態,インバータ41の状態に基づいて強制充電完了時の蓄電割合SOCとしての完了時蓄電割合Sendを設定し、バッテリ50の蓄電割合SOCが完了時蓄電割合Sendに至るまで通常時の充電電力Pb1が設定された強制充電電力Pbによりバッテリ50の充電が行なわれる。図8は、第3実施例のHVECU70により実行される強制充電完了時蓄電割合設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。
強制充電完了時蓄電割合設定ルーチンが実行されると、HVECU70は、エンジン出力制限実行フラグFegとモータ駆動制限実行フラグFmg1とを入力し(ステップS300)、入力したエンジン出力制限実行フラグFegとモータ駆動制限実行フラグFmg1の値を調べ(ステップS310、S320)、エンジン出力制限実行フラグFegもモータ駆動制限実行フラグFmg1も値0のときには、完了時蓄電割合Sendとして通常時の蓄電割合S1を設定して(ステップS330)、本ルーチンを終了し、エンジン出力制限実行フラグFegが値1であるか或いはモータ駆動制限実行フラグFmg1が値1であるときには、完了時蓄電割合Sendとして通常時の蓄電割合S1より大きな蓄電割合S2を設定して(ステップS340)、本ルーチンを終了する。このように、エンジン出力制限実行フラグFegが値1であるか或いはモータ駆動制限実行フラグFmg1が値1であるときに大きな蓄電割合S2を完了時蓄電割合Sendとして設定し、バッテリ50の蓄電割合SOCが完了時蓄電割合Sendに至るまでバッテリ50の強制充電を継続することにより、バッテリ50の蓄電割合SOCを十分に回復することができる。
以上説明した第3実施例のハイブリッド自動車220によれば、バッテリ50を強制充電するときに、エンジン22に対して出力制限が課されているためにエンジン出力制限実行フラグFegに値1が設定されていたり、モータMG1に対して駆動制限が課されているためにモータ駆動制限実行フラグFmg1に値1が設定されているときには、エンジン出力制限実行フラグFegに値0が設定されており且つモータ駆動制限実行フラグFmg1に値0が設定されている通常時の蓄電割合S1より大きな蓄電割合S2を完了時蓄電割合Sendに設定し、バッテリ50の蓄電割合SOCが完了時蓄電割合Sendに至るまでバッテリ50の強制充電を継続することにより、バッテリ50の蓄電割合SOCを十分に回復することができる。この結果、バッテリ50の蓄電割合SOCの回復が低いために車両の動特性が低下するのを抑制することができる。
第3実施例のハイブリッド自動車220では、バッテリ50を強制充電するときに、エンジン22に対して出力制限が課されていたり、モータMG1に対して駆動制限が課されているときには、エンジン22に対して出力制限が課されておらず且つモータMG1に対して駆動制限が課されていない通常時の蓄電割合S1より大きな蓄電割合S2を完了時蓄電割合Sendに設定し、バッテリ50の蓄電割合SOCが完了時蓄電割合Sendに至るまでバッテリ50の強制充電を継続するものとしたが、バッテリ50を強制充電するときに、エンジン22に対して出力制限が課されるのが予想される状態であったり、モータMG1に対して駆動制限が課されるのが予想される状態であるときには、エンジン22に対して出力制限が課されるのが予想されず且つモータMG1に対して駆動制限が課されるのが予想されない通常時の蓄電割合S1より大きな蓄電割合S2を完了時蓄電割合Sendに設定し、バッテリ50の蓄電割合SOCが完了時蓄電割合Sendに至るまでバッテリ50の強制充電を継続するものとしてもよい。この場合、図8の強制充電完了時蓄電割合設定ルーチンのステップS300,S310,S320に代えて図3の変形例の強制充電時間設定ルーチンのステップS100B,S110B,S120Bを用いるものとすればよい。こうすれば、バッテリ50の蓄電割合SOCを迅速に回復することができ、バッテリ50の蓄電割合SOCの回復が低いために車両の動特性が低下するのを抑制することができる。
第3実施例のハイブリッド自動車220では、バッテリ50を強制充電するときに、エンジン22に対して出力制限が課されていたり、モータMG1に対して駆動制限が課されているときには、エンジン22に対して出力制限が課されておらず且つモータMG1に対して駆動制限が課されていない通常時の蓄電割合S1より大きな蓄電割合S2を完了時蓄電割合Sendに設定し、バッテリ50の蓄電割合SOCが完了時蓄電割合Sendに至るまでバッテリ50の強制充電を継続するものとしたが、バッテリ50を強制充電するときに、エンジン22に対して出力制限が課されていたり、モータMG1に対して駆動制限が課されているときでも、車速Vが比較的低車速として予め定められた車速閾値Vref未満であったり、走行用パワーPdrvが比較的小さい値として予め定められたパワー閾値Pref未満であったり、アクセル開度Accが比較的小さい値として予め定められたアクセル開度閾値Aref未満であるときには、通常時の蓄電割合S1を完了時蓄電割合Sendに設定するものとしてもよい。この場合、図8の強制充電完了時蓄電割合設定ルーチンのステップS300に代えて図4〜図6の強制充電時間設定ルーチンのステップS100C,S100D,S100Eを用い、図8の強制充電完了時蓄電割合設定ルーチンのステップS340の直前に図4〜図6の強制充電時間設定ルーチンのステップS125C,S125D,S125Eを挿入するものを用いるものとすればよい。こうすれば、エンジン22に対して出力制限が課されていたり、モータMG1に対して駆動制限が課されているときにバッテリ50を強制充電するときでも、車速Vが車速閾値Vref未満のときや走行用パワーPdrvがパワー閾値Pref未満のとき或いはアクセル開度Accがアクセル開度閾値Aref未満のときには、完了時蓄電割合Sendとして通常時の蓄電割合S1を用いることができ、強制充電の時間が長くなるのを抑制することができる。
第4実施例のハイブリッド自動車320は、図1に例示した第1実施例のハイブリッド自動車20のハード構成と同一のハード構成をしている。また、第4実施例のハイブリッド自動車320は、強制充電時の動作が異なる点を除いて、第1実施例のハイブリッド自動車20と同様に動作する。したがって、重複する説明を回避するために、第4実施例のハイブリッド自動車320のハード構成については第1実施例のハイブリッド自動車20のハード構成と同一の符号を付し、その図示および説明は省略する。また、第4実施例のハイブリッド自動車320の基本的な動作についての説明も省略する。
第4実施例のハイブリッド自動車320では、強制充電時には、エンジン22の状態やモータMG1の状態,インバータ41の状態に基づいてバッテリ50の蓄電割合SOCの制御中心SOC*を設定し、制御中心SOC*に基づいてバッテリ50の強制充電を実行する。制御中心SOC*は、バッテリ50の強制的な充電や放電を行なわない不感帯としての蓄電割合SOCの範囲の中心値である。その不感帯の幅は、例えば20%として定められている。蓄電割合SOCがその不感帯を下回ると、蓄電割合SOCと不感帯の下限値との差が大きいほど絶対値が大きくなる傾向に強制充電電力Pbが設定されてバッテリ50が充電される。したがって、制御中心SOC*を大きくすると、バッテリ50の蓄電割合SOCが大きく保たれるようになる。図9は、第4実施例のHVECU70により実行される強制充電時制御中心設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。
強制充電時制御中心設定ルーチンが実行されると、HVECU70は、エンジン出力制限実行フラグFegとモータ駆動制限実行フラグFmg1とを入力し(ステップS400)、入力したエンジン出力制限実行フラグFegとモータ駆動制限実行フラグFmg1の値を調べ(ステップS410、S420)、エンジン出力制限実行フラグFegもモータ駆動制限実行フラグFmg1も値0のときには、制御中心SOC*として通常時の蓄電割合SOC1を設定して(ステップS430)、本ルーチンを終了し、エンジン出力制限実行フラグFegが値1であるか或いはモータ駆動制限実行フラグFmg1が値1であるときには、制御中心SOC*として通常時の蓄電割合SOC1より大きな蓄電割合SOC2を設定して(ステップS440)、本ルーチンを終了する。このように、エンジン出力制限実行フラグFegが値1であるか或いはモータ駆動制限実行フラグFmg1が値1であるときに大きな蓄電割合SOC2を制御中心SOC*として設定することにより、バッテリ50の蓄電割合SOCが制御中心SOC*を中心とする不感帯の範囲に入るまで、より大きな充電電力によってバッテリ50の強制充電が行なわれ、バッテリ50の蓄電割合SOCを回復することができる。
以上説明した第4実施例のハイブリッド自動車320によれば、バッテリ50を強制充電するときに、エンジン22に対して出力制限が課されているためにエンジン出力制限実行フラグFegに値1が設定されていたり、モータMG1に対して駆動制限が課されているためにモータ駆動制限実行フラグFmg1に値1が設定されているときには、エンジン出力制限実行フラグFegに値0が設定されており且つモータ駆動制限実行フラグFmg1に値0が設定されている通常時の蓄電割合SOC1より大きな蓄電割合SOC2を制御中心SOC*に設定し、バッテリ50の蓄電割合SOCが設定した制御中心SOC*を中心とする不感帯の範囲に入るまでバッテリ50を強制充電することにより、バッテリ50の蓄電割合SOCを十分に回復することができる。この結果、バッテリ50の蓄電割合SOCの回復が低いために車両の動特性が低下するのを抑制することができる。
第4実施例のハイブリッド自動車320では、バッテリ50を強制充電するときに、エンジン22に対して出力制限が課されていたり、モータMG1に対して駆動制限が課されているときには、エンジン22に対して出力制限が課されておらず且つモータMG1に対して駆動制限が課されていない通常時の蓄電割合SOC1より大きな蓄電割合SOC2を制御中心SOC*に設定し、バッテリ50の蓄電割合SOCが設定した制御中心SOC*を中心とする不感帯の範囲に入るまでバッテリ50を強制充電するものとしたが、バッテリ50を強制充電するときに、エンジン22に対して出力制限が課されるのが予想される状態であったり、モータMG1に対して駆動制限が課されるのが予想される状態であるときには、エンジン22に対して出力制限が課されるのが予想されず且つモータMG1に対して駆動制限が課されるのが予想されない通常時の蓄電割合SOC1より大きな蓄電割合SOC2を制御中心SOC*に設定し、バッテリ50の蓄電割合SOCが設定した制御中心SOC*を中心とする不感帯の範囲に入るまでバッテリ50を強制充電するものとしてもよい。この場合、図9の強制充電時制御中心設定ルーチンのステップS400,S410,S420に代えて図3の変形例の強制充電時間設定ルーチンのステップS100B,S110B,S120Bを用いるものとすればよい。こうすれば、バッテリ50の蓄電割合SOCを十分に回復することができ、バッテリ50の蓄電割合SOCの回復が低いために車両の動特性が低下するのを抑制することができる。
第4実施例のハイブリッド自動車320では、バッテリ50を強制充電するときに、エンジン22に対して出力制限が課されていたり、モータMG1に対して駆動制限が課されているときには、エンジン22に対して出力制限が課されておらず且つモータMG1に対して駆動制限が課されていない通常時の蓄電割合SOC1より大きな蓄電割合SOC2を制御中心SOC*に設定し、バッテリ50の蓄電割合SOCが設定した制御中心SOC*を中心とする不感帯の範囲に入るまでバッテリ50を強制充電するものとしたが、バッテリ50を強制充電するときに、エンジン22に対して出力制限が課されていたり、モータMG1に対して駆動制限が課されているときでも、車速Vが比較的低車速として予め定められた車速閾値Vref未満であったり、走行用パワーPdrvが比較的小さい値として予め定められたパワー閾値Pref未満であったり、アクセル開度Accが比較的小さい値として予め定められたアクセル開度閾値Aref未満であるときには、通常時の蓄電割合SOC1を制御中心SOC*に設定するものとしてもよい。この場合、図9の強制充電時制御中心設定ルーチンのステップS400に代えて図4〜図6の強制充電時間設定ルーチンのステップS100C,S100D,S100Eを用い、図9の強制充電時制御中心設定ルーチンのステップS440の直前に図4〜図6の強制充電時間設定ルーチンのステップS125C,S125D,S125Eを挿入するものを用いるものとすればよい。こうすれば、エンジン22に対して出力制限が課されていたり、モータMG1に対して駆動制限が課されているときにバッテリ50を強制充電するときでも、車速Vが車速閾値Vref未満のときや走行用パワーPdrvがパワー閾値Pref未満のとき或いはアクセル開度Accがアクセル開度閾値Aref未満のときには、制御中心SOC*として通常時の蓄電割合SOC1を用いることができ、強制充電の時間が長くなるのを抑制することができる。
各実施例のハイブリッド自動車20,120,220,320では、モータMG2からの動力を駆動軸36に出力するものとしたが、モータMG2からの動力を駆動軸36が接続された車軸(駆動輪38a,38bが接続された車軸)とは異なる車軸に接続するものとしてもよい。また、各実施例のハイブリッド自動車20,120,220,320では、エンジン22からの動力をプラネタリギヤ30を介して駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に出力すると共にモータMG2からの動力を駆動軸36に出力するものとしたが、走行用の動力を出力可能なエンジンと、エンジンからの動力を用いて発電する発電機と、走行用の動力を出力可能な電動機と、発電機や電動機と電力のやりとりを行なうバッテリと、を備えるものであれば、如何なるタイプのハイブリッド自動車としても構わない。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「エンジン」に相当し、モータMG1が「発電機」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、バッテリ50が「バッテリ」に相当し、HVECU70とエンジンECU24とモータECU40とバッテリECU52との組み合わせが「制御手段」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド車の製造産業などに利用可能である。
20,120,220,320 ハイブリッド自動車、22 エンジン、23 温度センサ、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、30 プラネタリギヤ、36 駆動軸、37 デファレンシャルギヤ、38a,38b 駆動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、45〜48 温度センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、MG1,MG2 モータ。

Claims (1)

  1. 走行用の動力を出力可能なエンジンと、前記エンジンからの動力を用いて発電する発電機と、走行用の動力を出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりを行なうバッテリと、運転者の要求に応じて走行するよう前記エンジンと前記発電機と前記電動機とを制御する制御手段と、を備えるハイブリッド車において、
    前記制御手段は、前記エンジンに対して出力制限が課されている状態と前記エンジンに対して出力制限が課されるのが予想される状態と前記発電機に対して駆動制限が課されている状態と前記発電機に対して駆動制限が課されるのが予想される状態の4状態のうちのいずれかの状態にある所定制限状態時には、前記バッテリを充電する際の充電量が前記所定制限状態時ではないときに比して大きくなるよう前記エンジンと前記発電機と前記電動機とを制御する手段である、
    ことを特徴とするハイブリッド車。
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