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JP2012189302A - 空調システム - Google Patents

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JP2012189302A JP2011055772A JP2011055772A JP2012189302A JP 2012189302 A JP2012189302 A JP 2012189302A JP 2011055772 A JP2011055772 A JP 2011055772A JP 2011055772 A JP2011055772 A JP 2011055772A JP 2012189302 A JP2012189302 A JP 2012189302A
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Masayuki Hashimoto
昌幸 橋本
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Abstract

【課題】既存空調用機器と新規空調用機器を効率良く制御することができる空調システムを提供する。
【解決手段】既存空調用機器1とは別の新規空調用機器2が新たにシステムに参入した場合に、既存空調用機器1を制御する制御手段8が新規空調用機器2の温熱環境に対する寄与度データを取得する。制御手段8が寄与度データを用いて既存空調用機器1及び新規空調用機器2を連携制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は複数の空調用機器を制御する空調システムに関する。
従来、例えば特許文献1のように複数の空調用機器を制御する空調システムが知られている。この空調システムは、複数の空調用機器を快適度の指標となるPMVが利用者にとって快適な値となるよう制御している。
特開平2−13750号公報
ところで、前記空調システムによって空調がなされる対象室においては、空調システムを構成する既存空調用機器とは別に新たに新規空調用機器が設けられる場合がある。しかし、この新規空調用機器の温熱環境に対する寄与度は空調システムにおいて定義されていない。このため、既存空調用機器と新規空調用機器を併用して目的の温熱環境にするには、空調システム側では、温度等の実際の温熱環境の状態を常時センシングしながら試行錯誤的に既存空調用機器をフィードバック制御する必要があり、制御の効率が良くない。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであって、既存空調用機器と新規空調用機器を適切に制御できる空調システムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するために本発明の空調システムは、既存空調用機器とは別の新規空調用機器が新たにシステムに参入した場合に、前記既存空調用機器を制御する制御手段が前記新規空調用機器の温熱環境に対する寄与度データを取得し、前記制御手段が前記寄与度データを用いて前記既存空調用機器及び新規空調用機器を連携制御することを特徴とする。
また、前記温熱環境の快適度を検知する快適度検知手段を備え、前記寄与度データが前記快適度に相関するものであり、前記制御手段が前記快適度検知手段の検知結果と前記取得した寄与度データに基づいて前記既存空調用機器及び新規空調用機器を連携制御することが好ましい。
また、前記制御手段は、前記寄与度データを前記新規空調用機器の使用実績に基づいて新たな寄与度データに書き換える学習機能を有し、この学習機能により得た新たな寄与度データを用いて前記既存空調用機器及び新規空調用機器を連携制御することが好ましい。
また、前記寄与度データが、前記温熱環境の情報と、これに相関する前記新規空調用機器の寄与度との対応関係を示すデータからなり、前記制御手段が、任意の温熱環境の情報とこれに対応する新規空調用機器の寄与度を前記新規空調用機器の使用実績として取得したときに、この取得した使用実績に基づいて前記寄与度データ全体を書き換えて新たな寄与度データとすることが好ましい。
本発明にあっては、既存空調用機器と新規空調用機器を適切に制御できる。
第一実施形態の空調システムのブロック図である。 同上の空調システムの説明図である。 同上のパネル装置の説明図であり、(a)はパネル装置で対象室内の空気を循環させている状態を示し、(b)はパネル装置で屋外空気を対象室に取り込んでいる状態を示している。 同上の空調システムのフローである。 同上の空調システムの機器間の送受信を示す説明図である。 同上の天井冷房手段の運転レベル毎の寄与度データを示し、(a)は室温と室温に対する寄与度の関係を示すグラフであり、(b)は壁面温度と壁面温度に対する寄与度の関係を示すグラフである。 同上の温度調節手段の運転レベル毎の寄与度データを示し、(a)は室温と室温に対する寄与度の関係を示すグラフであり、(b)は壁面温度と壁面温度に対する寄与度の関係を示すグラフである。 (a)は既存空調システムにおいて温度調節手段を単独で運転したときの室温の変化を示すグラフであり、(b)はこのときの壁面温度の変化を示すグラフである。 (a)は同上の空調システムにおいて温度調節手段及び天井冷房手段を運転したときの室温の変化を示すグラフであり、(b)はこのときの壁面温度の変化を示すグラフである。 第一実施形態の空調システムにおける天井冷房手段の室温に対する寄与度データを室温と寄与度との関係で示したグラフである
以下、本発明の空調システムについて説明する。
(第一実施形態)
第一実施形態の空調システムは、複数の既存空調用機器1を連携制御する既存空調システムに、既存空調用機器1とは別の新規空調用機器2を新たに参入させたものである。
図1及び図2に示されるように、既存空調システムは、既存空調用機器1として、建物の一室からなる対象室3の上部に設けられた温度調節手段4、対象室3の床暖房を行う床暖房手段5、及び対象室3内の空気を攪拌する送風手段6を備えている。加えて、既存空調システムは、操作手段7、快適度検知手段、及び制御手段8を備えている。
図2に示すように温度調節手段4はエアコンディショナーであって、対象室3の壁面の上端部に取り付けられた室内機を備えている。温度調節手段4は、対象室3内に暖気を送る暖房運転と対象室3内に冷気を送る冷房運転を切り替えて行えるものである。温度調節手段4は運転レベルを、「高」、「中」、「低」の3段階に変更できるようになっている。
床暖房手段5は対象室3の床に設けられた床暖房装置からなり、対象室3の床面を加温して床暖房を行う。
送風手段6は対象室3内の空気を循環させる機能と対象室3内に室外空気を取り込む機能を有するパネル装置9で構成されている。すなわち、送風手段6は室外空気取込手段を兼ねている。パネル装置9は建物の間柱間あるいは対象室3の壁面に設けられて対象室3の壁面の一部を構成する。
図3に示すようにパネル装置9の上下の端部には対象室3内に開口する上側通気口10と下側通気口11の夫々が設けられている。パネル装置9内には、上側通気口10と下側通気口11を通じさせる通気路12が形成され、通気路12には正逆両方向に回転駆動可能な循環用ファン13が設けられている。通気路12の下端部には屋外に通じる外気取込口14が設けられており、通気路12には外気取込口14又は下側通気口11を選択的に閉塞する切替ダンパー15が設けられている。
図3(a)のように切替ダンパー15により外気取込口14を閉塞した状態で、循環用ファン13を回転駆動させることで、対象室3内の空気は循環する。すなわち、循環用ファン13を一方向に回転させると、図2の矢印aのように対象室3内の天井近傍の空気が上側通気口10から通気路12内に吸い込まれると共にこの空気が矢印bに示すように下側通気口11を介して対象室3内の床近傍に送られる。以下、この運転を下向き送風運転という。逆に循環用ファン13を下向き送風時とは逆方向に回転させることで、矢印cのように対象室3内の床近傍の空気が下側通気口11から通気路12内に吸い込まれると共にこの空気が矢印dに示すように上側通気口10を介して対象室3内の天井近傍に送られる。以下、この運転を上向き送風運転という。また、図3(b)のように切替ダンパー15で下側通気口11を閉塞した状態で、循環用ファン13を上向き送風運転時と同方向に回転駆動させると、室外空気(屋外空気)が、外気取込口14、通気路12、及び上側通気口10を経て対象室3内に取り込まれる。以下、これを室外空気取込運転という。
前記快適度検知手段は対象室3の温熱環境の指標となる快適度を検知するために用いられる。この快適度は利用者の温冷感を示す指標となるPMV(Predicted Mean Vote:予測平均温冷感申告)値であり、室温の他、湿度、輻射温度、風速、着衣量、及び活動量をパラメーターとして決定される。
快適度検知手段は、図1及び図2に示す、室温検知手段17、壁面温度検知手段18、床面温度検知手段19、人体検知手段20、及び湿度検知手段21で構成され、検知手段17〜21で検知した情報に基づいて快適度が算出される。
図2のように対象室3には、室温検知手段17として、上部室温検知手段22、中間部室温検知手段23、及び下部室温検知手段24が設けられている。上部室温検知手段22はパネル装置9の上端部に設けられた温度センサーからなり、対象室3内の上部の室温を検知する。下部室温検知手段24はパネル装置9の下端部に設けられた温度センサーからなり、対象室3の下部の室温を検知する。中間部室温検知手段23は操作手段7が有する温度センサーからなる。操作手段7は対象室3の壁面において中程の高さ位置に設けられた操作器からなり、中間部室温検知手段23は上下方向において上部室温検知手段22と下部室温検知手段24の間に配置されている。
壁面温度検知手段18はパネル装置9に設けられ、パネル装置9の対象室3内に臨む面の温度を検知する。床面温度検知手段19は床暖房手段5に設けられ、対象室3の床面の温度を検知する。湿度検知手段21は対象室3の壁に設けられて対象室3内の湿度を検知する湿度センサーからなる。人体検知手段20は対象室3の壁の上部又は天井に設けられて対象室3内に居る人の動きを検知する人感センサーからなる。
また、既存空調システムは、前記快適度検知手段を構成する検知手段17〜21の他に、屋外空気温度検知手段25を備えている。屋外空気温度検知手段25は屋外やパネル装置9の外気取込口14等の屋外空気の温度を検知可能な箇所に設けられた温度センサーからなる。
制御手段8は、図1に示される、温度調節手段用制御部27、床暖房手段用制御部28、送風手段用制御部29、及びこれらを制御する制御ユニット30で構成されている。なお、図示例の制御ユニット30は操作手段7とは別に設けてあるが、操作手段7と一体に設けても構わない。
温度調節手段用制御部27、床暖房手段用制御部28、及び送風手段用制御部29は、制御対象である温度調節手段4、床暖房手段5、送風手段6の夫々の運転状況の情報を制御ユニット30に送信する。床暖房手段用制御部28は床面温度検知手段19と通信し、床面温度検知手段19で検知した情報を集中制御部をなす制御ユニット30に送信する。送風手段用制御部29は、上部室温検知手段22、下部室温検知手段24、壁面温度検知手段18、湿度検知手段21、及び屋外空気温度検知手段25の夫々と通信し、これら検知手段22,24,18,21,25で検知した情報を制御ユニット30に送信する。
制御ユニット30は、中間部室温検知手段23、及び人体検知手段20と通信し、これら検知手段23,20で検知した情報も取得する。そして、制御ユニット30は、温度調節手段用制御部27、床暖房手段用制御部28、及び送風手段用制御部29を介して、温度調節手段4、床暖房手段5、送風手段6の夫々を制御する。
利用者は操作手段7を操作することで、個別操作モードと連携制御モードの切替えを行えるようになっている。個別操作モードに切り替えられた状態では、操作手段7により、温度調節手段4、床暖房手段5、及び送風手段6の夫々を個別に操作して運転できる。また、操作手段7を操作して、個別操作モードにおける温度調節手段4の冷暖房の切替えや設定温度、風量の設定、床暖房手段5の暖房温度の設定、送風手段の風量等を個別に設定できる。
連携制御モードの運転時における、温熱環境となる対象室3の目標の快適度は、操作手段7を操作することで設定できるようになっている。以下、この設定された快適度を設定快適度という。
設定快適度が設定され、連携制御モードに切り替えられて空調運転の開始の指令がなされると、制御ユニット30により、温度調節手段4、床暖房手段5、及び送風手段6を連携制御する連携制御運転がなされる。
図4に示すように連携制御運転時には設定快適度に基づいて目標快適度が設定される(S1)。目標快適度の設定にあたっては、まず人体検知手段20で検知した情報から対象室3内に居る人の活動量が多いか否かが判定される。そして、肯定されると設定快適度から所定PMV値(例えば0.5)を差し引いた値が目標快適度として設定され、否定されると設定快適度がそのまま目標快適度として設定される。なお、この目標快適度の設定は所定時間毎に行われるものであるが、連携制御運転開始時にのみ設定されるものであってもよい。
連携制御運転時には、所定時間(本実施形態では5分)毎に、環境情報の取得(S2)、これら取得データに基づく判定(S3,S4)、これら判定に基づく機器の制御(S5,S6)がなされる。
S2では、検知手段18〜24の検知により環境データが取得される。S3では、S2で取得した環境情報と、温度調節手段4及び送風手段6の夫々の運転状況、及び日付情報に基づいて現在の快適度(PMV値)が算出される。
S2において、中間部室温検知手段23、人体検知手段20、及び湿度検知手段21により取得した情報は室温、活動量、湿度の夫々の指標となり、壁面温度検知手段18及び床面温度検知手段19で検知した情報は輻射温度の指標となる。また、温度調節手段4及び送風手段6の夫々の運転状況の情報は風速の指標となり、日付情報は着衣量の指標となる。従って、これら情報に基づいて、S3では、室温、湿度、輻射温度、風速、着衣量、及び活動量をパラメーターとしたPMV値からなる現在の快適度が算出される。以下、この算出した快適度を検知快適度という。
S4では、S1で得た目標快適度と、S2で取得した環境データ、及びS3で得た検知快適度に基づいて、対象室3の室内状況を分析する。
S5では、S4の分析結果に基づいて、温度調節手段4、床暖房手段5及び送風手段6の制御方法が決定され、これに基づいてS6では温度調節手段4、床暖房手段5、及び送風手段6の夫々が制御される。
前記制御により、温度調節手段4、床暖房手段5、及び送風手段6を連携制御して検知快適度を目標快適度に近づけることができる。
本実施形態において前記既存空調システムに参入する新規空調用機器2は、天井冷房手段31である。天井冷房手段31は、対象室3の天井に設けられた輻射冷房器からなり、天井に設けられた冷却部32(図2参照)と、冷却部32を冷却する冷却装置33(図1参照)を備えている。冷却部32は対象室3の天井面を構成する天井材からなり、冷却装置33は天井裏に設置されるエアコンディショナーからなる。すなわち、天井冷房手段31は、冷却装置33が有する図示しないコンプレッサー及びファンを駆動することで、冷却部32上の天井裏空間に冷気を流して冷却部32を冷却し、この冷却部32により冷輻射による対象室3の輻射冷房を行う。また、この天井冷房手段31の運転レベルは、「高」、「中」、「低」の3段階に切換えられるようになっており、この運転レベルの切換えは前記コンプレッサーやファンの出力を調整等することで行われる。
制御手段8は、前記天井冷房手段31のような新規空調用機器2がシステムに参入した場合に、図5に示すように新規空調用機器2の温熱環境に対する寄与度データを取得するようになっている。なお、図5における括弧内の数字は通信が行われる順序を示し、また、図1における括弧内の数字はこれに対応するものである。
具体的には、既存空調システムに参入する新規空調用機器2は、当該新規空調用機器2がシステムに参入したときに、システムに参入したことを制御手段8が有する制御ユニット30に通知する通知機能を有している。一方、制御ユニット30は、新規空調用機器2からの通知を受けたときに、当該新規空調用機器2に対して寄与度データ送信の要求を行うデータ要求機能を有している。また、新規空調用機器2は機器毎に予め設定された寄与度データが設定されている。さらに新規空調用機器2は制御ユニット30から寄与度データ送信の要求がなされたときに自己の寄与度データを新規空調用機器2から制御ユニット30に送信するデータ送信機能を有している。
すなわち、システムに新規空調用機器2が参入すると、新規空調用機器2の通知機能により、当該新規空調用機器2がシステムに参入したことが制御ユニット30に通知される(1)。続いて、制御ユニット30のデータ要求機能により、当該新規空調用機器2に対して寄与度データ送信の要求がなされ(2)、これを受けて新規空調用機器2はデータ送信機能により制御ユニット30に寄与度データを送信する(3)。これによって、制御ユニット30は新規空調用機器2の温熱環境に対する寄与度データを取得する。
寄与度データは、前記PMV値からなる快適度を算出するためのパラメーターのうち、少なくとも一のパラメーターに対する寄与度のデータを含む。すなわち、寄与度データは、温熱環境となる対象室3の情報である、室温、湿度、輻射温度、風速、着衣量、及び活動量のうちの少なくとも一に対する寄与度に関するデータであって、快適度に相関するものである。
寄与度データは、例えば前記温熱環境の情報と、これに相関する新規空調用機器2の寄与度との対応関係を示すデータからなる。
図6(a)及び図6(b)は前記天井冷房手段31の寄与度データを表したグラフである。天井冷房手段31の寄与度データは、対象室3の室温に対する寄与度(図6(a))及び対象室3の壁面温度に対する寄与度に関するデータである。前記寄与度は単位時間当たりにおける温度変化(deg/分)であり、この値は図6に示すように対象室3の温度に応じて変化する。このため、天井冷房手段31の寄与度データは、前記各寄与度と、各々の寄与度に相関する対象室3の室温との関係性を示すデータテーブルで構成されている。
なお、制御手段8には予め既存空調用機器1の寄与度データが設定されている。例えば温度調節手段4(エアコンディショナー)にあっては、天井冷房手段31と同様に、図7(a)に示す対象室3の室温に対する寄与度及び図7(b)に示す対象室3の壁面温度に対する寄与度に関するデータが寄与度データとして設定されている。
新規空調用機器2参入後の制御ユニット30は、図5のように操作手段7の操作により運転の指令を受けた場合(4)に、既存空調用機器1及び新規空調用機器2を連携制御する(5)。この制御は、前記快適度検知手段の検知結果、前記既存空調用機器1の寄与度データ、及び前記取得した新規空調用機器2の寄与度データに基づいて行われる。
具体的に制御ユニット30は、所定時間毎に快適度検知手段により快適度を検知し、この検知快適度と、既存空調用機器1及び新規空調用機器2の各々の寄与度データに基づいて、既存空調用機器1及び新規空調用機器2の夫々の運転レベルや運転時間を決定する。そして、この決定結果に基づいて既存空調用機器1及び新規空調用機器2の各々の運転を制御する。
図9は、検知快適度と寄与度データに基づいて既存空調用機器1及び新規空調用機器2が連携制御された場合における、対象室3の室温及び壁面温度の夫々の時間変化を示すグラフである。この例では、制御ユニット30は、快適度検知手段による検知結果を受けて、既存空調用機器1である温度調節手段4(エアコンディショナー)をレベル「低」で、新規空調用機器2である天井冷房手段31をレベル「中」で、夫々2.5分間同時に運転している。これにより、対象室3の室温及び壁面温度は快適度検知から2.5分後に目標温度に到達している。
なお、図9の例では温度調節手段4以外の既存空調用機器1は運転されていない。また、図9の例においては、室温及び壁面温度が共に目標温度に達した後、全ての既存空調用機器1や新規空調用機器2は検知快適度が所定の範囲を外れるまで運転が停止され、所定の範囲を外れたときに既存空調用機器1や新規空調用機器2の制御が決定される。しかし、これに限定されるものではなく、例えば室温及び壁面温度が共に目標温度に達した後、検知快適度が所定の範囲を外れるまで送風手段6を運転する等してもよい。
参考までに、図8は、前記天井冷房手段31の参入前において、対象室3の温熱環境が図9の例と同じときに温度調節手段4のみを運転したときの対象室3の室温及び壁面温度の時間変化を示すグラフである。図8の例では、制御ユニット30は、快適度検知手段による検知結果を受けて、温度調節手段4をレベル「低」で5分間運転され。これにより、対象室3の室温及び壁面温度は快適度検知から5分後に目標温度に到達している。
すなわち、本実施形態の新規空調用機器2参入後の空調システムにあっては、既存空調用機器1と新規空調用機器2を連携制御するにあたって、新規空調用機器2の寄与度データを用いている。このため、図8と図9の比較からもわかるように、既存空調用機器1と新規空調用機器2を適切に運転制御して、速やかに対象室3を目標の温熱環境にすることができる。
また、前記新規空調用機器2を単独で運転する場合にも、前記取得した寄与度データを用いて新規空調用機器2は適切に制御される。
Figure 2012189302
表1は、新規空調用機器2である天井冷房手段31を検知快適度及び取得した天井冷房手段31の寄与度データに基づいて単独で運転したときの、経過時間、壁面温度、室温、及び天井冷房手段31の運転レベルを示している。なお、この例では、目標室温が27℃に設定され、目標壁面温度が23℃に設定されている。
表1において4分後に強運転から弱運転に切り替えられていることからもわかるように、本実施形態では天井冷房手段31の寄与度データを把握できているため、運転を行う前に目標温度近傍に至る時間を予測することができ、これにより効率の良い運転を実現できる。
以上説明した本実施形態の空調システムは、既存空調用機器1とは別の新規空調用機器2が新たにシステムに参入した場合に、既存空調用機器1を制御する制御手段8が新規空調用機器2の温熱環境に対する寄与度データを取得する。そして、制御手段8は、前記取得した寄与度データを用いて既存空調用機器1及び新規空調用機器2を連携制御する。このため、既存空調用機器1と新規空調用機器2を適切に運転制御して、速やかに又は効率良く対象室3を目標の温熱環境にすることができる。
また、本実施形態では、制御手段8が取得する寄与度データが快適度に相関するものであって、制御手段8が快適度検知手段の検知結果と取得した寄与度データに基づいて既存空調用機器1及び新規空調用機器2を連携制御する。このため、寄与度データを用いて、検知快適度が目標快適度になるよう既存空調用機器1及び新規空調用機器2を適切に制御できる。
(第二実施形態)
次に前記とは異なる第二実施形態について説明する。なお、第一実施形態と同一の構成については同一の番号を付与し、重複する説明は省略する。
本実施形態の制御手段8は、新規空調用機器2から取得した寄与度データを新規空調用機器2の使用実績に基づいて新たな寄与度データに書き換える学習機能を有している。
図10は、新規空調用機器2である天井冷房手段31の室温に対する寄与度データを室温と寄与度との関係で示したグラフである。図2における実線は、制御ユニット30が天井冷房手段31参入時に取得した運転レベル「高」における初期寄与度データ(天井冷房手段31に設定された寄与度データ)を示している。図2における点Pは、任意の室温(25℃)において実測した天井冷房手段31の運転レベル「高」における実測寄与度(−0.6deg/分)を示している。また、図2における破線は、前記実測した任意の室温における天井冷房手段31の寄与度に基づいて書き換えた天井冷房手段31の運転レベル「高」における補正後寄与度データを示している。
図10の例では、実測寄与度(−0.6deg/分)と、初期寄与度データにおいて実測寄与度に対応する寄与度(−0.4deg/分)との差(−0.2deg/分)に係数a(0.25:aは0<a<1を満足する)を乗算した値を補正値(−0.05deg/分)としている。そして、y=−0.08x+1.6(y:寄与度(deg/分),x:室温(℃))の関係式で示される初期寄与度データを、y=−0.08x+1.55の関係式で示される寄与度データに書き換えている。なお、前記で係数aを乗算したのは、外気温度の変化、壁面温度の変化、対象室3のドアが開いている等によって生じるばらつきを抑えるためである。また、前記実測寄与度は、天井冷房手段31を単独で運転した際に取得したデータであってもよいし、天井冷房手段31と同時に他の既存空調用機器1を運転したときに取得したデータから既存空調用機器1の寄与度を差し引いたデータであってもよい。
前記のように書き換えられた寄与度データは以後新たな寄与度データとして用いられ、前記既存空調用機器1と新規空調用機器2の連携制御は最新の寄与度データを用いてなされる。
このように本実施形態では、寄与度データを新規空調用機器2の使用実績に基づいて新たな寄与度データに書き換え、以後、この新たな寄与度データを用いて既存空調用機器1及び新規空調用機器2を連携制御する。このため、既存空調用機器1と新規空調用機器2の連携制御に用いられる寄与度データを、新規空調用機器2の使用実績に応じて、実際の施工状況に応じた値にすることができ、既存空調用機器1と新規空調用機器2をより適切に制御できる。
また、本実施形態の天井冷房手段31の寄与度データは、温熱環境の情報と、これに相関する新規空調用機器2の寄与度との対応関係を示すデータからなる。そして、制御手段8は、任意の温熱環境の情報とこれに対応する天井冷房手段31の寄与度を天井冷房手段31の使用実績として取得したときに、この取得した使用実績に基づいて寄与度データを書き換えて新たな寄与度データとする。このため、温熱環境の情報と、これに相関する新規空調用機器2の寄与度との対応関係を示すデータからなる寄与度データ全体を、実際の施工状況に応じた値に速やかに変更して、既存空調用機器1と新規空調用機器2を適切に制御することができる。
なお、前記寄与度データは新規空調用機器2の使用実績のデータを取得する度に前記と同様にして順次書き換えられていくようにしてもよいし、初期利用時等、設定時のみ書き換えられるようにしてもよい。
また、前記各実施形態では、複数の既存空調用機器1に新規空調用機器2を新たに参入させた空調システムとしたが、新規空調用機器2を参入させる前のシステムは一の既存空調用機器1を備えるものであってもよい。また、前記各実施形態では、快適度をPMV値としたが、ET(Effective Temperature:有効温度)等のその他の快適性指標を快適度として検知するものであっても構わない。また、各実施形態における既存空調用機器1及び新規空調用機器2の夫々は前記のものに限定されるものではなく、他の空調用機器であってもよい。
1 既存空調用機器
2 新規空調用機器
8 制御手段

Claims (4)

  1. 既存空調用機器とは別の新規空調用機器が新たにシステムに参入した場合に、前記既存空調用機器を制御する制御手段が前記新規空調用機器の温熱環境に対する寄与度データを取得し、前記制御手段が前記寄与度データを用いて前記既存空調用機器及び新規空調用機器を連携制御することを特徴とする空調システム。
  2. 前記温熱環境の快適度を検知する快適度検知手段を備え、前記寄与度データが前記快適度に相関するものであり、前記制御手段が前記快適度検知手段の検知結果と前記取得した寄与度データに基づいて前記既存空調用機器及び新規空調用機器を連携制御することを特徴とする請求項1に記載の空調システム。
  3. 前記制御手段は、前記寄与度データを前記新規空調用機器の使用実績に基づいて新たな寄与度データに書き換える学習機能を有し、この学習機能により得た新たな寄与度データを用いて前記既存空調用機器及び新規空調用機器を連携制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空調システム。
  4. 前記寄与度データが、前記温熱環境の情報と、これに相関する前記新規空調用機器の寄与度との対応関係を示すデータからなり、前記制御手段が、任意の温熱環境の情報とこれに対応する新規空調用機器の寄与度を前記新規空調用機器の使用実績として取得したときに、この取得した使用実績に基づいて前記寄与度データを書き換えて新たな寄与度データとすることを特徴とする請求項3に記載の空調システム。
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