JP2004188924A - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光硬化性のインクの硬化不良による印刷不良を防止し信頼性を向上する。これにより比較的低出力の光源により硬化する硬化感度の高いカチオン重合系インクの実用化を図り、小型化、製造コストの低減を図る。信頼性向上のために作業効率の低下や記録時間の長期化がなるべく生じないようにする。
【解決手段】インクジェットヘッド1から吐出され記録媒体に付着したインクを硬化させる光を発する光源2と、光源2の光量を測定する光量測定センサ3と、光量測定センサ3による測定結果に応じて光源2の光量を制御する光源制御手段4とを構成する。測定対象の光源を点灯し非測定対象の光源を消灯しながらヘッド1のメンテナンス動作時間中に光量測定を行う。光源走査手段や光量測定センサ3の走査手段を設けて少ない光量測定センサ3により多数の光源の光量測定を可能とする。光量不足の場合にはユーザに通知する表示手段5を設けたり記録動作を禁止する。
【選択図】 図1
【解決手段】インクジェットヘッド1から吐出され記録媒体に付着したインクを硬化させる光を発する光源2と、光源2の光量を測定する光量測定センサ3と、光量測定センサ3による測定結果に応じて光源2の光量を制御する光源制御手段4とを構成する。測定対象の光源を点灯し非測定対象の光源を消灯しながらヘッド1のメンテナンス動作時間中に光量測定を行う。光源走査手段や光量測定センサ3の走査手段を設けて少ない光量測定センサ3により多数の光源の光量測定を可能とする。光量不足の場合にはユーザに通知する表示手段5を設けたり記録動作を禁止する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光硬化性のインクを使用したインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、インクジェット記録装置は印刷時の騒音が比較的小さく、印字の品質が良好であるため、現在、数多く使用されている。
インクジェット記録装置は、例えばピエゾ素子やヒータ素子等を用いて、記録ヘッドのノズルからインクを微小な液滴として紙等の記録媒体に向けて吐出し、該記録媒体にインクを浸透若しくは定着させながら、記録ヘッドと記録媒体の相対的な位置を移動させることにより、該記録媒体に画像を形成する。
インクジェット記録装置には、例えば、記録媒体上で記録ヘッドを往復移動させ、記録ヘッドの走査方向と直交する方向に記録媒体を搬送させることにより画像を形成するシリアルヘッド方式のものや、記録媒体の記録幅にわたるノズル列を有して固定された記録ヘッドを持ち、記録媒体を前記記録幅の方向と垂直方向に搬送させることにより画像を形成するラインヘッド方式のものがある。
【0003】
インクジェット記録装置においては、インクを紙などの記録媒体に吐出(射出)する吐出口が記録ヘッドの一面(ノズル面)に備えられているが、吐出口にはインクの固着による目詰まりや吐出口に連通するインク供給路内に発生した気泡やごみ等による目詰まり等の不具合が発生する場合があるため、所定のタイミングで記録ヘッドのメンテナンス作業が行われる。
メンテナンス作業としては、記録ヘッドのノズル面をキャップ部材で密閉するように覆い、このキャップ部材を介して吸引ポンプで吸引することにより、吐出口内に残留している気泡やノズル面に付着したごみ等をインクとともに吸引除去する作業や、ノズル面に残留したインクを弾性を有するブレードを用いて拭き取る作業や、インクを予備吐出する作業等がある。
【0004】
ところで現在、商品や商品の包装材への印刷等の分野では、少量生産のニーズが高まっており、グラビア印刷方式やフレキソ印刷方式など製版を必要とする方式に比べて少量を低コストに生産できるインクジェット方式の利用が展開している。
良く知られるように商品や商品の包装材には樹脂や金属などのインク吸収性のない素材が用いられることが少なくない。
このようなインク吸収性のない素材を記録媒体とするとき、記録媒体へのインクの定着を可能とするため、高粘度の光硬化性のインクを記録媒体上に吐出して付着させた後、紫外線等の光を照射することでインクを硬化定着させる光硬化方式のインクジェット記録装置が開発されている。
【0005】
従来、このような光硬化方式のインクジェット記録装置として、ラジカル重合系のインクを用い、多量の紫外線を一括に照射する構成とした紫外線硬化型のインクジェット記録装置が実用されている。また光源としては、レーザ光線等の指向性のある光を照射する光源を用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。具体的に、指向性のある光を照射する光源としては、半導体レーザや発光ダイオード等が知られている。
半導体レーザや発光ダイオードを用いることによって、照射の際の発熱量が小さくなり、消費電力が低減される。また、蛍光管や高圧水銀灯と比較して、光源ユニットが小型化される。また、半導体レーザや発光ダイオードは、安定性が良いとともに光の強度の調整が容易である。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−310454号公報(第4頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、以上の従来技術においては次のような問題があった。
【0008】
ラジカル重合系のインクを用いると、比較的多量の紫外線照射が必要となる。そのため、高出力の光源装置を搭載することとなって装置の長大化、装置の製造コストの増大を招くという問題がある。
かかる問題を解決するため、現在実用化されていないカチオン重合系のインクの採用することが考えられる。しかし、カチオン重合系のインクは湿度依存性等の不安定な物性があるとともに、反射光等の弱い光により硬化反応する物性があるため取り扱いが難しく、実用化を困難にさせている。
例えば、光源の長期使用による劣化によってインクへの照度が低下したり、装置の小型化等の要請により光源を記録ヘッドに近づければ近づけるほど、インクミストによる照度の低下の影響が生じる。このような状況下で、上記物性のカチオン重合系のインクを用いれば、硬化不良を起こしやすく実用性の域に達しない。
【0009】
本発明は以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、光硬化性のインクを使用したインクジェット記録装置において、硬化不良による印刷不良を防止することにより装置の信頼性を向上し、これにより比較的低出力の光源により硬化する硬化感度の高いインクの実用化をも可能とすることにより、装置の小型化、装置の製造コストの低減を図ることを課題とする。
また、装置の信頼性向上を図るにあたって作業効率の低下、記録時間の長期化等の悪影響がなるべく生じないように工夫する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するための請求項1記載の発明は、複数の吐出口からインクを吐出するインクジェット方式の記録ヘッドと、
前記記録ヘッドから吐出され記録媒体に付着したインクを硬化させる光を発する複数の光源と、
前記光源の光量を測定する光量測定センサと、
前記光源を制御する光源制御手段とを有し、
前記光源制御手段は、
前記光量測定センサによる光量測定時に、測定対象の光源を点灯し、かつ、非測定対象の光源のうち少なくとも測定対象の光源に隣接する光源を消灯し、
記録媒体に付着したインクへの光照射時に、前記光量測定センサによる測定結果に応じて前記光源の光量を制御し、
前記光量測定センサによる光量測定動作の全部又は一部を前記記録ヘッドのメンテナンス動作時間中に実行することを特徴とするインクジェット記録装置である。
【0011】
請求項2記載の発明は、前記光源制御手段は、前記光量測定センサによる光量測定時に、測定対象の光源を点灯し、かつ、非測定対象の光源のすべてを消灯することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置である。
【0012】
請求項3記載の発明は、前記記録媒体の搬送方向に対し垂直な方向に前記光源を移動させて前記記録媒体上の前記光源の走査を行う光源走査手段を有し、
前記光源が、前記垂直な方向について異なる位置に複数設けられており、
前記光源走査手段が異なる光源を前記光量測定センサの測定領域に順次移動させることにより前記複数の光源の光量を前記光量測定センサが順次測定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のインクジェット記録装置である。
【0013】
請求項4記載の発明は、前記記録媒体の搬送方向に対し垂直な方向に前記記録ヘッドを移動させて前記記録媒体上の前記記録ヘッドの走査を行う記録ヘッド走査手段を有し、
前記光源を前記記録ヘッドとともに前記記録ヘッド走査手段によって移動させることにより前記光源走査手段が構成されたことを特徴とする請求項3載のインクジェット記録装置である。
【0014】
請求項5記載の発明は、前記光源が複数設けられ、
前記光量測定センサを移動させることにより前記複数の光源を前記光量測定センサにより順次測定する走査手段を有することを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一に記載のインクジェット記録装置である。
【0015】
請求項6記載の発明は、前記光源が、前記記録媒体の搬送方向について異なる位置に複数設けられており、
前記光量測定センサを前記記録媒体の搬送方向に移動させることにより前記複数の光源を前記光量測定センサにより順次測定する走査手段を有することを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか一に記載のインクジェット記録装置である。
【0016】
請求項7記載の発明は、前記光源制御手段が制御する光量の目標値を記憶する記憶手段と、
前記光量測定センサによる測定結果が前記目標値未満のとき、その測定結果をユーザに通知する通知手段と有することを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか一に記載のインクジェット記録装置である。
【0017】
請求項8記載の発明は、ユーザの操作に基づいて動作禁止指示を入力する操作入力手段を有し、
前記操作入力手段によって前記動作禁止指示が入力されたとき、前記記録ヘッドによる記録動作を禁止することを特徴とする請求項7記載のインクジェット記録装置である。
【0018】
請求項9記載の発明は、前記光源制御手段が制御する光量の目標値を記憶する記憶手段を有し、
前記光量測定センサによる測定結果が前記目標値未満のとき、前記記録ヘッドによる記録動作を禁止することを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか一に記載のインクジェット記録装置である。
【0019】
請求項10記載の発明は、前記インクを硬化させる光を紫外線とすることを特徴とする請求項1から請求項9のうちいずれか一に記載のインクジェット記録装置である。
【0020】
請求項11記載の発明は、前記インクとしてカチオン重合系のインクを用いることを特徴とする請求項1から請求項10のうちいずれか一に記載のインクジェット記録装置である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施の形態につき図面を参照して説明する。以下は本発明の一実施形態であって本発明を限定するものではない。
【0022】
〔第1の実施形態〕
まず、本発明の第1の実施形態につき図1を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施形態のインクジェット記録装置を示す断面図である。
【0023】
図1(a)及び(b)に示すように本実施形態のインクジェット記録装置は、インクジェットヘッド1と、光源装置2と、光量測定センサ3と、制御手段4と、表示手段5と、プラテン6と、操作入力手段8とを備え、シリアルヘッド方式のインクジェット記録装置を構成する。
【0024】
インクジェットヘッド1は、複数の吐出口からインクを吐出するインクジェット方式の記録ヘッドであり、周知のものを用いる。インクジェットヘッド1は、図示しないキャリッジに搭載されて主走査方向Aに往復移動させられることによりプラテン6上に沿って搬送される紙、フィルム等の記録媒体上を走査する。
ここで、図1において紙面に垂直の方向が記録媒体(図示せず)の搬送方向Hとなる。
記録媒体の搬送方向Hに対し垂直な方向(=主走査方向A)にインクジェットヘッド1を移動させて記録媒体上のインクジェットヘッド1の走査を行う記録ヘッド走査手段が、キャリッジとこれを直線往復移動させる周知の機構を用いて構成される。
【0025】
光源装置2は、インクジェットヘッド1から吐出され記録媒体に付着したインクを硬化させる紫外線を発する光源として半導体レーザや発光ダイオードを複数備えて構成され、周知のものを用いる。光源として蛍光灯を用いても良い。光源装置2は、インクジェットヘッド1と共にキャリッジに搭載されることによりインクジェットヘッド1と共に移動する。インクとしては、紫外線硬化性のカチオン重合系のインクを用いる。記録媒体としてはインク吸収性のない樹脂フィルムを用いる。
このようにして、記録媒体の搬送方向Hに対し垂直な方向(=主走査方向A)に光源装置2を移動させて記録媒体上の光源の走査を行う光源走査手段が構成される。すなわち、本実施形態においては、光源装置2をインクジェットヘッド1とともに記録ヘッド走査手段によって移動させることにより光源走査手段を構成する。このようにすれば、光源装置2を移動させるための別個の機構などを要しない。
【0026】
光量測定センサ3は、光源装置2に備えられた光源の光量を測定する光センサであり、周知のものを用いる。
制御手段4は、例えば、コンピュータとコンピュータ上で実行されるプログラムとで構成され、周知のものを用いる。
表示手段5は、画像表示するならば液晶表示装置等の画像表示装置により構成し、必要に応じて音表示するための発声器を付加して構成する。本実施形態においては画像表示及び音表示の双方を実施可能に構成することとする。
【0027】
プラテン6は、記録媒体の搬送位置を所定位置に保つことにより、記録媒体と記録ヘッドとの対向距離、すなわち、インク飛翔距離を一定にするための部材であり、周知のものを用いる。
【0028】
操作入力手段8は、押下又はタッチ操作により操作可能な周知の操作パネルであり、インクジェット記録装置の制御部にユーザからの動作指示を入力する。
【0029】
次ぎに本実施形態における光源制御動作につき説明する。
まず、インクジェットヘッド1による記録動作前、又は記録動作間において、図1(b)に示すように、光源装置2を記録領域Bに隣接する測定領域Cに移動させ、光源装置2に備えられた光源の光量を光量測定センサ3により測定可能な位置に配置する。
次ぎに、光量測定センサ3により光源装置2に備えられた光源の光量を測定する。この光量測定時に制御手段4は、測定対象の光源を点灯し、かつ、非測定対象の光源のうち少なくとも測定対象の光源に隣接する光源を消灯する。これにより隣接する他の光源の影響を受けることなく測定対象の光源のみの出力を正確に測定することができる。さらに本実施形態において制御手段4は、測定対象の光源を点灯し、かつ、非測定対象の光源のすべてを消灯する。これにより他の光源の影響がさらに少なくなり、測定対象の光源のみの出力を正確に測定することができる。
【0030】
以上の光量測定動作(光源移動動作を含む。)は、インクジェットヘッド1のメンテナンス動作時間中に実行する。装置構成としては、記録領域Bと測定領域Cの間にメンテナンスユニットを設ける。
メンテナンスユニット9には、吸引装置、インク受け器及び、ブレード状又はブラシ状の掃き取り具の3つが備えられる。なお、これらのうちいずれか1つ又は2つでも良い。吸引装置は吸引キャップと吸引ポンプを備えて構成されている。メンテナンスユニット9によってインク吸引作業と、掃き取り作業と、予備吐出作業を行い、インクジェットヘッド1を良好なインク吐出を行える状態に回復させる。
【0031】
まず本装置は、インク吸引作業時には、キャリッジが移動しインクジェットヘッド1を吸引キャップ上に配置する。インクジェットヘッド1が吸引キャップ上に配置されると、吸引キャップを上昇させて、インクジェットヘッド1のインク吐出口が備えられた端面を覆うように装着する。吸引キャップがインクジェットヘッド1に装着されると、吸引ポンプを作動させてノズル内のインクを吸引する。吸引終了後、吸引キャップを下降させてインクジェットヘッド1と吸引キャップとを乖離させる。
【0032】
その後、掃き取り作業を次のように行う。キャリッジが移動しインクジェットヘッド1を掃き取り具付近まで移動させるとともに、掃き取り具をノズル面に当たる位置まで上昇させる。さらにキャリッジを移動させてインクジェットヘッド1のノズル面を掃き取り具により掃き取らせる。掃き取り具はインクジェットヘッド1のノズル面に残留するインクやゴミを掃き取る。
その後予備吐出作業を次のように行う。キャリッジが移動しインクジェットヘッド1をインク受け器上に配置する。すべてのノズルを駆動してインクジェットヘッド1のすべてのノズルに予備吐出動作をさせる。予備吐出動作では、実際にインクが吐出されなくても良い。予備吐出動作によりノズル内のインクを良好な状態に回復させる。
【0033】
以上のメンテナンス動作に併行して、上述の光量測定動作(光源移動動作を含む。)を実行する。光源移動動作は、各インクジェットヘッド1を吸引装置や掃き取り具、インク受け器へ移動させる移動動作により自ずと実行されているように設計することが好ましい。さらに、メンテナンス作業中に光量測定がすべて終了しているように設計することが好ましい。このように光量測定動作(光源移動動作を含む。)をインクジェットヘッド1のメンテナンス動作時間中に実行することによって、光量測定動作(光源移動動作を含む。)のために新たに時間のロスが生じることはない。このことは、測定対象の光源のみを点灯させてその光量を測定し、これをすべての光源の光量を測定するまで順次繰り返す本実施形態にとって重要である。
【0034】
なぜなら、本実施形態のように光源の測定を一つ一つ順次実行する場合には、比較的長時間を要する。また、光源を点灯してから出力が安定するまでには時間を要する。したがって、本実施形態のように光源を一つ一つ消灯状態から点灯させながら測定する場合には、さらに比較的長時間を要するおそれがある。しかし、メンテナンス動作時間中に光量測定のすべてを終了すれば、新たな時間ロスは生じず、作業効率は低下しない。
【0035】
また記録時間に及ぼす影響もない。良く知られるようにインクジェット記録装置は、一連の記録作業の途中でも印字品質を維持回復させるため、メンテナンス作業に入る必要がある。光量測定も同様の事情があり、一連の記録作業の途中でもインクミストが光源の出射面に付着してインクへの光照射量が低下するなど、比較的短期のうちに光照射量が変化してしまうおそれがある。
このような状況を受けて、メンテナンス動作時間とは別の時間に光量測定動作を実行すると、記録作業の総時間が長期化することは必至である。
しかし、本実施形態による限りそのようなことがない。
また、ユーザからの記録作業開始指示の入力を受けたときに、その記録作業を開始する前にメンテナンス作業と光量測定動作を続けて行ってしまう場合は、記録作業開始までに時間がかかり、ユーザが記録作業開始指示を入力操作してから印刷物が出力されるまでにかかる時間は長期化する。
しかし、本実施形態による限りそのようなことがない。
【0036】
本実施形態のように光量測定センサ3による光量測定動作の全部をインクジェットヘッド1のメンテナンス動作時間中に実行することができない場合でも、光量測定センサ3による光量測定動作の一部をインクジェットヘッド1のメンテナンス動作時間中に実行することによって本発明の利益を受けることができる。すなわち、メンテナンス動作時間と光量測定動作時間が重複する分、作業効率の低下、記録時間の長期化は軽減される。
【0037】
次ぎに、少なくとも記録媒体に付着したインクへの光照射時において制御手段4は光量測定センサ3による測定結果を受けて、これに応じて光源装置2に備えられた光源の光量を制御する。すなわち、測定値が目標値を超える範囲に維持されるように制御する。目標値は、使用するカチオン重合系インクの硬化特性や、記録媒体へのインク液滴の着弾量などの諸条件を考慮して計算し、或いは実験的に求めて、インクの硬化に必要な光量に設定し、図示しない記憶手段に記憶される。制御手段4は記憶手段から目標値を読み出して制御する。
【0038】
以上の制御を例えば図2に示すフローチャートに従って行う。
すなわち図2に示すように、光量測定が開始されると、制御手段4は目標光量値P0をメモリから読み込む(ステップS1)。
次にメモリに保持された光源別駆動値―光量テーブル12を参照して目標光量値P0に対応する各光源の光源駆動値を得て光源毎に光源駆動値を変化させて測定光量値P1を得る(ステップS2)。
次ぎに、光源毎に目標光量値P0と測定光量値P1を比較して(ステップS3)、測定光量値P1が目標光量値P0を超えていれば、光量が目標光量値P0以上となるように各光源の光源駆動値を決定する(ステップS5)。さらに処理を終了し、印字動作に移行する(ステップS6)。
【0039】
一方、ステップS3において、測定光量値P1が目標光量値P0を超えていなければ、制御手段4はエラー処理S4を行う。
【0040】
(エラー処理S4のパターン1)
エラー処理S4のパターン1として、光量の測定結果を表示手段5によってユーザに通知する警告表示を行う。例えば、発声器により光量不足専用の警告音を発生させるとともに、画像表示装置上に測定値を表示する。併せて光量不足である旨を表示するとよい。これにより測定結果をユーザに通知することができる。
警告を認知したユーザは操作入力手段8を操作して動作禁止指示を入力する。動作禁止指示が入力されると、制御手段4はインクジェットヘッド1による記録動作を禁止する。すなわち、インクジェットヘッド1の記録動作の開始を禁止し、仮に記録動作中の測定であれば記録動作を停止する。
動作禁止指示が操作入力されない限り制御手段4はインクジェットヘッド1による記録動作を許可する。
したがってエラー処理S4のパターン1によれば、記録動作を続行させるか否かをユーザに選択させることができる。例えば、ユーザはインクジェット記録装置が出力した印刷物のインク硬化具合を確認し、インク硬化が十分と判断すれば動作禁止指示入力操作を行わずに記録動作を続行させることができる。インク硬化が不十分と判断すればユーザは記録動作を停止させることができる。インク硬化が不十分と判断してもユーザは記録動作を続行させることができ、自ら他の光源の光を当てるなど処置を採ることができる。
【0041】
(エラー処理S4のパターン2)
さらに他の場合(エラー処理S4のパターン2)として制御手段4は次のようなエラー処理S4を行う。ステップS3において測定光量値P1が目標光量値P0を超えていなければ、インクジェットヘッド1による記録動作を禁止する。すなわち、インクジェットヘッド1の記録動作の開始を禁止し、仮に記録動作中の測定であれば記録動作を停止して、上記表示手段5によるユーザへの通知を実行する。これにより未硬化のインクが残った印刷物の出力を阻止でき、ユーザがそのようなミスプリントを知らずに手にすることが防止され、インクジェット記録装置の信頼性が向上する。
【0042】
一方、図1(a)(b)に示すように本実施形態はインクジェットヘッド1が4つ備えられる例であり、光源装置2が単一で4つのインクジェットヘッド1の搭載範囲外に光源装置2が配置される例である。
光源装置2に設けられる光源が、記録媒体搬送方向Hについて同位置で主走査方向Aについて異なる位置に複数設けられている場合には、上述したようにインクジェットヘッド1の走査手段と共用された光源走査手段により異なる光源を光量測定センサ3の測定領域Cに順次移動させて、複数の光源の光量を光量測定センサ3が順次測定する。これにより、すべての光源の測定を実行する。したがって、異なる光源を同一の光量測定センサ3で測定するので、光量測定センサ3の個数を光源の数より少なくすることができ、装置の簡素化、小型化が図られる。
【0043】
以上の実施形態によれば、光源の光量を測定することが可能になり、インクを硬化させるために必要な光量が記録媒体上のインクに与えられる否か、予め検知することができ、しかも測定対象光源の周囲の光源を消灯して光量測定するので、各光源単体の出力を正確に測定できてその正確な測定結果に基づき制御するため、精度良く光源の光量を制御することが可能となる。精度良く光源の光量を制御することができるので、インクジェット記録装置の信頼性を向上することができる。また、精度良く光源の光量を制御することができるので、カチオン重合系インクのような比較的低出力の光源により硬化する硬化感度の高いインクの実用化を図ることができる。したがって、高出力の光源は必要ないので光源装置が長大化せず、インクジェット記録装置の小型化、製造コストの低減を図ることができる。
また、光量測定センサ3による光量測定動作の全部をインクジェットヘッド1のメンテナンス動作時間中に実行するので、作業効率の低下、記録時間の長期化等の悪影響は生じない。
また、インクジェットヘッド1とともに光源装置2を同じキャリッジに搭載するので、両者を一体的に省スペースに組み込むことができ、インクジェット記録装置の小型化が図られる。
【0044】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態につき、図3を参照して説明する。図3は本発明の第2の実施形態のインクジェット記録装置を示す断面図である。
【0045】
図3に示すように本実施形態のインクジェット記録装置は、第1の実施形態と同様の手段(1(1a〜1d),2(2a〜2e),3,4,5,6,7,8,9)を有している。対応するものに同一の符号を用いる。
しかし、本実施形態のインクジェット記録装置は、第1の実施形態とは異なり、5つの光源装置2a〜2eを有しており、4つのインクジェットヘッド1a〜1dが5つの光源装置の間に1つずつ配置されている。これらを搭載したキャリッジが主走査方向Aのうち図面上、左方向に移動する際には、インクジェットヘッド1aにより記録媒体上に吐出されたインクに光源装置2aにより紫外線を照射し、インクジェットヘッド1bにより記録媒体上に吐出されたインクに光源装置2bにより紫外線を照射し、インクジェットヘッド1cにより記録媒体上に吐出されたインクに光源装置2cにより紫外線を照射し、インクジェットヘッド1dにより記録媒体上に吐出されたインクに光源装置2dにより紫外線を照射する。これは、記録媒体上に着弾したインクに素早く紫外線を照射するために有効な構成である。
【0046】
反対に、主走査方向Aのうち図面上、右方向に移動する際には、インクジェットヘッド1aにより記録媒体上に吐出されたインクに光源装置2bにより紫外線を照射し、インクジェットヘッド1bにより記録媒体上に吐出されたインクに光源装置2cにより紫外線を照射し、インクジェットヘッド1cにより記録媒体上に吐出されたインクに光源装置2dにより紫外線を照射し、インクジェットヘッド1dにより記録媒体上に吐出されたインクに光源装置2eにより紫外線を照射する。
以上のように本実施形態は往復において記録動作を行うタイプの記録装置である。片道のみで記録動作を行うタイプの記録装置の場合は両端の光源装置2a及び2eのうちいずれか一方が不要となる。
【0047】
次ぎに本実施形態における光源制御動作につき説明する。
まず、インクジェットヘッド1a〜1dによる記録動作前、又は記録動作間において、順序は問わないが例えば、光源装置2aを測定領域Dに移動させ、光源装置2aに備えられた光源の光量を光量測定センサ3により測定可能な位置に配置する。第1の実施形態と同様に光源装置2a〜2eはインクジェットヘッド1a〜1dと同一のキャリッジに備えられており、このキャリッジを移動させることにより、以上の動作を行う。
次ぎに、光量測定センサ3により光源装置2aに備えられた光源の光量を測定する。
【0048】
同様にして、光源装置2bを測定領域Dに移動させ、光源装置2bに備えられた光源の光量を光量測定センサ3により測定可能な位置に配置し、光量測定センサ3により光源装置2bに備えられた光源の光量を測定する。
【0049】
以下同様にして、光源装置2c〜2eを順次測定領域Dに移動させ、光源装置2c〜2eに備えられた光源の光量を順次光量測定センサ3により測定可能な位置に配置し、光量測定センサ3により光源装置2c〜2eに備えられた光源の光量を順次測定する。
【0050】
以上の光量測定にあたっては第1の実施形態と同様に、制御手段4は測定対象の光源を点灯し、かつ、非測定対象の光源のすべてを消灯する。これにより他の光源の影響が少なくなり、測定対象の光源のみの出力を正確に測定することができる。
以上の光量測定動作(光源移動動作を含む。)は、第1の実施形態と同様に、インクジェットヘッド1のメンテナンス動作時間中に実行する。これにより、作業効率の低下、記録時間の長期化等の悪影響は生じない。
【0051】
次ぎに、制御手段4は光量測定センサ3による光源装置2a〜2eに備えられる光源の測定結果を受けて、これに応じて光源装置2a〜2eに備えられた光源の光量をそれぞれ制御する。
その他、第1の実施形態と同様に実施する。
【0052】
以上のように第2の実施形態においては、主走査方向Aの異なる位置に光源が複数備えられる場合でも、インクジェットヘッド1を移動させるキャリッジに光源装置2a〜2eを搭載することによって構成した光源走査手段により、異なる光源を光量測定センサ3の測定領域Dに順次移動させることにより複数の光源の光量を光量測定センサ3が順次測定することとした。
したがって、異なる光源を同一の光量測定センサ3で測定するので、光量測定センサ3の個数を光源の数より少なくすることができ、装置の簡素化、小型化が図られる。
【0053】
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態につき、図4を参照して説明する。図4は本発明の第3の実施形態のインクジェット記録装置を示すプラテン下面側から見た底面図である。
【0054】
本実施形態は、上記第1の実施形態又は第2の実施形態に付加できる発明に関する。なお、図4は第2の実施形態に付加する場合について描いた。
上記第1の実施形態又は第2の実施形態においては主走査方向Aに対して垂直な方向、すなわち記録媒体の搬送方向Hに、照射範囲がドット状の点光源11が複数並んで設けられることが有効な場合がある。その場合が本実施形態である。これは、記録媒体の搬送方向に長く吐出口10が多数並んで設けられる場合に対応するためである。すなわち、吐出口10が記録媒体の搬送方向に多数並んで設けられる場合には、一つの点光源では、すべてのインクドットに紫外線を照射することができない。そのため、本実施形態では記録媒体の搬送方向に点光源11を複数並べて設けている。ここで、記録媒体の搬送方向は図4上の矢印Eと同一である。
【0055】
しかし、上記第1の実施形態又は第2の実施形態において説明したように、光源走査手段は主走査方向Aにしか光源を移動できない。光源が方向Eについて異なる位置に複数設けられているため一つの光量測定センサ3では、すべての光源の光量を独立に測定することができない。すべての光源の光量を測定できるように、方向Eに光量測定センサ3を複数並べて設けると、光量測定センサ3の数が増大する。
そこで本実施形態においては、光量測定センサ3を方向Eに往復動作させる。
すなわち、光量測定センサ3を移動させることにより複数の光源を光量測定センサ3により順次測定する走査手段を設ける。詳しくは、光量測定センサ3を記録媒体の搬送方向Eに移動させることにより複数の光源を光量測定センサ3により順次測定する走査手段を設ける。これは周知の移動機構と駆動源と制御手段により構成できる。
【0056】
次ぎに本実施形態における光源制御動作につき説明する。なお断面図は図3と同様である。
まず、インクジェットヘッド1a〜1dによる記録動作前、又は記録動作間において、順序は問わないが例えば、光源装置2aを測定領域Dに移動させ、光源装置2aに備えられた光源の光量を光量測定センサ3により測定可能な位置に配置する。第1の実施形態と同様に光源装置2a〜2eはインクジェットヘッド1a〜1dと同一のキャリッジに備えられており、このキャリッジを移動させることにより、以上の動作を行う。
次ぎに、光量測定センサ3を方向Eに移動させながら光源装置2aに備えられた方向Eに並ぶ複数の光源11の光量を順次測定する走査を行う。
【0057】
同様にして、光源装置2bを測定領域Dに移動させ、光源装置2bに備えられた光源の光量を光量測定センサ3により測定可能な位置に配置し、光量測定センサ3を方向Eに移動させながら光源装置2bに備えられた方向Eに並ぶ複数の光源11の光量を順次測定する走査を行う。
【0058】
以下同様にして、光源装置2c〜2eを順次測定領域Dに移動させ、光源装置2c〜2eに備えられた光源の光量を順次光量測定センサ3により測定可能な位置に配置し、光量測定センサ3を方向Eに移動させながら光源装置2c〜2eに備えられた方向Eに並ぶ複数の光源11の光量を順次測定する走査を行う。
【0059】
以上の光量測定にあたっては第1,第2の実施形態と同様に、制御手段4は測定対象の光源を点灯し、かつ、非測定対象の光源のすべてを消灯する。これにより他の光源の影響が少なくなり、測定対象の光源のみの出力を正確に測定することができる。
以上の光量測定動作(光源移動動作を含む。)は、第1,第2の実施形態と同様に、インクジェットヘッド1のメンテナンス動作時間中に実行する。これにより、作業効率の低下、記録時間の長期化等の悪影響は生じない。
【0060】
次ぎに、制御手段4は光量測定センサ3による光源装置2a〜2eに備えられる各光源11の測定結果を受けて、これに応じて各光源11の光量をそれぞれ制御する。
その他、第1の実施形態と同様に実施する。
【0061】
したがって本実施形態によれば、主走査方向A及び記録媒体の搬送方向Eのそれぞれについて異なる位置にある光源を同一の光量測定センサ3で測定するので、光量測定センサ3を単一とすることもでき、装置の簡素化、小型化が図られる。
【0062】
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態につき、図5を参照して説明する。図5は本発明の第4の実施形態のインクジェット記録装置を示すプラテン下面側から見た底面図である。
【0063】
図5に示すように本実施形態はラインヘッド方式の場合についてのものである。ラインヘッド方式の場合、インクジェットヘッド1は固定であるので、光源装置2も固定して設ける。
またラインヘッド方式の場合、光量測定センサ3を記録媒体の搬送方向Fに垂直な方向に、インクジェットヘッド1に設けられる吐出口10が列を成す。さらに本実施形態においては第3の実施形態と同様の目的で吐出口10の列に平行な方向Gに列を成すように複数の光源11を光源装置2に設けた。また、第3の実施形態と同様の光量測定センサ3の簡素化の目的で、本実施形態においては、光量測定センサ3を方向Gに移動させることにより複数の光源を光量測定センサ3により順次測定する走査手段を設ける。これは周知の移動機構と駆動源と制御手段により構成できる。
【0064】
図5に示すように、複数の光源装置2が設けられることなどにより、光源11の矢印G方向の列が複数設けられる場合は、各列に対応して光量測定センサ3を1つずつ設け、以下の制御動作を同時に行う。記録媒体の搬送方向Fについて各光量測定センサ3は担当する列の光源の光量を測定可能な位置に配置されている。
なお、光量測定センサ3と光源11との間にはプラテン6が配置される。以下の制御動作において光量測定が可能となるように、少なくともプラテン6の光源11直下の部分を通光用の貫通孔又は透明部とする。ラインヘッド方式の場合、光源11の位置は固定であるので、部分的に通光用の孔又は透明部を設けることでも光量測定を可能な状態とすることができる。
【0065】
次ぎに本実施形態における光源制御動作につき説明する。
まず、インクジェットヘッド1による記録動作前、又は記録動作間において、各光量測定センサ3を方向Gに移動させながら各光源装置2に備えられた方向Gに並ぶ複数の光源11の光量を順次測定する走査を行う。
【0066】
以上の光量測定にあたっては第1,第2の実施形態と同様に、制御手段4は測定対象の光源を点灯し、かつ、非測定対象の光源のすべてを消灯する。これにより他の光源の影響が少なくなり、測定対象の光源のみの出力を正確に測定することができる。
【0067】
以上の光量測定動作(光源移動動作を含む。)は、第1,第2の実施形態と同様に、インクジェットヘッド1のメンテナンス動作時間中に実行する。これにより、作業効率の低下、記録時間の長期化等の悪影響は生じない。
ラインヘッド方式は記録動作のためのヘッド移動機構を有さないから、メンテナンスは例えば以下のように行う。
一つには、第1の実施形態で述べた予備吐出を行うために、プラテン6の吐出口10の直下の部分に貫通孔を穿設し、この貫通孔の下にインク受け器を設置する。そして、記録作業時間外において、インクジェットヘッド1に予備吐出させ、貫通孔を介してインク受け器にインクを棄てる。
メンテナンス動作としては、この予備吐出のみとしても良い。予備吐出動作時間中に各光量測定センサ3を方向Gに移動させながら各光源装置2に備えられた方向Gに並ぶ複数の光源11の光量を順次測定する走査を行うことができる。
インクジェットヘッド1からのインク吸引や、インクジェットヘッド1のノズル面(吐出口10が設けられた面)に付着したインクや異物の掃き取り作業を行う場合には、吸引装置の吸引口や、掃き取り具をインクジェットヘッド1のノズル面にアクセスさせて行う。この場合、インクジェットヘッド1及び光源装置2を固定したまま行っても良い。しかし、プラテン6が邪魔になりやすい。そこで、プランテン6をインクジェットヘッド1のノズル面下から排除した後、下から吸引装置の吸引口や、掃き取り具をインクジェットヘッド1のノズル面にアクセスさせて行うか、又は、インクジェットヘッド1及び光源装置2を可動シャーシに組みつけておき、一体的に上昇又は回動させて、プラテン6から引き離した後、吸引装置の吸引口や、掃き取り具をインクジェットヘッド1のノズル面にアクセスさせて行う。
そして、吸引動作や掃き取り動作を含めたメンテナンス動作時間中に各光量測定センサ3を方向Gに移動させながら各光源装置2に備えられた方向Gに並ぶ複数の光源11の光量を順次測定する走査を行うことができる。
【0068】
次ぎに、制御手段4は各光量測定センサ3による各光源11の測定結果を受けて、これに応じて各光源11の光量をそれぞれ制御する。
その他、第1の実施形態と同様に実施する。
【0069】
したがって本実施形態によれば、ラインヘッド方式のインクジェット記録装置において、異なる光源を同一の光量測定センサ3で測定するので、光量測定センサ3の個数を光源の数より少なくすることができ、装置の簡素化、小型化が図られる。
【0070】
次に、本発明の実施形態として採用可能な技術事項につき項を分けて説明する。
<射出量>
1ドットあたりの射出量は2pl(ピコリットル)〜20plである。好ましくは4pl〜10plである。1ドットあたり20plを超えると高精細印字が難しく、また、1ドットあたり2pl未満では形成される画像の濃度が低くなってしまう。
【0071】
<ドット径>
記録媒体上に形成されるドット径は50μm〜200μmである。好ましくは50μm〜150μmであり、さらに好ましくは55μm〜100μmである。50μm未満では形成される画像の濃度が低くなってしまい、また、200μmよりも大きければ高精細印字が難しい。
【0072】
<水及び有機溶媒を含有しない>
用いられるインクは、実質的に水及び有機溶媒を含有しないことが望ましい。実質的に含有しないとは、水及び有機溶媒の含有量が1重量%未満であることをいう。
【0073】
<インクジェット方式>
インクジェットプリンタのインク吐出の駆動力として、インクに対しての適用範囲が広く、高速射出が可能な圧電体の圧電作用を利用する方式が好ましい。それは具体的には、例えば特公平4−48622号に記載されるように、圧電性基体上に形成された微細な溝の内部に電極膜が形成され、さらに絶縁膜で覆われているインク流路とするインクジェットヘッド方式である。
【0074】
<照射線源>
紫外線、電子線、X線、可視光、赤外光などを照射する様々な線源を用いることが可能であるが、硬化性、線源のコスト等を考慮すると、紫外線を照射する線源が好ましい。紫外線線源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーランプ、紫外線レーザー・LEDなどを用いることができる。
基本的な照射方法は、特開昭60−132767号に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射はインク着弾後、一定時間をおいて行われることになる。さらに、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。WO9954415号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明の実施形態として、これらの照射方法を用いることが可能である。
具体的には、帯状のメタルハライドランプ管、紫外線ランプ管が好ましい。線源は、実質的にインクジェットプリンタに固定化し、稼働部をなくすことで、安価な構成とすることが可能である。
照射は、各色の画像形成毎に行われることが好ましく、つまり、いずれの露光方式でも線源は2種用意し、第2の線源によって、硬化を完了させることが好ましい形態の1つである。これは、2色目の着弾インクの濡れ性、インク間の接着性を得ることと、線源を安価に組むことに寄与する。
なお第1の線源と、第2の線源とは露光波長または露光照度を変えることが好ましい。第1の線源の照射エネルギーを第2の線源の照射エネルギーより小さく、すなわち第1の線源の照射エネルギーを照射エネルギー総量の1〜20%、好ましくは1〜10%、さらに好ましくは1〜5%とする。照度を変えた照射を行うことで、硬化後の分子量分布が好ましいものとなる。つまり一度に高照度の照射を行ってしまうと、重合率は高められるものの、重合したポリマーの分子量は小さく、強度が得られない。
また、第1の線源の照射は、第2の線源の照射よりも長波長とすることで、第1の照射では、インクの表層を硬化させてインクの滲みを抑えられ、第2の照射では、照射線が届きにくい記録媒体近傍のインクを硬化させ、密着性を改善することができる。インク内部の硬化促進のためにも、第2の照射線波長は長波長であることが好ましい。
【0075】
<照射タイミング>
上記インクを用い、一定温度にインクを加温するとともに、着弾から照射までの時間を0.01〜0.5秒、好ましくは0.01〜0.3秒、さらに好ましくは0.01〜0.15秒後に放射線を照射することすることができる。このように着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、着弾インクが硬化前に滲むことを防止することが可能となる。また、多孔質な記録媒体に対しても光源の届かない深部までインクが浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えられ、臭気を低減できる。これは、高粘度のインクを用いることで大きな相乗効果をもたらすことになる。特に、25℃におけるインク粘度が35〜500mPa・sのインクを用いると大きな効果を得ることができる。このような記録方法を取ることで、表面の濡れ性が異なる様々な記録媒体に対しても、着弾したインクのドット径を一定に保つことができ、画質が向上する。なお、カラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインクを重ねると、下部のインクまで照射線が到達しにくく、硬化感度の阻害、残留モノマーの増加及び臭気の発生、密着性の劣化が生じやすい。また、照射は、全色を射出してまとめて露光することが可能だが、一色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
また、複数色のヘッドからなるユニットでは、各色間を実質的に照射線透過性とすることが好ましい。具体的には、照射線透過性の部材でヘッド間を構成するか、部材を配置させない構成である。このような簡単な構成とすることで、各色毎に、着弾直後、速やかに照射することが可能であり、特に二次色の滲み防止、双方向描画における、行きと帰りのドット滲み差を防止(行きと帰りの色が異なるのを防ぐ)できるため、好ましい。
【0076】
<インク加熱、ヘッド温調>
上記インクを30〜150℃に加熱し、インク粘度を下げて射出することが射出安定性の点で好ましい。さらに好ましくは40〜100℃である。30℃以下及び150℃以上では、射出が困難になる。照射線硬化型インクは、概して水性インクより粘度が高いため、温度変動による粘度変動幅が大きい。粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こすため、インク温度をできるだけ一定に保つことが必要である。インク温度の制御幅は設定温度±5℃、好ましくは設定温度±2℃、さらに好ましくは設定温度±1℃である。インクジェットプリンタには、インク温度の安定化手段を備えるが、一定温度にする部位はインクタンク(中間タンクがある場合は中間タンク)からノズル射出面までの配管系、部材の全てが対象となる。
温度コントロールのため、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体や外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断もしくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンタ立ち上げ時間を短縮するため、また熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
【0077】
<インク吸収性のない記録媒体>
本発明の実施形態として、インク吸収性のない記録媒体ないしインク吸収性の低い記録媒体(あるいは、インク非吸収性記録媒体)を用いることができる。インク吸収性のない記録媒体ないしインク吸収性の低い記録媒体(あるいは、インク非吸収性記録媒体)とは、インク吸収性のない材料ないしインク吸収性の低い材料(あるいはインク非吸収性材料)からなる記録媒体、あるいはインク吸収性のない材料ないしインク吸収性の低い材料(あるいはインク非吸収性材料)からなる表面層(画像形成層)を有する記録媒体であり、インク吸収性のない材料ないしインク吸収性の低い材料(あるいはインク非吸収性材料)は、例えば各種の樹脂や金属である。
【0078】
<粘度>
本発明の実施形態におけるインクは、30℃での粘度が10〜500mPa・sの液体である。好ましくは、40〜500mPa・sが好ましい。10mPa・s未満では滲みが劣化、また500mPa・sを超えると、画質の平滑性が失われる。また、このインクは60℃で3〜30mPa・sの液体であることが好ましく、より好ましくは、3〜20mPa・sである。3mPa・s以下では、高速射出に不具合を生じ、また30mPa・sでは、射出性が劣化する。
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、光源の光量を測定することが可能になり、インクを硬化させるために必要な光量が記録媒体上のインクに与えられる否か、予め検知することができ、しかも測定対象光源の周囲の光源を消灯して光量測定するので、各光源単体の出力を正確に測定できてその正確な測定結果に基づき制御するため、精度良く光源の光量を制御することが可能となる。精度良く光源の光量を制御することができるので、インクジェット記録装置の信頼性を向上することができるという効果がある。
また、精度良く光源の光量を制御することができるので、カチオン重合系インクのような比較的低出力の光源により硬化する硬化感度の高いインクの実用化を図ることができる。したがって、高出力の光源は必要ないので光源装置が長大化せず、インクジェット記録装置の小型化、製造コストの低減を図ることができるという効果がある。
また、光量測定センサによる光量測定動作の全部又は一部をインクジェットヘッドのメンテナンス動作時間中に実行するので、作業効率の低下、記録時間の長期化等の悪影響が生じないか又は軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のインクジェット記録装置を示す断面図である。(a)(b)は互いに異なる動作時点を描いたものである。
【図2】制御手段による処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施形態のインクジェット記録装置を示す断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態のインクジェット記録装置を示すプラテン下面側から見た底面図である。
【図5】本発明の第4の実施形態のインクジェット記録装置を示すプラテン下面側から見た底面図である。
【符号の説明】
1…インクジェットヘッド 2…光源装置 3…光量測定センサ 4…制御手段
5…表示手段(通知手段) 6…プラテン 10…吐出口 11…光源
【発明の属する技術分野】
本発明は、光硬化性のインクを使用したインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、インクジェット記録装置は印刷時の騒音が比較的小さく、印字の品質が良好であるため、現在、数多く使用されている。
インクジェット記録装置は、例えばピエゾ素子やヒータ素子等を用いて、記録ヘッドのノズルからインクを微小な液滴として紙等の記録媒体に向けて吐出し、該記録媒体にインクを浸透若しくは定着させながら、記録ヘッドと記録媒体の相対的な位置を移動させることにより、該記録媒体に画像を形成する。
インクジェット記録装置には、例えば、記録媒体上で記録ヘッドを往復移動させ、記録ヘッドの走査方向と直交する方向に記録媒体を搬送させることにより画像を形成するシリアルヘッド方式のものや、記録媒体の記録幅にわたるノズル列を有して固定された記録ヘッドを持ち、記録媒体を前記記録幅の方向と垂直方向に搬送させることにより画像を形成するラインヘッド方式のものがある。
【0003】
インクジェット記録装置においては、インクを紙などの記録媒体に吐出(射出)する吐出口が記録ヘッドの一面(ノズル面)に備えられているが、吐出口にはインクの固着による目詰まりや吐出口に連通するインク供給路内に発生した気泡やごみ等による目詰まり等の不具合が発生する場合があるため、所定のタイミングで記録ヘッドのメンテナンス作業が行われる。
メンテナンス作業としては、記録ヘッドのノズル面をキャップ部材で密閉するように覆い、このキャップ部材を介して吸引ポンプで吸引することにより、吐出口内に残留している気泡やノズル面に付着したごみ等をインクとともに吸引除去する作業や、ノズル面に残留したインクを弾性を有するブレードを用いて拭き取る作業や、インクを予備吐出する作業等がある。
【0004】
ところで現在、商品や商品の包装材への印刷等の分野では、少量生産のニーズが高まっており、グラビア印刷方式やフレキソ印刷方式など製版を必要とする方式に比べて少量を低コストに生産できるインクジェット方式の利用が展開している。
良く知られるように商品や商品の包装材には樹脂や金属などのインク吸収性のない素材が用いられることが少なくない。
このようなインク吸収性のない素材を記録媒体とするとき、記録媒体へのインクの定着を可能とするため、高粘度の光硬化性のインクを記録媒体上に吐出して付着させた後、紫外線等の光を照射することでインクを硬化定着させる光硬化方式のインクジェット記録装置が開発されている。
【0005】
従来、このような光硬化方式のインクジェット記録装置として、ラジカル重合系のインクを用い、多量の紫外線を一括に照射する構成とした紫外線硬化型のインクジェット記録装置が実用されている。また光源としては、レーザ光線等の指向性のある光を照射する光源を用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。具体的に、指向性のある光を照射する光源としては、半導体レーザや発光ダイオード等が知られている。
半導体レーザや発光ダイオードを用いることによって、照射の際の発熱量が小さくなり、消費電力が低減される。また、蛍光管や高圧水銀灯と比較して、光源ユニットが小型化される。また、半導体レーザや発光ダイオードは、安定性が良いとともに光の強度の調整が容易である。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−310454号公報(第4頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、以上の従来技術においては次のような問題があった。
【0008】
ラジカル重合系のインクを用いると、比較的多量の紫外線照射が必要となる。そのため、高出力の光源装置を搭載することとなって装置の長大化、装置の製造コストの増大を招くという問題がある。
かかる問題を解決するため、現在実用化されていないカチオン重合系のインクの採用することが考えられる。しかし、カチオン重合系のインクは湿度依存性等の不安定な物性があるとともに、反射光等の弱い光により硬化反応する物性があるため取り扱いが難しく、実用化を困難にさせている。
例えば、光源の長期使用による劣化によってインクへの照度が低下したり、装置の小型化等の要請により光源を記録ヘッドに近づければ近づけるほど、インクミストによる照度の低下の影響が生じる。このような状況下で、上記物性のカチオン重合系のインクを用いれば、硬化不良を起こしやすく実用性の域に達しない。
【0009】
本発明は以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、光硬化性のインクを使用したインクジェット記録装置において、硬化不良による印刷不良を防止することにより装置の信頼性を向上し、これにより比較的低出力の光源により硬化する硬化感度の高いインクの実用化をも可能とすることにより、装置の小型化、装置の製造コストの低減を図ることを課題とする。
また、装置の信頼性向上を図るにあたって作業効率の低下、記録時間の長期化等の悪影響がなるべく生じないように工夫する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するための請求項1記載の発明は、複数の吐出口からインクを吐出するインクジェット方式の記録ヘッドと、
前記記録ヘッドから吐出され記録媒体に付着したインクを硬化させる光を発する複数の光源と、
前記光源の光量を測定する光量測定センサと、
前記光源を制御する光源制御手段とを有し、
前記光源制御手段は、
前記光量測定センサによる光量測定時に、測定対象の光源を点灯し、かつ、非測定対象の光源のうち少なくとも測定対象の光源に隣接する光源を消灯し、
記録媒体に付着したインクへの光照射時に、前記光量測定センサによる測定結果に応じて前記光源の光量を制御し、
前記光量測定センサによる光量測定動作の全部又は一部を前記記録ヘッドのメンテナンス動作時間中に実行することを特徴とするインクジェット記録装置である。
【0011】
請求項2記載の発明は、前記光源制御手段は、前記光量測定センサによる光量測定時に、測定対象の光源を点灯し、かつ、非測定対象の光源のすべてを消灯することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置である。
【0012】
請求項3記載の発明は、前記記録媒体の搬送方向に対し垂直な方向に前記光源を移動させて前記記録媒体上の前記光源の走査を行う光源走査手段を有し、
前記光源が、前記垂直な方向について異なる位置に複数設けられており、
前記光源走査手段が異なる光源を前記光量測定センサの測定領域に順次移動させることにより前記複数の光源の光量を前記光量測定センサが順次測定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のインクジェット記録装置である。
【0013】
請求項4記載の発明は、前記記録媒体の搬送方向に対し垂直な方向に前記記録ヘッドを移動させて前記記録媒体上の前記記録ヘッドの走査を行う記録ヘッド走査手段を有し、
前記光源を前記記録ヘッドとともに前記記録ヘッド走査手段によって移動させることにより前記光源走査手段が構成されたことを特徴とする請求項3載のインクジェット記録装置である。
【0014】
請求項5記載の発明は、前記光源が複数設けられ、
前記光量測定センサを移動させることにより前記複数の光源を前記光量測定センサにより順次測定する走査手段を有することを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一に記載のインクジェット記録装置である。
【0015】
請求項6記載の発明は、前記光源が、前記記録媒体の搬送方向について異なる位置に複数設けられており、
前記光量測定センサを前記記録媒体の搬送方向に移動させることにより前記複数の光源を前記光量測定センサにより順次測定する走査手段を有することを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか一に記載のインクジェット記録装置である。
【0016】
請求項7記載の発明は、前記光源制御手段が制御する光量の目標値を記憶する記憶手段と、
前記光量測定センサによる測定結果が前記目標値未満のとき、その測定結果をユーザに通知する通知手段と有することを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか一に記載のインクジェット記録装置である。
【0017】
請求項8記載の発明は、ユーザの操作に基づいて動作禁止指示を入力する操作入力手段を有し、
前記操作入力手段によって前記動作禁止指示が入力されたとき、前記記録ヘッドによる記録動作を禁止することを特徴とする請求項7記載のインクジェット記録装置である。
【0018】
請求項9記載の発明は、前記光源制御手段が制御する光量の目標値を記憶する記憶手段を有し、
前記光量測定センサによる測定結果が前記目標値未満のとき、前記記録ヘッドによる記録動作を禁止することを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか一に記載のインクジェット記録装置である。
【0019】
請求項10記載の発明は、前記インクを硬化させる光を紫外線とすることを特徴とする請求項1から請求項9のうちいずれか一に記載のインクジェット記録装置である。
【0020】
請求項11記載の発明は、前記インクとしてカチオン重合系のインクを用いることを特徴とする請求項1から請求項10のうちいずれか一に記載のインクジェット記録装置である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施の形態につき図面を参照して説明する。以下は本発明の一実施形態であって本発明を限定するものではない。
【0022】
〔第1の実施形態〕
まず、本発明の第1の実施形態につき図1を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施形態のインクジェット記録装置を示す断面図である。
【0023】
図1(a)及び(b)に示すように本実施形態のインクジェット記録装置は、インクジェットヘッド1と、光源装置2と、光量測定センサ3と、制御手段4と、表示手段5と、プラテン6と、操作入力手段8とを備え、シリアルヘッド方式のインクジェット記録装置を構成する。
【0024】
インクジェットヘッド1は、複数の吐出口からインクを吐出するインクジェット方式の記録ヘッドであり、周知のものを用いる。インクジェットヘッド1は、図示しないキャリッジに搭載されて主走査方向Aに往復移動させられることによりプラテン6上に沿って搬送される紙、フィルム等の記録媒体上を走査する。
ここで、図1において紙面に垂直の方向が記録媒体(図示せず)の搬送方向Hとなる。
記録媒体の搬送方向Hに対し垂直な方向(=主走査方向A)にインクジェットヘッド1を移動させて記録媒体上のインクジェットヘッド1の走査を行う記録ヘッド走査手段が、キャリッジとこれを直線往復移動させる周知の機構を用いて構成される。
【0025】
光源装置2は、インクジェットヘッド1から吐出され記録媒体に付着したインクを硬化させる紫外線を発する光源として半導体レーザや発光ダイオードを複数備えて構成され、周知のものを用いる。光源として蛍光灯を用いても良い。光源装置2は、インクジェットヘッド1と共にキャリッジに搭載されることによりインクジェットヘッド1と共に移動する。インクとしては、紫外線硬化性のカチオン重合系のインクを用いる。記録媒体としてはインク吸収性のない樹脂フィルムを用いる。
このようにして、記録媒体の搬送方向Hに対し垂直な方向(=主走査方向A)に光源装置2を移動させて記録媒体上の光源の走査を行う光源走査手段が構成される。すなわち、本実施形態においては、光源装置2をインクジェットヘッド1とともに記録ヘッド走査手段によって移動させることにより光源走査手段を構成する。このようにすれば、光源装置2を移動させるための別個の機構などを要しない。
【0026】
光量測定センサ3は、光源装置2に備えられた光源の光量を測定する光センサであり、周知のものを用いる。
制御手段4は、例えば、コンピュータとコンピュータ上で実行されるプログラムとで構成され、周知のものを用いる。
表示手段5は、画像表示するならば液晶表示装置等の画像表示装置により構成し、必要に応じて音表示するための発声器を付加して構成する。本実施形態においては画像表示及び音表示の双方を実施可能に構成することとする。
【0027】
プラテン6は、記録媒体の搬送位置を所定位置に保つことにより、記録媒体と記録ヘッドとの対向距離、すなわち、インク飛翔距離を一定にするための部材であり、周知のものを用いる。
【0028】
操作入力手段8は、押下又はタッチ操作により操作可能な周知の操作パネルであり、インクジェット記録装置の制御部にユーザからの動作指示を入力する。
【0029】
次ぎに本実施形態における光源制御動作につき説明する。
まず、インクジェットヘッド1による記録動作前、又は記録動作間において、図1(b)に示すように、光源装置2を記録領域Bに隣接する測定領域Cに移動させ、光源装置2に備えられた光源の光量を光量測定センサ3により測定可能な位置に配置する。
次ぎに、光量測定センサ3により光源装置2に備えられた光源の光量を測定する。この光量測定時に制御手段4は、測定対象の光源を点灯し、かつ、非測定対象の光源のうち少なくとも測定対象の光源に隣接する光源を消灯する。これにより隣接する他の光源の影響を受けることなく測定対象の光源のみの出力を正確に測定することができる。さらに本実施形態において制御手段4は、測定対象の光源を点灯し、かつ、非測定対象の光源のすべてを消灯する。これにより他の光源の影響がさらに少なくなり、測定対象の光源のみの出力を正確に測定することができる。
【0030】
以上の光量測定動作(光源移動動作を含む。)は、インクジェットヘッド1のメンテナンス動作時間中に実行する。装置構成としては、記録領域Bと測定領域Cの間にメンテナンスユニットを設ける。
メンテナンスユニット9には、吸引装置、インク受け器及び、ブレード状又はブラシ状の掃き取り具の3つが備えられる。なお、これらのうちいずれか1つ又は2つでも良い。吸引装置は吸引キャップと吸引ポンプを備えて構成されている。メンテナンスユニット9によってインク吸引作業と、掃き取り作業と、予備吐出作業を行い、インクジェットヘッド1を良好なインク吐出を行える状態に回復させる。
【0031】
まず本装置は、インク吸引作業時には、キャリッジが移動しインクジェットヘッド1を吸引キャップ上に配置する。インクジェットヘッド1が吸引キャップ上に配置されると、吸引キャップを上昇させて、インクジェットヘッド1のインク吐出口が備えられた端面を覆うように装着する。吸引キャップがインクジェットヘッド1に装着されると、吸引ポンプを作動させてノズル内のインクを吸引する。吸引終了後、吸引キャップを下降させてインクジェットヘッド1と吸引キャップとを乖離させる。
【0032】
その後、掃き取り作業を次のように行う。キャリッジが移動しインクジェットヘッド1を掃き取り具付近まで移動させるとともに、掃き取り具をノズル面に当たる位置まで上昇させる。さらにキャリッジを移動させてインクジェットヘッド1のノズル面を掃き取り具により掃き取らせる。掃き取り具はインクジェットヘッド1のノズル面に残留するインクやゴミを掃き取る。
その後予備吐出作業を次のように行う。キャリッジが移動しインクジェットヘッド1をインク受け器上に配置する。すべてのノズルを駆動してインクジェットヘッド1のすべてのノズルに予備吐出動作をさせる。予備吐出動作では、実際にインクが吐出されなくても良い。予備吐出動作によりノズル内のインクを良好な状態に回復させる。
【0033】
以上のメンテナンス動作に併行して、上述の光量測定動作(光源移動動作を含む。)を実行する。光源移動動作は、各インクジェットヘッド1を吸引装置や掃き取り具、インク受け器へ移動させる移動動作により自ずと実行されているように設計することが好ましい。さらに、メンテナンス作業中に光量測定がすべて終了しているように設計することが好ましい。このように光量測定動作(光源移動動作を含む。)をインクジェットヘッド1のメンテナンス動作時間中に実行することによって、光量測定動作(光源移動動作を含む。)のために新たに時間のロスが生じることはない。このことは、測定対象の光源のみを点灯させてその光量を測定し、これをすべての光源の光量を測定するまで順次繰り返す本実施形態にとって重要である。
【0034】
なぜなら、本実施形態のように光源の測定を一つ一つ順次実行する場合には、比較的長時間を要する。また、光源を点灯してから出力が安定するまでには時間を要する。したがって、本実施形態のように光源を一つ一つ消灯状態から点灯させながら測定する場合には、さらに比較的長時間を要するおそれがある。しかし、メンテナンス動作時間中に光量測定のすべてを終了すれば、新たな時間ロスは生じず、作業効率は低下しない。
【0035】
また記録時間に及ぼす影響もない。良く知られるようにインクジェット記録装置は、一連の記録作業の途中でも印字品質を維持回復させるため、メンテナンス作業に入る必要がある。光量測定も同様の事情があり、一連の記録作業の途中でもインクミストが光源の出射面に付着してインクへの光照射量が低下するなど、比較的短期のうちに光照射量が変化してしまうおそれがある。
このような状況を受けて、メンテナンス動作時間とは別の時間に光量測定動作を実行すると、記録作業の総時間が長期化することは必至である。
しかし、本実施形態による限りそのようなことがない。
また、ユーザからの記録作業開始指示の入力を受けたときに、その記録作業を開始する前にメンテナンス作業と光量測定動作を続けて行ってしまう場合は、記録作業開始までに時間がかかり、ユーザが記録作業開始指示を入力操作してから印刷物が出力されるまでにかかる時間は長期化する。
しかし、本実施形態による限りそのようなことがない。
【0036】
本実施形態のように光量測定センサ3による光量測定動作の全部をインクジェットヘッド1のメンテナンス動作時間中に実行することができない場合でも、光量測定センサ3による光量測定動作の一部をインクジェットヘッド1のメンテナンス動作時間中に実行することによって本発明の利益を受けることができる。すなわち、メンテナンス動作時間と光量測定動作時間が重複する分、作業効率の低下、記録時間の長期化は軽減される。
【0037】
次ぎに、少なくとも記録媒体に付着したインクへの光照射時において制御手段4は光量測定センサ3による測定結果を受けて、これに応じて光源装置2に備えられた光源の光量を制御する。すなわち、測定値が目標値を超える範囲に維持されるように制御する。目標値は、使用するカチオン重合系インクの硬化特性や、記録媒体へのインク液滴の着弾量などの諸条件を考慮して計算し、或いは実験的に求めて、インクの硬化に必要な光量に設定し、図示しない記憶手段に記憶される。制御手段4は記憶手段から目標値を読み出して制御する。
【0038】
以上の制御を例えば図2に示すフローチャートに従って行う。
すなわち図2に示すように、光量測定が開始されると、制御手段4は目標光量値P0をメモリから読み込む(ステップS1)。
次にメモリに保持された光源別駆動値―光量テーブル12を参照して目標光量値P0に対応する各光源の光源駆動値を得て光源毎に光源駆動値を変化させて測定光量値P1を得る(ステップS2)。
次ぎに、光源毎に目標光量値P0と測定光量値P1を比較して(ステップS3)、測定光量値P1が目標光量値P0を超えていれば、光量が目標光量値P0以上となるように各光源の光源駆動値を決定する(ステップS5)。さらに処理を終了し、印字動作に移行する(ステップS6)。
【0039】
一方、ステップS3において、測定光量値P1が目標光量値P0を超えていなければ、制御手段4はエラー処理S4を行う。
【0040】
(エラー処理S4のパターン1)
エラー処理S4のパターン1として、光量の測定結果を表示手段5によってユーザに通知する警告表示を行う。例えば、発声器により光量不足専用の警告音を発生させるとともに、画像表示装置上に測定値を表示する。併せて光量不足である旨を表示するとよい。これにより測定結果をユーザに通知することができる。
警告を認知したユーザは操作入力手段8を操作して動作禁止指示を入力する。動作禁止指示が入力されると、制御手段4はインクジェットヘッド1による記録動作を禁止する。すなわち、インクジェットヘッド1の記録動作の開始を禁止し、仮に記録動作中の測定であれば記録動作を停止する。
動作禁止指示が操作入力されない限り制御手段4はインクジェットヘッド1による記録動作を許可する。
したがってエラー処理S4のパターン1によれば、記録動作を続行させるか否かをユーザに選択させることができる。例えば、ユーザはインクジェット記録装置が出力した印刷物のインク硬化具合を確認し、インク硬化が十分と判断すれば動作禁止指示入力操作を行わずに記録動作を続行させることができる。インク硬化が不十分と判断すればユーザは記録動作を停止させることができる。インク硬化が不十分と判断してもユーザは記録動作を続行させることができ、自ら他の光源の光を当てるなど処置を採ることができる。
【0041】
(エラー処理S4のパターン2)
さらに他の場合(エラー処理S4のパターン2)として制御手段4は次のようなエラー処理S4を行う。ステップS3において測定光量値P1が目標光量値P0を超えていなければ、インクジェットヘッド1による記録動作を禁止する。すなわち、インクジェットヘッド1の記録動作の開始を禁止し、仮に記録動作中の測定であれば記録動作を停止して、上記表示手段5によるユーザへの通知を実行する。これにより未硬化のインクが残った印刷物の出力を阻止でき、ユーザがそのようなミスプリントを知らずに手にすることが防止され、インクジェット記録装置の信頼性が向上する。
【0042】
一方、図1(a)(b)に示すように本実施形態はインクジェットヘッド1が4つ備えられる例であり、光源装置2が単一で4つのインクジェットヘッド1の搭載範囲外に光源装置2が配置される例である。
光源装置2に設けられる光源が、記録媒体搬送方向Hについて同位置で主走査方向Aについて異なる位置に複数設けられている場合には、上述したようにインクジェットヘッド1の走査手段と共用された光源走査手段により異なる光源を光量測定センサ3の測定領域Cに順次移動させて、複数の光源の光量を光量測定センサ3が順次測定する。これにより、すべての光源の測定を実行する。したがって、異なる光源を同一の光量測定センサ3で測定するので、光量測定センサ3の個数を光源の数より少なくすることができ、装置の簡素化、小型化が図られる。
【0043】
以上の実施形態によれば、光源の光量を測定することが可能になり、インクを硬化させるために必要な光量が記録媒体上のインクに与えられる否か、予め検知することができ、しかも測定対象光源の周囲の光源を消灯して光量測定するので、各光源単体の出力を正確に測定できてその正確な測定結果に基づき制御するため、精度良く光源の光量を制御することが可能となる。精度良く光源の光量を制御することができるので、インクジェット記録装置の信頼性を向上することができる。また、精度良く光源の光量を制御することができるので、カチオン重合系インクのような比較的低出力の光源により硬化する硬化感度の高いインクの実用化を図ることができる。したがって、高出力の光源は必要ないので光源装置が長大化せず、インクジェット記録装置の小型化、製造コストの低減を図ることができる。
また、光量測定センサ3による光量測定動作の全部をインクジェットヘッド1のメンテナンス動作時間中に実行するので、作業効率の低下、記録時間の長期化等の悪影響は生じない。
また、インクジェットヘッド1とともに光源装置2を同じキャリッジに搭載するので、両者を一体的に省スペースに組み込むことができ、インクジェット記録装置の小型化が図られる。
【0044】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態につき、図3を参照して説明する。図3は本発明の第2の実施形態のインクジェット記録装置を示す断面図である。
【0045】
図3に示すように本実施形態のインクジェット記録装置は、第1の実施形態と同様の手段(1(1a〜1d),2(2a〜2e),3,4,5,6,7,8,9)を有している。対応するものに同一の符号を用いる。
しかし、本実施形態のインクジェット記録装置は、第1の実施形態とは異なり、5つの光源装置2a〜2eを有しており、4つのインクジェットヘッド1a〜1dが5つの光源装置の間に1つずつ配置されている。これらを搭載したキャリッジが主走査方向Aのうち図面上、左方向に移動する際には、インクジェットヘッド1aにより記録媒体上に吐出されたインクに光源装置2aにより紫外線を照射し、インクジェットヘッド1bにより記録媒体上に吐出されたインクに光源装置2bにより紫外線を照射し、インクジェットヘッド1cにより記録媒体上に吐出されたインクに光源装置2cにより紫外線を照射し、インクジェットヘッド1dにより記録媒体上に吐出されたインクに光源装置2dにより紫外線を照射する。これは、記録媒体上に着弾したインクに素早く紫外線を照射するために有効な構成である。
【0046】
反対に、主走査方向Aのうち図面上、右方向に移動する際には、インクジェットヘッド1aにより記録媒体上に吐出されたインクに光源装置2bにより紫外線を照射し、インクジェットヘッド1bにより記録媒体上に吐出されたインクに光源装置2cにより紫外線を照射し、インクジェットヘッド1cにより記録媒体上に吐出されたインクに光源装置2dにより紫外線を照射し、インクジェットヘッド1dにより記録媒体上に吐出されたインクに光源装置2eにより紫外線を照射する。
以上のように本実施形態は往復において記録動作を行うタイプの記録装置である。片道のみで記録動作を行うタイプの記録装置の場合は両端の光源装置2a及び2eのうちいずれか一方が不要となる。
【0047】
次ぎに本実施形態における光源制御動作につき説明する。
まず、インクジェットヘッド1a〜1dによる記録動作前、又は記録動作間において、順序は問わないが例えば、光源装置2aを測定領域Dに移動させ、光源装置2aに備えられた光源の光量を光量測定センサ3により測定可能な位置に配置する。第1の実施形態と同様に光源装置2a〜2eはインクジェットヘッド1a〜1dと同一のキャリッジに備えられており、このキャリッジを移動させることにより、以上の動作を行う。
次ぎに、光量測定センサ3により光源装置2aに備えられた光源の光量を測定する。
【0048】
同様にして、光源装置2bを測定領域Dに移動させ、光源装置2bに備えられた光源の光量を光量測定センサ3により測定可能な位置に配置し、光量測定センサ3により光源装置2bに備えられた光源の光量を測定する。
【0049】
以下同様にして、光源装置2c〜2eを順次測定領域Dに移動させ、光源装置2c〜2eに備えられた光源の光量を順次光量測定センサ3により測定可能な位置に配置し、光量測定センサ3により光源装置2c〜2eに備えられた光源の光量を順次測定する。
【0050】
以上の光量測定にあたっては第1の実施形態と同様に、制御手段4は測定対象の光源を点灯し、かつ、非測定対象の光源のすべてを消灯する。これにより他の光源の影響が少なくなり、測定対象の光源のみの出力を正確に測定することができる。
以上の光量測定動作(光源移動動作を含む。)は、第1の実施形態と同様に、インクジェットヘッド1のメンテナンス動作時間中に実行する。これにより、作業効率の低下、記録時間の長期化等の悪影響は生じない。
【0051】
次ぎに、制御手段4は光量測定センサ3による光源装置2a〜2eに備えられる光源の測定結果を受けて、これに応じて光源装置2a〜2eに備えられた光源の光量をそれぞれ制御する。
その他、第1の実施形態と同様に実施する。
【0052】
以上のように第2の実施形態においては、主走査方向Aの異なる位置に光源が複数備えられる場合でも、インクジェットヘッド1を移動させるキャリッジに光源装置2a〜2eを搭載することによって構成した光源走査手段により、異なる光源を光量測定センサ3の測定領域Dに順次移動させることにより複数の光源の光量を光量測定センサ3が順次測定することとした。
したがって、異なる光源を同一の光量測定センサ3で測定するので、光量測定センサ3の個数を光源の数より少なくすることができ、装置の簡素化、小型化が図られる。
【0053】
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態につき、図4を参照して説明する。図4は本発明の第3の実施形態のインクジェット記録装置を示すプラテン下面側から見た底面図である。
【0054】
本実施形態は、上記第1の実施形態又は第2の実施形態に付加できる発明に関する。なお、図4は第2の実施形態に付加する場合について描いた。
上記第1の実施形態又は第2の実施形態においては主走査方向Aに対して垂直な方向、すなわち記録媒体の搬送方向Hに、照射範囲がドット状の点光源11が複数並んで設けられることが有効な場合がある。その場合が本実施形態である。これは、記録媒体の搬送方向に長く吐出口10が多数並んで設けられる場合に対応するためである。すなわち、吐出口10が記録媒体の搬送方向に多数並んで設けられる場合には、一つの点光源では、すべてのインクドットに紫外線を照射することができない。そのため、本実施形態では記録媒体の搬送方向に点光源11を複数並べて設けている。ここで、記録媒体の搬送方向は図4上の矢印Eと同一である。
【0055】
しかし、上記第1の実施形態又は第2の実施形態において説明したように、光源走査手段は主走査方向Aにしか光源を移動できない。光源が方向Eについて異なる位置に複数設けられているため一つの光量測定センサ3では、すべての光源の光量を独立に測定することができない。すべての光源の光量を測定できるように、方向Eに光量測定センサ3を複数並べて設けると、光量測定センサ3の数が増大する。
そこで本実施形態においては、光量測定センサ3を方向Eに往復動作させる。
すなわち、光量測定センサ3を移動させることにより複数の光源を光量測定センサ3により順次測定する走査手段を設ける。詳しくは、光量測定センサ3を記録媒体の搬送方向Eに移動させることにより複数の光源を光量測定センサ3により順次測定する走査手段を設ける。これは周知の移動機構と駆動源と制御手段により構成できる。
【0056】
次ぎに本実施形態における光源制御動作につき説明する。なお断面図は図3と同様である。
まず、インクジェットヘッド1a〜1dによる記録動作前、又は記録動作間において、順序は問わないが例えば、光源装置2aを測定領域Dに移動させ、光源装置2aに備えられた光源の光量を光量測定センサ3により測定可能な位置に配置する。第1の実施形態と同様に光源装置2a〜2eはインクジェットヘッド1a〜1dと同一のキャリッジに備えられており、このキャリッジを移動させることにより、以上の動作を行う。
次ぎに、光量測定センサ3を方向Eに移動させながら光源装置2aに備えられた方向Eに並ぶ複数の光源11の光量を順次測定する走査を行う。
【0057】
同様にして、光源装置2bを測定領域Dに移動させ、光源装置2bに備えられた光源の光量を光量測定センサ3により測定可能な位置に配置し、光量測定センサ3を方向Eに移動させながら光源装置2bに備えられた方向Eに並ぶ複数の光源11の光量を順次測定する走査を行う。
【0058】
以下同様にして、光源装置2c〜2eを順次測定領域Dに移動させ、光源装置2c〜2eに備えられた光源の光量を順次光量測定センサ3により測定可能な位置に配置し、光量測定センサ3を方向Eに移動させながら光源装置2c〜2eに備えられた方向Eに並ぶ複数の光源11の光量を順次測定する走査を行う。
【0059】
以上の光量測定にあたっては第1,第2の実施形態と同様に、制御手段4は測定対象の光源を点灯し、かつ、非測定対象の光源のすべてを消灯する。これにより他の光源の影響が少なくなり、測定対象の光源のみの出力を正確に測定することができる。
以上の光量測定動作(光源移動動作を含む。)は、第1,第2の実施形態と同様に、インクジェットヘッド1のメンテナンス動作時間中に実行する。これにより、作業効率の低下、記録時間の長期化等の悪影響は生じない。
【0060】
次ぎに、制御手段4は光量測定センサ3による光源装置2a〜2eに備えられる各光源11の測定結果を受けて、これに応じて各光源11の光量をそれぞれ制御する。
その他、第1の実施形態と同様に実施する。
【0061】
したがって本実施形態によれば、主走査方向A及び記録媒体の搬送方向Eのそれぞれについて異なる位置にある光源を同一の光量測定センサ3で測定するので、光量測定センサ3を単一とすることもでき、装置の簡素化、小型化が図られる。
【0062】
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態につき、図5を参照して説明する。図5は本発明の第4の実施形態のインクジェット記録装置を示すプラテン下面側から見た底面図である。
【0063】
図5に示すように本実施形態はラインヘッド方式の場合についてのものである。ラインヘッド方式の場合、インクジェットヘッド1は固定であるので、光源装置2も固定して設ける。
またラインヘッド方式の場合、光量測定センサ3を記録媒体の搬送方向Fに垂直な方向に、インクジェットヘッド1に設けられる吐出口10が列を成す。さらに本実施形態においては第3の実施形態と同様の目的で吐出口10の列に平行な方向Gに列を成すように複数の光源11を光源装置2に設けた。また、第3の実施形態と同様の光量測定センサ3の簡素化の目的で、本実施形態においては、光量測定センサ3を方向Gに移動させることにより複数の光源を光量測定センサ3により順次測定する走査手段を設ける。これは周知の移動機構と駆動源と制御手段により構成できる。
【0064】
図5に示すように、複数の光源装置2が設けられることなどにより、光源11の矢印G方向の列が複数設けられる場合は、各列に対応して光量測定センサ3を1つずつ設け、以下の制御動作を同時に行う。記録媒体の搬送方向Fについて各光量測定センサ3は担当する列の光源の光量を測定可能な位置に配置されている。
なお、光量測定センサ3と光源11との間にはプラテン6が配置される。以下の制御動作において光量測定が可能となるように、少なくともプラテン6の光源11直下の部分を通光用の貫通孔又は透明部とする。ラインヘッド方式の場合、光源11の位置は固定であるので、部分的に通光用の孔又は透明部を設けることでも光量測定を可能な状態とすることができる。
【0065】
次ぎに本実施形態における光源制御動作につき説明する。
まず、インクジェットヘッド1による記録動作前、又は記録動作間において、各光量測定センサ3を方向Gに移動させながら各光源装置2に備えられた方向Gに並ぶ複数の光源11の光量を順次測定する走査を行う。
【0066】
以上の光量測定にあたっては第1,第2の実施形態と同様に、制御手段4は測定対象の光源を点灯し、かつ、非測定対象の光源のすべてを消灯する。これにより他の光源の影響が少なくなり、測定対象の光源のみの出力を正確に測定することができる。
【0067】
以上の光量測定動作(光源移動動作を含む。)は、第1,第2の実施形態と同様に、インクジェットヘッド1のメンテナンス動作時間中に実行する。これにより、作業効率の低下、記録時間の長期化等の悪影響は生じない。
ラインヘッド方式は記録動作のためのヘッド移動機構を有さないから、メンテナンスは例えば以下のように行う。
一つには、第1の実施形態で述べた予備吐出を行うために、プラテン6の吐出口10の直下の部分に貫通孔を穿設し、この貫通孔の下にインク受け器を設置する。そして、記録作業時間外において、インクジェットヘッド1に予備吐出させ、貫通孔を介してインク受け器にインクを棄てる。
メンテナンス動作としては、この予備吐出のみとしても良い。予備吐出動作時間中に各光量測定センサ3を方向Gに移動させながら各光源装置2に備えられた方向Gに並ぶ複数の光源11の光量を順次測定する走査を行うことができる。
インクジェットヘッド1からのインク吸引や、インクジェットヘッド1のノズル面(吐出口10が設けられた面)に付着したインクや異物の掃き取り作業を行う場合には、吸引装置の吸引口や、掃き取り具をインクジェットヘッド1のノズル面にアクセスさせて行う。この場合、インクジェットヘッド1及び光源装置2を固定したまま行っても良い。しかし、プラテン6が邪魔になりやすい。そこで、プランテン6をインクジェットヘッド1のノズル面下から排除した後、下から吸引装置の吸引口や、掃き取り具をインクジェットヘッド1のノズル面にアクセスさせて行うか、又は、インクジェットヘッド1及び光源装置2を可動シャーシに組みつけておき、一体的に上昇又は回動させて、プラテン6から引き離した後、吸引装置の吸引口や、掃き取り具をインクジェットヘッド1のノズル面にアクセスさせて行う。
そして、吸引動作や掃き取り動作を含めたメンテナンス動作時間中に各光量測定センサ3を方向Gに移動させながら各光源装置2に備えられた方向Gに並ぶ複数の光源11の光量を順次測定する走査を行うことができる。
【0068】
次ぎに、制御手段4は各光量測定センサ3による各光源11の測定結果を受けて、これに応じて各光源11の光量をそれぞれ制御する。
その他、第1の実施形態と同様に実施する。
【0069】
したがって本実施形態によれば、ラインヘッド方式のインクジェット記録装置において、異なる光源を同一の光量測定センサ3で測定するので、光量測定センサ3の個数を光源の数より少なくすることができ、装置の簡素化、小型化が図られる。
【0070】
次に、本発明の実施形態として採用可能な技術事項につき項を分けて説明する。
<射出量>
1ドットあたりの射出量は2pl(ピコリットル)〜20plである。好ましくは4pl〜10plである。1ドットあたり20plを超えると高精細印字が難しく、また、1ドットあたり2pl未満では形成される画像の濃度が低くなってしまう。
【0071】
<ドット径>
記録媒体上に形成されるドット径は50μm〜200μmである。好ましくは50μm〜150μmであり、さらに好ましくは55μm〜100μmである。50μm未満では形成される画像の濃度が低くなってしまい、また、200μmよりも大きければ高精細印字が難しい。
【0072】
<水及び有機溶媒を含有しない>
用いられるインクは、実質的に水及び有機溶媒を含有しないことが望ましい。実質的に含有しないとは、水及び有機溶媒の含有量が1重量%未満であることをいう。
【0073】
<インクジェット方式>
インクジェットプリンタのインク吐出の駆動力として、インクに対しての適用範囲が広く、高速射出が可能な圧電体の圧電作用を利用する方式が好ましい。それは具体的には、例えば特公平4−48622号に記載されるように、圧電性基体上に形成された微細な溝の内部に電極膜が形成され、さらに絶縁膜で覆われているインク流路とするインクジェットヘッド方式である。
【0074】
<照射線源>
紫外線、電子線、X線、可視光、赤外光などを照射する様々な線源を用いることが可能であるが、硬化性、線源のコスト等を考慮すると、紫外線を照射する線源が好ましい。紫外線線源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーランプ、紫外線レーザー・LEDなどを用いることができる。
基本的な照射方法は、特開昭60−132767号に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射はインク着弾後、一定時間をおいて行われることになる。さらに、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。WO9954415号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明の実施形態として、これらの照射方法を用いることが可能である。
具体的には、帯状のメタルハライドランプ管、紫外線ランプ管が好ましい。線源は、実質的にインクジェットプリンタに固定化し、稼働部をなくすことで、安価な構成とすることが可能である。
照射は、各色の画像形成毎に行われることが好ましく、つまり、いずれの露光方式でも線源は2種用意し、第2の線源によって、硬化を完了させることが好ましい形態の1つである。これは、2色目の着弾インクの濡れ性、インク間の接着性を得ることと、線源を安価に組むことに寄与する。
なお第1の線源と、第2の線源とは露光波長または露光照度を変えることが好ましい。第1の線源の照射エネルギーを第2の線源の照射エネルギーより小さく、すなわち第1の線源の照射エネルギーを照射エネルギー総量の1〜20%、好ましくは1〜10%、さらに好ましくは1〜5%とする。照度を変えた照射を行うことで、硬化後の分子量分布が好ましいものとなる。つまり一度に高照度の照射を行ってしまうと、重合率は高められるものの、重合したポリマーの分子量は小さく、強度が得られない。
また、第1の線源の照射は、第2の線源の照射よりも長波長とすることで、第1の照射では、インクの表層を硬化させてインクの滲みを抑えられ、第2の照射では、照射線が届きにくい記録媒体近傍のインクを硬化させ、密着性を改善することができる。インク内部の硬化促進のためにも、第2の照射線波長は長波長であることが好ましい。
【0075】
<照射タイミング>
上記インクを用い、一定温度にインクを加温するとともに、着弾から照射までの時間を0.01〜0.5秒、好ましくは0.01〜0.3秒、さらに好ましくは0.01〜0.15秒後に放射線を照射することすることができる。このように着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、着弾インクが硬化前に滲むことを防止することが可能となる。また、多孔質な記録媒体に対しても光源の届かない深部までインクが浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えられ、臭気を低減できる。これは、高粘度のインクを用いることで大きな相乗効果をもたらすことになる。特に、25℃におけるインク粘度が35〜500mPa・sのインクを用いると大きな効果を得ることができる。このような記録方法を取ることで、表面の濡れ性が異なる様々な記録媒体に対しても、着弾したインクのドット径を一定に保つことができ、画質が向上する。なお、カラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインクを重ねると、下部のインクまで照射線が到達しにくく、硬化感度の阻害、残留モノマーの増加及び臭気の発生、密着性の劣化が生じやすい。また、照射は、全色を射出してまとめて露光することが可能だが、一色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
また、複数色のヘッドからなるユニットでは、各色間を実質的に照射線透過性とすることが好ましい。具体的には、照射線透過性の部材でヘッド間を構成するか、部材を配置させない構成である。このような簡単な構成とすることで、各色毎に、着弾直後、速やかに照射することが可能であり、特に二次色の滲み防止、双方向描画における、行きと帰りのドット滲み差を防止(行きと帰りの色が異なるのを防ぐ)できるため、好ましい。
【0076】
<インク加熱、ヘッド温調>
上記インクを30〜150℃に加熱し、インク粘度を下げて射出することが射出安定性の点で好ましい。さらに好ましくは40〜100℃である。30℃以下及び150℃以上では、射出が困難になる。照射線硬化型インクは、概して水性インクより粘度が高いため、温度変動による粘度変動幅が大きい。粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こすため、インク温度をできるだけ一定に保つことが必要である。インク温度の制御幅は設定温度±5℃、好ましくは設定温度±2℃、さらに好ましくは設定温度±1℃である。インクジェットプリンタには、インク温度の安定化手段を備えるが、一定温度にする部位はインクタンク(中間タンクがある場合は中間タンク)からノズル射出面までの配管系、部材の全てが対象となる。
温度コントロールのため、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体や外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断もしくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンタ立ち上げ時間を短縮するため、また熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
【0077】
<インク吸収性のない記録媒体>
本発明の実施形態として、インク吸収性のない記録媒体ないしインク吸収性の低い記録媒体(あるいは、インク非吸収性記録媒体)を用いることができる。インク吸収性のない記録媒体ないしインク吸収性の低い記録媒体(あるいは、インク非吸収性記録媒体)とは、インク吸収性のない材料ないしインク吸収性の低い材料(あるいはインク非吸収性材料)からなる記録媒体、あるいはインク吸収性のない材料ないしインク吸収性の低い材料(あるいはインク非吸収性材料)からなる表面層(画像形成層)を有する記録媒体であり、インク吸収性のない材料ないしインク吸収性の低い材料(あるいはインク非吸収性材料)は、例えば各種の樹脂や金属である。
【0078】
<粘度>
本発明の実施形態におけるインクは、30℃での粘度が10〜500mPa・sの液体である。好ましくは、40〜500mPa・sが好ましい。10mPa・s未満では滲みが劣化、また500mPa・sを超えると、画質の平滑性が失われる。また、このインクは60℃で3〜30mPa・sの液体であることが好ましく、より好ましくは、3〜20mPa・sである。3mPa・s以下では、高速射出に不具合を生じ、また30mPa・sでは、射出性が劣化する。
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、光源の光量を測定することが可能になり、インクを硬化させるために必要な光量が記録媒体上のインクに与えられる否か、予め検知することができ、しかも測定対象光源の周囲の光源を消灯して光量測定するので、各光源単体の出力を正確に測定できてその正確な測定結果に基づき制御するため、精度良く光源の光量を制御することが可能となる。精度良く光源の光量を制御することができるので、インクジェット記録装置の信頼性を向上することができるという効果がある。
また、精度良く光源の光量を制御することができるので、カチオン重合系インクのような比較的低出力の光源により硬化する硬化感度の高いインクの実用化を図ることができる。したがって、高出力の光源は必要ないので光源装置が長大化せず、インクジェット記録装置の小型化、製造コストの低減を図ることができるという効果がある。
また、光量測定センサによる光量測定動作の全部又は一部をインクジェットヘッドのメンテナンス動作時間中に実行するので、作業効率の低下、記録時間の長期化等の悪影響が生じないか又は軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のインクジェット記録装置を示す断面図である。(a)(b)は互いに異なる動作時点を描いたものである。
【図2】制御手段による処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施形態のインクジェット記録装置を示す断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態のインクジェット記録装置を示すプラテン下面側から見た底面図である。
【図5】本発明の第4の実施形態のインクジェット記録装置を示すプラテン下面側から見た底面図である。
【符号の説明】
1…インクジェットヘッド 2…光源装置 3…光量測定センサ 4…制御手段
5…表示手段(通知手段) 6…プラテン 10…吐出口 11…光源
Claims (11)
- 複数の吐出口からインクを吐出するインクジェット方式の記録ヘッドと、
前記記録ヘッドから吐出され記録媒体に付着したインクを硬化させる光を発する複数の光源と、
前記光源の光量を測定する光量測定センサと、
前記光源を制御する光源制御手段とを有し、
前記光源制御手段は、
前記光量測定センサによる光量測定時に、測定対象の光源を点灯し、かつ、非測定対象の光源のうち少なくとも測定対象の光源に隣接する光源を消灯し、
記録媒体に付着したインクへの光照射時に、前記光量測定センサによる測定結果に応じて前記光源の光量を制御し、
前記光量測定センサによる光量測定動作の全部又は一部を前記記録ヘッドのメンテナンス動作時間中に実行することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記光源制御手段は、前記光量測定センサによる光量測定時に、測定対象の光源を点灯し、かつ、非測定対象の光源のすべてを消灯することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
- 前記記録媒体の搬送方向に対し垂直な方向に前記光源を移動させて前記記録媒体上の前記光源の走査を行う光源走査手段を有し、
前記光源が、前記垂直な方向について異なる位置に複数設けられており、
前記光源走査手段が異なる光源を前記光量測定センサの測定領域に順次移動させることにより前記複数の光源の光量を前記光量測定センサが順次測定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のインクジェット記録装置。 - 前記記録媒体の搬送方向に対し垂直な方向に前記記録ヘッドを移動させて前記記録媒体上の前記記録ヘッドの走査を行う記録ヘッド走査手段を有し、
前記光源を前記記録ヘッドとともに前記記録ヘッド走査手段によって移動させることにより前記光源走査手段が構成されたことを特徴とする請求項3載のインクジェット記録装置。 - 前記光源が複数設けられ、
前記光量測定センサを移動させることにより前記複数の光源を前記光量測定センサにより順次測定する走査手段を有することを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一に記載のインクジェット記録装置。 - 前記光源が、前記記録媒体の搬送方向について異なる位置に複数設けられており、
前記光量測定センサを前記記録媒体の搬送方向に移動させることにより前記複数の光源を前記光量測定センサにより順次測定する走査手段を有することを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか一に記載のインクジェット記録装置。 - 前記光源制御手段が制御する光量の目標値を記憶する記憶手段と、
前記光量測定センサによる測定結果が前記目標値未満のとき、その測定結果をユーザに通知する通知手段と有することを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか一に記載のインクジェット記録装置。 - ユーザの操作に基づいて動作禁止指示を入力する操作入力手段を有し、
前記操作入力手段によって前記動作禁止指示が入力されたとき、前記記録ヘッドによる記録動作を禁止することを特徴とする請求項7記載のインクジェット記録装置。 - 前記光源制御手段が制御する光量の目標値を記憶する記憶手段を有し、
前記光量測定センサによる測定結果が前記目標値未満のとき、前記記録ヘッドによる記録動作を禁止することを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか一に記載のインクジェット記録装置。 - 前記インクを硬化させる光を紫外線とすることを特徴とする請求項1から請求項9のうちいずれか一に記載のインクジェット記録装置。
- 前記インクとしてカチオン重合系のインクを用いることを特徴とする請求項1から請求項10のうちいずれか一に記載のインクジェット記録装置。
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JP2006142707A (ja) * | 2004-11-22 | 2006-06-08 | Konica Minolta Medical & Graphic Inc | インクジェット記録装置 |
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