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JP2012101452A - 印刷装置、色変換方法、プログラム及び記録媒体 - Google Patents

印刷装置、色変換方法、プログラム及び記録媒体 Download PDF

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JP2012101452A JP2010252190A JP2010252190A JP2012101452A JP 2012101452 A JP2012101452 A JP 2012101452A JP 2010252190 A JP2010252190 A JP 2010252190A JP 2010252190 A JP2010252190 A JP 2010252190A JP 2012101452 A JP2012101452 A JP 2012101452A
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Abstract

【課題】光沢材と着色材とを用いて印刷を行う印刷装置において、画像の暗部領域における階調再現性を向上させると共に、光沢材の使用量を低減させる。
【解決手段】光沢材と着色材とを用いて印刷を行う印刷装置は、デバイス非依存の色空間における印刷装置のカラーガマットの暗部側に光沢材の量を低減させる領域である低減領域を設定する低減領域設定部と、印刷装置に入力される画像の色を、光沢材及び前記着色材により表現される印刷色に変換する色変換部であって、画像を構成する画素のうち、低減領域に含まれる画素は、低減領域に含まれない画素に比べて、光沢材の量を少なくして、画像の色を印刷色に変換する、色変換部と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、光沢材と着色材とを用いて印刷を行う印刷技術に関する。
従来、印刷媒体上に、まず下塗り層を形成して、下塗り層の上に更に印刷を行う方法が知られている(例えば、下記特許文献1,2)。かかる方法は、種々の印刷方法に利用でき、例えば、様々な色調のメタリック色を再現する場合にも利用できる。メタリック色を再現するためには、例えば、印刷媒体上にメタリックインクの層を形成し、その上にカラーインクを重畳させて印刷すればよい。
特表2002−530229号公報 特開2005−52984号公報
メタリックインクは比較的高価であるため、その使用量の低減が課題となっていた。また、メタリックインクの層上に一様にカラーインクを重畳させた場合、画像のうち比較的暗い部分(暗部領域)では、メタリックインクの光沢発現効果により、カラーインクのみで印刷する場合に比べて明るさ(輝度)が高くなる。加えて、メタリックインクが重畳される分だけカラーインク量が減るため、メタリックインクを重畳させない場合に比べて明るさが高くなる。このような理由から、画像の暗部領域において、画素の階調変化に対する明るさの変化の度合い(階調再現性)が低下するという問題があった。
なお、上記課題は、金属光沢感を発現する金属顔料を含有するメタリックインクに限らず、例えば、真珠光沢に類似した光沢感を発現する顔料を含有したインク等、発色以外の質感を発現させる種々の光沢インクを用いる場合にも共通する問題であった。また、光沢材と着色材とを用いて印刷を行う種々の印刷装置に共通する問題であった。
本発明は、光沢材と着色材とを用いて印刷を行う印刷装置において、画像の暗部領域における階調再現性を向上させると共に、光沢材の使用量を低減させることを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]光沢材と着色材とを用いて印刷を行う印刷装置であって、
デバイス非依存の色空間における前記印刷装置のカラーガマットの暗部側に、前記光沢材の量を低減させる領域である低減領域を設定する低減領域設定部と、
前記印刷装置に入力される画像の色を、前記光沢材及び前記着色材により表現される印刷色に変換する色変換部であって、前記画像を構成する画素のうち、前記低減領域に含まれる画素は、前記低減領域に含まれない画素に比べて、前記光沢材の量を少なくして、前記画像の色を前記印刷色に変換する、色変換部と、
を備える、印刷装置。
適用例1の印刷装置では、画像を構成する画素のうち、低減領域に含まれる画素は、低減領域に含まれない画素に比べて、光沢材の量を少なくして画像の色を前記印刷色に変換するので、画像における暗部側において、着色材の量を増やすことができ、階調再現性を向上させることができると共に画像印刷時における光沢材の使用量を低減させることができる。また、光沢材の量を低減させるか否かを判断するのに用いる領域である低減領域は、デバイス非依存の色空間における領域であるので、印刷色に変換する際に、適切な色範囲において光沢材の使用量を低減させることができる。
[適用例2]適用例1に記載の印刷装置において、
前記色変換部は、前記画像を構成する画素のうち、前記低減領域に含まれる画素については、前記光沢材の量が0である前記印刷色に変換する、印刷装置。
このような構成により、低減領域に含まれる画素については、光沢材を用いずに印刷することができるので、画像印刷時の光沢材の使用量を大きく低減させることができる。したがって、比較的高価な光沢材の使用量を大きく低減できるので、印刷に伴うランニングコストを大きく低減させることができる。
[適用例3]適用例1または適用例2に記載の印刷装置において、
前記低減領域設定部は、
前記着色材のみを用いて印刷を行った場合の印刷領域の色階調と、色の明るさに関連する指標値との関係を示す関係線と、前記着色材及び前記光沢材を用いて印刷を行った場合の印刷領域の色階調と前記指標値との関係を示す関係線とが交わる、複数の色相ごとに得られた複数の交点を取得する取得部と、
前記色空間において前記複数の交点に対応する点である複数の低減領域参考点に基づき、前記色空間における所定の立体形状を決定する立体形状決定部と、
前記カラーガマットと前記立体形状の内部との重複領域を求め、前記重複領域を前記削除領域として決定する領域決定部と、
を有する、印刷装置。
このような構成により、色空間において、より色の明るい画素において指標値がより小さくなる、明るさの逆転現象の発生を抑制することができる。したがって、色変換部により色変換後の画像を印刷した場合に、滑らかな階調変化を実現できる。
[適用例4]適用例3に記載の印刷装置において、
前記所定の立体形状は、楕円体形状であって、前記楕円体形状の表面が、前記複数の低減領域参考点に近接するように前記色空間において配置された楕円体形状である、印刷装置。
このような構成により、低減領域と低減領域でない領域との境界を滑らかにすることができる。したがって、例えば、色空間において近接する画素同士において、光沢材の使用量が低減する境界の明るさが極端に異なることを抑制でき、画像において不自然な階調変化の発生を抑制できる。加えて、楕円体形状は、多くのパラメーターを用いて定義するので、各低減領域参考点に近接する表面を有する楕円体形状を決定することができる。それゆえ、各低減領域参考点に近接する表面を有する低減領域を決定することができる。
[適用例5]適用例4に記載の印刷装置において、
前記色空間は、L*a*b*色空間であり、
前記楕円体形状の中心位置のL*の値は負である、印刷装置。
楕円体形状の中心位置のL*の値が正であり、かつ、楕円体形状のL*方向の半径が小さい場合、L*a*b*色空間における印刷装置のカラーガマットの下端付近において、楕円体形状が存在しないためにカラーガマットと楕円体形状の内部とが重複しない領域が発生し得る。この場合、L*の値が小さいにも関わらず低減領域に含まれないために、光沢材が低減されず、より色の明るい画素において指標値がより小さくなる、明るさの逆転現象が発生し得る。しかしながら、上記構成とすることにより、かかる明るさの逆転現象の発生を抑制できる。加えて、3次元色空間であるL*a*b*色空間に低減領域を設定するので、4次元以上の多次元色空間において低減領域を設定する構成に比べて、低減領域を容易に設定することができる。
[適用例6]適用例3に記載の印刷装置において、
前記所定の立体形状は、前記複数の低減領域参考点のうち、グレー軸において得られた前記交点に対応する低減領域参考点である特定参考点を頂点として、前記色空間において、前記特定参考点を除く他の前記低減領域参考点のうち、隣り合う任意の2つの低減領域参考点と前記特定参考点とで特定される複数の平面により形成される傘状の形状である、印刷装置。
このような構成により、各低減領域参考点を、低減領域と低減領域でない領域との境界に配置させることができる。したがって、各色相において、明るさの逆転現象をより高い確率で抑制することができる。
[適用例7]適用例3に記載の印刷装置において、
前記所定の立体形状は、前記複数の低減領域参考点のうち、グレー軸において得られた前記交点に対応する低減領域参考点である特定参考点を除く他の低減領域参考点を用いて得られた環状の周期スプライン曲線と、前記特定参考点を頂点として通り、かつ、他の任意の2つの低減領域参考点を通る前記2次曲線と、により特定される碗状の形状である、印刷装置。
このような構成により、各低減領域参考点に近接する表面を有する低減領域を決定することができる。
[適用例8]適用例3ないし適用例7のいずれかに記載の印刷装置において、
前記指標値は、照射角を45度及び受光角を0度として測定される明度である、印刷装置。
このような構成により、人の目の識別力に近い精度で、低減領域を定めることができる。
[適用例9]適用例1ないし適用例8のいずれかに記載の印刷装置において、さらに、
前記印刷色に変換された画像を印刷して印刷画像を得る印刷部を備え、
前記色空間は、少なくとも色の明るさに関する座標軸を有し、
前記印刷部が、前記色空間において前記座標軸を含む任意の面に含まれる各座標によって表わされる色を、各座標の配置関係を維持したまま表現した画像を印刷した場合に、前記印刷画像において、前記光沢材のドット記録率が所定値以下となる領域と、前記ドット記録率が前記所定値よりも大きい領域との境界が連続して配置されている、印刷装置。
このような構成により、画像の暗部側における階調再現性を向上させて、画質を向上させた画像を実際に印刷することができる。また、印刷した画像において、暗部領域において階調再現性が向上されていることを容易に確認することができる。
[適用例10]光沢材と着色材とを用いて印刷を行う印刷装置を制御する印刷制御装置であって、
デバイス非依存の色空間における前記印刷装置のカラーガマットの暗部側に前記光沢材の量を低減させる領域である低減領域を設定する低減領域設定部と、
前記印刷制御装置に入力される画像の色を、前記光沢材及び前記着色材により表現される印刷色に変換する色変換部であって、前記画像を構成する画素のうち、前記低減領域に含まれる画素は、前記低減領域に含まれない画素に比べて、前記光沢材の量を少なくして、前記画像の色を前記印刷色に変換する、色変換部と、
を備える、印刷制御装置。
適用例10の印刷制御装置では、画像を構成する画素のうち、低減領域に含まれる画素は、低減領域に含まれない画素に比べて、光沢材の量を少なくして画像の色を前記印刷色に変換するので、画像における暗部側において、着色材の量を増やすことができ、階調再現性を向上させることができると共に、印刷装置による画像印刷時における光沢材の使用量を低減させることができる。また、光沢材の量を低減させるか否かを判断するのに用いる領域である低減領域は、デバイス非依存の色空間における領域であるので、印刷色に変換する際に、適切な色範囲において光沢材の使用量を低減させることができる。
[適用例11]画像の色を、印刷装置において用いられる光沢材及び前記着色材により表現される印刷色に変換する色変換方法であって、
(a)デバイス非依存の色空間における前記印刷装置のカラーガマットの暗部側に前記光沢材の量を低減させる領域である低減領域を設定する工程と、
(b)前記画像を構成する画素のうち、前記低減領域に含まれる画素は、前記低減領域に含まれない画素に比べて、前記光沢材の量を少なくして、前記画像の色を前記印刷色に変換する工程と、
を備える、色変換方法。
適用例11の色変換方法では、画像を構成する画素のうち、低減領域に含まれる画素は、低減領域に含まれない画素に比べて、光沢材の量を少なくして画像の色を前記印刷色に変換するので、画像における暗部側において、着色材の量を増やすことができ、階調再現性を向上させることができると共に、印刷装置による画像印刷時における光沢材の使用量を低減させることができる。また、光沢材の量を低減させるか否かを判断するのに用いる領域である低減領域は、デバイス非依存の色空間における領域であるので、印刷色に変換する際に、適切な色範囲において光沢材の使用量を低減させることができる。
[適用例12]画像の色を、印刷装置において用いられる光沢材及び前記着色材により表現される印刷色に変換するためのプログラムであって、
デバイス非依存の色空間における前記印刷装置のカラーガマットの暗部側に前記光沢材の量を低減させる領域である低減領域を設定する機能と、
前記画像を構成する画素のうち、前記低減領域に含まれる画素は、前記低減領域に含まれない画素に比べて、前記光沢材の量を少なくして、前記画像の色を前記印刷色に変換する機能と、
をコンピューターに実現させるためのプログラム。
適用例12のプログラムでは、画像を構成する画素のうち、低減領域に含まれる画素は、低減領域に含まれない画素に比べて、光沢材の量を少なくして画像の色を前記印刷色に変換するので、画像における暗部側において、着色材の量を増やすことができ、階調再現性を向上させることができると共に、印刷装置による画像印刷時における光沢材の使用量を低減させることができる。また、光沢材の量を低減させるか否かを判断するのに用いる領域である低減領域は、デバイス非依存の色空間における領域であるので、印刷色に変換する際に、適切な色範囲において光沢材の使用量を低減させることができる。
[適用例13]適用例12に記載のプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体。
このような構成により、かかる記録媒体を用いてコンピューターにプログラムを読み取らせ、各機能を実現させることができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、色変換用LUT、色変換用LUT作成方法、LUT作成のためのコンピュータープログラム及びそのコンピュータープログラムを記録した記録媒体、等の形態で実現することができる。
本発明の一実施例としてのプリンターの概略構成図である。 本実施形態における印刷処理のフローチャートである。 図1に示すLUTの作成手順を示すフローチャートである。 プリンターの入力値に係るRGB色空間を模式的に示す説明図である。 カラーラインCL1における単独カラーパッチ及び重畳カラーパッチについての各色階調とステップS215において測色したL*との関係を示している。 カラーラインCL4における単独カラーパッチ及び重畳カラーパッチについての各色階調とステップS215において測色したL*との関係を示している。 第1実施例におけるメタリックインク低減領域を設定する方法を模式的に示す説明図である。 図7に示す楕円体形状を決定する方法を模式的に示す説明図である。 既存LUTの格子点がメタリックインク低減領域に含まれるか否かを判定する方法を模式的に示す説明図である。 LUTを用いて色変換を行って得られた画像を印刷した場合に印刷媒体上において観察されるメタリックインク量を模式的に示す説明図である。 第2実施例におけるメタリックインク低減領域を設定する方法を模式的に示す説明図である。 第2実施例における既存LUTの格子点がメタリックインク低減領域に含まれるか否かを判定する方法を模式的に示す説明図である。 第3実施例におけるメタリックインク低減領域を設定する方法を模式的に示す説明図である。 変形例1における本発明のコンピューターへの適用例を示す説明図である。 変形例2におけるメタリックインク低減領域に含まれる格子点に対してメタリックインク量を設定する方法を模式的に示す説明図である。
A.第1実施例:
A1.印刷装置の構成:
図1は、本発明の一実施例としてのプリンターの概略構成図である。プリンター20は、インクジェット式プリンターであり、紙送りモーター74によって印刷媒体Pを搬送する機構と、キャリッジモーター70によってキャリッジ80をプラテン75の軸方向に往復動させる機構と、キャリッジ80に搭載された印刷ヘッド81を駆動してインクの吐出及びドット形成を行う機構と、紙送りモーター74,キャリッジモーター70及び印刷ヘッド81との信号のやり取りを司る制御ユニット30とを備えている。
キャリッジ80をプラテン75の軸方向に往復動させる機構は、プラテン75の軸と並行に架設され、キャリッジ80を摺動可能に保持する摺動軸73と、キャリッジモーター70との間に無端の駆動ベルト71を張設するプーリー72等から構成されている。
キャリッジ80には、カラーインクとして、シアンインクCと、マゼンタインクMと、イエロインクYと、ブラックインクKとをそれぞれ収容したカラーインク用のインクカートリッジ82〜85が搭載される。また、キャリッジ80には、メタリックインクSを収容したメタリックインク用のインクカートリッジ86が搭載される。キャリッジ80の下部の印刷ヘッド81には、上述の各色のカラーインク及びメタリックインクSに対応するノズル列が形成されている。キャリッジ80にこれらのインクカートリッジ82〜86を上方から装着すると、各カートリッジから印刷ヘッド81へのインクの供給が可能となる。
なお、本実施形態において「カラーインク」という場合には、ブラックインクも含む概念を意味する。また、本実施例においては、カラーインクには、顔料インクを用いる。
また、メタリックインクとは、印刷物がメタリック感を発現するインクであり、このようなメタリックインクとしては、例えば、金属顔料と有機溶剤と樹脂とを含む油性インク組成物を用いることができる。視覚的に金属的な質感を効果的に生じさせるためには、前述の金属顔料は、平板状の粒子であることが好ましく、この平板状粒子の平面上の長径をX、短径をY、厚みをZとした場合、平板状粒子のX−Y平面の面積より求めた円相当径の50%平均粒子径R50が0.5〜3μmであり、かつ、R50/Z>5の条件を満たすことが好ましい。このような金属顔料は、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金によって形成することができ、また、金属蒸着膜を破砕して作成することも可能である。メタリックインクに含まれる金属顔料の濃度は、例えば、0.1〜10.0重量%とすることができる。もちろん、メタリックインクはこのような組成に限らず、メタリック感が生じる組成であれば他の組成を適宜採用することが可能である。
本実施例では、メタリックインクSの組成は、アルミニウム顔料1.5重量%、グリセリン20重量%、トリエチレングリコールモノブチルエーテル40重量%、BYK−UV3500(ビックケミー・ジャパン株式会社製)0.1重量%とした。
制御ユニット30は、CPU40と、ROM51と、RAM52と、EEPROM60とが互いにバスで接続された構成を有する。また、制御ユニット30にはメモリカードスロット91が接続されている。メモリカードスロット91は、画像データORGを記録しているメモリカードMCを収容する。本実施例においては、画像データORGは、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の3色の色成分からなるデータである。
CPU40は、ROM51やEEPROM60に記憶されたプログラムをRAM52に展開し、実行することにより、入力部41、LUT作成部42、色変換部43、ハーフトーン処理部44、インターレース処理部45及び印刷制御部46として機能する。
入力部41は、メモリカードスロット91に挿入されたメモリカードMCから画像データORGを読み込む。LUT作成部42は、後述するLUT作成処理を実行する。色変換部43は、画像データORG(R,G,B)を、インク色(CMYKS)のデータに変換する。ハーフトーン処理部44は、ハーフトーン処理を実行する。インターレース処理部45は、1回の主走査単位で印画するドットパターンデータに並び替えるインターレース処理を行う。印刷制御部46は、キャリッジ80の往復動や紙送りを制御すると共に、印刷ヘッド81を駆動して、印刷媒体Pへのインク吐出を制御する。
EEPROM60には、ルックアップテーブル(LUT)62が記憶されている。LUT62は、RGB形式の入力値とCMYKS形式の出力値とを対応付けるテーブルである。また、EEPROM60には、プリンター20のカラーガマット(色再現範囲)を示すプロファイルデータが予め記憶されている。本実施例では、このプロファイルデータとして、デバイス非依存の色空間であるL*a*b*色空間におけるカラーガマットを示すデータを採用する。
以上のようなハードウェア構成を有するプリンター20は、キャリッジモーター70を駆動することによって、印刷ヘッド81を印刷媒体Pに対して主走査方向に往復動させ、また、紙送りモーター74を駆動することによって、印刷媒体Pを副走査方向に移動させる。制御ユニット30(印刷制御部46)は、キャリッジ80が往復動する動き(主走査)や、印刷媒体の紙送りの動き(副走査)に合わせて、印刷データに基づいて適切なタイミングでノズルを駆動することにより、印刷媒体P上の適切な位置に適切な色のインクドットを形成する。このようにして、プリンター20は、メモリカードMCから入力した画像データORGに基づき、画像をメタリック印刷(カラーインクのドットとメタリックインクのドットとが混在する印刷)することができる。
プリンター20では、後述するLUT作成処理により作成されたLUT62を用いて色変換を行うことにより、画像の暗部領域における階調再現性を向上させると共に、メタリックインクSの使用量を低減させることができる。
なお、前述のメタリックインクSは、請求項における光沢材に相当する。また、カラーインクは請求項における着色材に、LUT作成部42は請求項における低減領域設定部に、それぞれ相当する。
A2.印刷処理:
図2は、本実施形態における印刷処理のフローチャートである。ユーザーが図示しない操作パネルにおいて印刷処理を指示すると、プリンター20において印刷処理が開始される。入力部41は、メモリカードスロット91を介してメモリカードMCから印刷対象であるRGB形式の画像データORGを読み込む(ステップS105)。
色変換部43は、EEPROM60に記憶されたLUT62に基づいて、画像データORGを、プリンター20が表現可能なCMYKS形式の画像データに変換する(ステップS110)。なお、LUT62は、他の記憶媒体、例えば、プリンター20が備える図示しないハードディスクドライブに記憶されていてもよいし、プリンター20に接続された図示しないコンピューター等からダウンロードする構成としてもよい。
ハーフトーン処理部44は、色変換処理した画像データを各色のドットのON/OFFデータに変換するハーフトーン処理を行う(ステップS115)。ハーフトーン処理の具体的な方法としては、周知の方法、例えば、組織的ディザー法,誤差拡散法,濃度パターン法などを採用することができる。インターレース処理部45は、インターレース処理を行う(ステップS120)。インターレース処理を行うと、印刷制御部46は、ドットパターンデータに基づいて、キャリッジモーター70、紙送りモーター74及び印刷ヘッド81を駆動し、印刷ヘッド81からメタリックインクS及びカラーインクを吐出させて、メタリック印刷を実行する(ステップS125)。
A3.LUT作成処理:
図3は、図1に示すLUTの作成手順を示すフローチャートである。LUT62の作成は、プリンター20の出荷前に実行することができる。また、プリンター20の初期起動時、或いは初期起動後の任意のタイミングでユーザーが実行することもできる。
まず、プリンター20用の既存のLUTを用意する(ステップS205)。既存のLUTとは、RGB形式の入力値とCMYK形式の入力値との対応関係を記載した(すなわち、メタリックインクSの出力値が記載されていない)LUTを意味する。
ここで用意するLUTは、カラーインクとメタリックインクSとを重畳して印刷を行うためのLUT62を作成するためのものであるから、出力値にメタリックインクSを含まない条件で作成された通常のLUTと比較して、メタリックインクSが重畳される分だけ、カラーインクのインクデューティー制限値を低減させて作成されたLUTである。カラーインクのインクデューティー制限値とは、印刷媒体の単位面積中に吐出可能なカラーインクの合計量の上限値である。インクジェット式プリンターでは、印刷媒体の単位面積中に多量のインクを吐出すると、インクのにじみが生じて、好適な色表現を行えなくなることから、このような制限が設けられる。なお、インクデューティー制限値は、印刷媒体やインクの種類等の印刷条件によって異なる。
既存LUTを用意すると、次に、メタリックインクSを使用しないカラーパッチと、メタリックインクSを用いたカラーパッチとを作成する(ステップS210)。ここでのカラーパッチとは、所定のピッチで階調変化する所定色の画像データを、前述の既存LUTを用いて色変換処理を行い、プリンター20で印刷したものである。メタリックインクSを使用しないカラーパッチとは、カラー領域のみからなるカラーパッチであり、以下では単独カラーパッチとも呼ぶ。メタリックインクSを用いたカラーパッチとは、単独カラーパッチに、メタリックインクSを所定のデューティーで重畳させたカラーパッチであり、以下では重畳カラーパッチともいう。本実施例の重畳カラーパッチは、メタリックインクSをインクデューティー30%で重畳させたものである。
インクデューティーを30%としているのは、本実施例の印刷条件においては、メタリックインクSにより発現するメタリック感がインクデューティー30%で最も視覚的に認識できるからであり、かかるインクデューティーに特に限定されるものではない。ここでのメタリックインクSのインクデューティーは、メタリックインクSを重畳する際の基本設定値とすればよい。
また、本実施例においては、上述の通り、作成対象のLUT62を搭載するプリンター20により印刷して、カラーパッチを作成した。これは、LUT62が使用される条件でカラーパッチを作成することにより、後述する方法により作成されるLUT62の性能が向上するからである。ただし、カラーパッチは、必ずしもプリンター20を用いて作成することは要しない。
図4は、プリンターの入力値に係るRGB色空間を模式的に示す説明図である。図4に示すように、プリンター20の入力値に係るRGB色空間(階調値は0〜255)は、8個の頂点K(0,0,0)、W(255,255,255)、R(255,0,0)、G(0,255,0)、B(0,0,255)、C(0,255,255)、M(255,0,255)、Y(255,255,0)を有する立方体の内部空間として特定される。
本実施例では、カラーパッチの所定色とは、頂点Kと頂点Wとを直線的に結ぶカラーラインCL1、頂点Kと頂点Cと頂点Wとを直線的に結ぶカラーラインCL2、頂点Kと頂点Mと頂点Wとを直線的に結ぶカラーラインCL3、頂点Kと頂点Yと頂点Wとを直線的に結ぶカラーラインCL4、頂点Kと頂点Rと頂点Wとを直線的に結ぶカラーラインCL5、頂点Kと頂点Gと頂点Wとを直線的に結ぶカラーラインCL6、頂点Kと頂点Bと頂点Wとを直線的に結ぶカラーラインCL7の、合計7つの色相の色とした。なお、頂点Kと頂点Wとを結ぶカラーラインCL1は、いわゆるグレー軸であり、色相は特定できないが、本実施例では「彩度が0の色相」として採用する。
カラーパッチの色階調変化ピッチは、各カラーラインを、それぞれ32段階に分割するものとした。本実施例では、いずれのカラーラインにおいても、色階調値1はW(255,255,255)、色階調値32はK(0,0,0)となる。
カラーパッチを作成すると、図3に示すように、単独カラーパッチ及び重畳カラーパッチについて、測色器を用いて各色階調の明度(L*)を測色する(ステップS215)。本実施例においては、L*は、照射角を45度、受光角を0度として測色した。ただし、測色条件は、かかる条件に限られるものではなく、適宜設定すればよい。
次に、各色相ごとに、単独カラーパッチについて測色して得られた階調の関係線と、重畳カラーパッチについて測色して得られた階調の関係線との交点を求め、交点の階調値(R,G,B)をEEPROM60に記憶させる(ステップS220)。
図5は、カラーラインCL1における単独カラーパッチ(図中では「メタリックなし時」)及び重畳カラーパッチ(図中では「メタリック30%時」)についての各色階調とステップS215において測色したL*との関係を示している。図6は、カラーラインCL4における単独カラーパッチ及び重畳カラーパッチについての各色階調とステップS215において測色したL*との関係を示している。図5,6において、横軸は色階調数を示し、縦軸は明度(L*)及びメタリックインクデューティー(%)を示す。なお、図5,6において、太い実線は、メタリックインクデューティーを示すが、これについては後述する。
図5に示すように、カラーラインCL1においては、単独カラーパッチの関係線と重畳カラーパッチの関係線とは、交点CP1(色階調数18)で交差していることが分かる。すなわち、色階調数18よりも暗部側(黒寄り)では、メタリックインクありの場合の明度は、同じ色階調におけるメタリックインクなしの場合の明度に比べて高い(明るい)。それゆえ、交点CP1よりも暗部側(黒寄り)では、メタリックインクありの場合の色再現範囲(L*の範囲)は、メタリックインクなしの場合の色再現範囲よりも狭くなっている。これに対して、色階調数18よりも明部側(白寄り)では、メタリックインクありの場合の明度は、同じ色階調におけるメタリックインクなしの場合の明度に比べて低い(暗い)。
図6に示すように、カラーラインCL4においては、単独カラーパッチの関係線と重畳カラーパッチの関係線とは、交点CP4(色階調数26)で交差していることが分かる。すなわち、色階調数26よりも暗部側(黒寄り)では、メタリックインクありの場合の明度は、同じ色階調におけるメタリックインクなしの場合の明度に比べて高い(明るい)。それゆえ、交点CP2よりも暗部側では、メタリックインクありの場合の色再現範囲(L*の範囲)は、メタリックインクなしの場合の色再現範囲よりも狭くなっている。これに対して、色階調数26よりも明部側(白寄り)では、メタリックインクありの場合の明度は、同じ色階調におけるメタリックインクなしの場合の明度に比べて低い(暗い)。
このように、ステップS220では、各色相ごとに7つの交点CP1〜CP7が求められる。ここまでの処理はユーザーが行い、ステップS220で求めた7つの交点CP1〜CP7の階調値(R,G,B)がEEPROM60に記憶されると、続く処理が実行される。
LUT作成部42は、EEPROM60から7つの交点CP1〜CP7の階調値を読み出し、L*a*b*色空間において各交点CP1〜CP7に対応するポイント(以下、「低減領域参考点」と呼ぶ)RP1〜RP7を求める(ステップS225)。低減領域参考点RP1〜RP7を求める方法としては、RGB色空間からL*a*b*色空間に変換する公知の方法を用いることができる。
LUT作成部42は、ステップS225で求めた各低減領域参考点RP1〜RP7と、プリンター20のカラーガマットに基づき、メタリックインク低減領域を設定する(ステップS230)。メタリックインク低減領域とは、カラーガマットで特定される色再現領域において、他の領域に比べてメタリックインクの量を低減させる領域を意味する。
図7は、第1実施例におけるメタリックインク低減領域を設定する方法を模式的に示す説明図である。図7において、横軸はa*軸を示し、縦軸はL*軸を示す。なお、図7では、b*軸上から見たL*a*b*空間を示している。図7において、カラーガマットGaは、L*a*b*色空間におけるプリンター20のカラーガマットを示す。また、図7において、領域AR1は、メタリックインク低減領域AR1を示す。
本実施例では、メタリックインク低減領域AR1を以下のようにして設定する。まず、L*a*b*色空間において、各低減領域参考点RP1〜PR7に近接する表面を有する楕円体形状ELを決定する。そして、この楕円体形状ELの内部とカラーガマットGaとの重複部分をメタリックインク低減領域AR1として設定する。
図8は、図7に示す楕円体形状を決定する方法を模式的に示す説明図である。図8において、横軸及び縦軸は、図7における横軸及び縦軸と同じである。図8において、点C0は、楕円体形状ELの中心点C0を示す。また、点RP3は、1つの低減領域参考点RP3を示す。
楕円体形状ELは、例えば、以下のようにして決定することができる。まず、楕円体形状ELを、中心点C0の座標(L*値,a*値,b*値)と、3つの空間軸に沿った3つの半径と、L*軸,a*軸,b軸からのそれぞれの3つの回転角度により定義し、中心点C0と、各低減領域参考点RP1〜RP7とを結ぶ直線LS1〜LS7を決定する。次に、各直線LS1〜LS7とカラーガマットGaとの交点CX1〜CX7を求めた上で、各交点CX1〜CX7と各低減領域参考点RP1〜RP7との距離d1〜d7を求める。そして、楕円体形状ELを定義する各パラメーター(中心点C0の座標,3つの半径,3つの回転角度)を変えて各距離d1〜d7を求め、各距離d1〜d7の平均値(平均距離)が最も小さくなるような各パラメーターを、フィッティングにより決定する。
図8の例では、中心点C0と低減領域参考点RP3とを結ぶ直線LS3が決定され、この直線LS3とカラーガマットGaとの交点CX3が求められている。そして、交点CX3と低減領域参考点RP3との距離d3を含む平均距離が最も小さくなるように、楕円体形状ELを定義する各パラメーターが決定される。
楕円体形状ELが決定されると、LUT作成部42は、楕円体形状ELの各パラメーターを、カラーガマットGaのプロファイルデータと共に、EEPROM60に記憶させて、メタリックインク低減領域AR1の設定が終了する。
上述したように、ステップS220で求めた交点CP1〜CP7に対応する低減領域参考点RP1〜RP7に基づきメタリックインク低減領域AR1を決定するのは、以下の理由による。図5に示すように、カラーラインCL1について考えてみると、上述したように、交点CP1を境に、明部側(白寄り側)では、メタリックインク無しの場合のL*は、メタリックインクありの場合のL*よりも大きい(すなわち、明るい)。したがって、仮に交点CP1よりもL*が高い色階調の点に対応するL*a*b*色空間における点に基づきメタリックインク低減領域AR1を決定した場合、色階調が黒に近づくにも関わらずL*が高くなってしまう現象(以下、「明度逆転現象」と呼ぶ)が発生して、L*(明度)の滑らかな階調変化を表現できなくなるおそれがあるからである。また、交点CP1よりもL*が低い色階調の点に対応するL*a*b*色空間における点に基づきメタリックインク低減領域AR1を決定した場合、交点CP1に対応する低減領域参考点RP1に基づきメタリックインク低減領域AR1を決定する場合に比べて、再現色範囲が狭くなるからである。
また、上述したように、楕円体形状ELを用いてメタリックインク低減領域AR1を設定するのは、表面の傾斜(変化度合い)が滑らかであり、急激に変化する部分がないため、例えば、隣接する色相同士において、メタリックインク量が低減する境界(明るさ)が極端に異なることを避けることができるからである。加えて、楕円体形状ELでは、フィッティングする際に用いるパラメーターが9つ(中心点C0の座標,3つの半径,3つの回転角度)と比較的多いため、各低減領域参考点RP1〜PR7に近接する表面を有するメタリックインク低減領域を決定することができるからである。
メタリックインク低減領域の設定(ステップS230)が終了すると、LUT作成部42は、既存LUTの各格子点がステップS230で設定したメタリックインク低減領域AR1に含まれるか否かを判定し、メタリックインク低減領域AR1に含まれない格子点については、メタリックインク量Svとしてインクデューティー=30%を設定し、メタリックインク低減領域AR1に含まれる格子点については、メタリックインク量Svとしてインクデューティー=0%を設定して、設定した各メタリックインク量Svを既存LUTの各格子点に付加する(ステップS235)。
図9は、既存LUTの格子点がメタリックインク低減領域に含まれるか否かを判定する方法を模式的に示す説明図である。図9において、上段は格子点がメタリックインク低減領域AR1に含まれる場合を示し、下段は格子点がメタリックインク低減領域AR1に含まれない場合を示している。なお、図9の上段及び下段において、横軸及び縦軸は、図7,8における横軸及び縦軸と同じである。
既存LUTの格子点がメタリックインク低減領域に含まれるか否かを判定する方法としては、例えば、以下の方法を採用することができる。まず、既存LUTの格子点(R,G,B)を、L*a*b*色空間上の座標に変換して、L*a*b*色空間上の格子点fp(L*,a*,b*)を決定する。次に、この格子点fpと楕円体形状ELの中心点C0とを結ぶ直線Lp5を求めた上で、直線Lp5とカラーガマットGaとの交点CX5を求める。そして、中心点C0と交点CX5との間の距離d51と、中心点C0と格子点fpとの間の距離d52とを比較して、距離d51が距離d52以上であれば、図9上段に示すように、格子点fpはメタリックインク低減領域AR1に含まれると判定する。これに対し、図9下段に示すように、距離d51が距離d52よりも小さい場合、格子点fpはメタリックインク低減領域AR1に含まれないと判定する。
上述したように、メタリックインク低減領域AR1に含まれない格子点については、メタリックインク量Svとして、インクデューティー=30%を設定するのは、本実施例の印刷条件においては、メタリックインクSにより発現するメタリック感がインクデューティー30%で最も視覚的に認識できるからであり、かかるインクデューティーに限定されるものではない。
上述したLUT作成処理により作成されたLUT62によると、例えば、図5の太い実線に示すように、カラーラインCL1に関しては、色階調数で18.5に相当する格子点よりも、暗部側の格子点においてメタリックインク量Sv(インクデューティー)は0%となり、明部側の格子点においてメタリックインク量Sv(インクデューティー)は30%となっている。なお、交点CP1の色階調数である18が境界となっていないのは、メタリックインク低減領域AR1の境界(楕円体形状ELの表面)が交点CP1に対応する低減領域参考点RP1を通らないように決定されたためである。また、図6の太い実線に示すように、カラーラインCL4に関しては、色階調数で26.5に相当する格子点よりも、暗部側の格子点においてメタリックインク量Sv(インクデューティー)は0%となり、明部側の格子点においてメタリックインク量Sv(インクデューティー)は30%となっている。
図10は、LUTを用いて色変換を行って得られた画像を印刷した場合に、印刷媒体P上において観察されるメタリックインク量を模式的に示す説明図である。プリンター20は、カラーガマットGaにおいてL*軸を含む或る断面Scに含まれる各色を印刷し、図10の例では、印刷した各色におけるメタリックインク量(ドット記録率)を、L*a*b*空間上において各色に対応する位置にマッピングして示している。図10に示すように、断面Scには、メタリックインク量が比較的多い(メタリックインク量が0でない)領域AR10と、メタリックインク量が比較的少ない(メタリックインク量が0である)領域AR11が現れている。そして、これら2つの領域AR10と領域AR11との境界Maは、連続的に連なった形状となっている。
以上説明したように、第1実施例のプリンター20は、メタリックインク低減領域AR1に含まれる格子点におけるメタリックインク量Svが、メタリックインク低減領域AR1に含まれない格子点におけるメタリックインク量Svよりも少なくなるように設定されたLUT62を、色変換において用いる。ここで、メタリックインク低減領域AR1は、L*a*b*色空間において暗部側(L*値が比較的小さい領域)に設定されている。したがって、かかるLUT62を用いて色変換することにより、L*a*b*色空間においてメタリックインク低減領域AR1に含まれる画素について打ち込まれるメタリックインク量を、メタリックインク低減領域AR1に含まれる画素について打ち込まれるメタリックインク量よりも少なくすることができる。したがって、画像の暗部領域において、カラーインク量をより増やすことができ、階調再現性を向上させることができる。加えて、メタリックインク低減領域AR1を決定する際に参考とする低減領域参考点RP1〜RP7は、各カラーラインCL1〜LC7において、L*が単独カラーパッチの関係線と重畳カラーパッチの関係線とが交差する交点CP1〜CP7に基づき決定される。したがって、明度の逆転現象が生じることを抑制できる。
また、メタリックインク低減領域AR1を、楕円体形状ELを用いて設定するので、メタリックインク低減領域AR1の境界面を滑らかにすることができる。したがって、例えば、隣接する色相同士において、メタリックインク量が低減する境界(明るさ)が極端に異なることを避けることができる。また、楕円体形状ELは多くのパラメーターを用いて定義するので、フィッティングする際の自由度を大きくすることができる。したがって、各低減領域参考点RP1〜RP7により近接する表面を有するメタリックインク低減領域AR1を設定することができる。
また、メタリックインク低減領域AR1を、L*a*b*色空間、すなわち3次元色空間において定義するので、比較的容易に決定することができる。また、メタリックインク低減領域AR1を、デバイス非依存の色空間であるL*a*b*色空間において設定するので、LUT62のRGB色空間において適切な範囲にメタリックインクの低減領域を設定することができる。
また、メタリックインク低減領域AR1に含まれる格子点に相当する画素については、Sメタリックインク量Svを打ち込まない(デューティー=0%に設定する)ので、メタリックインク量の消費を大幅に抑えることができ、印刷に伴うランニングコストを大きく低減することができる。
B.第2実施例:
図11は、第2実施例におけるメタリックインク低減領域を設定する方法を模式的に示す説明図である。図11において、横軸及び縦軸は、図7における横軸及び縦軸と同じである。なお、図11では、図7と異なり、b*軸からずれた視点で見たL*a*b*色空間を示している。第2実施例のプリンターは、メタリックインク低減領域の設定方法において、第1実施例のプリンター20と異なり、他の構成は、第1実施例と同じである。なお、図11において、低減領域参考点RP1〜RP7は、第1実施例の低減領域参考点RP1〜RP7と同じである。
第2実施例では、メタリックインク低減領域AR2を以下のようにして設定する。まず、カラーラインCL1(グレー軸)における交点CP1に対応する低減領域参考点RP1を、傘の石突部に見立てて、低減領域参考点RP1を頂点とし、隣接する2つの色相(カラーライン)において決定された2つの低減領域参考点で特定される平面を決定する。その結果、6つの平面が決定され、各平面は三角形状を有する。そして、これらの平面により形成される傘形状を決定し、この傘形状の内部とカラーガマットGaとの重複部分をメタリックインク低減領域AR2として設定する。なお、本実施例における低減領域参考点RP1は、請求項における特定参考点に相当する。
図11の例では、L*a*b*色空間において、低減領域参考点RP1を頂点として、2つの低減領域参考点RP6,RP7を通る平面S1が設定されている。同様に、低減領域参考点RP1を頂点として2つの低減領域参考点RP7,PR2を通る平面S2と、低減領域参考点RP1を頂点として2つの低減領域参考点RP2,PR3を通る平面S3と、低減領域参考点RP1を頂点として2つの低減領域参考点RP3,PR5を通る平面S4と、低減領域参考点RP1を頂点として2つの低減領域参考点RP5,PR4を通る平面S5と、低減領域参考点RP1を頂点として2つの低減領域参考点RP4,PR6を通る平面S6と、がそれぞれL*a*b*色空間に設定されている。これらの各平面S1〜S6において、隣り合う2つの平面は互いに接している。そして、図11の例では、各平面S1〜S6により形成される傘形状の内部とカラーガマットGaとの重複部分が、メタリックインク低減領域AR2として設定されている。
図12は、第2実施例における既存LUTの格子点がメタリックインク低減領域に含まれるか否かを判定する方法を模式的に示す説明図である。図12において、上段は格子点がメタリックインク低減領域AR2に含まれる場合を示し、下段は格子点がメタリックインク低減領域AR2に含まれない場合を示している。なお、図12の上段及び下段において、横軸及び縦軸は、図9の上段及び下段における横軸及び縦軸と同じである。
第2実施例において、既存LUTの格子点がメタリックインク低減領域に含まれるか否かを判定する方法としては、例えば、以下の方法を採用することができる。まず、既存LUTの格子点(R,G,B)を、L*a*b*色空間上の座標に変換して、L*a*b*色空間上の格子点fp(L*,a*,b*)を決定する。この格子点fpと原点(0,0,0)とを結ぶ直線Lp6を求めた上で、直線Lp6とカラーガマットGaとの交点CX6を求める。そして、原点と交点CX6との間の距離d61と、原点と格子点fpとの間の距離d62とを比較して、距離d61が距離d62以上であれば、図12上段に示すように、格子点fpはメタリックインク低減領域AR2に含まれると判定する。これに対し、図12下段に示すように、距離d61が距離d62よりも小さい場合、格子点fpはメタリックインク低減領域AR2に含まれないと判定する。
以上の構成を有する第2実施例のプリンターは、第1実施例のプリンター20と同様な効果を有する。加えて、メタリックインク低減領域AR2は、各低減領域参考点RP1〜PR7を含むので、各カラーラインCL1〜CL7において、各交点CP1〜CP7を、メタリックインク量Svがデューティー30%と0%との境界に位置させることができる。したがって、少なくとも各カラーラインにおいて、明度逆転現象の発生をより高い確率で抑制することができる。
C.第3実施例:
図13は、第3実施例におけるメタリックインク低減領域を設定する方法を模式的に示す説明図である。図13では、図示の便宜上、L*a*b*色空間におけるL*軸のみを表わしている。第3実施例のプリンターは、メタリックインク低減領域の設定方法において、第1実施例のプリンター20と異なり、他の構成は、第1実施例と同じである。なお、図13において、低減領域参考点RP1〜RP7は、図7に示す第1実施例の低減領域参考点RP1〜RP7と同じである。
第3実施例では、メタリックインク低減領域を以下のようにして設定する。まず、低減領域参考点RP1を除く他の6つの低減領域参考点RP2〜RP6の座標を用いて、各低減領域参考点RP2〜PR6に近接する環状の周期スプライン曲線SCを求める。この周期スプライン曲線SCは、周知のスプライン関数を用いて算出することができる。次に、周期スプライン曲線SC上の任意の点を通り、かつ、低減領域参考点RP1を頂点として通る2次曲線の集合である形状ESを決定し、この形状ESの内部とカラーガマットGaとの重複部分をメタリックインク低減領域として設定する。なお、図13では、カラーガマットGa及びメタリックインク低減領域は省略している。
メタリックインク低減領域の設定方法としては、上述した方法に代えて、例えば、低減領域参考点RP1を頂点として通り、かつ、他の任意の2つの低減領域参考点を通る2次曲線の集合の形状を決定し、かかる形状の内部とカラーガマットGaとの重複部分として設定することもできる。換言すると、低減領域参考点RP1と他の任意の低減領域参考点(第1低減領域参考点)とを通る2次曲線と、低減領域参考点RP1と第1低減領域参考点及び低減領域参考点RP1とは異なる他の任意の低減領域参考点(第2低減領域参考点)とを通る2次曲線と、により特定される形状の内部とカラーガマットGaとの重複部分を、メタリックインク低減領域として設定することができる。なお、第3実施例において、既存LUTの格子点がメタリックインク低減領域に含まれるか否かを判定する方法は、第2実施例と同様であるので、説明を省略する。
以上の構成を有する第3実施例のプリンターは、第1実施例のプリンター20と同様な効果を有する。
D.変形例:
なお、上記各実施例における構成要素の中の、独立クレームでクレームされた要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
D1.変形例1:
各実施例では、本発明のプリンターへの適用を例示していたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明をプリンターに接続するコンピューターに適用することもできる。図14は、変形例1における本発明のコンピューターへの適用例を示す説明図である。
図14において、コンピューター100は、プリンター20aに接続されている。なお、プリンター20aは、第1実施例のプリンター20と同様に、カラーインクとメタリックインクとを用いて印刷可能に構成されている。
コンピューター100は、所定のオペレーティングシステムがインストールされており、このオペレーティングシステムの下で、アプリケーションプログラム120が動作している。オペレーティングシステムには、プリンタードライバー110が組み込まれている。アプリケーションプログラム120は、例えば、図示しない周辺機器インタフェースを通じて、デジタルカメラ200から画像データORGを入力する。すると、アプリケーションプログラム120は、プリンタードライバー110を介して、画像データORGをプリンター20aに出力する。なお、画像データORGは、各実施例における画像データORGと同様に、RGB形式の画像データである。
プリンタードライバー110は、LUT作成モジュール111と、色変換モジュール112と、ハーフトーン処理モジュール113と、インターレース処理モジュール114と、LUT115とを備えている。
LUT作成モジュール111は、図1に示す第1実施例のLUT作成部42と同様な機能を有する。また、色変換モジュール112は図1に示す色変換部43と、ハーフトーン処理モジュール113は図1に示すハーフトーン処理部44と、インターレース処理モジュール114は図1に示すインターレース処理部45と、それぞれ同様な機能を有する。
このような構成を有するコンピューター100(プリンタードライバー110)において、上述したLUT作成処理が実行される。したがって、LUT115は、図1に示す第1実施例のLUT62と同じ設定内容となる。それゆえ、かかるLUT115を用いて色変換された後の画像データに基づきプリンター20aにおいて印刷が実行されると、画像における暗部領域において階調再現性を向上させることができるなど、第1実施例のプリンター20と同様な効果を奏することができる。なお、上述した変形例1におけるコンピューター100(プリンタードライバー110)は、請求項における印刷装置制御装置に相当する。以上説明したプリンター及びコンピューター(プリンタードライバー)に限らず、色変換方法、色変換プログラム、記録媒体、色変換用LUT、色変換用LUTの作成方法、印刷物などに本発明を適用することもできる。
D2.変形例2:
各実施例では、メタリックインク低減領域に含まれる格子点については、メタリックインク量Svとして、一定値(インクデューティー=0%)が設定されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。
図15は、変形例2におけるメタリックインク低減領域に含まれる格子点に対してメタリックインク量を設定する方法を模式的に示す説明図である。図15において、上段は各格子点のL*とメタリックインク量Sv(デューティー)との関係を示し、下段は1つの格子点fpを例としてメタリックインク量Svを決定する方法を模式的に示す。なお、図15上段では、第1実施例における各格子点のL*とメタリックインク量Sv(デューティー)との関係を破線で示している。
変形例2では、図15上段に示すように、メタリックインク低減領域に含まれる格子点については、第1実施例とは異なり、メタリックインク量Svとして一定値が設定されていない。具体的には、メタリックインク低減領域に含まれる格子点に対して、30%を上限としてL*とメタリックインク量Svとが線形比例するように、メタリックインク量Svが設定されている。
例えば、図15下段に示すように、或る格子点fpとL*a*b*色空間の原点とを結ぶ直線Lp8と、メタリックインク低減領域AR1との交点が、交点CX8であった場合には、原点と交点CX8との明度差は、図15における原点(明度0)と、メタリックインク量Svが増加する領域とメタリックインク量Svがデューティー=30%で一定である領域との境界のL*であるF0との明度差(すなわち、F0)に相当する。したがって、例えば、図15下段に示すように、原点と格子点fpとの距離b1が原点と交点CX8との距離a1の半分であった場合には、図15上段に示すように、L*がF0/2におけるデューティーである「15%」が、格子点fpのメタリックインク量Svとして設定される。
このような構成においても、各実施例と同様な効果を奏することができる。なお、図15上段に示すように、L*の値が0からF0までの範囲において、L*とメタリックインク量Sv(インクデューティー)とが線形比例の関係にある構成に代えて、L*の増加に伴いメタリックインク量Svが指数関数的に増加する関係など、L*とメタリックインク量Svとが任意の関係を有する構成を採用することができる。なお、メタリックインク低減領域AR1に含まれない格子点についても、一定値として30%に限らず、任意の値を設定することもできる。例えば、かかる格子点に対して、一定値35%を設定する構成や、L*が増加するに従って、メタリックインク量Svをより多く設定する構成も採用することができる。
D3.変形例3:
各実施例では、色変換に用いるLUT62は、RGBをCMYKSに変換する3次元LUTであったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、CMYKを、CMYKSに変換する4次元LUTなど任意の多次元LUTを採用することもできる。上述したように、各実施例では、L*a*b*色空間、すなわち3次元の色空間においてメタリックインク低減領域を決定し、かかるメタリックインク低減領域を既存LUTに反映するようにしている。したがって、作成すべきLUTが任意の多次元LUTであっても、比較的領域を定義し易い3次元空間であるL*a*b*空間においてメタリックインク低減領域を決定しているので、LUT内におけるメタリックインクを低減する格子点を容易に設定することができる。
D4.変形例4:
各実施例では、メタリックインク低減領域をL*a*b*色空間において設定していたが、L*a*b*色空間に代えて、L*C*h色空間やXYZ色空間など、デバイス非依存の任意の色空間において設定することもできる。また、カラーインクにより表現される色の明度(L*)が所定値以下の場合に、メタリックインクSの使用量を低減する構成について示したが、メタリックインクSの使用量を低減するか否かの指標としては、明度に限るものではなく、カラーインクにより表現される色の明るさに関連する種々の値を指標として用いることができる。例えば、輝度、インクデューティーなどを指標として採用することができる。
D5.変形例5:
第1実施例において、楕円体形状ELを決定する際に、楕円体形状ELの中心点C0のL*の値を負の値とする条件を付加することもできる。中心点C0のL*の値が正の場合、楕円体形状ELのL*方向の半径が小さいと、カラーガマットGaの下端付近において、楕円体形状ELが存在せずにカラーガマットGaと楕円体形状ELの内部とが重複しない領域が発生し得る。この場合、L*の値が小さいにも関わらずメタリックインク低減領域AR1に該当しないために、メタリックインク量Svとしてデューティー=30%が設定される画素が存在し、明度逆転現象が発生するおそれがある。そこで、円体形状ELの中心点C0のL*の値を負の値とする条件を付加することで、明度逆転現象の発生を抑制できる。
D6.変形例6:
各実施例においては、カラーパッチを測色することによって、メタリックインク低減領域を決定するために用いる交点CP1〜CP7を決定したが、かかる測色は必須ではなく、省略してもよい。ただし、実施例のように、測色を行ってメタリックインクSの削減ポイントを決定すれば、確実に明度逆転現象を抑制できるので、より望ましいことは勿論である。
D7.変形例7:
各実施例においてプリンター20は、インクジェットプリンターであったが、これに代えて、光沢トナーとカラートナーとを印刷媒体上に付着させて印刷を行うレーザプリンターを採用することができる。また、メタリックインクに代えて、真珠光沢に類似した光沢感を発現する顔料を含有したインク等、発色以外の質感を発現させる種々の光沢インクを採用することもできる。
D8.変形例8:
各実施例のLUT作成処理のステップS235では、メタリックインク低減領域に属する格子点にメタリックインク量Svを付加していたが、これに加えて、メタリックインク低減領域に属さない格子点について、カラーインク量(デューティー)を変更することもできる。上述したように、LUT62を作成する際に基礎とした既存のLUTは、メタリックインクSが重畳される分だけ、カラーインクのインクデューティー制限値を低減させて作成されたLUTである。したがって、メタリックインク低減領域に属さない格子点については、色変換の際に通常のLUTを用いて色変換した場合に比べてカラーインク量が減った色に変換される。そこで、メタリックインク低減領域に属さない格子点については、カラーインク量(デューティー)を増加させることが好ましい。なお、これとは逆に、LUT62を作成する際の基礎とするLUTとして、カラーインクのインクデューティー制限値を低減しない通常のLUTを用い、メタリックインク低減領域に属する格子点について、カラーインクのインクデューティー制限値を低減すると共にメタリックインク量Svを付加する構成を採用することもできる。
D9.変形例9:
各実施例において、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。また、これとは逆に、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよい。
20,20a…プリンター
30…制御ユニット
40…CPU
41…入力部
42…LUT作成部
43…色変換部
44…ハーフトーン処理部
45…インターレース処理部
46…印刷制御部
51…ROM
52…RAM
60…EEPROM
62…LUT
70…キャリッジモーター
71…駆動ベルト
72…プーリー
73…摺動軸
74…モーター
75…プラテン
80…キャリッジ
81…印刷ヘッド
82〜86…インクカートリッジ
91…メモリカードスロット
100…コンピューター
110…プリンタードライバー
111…LUT作成モジュール
112…色変換モジュール
113…ハーフトーン処理モジュール
114…インターレース処理モジュール
120…アプリケーションプログラム
200…デジタルカメラ
MC…メモリカード
P…印刷媒体
K,W,C,M,Y,R,G,B…頂点
AR10,AR11…領域
Ma…境界
C0…中心点
S1〜S6…平面
SC…周期スプライン曲線
EL…楕円体形状
Ga…カラーガマット
Sc…断面
fp…格子点
CL1〜CL7…カラーライン
CP1〜CP7,CX1,CX3,CX5,CX6,CX8…交点
RP1〜RP7…低減領域参考点
AR1,AR2…メタリックインク低減領域
LS1,LS3,Lp5,Lp6,Lp8…直線
ORG…画像データ

Claims (13)

  1. 光沢材と着色材とを用いて印刷を行う印刷装置であって、
    デバイス非依存の色空間における前記印刷装置のカラーガマットの暗部側に、前記光沢材の量を低減させる領域である低減領域を設定する低減領域設定部と、
    前記印刷装置に入力される画像の色を、前記光沢材及び前記着色材により表現される印刷色に変換する色変換部であって、前記画像を構成する画素のうち、前記低減領域に含まれる画素は、前記低減領域に含まれない画素に比べて、前記光沢材の量を少なくして、前記画像の色を前記印刷色に変換する、色変換部と、
    を備える、印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置において、
    前記色変換部は、前記画像を構成する画素のうち、前記低減領域に含まれる画素については、前記光沢材の量が0である前記印刷色に変換する、印刷装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の印刷装置において、
    前記低減領域設定部は、
    前記着色材のみを用いて印刷を行った場合の印刷領域の色階調と、色の明るさに関連する指標値との関係を示す関係線と、前記着色材及び前記光沢材を用いて印刷を行った場合の印刷領域の色階調と前記指標値との関係を示す関係線とが交わる、複数の色相ごとに得られた複数の交点を取得する取得部と、
    前記色空間において前記複数の交点に対応する点である複数の低減領域参考点に基づき、前記色空間における所定の立体形状を決定する立体形状決定部と、
    前記カラーガマットと前記立体形状の内部との重複領域を求め、前記重複領域を前記削除領域として決定する領域決定部と、
    を有する、印刷装置。
  4. 請求項3に記載の印刷装置において、
    前記所定の立体形状は、楕円体形状であって、前記楕円体形状の表面が、前記複数の低減領域参考点に近接するように前記色空間において配置された楕円体形状である、印刷装置。
  5. 請求項4に記載の印刷装置において、
    前記色空間は、L*a*b*色空間であり、
    前記楕円体形状の中心位置のL*の値は負である、印刷装置。
  6. 請求項3に記載の印刷装置において、
    前記所定の立体形状は、前記複数の低減領域参考点のうち、グレー軸において得られた前記交点に対応する低減領域参考点である特定参考点を頂点として、前記色空間において、前記特定参考点を除く他の前記低減領域参考点のうち、隣り合う任意の2つの低減領域参考点と前記特定参考点とで特定される複数の平面により形成される傘状の形状である、印刷装置。
  7. 請求項3に記載の印刷装置において、
    前記所定の立体形状は、前記複数の低減領域参考点のうち、グレー軸において得られた前記交点に対応する低減領域参考点である特定参考点を除く他の低減領域参考点を用いて得られた環状の周期スプライン曲線と、前記特定参考点を頂点として通り、かつ、他の任意の2つの低減領域参考点を通る前記2次曲線と、により特定される碗状の形状である、印刷装置。
  8. 請求項3ないし請求項7のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記指標値は、照射角を45度及び受光角を0度として測定される明度である、印刷装置。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の印刷装置において、さらに、
    前記印刷色に変換された画像を印刷して印刷画像を得る印刷部を備え、
    前記色空間は、少なくとも色の明るさに関する座標軸を有し、
    前記印刷部が、前記色空間において前記座標軸を含む任意の面に含まれる各座標によって表わされる色を、各座標の配置関係を維持したまま表現した画像を印刷した場合に、前記印刷画像において、前記光沢材のドット記録率が所定値以下となる領域と、前記ドット記録率が前記所定値よりも大きい領域との境界が連続して配置されている、印刷装置。
  10. 光沢材と着色材とを用いて印刷を行う印刷装置を制御する印刷制御装置であって、
    デバイス非依存の色空間における前記印刷装置のカラーガマットの暗部側に前記光沢材の量を低減させる領域である低減領域を設定する低減領域設定部と、
    前記印刷制御装置に入力される画像の色を、前記光沢材及び前記着色材により表現される印刷色に変換する色変換部であって、前記画像を構成する画素のうち、前記低減領域に含まれる画素は、前記低減領域に含まれない画素に比べて、前記光沢材の量を少なくして、前記画像の色を前記印刷色に変換する、色変換部と、
    を備える、印刷制御装置。
  11. 画像の色を、印刷装置において用いられる光沢材及び前記着色材により表現される印刷色に変換する色変換方法であって、
    (a)デバイス非依存の色空間における前記印刷装置のカラーガマットの暗部側に前記光沢材の量を低減させる領域である低減領域を設定する工程と、
    (b)前記画像を構成する画素のうち、前記低減領域に含まれる画素は、前記低減領域に含まれない画素に比べて、前記光沢材の量を少なくして、前記画像の色を前記印刷色に変換する工程と、
    を備える、色変換方法。
  12. 画像の色を、印刷装置において用いられる光沢材及び前記着色材により表現される印刷色に変換するためのプログラムであって、
    デバイス非依存の色空間における前記印刷装置のカラーガマットの暗部側に前記光沢材の量を低減させる領域である低減領域を設定する機能と、
    前記画像を構成する画素のうち、前記低減領域に含まれる画素は、前記低減領域に含まれない画素に比べて、前記光沢材の量を少なくして、前記画像の色を前記印刷色に変換する機能と、
    をコンピューターに実現させるためのプログラム。
  13. 請求項12に記載のプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体。
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