JP2012130546A - 炊飯器 - Google Patents
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Abstract
【課題】四季の室温に応じて、適正な電力での炊飯及び保温が可能で、且つ炊飯及び保温性能を安定させた炊飯器を提供する。
【解決手段】鍋と、蓋体と、加熱手段と、蒸気温度センサと鍋底温度センサとを有する温度検知手段と、記憶手段と、制御装置と、温度範囲判定手段とを備える炊飯器において、炊飯工程が開始されて一定時間経過後に、蒸気温度センサは室温を検知し、鍋底温度センサは水温を検知し、記憶手段は検知された室温及び水温を記憶し、温度範囲判定手段は、記憶された室温及び水温の温度範囲を判定し、室温及び水温が同一の温度範囲に含まれる場合、制御装置は、室温及び水温が初期設定温度の範囲内の場合は基準温度時専用制御で行い、室温及び水温が初期設定温度より高い場合は高温時専用制御で行い、室温及び水温が初期設定温度より低い場合は低温時専用制御で行い、室温及び水温が同一の温度範囲に含まれない場合は基準温度時専用制御で行う。
【選択図】 図6
【解決手段】鍋と、蓋体と、加熱手段と、蒸気温度センサと鍋底温度センサとを有する温度検知手段と、記憶手段と、制御装置と、温度範囲判定手段とを備える炊飯器において、炊飯工程が開始されて一定時間経過後に、蒸気温度センサは室温を検知し、鍋底温度センサは水温を検知し、記憶手段は検知された室温及び水温を記憶し、温度範囲判定手段は、記憶された室温及び水温の温度範囲を判定し、室温及び水温が同一の温度範囲に含まれる場合、制御装置は、室温及び水温が初期設定温度の範囲内の場合は基準温度時専用制御で行い、室温及び水温が初期設定温度より高い場合は高温時専用制御で行い、室温及び水温が初期設定温度より低い場合は低温時専用制御で行い、室温及び水温が同一の温度範囲に含まれない場合は基準温度時専用制御で行う。
【選択図】 図6
Description
本発明は、省エネ効果に優れた炊飯器に関し、詳しくは、炊飯時の室温に合わせて電力を制御することができ、且つ異なる室温であっても炊飯工程及び保温工程の性能を一定に行うことが可能な炊飯器に関する。
従来、温暖化をはじめとする環境破壊等を抑制し、自然環境を保護すると共に使用者の経済的負担を抑えることを目的として、省エネを考慮した炊飯器が提案されている。
例えば、下記特許文献1には、消費電力量を低減し、省エネを考慮した炊飯器の発明が開示されている。下記特許文献1に記載の炊飯器は、本体と、本体内に着脱自在に収納される内釜と、内釜の外側底部に配置された加熱手段と、内釜の上面開口部を覆う内蓋が取付けられた蓋とを備え、内蓋に蓋ヒーターと内釜内部の温度を検出する蓋センサーとを設け、内釜の底部に内釜底部の温度を検出する温度センサーを設け、内釜に入れた米と水とを前炊き工程,炊飯工程,蒸らし工程の各工程を経てご飯を炊き上げる炊飯器において、前炊き工程時には蓋ヒーターと加熱手段とによる加熱を行わず、炊飯工程では加熱手段により内釜を加熱し、蒸らし工程では加熱手段での加熱を停止し、蓋ヒーターは前半加熱を行わず、その後に内蓋を加熱する制御部を備えたものとされている。
このような構成とすることにより、下記特許文献1に記載の炊飯器によれば、前炊き工程時に内蓋を加熱する蓋ヒーターと内釜の底部を加熱する加熱手段との加熱を行わないことにより、米に水を吸わせる時間が幾分長くなるものの、炊飯時の消費電力量を大幅に減少させることができ、また、前炊き工程中は加熱を行わないで水温が低い状態でお米に水をしっかり吸収させるので、ふっくらとしたつやのある美味しいご飯を炊き上げることができ、さらに、炊飯工程の後半にある蒸らし工程では、内釜の底部を加熱する加熱手段での加熱を停止し、蓋ヒーターは、前半加熱を行わず、その後に内蓋を加熱するので、大幅に電力量を減少でき、省エネ効果を向上させることができるとされている。
また、下記特許文献2には、保温制御を保温量ないし環境変化に応じて適正に行うとともに、省エネに資する炊飯器の発明が開示されている。下記特許文献2に記載の炊飯器は、内鍋と、該内鍋を加熱する加熱手段と、該加熱手段の加熱状態を制御する加熱制御手段と、前記内鍋の温度を検知する温度センサとを備えた炊飯器において、室内温度を検知する室温センサを設けるとともに、炊飯工程終了後の保温時の加熱制御を前記室温センサで検出する炊飯加熱前の温度データを利用して行う構成を有している。
このような構成とすることにより、下記特許文献2に記載の炊飯器によれば、保温時に室温センサが炊飯時に炊飯温度の影響を受けていても、炊飯加熱前の室内温度に基づいて保温制御を行うことができるので、各温調区間での保温制御を室温に応じた出力、即ち室温が低い時には大きめの出力で制御し、室温が高い時には少なめの出力で制御することができるため、その制御を適正に行うことができるとともに、消費エネルギーを低減することができるとされている。
しかし、上記特許文献1に記載の炊飯器では、省エネ効果を得るために、所定の工程において加熱手段を使用しないようにしているので、鍋内を所定の温度まで上げるのに時間がかかり、また、加熱しない部分に十分に熱が伝わらないおそれがあり、美味しく炊き上げることができない場合が生じてしまうこととなる。また、炊飯に必要な温度は従来と同じなので、加熱しない工程を設けたとしても最終的に必要な温度に上昇させるまでの加熱量に変化はなく、消費電力を抑えることは困難である。
また、上記特許文献2に記載の炊飯器では、室温の変化に合わせて保温時の加熱電力を変化させると共に、保温の経過時間に応じて保温温度を変更するようにしているが、保温温度を変化させただけでは、鍋内に発生する結露や、鍋内の温度差により発生するご飯の白化を適切に除去することは困難である。
そこで、発明者等は、炊飯器内の鍋は、室温が高い場合は冷め難く、一方、室温が低いときは冷めやすいことに着目し、この室温の状態に合わせて、炊飯開始時の鍋底センサ、蒸気センサで各初期温度を検知し、炊飯、保温の制御を可変することで、適正にヒータを加熱制御するようにすることで、消費電力の無駄を省くことができると共に、適正な性能で炊飯工程及び保温工程を行うことができることを見出し、本発明に至ったものである。
本発明はこのような従来の課題を解決するものであって、本発明の目的は、炊飯工程の開始時の室温及び水温を検知して、この室温等に応じて、上蓋ヒータの出力を変化させて炊飯工程を行うと共に、保温工程において、この室温等に応じて、各ヒータの出力を制御すると共に適切な保温温度で保温することができる炊飯器を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1にかかる炊飯器は、被炊飯物が投入される鍋と、前記鍋が収容される開口部を有する炊飯器本体と、前記炊飯器本体の開口部を塞ぐ開閉自在な蓋体と、前記蓋体に設けられた上蓋ヒータと前記炊飯器本体に設けられた側面ヒータ及び鍋底ヒータとを有する加熱手段と、前記蓋体に設けられた蒸気温度センサと前記炊飯器本体に設けられた鍋底温度センサとを有する温度検知手段と、炊飯メニューや所定範囲の初期設定温度等の各種データが記憶される記憶手段と、所定の炊飯工程及び保温工程が実行される制御装置と、温度範囲判定手段とを備える炊飯器において、前記所定の炊飯工程が開始されて一定時間経過後に、前記蒸気温度センサは前記蒸気温度センサの周囲の温度を室温として検知し、前記鍋底温度センサは前記鍋底の温度を前記鍋内の水温として検知し、前記記憶手段は前記検知された室温及び水温を記憶し、前記温度範囲判定手段は、前記記憶された室温及び水温を前記記憶手段に記憶されている前記所定範囲の初期設定温度と比較し、前記記憶された室温及び水温が、前記初期設定温度の所定範囲内であるか、前記初期設定温度の所定範囲より高い温度範囲であるか、又は前記初期設定温度の所定範囲より低い温度範囲であるかを判定し、前記室温及び水温が同一の温度範囲内に含まれると判定された場合において、前記制御装置は、前記室温及び水温が前記初期設定温度の範囲内の場合は、前記所定の炊飯工程を前記上蓋ヒータの温度を基準加熱温度に制御すると共に、前記保温工程を前記鍋内の温度を基準保温温度で行う基準温度時専用制御で行い、前記室温及び水温が前記初期設定温度より高い温度範囲の場合は、前記所定の炊飯工程を前記上蓋ヒータの温度を前記基準加熱温度より低い加熱温度に制御すると共に、前記保温工程を前記鍋内の温度を前記基準保温温度より高い保温温度で行う高温時専用制御で行い、前記室温及び水温が前記初期設定温度より低い温度範囲の場合は、前記所定の炊飯工程を前記上蓋ヒータの温度を前記基準加熱温度より高い加熱温度に制御すると共に、前記保温工程を前記鍋内の温度を前記基準保温温度より低い保温温度で行う低温時専用制御で行い、前記室温及び水温が同一の温度範囲内に含まれないと判定された場合は、前記所定の炊飯工程及び保温工程を前記基準温度時専用制御で行うことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の炊飯器において、前記記憶手段に記憶された前記初期設定温度の所定範囲は、10℃〜20℃であることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の炊飯器において、前記制御手段は、前記保温工程において、前記炊飯工程が終了した後、前記鍋内の温度を前記基準温度時専用制御、前記高温時専用制御及び前記低温時専用制御で設定される前記各保温温度まで下げる第1保温工程と、前記第1保温工程が終了した後、前記鍋内の温度を上昇させる昇温工程と、前記鍋内の温度を下降させる降温工程とを繰り返すことで前記鍋内の温度を前記基準温度時専用制御、前記高温時専用制御及び前記低温時専用制御で設定される前記各保温温度に保つ第2保温工程とを行うことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の炊飯器において、前記制御手段は、前記第1保温工程において、前記鍋底ヒータを停止すると共に、前記基準温度時専用制御では前記上蓋ヒータ及び側面ヒータを前記基準加熱温度で制御し、前記低温時専用制御では前記上蓋ヒータを前記基準加熱温度より低い加熱温度で制御すると共に前記側面ヒータを前記基準加熱温度より高い加熱温度で制御し、前記高温時専用制御では前記上蓋ヒータを前記基準加熱温度より高い加熱温度で制御すると共に前記側面ヒータを前記基準加熱温度より低い加熱温度で制御することを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の炊飯器において、前記制御手段は、前記第2保温工程における前記昇温工程では、前記基準温度時専用制御では前記上蓋ヒータ及び側面ヒータを前記基準加熱温度で制御すると共に前記鍋底ヒータを基準通電率で加熱制御し、前記低温時専用制御では前記上蓋ヒータ及び側面ヒータを前記基準加熱温度より高い加熱温度で制御すると共に前記鍋底ヒータを前記基準通電率より高い高通電率で加熱制御し、前記高温時専用制御では前記上蓋ヒータ及び側面ヒータを前記基準加熱温度より低い加熱温度で制御すると共に前記鍋底ヒータを前記基準通電率より低い低通電率で加熱制御し、前記降温工程では、前記昇温工程における上蓋ヒータ及び側面ヒータの前記各加熱温度での制御を継続すると共に、前記鍋底ヒータの通電を停止することを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1、4又は5のいずれかに記載の炊飯器において、前記記憶手段には、前記基準温度時専用制御の前記基準加熱温度は約105℃と記憶され、前記高温時専用制御の前記加熱温度は約100℃と記憶され、前記低温時専用制御の前記加熱温度は約115℃と記憶されていることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1又は3に記載の炊飯器において、前記記憶手段には、各保温温度として前記基準温度時専用制御の前記基準保温温度を約73℃と記憶され、前記低温時専用制御の前記低温保温温度では約72℃と記憶され、及び前記高温時専用制御の前記高温保温温度では約74℃と記憶されていることを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項5に記載の炊飯器において、前記制御手段は、前記基準通電率を、デューティ比1.2/16とし、前記高通電率はデューティ比1.5/16とし、前記低通電率は、デューティ比0.9/16とすることを特徴とする。
本発明は上記構成を備えることにより、以下に示すような優れた効果を奏する。すなわち、請求項1の発明によれば、炊飯工程を開始して一定時間が経過したときの室温及び水温を検知し、そのときの温度をあらかじめ設定した初期設定温度と比較することで、この室温及び水温に対応した適正な電力で炊飯器に備えられた各ヒータを制御し、所定の炊飯工程及び保温工程を行うことができる。たとえば、炊飯工程において、夏のように室温及び水温が高いと判定されたときには、室温の影響により炊飯器の鍋内の温度は下がり難いので、上蓋ヒータの温度を従来の基準温度時専用制御より低くなる高温時専用制御で行うようにすることで消費電力の無駄をなくすことができる。一方、冬のように室温及び水温が低いと判定されたときは、室温の影響により炊飯器の鍋内の温度は下がりやすいので、上蓋ヒータの温度を従来の基準温度時専用制御より高くなる低温時専用制御で行うようにすることで、鍋内の温度を適正に保ちながら炊飯工程を行うことができる。なお、春や秋のように室温の影響を受け難いときは基準温度時専用制御として、従来と同じ温度で炊飯工程を行うことができる。
また、請求項1の発明では、室温に対応した所定の炊飯工程を上蓋ヒータの加熱温度のみを変えるだけで行うようにしている。鍋は上側に開口しているため、室温の影響を最も受けやすい鍋の開口部分に設けてある上蓋ヒータを制御することで鍋内の温度を制御することができるので、制御が簡単で、別途新たな構成を加える必要もなくなり、省エネを図ることができる。さらに、側面ヒータ及び鍋底ヒータは従来と同じ制御で対応することができるので、新たに特別な制御を行う必要はない。
なお、請求項1の発明の炊飯器における所定の炊飯工程とは、一例として、所定の炊飯メニューにしたがって、炊飯工程開始から一定時間後の水温及び室温を検知して所定の制御方式を設定する温度検知判定工程と、鍋内の被炊飯物に所定量の水を吸水させる吸水工程と、吸水された被炊飯物を沸騰するまで昇温加熱する立上加熱工程と、被炊飯物を沸騰状態に維持する沸騰維持工程と、沸騰維持工程後に被炊飯物を蒸らす蒸らし工程とを含むものである。
さらに、請求項1の発明では、判定に必要とする温度の検知を室温と水温の両方で行うことで、正確な判定を行うことができ、誤検知を抑制することができる。
また、室温の検知を炊飯器に従来備えられている蒸気温度センサで行うので、室温を検知するための新たなセンサを設ける必要がなく、製造コストを増やさなくて済む。
また、保温工程においては、一般に、夏のように室温が高めの場合、鍋内は冷め難くなるため、加熱手段による加熱の時間が短くなるので、結果として、ご飯の温度が設定の温度より低くなってしまうという傾向がある。一方、冬のように室温が低めの場合、鍋内が冷めやすくなるため、加熱手段による加熱の時間が長くなり、結果として、ご飯の温度が設定の温度より高くなる傾向がある。そのため、請求項1に記載の炊飯器のように、室温に応じた適正な電力で鍋内の温度制御を行うことで、室温が高い場合は、高温時専用制御でおこない、一方、室温が低い場合は、低温時専用制御で行うようにすることで、その時々の室温及び水温に対応して、鍋内の温度差が起こりにくいように加熱制御することできるとともに、保温性能も一定となる制御を行うことが可能となり、省エネを図ることができる炊飯器を提供することができる。また、春や秋のように室温の影響を受け難い場合は、従来と同じ温度で保温を行うことができる。
一方、室温及び水温が同一の範囲内ではない場合、すなわち、初期設定温度と比較して
室温が高く水温が低い場合や、室温が低く水温が高い場合が一定時間続いた場合は、使用者が、空調装置等で室温をコントロールしていたり、炊飯に例えば温水が用いられているなどの場合であるが、この場合は加熱電力を従来と同じようにする基準温度時専用制御で行うことで、使用者の所望する炊飯工程及び保温工程を問題なく行うことができる。
室温が高く水温が低い場合や、室温が低く水温が高い場合が一定時間続いた場合は、使用者が、空調装置等で室温をコントロールしていたり、炊飯に例えば温水が用いられているなどの場合であるが、この場合は加熱電力を従来と同じようにする基準温度時専用制御で行うことで、使用者の所望する炊飯工程及び保温工程を問題なく行うことができる。
また、請求項2に記載の炊飯器によれば、一般的な春及び秋の平均温度である約10℃〜20℃では、室温に対して鍋内の温度変化が起こり難いので、この温度を初期設定温度の所定範囲とし、この温度を基準の温度として、この温度より高い温度であるか、低い温度であるかを判定することで、より適切な炊飯工程及び保温工程を行うことができる。なお、初期設定温度より高い20℃を超える場合は夏、低い10℃未満の場合は冬とすることで、四季に対応して炊飯工程及び保温工程を行うことができる。
また、請求項3に記載の炊飯器によれば、炊飯工程から保温工程に移る際に所定の保温温度に効率よく下げることができると共に、所定の保温温度を保つことができ、室温(季節)に合わせて、適正な加熱電力且つ保温性能も一定となる制御を行うことが可能となる。
また、請求項4に記載の炊飯器によれば、各保温温度まで鍋内の温度を下げる際に、低温時専用制御の場合は、室温が低い状態にあり、鍋内の温度が下がりやすく、またご飯からの蒸発が少ない状態となるので、側面ヒータを基準加熱温度より高い温度にすることで、鍋内の温度が下がり難くすることができ、その結果ご飯の白化を抑制することができる。このとき、ご飯からの蒸発が少ないため上蓋ヒータは基準加熱温度より低い温度にすることで、鍋内全体が高温になることを抑制し乾燥を抑制することができる。一方、高温時専用制御の場合は、室温が高い状態であり、鍋内の温度が下がり難く、また、ご飯からの蒸発が多く上蓋に結露が多い状態となるので、上蓋ヒータを基準加熱温度より高い温度にすることで、上蓋に付着した結露を蒸発させやすくすることができるとともに、側面ヒータを基準加熱温度より低い温度にすることで、鍋内全体が高温になることを抑制し乾燥を抑制することができる。なお、基準温度時専用制御の場合は、室温が鍋内の温度に影響を与えにくいので、従来と同じ温度で行うようにすることができる。以上のように温度を制御することで、室温(季節)に合わせて、適正な加熱制御を行うことができるとともに保温性能も一定となる制御を行うことが可能となる。
また、請求項5に記載の炊飯器によれば、鍋内の温度を一定に保つ第2保温工程において、低温時専用制御を行う場合は、室温が低い状態であり、鍋内の温度が下がりやすく、各ヒーターが長めに加熱する傾向にあるため、昇温工程では、上蓋ヒータ及び側面ヒータを基準加熱温度より高い温度で加熱し、また、鍋底ヒータを高通電率で制御し、降温工程では、上蓋ヒータ及び側面ヒータを基準加熱温度より高い温度で加熱し、鍋底ヒータを停止することにより、すばやく昇温と降温を繰り返し低温時専用制御の保温温度を保つようにすることで、鍋内の温度差を抑制することができる。
一方、高温時専用制御を行う場合は、室温が高い状態であり、鍋内の温度が下がり難く、各ヒーターが短めに加熱する傾向があるため昇温工程では、上蓋ヒータ及び側面ヒータを基準加熱温度より低い温度で加熱し、また、鍋底ヒータを低通電率で制御し、降温工程では、上蓋ヒータ及び側面ヒータを基準加熱温度より低い温度で加熱し、鍋底ヒータを停止することにより、ゆっくりと昇温と降温を繰り返し高温時専用制御の保温温度に保つようにすることで、鍋内の温度差を抑制することができる。なお、基準温度時専用制御では、室温の影響を受け難いので従来と同じ温度で保温することができる。よって、室温(季節)に合わせて、適正な電力且つ保温性能も一定となる制御を行うことが可能となる。
また、請求項6又は7に記載の炊飯器によれば、季節により異なる室温に応じた加熱温度制御ができる。
また、請求項8に記載の炊飯器によれば、各通電率をこのようにすることで、保温工程の性能を一定とすることができると共に、消費電力を低減させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための電気炊飯器として圧力式炊飯器(以下、炊飯器という)を例示するものであって、本発明をこの圧力式炊飯器に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものも等しく適応し得るものである。なお、以下に記載される「高温」及び「低温」は、基準温度に対しての高低を示したものであり、この基準温度とは、従来の炊飯工程及び保温工程で使用される温度とすることができる。
[実施形態]
最初に、図1〜図3を参照して、本発明の実施形態に係る炊飯器の構成を説明する。なお、図1は本発明の一実施形態に係る炊飯器の正面図、図2は図1の炊飯器の縦断面図、図3は図2の圧力弁開放機構の拡大図である。
[実施形態]
最初に、図1〜図3を参照して、本発明の実施形態に係る炊飯器の構成を説明する。なお、図1は本発明の一実施形態に係る炊飯器の正面図、図2は図1の炊飯器の縦断面図、図3は図2の圧力弁開放機構の拡大図である。
炊飯器1は、図1、図2に示すように、米と水とを含む被炊飯物が投入される鍋10と、上方にこの鍋10が収容される開口部及び内部にこの鍋10を加熱し被炊飯物を加熱する鍋底ヒータ5及び側面ヒータ6を有する炊飯器本体(以下、本体という)2と、この本体2の一側に枢支されて本体2の開口部を覆い閉塞状態に係止するロック機構20を有する蓋体11と、この蓋体11に装着されて鍋10内の圧力を調整する圧力弁13と、この圧力弁13を開閉制御する圧力弁開放機構15と、炊飯のスタート、タイマー予約及び保温などの操作を行う表示操作部8と、この表示操作部8からの炊飯の開始信号に従って鍋底ヒータ5及び側面ヒータ6など及び圧力弁開放機構15を制御する制御装置9と、を備えている。この制御装置9は、室温及び水温を検知しこの室温に適応する制御手段を設定する温度検知判定工程、鍋10内の被炊飯物を所定温度に加熱すると共に、所定時間かけて所定量の水分を被炊飯物に吸水させる吸水工程、この吸水された被炊飯物を沸騰するまで昇温加熱する立上加熱工程、この被炊飯物を沸騰状態に維持する沸騰維持工程、この沸騰維持工程後に被炊飯物を蒸らす蒸らし工程からなる炊飯工程、及びこの蒸らし工程後に炊き上がった炊飯物を所定温度で保温する保温工程等を順次実行する炊飯及び保温プログラムを有している。これらの炊飯工程のうち、立上加熱工程及び沸騰維持工程では、鍋内が大気圧以上、例えば1.1〜2.2気圧程度に昇圧されて炊飯工程が実行される。
本体2は、有底箱型の外部ケース3と、この外部ケース3に収容されてその中に鍋10が収容される内部ケース4とからなり、外部ケース3と内部ケース4との間に隙間を形成して、この隙間に制御装置9を構成する制御回路基板等(図示省略)が配設されている。内部ケース4は、その底部4aに鍋底ヒータ5、側部4bに側面ヒータ6がそれぞれ装着されている。鍋底ヒータ5は、ドーナツ状に巻装した電磁誘導コイルが使用されている。側面ヒータ6は、電熱線を耐熱部材で覆ったヒータが使用されている。また、内部ケースの外側底部4aには、鍋底温度を検出するサーミスタ等からなる鍋底温度センサ7が設けられている。
この本体2は、図1に示すように、その正面2aに各種炊飯メニューを表示する表示パネル8a及びこの炊飯メニューを選択等する操作ボタンからなる表示操作部8が設けられている。
鍋10は、図2に示すように、米と水とからなる所定量の被炊飯物が投入される比較的深底の容器からなり、例えばアルミニウムとステンレススチールとのクラッド材で形成されている。
蓋体11は、図2に示すように、鍋10の開口部を閉蓋する上蓋12と、本体2の開口部全体を閉蓋する外蓋19等とで構成されている。この蓋体11は、一端が本体2の一端に枢軸11Aで枢支され、他端が本体2の他端にロック機構20により係止されるようになっている。上蓋12には、その上部に圧力弁13、この圧力弁13を強制的に開放させる圧力弁開放機構15、鍋10内の圧力が所定値以上の異常圧力に上昇したときに鍋10内の蒸気を外部に逃がすための安全弁25、鍋10内を上方から加熱する上蓋ヒータ17などが設けられている。
これらの部品のうち、上蓋ヒータ17は、側面ヒータ6と同じような電熱線を耐熱部材で覆ったヒータが使用されている。また、圧力弁13は、図2及び図3に示すように、所定径の弁孔131が形成された弁座13aと、この弁孔131を塞ぐように弁座13a上に載置される金属製のボール14と、このボール14の移動を規制し弁座13a上に保持するカバー13bとで構成されている。このボール14は、所定の重さを有し、その自重により、弁孔131を閉塞する。
圧力弁開放機構15は、図3に示すように、電磁コイルが巻回されたシリンダ15aと、このシリンダ15a内を電磁コイルの励磁により摺動してボール14を移動させるプランジャ15bと、このプランジャ15bの先端に装着されたバネ及び作動棹15b’とで構成されている。作動棹15b’は、弾力性を有するシール部材15cで支持されている。
圧力弁開放機構15は、制御装置9により制御される。すなわち、制御装置9からの指令に基づき、電磁コイルが励磁されるとプランジャ15bがバネの付勢力によりシリンダ15a内に引き込まれ、この引き込みにより、ボール14が弁孔131上に戻り、弁孔131がボール14で閉塞される。また、この閉塞状態において、電磁コイルへの励磁がストップされると、プランジャ15bがシリンダ15aから突出して作動棹15b’がボール14に衝突し、ボール14が所定方向に押し出される。この押し出しにより、ボール14は弁孔131上から移動して弁孔131を強制的に開放させる。なお、圧力弁13の上部には、弁孔131から噴出する蒸気の温度を測定する蒸気温度センサ18が取付けられている。
上蓋12は、その外周に鍋10の開口部と接触して密閉する上蓋パッキン16が装着されている。この上蓋パッキン16は、内部に円盤状の上蓋12の直径より若干小さい直径を有する円形孔と、上蓋12の外周縁にリング状の取付け枠を介在して取付ける取付け部と、鍋10の開口部と接触してこの開口部を密閉するシール部とを有し、全体がドーナツ状をしたリングからなり、高い耐熱性及び弾性を有するシリコン材で形成されている。
外蓋19は、図2に示すように、この上蓋12に装着された圧力弁13及び圧力弁開放機構15等を覆う化粧カバーで形成されている。この外蓋19は、一端部に蓋体11のロック機構20を解除する解除釦21が設けられている。また、この外蓋19は、他端部の枢軸11A側に装着穴22が設けられている。この装着穴22は、後述するおねば貯留キャップ24が着脱自在に挿入できる大きさを有する有底の凹み穴からなり、外蓋19を支えるフレーム23に形成されている。また、この装着穴22は、その底部におねば貯留キャップ24の吐出筒24aが圧入される装着穴22aが形成されている。この装着穴22aには、内部に環状シール部材が取付けられて、吐出筒24aの外周面と圧接されて鍋10内の蒸気が外部へ漏出しないようになっている。
おねば貯留キャップ24は、例えば圧力弁13から放出される蒸気などを吐出させる吐出筒24aと、うまみ成分のおねばを貯留する空室24bと、蒸気を外部へ放出する蒸気放出口24cとを有し、空室24bの底部には、貯留されたおねばを鍋10内に戻すおねば戻し弁26が設けられている。なお、このうまみ成分のおねばは、圧力弁13から蒸気が噴出する際に、この蒸気と一緒に鍋10内から圧力弁13を通して導出されて、このおねば貯留キャップ24の空室24bに貯留される。この空室24bに貯留されたおねばは、鍋10内が負圧になるとおねば戻し弁26が開成するとともに、上蓋12に設けた負圧弁(図示省略)の開成に従って鍋10内へ戻される。
次に、図4を参照して、制御装置9の構成を説明する。なお、図4はこの制御装置を構成する制御ブロック図である。
制御装置9は、種々の演算処理を行うCPU、各種データの記憶を行うROM及びRAMからなる記憶手段、選択された炊飯メニューを検出する炊飯メニュー検出回路、圧力弁13の開閉時間が設定された弁開閉タイマー、圧力弁13の開閉回数をカウントするカウンタと、鍋10内の加熱温度及び加熱時間を制御する加熱制御回路、表示パネル8aに表示される表示画面を制御するための表示パネル制御回路、圧力弁開放機構15を駆動させて圧力弁13の開閉タイミングを制御する圧力弁開放機構駆動回路、蒸気温度センサ及び鍋底温度センサから検知された検知温度を比較および判定する温度範囲判定手段などを備えている。
記憶手段には、各種の炊飯メニューに対応した炊飯プログラムが記憶されている。この炊飯プログラムは、温度検知判定工程、吸水工程、立上加熱工程、沸騰維持工程、蒸らし工程、追い炊き工程及び炊飯工程終了後の保温工程となっている。
この制御装置9には、表示操作部8のメニューキー81、スタートキー82、予約キー83、保温キー84等から各種の指令が入力される。同様に鍋底温度センサ7及び蒸気温度センサ18などから、それぞれの検出値が入力される。また、この装置は、鍋底ヒータ5、側面ヒータ6及び上蓋ヒータ17、表示パネル8a、圧力弁開放機構15などが接続されている。
次に、図5〜図16を参照して実施形態にかかる炊飯器の炊飯工程及び保温工程を説明する。
炊飯工程は、図5に示すように、炊飯開始時の室温及び水温を検知し以降の炊飯工程で使用される制御方式を設定する温度検知判定工程Aと、鍋10内の被炊飯物に水を吸水させる吸水工程Iと、この吸水された被炊飯物を沸騰するまで昇温加熱する立上加熱工程IIと、この被炊飯物を沸騰状態に維持する沸騰維持工程IIIと、この沸騰維持工程III後に被炊飯物を所定時間蒸らす蒸らし工程IVとを有する。
まず、温度検知判定工程Aを図5〜図7を参照して説明する。温度検知判定工程Aは図6に示すように、炊飯工程が開始された後(S1)、一定の時間経過後、例えば3分後の室温TR及び水温TWを検知する(S2、S3)。この検知は、炊飯器1の上蓋12に備えられた蒸気温度センサ18の周囲の温度を室温TRとして検知し、また、本体2の底部に備えられた鍋底温度センサ7で鍋底の温度を鍋10内の水温TWとして検知する(図7A参照)。
そして、この検知された室温TR及び水温TWを記憶手段に記憶し(S3)、あらかじめ設定されている初期設定温度範囲と比較する(S4)。この比較は、初期設定温度範囲の三つに区分された温度範囲、例えば、10℃未満の低温の範囲(a)、10℃以上20℃以下の基準温度の範囲(b)及び20℃を超える高温の範囲(c)に対して行われる(図7B参照)。そして、この初期設定温度範囲(a、b、c)に対応する範囲の室温及び水温として、室温の範囲をTRa、TRb、TRc、水温の範囲をTWa、TWb、TWcに区分し、検知された室温TR及び水温TWをこれらの区分の該当する範囲に割り当てる(S5)。
次に、この割り当てた区分の室温(TRa、TRb、TRc)及び水温(TWa、TWb、TWc)が同一の温度範囲に当てはまるか否かを判定する(S6、図7C参照)。
そして、同一の範囲(TRa=TWa、TRb=TWb、TRc=TWc)に含まれていると判定された場合(S6のY)は、次に、どの温度範囲に該当するかをさらに判定する(S7)。この判定の結果により、図7Dに示すように、温度範囲が10℃未満の低温の範囲(TRa=TWa)のとき、以降の炊飯工程で使用される制御方式を低温時専用制御と設定し(S8)、また、温度範囲が10℃以上20℃以下の基準温度の範囲(TRb=TWb)のとき、以降の炊飯工程で使用される制御方式を基準温度時(中温時)専用制御と設定し(S42)、20℃を超える高温の範囲(TRc=TWc)のとき、以降の炊飯工程で使用される制御方式を高温時専用制御と設定する(S76)。一方、同一の範囲に含まれていない(TRa≠TWa、TRb≠TWb、TRc≠TWc)と判定された場合(S6のN)は、温度範囲の特定が困難として、以降の炊飯工程で使用される制御方式を基準温度時専用制御と設定する(S110)。このように、いずれかの制御方式が設定されたら温度検知判定工程Aを終了し、設定された制御方式に基いて次の吸水工程Iが開始される。
各々の制御方式について、まず、図5及び図8〜図10を参照して、低温時専用制御についての以下の炊飯工程及び保温工程を説明する。低温時専用制御では、室温が低い状態となるので、鍋内は冷めやすい状態となっている。
低温時専用制御では、炊飯工程において、上蓋ヒータ17の加熱温度が高温に制御されるように設定して行われる(S9、図7E参照)。すなわち、低温時専用制御では、上蓋ヒータ17の温度を高温、例えば115℃となるように制御される。このようにすることで、室温が低い季節では、鍋10内が冷めやすいので、上蓋ヒータ17を高温で制御することで、鍋10内を所定の温度に保ちやすくすることができる。なお、鍋10は上側に開口して備えられており、この開口から温度が逃げやすいので、この開口を覆っている上蓋ヒータ17のみを制御することで十分な効果を得ることができる。そのため、炊飯工程における側面ヒータ6及び鍋底ヒータ5の加熱制御は従来と同様の制御で行うことができる。
吸水工程I(S10)では、上蓋ヒータ17、側面ヒータ6及び鍋底ヒータ5への通電を所定時間間隔でオン・オフして、所定の吸水温度になるように制御して、所定の吸水時間を掛けて被炊飯物に所定量の水を吸水させる。なお、この吸水工程Iでは、圧力弁13は開成されている。吸水温度は、鍋底温度センサ7により鍋底温度で検知され、所定の範囲、例えば59℃〜60℃の範囲に維持され、吸水時間は、例えば15分に設定される(S11〜S15のN)。
吸水工程Iの15分が経過したら(S15のY)、炊飯器1内を安定させるために上蓋ヒータ17、側面ヒータ6及び鍋底ヒータ5をオフにして立上加熱前休止を設ける。この休止時間は例えば40秒に設定される(S16〜S18のN)。そして、休止時間が40秒経過したら(S18のY)、立上加熱工程II(S19)を開始する。
この立上加熱工程IIでは、上蓋ヒータ17、側面ヒータ6及び鍋底ヒータ5への通電がオンされると共に圧力弁13が閉成されて、吸水後の被炊飯物が吸水温度(60℃)から沸騰温度(105℃)まで昇温加熱され、鍋10内の圧力が大気圧から例えば1.2気圧まで昇圧される(S20、S21のN、S22のN)。このときの、上蓋ヒータ17の加熱温度は、上述のように設定された各制御方式にしたがって行われる。すなわち、低温時専用制御では、上蓋ヒータ17の温度を高温、例えば115℃となるように制御される。このように上蓋ヒータ17を高温に制御することで、室温が低くても鍋内の温度は上がりやすくなるので、室温に応じた加熱ができる。その後、蒸気温度センサ18が一定温度、例えば74.9℃を検知するか(S21のY)、又は蒸気温度センサ18の検知温度が5℃/12s以上の傾きとなったら(S22のY)、立上加熱工程IIを終了し、沸騰維持工程IIIへと移行する(S23)。
沸騰維持工程IIIでは、上蓋ヒータ17及び鍋底ヒータ5がオンされて、まず、沸騰開始期が行われる(S24、S25)。沸騰開始期では、鍋10内の被炊飯物を沸騰温度(105℃)で一定時間、例えば90秒間昇温加熱される(S26のN)。この沸騰開始期においても、上述したように上蓋ヒータ17の温度を各制御方式によって行われる。すなわち、低温時専用制御では、上蓋ヒータ17の温度を高温、例えば115℃となるように制御される。沸騰開始期の90秒が経過したら(S26のY)、鍋10内の被炊飯物を沸騰温度(105℃)に維持し、各制御方式で加熱をする(S27)。この沸騰維持工程IIIの初期段階では、上蓋ヒータ17及び鍋底ヒータ5への通電及び圧力弁13の開閉が所定時間間隔で行われる。圧力弁13の開成により、鍋10内の圧力は、1.2気圧から略大気圧近傍まで一気に低下する。この圧力変化により、鍋10内が激しく沸騰する、いわゆる突沸現象が発生する。この突沸現象により、鍋10内の米粒は攪拌される。
特に、沸騰維持工程IIIの初期段階に圧力弁13の開閉が行われると、この段階では鍋10内の水が多くなっているので米粒は効率よく攪拌される。一方、上蓋ヒータ17及び鍋底ヒータ5への通電は、圧力弁13の開閉に同期してオン/オフされる。すなわち、圧力弁13が閉成されているときは上蓋ヒータ17及び鍋底ヒータ5への通電がオンされ、開成されているときはオフされる。なお、上蓋ヒータ17及び鍋底ヒータ5への通電は、圧力弁13の開閉と非同期でもよい。沸騰維持工程IIIの後半では、鍋10内の温度が130℃に上昇するまで加熱を行う(S28のN)。この温度上昇により、沸騰中の鍋10内の水がなくなり、強制的なドライアップとなる。そして、ドライアップとなる温度(130℃)を鍋底温度センサ7が検知したら(S28のY)、上蓋ヒータ17及び鍋底ヒータ5をオフし、蒸らし工程IV(S29)に移行する。
なお、沸騰維持工程IIIでは、圧力弁13の開成によって、鍋10内に生成されたうまみ成分のおねばがこの圧力弁13を通っておねば貯留キャップ24内に一時貯留される。この貯留キャップ24に貯留されたおねばは、所定のタイミングでおねば戻し弁26が開成することにより、鍋10内へ戻される。
次に、蒸らし工程IVは、沸騰維持工程III終了後に行う蒸らし工程1IV1と、この蒸らし1の終了後に再加熱を行う追い炊き工程IV2と、蒸らしの仕上げを行う蒸らし工程2IV3とからなっている。追い炊き工程IV2では、上記各制御方式により鍋10内を昇温加熱して不要な水が除去される。このとき、各工程の時間は、例えば蒸らし工程1IV1は約4分間、追い炊き工程IV2は約3分間、蒸らし工程2IV3は約6分間行われる。そして、蒸らし工程IVが終了すると炊飯工程が終了し(S30)保温工程Vへ進む(S31)。
次に、低温時専用制御にかかる保温工程Vについて説明する。保温工程Vは、蒸らし工程IVが終了した温度から保温温度まで降下させる第1保温工程V1と、保温温度を一定に維持する第2保温工程V2で構成されている。
まず、第1保温工程V1(S32)では、蒸らし工程IVが終了した温度から低温時専用制御に係る保温温度である72℃まで降下させる。このとき、鍋10内に部分的な温度差が起こると、結露が発生し、この結露によりご飯が白化したりするので、鍋10内を均一な温度で降温させる必要がある。そのため、第1保温工程V1では、上蓋ヒータ17の温度を低温とし、側面ヒータ6の温度を高温となるように制御して鍋内が72℃に下がるまで行う(S33、S34のN、S35のN)。このようにすることで、温度が下がりやすい低い室温であっても、側面と上面部分とでの温度差を抑制して温度を下げることが可能となる。
その後、鍋10内の温度が保温温度である約72℃に下がるか(S34のY)、第1保温工程V1が開始されてから4時間が経過した場合(S35のY)、第1保温工程V1が終了し、第2保温工程V2が開始される(S36)。
第2保温工程V2は、鍋10内の温度の昇温と降温を繰り返し一定に保つように制御される。すなわち、低温時専用制御では、保温温度である72℃を保つように各ヒータが制御される。低温時専用制御では、室温が低い状態で保温されることとなるので、鍋内は冷めやすい状態となっている。この低温時専用制御の保温温度は、通常の基準保温温度よりやや低めの例えば72℃と設定される。室温が低い状態では、鍋内の温度が下がりやすく、保温工程時では加熱手段による加熱時間が長くなる傾向があり、設定温度より高い温度で保温されるため、基準保温温度(73℃)よりやや低い温度(72℃)と設定することで、最適な温度で保温を行うことができる。
具体的には、鍋10内の温度が72℃より下がった場合、上蓋ヒータ17を高温、側面ヒータ6を高温、及び鍋底ヒータ5をデューティ比1.5/16の通電率で制御する昇温工程Vrが行われる。その後、鍋10内の温度が、72℃以上となった場合、上蓋ヒータ17及び側面ヒータ6は低温に制御したまま、鍋底ヒータ5をオフする降温工程Vdに移行する。そして、鍋10内の温度が72℃より下がったら、再び昇温工程Vrが行われ、このサイクルを保温工程Vが終了するまで行う(S37〜S41)。このように、制御することにより、低温時専用制御では、鍋内の温度は保温温度である72℃近辺を短い周期で昇温工程Vrと降温工程Vdを繰り返して保たれることとなる(図10参照)。このようにすることで、室温が低くても均一な温度で保温をすることができ、鍋内の温度差により結露の発生を起こり難くすることができる。
次に、図5及び図11〜図13を参照して、基準温度時専用制御についての温度検知判定工程以下の炊飯工程及び保温工程について説明する。
基準温度時専用制御では、炊飯工程において、上蓋ヒータ17の加熱温度が基準温度に制御されるように設定して行われる(S43、図7E参照)。すなわち、基準温度時専用制御では、上蓋ヒータ17の温度を従来と同じ、例えば105℃となるように制御される。このようにすることで、安定した室温、例えば10℃以上20℃以下の場合、鍋内の温度は室温の影響を受け難いので、従来と同じ温度で加熱することができる。また、室温及び水温が同一範囲に含まれないと判定された場合も従来と同じ温度で加熱するようにすることにより、使用者の望む炊飯を行うことができる。なお、炊飯工程における側面ヒータ6及び鍋底ヒータ5の加熱制御も従来と同様の制御で行う。
吸水工程I(S44)では、上蓋ヒータ17、側面ヒータ6及び鍋底ヒータ5への通電を所定時間間隔でオン・オフして、所定の吸水温度になるように制御して、所定の吸水時間を掛けて被炊飯物に所定量の水を吸水させる。なお、この吸水工程Iでは、圧力弁13は開成されている。吸水温度は、鍋底温度センサ7により鍋底温度で検知され、所定の範囲、例えば59℃〜60℃の範囲に維持され、吸水時間は、例えば15分に設定される(S45〜S49のN)。
吸水工程Iの15分が経過したら(S49のY)、炊飯器1内を安定させるために上蓋ヒータ17、側面ヒータ6及び鍋底ヒータ5をオフにして立上加熱前休止を設ける。この休止時間は例えば40秒に設定される(S50〜S52のN)。そして、休止時間が40秒経過したら(S52のY)、立上加熱工程II(S53)を開始する。
この立上加熱工程IIでは、上蓋ヒータ17、側面ヒータ6及び鍋底ヒータ5への通電がオンされると共に圧力弁13が閉成されて、吸水後の被炊飯物が吸水温度(60℃)から沸騰温度(105℃)まで昇温加熱され、鍋10内の圧力が大気圧から例えば1.2気圧まで昇圧される(S54、S55のN、S56のN)。このときの、上蓋ヒータ17の加熱温度は、上述のように設定された各制御方式にしたがって行われる。すなわち、基準温度時専用制御では、上蓋ヒータ17の温度を従来と同じ、例えば105℃となるように制御される。その後、蒸気温度センサ18が一定温度、例えば74.9℃を検知するか(S55のY)、又は蒸気温度センサ18の検知温度が5℃/12s以上の傾きとなったら(S56のY)、立上加熱工程IIを終了し、沸騰維持工程IIIへと移行する(S57)。
沸騰維持工程IIIでは、上蓋ヒータ17及び鍋底ヒータ5がオンされて、まず、沸騰開始期が行われる(S58、S59)。沸騰開始期では、鍋10内の被炊飯物を沸騰温度(105℃)で一定時間、例えば90秒間昇温加熱される(S60のN)。この沸騰開始期においても、上述したように上蓋ヒータ17の温度を各制御方式によって行われる。すなわち、基準温度時専用制御では、上蓋ヒータ17の温度を従来と同じ、例えば105℃となるように制御される。沸騰開始期の90秒が経過したら(S60のY)、鍋10内の被炊飯物を沸騰温度(105℃)に維持し、各制御方式で加熱をする(S61)。この沸騰維持工程IIIの初期段階では、上蓋ヒータ17及び鍋底ヒータ5への通電及び圧力弁13の開閉が所定時間間隔で行われる。圧力弁13の開成により、鍋10内の圧力は、1.2気圧から略大気圧近傍まで一気に低下する。この圧力変化により、鍋10内が激しく沸騰する、いわゆる突沸現象が発生する。この突沸現象により、鍋10内の米粒は攪拌される。
特に、沸騰維持工程IIIの初期段階に圧力弁13の開閉が行われると、この段階では鍋10内の水が多くなっているので米粒は効率よく攪拌される。一方、上蓋ヒータ17及び鍋底ヒータ5への通電は、圧力弁13の開閉に同期してオン/オフされる。すなわち、圧力弁13が閉成されているときは上蓋ヒータ17及び鍋底ヒータ5への通電がオンされ、開成されているときはオフされる。なお、上蓋ヒータ17及び鍋底ヒータ5への通電は、圧力弁13の開閉と非同期でもよい。沸騰維持工程IIIの後半では、鍋10内の温度が130℃に上昇するまで加熱を行う(S62のN)。この温度上昇により、沸騰中の鍋10内の水がなくなり強制的なドライアップとなる。そして、ドライアップとなる温度(130℃)を鍋底温度センサ7が検知したら(S62のY)上蓋ヒータ17及び鍋底ヒータ5をオフし、蒸らし工程IV(S63)に移行する。
なお、沸騰維持工程IIIでは、圧力弁13の開成によって、鍋10内に生成されたうまみ成分のおねばがこの圧力弁13を通っておねば貯留キャップ24内に一時貯留される。この貯留キャップ24に貯留されたおねばは、所定のタイミングでおねば戻し弁26が開成することにより、鍋10内へ戻される。
次に、蒸らし工程IVは、沸騰維持工程III終了後に行う蒸らし工程1IV1と、この蒸らし1の終了後に再加熱を行う追い炊き工程IV2と、蒸らしの仕上げを行う蒸らし工程2IV3とからなっている。追い炊き工程では、上記各制御方式により鍋10内を昇温加熱して不要な水が除去される。このとき、各工程の時間は、例えば蒸らし工程1IV1は約4分間、追い炊き工程IV2は約3分間、蒸らし工程2IV3は約6分間行われる。そして、蒸らし工程IVが終了すると炊飯工程が終了し(S64)保温工程Vへ進む(S65)。
次に、基準温度時専用制御における保温工程Vについて説明する。保温工程Vは、第1保温工程V1と第2保温工程V2で構成されているのは上述したとおりである。
基準温度時専用制御では、室温が基準温度範囲である10℃以上20℃以下の状態で保温されることとなるので、室温の影響は受け難いので各ヒータの加熱温度を従来のように制御するように保温を行うようにする。
基準温度時専用制御では、室温が基準温度範囲である10℃以上20℃以下の状態で保温されることとなるので、室温の影響は受け難いので各ヒータの加熱温度を従来のように制御するように保温を行うようにする。
まず、第1保温工程V1(S66)では、蒸らし工程IVが終了した温度から基準温度時専用制御にかかる保温温度である73℃まで降下させる。この温度は、従来の基準保温温度と同様である。このとき、鍋10内に部分的な温度差が起こると、結露が発生し、この結露によりご飯が白化したりするので、鍋10内を均一な温度で降温させる必要がある。そのため、第1保温工程V1では、上蓋ヒータ17の温度及び側面ヒータ6の温度を同じ基準温度となるように制御して鍋内が73℃に下がるまで行う(S67、S68のN、S69のN)。このようにすることで、基準温度専用制御では、上蓋ヒータ及び側面ヒータを同じ基準温度とすることで、上蓋の部分と側面の部分との温度差を抑制して温度をさげることが可能となる。
その後、鍋10内の温度が保温温度である約73℃に下がるか(S68のY)、第1保温工程V1が開始されてから4時間が経過した場合(S69のY)、第1保温工程V1が終了し、第2保温工程V2が開始される(S70)。
第2保温工程V2は、鍋10内の温度を一定に保つように制御される。すなわち、基準温度時専用制御では、保温温度である73℃を保つように各ヒータが制御される。まず、鍋10内の温度が73℃より下がった場合、上蓋ヒータ17を基準温度、側面ヒータ6を基準温度、及び鍋底ヒータ5をデューティ比1.2/16の通電率で制御する昇温工程Vrが行われる。その後、鍋10内の温度が、73℃以上となった場合、上蓋ヒータ17及び側面ヒータ6は基準温度に制御したまま、鍋底ヒータ5をオフする降温工程Vdに移行する。そして、鍋10内の温度が73℃より下がったら、再び昇温工程Vrが行われ、このサイクルを保温工程Vが終了するまで行う(S71〜S75)。このように制御することにより、基準温度時専用制御では、鍋内の温度は保温温度である73℃近辺で昇温工程Vrと降温工程Vdを繰り返して均一な温度で保たれることとなる(図13参照)。
次に、図5及び図14〜図16を参照して、高温時専用制御についての以下の炊飯工程及び保温工程を説明する。高温時専用制御では、室温が高い状態となるので、鍋内は冷め難い状態となっている。
高温時専用制御では、炊飯工程において、上蓋ヒータ17の加熱温度が低温に制御されるように設定して行われる(S77、図7E参照)。すなわち、高温時専用制御では、上蓋ヒータ17の温度を低温、例えば100℃となるように制御するようにされる。このようにすることで、室温が高い季節では、鍋内は冷め難いので、上蓋ヒータを低温で制御することで、消費電力を抑えた状態で温度を一定に保つことができ、必要以上に加熱することを抑制できる。なお、鍋は上側に開口して備えられており、この開口から温度が逃げやすいので、この開口を覆っている上蓋ヒータのみを制御することで十分な効果を得ることができる。そのため、炊飯工程における側面ヒータ6及び鍋底ヒータ5の加熱制御は従来と同様の制御で行うことができる。
吸水工程I(S78)では、上蓋ヒータ17、側面ヒータ6及び鍋底ヒータ5への通電を所定時間間隔でオン・オフして、所定の吸水温度になるように制御して、所定の吸水時間を掛けて被炊飯物に所定量の水を吸水させる。なお、この吸水工程Iでは、圧力弁13は開成されている。吸水温度は、鍋底温度センサ7により鍋底温度で検知され、所定の範囲、例えば59℃〜60℃の範囲に維持され、吸水時間は、例えば15分に設定される(S79〜S83のN)。
吸水工程Iの15分が経過したら(S83のY)、炊飯器1内を安定させるために上蓋ヒータ17、側面ヒータ6及び鍋底ヒータ5をオフにして立上加熱前休止を設ける。この休止時間は例えば40秒に設定される(S84〜S86のN)。そして、休止時間が40秒経過したら(S86のY)、立上加熱工程II(S87)を開始する。
この立上加熱工程IIでは、上蓋ヒータ17、側面ヒータ6及び鍋底ヒータ5への通電がオンされると共に圧力弁13が閉成されて、吸水後の被炊飯物が吸水温度(60℃)から沸騰温度(105℃)まで昇温加熱され、鍋10内の圧力が大気圧から例えば1.2気圧まで昇圧される(S88、S89のN、S90のN)。このときの、上蓋ヒータ17の加熱温度は、上述のように設定された各制御方式にしたがって行われる。すなわち、高温時専用制御では、上蓋ヒータ17の温度を低温、例えば105℃となるように制御するようにされる。このように室温が高いときは鍋10内の温度は下がり難いので、上蓋ヒータ17を低温に制御することで消費電力を抑制することができる。その後、蒸気温度センサ18が一定温度、例えば74.9℃を検知するか(S89のY)、又は蒸気温度センサ18の検知温度が5℃/12s以上の傾きとなったら(S90のY)、立上加熱工程IIを終了し、沸騰維持工程IIIへと移行する(S91)。
沸騰維持工程IIIでは、上蓋ヒータ17及び鍋底ヒータ5がオンされて、まず、沸騰開始期が行われる(S92、S93)。沸騰開始期では、鍋10内の被炊飯物を沸騰温度(105℃)で一定時間、例えば90秒間昇温加熱される(S94のN)。この沸騰開始期においても、上述したように上蓋ヒータ17の温度を各制御方式によって行われる。すなわち、高温時専用制御では、上蓋ヒータ17の温度を低温、例えば100℃となるように制御するようにされる。沸騰開始期の90秒が経過したら(S94のY)、鍋10内の被炊飯物を沸騰温度(105℃)に維持し、各制御方式で加熱をする(S95)。この沸騰維持工程IIIの初期段階では、上蓋ヒータ17及び鍋底ヒータ5への通電及び圧力弁13の開閉が所定時間間隔で行われる。圧力弁13の開成により、鍋10内の圧力は、1.2気圧から略大気圧近傍まで一気に低下する。この圧力変化により、鍋10内が激しく沸騰する、いわゆる突沸現象が発生する。この突沸現象により、鍋10内の米粒は攪拌される。特に、沸騰維持工程IIIの初期段階に圧力弁13の開閉が行われると、この段階では鍋10内の水が多くなっているので米粒は効率よく攪拌される。一方、上蓋ヒータ17及び鍋底ヒータ5への通電は、圧力弁13の開閉に同期してオン/オフされる。すなわち、圧力弁13が閉成されているときは上蓋ヒータ17及び鍋底ヒータ5への通電がオンされ、開成されているときはオフされる。なお、上蓋ヒータ17及び鍋底ヒータ5への通電は、圧力弁13の開閉と非同期でもよい。沸騰維持工程IIIの後半では、鍋10内の温度が130℃に上昇するまで加熱を行う(S96のN)。この温度上昇により、沸騰中の鍋10内の水がなくなり強制的なドライアップとなる。そして、ドライアップとなる温度(130℃)を鍋底温度センサ7が検知したら(S96のY)上蓋ヒータ17及び鍋底ヒータ5をオフし、蒸らし工程IV(S97)に移行する。
なお、沸騰維持工程IIIでは、圧力弁13の開成によって、鍋10内に生成されたうまみ成分のおねばがこの圧力弁13を通っておねば貯留キャップ24内に一時貯留される。この貯留キャップ24に貯留されたおねばは、所定のタイミングでおねば戻し弁26が開成することにより、鍋10内へ戻される。
次に、蒸らし工程IVは、沸騰維持工程III終了後に行う蒸らし工程1IV1と、この蒸らし1の終了後に再加熱を行う追い炊き工程IV2と、蒸らしの仕上げを行う蒸らし工程2IV3とからなっている。追い炊き工程では、上記各制御方式により鍋10内を昇温加熱して不要な水が除去される。このとき、各工程の時間は、例えば蒸らし工程1IV1は約4分間、追い炊き工程IV2は約3分間、蒸らし工程2IV3は約6分間行われる。そして、蒸らし工程IVが終了すると炊飯工程が終了し(S98)保温工程Vへ進む(S99)。
次に、高温時専用制御にかかる保温工程Vについて説明する。保温工程Vは、第1保温工程V1と、第2保温工程V2で構成されているのは上述したとおりである。高温時専用制御では、室温が高い状態で保温されることとなるので、鍋内は冷め難い状態となっている。
まず、第1保温工程V1(S100)では、蒸らし工程IVが終了した温度から高温時専用制御に係る保温温度である74℃まで降下させる。このとき、鍋10内に部分的な温度差が起こると、結露が発生し、この結露によりご飯が白化したりするので、鍋10内を均一な温度で降温させる必要がある。また、鍋内ではご飯からの蒸発も多く、上蓋に結露が多く発生する傾向がある。そのため、第1保温工程V1では、上蓋ヒータ17の温度を高温とし、側面ヒータ6の温度を低温となるように制御して鍋内が74℃に下がるまで行う(S33、S34のN、S35のN)。このようにすることで、温度が下がり難い高い室温であっても、鍋内において、上蓋の部分と側面の部分とでの温度差を抑制して温度を下げることが可能となり、また、上蓋に発生した結露を蒸発させやすくすることができる。
その後、鍋10内の温度が保温温度である約74℃に下がるか(S102のY)、第1保温工程V1が開始されてから4時間が経過した場合(S103のY)、第1保温工程V1が終了し、第2保温工程V2が開始される(S104)。
第2保温工程V2は、鍋10内の温度の昇温と降温を繰り返し一定に保つように制御される。すなわち、高温時専用制御では、保温温度である74℃を保つように各ヒータが制御される。高温時専用制御の保温温度は、通常の基準保温温度よりやや高めの例えば74℃と設定される。室温が高い状態では、鍋内の温度が下がり難く、保温工程時に加熱する時間が短くなる傾向があり、設定温度より低い温度で保温されるため、基準保温温度(73℃)よりやや高めの温度(74℃)を設定することで、最適な温度で保温を行うことができる。具体的には、鍋10内の温度が74℃より下がった場合、上蓋ヒータ17を低温、側面ヒータ6を低温、及び鍋底ヒータ5をデューティ比0.9/16の通電率で制御する昇温工程Vrが行われる。その後、鍋10内の温度が、74℃以上となった場合、上蓋ヒータ17及び側面ヒータ6は高温に制御したまま、鍋底ヒータ5をオフする降温工程Vdに移行する。そして、鍋10内の温度が74℃より下がったら、再び昇温工程Vrが行われ、このサイクルを保温工程が終了するまで行う(S105〜S109)。このように、制御することにより、高温時専用制御では、鍋内の温度は保温温度である74℃近辺を長い周期で昇温工程Vrと降温工程Vdを繰り返して保たれることとなる(図16参照)。このようにすることで、室温が高くても均一な温度で保温をすることができ、鍋内の温度差による結露の発生をし難くすることができる。
以上で、本実施形態に係る一連の炊飯工程及び保温工程が完了する。
1 炊飯器
2 (炊飯器)本体
3 外部ケース
4 内部ケース
5 鍋底ヒータ
6 側面ヒータ
7 鍋底温度センサ
8 表示操作部
9 制御装置
10 鍋
11 蓋体
12 上蓋
13 圧力弁
14 ボール
15 圧力弁開放機構
16 上蓋シール
17 上蓋ヒータ
18 蒸気温度センサ
19 外蓋
24 おねば貯留キャップ
2 (炊飯器)本体
3 外部ケース
4 内部ケース
5 鍋底ヒータ
6 側面ヒータ
7 鍋底温度センサ
8 表示操作部
9 制御装置
10 鍋
11 蓋体
12 上蓋
13 圧力弁
14 ボール
15 圧力弁開放機構
16 上蓋シール
17 上蓋ヒータ
18 蒸気温度センサ
19 外蓋
24 おねば貯留キャップ
Claims (8)
- 被炊飯物が投入される鍋と、前記鍋が収容される開口部を有する炊飯器本体と、前記炊飯器本体の開口部を塞ぐ開閉自在な蓋体と、前記蓋体に設けられた上蓋ヒータと前記炊飯器本体に設けられた側面ヒータ及び鍋底ヒータとを有する加熱手段と、前記蓋体に設けられた蒸気温度センサと前記炊飯器本体に設けられた鍋底温度センサとを有する温度検知手段と、炊飯メニューや所定範囲の初期設定温度等の各種データが記憶される記憶手段と、所定の炊飯工程及び保温工程が実行される制御装置と、温度範囲判定手段とを備える炊飯器において、
前記所定の炊飯工程が開始されて一定時間経過後に、
前記蒸気温度センサは前記蒸気温度センサの周囲の温度を室温として検知し、前記鍋底温度センサは前記鍋底の温度を前記鍋内の水温として検知し、
前記記憶手段は前記検知された室温及び水温を記憶し、
前記温度範囲判定手段は、前記記憶された室温及び水温を前記記憶手段に記憶されている前記所定範囲の初期設定温度と比較し、前記記憶された室温及び水温が、前記初期設定温度の所定範囲内であるか、前記初期設定温度の所定範囲より高い温度範囲であるか、又は前記初期設定温度の所定範囲より低い温度範囲であるかを判定し、
前記室温及び水温が同一の温度範囲内に含まれると判定された場合において、
前記制御装置は、
前記室温及び水温が前記初期設定温度の範囲内の場合は、前記所定の炊飯工程を前記上蓋ヒータの温度を基準加熱温度に制御すると共に、前記保温工程を前記鍋内の温度を基準保温温度で行う基準温度時専用制御で行い、
前記室温及び水温が前記初期設定温度より高い温度範囲の場合は、前記所定の炊飯工程を前記上蓋ヒータの温度を前記基準加熱温度より低い加熱温度に制御すると共に、前記保温工程を前記鍋内の温度を前記基準保温温度より高い保温温度で行う高温時専用制御で行い、
前記室温及び水温が前記初期設定温度より低い温度範囲の場合は、前記所定の炊飯工程を前記上蓋ヒータの温度を前記基準加熱温度より高い加熱温度に制御すると共に、前記保温工程を前記鍋内の温度を前記基準保温温度より低い保温温度で行う低温時専用制御で行い、
前記室温及び水温が同一の温度範囲内に含まれないと判定された場合は、前記所定の炊飯工程及び保温工程を前記基準温度時専用制御で行うことを特徴とする炊飯器。 - 前記記憶手段に記憶された前記初期設定温度の所定範囲は、10℃〜20℃であることを特徴とする請求項1に記載の炊飯器。
- 前記制御手段は、前記保温工程において、前記炊飯工程が終了した後、前記鍋内の温度を前記基準温度時専用制御、前記高温時専用制御及び前記低温時専用制御で設定される前記各保温温度まで下げる第1保温工程と、前記第1保温工程が終了した後、前記鍋内の温度を上昇させる昇温工程と、前記鍋内の温度を下降させる降温工程とを繰り返すことで前記鍋内の温度を前記基準温度時専用制御、前記高温時専用制御及び前記低温時専用制御で設定される前記各保温温度に保つ第2保温工程とを行うことを特徴とする請求項1に記載の炊飯器。
- 前記制御手段は、前記第1保温工程において、
前記鍋底ヒータを停止すると共に、
前記基準温度時専用制御では前記上蓋ヒータ及び側面ヒータを前記基準加熱温度で制御し、
前記低温時専用制御では前記上蓋ヒータを前記基準加熱温度より低い加熱温度で制御すると共に前記側面ヒータを前記基準加熱温度より高い加熱温度で制御し、
前記高温時専用制御では前記上蓋ヒータを前記基準加熱温度より高い加熱温度で制御すると共に前記側面ヒータを前記基準加熱温度より低い加熱温度で制御することを特徴とする請求項3に記載の炊飯器。 - 前記制御手段は、前記第2保温工程における前記昇温工程では、前記基準温度時専用制御では前記上蓋ヒータ及び側面ヒータを前記基準加熱温度で制御すると共に前記鍋底ヒータを基準通電率で加熱制御し、前記低温時専用制御では前記上蓋ヒータ及び側面ヒータを前記基準加熱温度より高い加熱温度で制御すると共に前記鍋底ヒータを前記基準通電率より高い高通電率で加熱制御し、前記高温時専用制御では前記上蓋ヒータ及び側面ヒータを前記基準加熱温度より低い加熱温度で制御すると共に前記鍋底ヒータを前記基準通電率より低い低通電率で加熱制御し、
前記降温工程では、前記昇温工程における上蓋ヒータ及び側面ヒータの前記各加熱温度での制御を継続すると共に、前記鍋底ヒータの通電を停止することを特徴とする請求項3に記載の炊飯器。 - 前記記憶手段には、前記基準温度時専用制御の前記基準加熱温度は約105℃と記憶され、前記高温時専用制御の前記加熱温度は約100℃と記憶され、前記低温時専用制御の前記加熱温度は約115℃と記憶されていることを特徴とする請求項1、4又は5のいずれかに記載の炊飯器。
- 前記記憶手段には、各保温温度として前記基準温度時専用制御の前記基準保温温度を約73℃と記憶され、前記低温時専用制御の前記低温保温温度では約72℃と記憶され、及び前記高温時専用制御の前記高温保温温度では約74℃と記憶されていることを特徴とする請求項1又は3に記載の炊飯器。
- 前記制御手段は、前記基準通電率を、デューティ比1.2/16とし、前記高通電率はデューティ比1.5/16とし、前記低通電率は、デューティ比0.9/16とすることを特徴とする請求項5に記載の炊飯器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010285870A JP2012130546A (ja) | 2010-12-22 | 2010-12-22 | 炊飯器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010285870A JP2012130546A (ja) | 2010-12-22 | 2010-12-22 | 炊飯器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012130546A true JP2012130546A (ja) | 2012-07-12 |
Family
ID=46646883
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010285870A Pending JP2012130546A (ja) | 2010-12-22 | 2010-12-22 | 炊飯器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012130546A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017077352A (ja) * | 2015-10-20 | 2017-04-27 | アイリスオーヤマ株式会社 | 電気炊飯器 |
JP2018007865A (ja) * | 2016-07-14 | 2018-01-18 | アイリスオーヤマ株式会社 | 電気炊飯器 |
CN108814252A (zh) * | 2018-07-05 | 2018-11-16 | 安徽省兴万信息技术有限公司 | 一种智能烹饪机器人 |
-
2010
- 2010-12-22 JP JP2010285870A patent/JP2012130546A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018007865A (ja) * | 2016-07-14 | 2018-01-18 | アイリスオーヤマ株式会社 | 電気炊飯器 |
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