JP2012214774A - ポリカーボネート樹脂の製造方法 - Google Patents
ポリカーボネート樹脂の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012214774A JP2012214774A JP2012076643A JP2012076643A JP2012214774A JP 2012214774 A JP2012214774 A JP 2012214774A JP 2012076643 A JP2012076643 A JP 2012076643A JP 2012076643 A JP2012076643 A JP 2012076643A JP 2012214774 A JP2012214774 A JP 2012214774A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dihydroxy compound
- polycarbonate resin
- dissolution tank
- reactor
- producing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- BPZIYBJCZRUDEG-UHFFFAOYSA-N CC(C)(CO)C(OC1)OCC11COC(C(C)(C)CO)OC1 Chemical compound CC(C)(CO)C(OC1)OCC11COC(C(C)(C)CO)OC1 BPZIYBJCZRUDEG-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
Abstract
【解決手段】 構造の一部に下記式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物(A)と、炭酸ジエステルとを、液体状態で連続的に反応器に供給して溶融重縮合する工程を含むポリカーボネート樹脂の製造方法であって、前記ジヒドロキシ化合物(A)を液化してから、反応器に供給するまでの滞留時間が0.1時間以上10時間以下とする。
【選択図】なし
Description
0.05 ≦ A/B ≦ 5 (I)
V/S ≦ 0.3 (II)
なお、本明細書において、「〜」という表現を用いた場合、その前後の数値または物理値を含む意味で用いることとする。
以下、本発明のポリカーボネート樹脂に使用可能な原料、触媒について説明する。
(ジヒドロキシ化合物)
本発明のポリカーボネート樹脂の製造に用いられるジヒドロキシ化合物(A)は、下記式(1)で表される部位を有するものである。以下、該ジヒドロキシ化合物を「本発明のジヒドロキシ化合物(A)」と称する場合がある。
なお、上記の「環状エーテル構造を有するジヒドロキシ化合物」の「環状エーテル構造」とは、環状構造中にエーテル基を有し、環状鎖を構成する炭素が脂肪族炭素である構造からなるものを意味する。
本発明のポリカーボネート樹脂は、上述した本発明のジヒドロキシ化合物(A)を含むジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを原料として、重縮合反応により得ることができる。
A1およびA2の好ましいものは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基であり、より好ましいのは無置換の芳香族炭化水素基である。尚、脂肪族炭化水素基の置換基としては、エステル基、エーテル基、カルボン酸、アミド基、ハロゲンが挙げられ、芳香族炭化水素基の置換基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基が挙げられる。
本発明のポリカーボネート樹脂は、上述のように本発明のジヒドロキシ化合物(A)を含むジヒドロキシ化合物と前記式(5)で表される炭酸ジエステルとを重縮合反応させてポリカーボネート樹脂を製造する。より詳細には、重縮合反応させ、副生するモノヒドロキシ化合物等を系外に除去することによって得られる。この場合、通常、重縮合反応触媒存在下で重縮合反応を行う。
溶融重縮合による反応は、反応速度やポリカーボネート樹脂の品質を一定に制御するために、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとのモル比を厳密に制御する必要がある。要求される定量精度を得るには固体を供給する方法では難しいため、ポリカーボネート樹脂の原料として使用するジヒドロキシ化合物、および炭酸ジエステルは、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガスの雰囲気下、バッチ式、半回分式または連続式の攪拌槽型の装置を用いて溶融液として扱われる。
反応器に配管を複数つなげると、反応器の圧力の制御が難しくなるため、反応器に供給される前に配管内ですべての原料が混合されることが特に好ましい。前述のとおり、原料調製液が相分離を起こす可能性がある場合は、原料を混合する際にスタティックミキサーを使用して、液を均一に分散させることが好ましい。
まず、本発明において、ジヒドロキシ化合物を液化してから反応器に供給するまでに該ジヒドロキシ化合物を含む液が通過する装置を、溶解槽と移送配管(スタティックミキサーやフィルターを含む)とに区別する。そして、(1)溶解槽において、ジヒドロキシ化合物を液化(溶解または溶融)する段階、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルを混合する段階、及び原料溶融液を貯蔵する段階の全てに要する時間と、(2)移送配管内を移動し、スタティックミキサーやフィルターを通過する段階の全てに要する時間とを足し合わせた時間が現実の滞留時間となる。但し、移送配管内を移動する全ての段階に要する時間は、溶解槽における全ての段階に要する時間に対して、無視できるほど小さいことから、本発明においては、溶解槽における全ての段階に要する時間の合計を滞留時間Tと定義する。
この場合、溶解槽iから物質の流出がない事を指し、溶解槽iの中で物質が静置されているか、攪拌されているかは問わない。溶解槽iの要素1としての滞留時間Ti 1[hr]は溶解槽iに物質が保持されている時間ti[hr]となる。
Ti 1=ti (10)
Ti 1:溶解槽iの要素1としての滞留時間[hr]
ti:溶解槽iに物質が保持されている時間[hr]
要素1の例としては、溶解槽で固体を加熱攪拌するのに要する時間、バッチ式でジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルを混合する時間、原料溶融液を貯蔵する時間等が該当する。なお、溶解槽から溶液を排出する時間は後述の要素2に分類される。
溶解槽iの要素2としての滞留時間Ti 2[hr]は、溶解槽i内部に存在する物質の総量Wi[kg]と溶解槽iから該物質が流出する流量Fi[kg/hr]とから次のように求まる。
Ti 2=Wi/Fi (11)
Ti 2:溶解槽iの要素2としての滞留時間[hr]
Wi:溶解槽i内部に存在する物質の量[kg]
Fi:溶解槽iから排出する物質の流量[kg/hr]
要素2の例としては、バッチ式の溶解槽からの排出における滞留時間が該当する。
溶解槽i内部に存在する物質の量Wi[kg]は一定であるので、要素3としての滞留時間Ti 3[hr]は、前記Wiと、溶解槽iから該物質が流出する流量Fi[kg/hr]とから次のように求まる。
Ti 3=Wi/Fi (12)
Ti 3:溶解槽iの要素3としての滞留時間[hr]
Wi:溶解槽i内部に存在する物質の量[kg]
Fi:溶解槽iから排出する物質の流量[kg/hr]
要素3の例としては、連続式でジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルを混合する時間が該当する。
この場合、溶解槽i内部に存在する物質の量Wi[kg]の変化が一律ではないので、該物質を排出する時、滞留時間に差が生じる。そこで、溶解槽iの要素4としての滞留時間Ti 4[hr]は、溶解槽iにおける物質の最長滞留時間Ti max[hr]とする。
Ti 4=Ti max (13)
Ti 4:溶解槽iの要素4としての滞留時間[hr]
Ti max:溶解槽iにおける物質の最長滞留時間[hr]
要素4の例としては、バッチ式溶解装置や間欠式混合装置等における滞留時間等が該当する。
(方法1)固体のジヒドロキシ化合物を溶融した炭酸ジエステル中に溶解して液化する方法。
(方法2)所定量のジヒドロキシ化合物の一部と炭酸ジエステルの溶融混合液に、所定量のジヒドロキシ化合物の残部を添加し溶解する方法。
(方法3)液体のジヒドロキシ化合物と液体の炭酸ジエステルを溶解槽で混合する方法。この方法においては、固体のジヒドロキシ化合物を単独で加熱融解して液化する工程を含む。
(方法4)固体のジヒドロキシ化合物と固体の炭酸ジエステルの混合物を加熱融解して液化する方法。
尚、第1溶解槽において未溶解の固体ジヒドロキシ化合物を含んでいる場合は、第1溶解槽の排出液を第2溶解槽に送液後、第2溶解槽においてジヒドロキシ化合物を完全溶解すればよい。
(代表例1)第1溶解槽において、液体の炭酸ジエステルと固体のジヒドロキシ化合物とをそれぞれ連続的に投入して混合し、該混合液を第2溶解槽へ連続的に送液し、第2溶解槽で完全溶解した後、連続的に排出する場合
この例では、ジヒドロキシ化合物が第1溶解槽に投入された時点から、液化したジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルの混合溶融液を第2溶解槽から排出する時点までを溶解槽内の滞留時間Tとする。上述の通り、溶解槽同士、又は溶解槽と反応器を接続する配管の影響は考慮しない。
T=T1+T2 (14)
T:第1溶解槽に原料を投入した時点から、第2溶解槽から混合溶融液を排出する時点までのジヒドロキシ化合物の滞留時間[hr]
T1:第1溶解槽におけるジヒドロキシ化合物の滞留時間[hr]
T2:第2溶解槽におけるジヒドロキシ化合物の滞留時間[hr]
ここで、第1溶解槽、第2溶解槽とも連続式であり、それぞれの溶解槽内部に存在する物質の量は一定で、かつ、それぞれの溶解槽から排出する物質の流量は一定であるから、第1溶解槽、第2溶解槽ともに前記要素3を適用する。
T=T1 3+T2 3 (14)
T1 3=W1/F1 (15)
T1 3:第1溶解槽におけるジヒドロキシ化合物の滞留時間[hr]
W1:第1溶解槽内部に存在する物質の量[kg]
F1:第1溶解槽から排出する物質の流量[kg/hr]
T2 3=W2/F2 (16)
T2 3:第2溶解槽におけるジヒドロキシ化合物の滞留時間[hr]
W2:第2溶解槽内部に存在する物質の量[kg]
F2:第2溶解槽から排出する物質の流量[kg/hr]
従って、式(14)は下記の通り記述される。
T=T1 3+T2 3=W1/F1+W2/F2 (17)
この例においても、ジヒドロキシ化合物が第1溶解槽に投入された時点から、液化したジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルの混合液を第2溶解槽から排出する時点までを溶解槽内の滞留時間Tとする。上述の通り、溶解槽同士、又は溶解槽と反応器を接続する配管の影響は考慮しない。
T=T1+T2 (18)
T:ジヒドロキシ化合物が第1溶解槽に投入された時点から、液化したジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルの混合液が第2溶解槽から排出された時点までのジヒドロキシ化合物の滞留時間[hr]
T1:第1溶解槽におけるジヒドロキシ化合物の滞留時間[hr]
T2:第2溶解槽におけるジヒドロキシ化合物の滞留時間[hr]
この例では、第1溶解槽はバッチ式に相当するので、第1溶解槽の滞留時間T1は、加熱を開始した時点から排出を開始した時点までの滞留時間(攪拌に要する時間)であり、該滞留時間は前記要素1に該当するのでT1 1と表記し、排出段階における滞留時間は上記要素2に該当するのでT1 2と表記する。第1溶解槽におけるジヒドロキシ化合物の滞留時間は次式で記述される。
T1=T1 1+T1 2=t1+W1/F1 (19)
T1:第1溶解槽におけるジヒドロキシ化合物を含む液の滞留時間[hr]
T1 1:第1溶解槽におけるジヒドロキシ化合物を含む液の攪拌に要する時間[hr]
T1 2:第1溶解槽におけるジヒドロキシ化合物を含む液の排出に要する時間[hr]
t1:第1溶解槽で攪拌に要する時間[hr]
W1:第1溶解槽内部に存在する物質の量[kg]
F1:第1溶解槽から排出する物質の流量[kg/hr]
但し、第1溶解槽の排出時間が第1溶解槽で攪拌に要する時間よりきわめて短い場合は、排出時間W1/F1を無視してもかまわない。
一方、第2溶解槽において、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルの混合液の量が変動し、第2溶解槽における混合液の滞留時間にばらつきが生じるため、第2溶解槽の滞留時間T2は、前記要素4に従い、最も長い滞留時間T2 maxとする。
T2 4=T2 max (20)
T2 4:第2溶解槽におけるジヒドロキシ化合物の滞留時間[hr]
T2 max:第2溶解槽における混合液の最長の滞留時間[hr]
従って、この例における滞留時間Tは次式となる。
T=T1 1+T2 4=t1+W1/F1+T2 max (21)
この例では、第1溶解槽はバッチ式による原料の加熱融解であり、第2溶解槽は連続式混合である。第1溶解槽において、ジヒドロキシ化合物を投入後、加熱を開始した時点から、第2溶解槽出口から原料混合液を排出した時点までを溶解槽内の滞留時間Tとする。
T=T1+T2 (22)
T:第1溶解槽において、ジヒドロキシ化合物を投入後、加熱を開始した時点から、第2溶解槽出口から原料混合液を排出した時点までのジヒドロキシ化合物の滞留時間[hr]
T1:第1溶解槽におけるジヒドロキシ化合物の滞留時間[hr]
T2:第2溶解槽におけるジヒドロキシ化合物の滞留時間[hr]
この例においても、第1溶解槽において、加熱を開始した時点から排出を開始した時点までの滞留時間と、排出段階における滞留時間に分割でき、それらの和を第1溶解槽内の滞留時間T1とするので、代表例2の第1溶解槽の場合と同様、次式である。
T1=T1 1+T1 2=t1+W1/F1 (23)
T1 1:加熱を開始した時点から排出を開始した時点までの第1溶解槽内のジヒドロキシ化合物の滞留時間[hr]
T1 2:排出段階における溶解槽内のジヒドロキシ化合物の滞留時間[hr]
t1:第1溶解槽で攪拌に要する時間[hr]
W1:第1溶解槽内のジヒドロキシ化合物の量[kg]
F1:第1溶解槽から排出するジヒドロキシ化合物の流量[kg/hr]
一方、第2溶解槽における滞留時間T2は、上記要素3の連続混合に該当するので、滞留時間T2は次式になる。
T2=T2 3=W2/F2 (24)
T2 3:第2溶解槽内のジヒドロキシ化合物の滞留時間[hr]
W2:第2溶解槽内のジヒドロキシ化合物の量[kg]
F2:第2溶解槽から排出するジヒドロキシ化合物の流量[kg/hr]
以上をまとめると、この例における滞留時間Tは、次式の通り記述される。
T=T1+T2=t1+W1/F1+W2/F2 (25)
この例では、所定量の一部のジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルの溶融混合液をあらかじめ第1溶解槽に蓄えている貯留段階、第1溶解槽に所定量の残部の固体のジヒドロキシ化合物を供給して溶解する段階、及び第1溶解槽からジヒドロキシ化合物を抜き出す段階に分割することができる。ここで、あらかじめ第1溶解槽に蓄えられているジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの溶融混合液の貯留段階の滞留時間と、第1溶解槽に所定量の残部の固体のジヒドロキシ化合物を供給して溶解する段階における滞留時間は、溶解槽からの排出がないため、前記要素1に該当し、まとめてT1 1として扱う。
T1 1=t1 (26)
T1 1:第1溶解槽にあらかじめ蓄えられている所定量の一部のジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルの溶融混合液の滞留時間及び、第1溶解槽に所定量の残部の固体のジヒドロキシ化合物を供給して溶解する段階における滞留時間[hr]
t1:第1溶解槽にあらかじめ上記溶融混合液が蓄えられている時間と、第1溶解槽に所定量の残部の固体のジヒドロキシ化合物を供給して溶解する段階の所要時間[hr]
本代表例における滞留時間Tは、第1溶解槽における前記要素1の滞留時間の合計T1 1、及び、第1溶解槽からの排出段階での滞留時間T1 2の和であり、次式(27)となる。
T=T1 1+T1 2=t1+T1 2 (27)
T:第1溶解槽において、所定量の一部のジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルの溶融混合液を投入した時点から、所定量の残部の固体のジヒドロキシ化合物の供給を経て、第1溶解槽出口から原料混合液を排出した時点までのジヒドロキシ化合物の滞留時間[hr]
ここで、第1溶解槽からジヒドロキシ化合物を抜き出す段階の滞留時間は前記要素2に該当する。
T1 2=W1/F1 (28)
T1 2:第1溶解槽からの抜き出し段階におけるジヒドロキシ化合物の滞留時間[hr]
W1:第1溶解槽内部に存在する混合液の全量[kg]
F1:第1溶解槽から排出する混合液の流量[kg/hr]
以上をまとめると次式(29)になる。
T=T1 1+T1 2=t1+W1/F1 (29)
又、本発明のジヒドロキシ化合物(A)が溶解槽に連続的に供給され、同時に連続的に排出される場合は、定常状態においては初期に本発明のジヒドロキシ化合物(A)をあらかじめ溶融させる際にかかった時間は考慮しないので、溶解槽への物質流入の流量と、該溶解槽からの物質流出の流量が等しく、かつ一定である。従って、前記要素3に相当し、溶解槽における本発明のジヒドロキシ化合物(A)の滞留時間はA/B[hr]で表される。なお、両方の場合とも溶解槽内の本発明のジヒドロキシ化合物(A)の量A[kg]には、固体状のジヒドロキシ化合物を含んでいてもよい。
この時、溶解槽における滞留時間は、5時間以内が好ましく、さらに好ましくは4時間以内であり、最も好ましくは3時間以内である。また、本発明のジヒドロキシ化合物(A)の代表例であるイソソルビドを液化させるための所要時間として、現実的には0.05時間以上、好ましくは0.1時間、更に好ましくは0.5時間が必要となる。また、固体の供給速度が速すぎると、溶融液の温度を保持することが困難となり、溶解槽や移送配管内で固化して閉塞を招くおそれがある。したがって、固体のイソソルビドを供給する溶解槽における経過時間A/Bは、下記式(I)で示される条件となるのが好ましい。
0.05 ≦ A/B ≦ 5 (I)
溶解槽の内温が120℃より高いと、ジヒドロキシ化合物(A)自体の着色を招き、さらには反応性が低下するという問題点を生ずるおそれがある。なお、溶解槽の温度の下限は、70℃がよく、75℃が好ましい。70℃より低いと、結晶化して配管などが閉塞する問題点を生じるおそれがある。
溶解槽の内温が210℃より高いと、スピログリコール自体の開環反応を招き、樹脂が架橋しゲル化するおそれがある。なお、溶解槽の温度の下限は、170℃以上が好ましく、175℃以上が更に好ましい。170℃より低いと、スピログリコールが結晶化して配管などが閉塞するおそれがある
本発明のジヒドロキシ化合物(A)としてイソソルビドやスピログリコール以外のジヒドロキシ化合物を使用する場合は、該ジヒドロキシ化合物の融点や、炭酸ジエステルと混合したときの相分離温度等を考慮して適宜決定する。
本発明の方法においては、少なくとも2器の反応器を用いる2段階以上の多段工程で、上記ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを、通常、重縮合触媒の存在下で反応させる(溶融重縮合)ことによりポリカーボネート樹脂が製造される。
<前段反応工程>
先ず、上記ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの混合物を、溶融下に、竪型反応器に供給して、通常、温度130℃〜270℃で重縮合反応を行う。
次に、前段の重縮合工程で得られたオリゴマーを横型攪拌反応器に供給して、温度200℃〜280℃で重縮合反応を行い、ポリカーボネート樹脂を得る。この反応は通常1器以上、好ましくは1〜3器の横型攪拌反応器で連続的に行われる。
重縮合工程を多槽方式で行う場合は、通常、竪型攪拌反応器を含む複数器の反応器を設けて、ポリカーボネート樹脂の平均分子量(還元粘度)を増大させる。
本発明のポリカーボネート樹脂は、上述の重縮合反応を行った後、溶融状態のまま、フィルターに通して異物を濾過する。中でも樹脂中に含まれる低分子量成分の除去や、熱安定剤等の添加混練を実施するため、重縮合で得られた樹脂を押出機に導入し、次いで押出機から排出された樹脂を、フィルターを用いて濾過することが好ましい。
次に図1を用いて、本実施の形態が適用される本発明の方法の一例を具体的に説明する。以下に説明する製造装置や原料、触媒は本発明の実施態様の一例であり、本発明は以下に説明する例に限定されるものではない。
本実施の形態では、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの重縮合反応に基づく重縮合は、以下の手順に従い開始される。
内温:130℃〜240℃、圧力:40kPa〜10kPa、加熱媒体の温度130℃〜260℃、還流比0.01〜10
(第2竪型攪拌反応器6b)
内温:150℃〜250℃、圧力:40kPa〜8kPa、加熱媒体の温度150℃〜260℃、還流比0.01〜5
(第3竪型攪拌反応器6c)
内温:170℃〜260℃、圧力:10kPa〜1kPa、加熱媒体の温度170℃〜260℃
(第4横型攪拌反応器6d)
内温:210℃〜260℃、圧力:1kPa〜10Pa、加熱媒体の温度210〜260℃
以下において、反応液と留出液、およびポリカーボネート樹脂の組成分析と物性の評価は次の方法により行った。
・ISB:イソソルビド (ロケットフルーレ社製、商品名:POLYSORB PS)
・CHDM:1,4−シクロヘキサンジメタノール(新日本理化(株)製、商品名:SKY CHDM)
・SPG:スピログリコール (三菱ガス化学(株)製)
・DPC:ジフェニルカーボネート(三菱化学(株)製)
10mLメスフラスコに試料約4gを精秤し、脱塩水を加えて溶解した。液体クロマトグラフィーにて所定のピークの面積値から絶対検量線法により蟻酸の定量を行った後、含有量を算出した。
用いた装置や条件は、次のとおりである。
・装置:島津製作所製
システムコントローラ:CBM−20A
ポンプ:LC−10AD
カラムオーブン:CTO−10ASvp
検出器:SPD−M20A
分析カラム:Cadenza CD−18 4.6mmΦ×250mm
オーブン温度:40℃
・検出波長:220nm
・溶離液:0.1%リン酸水溶液
・流量:1mL/min
・試料注入量:20μL
10mLメスフラスコに試料約4gを精秤し、脱塩水を加えて溶解した。液体クロマトグラフィーにて所定のピークの面積値から絶対検量線法によりフルフラールの定量を行った後、含有量を算出した。
用いた装置や条件は、次のとおりである。
・装置:島津製作所製
システムコントローラ:CBM−20A
ポンプ:LC−10AD
カラムオーブン:CTO−10ASvp
検出器:SPD−M20A
分析カラム:Cadenza CD−18 4.6mmΦ×250mm
オーブン温度:40℃
・検出波長:273nm
・溶離液:脱塩水/アセトニトリル/リン酸=70/30/0.1
・流量:1mL/min
・試料注入量:10μL
ビーカーに試料を15g計量し、脱塩水50gを加えて溶解した。あらかじめpH4、pH7、pH9の標準溶液により校正されたガラス電極GTPH1B(三菱化学アナリテック(株)製)を溶液に浸けて、pHを測定した。
ビーカーに試料20gを計量し、脱塩水20gを加えて溶解した。光路長2cmのガラスセルに入れて、分光測色計CM−5(コニカミノルタ(株)製)により透過モードで測定を行い、溶液のイエローインデックス(YI)値を測定した。YI値が小さい程、黄色味が少ないことを示す。
ビーカーに試料20gを計量し、アセトン20を加えて溶解した。光路長2cmのガラスセルに入れて、分光測色計CM−5(コニカミノルタ(株)製)により透過モードで測定を行い、溶液のイエローインデックス(YI)値を測定した。YI値が小さい程、黄色味が少ないことを示す。
6)還元粘度
溶媒として塩化メチレンを用い、0.6g/dLの濃度のポリカーボネート樹脂溶液を調製した。森友理化工業(株)製ウベローデ型粘度管を用いて、温度20.0℃±0.1℃で測定を行い、溶媒の通過時間t0と溶液の通過時間tから次式より相対粘度ηrelを求め、
ηrel=t/t0
相対粘度から次式より比粘度ηspを求めた。
ηsp=(η−η0)/η0=ηrel−1
比粘度を濃度c(g/dL)で割って、還元粘度ηsp/cを求めた。この値が高いほど分子量が大きい。
ポリカーボネート樹脂の色相は、ASTM D1925に準拠して、ペレットの反射光におけるYI値(イエローインデックス値)を測定して評価した。装置はコニカミノルタ(株)製分光測色計CM−5を用い、測定条件は測定径30mm、SCEを選択した。シャーレ測定用校正ガラスCM−A212を測定部にはめ込み、その上からゼロ校正ボックスCM−A124をかぶせてゼロ校正を行い、続いて内蔵の白色校正板を用いて白色校正を行った。白色校正板CM−A210を用いて測定を行い、L*が99.40±0.05、a*が0.03±0.01、b*が−0.43±0.01、YIが−0.58±0.01となることを確認した。ペレットの測定は、内径30mm、高さ50mmの円柱ガラス容器にペレットを40mm程度の深さまで詰めて測定を行った。ガラス容器からペレットを取り出してから再度測定を行う操作を2回繰り返し、計3回の測定値の平均値を用いた。YI値が小さいほど樹脂の黄色味が少なく、色調に優れることを意味する。
なお、実施例で使用したISBの溶解前の各種分析値を表1に示す。
前述した図1に示した原料調製工程により、ISBとCHDMとDPCの混合溶液を調製した。
フレコンに包装されたISBをホッパー1bから投入した。解砕機1cを使用して圧密により生成した塊を最大径が2cm以下の大きさに砕き、攪拌翼1fと加熱媒体が流通する熱交換器1eを具備する溶解槽1d(第一溶解槽)に移送した。解砕機1cと、解砕機1cから溶解槽1dを繋ぐ配管内には窒素を流通させた。溶解槽1dは内温が80℃となるように熱媒温度を調整し、槽底部の排出ラインに設けたバルブ(図示せず)の開度を制御しつつ液量を調節することにより、滞留時間を1.5時間とした。溶解槽1dの内部には窒素導入管を取り付け(図示せず)、溶解槽1dの液中に、酸素濃度が5体積ppm以下である窒素を吹き込んでバブリングさせた。溶解槽1内部の酸素濃度は定常状態で500体積ppm未満であった。溶解槽1dの底部から排出されたISBは溶解槽1g(第二溶解槽)に供給された。溶解槽1gの内温は70℃、滞留時間は1.5時間に調節した。溶解槽1gの底部から定量供給ポンプ1hにより、溶融したISBを連続的に排出し、別途、溶融させたCHDMとDPCおよび重縮合触媒として酢酸カルシウム1水和物とを一定のモル比(ISB/CHDM/DPC/Ca=0.700/0.300/1.000/1.5×10−6)となるように混合して、反応器に供給した。溶解槽1gから反応器までの移送配管における原料の滞留時間は3分以内であった。従って、ISBとDPCとを混合してから反応器へ供給するまでの時間は3分以内である。
原料調製液はスタティックミキサー5aと原料フィルター5bを通して反応器に供給した。反応器の前で重縮合触媒として酢酸カルシウム1水和物を全ジヒドロキシ化合物1molに対して1.5μmolとなるように触媒供給ポンプ4bから供給した。
ISB定量供給ポンプ1hの後に取り付けられたバルブからISB溶融液を、原料フィルター5bの前に取り付けられたバルブから原料調製液をそれぞれサンプリングし、前述の各種分析を行った。
先ず、各反応器を表2のとおり、予め反応条件に応じた内温・圧力に設定した。
次に原料調製工程にて一定のモル比で混合されたISBとCHDMとDPC、および重縮合触媒とを、前述した所定温度・圧力の±5%の範囲内に制御した第1竪型攪拌反応器6a内に連続供給し、平均滞留時間が80分になるように、槽底部のポリマー排出ラインに設けたバルブ(図示せず)の開度を制御しつつ、液面レベルを一定に保った。
その後の運転では、第4横型攪拌反応器6dの圧力を調節することにより、第4横型攪拌反応器出口の還元粘度が0.44ηから0.47の範囲となるように合わせ込んだ。24時間運転を行った際の圧力の調整範囲は0.4kPaから0.5kPaであり、ペレットYIは8.5から9.1の範囲で変動した。ほぼ一定の反応条件での運転で、分子量や色調の変動の少ないポリカーボネート樹脂が得られた。
この結果を表3に示した。
ISBの溶解時に溶解槽1d内の窒素バブリングを停止した以外は実施例1と同様に行った。溶解槽1内部の酸素濃度は定常状態で1500体積ppmであった。実施例1と比較して、サンプリングしたISBの分析値は蟻酸とフルフラールの含有量が増加し、pHの低下や着色の程度も大きくなっており、また、原料調製液の色調も若干悪化していることから、溶解工程中に劣化が進行していることが示唆された。
上記のとおり調製された原料を用いて、重縮合工程は実施例1と同様に実施した。得られたポリカーボネート樹脂は実施例1と比較して若干色調が悪化した。この結果を表3に示した。
ISBの溶解時に溶解槽1dの1槽のみを用いて溶解させた。溶解槽1dの滞留時間を1.5時間に設定し、未溶解のISBが残らないように溶解槽内温を調節したところ、100℃まで昇温する必要があった。実施例1と比較して、ISB分析値は蟻酸とフルフラールの含有量が増加し、pHの低下や着色の程度も大きくなっており、また、原料調製液の色調も若干悪化していることから、溶解工程中に劣化が進行していることが示唆された。
上記のとおり調製された原料を用いて、重縮合工程は実施例1と同様に実施したところ、得られたポリカーボネート樹脂は実施例1と比較して若干色調が悪化した。この結果を表3に示した。
溶解槽1fと同様の第一溶解槽(図示せず)に溶融したDPCを仕込み、続いて、CHDMとISBを一定のモル比(ISB/CHDM/DPC=0.700/0.300/1.000)となるように供給した。内温を110℃に設定し、1時間攪拌した。槽底部から第二溶解槽(図示せず)に全量移送し、内温110℃で2時間保持した。槽底部から定量供給ポンプ(図示せず)により原料フィルター5bを通した後、重縮合触媒として酢酸カルシウム1水和物を全ジヒドロキシ化合物1molに対して、1.5μmolとなるように供給した。上記のように調製された原料調製液は重縮合工程に送られ、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂を製造した。
運転中は第二溶解槽の原料がなくなる前に、新たに第一溶解槽で原料を混合して、第二溶解槽に供給した。第二溶解槽では新たな原料が供給されるまで滞留時間が延び続けることになり、本比較例における第二溶解槽での最長の滞留時間は12時間であった。また、ISBとDPCを混合してから反応器へ供給するまでの時間は720分であった。
上記のようにして得られたポリカーボネート樹脂は実施例1と比較して色調が悪化しただけでなく、分子量を一定範囲に収めるために第4横型反応器6dの圧力を調節したところ、実施例1よりも変動幅が広くなった。さらに、得られたポリカーボネート樹脂の色調の振れ幅も広くなった。この結果を表3に示した。
溶解槽1dの滞留時間を6時間、溶解槽1gの滞留時間を5時間とした以外は実施例1と同様に行った。実施例1と比較して、ISB分析値は蟻酸とフルフラールの含有量が増加し、pHの低下や着色の程度も大きくなっており、また、原料調製液の色調も若干悪化していることから、溶解工程中に劣化が進行していることが示唆された。
上記のとおり調製された原料を用いて、重縮合工程は実施例1と同様に実施したところ、得られたポリカーボネート樹脂は実施例1と比較して色調が悪化した。この結果を表3に示した。
前述した図1に示した原料調製工程により、SPGとCHDMとDPCの混合溶液を調製した。溶解槽1dにあらかじめ溶融させたDPCを投入し(溶解槽1dへのDPC供給ラインは図示せず)、内温を180℃に保持させた。内温が170℃より低い場合はSPGがDPCと分離して結晶が析出して溶解が困難であった。フレコンに包装されたSPGをホッパー1bから投入し、ホッパー内を窒素で置換した後、SPGとDPCが所定のモル比となるように計量フィーダーにより計量し(図示せず)、溶解槽1dに投入した。溶解槽1dの内部には窒素導入管を取り付け(図示せず)、溶解槽1dの液中に、酸素濃度が5体積ppm以下である窒素を吹き込んでバブリングさせた。1時間攪拌してSPGをDPCに溶解させた後、槽底部の排出ラインに設けたバルブ(図示せず)の開度を制御しつつ液量を調節し、同時に溶融DPCと固体のSPGとを所定流量で連続的に供給することで、滞留時間が1.5時間となるように液面を調節した。溶解槽1dの底部から排出されたSPGとDPCの混合液は溶解槽1g(第二溶解槽)に供給された。溶解槽1gの内温は175℃、滞留時間は1.5時間に調節した。溶解槽1gの底部から定量供給ポンプ1hにより、溶融したSPGとDPCを連続的に排出し、別途、溶融させたCHDMと一定のモル比(SPG/CHDM/DPC=0.700/0.300/1.005)となるように混合して、反応器に供給した。
原料調製液はスタティックミキサー5aと原料フィルター5bを通して反応器に供給した。反応器の前で重縮合触媒として酢酸カルシウム1水和物を全ジヒドロキシ化合物1molに対して30μmolとなるように触媒供給ポンプ4bから供給した。
続いて、原料調製液は図2に示した重縮合工程に送られ、竪型攪拌反応器3器及び横型攪拌反応器1器を有する連続製造装置により、以下の条件でポリカーボネートを製造した。
先ず、各反応器を表4のとおり、予め反応条件に応じた内温・圧力に設定した。次に原料調製工程にて一定のモル比で混合されたSPGとCHDMとDPC、および重縮合触媒とを、前述した所定温度・圧力の±5%の範囲内に制御した第1竪型攪拌反応器6a内に連続供給し、平均滞留時間が80分になるように、槽底部のポリマー排出ラインに設けたバルブ(図示せず)の開度を制御しつつ、液面レベルを一定に保った。重縮合触媒として酢酸カルシウム1水和物を全ジヒドロキシ化合物1molに対して、30μmolとなるように供給した。
第4横型攪拌反応器6dの圧力を調節することにより、第4横型攪拌反応器出口の還元粘度が0.60から0.63の範囲となるように合わせ込んだ。24時間運転を行った際の圧力の調整範囲は70から0.73の範囲となるように合わせ込んだ。24時間運転を行った際の圧力の調整範囲は0.3kPaから0.4kPaであり、ペレットYIは3から5の範囲で変動した。ほぼ一定の反応条件での運転で、分子量や色調の変動の少ないポリカーボネート樹脂が得られた。
この結果を表5に示した。
溶解槽1dと溶解槽1gの液量をそれぞれ表5のように設定することにより、溶解槽1dと溶解槽1gの滞留時間をそれぞれ6時間とした以外は、実施例4と同様に行ったが、第4横型反応器にて溶融樹脂が攪拌翼に絡みつき、樹脂の抜き出しが困難となり、ペレット化はできなかった。得られた樹脂は塩化メチレンに不溶であり、還元粘度の測定も不可能であった。溶融状態で長時間保存していたSPGが開環反応を起こしたために、樹脂が架橋し、ゲルとなってしまったことが考えられる。
1b:ISB受入ホッパー、SPG受入ホッパー
1c:解砕機
1d、1g:ISB溶解槽、SPG溶解槽
1e:内部熱交換器
1f:上部パドル下部アンカー型攪拌翼
1h:ISB定量供給ポンプ、SPG/DPC混合液定量供給ポンプ
2a:CHDMドラム缶
2b:CHDM供給ポンプ
2c:CHDM溶解槽
2d:CHDM定量供給ポンプ
3a:DPC供給ライン
3b:DPC定量供給ポンプ
4a:触媒タンク
4b:触媒定量供給ポンプ
5a:スタティックミキサー
5b:原料フィルター
6b:第2竪型攪拌反応器
6c:第3竪型攪拌反応器
6d:第4横型攪拌反応器
7a、7b、7c:マックスブレンド翼
7d:2軸メガネ型攪拌翼
8a、8b:内部熱交換器
9a、9b:ギヤポンプ
10a、10b:還流冷却器
11a、11b:還流管
12a、12b、12c、12d:留出管
13a、13b、13c、13d:凝縮器
14a、14b、14c、14d:減圧装置
15a:留出液回収タンク
Claims (22)
- 前記ジヒドロキシ化合物(A)が、環状エーテル構造を有する化合物である請求項1に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 前記ジヒドロキシ化合物(A)をあらかじめ溶融させた液を有する溶解槽に、固体の前記ジヒドロキシ化合物(A)を供給して液化される請求項請求項1又は2に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 前記溶解槽の内温が120℃以下であり、かつ、内温と加熱媒体温度との差が50℃以下である請求項3又は4に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 前記炭酸ジエステルをあらかじめ溶融させた液を有する溶解槽に、固体の前記式(3)又は(4)で表される化合物を供給して液化される請求項6に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 前記溶解槽の内温が200℃以下であり、かつ、内温と加熱媒体温度との差が50℃以下である請求項6又は7に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 前記溶解槽に前記固体のジヒドロキシ化合物(A)を連続的に供給し、同時に前記溶解槽から液化したジヒドロキシ化合物(A)を連続的に排出する請求項3乃至8のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 前記溶解槽内部に保有しているジヒドロキシ化合物(A)の重量をA[kg]、前記ジヒドロキシ化合物(A)の排出流量をB[kg/hr]とした時、下記式(I)満たす請求項9に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
0.05 ≦ A/B ≦ 5 (I) - 前記溶解槽に供給される前記固体のジヒドロキシ化合物(A)が、最大長3cm以上の塊状物を1kg当たり10個以下含有する請求項3乃至10のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 前記溶解槽が攪拌機と、加熱媒体が流通する熱交換器を具備する請求項3乃至11のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 前記溶解槽内部に保有されるジヒドロキシ化合物(A)の容積をV[m3]、前記ジヒドロキシ化合物(A)と熱交換機との接触面積をS[m2]とした時に、下記式(II)を満たす請求項3乃至12のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
V/S ≦ 0.3 (II) - 前記ジヒドロキシ化合物(A)が、直列に連結された2つ以上の前記溶解槽を用いて液化され、下流側の溶解槽の前記加熱媒体の温度が上流側の溶解槽の加熱媒体温度以下である請求項3乃至13のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 前記溶解槽内部の酸素濃度が1000体積ppm以下である請求項3乃至14のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 前記溶解槽に保有されるジヒドロキシ化合物(A)の液中に、酸素を10体積ppm以下含有する不活性ガスを吹き込む請求項3乃至15のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 前記ジヒドロキシ化合物(A)と、前記ジヒドロキシ化合物(A)以外のジヒドロキシ化合物(B)とを原料に用い、
前記ジヒドロキシ化合物(B)を、前記ジヒドロキシ化合物(A)を液化する溶解槽とは別の溶解槽で液化する請求項3乃至16のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。 - 前記ジヒドロキシ化合物(B)の融点が炭酸ジエステルの融点よりも高い場合、炭酸ジエステルをあらかじめ溶融させた液に、固体の前記ジヒドロキシ化合物(B)を供給して液化させる請求項17に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 反応に用いられる全てのジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとが、反応器に供給される前にスタティックミキサーにより混合される請求項1乃至18のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 反応に用いられるすべてのジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルを、反応器に投入される前にフィルターで濾過する請求項1乃至19のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 前記溶融重縮合が、長周期型周期表第2族の金属およびリチウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属の化合物の存在下で行われる請求項1乃至20のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 前記ジヒドロキシ化合物(A)と、前記ジヒドロキシ化合物(B)とを原料に用いて、連続的にポリカーボネート樹脂を製造する方法であって、反応器に供給される原料組成のうち、少なくとも1種のジヒドロキシ化合物の全ジヒドロキシ化合物に対する重量分率を、異なる重量分率に変更する組成切り替え工程を有し、
前記組成切り替え工程前後における重量分率の差は、1wt%以上である請求項17乃至21のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012076643A JP5906887B2 (ja) | 2011-03-30 | 2012-03-29 | ポリカーボネート樹脂の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011075386 | 2011-03-30 | ||
JP2011075386 | 2011-03-30 | ||
JP2012076643A JP5906887B2 (ja) | 2011-03-30 | 2012-03-29 | ポリカーボネート樹脂の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012214774A true JP2012214774A (ja) | 2012-11-08 |
JP5906887B2 JP5906887B2 (ja) | 2016-04-20 |
Family
ID=47267840
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012076643A Active JP5906887B2 (ja) | 2011-03-30 | 2012-03-29 | ポリカーボネート樹脂の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5906887B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20140147423A (ko) * | 2013-06-19 | 2014-12-30 | 주식회사 엘지화학 | 고분자의 제조 장치 및 고분자 반응기의 폐열 회수 방법 |
WO2017159727A1 (ja) * | 2016-03-15 | 2017-09-21 | 出光興産株式会社 | ポリカーボネート樹脂、ポリカーボネート樹脂の製造方法、塗工液、電子写真感光体、および電子写真装置 |
Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000319379A (ja) * | 1999-05-10 | 2000-11-21 | Teijin Ltd | 芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法 |
JP2003246853A (ja) * | 2002-02-27 | 2003-09-05 | Teijin Ltd | 芳香族ポリカーボネートの製造方法、製造装置 |
JP2004189858A (ja) * | 2002-12-10 | 2004-07-08 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 芳香族―脂肪族共重合ポリカーボネートの製造方法 |
JP2008247953A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-16 | Mitsubishi Chemicals Corp | 芳香族ポリカーボネートの製造方法 |
JP2009091417A (ja) * | 2007-10-05 | 2009-04-30 | Teijin Ltd | 植物由来成分を有するポリカーボネートの製造方法 |
JP2009091404A (ja) * | 2007-10-04 | 2009-04-30 | Teijin Ltd | 植物由来成分を有するポリカーボネートおよびその製造法 |
JP2009161745A (ja) * | 2007-12-13 | 2009-07-23 | Mitsubishi Chemicals Corp | ポリカーボネートの製造方法 |
WO2009120235A1 (en) * | 2008-03-26 | 2009-10-01 | Sabic Innovative Plastics Ip Bv | Monomer solution for producing polycarbonate |
JP2010150540A (ja) * | 2008-11-28 | 2010-07-08 | Mitsubishi Chemicals Corp | ポリカーボネート原料用ジヒドロキシ化合物の保存方法、ポリカーボネート原料の調製方法及びポリカーボネートの製造方法 |
-
2012
- 2012-03-29 JP JP2012076643A patent/JP5906887B2/ja active Active
Patent Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000319379A (ja) * | 1999-05-10 | 2000-11-21 | Teijin Ltd | 芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法 |
JP2003246853A (ja) * | 2002-02-27 | 2003-09-05 | Teijin Ltd | 芳香族ポリカーボネートの製造方法、製造装置 |
JP2004189858A (ja) * | 2002-12-10 | 2004-07-08 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 芳香族―脂肪族共重合ポリカーボネートの製造方法 |
JP2008247953A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-16 | Mitsubishi Chemicals Corp | 芳香族ポリカーボネートの製造方法 |
JP2009091404A (ja) * | 2007-10-04 | 2009-04-30 | Teijin Ltd | 植物由来成分を有するポリカーボネートおよびその製造法 |
JP2009091417A (ja) * | 2007-10-05 | 2009-04-30 | Teijin Ltd | 植物由来成分を有するポリカーボネートの製造方法 |
JP2009161745A (ja) * | 2007-12-13 | 2009-07-23 | Mitsubishi Chemicals Corp | ポリカーボネートの製造方法 |
WO2009120235A1 (en) * | 2008-03-26 | 2009-10-01 | Sabic Innovative Plastics Ip Bv | Monomer solution for producing polycarbonate |
JP2010150540A (ja) * | 2008-11-28 | 2010-07-08 | Mitsubishi Chemicals Corp | ポリカーボネート原料用ジヒドロキシ化合物の保存方法、ポリカーボネート原料の調製方法及びポリカーボネートの製造方法 |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20140147423A (ko) * | 2013-06-19 | 2014-12-30 | 주식회사 엘지화학 | 고분자의 제조 장치 및 고분자 반응기의 폐열 회수 방법 |
KR101640968B1 (ko) | 2013-06-19 | 2016-07-19 | 주식회사 엘지화학 | 고분자의 제조 장치 및 고분자 반응기의 폐열 회수 방법 |
WO2017159727A1 (ja) * | 2016-03-15 | 2017-09-21 | 出光興産株式会社 | ポリカーボネート樹脂、ポリカーボネート樹脂の製造方法、塗工液、電子写真感光体、および電子写真装置 |
JPWO2017159727A1 (ja) * | 2016-03-15 | 2019-02-14 | 出光興産株式会社 | ポリカーボネート樹脂、ポリカーボネート樹脂の製造方法、塗工液、電子写真感光体、および電子写真装置 |
US10787541B2 (en) | 2016-03-15 | 2020-09-29 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Polycarbonate resin, method for producing polycarbonate resin, coating liquid, electrophotographic photoreceptor, and electrophotography device |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5906887B2 (ja) | 2016-04-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5962148B2 (ja) | ポリカーボネートの製造方法およびポリカーボネートペレット | |
JP5948878B2 (ja) | ポリカーボネートの製造方法 | |
WO2010061926A1 (ja) | ポリカーボネート原料用ジヒドロキシ化合物の保存方法、ポリカーボネート原料の調製方法及びポリカーボネートの製造方法 | |
JP6019652B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂の製造方法 | |
KR20140010109A (ko) | 폴리카보네이트의 제조 방법 및 투명 필름 | |
WO2012133851A1 (ja) | ポリカーボネート樹脂の製造方法 | |
JP5857852B2 (ja) | ポリカーボネートの製造方法、ポリカーボネートペレットおよび透明フィルム | |
JP5987406B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂の製造方法 | |
JP5906887B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂の製造方法 | |
JP2015007188A (ja) | ポリカーボネートの製造方法 | |
JP5974682B2 (ja) | ポリカーボネートの製造方法 | |
JP2014074106A (ja) | ポリカーボネート樹脂の製造方法、ポリカーボネート樹脂ペレットおよび延伸フィルム | |
JP5928120B2 (ja) | ポリカーボネートの製造方法 | |
JP5929427B2 (ja) | ポリカーボネートの製造方法 | |
JP5939012B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂の製造方法 | |
JP6089626B2 (ja) | ポリカーボネートの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150203 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20150203 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150902 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150908 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20151106 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160223 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160307 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5906887 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |