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JP2012136405A - 積層体、複層ガラス、および積層体の製造方法 - Google Patents

積層体、複層ガラス、および積層体の製造方法 Download PDF

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JP2012136405A JP2010291016A JP2010291016A JP2012136405A JP 2012136405 A JP2012136405 A JP 2012136405A JP 2010291016 A JP2010291016 A JP 2010291016A JP 2010291016 A JP2010291016 A JP 2010291016A JP 2012136405 A JP2012136405 A JP 2012136405A
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Abstract

【課題】生産性に優れ、かつ透過色調が良好なグレーの色調である積層体を提供すること。
【解決手段】積層体1は、透明基体2上に、第1の透明誘電体層31、第1の赤外線反射層32、第1の金属バリア層33、第2の透明誘電体層34、第2の赤外線反射層35、第2の金属バリア層36、および第3の透明誘電体層37がこの順に積層されてなり、透過色調がグレーの色調となるものである。前記透明誘電体層4は酸化亜鉛を主成分とする金属酸化物からなり、前記金属バリア層6は亜鉛を主成分とする金属からなり、前記透明誘電体層4に含まれる金属元素と前記金属バリア層6に含まれる金属元素とが同一であり、かつ前記第1の金属バリア層33の厚さが前記第2の金属バリア層36の厚さよりも厚いもの。
【選択図】図1

Description

本発明は、積層体、複層ガラス、および積層体の製造方法に係り、特に複層ガラスに好適に使用される積層体、該積層体を用いた複層ガラス、該積層体の製造方法に関する。
近年、ビル、住宅等の建築物、自動車、電車等の車両の窓ガラスには、寒冷時には室内から室外への熱放射を遮断し、または暑熱時には室外から室内への太陽光による加熱を遮断し、室内の保温性の向上、冷・暖房効率の向上、省エネルギーを目的として、熱線反射膜を有するガラス積層体が用いられつつある。こうした熱線反射膜を有するガラス積層体は膜面の放射率が低く、Low−Eガラスと呼ばれている。
例えば、寒冷地ほどの室内の暖房を必要としない、温暖な地方で用いられる窓ガラスにおいては、室外から室内への熱の流入を遮断するとともに、室外からの太陽光による室内雰囲気の加熱を抑制し、冷房効率を向上させることが求められている。そこで、周縁部を密封して断熱空気層を形成するように2枚のガラス基板を配置し、室外側のガラス基板として、断熱空気層の側に熱線反射膜を有するガラス積層体を用いる複層ガラスが普及されつつある。
熱線反射膜としては、透明誘電体層、赤外線反射層、透明誘電体層が順に積層され、透明誘電体層が主として酸化亜鉛からなり、赤外線反射層が主として銀からなるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、このような3層系のものに対して、透明誘電体層と赤外線反射層とを合計して5層積層した5層系のものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
このようなガラス積層体については、透過色調が外観に大きな影響を与える。特に、高層ビル用窓ガラスについては、一般に高層ビルの外壁が天然石等のグレーの色調であるために、この周囲の色調との関係から透過色調がグレーの色調であることが求められる。また、ガラス積層体については、透過色調だけでなく、反射色調、例えば室外から見たときの反射色調についても赤味等を帯びないニュートラルな色調であることが求められる。さらに、ガラス積層体については、生産性を向上させる観点から、熱線反射膜を構成する構成層の種類、層数が少ないことが求められる。
特開2004−217432号公報 特開平7−165442号公報
5層系の熱線反射膜は、3層系の熱線反射膜に比べて、赤外線反射層の合計厚さが厚く、遮熱性能に優れる。また、透明誘電体層が主として酸化亜鉛からなり、赤外線反射層が主として銀からなるもの、特に赤外線反射層の酸化を抑制するための金属バリア層が主として亜鉛からなるものについては、良好な光学特性が得られるとともに、同一の金属ターゲットを用いて透明誘電体層と金属バリア層とを形成できるために、生産性に優れる。
しかしながら、透明誘電体層が主として酸化亜鉛からなり、赤外線反射層が主として銀からなり、金属バリア層が主として亜鉛からなるものについては、必ずしも透過色調をグレーの色調、特に黄色味がなく、クリアなグレーの色調にすることが容易でない。特に、透過色調をグレーの色調としつつ、反射色調をニュートラルな色調にすることは容易でない。金属バリア層を亜鉛以外の金属材料からなるものとすることで、透過色調をグレーの色調とし、また反射色調をニュートラルな色調にすることもできるが、別途、金属バリア層を形成するためのターゲットが必要となり、生産性が低下しやすい。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、生産性に優れ、かつ透過色調が良好なグレーの色調である積層体を提供することを目的としている。また、好ましくは、透過色調が良好なグレーの色調であり、かつ反射色調がニュートラルな色調である積層体を提供することを目的としている。さらに、本発明は、このような積層体を製造するための製造方法、またこのような積層体を有する複層ガラスを提供することを目的としている。
本発明の第1の積層体は、透明基体上に、第1の透明誘電体層、第1の赤外線反射層、第1の金属バリア層、第2の透明誘電体層、第2の赤外線反射層、第2の金属バリア層、および第3の透明誘電体層がこの順に積層されてなり、透過色調がグレーの色調となるものである。
本発明の第1の積層体は、前記透明誘電体層が酸化亜鉛を主成分とする層からなり、前記金属バリア層が亜鉛を主成分とする層からなり、前記透明誘電体層に含まれる酸素以外の元素と前記金属バリア層に含まれる元素とが同一であり、かつ前記第1の金属バリア層の厚さが前記第2の金属バリア層の厚さよりも厚いことを特徴とする。
本発明の第2の積層体は、透明基体上に、第1の透明誘電体層、第1の赤外線反射層、第1の金属バリア層、第2の透明誘電体層、第2の赤外線反射層、および第3の透明誘電体層がこの順に積層されてなり、透過色調がグレーの色調となるものである。
本発明の第2の積層体は、前記透明誘電体層が酸化亜鉛を主成分とする層からなり、前記金属バリア層が亜鉛を主成分とする層からなり、前記透明誘電体層に含まれる酸素以外の元素と前記金属バリア層に含まれる元素とが同一であることを特徴とする。
本発明の積層体の製造方法は、透明基体上に、第1の透明誘電体層、第1の赤外線反射層、第1の金属バリア層、第2の透明誘電体層、第2の赤外線反射層、第2の金属バリア層、および第3の透明誘電体層をこの順に成膜し、透過色調がグレーの色調となる積層体を製造するものである。
本発明の積層体の製造方法は、前記透明誘電体層および前記金属バリア層の成膜に亜鉛を主成分とする同一の金属ターゲットを用い、かつ前記第1の金属バリア層の酸化前の厚さを前記第2の金属バリア層の酸化前の厚さよりも厚くすることを特徴とする。
本発明の複層ガラスは、透明基板と、前記透明基板に対向して配置される積層体とを有する。本発明の複層ガラスは、前記積層体が上記した本発明の積層体であることを特徴とする。
本発明の積層体によれば、透明誘電体層が主として酸化亜鉛からなり、金属バリア層が主として亜鉛からなり、かつ透明誘電体層に含まれる酸素以外の元素と金属バリア層に含まれる元素とが同一であるものにおいて、各層形成後の完成状態における実質的な第1の金属バリア層の厚さを第2の金属バリア層の厚さよりも厚くすることで、または同状態において実質的に第2の金属バリア層を設けずに第1の金属バリア層のみを設けることで、生産性に優れたものとしつつ、透過色調をグレーの色調にすることができる。
また、本発明の積層体の製造方法によれば、透明誘電体層および金属バリア層の形成に亜鉛を主成分とする同一の金属ターゲットを用い、かつ第1の金属バリア層の酸化前の厚さを第2の金属バリア層の酸化前の厚さよりも厚くすることで、効率的に透過色調がグレーの色調である積層体を製造することができる。
さらに、本発明の複層ガラスによれば、本発明の積層体を用いることで、生産性に優れたものとしつつ、透過色調をグレーの色調にすることができる。
本発明の第1の積層体の一例を示す模式的断面図。 本発明の第2の積層体の一例を示す模式的断面図。 本発明の複層ガラスの一例を示す模式的断面図。 実施例における各積層体の透過色調の分布を示す図。 実施例における各積層体の透明基体側の反射色調の分布を示す図。
以下、本発明の積層体の実施形態について説明する。
図1は、第1の積層体の一例を示す模式的断面図である。第1の積層体1は、透明基体2上に熱線反射膜3を有する。この熱線反射膜3は、透明基体2側から順に、第1の透明誘電体層31、第1の赤外線反射層32、第1の金属バリア層33、第2の透明誘電体層34、第2の赤外線反射層35、第2の金属バリア層36、第3の透明誘電体層37が積層されたものである。なお、以下では、上記透明誘電体層をまとめて透明誘電体層4と呼び、上記赤外線反射層をまとめて赤外線反射層5と呼び、上記金属バリア層をまとめて金属バリア層6と呼んで説明する。
第1の積層体1は、透明誘電体層4が酸化亜鉛を主成分とする層からなり、金属バリア層6が亜鉛を主成分とする層からなり、透明誘電体層4に含まれる酸素以外の元素と金属バリア層6に含まれる元素とが同一であり、かつ第1の金属バリア層33の厚さが第2の金属バリア層36の厚さよりも厚いことを特徴とする。なお、本発明における厚さは、幾何厚さを意味する。
このような積層体1によれば、同一の金属ターゲットを用いたスパッタリングにより透明誘電体層4と金属バリア層6とを形成することができ、スパッタリングに必要なターゲットの種類を低減し、生産性に優れたものとすることができる。また、第1の金属バリア層33の厚さを第2の金属バリア層36の厚さよりも厚くすることで、透過色調をグレーの色調、特に黄色味がなく、クリアなグレーの色調にすることができる。
なお、グレーの色調とは、JIS Z8701に規定される色度座標における色度がx=0.300〜0.315、y=0.324〜0.333の範囲内となるものを指すものとする。このような色度の範囲は、多数の一般人において黄色味がなく、クリアなグレーの色調に見えることから採用したものである。
図2は、第2の積層体1の一例を示す模式的断面図である。図2に示すように、第2の金属バリア層36は必ずしも形成されていなくてもよい。すなわち、熱線反射膜3は、透明基体2側から順に、第1の透明誘電体層31、第1の赤外線反射層32、第1の金属バリア層33、第2の透明誘電体層34、第2の赤外線反射層35、第3の透明誘電体層37が積層されたものであってもよい。
なお、第2の積層体1についても、透明誘電体層4が酸化亜鉛を主成分とする層からなり、金属バリア層6が亜鉛を主成分とする層からなり、透明誘電体層4に含まれる酸素以外の元素と金属バリア層6に含まれる元素とが同一となっている。
第2の積層体1についても、同一の金属ターゲットを用いたスパッタリングにより透明誘電体層4と金属バリア層6とを形成することができ、スパッタリングに必要なターゲットの種類を低減し、生産性に優れたものとすることができる。また、第2の金属バリア層36を設けずに、第1の金属バリア層33のみを設けることで、透過色調をグレーの色調、特に黄色味がなく、クリアなグレーの色調にすることができる。
積層体1における透明基体2は、ソーダライムガラス、無アルカリガラス等のガラス基板とすることができる。透明基体2の厚さは、特に限定されるものではないが、通常、1〜10mmが好ましい。
透明誘電体層4は、酸化亜鉛を主成分とする層からなるものである。酸化亜鉛を主成分とする層としては、酸化亜鉛のみからなる層、または酸化亜鉛を主成分として含み、添加元素として、スズ、アルミニウム、クロム、チタン、シリコン、ホウ素、マグネシウム、およびガリウムから選ばれる少なくとも1種を含む層が挙げられる。
上記添加元素を含むものによれば、内部応力を低減でき、透明基体2等との密着性を良好にできるために好ましい。添加元素としては、特に、アルミニウム、スズが好ましい。アルミニウム、スズのいずれかを含むものによれば、赤外線反射層5との相性等を良好にできるために好ましい。また、アルミニウムは安価な材料であり、成膜速度が高くなるために好ましく、スズも比較的安価な材料であるために好ましい。
上記添加元素を含む場合、その含有割合が多すぎると、透明誘電体層4の上に形成される赤外線反射層5の安定性等が低下するおそれがある。このため、上記添加元素の含有量は、透明誘電体層4における亜鉛および添加元素の総量に対して1〜10質量%が好ましく、2〜6質量%がより好ましい。
なお、各透明誘電体層4は同一の元素を含有する。ここで、同一の元素を含有するとは、含有する元素の種類、すなわち組み合わせが同一であることを意味する。従って、添加元素を含有する場合には、各透明誘電体層4が同一の添加元素を含有する。各透明誘電体層4は、生産性の観点から、さらに各構成元素の含有割合も同一となっていることが好ましい。
また、透明誘電体層4は、酸素を除き、金属バリア層6が含有する元素と同一の元素を含有する。このようなものによれば、透明誘電体層4と金属バリア層6とを同一の金属ターゲットを用いたスパッタリングにより形成することができ、全体としてスパッタリングに必要なターゲットの種類を低減し、生産性に優れたものとすることができる。透明誘電体層4は、生産性の観点から、さらに酸素を除いた構成元素の含有割合が金属バリア層6における構成元素の含有割合と同一となっていることが好ましい。
透明誘電体層4は、第2の透明誘電体層34の厚さが最も厚いことが好ましく、また第1の透明誘電体層12の厚さと第3の透明誘電体層18の厚さとの差が100Å以下であることが好ましい。なお、積層体1の説明(後述する製造方法の説明を除く)における厚さとは、各層形成後の完成状態における実質的な厚さを意味する。例えば、積層体1における透明誘電体層4の厚さには、透明誘電体層4として成膜された部分、およびその前に形成された金属バリア層6が酸化して透明誘電体層4となった部分の両者が含まれる。
第1の透明誘電体層31の厚さは、290〜470Åが好ましく、295〜465Åがより好ましい。第2の透明誘電体層34の厚さは、660〜1035Åが好ましく、665〜1035Åがより好ましく、特に800〜1035Åが好ましく、805〜1030Åがより好ましい。第3の透明誘電体層37の厚さは、300〜465Åが好ましく、305〜465Åがより好ましい。
各透明誘電体層4の厚さを上記範囲内とすることで、透過色調をグレーの色調、特に黄色味がなく、クリアなグレーの色調にすることができる。特に、第2の透明誘電体層34の厚さを660Å以上とすることで、透過色調をグレーの色調としやすく、また第2の透明誘電体層34の厚さを800Å以上とすることで、透過色調をグレーの色調にするとともに、透明基体2側の反射色調をニュートラルな色調としやすくなる。
従来、熱線反射膜においては、ニュートラル色、またはブルー色が比較的好まれることから、色調をこれらの範囲に調整することが行われているが、上記の生産性に優れた膜構成にて、クリアなグレー色を達成するためには、材料本来の透過色調である淡黄色、もしくは緑がかった印象を感じさせる波長をカットする必要があり、反射色調を淡黄色、もしくは緑色としなければならない。一方で、室外側からガラスを見た場合に反射色がニュートラル色、またはブルー色であることが高い商品性を与えることと併せると、ガラス面反射色をニュートラルに維持したまま、膜面反射色を淡黄色、もしくは緑色にする必要があり、このアンバランスな特性を両立することによって、初めてクリアなグレー色を達成することが可能となる。本発明者は、一つの透明積層体が表裏によって異なる系統の反射色を示すことを実現するため、鋭意検討した結果、上記の膜厚範囲を見出した。
なお、ニュートラルな色調とは、JIS Z8701に規定される色度座標における色度がx=0.280〜0.340、y=0.290〜0.385の範囲内となるものを指すものとする。このような色度の範囲は、多数の一般人において赤味がなく、クリアなニュートラルの色調に見えることから採用したものである。
赤外線反射層5は、銀を主成分とする層からなるものが好ましい。銀を主成分とする層としては、銀のみからなる層、または銀を主成分とし、添加元素として、パラジウム、金、および白金から選ばれる少なくとも1種を含む層が挙げられる。上記添加元素を含むものによれば、赤外線反射性能を向上させるとともに、可視光の吸収を抑制し、また銀の安定性も高めることができる。
上記添加元素を含む場合、その含有割合が多すぎると、成膜速度や可視光線透過率が低下し、逆に放射率が上昇するおそれがある。このため、上記添加元素の含有量は、赤外線反射層5における銀および添加元素の総量に対して、0.1〜10質量%が好ましく、0.1〜5.0質量%がより好ましく、0.3〜2.0質量%がさらに好ましい。
なお、各赤外線反射層5に含まれる元素は実質的に同一であることが好ましい。このようなものによれば、各赤外線反射層5を同一の金属ターゲットを用いたスパッタリングにより形成することができ、全体としてスパッタリングに必要なターゲットの種類を低減し、生産性に優れたものとすることができる。
第1の赤外線反射層32の厚さは、80〜130Åが好ましく、80〜125Åがより好ましい。第2の赤外線反射層35の厚さは、95〜160Åが好ましく、95〜155Åがより好ましい。特に、第1の赤外線反射層32の厚さと第2の赤外線反射層35の厚さとが同じか、第1の赤外線反射層32の厚さに比べて第2の赤外線反射層35の厚さが厚いことが好ましく、第1の赤外線反射層32と第2の赤外線反射層35との厚さの差は0〜55Åが好ましく、0〜50Åがより好ましい。このような厚さとすることで、透過色調をグレーの色調としやすく、さらには透明基体2側の反射色調をニュートラルな色調としやすい。
金属バリア層6は、亜鉛を主成分とする層からなるものである。亜鉛を主成分とする層としては、亜鉛のみからなる層、または亜鉛を主成分として含み、添加元素として、スズ、アルミニウム、クロム、チタン、シリコン、ホウ素、マグネシウム、およびガリウムから選ばれる少なくとも1種を含む層が挙げられる。このような金属バリア層6によれば、透明誘電体層4と同一の金属ターゲットを用いたスパッタリングにより形成することができ、スパッタリングに必要なターゲットの種類を低減し、生産性に優れたものとすることができる。
上記添加元素を含む場合、その含有割合が多すぎると、同一の金属ターゲットを用いて透明誘電体層4を形成した場合、その上に形成される赤外線反射層5の安定性等が低下するおそれがある。このため、上記添加元素の含有量は、金属バリア層6における亜鉛および添加元素の総量に対して、1〜10質量%が好ましく、2〜6質量%がより好ましい。
なお、各金属バリア層6は同一の元素を含有する。各金属バリア層6は、生産性の観点から、さらに各構成元素の含有割合も同一となっていることが好ましい。また、金属バリア層6は、透明誘電体層4が含有する酸素以外の元素と同一の元素を含有する。金属バリア層6は、生産性の観点から、さらに構成元素の含有割合が透明誘電体層4における酸素を除いた構成元素の含有割合と同一となっていることが好ましい。
第1の金属バリア層33の厚さは、10〜80Åが好ましく、15〜75Åがより好ましい。また、第2の金属バリア層36の厚さは、2.0Å以下が好ましく、1.0Å以下がさらに好ましい。第2の金属バリア層36の厚さは0Å、すなわち第2の金属バリア層36は形成されていなくてもよい。このような厚さとすることで、特に透過色調をグレーの色調、特に黄色味がなく、クリアなグレーの色調にすることができる。
積層体1は、透明基体2上に形成される熱線反射膜3の耐久性を向上させるために、図示しない保護層を有することができる。保護層としては、例えばケイ素を含有する酸化スズ層が挙げられる。ケイ素を含有する酸化スズ層は、酸化亜鉛を主成分とする層との相性が良好であり、界面で強い密着性が得られるために好ましい。ケイ素を含有する酸化スズ層におけるスズとケイ素の総量に対するケイ素の含有割合は、5〜95質量%が好ましく、30〜90質量%がより好ましく、40〜90質量%がさらに好ましい。
なお、積層体1においては、スパッタリングに必要なターゲットの種類を低減し、生産性に優れたものとする観点から、透明基体2上には、上記した熱線反射膜3、すなわち第1の透明誘電体層31、第1の赤外線反射層32、第1の金属バリア層33、第2の透明誘電体層34、第2の赤外線反射層35、第2の金属バリア層36、第3の透明誘電体層37のみを有し、これ以外の他の層を有しないことが好ましい。
このような積層体1おける可視光透過率Tvは、50〜70%が好ましく、52〜68%がより好ましく、53〜67%がさらに好ましい。また、日射透過率Teは、25〜35%が好ましく、26〜34%がより好ましい。なお、可視光透過率Tv、日射透過率Teは、分光光度計により波長300〜2500nmの範囲の透過率、反射率を測定し、JIS R3106の規定に従い求められるものである。
本発明の積層体1は、複層ガラスとして好適に用いることができる。
図3は、複層ガラス10の一例を示したものである。複層ガラス10は、積層体1に対向してガラス基板等からなる透明基板11が配置されたものであり、積層体1と透明基板11との間には中間空気層12が形成されるようにスペーサ13が配置されている。なお、積層体1は、透明基板11に対して室外側に配置され、また熱線反射膜3が透明基板11に対向するように配置される。
中間空気層12には、例えばアルゴンガスが封入されている。積層体1とスペーサ13との間、透明基板11とスペーサ13との間は1次シール材14によりシールされている。また、積層体1と透明基板11との間の周縁部は2次シール材15によりシールされている。スペーサ13の内部には空間131が設けられるとともに、この空間131と中間空気層12とを繋げる孔部132が設けられており、空間131の内部には中間空気層12内の結露を抑制するための乾燥剤16が充填されている。
このような複層ガラス10の可視光透過率Tvは、45〜55%が好ましく、47〜53%がより好ましい。また、積層体1側の可視光反射率Rvは、10〜20%が好ましく、12〜16%がより好ましい。さらに、日射取得率は、0.25〜0.35が好ましく、0.27〜0.34がより好ましい。
次に、本発明の積層体1の製造方法について説明する。
本発明の積層体1の製造方法は、透明基体2上に、熱線反射膜3として、第1の透明誘電体層31、第1の赤外線反射層32、第1の金属バリア層33、第2の透明誘電体層34、第2の赤外線反射層35、第2の金属バリア層36、および第3の透明誘電体層37をこの順に成膜するものである。
本発明の積層体1の製造方法は、特に透明誘電体層4および金属バリア層6の成膜に亜鉛を主成分とする同一の金属ターゲットを用い、かつ第1の金属バリア層33の酸化前の厚さを第2の金属バリア層36の酸化前の厚さよりも厚くすることを特徴とする。なお、金属バリア層6の酸化前の厚さとは、透明誘電体層4が形成される以前の酸化されていない状態での厚さ、すなわち金属バリア層6の成膜直後の厚さを意味する。
本発明の積層体1の製造方法によれば、透明誘電体層4および金属バリア層6の成膜に亜鉛を主成分とする同一の金属ターゲットを用いることで、スパッタリングに必要なターゲットの種類を低減し、生産性を向上させることができる。また、第1の金属バリア層33の酸化前の厚さを第2の金属バリア層36の酸化前の厚さよりも厚くすることで、透過色調をグレーの色調とすることができる。
積層体1の製造は、例えば、インライン型スパッタ装置を用いたDCスパッタリング、ACスパッタリング等のスパッタリングにより、ガラス基板等からなる透明基体2上に、透明誘電体層4、赤外線反射層5、金属バリア層6を形成することにより行うことができる。
この際、透明誘電体層4については、例えばアルゴンと酸素とを含む雰囲気でスパッタリングを行い、また金属バリア層6については、例えば酸素を含まないアルゴンのみからなる雰囲気でスパッタリングを行うことで、両層を同一の金属ターゲットを用いて形成することができる。また、金属バリア層6の酸化前の厚さは、実質的な成膜時間を調整することにより行うことができる。
透明誘電体層4、金属バリア層6の形成に用いられる金属ターゲットとしては、亜鉛を主成分とするものが用いられる。亜鉛を主成分とする金属ターゲットとしては、亜鉛のみからなるもの、または亜鉛を主成分として含み、添加元素として、スズ、アルミニウム、クロム、チタン、シリコン、ホウ素、マグネシウム、およびガリウム等から選ばれる少なくとも1種の元素を含むものが挙げられる。添加元素としては、特に、アルミニウム、スズが好ましい。アルミニウム、スズのいずれかを含むものによれば、赤外線反射層5との相性等に優れる透明誘電体層4を得られるために好ましい。
上記添加元素を含む場合、その含有割合が多すぎると、透明誘電体層4の上に形成される赤外線反射層5の安定性等が低下するおそれがある。このため、上記添加元素の含有量は、金属ターゲットにおける亜鉛および添加元素の総量に対して1〜10質量%が好ましく、2〜6質量%がより好ましい。
第1の透明誘電体層31の厚さは、290〜470Åが好ましく、295〜465Åがより好ましい。第2の透明誘電体層34の厚さは、650〜1020Åが好ましく、655〜1020Åがより好ましく、特に790〜1020Åが好ましく、795〜1015Åがより好ましい。第3の透明誘電体層37の厚さは、290〜450Åが好ましく、295〜450Åがより好ましい。
なお、この製造方法の説明における透明誘電体層4の厚さは、金属バリア層6の酸化による増加分を含まない厚さであり、言い換えれば成膜自体によって形成すべき透明誘電体層4の厚さである。従って、この製造方法の説明における透明誘電体層4の好ましい厚さ、特に第2の透明誘電体層34、第3の透明誘電体層37の好ましい厚さは、既に説明した積層体1における厚さとは異なり、若干薄めとなっている。反対に、以下の第1の金属バリア層33、第2の金属バリア層36(いずれも酸化前)の好ましい厚さは、既に説明した積層体1における厚さに比べて若干厚めとなっている。
第2の金属バリア層36の酸化前の厚さに対する第1の金属バリア層33の酸化前の厚さの比(第1の金属バリア層33の酸化前の厚さ/第2の金属バリア層36の酸化前の厚さ)は、2.0〜7.0が好ましく、2.3〜6.0が好ましい。このような厚さの比とすることで、特に透過色調をグレーの色調、特に黄色味がなく、クリアなグレーの色調にすることができる。
第1の金属バリア層33の酸化前の厚さは、20〜95Åが好ましく、特に25〜95Åが好ましく、30〜90Åがより好ましい。また、第2の金属バリア層36の酸化前の厚さは、5〜20Åが好ましく、7〜18Åがより好ましい。このような厚さとすることで、各赤外線反射層5の酸化を有効に抑制することができ、また上記厚さの比と合わせて、特に透過色調をグレーの色調、特に黄色味がなく、クリアなグレーの色調にすることができる。
赤外線反射層5の成膜に用いられる金属ターゲットとしては、銀を主成分とするものが好適なものとして挙げられる。銀を主成分とするものとしては、銀のみからなるもの、または銀を主成分とし、添加元素として、パラジウム、金、および白金から選ばれる少なくとも1種を含むものが挙げられる。上記添加元素を含むものによれば、赤外線反射性能が高く、可視光の吸収が少なく、また銀の安定性が高いものを得られるために好ましい。
上記添加元素を含む場合、その含有割合が多すぎると、成膜速度や可視光線透過率が低下し、逆に放射率が上昇するおそれがある。このため、上記添加元素の含有量は、赤外線反射層5における銀および添加元素の総量に対して、0.1〜10質量%が好ましく、0.1〜5.0質量%がより好ましく、0.3〜2.0質量%がさらに好ましい。
第1の赤外線反射層32の厚さは、80〜130Åが好ましく、80〜125Åがより好ましい。第2の赤外線反射層35の厚さは、95〜160Åが好ましく、95〜155Åがより好ましい。特に、第1の赤外線反射層32の厚さと第2の赤外線反射層35の厚さとが同じか、第1の赤外線反射層32の厚さに比べて第2の赤外線反射層35の厚さが厚いことが好ましく、第1の赤外線反射層32と第2の赤外線反射層35との厚さの差は0〜55Åが好ましく、0〜50Åがより好ましい。
以下、本発明について実施例を参照して具体的に説明する。
(試料No.1−1〜1−9、2)
表1に示す構成の積層体を製造した。すなわち、透明基体にガラス基板(FL3、100mm×100mm×3mmt)を用い、DCスパッタリング法により赤外線反射膜を形成した。なお、試料No.1−1〜1−9の各金属バリア層(Al:Zn)は、実際には、透明酸化物層(透明誘電体層)の成膜時に9Åの厚さが酸化され、この分だけ厚さが減少する。一方、隣接する透明酸化物層(Al:ZnO)は、この分だけ厚さが増加する。表2に、第1、第2の金属バリア層(Al:Zn(1)、Al:Zn(2))の酸化前・後の厚さ、酸化前の厚さ比、酸化前(後)の厚さの差をまとめて示す。
スパッタに使用するインライン型スパッタ装置には、成膜室内に、2質量%のAlを含有するAlZn合金、1質量%のPdを含有するPdAg合金、およびNiCr合金からなる各スパッタターゲットをカソード上に設置した。また、赤外線反射膜の各層の形成は、洗浄したガラス基板をロードロック室に導入し、真空槽内全体を2.0×10−4Paまで真空排気し、下記に示すようにして行った。
<透明酸化物層(Al:ZnO)>
放電ガスとしてアルゴンと酸素を30:70sccmで真空槽内に導入し、2質量%のAlを含有するAlZn合金からなるスパッタターゲットの反応性DCマグネトロンスパッタにより形成した。スパッタターゲットは70×200mmであり、スパッタ電力として500W印加した。このとき、真空槽内の圧力は0.4Paであった。
<赤外線反射層(PdAg)>
放電ガスとしてアルゴンを真空槽内に100sccm導入し、1質量%のPdを含有するPdAg合金からなるスパッタターゲットのDCマグネトロンスパッタにより形成した。スパッタターゲットは70×200mmであり、スパッタ電力として100W印加した。このとき、真空槽内の圧力は0.4Paであった。
<金属バリア層(Al:Zn)>
放電ガスとしてアルゴンを真空槽内に100sccm導入し、2質量%のAlを含有するAlZn合金からなるターゲットまたはNiCrからなるターゲットのDCマグネトロンスパッタにより形成した。スパッタターゲットは70×200mmであり、スパッタ電力として15W印加した。このとき、真空槽内の圧力は0.4Paであった。
(試料No.3−1〜3−6)
表1に示す構成の積層体を製造した。すなわち、透明基体にガラス基板(FL6、100mm×100mm×6mmt)を用い、DCスパッタリング法またはACスパッタリング法により赤外線反射膜を形成した。なお、試料No.3−1〜3−6の各金属バリア層(Al:Zn)は、実際には、透明酸化物層の成膜時に14.5Åの厚さが酸化され、この分だけ厚さが減少する。一方、隣接する透明酸化物層(Al:ZnO)は、この分だけ厚さが増加する。表2に、第1、第2の金属バリア層(Al:Zn(1)、Al:Zn(2))の酸化前・後の厚さ、酸化前の厚さ比、酸化前(後)の厚さの差をまとめて示す。
スパッタに使用するインライン型スパッタ装置には、成膜室内に、2質量%のAlを含有するAlZn合金および1質量%のPdを含有するPdAg合金からなる各スパッタターゲットをカソード上に設置した。また、赤外線反射膜の各層の形成は、洗浄したガラス基板をロードロック室に導入し、真空槽内全体を6.0×10−4Paまで真空排気し、下記に示すようにして行った。
<透明酸化物層(Al:ZnO)>
放電ガスとしてアルゴンと酸素を1000:900sccmで真空槽内に導入し、2質量%のAlを含有するAlZn合金からなるスパッタターゲットの反応性ACマグネトロンスパッタにより形成した。スパッタターゲットは1778mm長のチューブ型であり、スパッタ電力として30kW印加した。このとき、真空槽内の圧力は0.7Paであった。
<赤外線反射層(PdAg)>
放電ガスとしてアルゴンを真空槽内に1000sccm導入し、1質量%のPdを含有するPdAg合金からなるスパッタターゲットのDCマグネトロンスパッタにより形成した。スパッタターゲットは100×1700mmであり、スパッタ電力として3kW印加した。このとき、真空槽内の圧力は0.5Paであった。
<金属バリア層(Al:Zn)>
放電ガスとしてアルゴンを真空槽内に1000sccm導入し、2質量%のAlを含有するAlZn合金からなるターゲットのDCマグネトロンスパッタにより形成した。スパッタターゲットは1778長のチューブ型であり、スパッタ電力として1kW印加した。このとき、真空槽内の圧力は0.45Paであった。
Figure 2012136405
Figure 2012136405
これらの積層体について、分光光度計(島津製作所製、UV3100)により波長300〜2500nmの間の透過率、反射率を測定し、JIS R3106の規定に従い、可視光透過率Tv(%)、日射透過率Te(%)、ガラス基板側および赤外線反射膜側の可視光反射率Rv(%)を求めた。また、JIS Z8701に準じて、透過色調(x,y)ならびにガラス基板側および赤外線反射膜側の反射色調(x,y)を求めた。なお、光源はD65光源、10度視野角とした。各積層体の性能を表3に示す。また、表3の結果のうち、透過色調(x,y)、ガラス基板側の反射色調(x,y)の結果を図4、5にまとめて示す。
Figure 2012136405
これらの積層体のうち透過色調がグレーの色調となったものは、試料No.1−1、1−2、1−5、1−9、3−1〜3−6の積層体である。また、これらの中でガラス基板側の反射色調がニュートラルな色調となったものは、試料No.1−2、1−5、1−9、3−1〜3−6の積層体である。なお、試料No.2は、透過色調がグレーの色調、かつガラス基板側の反射色調がニュートラルな色調となるが、金属バリア層がNiCr合金からなるものであり、必ずしも生産性に優れないものである。
これらの結果から、透過色調をグレーの色調とするためには、少なくとも第1の金属バリア層の酸化前の厚さを第2の金属バリア層の酸化前の厚さよりも厚くする必要があることがわかる。また、透過色調をグレーの色調とするためには、第2の透明誘電体層34の厚さを650Å以上とすることが好ましいことがわかる。なお、ここでの第2の透明誘電体層34の厚さは、金属バリア層の酸化による増加分を含まない厚さである。
また、透過色調をグレーの色調としつつ、ガラス基板側の反射色調をニュートラルな色調とするためには、第2の透明誘電体層34の厚さを790Å以上とすることが有効であることがわかる。
(複層ガラス)
試料No.3−3〜3−6の積層体を用い、また対向する透明基板に厚さ6mmのガラス基板を用い、中間空気層を12mmとした複層ガラスを作製した。この複層ガラスについて、分光光度計(島津製作所製、UV3100)により波長300〜2500nmの間の透過率、反射率を測定し、JIS R3106の規定に従い、可視光透過率Tv、積層体側の可視光反射率Rv、日射熱取得率を求めた。結果を表4に示す。
Figure 2012136405
1…積層体、2…透明基体、3…熱線反射膜、4…透明誘電体層、5…赤外線反射層、6…金属バリア層、10……複層ガラス、11…透明基板、31…第1の透明誘電体層、32…第1の赤外線反射層、33…第1の金属バリア層、34…第2の透明誘電体層、35…第2の赤外線反射層、36…第2の金属バリア層、37…第3の透明誘電体層

Claims (9)

  1. 透明基体上に、第1の透明誘電体層、第1の赤外線反射層、第1の金属バリア層、第2の透明誘電体層、第2の赤外線反射層、第2の金属バリア層、および第3の透明誘電体層がこの順に積層されてなり、透過色調がグレーの色調である積層体であって、
    前記透明誘電体層は酸化亜鉛を主成分とする層であり、前記金属バリア層は亜鉛を主成分とする層であり、前記透明誘電体層に含まれる酸素以外の元素と前記金属バリア層に含まれる元素とが同一であり、かつ前記第1の金属バリア層の厚さが前記第2の金属バリア層の厚さよりも厚いことを特徴とする積層体。
  2. 前記第1の金属バリア層の厚さが10〜80Å、かつ前記第2の金属バリア層の厚さが2.0Å以下であることを特徴とする請求項1記載の積層体。
  3. 透明基体上に、第1の透明誘電体層、第1の赤外線反射層、第1の金属バリア層、第2の透明誘電体層、第2の赤外線反射層、および第3の透明誘電体層がこの順に積層されてなり、透過色調がグレーの色調である積層体であって、
    前記透明誘電体層は酸化亜鉛を主成分とする層であり、前記金属バリア層は亜鉛を主成分とする層であり、前記透明誘電体層に含まれる酸素以外の元素と前記金属バリア層に含まれる元素とが同一であることを特徴とする積層体。
  4. 前記第1の金属バリア層の厚さが10〜80Åであることを特徴とする請求項3記載の積層体。
  5. 前記透明基体側表面の反射色調がニュートラルな色調であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の積層体。
  6. 透明基体上に、第1の透明誘電体層、第1の赤外線反射層、第1の金属バリア層、第2の透明誘電体層、第2の赤外線反射層、第2の金属バリア層、および第3の透明誘電体層をこの順に成膜し、透過色調がグレーの色調である積層体を製造する積層体の製造方法であって、
    前記透明誘電体層および前記金属バリア層の成膜に亜鉛を主成分とする同一の金属ターゲットを用い、かつ前記第1の金属バリア層の酸化前の厚さを前記第2の金属バリア層の酸化前の厚さよりも厚くすることを特徴とする積層体の製造方法。
  7. 前記第2の金属バリア層の酸化前の厚さに対する前記第1の金属バリア層の酸化前の厚さの比を2.0〜7.0とすることを特徴とする請求項6記載の積層体の製造方法。
  8. 前記第1の金属バリア層の酸化前の厚さを20〜95Å、前記第2の金属バリア層の酸化前の厚さを5〜20Åとすることを特徴とする請求項6または7記載の積層体の製造方法。
  9. 透明基板と、前記透明基板に対向して配置される積層体とを有する複層ガラスであって、
    前記積層体が請求項1乃至5のいずれか1項記載の積層体であることを特徴とする複層ガラス。
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