JP2012191036A - 基材表面の改質装置、および印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材表面の改質装置100は、基材としての半導体装置3の表面を加熱する赤外線照射ユニット103と、半導体装置3と相対して設けられ、半導体装置3に紫外線Vを照射する紫外線ランプ106と、紫外線Vを透過し、且つ半導体装置3から放射される熱エネルギーおよび赤外線照射ユニット103から照射される加熱エネルギーを遮断するように、半導体装置3および赤外線照射ユニット103と紫外線ランプ106との間に設けられた遮蔽部としての合成石英ガラス板105と、が備えられている。
【選択図】図2
Description
これに対し、例えば特許文献1に開示されているようなインクジェット法を用いた印字方法が開示されている。この方法では、半導体素子表面に吐出されたインク液滴の密着強度を得るため、半導体素子表面の改質処理(前処理)が必要となる。
そして、この改質処理に対応するための改質処理方法および装置としては、処理ガスを導入しながら半導体素子表面を加熱源によって加熱し、活性光線としての紫外線(以下、「UV」ともいう。)照射を行う改質方法を用いた装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
このように、紫外線ランプは、赤外線および加熱された半導体素子から放射される熱エネルギーにより加熱されることになる。これにより、紫外線ランプのUV発光効率が低下してしまい、特許文献2に示す半導体素子表面の改質方法を用いた装置では、半導体表面の改質にばらつきが生じてしまうなど所望の改質ができ難くなってしまうという課題を有していた。
また、基材に対する活性光線の照射と加熱のための加熱エネルギーの照射を同時に行うことができるため基板表面の改質を短時間で行うことが可能となる。
また、基材および加熱源が区分されているため、気流などの制御が行い易く、気流による基材表面の改質への影響が基材周辺に及び難くなる。
なお、以下の実施の実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではない。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている。
基材表面の改質装置の説明に先立って、この基材表面の改質装置によって表面が改質される対象の一例である基材としての半導体基板について図1を用いて説明する。図1は、基材としての半導体基板を示す模式的に示す平面図である。
次に、第1実施形態として、図2および図3を参照して基材表面の改質装置について説明する。図2は、第1実施形態にかかる基材表面の改質装置の概略を示す図であり、(a)は筐体を断面とした正断面図、(b)は右側面断面図である。図3は、遮蔽部に用いられる石英ガラスの光透過特性の一例を示すグラフである。
さらに、基材表面の改質装置100には、一方の端部が基台120の上面に接続された複数の支持部104と、支持部104の他方端に接続された遮蔽部としての合成石英ガラス板105と、合成石英ガラス板105と載置面102に固定された半導体基板1との間に設けられた加熱源としての赤外線照射ユニット103と、が設けられている。
さらに、基材表面の改質装置100には、合成石英ガラス板105を挟み半導体基板1と対向するように設けられた、光線照射部としての紫外線ランプ(UVランプ)106が設けられている。そして、前述したそれぞれの構成部位が、基台120に接続された筐体123によって覆われ、基材表面の改質装置100は構成される。
赤外線照射ユニット103は、赤外線Lを照射する赤外線ランプ121と、赤外線ランプ121と電気的に接続されて保持する赤外線ランプソケット122と、赤外線ランプ121から照射される赤外線Lが不要な方向への照射を遮断すると共に照射光を集光して所定の方向に反射する反射カバー108が設けられている。
本実施形態の赤外線照射ユニット103は、後に詳述する紫外線ランプ106の対向する領域から外れた位置にあって、斜め上方から半導体装置3の表面に赤外線Lを照射できるように2個設けられている。
赤外線照射ユニット103に用いられる赤外線ランプ121は、赤外線ハロゲンランプ、セラミックヒーター、遠赤外線ヒーターなどを用いることができる。しかしながら、後述する石英ガラスの赤外線の透過波長帯域(図3参照)から、赤外線の透過率が低くなる遠赤外線(4000nmを超える帯域)を照射することが可能な遠赤外線ヒーターを用いることが好ましい。
紫外線ランプ106から照射された活性光線としての紫外線(UV)Vは、合成石英ガラス板105を透過し、半導体基板1に形成された半導体装置3(図1参照)の表面に照射される。紫外線ランプ(UVランプ)106としては、低圧水銀UVランプ、高圧水銀UVランプ、メタルハライドUVランプなどが用いられるが、本実施形態では低圧水銀UVランプを用いている。ここで照射される紫外線Vは、半導体装置3(図1参照)の表面状態の改質に用いられるため、254nm程度(185nmとの併用もある)の波長を有するものが用いられている。
図3に示すように、それぞれの石英ガラスは、前述した紫外線の波長帯域(185nmから254nm)も含め紫外線の波長帯域では80%以上の透過率を有している。また、それぞれの石英ガラスは、4000nmを超える遠赤外線の波長帯域では、その光線の透過率が50%以下になり、グラフには示していないが5000nmを超えると透過率が数%となって殆んど透過しなくなる。
これにより、紫外線ランプ106には、半導体装置3から放射される熱エネルギー(輻射熱)、熱せられた気体(空気)の対流、或いは赤外線ランプ121から照射される赤外線Lなどによる加熱エネルギーが殆んど到達することなく、且つ紫外線ランプ106から半導体装置3の表面に紫外線Vを照射することができる。
このように、第1実施形態にかかる基材表面の改質装置によれば、半導体装置3の表面を加熱しながら紫外線照射を行っても紫外線ランプ106の温度上昇によって生ずる紫外線の発光効率の低下を防止することが可能となる。これにより、紫外線Vの発光効率の低下によって生じる基材表面の改質のばらつきを防ぐことができ、安定した基材表面の改質を行うことができる。
ここで遮蔽部の変形例を、図4、および図5を用いて説明する。
先ず、図4を用いて変形例1、および変形例2について説明する。図4は、遮蔽部の変形例を示し、(a)は変形例1を示す正断面図、(b)は変形例2を示す側面断面図である。
変形例1の遮蔽部は、図4(a)に示すように、紫外線ランプ106の外周を囲むように断面形状がトラック形状の合成石英ガラス管305で構成されている。
変形例2の遮蔽部は、図4(b)に示すように、紫外線ランプ106の外周を囲むように断面形状が直方体形状に形成された断面が方形の合成石英ガラス管305で構成されている。
このような変形例1、変形例2に示すような遮蔽部であっても、前述の実施形態と同様に紫外線を透過しながら赤外線などの熱線を遮断することができ第1実施形態と同様な効果を生じさせることが可能である。
次に、図5を用いて変形例3の遮蔽部について説明する。図5は、遮蔽部の変形例3を説明するための基材表面の改質装置の概略を示す投影図であり、(a)は正断面図、(b)は右側面断面図である。なお、図5で示す基材表面の改質装置200は、図2を用いて説明した第1実施形態の基材表面の改質装置100と遮蔽部の構成が異なることであるため、第1実施形態と同様な構成については同一符号を付けて、その説明を省略することもある。
さらに、基材表面の改質装置200には、筐体223に接続された遮蔽部としての合成石英ガラス板205と、合成石英ガラス板205と載置面102に固定された半導体基板1との間に設けられた加熱源としての赤外線照射ユニット103と、が設けられている。
さらに、基材表面の改質装置200には、合成石英ガラス板205を挟み半導体基板1と対向するように設けられた、光線照射部としての紫外線ランプ(UVランプ)106が設けられている。そして、筐体223が、前述したそれぞれの構成部位を囲むように、基台120に接続されて設けられている。
変形例3の遮蔽部としての合成石英ガラス板205は、紫外線ランプ106と半導体装置3および赤外線照射ユニット103とを遮蔽するように、その外周を筐体223に接続されて保持されている。換言すれば、合成石英ガラス板205と筐体223とによって形成され、紫外線ランプ106の設けられた区画210と、合成石英ガラス板205と筐体223とによって形成され、赤外線照射ユニット103と半導体装置3が設けられた区画211と、が区分された個別の区画となっている。このように、合成石英ガラス板205が隔壁となって、2つの区分された空間を形成している。
つまり、紫外線ランプ106の設けられた区画210が、他の区画211と区分されていることにより、独立した空間となっているため、半導体装置の改質を促進するための気流などを用いても、その気流が隔壁によって遮断され紫外線ランプ106に達することが無い。また、逆に紫外線ランプ106の冷却などの気流が紫外線ランプ106の設けられた区画210に存在しても、合成石英ガラス板205と筐体223とによって形成され、赤外線照射ユニット103と半導体装置3が設けられた区画211にその気流が達することが無く、その気流が半導体装置3の改質に影響を与えることが無い。
即ち、半導体装置3に紫外線Vを照射し表面改質を行う際の、気流によるラジカル酵素の濃度の変化を防止することが可能となり、このラジカル酵素の濃度の変化によって生じる基材表面の改質のばらつきを防ぐことが可能となる。
また、紫外線ランプ106の冷却も可能となり、安定した紫外線照射とランプの長寿命化も実現することが可能となる。
このように、半導体装置3の表面を加熱しながら紫外線照射を行っても紫外線ランプ106の温度上昇によって生ずる紫外線の発光効率の低下を防止することが可能となる。これにより、紫外線Vの発光効率の低下によって生じる基材表面の改質のばらつきを防ぐことができ、安定した基材表面の改質を行うことができる。さらに、紫外線ランプ106と半導体装置3との距離を接近させることも可能となり、効率よい表面改質ができると共に基材表面の改質装置100,200の小型化も可能となる。
次に、第1実施形態で説明した基材表面の改質装置を用いた印刷装置の一例を、第2実施形態として図6〜図9を用いて説明する。
図6は、第2実施形態にかかる印刷装置の概要を示す模式平面図である。図6に示すように、印刷装置7は主に供給部8、基材表面の改質装置としての前処理部9、塗布部(印刷部)10、冷却部11、収納部12、搬送部13及び制御部14から構成されている。
印刷装置7は、搬送部13を中心にして時計回りに供給部8、前処理部9、塗布部10、冷却部11、収納部12、制御部14の順に配置されている。そして、制御部14の隣には供給部8が配置されている。供給部8、制御部14、収納部12が並ぶ方向をX方向とする。X方向と直交する方向をY方向とし、Y方向には塗布部10、搬送部13、制御部14が並んで配置されている。そして、鉛直方向をZ方向とする。
(供給部)
図7は供給部を示す模式正面図である。
図7に示すように、供給部8は基台15を備えている。基台15の内部には昇降装置16が設置されている。昇降装置16はZ方向に動作する直動機構を備えている。この直動機構はボールネジと回転モーターとの組合せや油圧シリンダーとオイルポンプの組合せ等の機構を用いることができる。本実施形態では、例えば、ボールネジとステップモーターとによる機構を採用している。基台15の上側には昇降板17が昇降装置16と接続して設置されている。そして、昇降板17は昇降装置16により所定の移動量だけ昇降可能になっている。
図8は基材表面の改質装置としての前処理部の構成を示す概略斜視図である。図3に示すように、前処理部9は基台24を備え、基台24上にはX方向に延在するそれぞれ一対の第1案内レール25及び第2案内レール26が並んで設置されている。第1案内レール25上には第1案内レール25に沿ってX方向に往復移動する載置台としての第1ステージ27が設置され、第2案内レール26上には第2案内レール26に沿ってX方向に往復移動する載置台としての第2ステージ28が設置されている。第1ステージ27及び第2ステージ28は直動機構を備え、往復移動することができる。
冷却部11は、各処理場所11a、11bにそれぞれ設けられ、上面が半導体装置1の吸着保持面とされたヒートシンク等の冷却板110a、110bを有している。
処理場所11a、11b(冷却板110a、110b)は、把持部13aの動作範囲内に位置しており、処理場所11a、11bにおいて冷却板110a、110bは露出する。従って、搬送部13は容易に半導体基板1を冷却板110a、110bに載置することができる。半導体基板1に冷却処理が行われた後、半導体基板1は、処理場所11aに位置する冷却板110a上または処理場所11bに位置する冷却板110a上にて待機する。従って、搬送部13の把持部13aは容易に半導体基板1を把持して移動させることができる。
次に、半導体基板1に液滴を吐出してマークを形成する塗布部10について図9に用いて説明する。液滴を吐出する装置に関しては様々な種類の装置があるが、インクジェット法を用いた装置が好ましい。インクジェット法は微小な液滴の吐出が可能であるため、微細加工に適している。
収納部12は、供給部8と同様な構造となっている。したがって図面を用いず簡単に説明する。収納部12は、基台を備えている。基台の内部には昇降装置が設置されている。昇降装置は供給部8に設置された昇降装置16と同様の装置を用いることができる。基台の上側には昇降板が昇降装置と接続して設置されている。そして、昇降板は昇降装置により昇降させられる。昇降板の上には直方体状の収納容器18が設置され、収納容器18の中には半導体基板1が収納されている。収納容器18は供給部8に設置された収納容器18と同じ容器が用いられている。
次に、半導体基板1を搬送する搬送部13について説明する。搬送部13は、支持台(図示せず)の内部にモーター、角度検出器、減速機等から構成される回転機構を有している。そして、モーターの出力軸は減速機と接続され、減速機の出力軸は支持台の上側に配置された腕部などと接続されている。また、モーターの出力軸と連結して角度検出器が設置され、角度検出器がモーターの出力軸の回転角度を検出する。これにより、回転機構は腕部の回転角度を検出して、所望の角度まで回転させることができる。また、搬送部13は、昇降装置も有しており上下運動も合わせて行うことができる。
把持部13aには、半導体基板1を吸引して吸着させる吸着機構が形成されており、把持部13aはこの吸着機構を作動させて、半導体基板1を把持することができる。
この合成石英ガラス板105によって、処理部32と加熱装置としての赤外線照射ユニット103(赤外線ランプ1121)とが遮蔽されることにより処理部32が加熱されること無く赤外線照射ユニット103による半導体基板1の表面を加熱することが可能となる。これらにより、前処理部9は、半導体基板1の表面を加熱しながら紫外線照射を行っても処理部32としての低圧水銀ランプの温度上昇によって生ずる紫外線の発光効率の低下を防止することが可能となる。これにより、紫外線の発光効率の低下によって生じる基材表面(半導体基板1)の改質のばらつきを防ぐことができ、安定した基材表面の改質を行うことができる。
したがって、半導体基板1に液滴が吐出されて形成された所望のパターンの描画(印刷)の半導体基板1表面に対する密着強度を安定的に向上させることが可能な印刷装置を提供することができる。
Claims (6)
- 基材表面を加熱する加熱エネルギーを照射する加熱源と、
前記基材と相対して設けられ、前記基材に活性光線を照射する光線照射部と、
前記基材および前記加熱源と前記光線照射部との間に設けられ、前記活性光線を透過し且つ前記基材から放射される熱エネルギーおよび前記加熱源から照射される加熱エネルギーを遮断する遮蔽部と、が備えられていることを特徴とする基材表面の改質装置。 - 請求項1に記載の基材表面の改質装置において、
前記遮蔽部は、前記光線照射部の外周を覆うように設けられていることを特徴とする基材表面の改質装置。 - 請求項1または請求項2に記載の基材表面の改質装置において、
前記遮蔽部は、合成石英ガラスで形成されていることを特徴とする基材表面の改質装置。 - 請求項1または請求項2に記載の基材表面の改質装置において、
前記加熱源は、赤外線を照射する熱線源であることを特徴とする基材表面の改質装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の基材表面の改質装置において、
前記基材および前記加熱源と、前記光線照射部とが、前記遮蔽部を含む隔壁によって区分されていることを特徴とする基材表面の改質装置。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の基材表面の改質装置と、
前記基材表面の改質装置によって改質された基材表面に液滴を吐出して所望のパターンを描画する印刷部と、を備えていることを特徴とする印刷装置。
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