JP2012187585A - 中空状多孔質膜の製造方法 - Google Patents
中空状多孔質膜の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012187585A JP2012187585A JP2012120026A JP2012120026A JP2012187585A JP 2012187585 A JP2012187585 A JP 2012187585A JP 2012120026 A JP2012120026 A JP 2012120026A JP 2012120026 A JP2012120026 A JP 2012120026A JP 2012187585 A JP2012187585 A JP 2012187585A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- porous membrane
- hollow
- support
- membrane layer
- film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
Abstract
【解決手段】中空状の支持体10の外周面に、多孔質膜層の材料および溶剤を含む製膜原液を塗布し、凝固させることによって多孔質膜層を形成する中空状多孔質膜の製造方法において、支持体10を、マルチフィラメントからなる1本の糸16を丸編した中空状編紐12を編成し、該中空状編紐12を熱処理して製造する。
【選択図】図6
Description
製紐機は、糸を小分けした多数のボビンが複雑な動きをしているため、製紐速度が遅い。そのため、支持体の生産性が低いという問題がある。生産性が低いと、支持体のコストが上昇し、その結果、該支持体を用いる中空状多孔質膜のコストの上昇にもつながる。
製紐機の製紐速度は、中空状多孔質膜の製造速度に比べ、一桁以上遅い。そのため、中空状多孔質膜を連続して製造するために必要な支持体を供給するためには、多くの製紐機が必要となる。しかも、該製紐機においては、ボビンの糸がなくなると、製紐機を一旦停止し、ボビンの交換、新しい糸の組紐への組み込み、組紐の表面から突出した糸の端部の切り取り、といった糸継ぎ作業を、ボビンの数(糸の打ち数)×製紐機の数だけ行う必要がある。このような煩雑な作業により支持体のコストが上昇し、その結果、該支持体を用いる中空状多孔質膜のコストの上昇にもつながる。
支持体と多孔質膜層との接着性を十分に得るためには、支持体の内部に多孔質膜層の一部を十分に侵入させる必要がある。しかし、組紐の組目が緻密だったり、糸を構成する単繊維間が緻密だったりする場合、多孔質膜層の製膜時に、製膜原液が支持体の組目または繊維間に十分に侵入できず、多孔質膜層が支持体から剥離しやすくなる。
前記マルチフィラメントは、種類の異なる繊維を2種類以上混合したものであることが好ましい。
本発明の中空状多孔質膜の製造方法によれば、支持体と多孔質膜層との接着性に優れた中空状多孔質膜を低いコストで製造できる。
図1は、本発明の中空状多孔質膜の一例を示す概略断面図である。中空状多孔質膜1は、中空状の支持体10と、支持体10の外周面に設けられた多孔質膜層11とを有する。
図2は、支持体の一例を示す側面図である。支持体10は、1本の糸16を丸編した中空状編紐12からなる。中空状編紐12は、図3に示すような、従来の中空状組紐14とは異なるものである。
中空状編紐12は、図4および図5に示すように、糸16を湾曲させたループ17(図5中の黒い部分)を螺旋状に連続して形成し、これらループ17を上下につなげたものであり、図5に示すように、ループ17内およびループ17同士の接続部に編目18を有する。
糸を構成する繊維としては、合成繊維、半合成繊維、再生繊維、天然繊維等が挙げられる。
再生繊維としては、ビスコース法、銅−アンモニア法、有機溶剤法等により得られるセルロース系再生繊維(レーヨン、キュプラ、ポリノジック等。)が挙げられる。
天然繊維としては、亜麻、黄麻等が挙げられる。
繊維としては、多孔質膜層11と支持体10との接着性の点から、製膜原液に含まれる溶剤に可溶な繊維が好ましい。該繊維としては、アクリル系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維等が挙げられる。
例えば、繊度の異なる繊維を複数組み合わせ、単一の糸では得られない繊度とすることで、支持体10の構造、特性等の自由度を広げることができる。
また、強度は低いが安価な汎用繊維と、高価な高強力繊維とを組み合わせることで、支持体10に必要とされる外径および内径を得るための繊度を汎用繊維で確保し、汎用繊維だけでは不足する強度を高強力繊維で確保することができ、コストと強度とのバランスに優れた支持体10を得ることができる。
また、材料の異なる繊維を複数組み合わせる場合は、例えば、比較的強度が高く安価で、中空多孔質膜の洗浄に用いる次亜塩素酸に対する耐性に優れたポリエステル系繊維と、製膜原液に含まれる溶剤に可溶で、安価であり、中空多孔質膜の洗浄に用いる次亜塩素酸に対する耐性にも優れるアクリル系繊維とを組み合わせたものが好ましい。
製膜原液の塗布時に支持体10の表面に突出した糸継ぎ部または繊維破断部の単繊維端が多孔質膜層11を貫通すると、その周りに大きなピンホールが発生したり、当初密着していた単繊維と多孔質膜層11が、繰り返し応力作用で剥離した部分がピンホールとなり、中空状多孔質膜1の分離特性が低下する場合がある。
ループ17の数の上限は、中空状編紐12の外径、糸16の繊度、編目の大きさ等により決まる。
単位面積あたりの編目18の数を多くしながら編目18の緻密化を防ぐには、支持体10を構成する糸16の繊度を落さなければならない。しかし、その場合には支持体10の破断強度低下や外圧による耐潰れ性の低下を招くため、編目18の数の上限は、支持体10に必要な特性を損なわない範囲で適宜決定する必要がある。
図6は、支持体製造装置の一例を示す概略構成図である。支持体製造装置20は、ボビン22と、ボビン22から引き出された糸16を丸編する丸編機24と、丸編機24によって編成された中空状編紐12を一定の張力で引っ張る紐供給装置26と、中空状編紐12を熱処理する加熱ダイス28と、熱処理された中空状編紐12を引き取る引取り装置30と、中空状編紐12を支持体10としてボビンに巻き取る巻取り機32とを具備する。
貫通孔の、中空状編紐12の入り口側の内径Dは、熱処理前の中空状編紐12の外径D’と等しいか、若干大きく、中空状編紐12の出口側の内径dは、熱処理前の中空状編紐12の外径D’以下であり、熱処理後の中空状編紐12の外径d’と等しい。
支持体10は、下記(a)工程、および必要に応じて下記(b)工程を有する製造方法によって製造される。
(a)糸16を丸編して中空状編紐12を編成する工程。
(b)前記中空状編紐12を、外径を規制しつつ、繊維の熱変形温度より高く、かつ繊維の溶融温度よりも低い温度で熱処理する工程。
中空状編紐12は、丸編機24を用いて編成される。
製紐速度は、中空状編紐12の形状により若干変わるが、シリンダの回転数によってほぼ決まる。シリンダ回転数は、1〜4000rpmに設定可能であり、安定して編成できる点から、100〜3000rpmが好ましい。この際の製紐速度は、およそ6〜200m/hrであり、組紐の製紐速度に比べ一桁以上速い。
中空状編紐12は、糸継ぎ部または繊維破断部に、表面に突出した繊維端を有している。よって、中空状編紐12を、外径を規制しつつ熱処理することによって、糸継ぎ部または繊維破断部の繊維端を支持体10の表面に押さえつけた状態で形態固定することが好ましい。これにより、繊維端が多孔質膜層を貫通してピンホールが発生することがなく、その結果、中空状多孔質膜の分離特性が低下することがない。
多孔質膜層11の材料としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等が挙げられ、耐薬品性、耐熱性等の点から、ポリフッ化ビニリデン、またはポリフッ化ビニリデンとポリビニルピロリドンとの組み合わせが好ましい。
多孔質膜層11は、単層であってもよく、2層以上の複合多孔質膜層であってもよい。
中空状多孔質膜1は、多孔質膜層11が2層の複合多孔質膜層の場合、下記(i)〜(vii)工程を有する製造方法によって製造される。
(i)支持体10の外周面に製膜原液を塗布する工程。
(ii)支持体10に塗布された製膜原液を凝固させて、第1の多孔質膜層を形成し、中空状多孔質膜前駆体を得る工程。
(iii)中空状多孔質膜前駆体の外周面に製膜原液を塗布する工程。
(iv)中空状多孔質膜前駆体に塗布された製膜原液を凝固させて、第2の多孔質膜層を形成し、中空状多孔質膜1を得る工程。
(v)中空状多孔質膜1を洗浄する工程。
(vi)中空状多孔質膜1を乾燥する工程。
(vii)中空状多孔質膜1を巻き取る工程。
第1の環状ノズル42の中央には、支持体10が通過する管路が形成されている。管路の途中には、管路の円周方向にスリット状の製膜原液吐出口が上流側および下流側に2箇所形成され、組成の異なる2種類の製膜原液を吐出する構造となっている。
支持体10が管路を通過する際、第1の原液供給装置44から2種類の製膜原液が一定量で供給され、まず支持体10の外周面に製膜原液(2)が塗布され、ついで、製膜原液(2)の上に製膜原液(1)が塗布されて所定の膜厚の塗膜が形成される。
製膜原液(2)(100質量%)中の多孔質膜層の材料の濃度は、0.1〜12質量%が好ましい。
環状ノズル42の温度は、20〜40℃が好ましい。
第1の凝固浴槽46内の凝固液と製膜原液の塗膜とを接触させ、製膜原液を凝固させて、第1の多孔質膜層を形成し、中空状多孔質膜前駆体50を得る。
凝固液としては、製膜原液の溶剤と同じ溶剤を含む水溶液が好ましい。製膜原液の溶剤がN,N−ジメチルアセトアミドの場合、溶剤の濃度は、凝固液(100質量%)中、1〜50質量%が好ましい。
凝固液の温度は、50〜90℃が好ましい。
(i)〜(ii)工程と同様な条件にて、中空状多孔質膜前駆体50の外周面に第2の多孔質膜層を形成し、中空状多孔質膜1を得る。
(iii)工程においては、製膜原液(2)として内部凝固液を用いてもよい。内部凝固液としては、グリセリン、アルコール類、エチレングリコール等が挙げられる。
例えば、中空状多孔質膜1を60〜100℃の熱水中で洗浄して溶剤を除去し、ついで、次亜塩素酸等の薬液で洗浄し、ついで、60〜100℃の熱水中で洗浄して薬液を除去する。
中空状多孔質膜1を、60℃以上100℃未満で、1分以上24時間未満乾燥した後、ボビン、カセ等に巻き取る。
すなわち、1本の連続した糸16を筒状に丸編した中空状編紐12は、組紐より製紐速度が一桁以上速い。そして、糸16を多数のボビンに小分けする必要がないため、糸継ぎ作業も簡便である。よって、中空状編紐12は、生産性、作業性が非常に高いため、組紐に比べコストを抑えることができ、該中空状編紐12を中空状多孔質膜1の支持体10として用いることで中空状多孔質膜1のコストを低減できる。
また、中空状編紐12の編目18は、糸16の単繊維間の隙間に比べ非常に大きく、かつ中空状編紐12の表面から中空部に貫通しているため、多孔質膜層11の製膜時に、製膜原液が編目18を通って支持体10の内部に侵入でき、多孔質膜層11と支持体10との接着性が向上する。
(支持体の外径)
支持体の外径は、以下の方法で測定した。
測定するサンプルを約10cmに切断し、数本を束ねて、全体をポリウレタン樹脂で覆った。ポリウレタン樹脂は支持体の中空部にも入るようにした。
ポリウレタン樹脂硬化後、カミソリ刃を用いて厚さ(膜の長手方向)約0.5mmの薄片をサンプリングした。
次にサンプリングした支持体の断面を、投影機(ニコン社製、PROFILE PROJECTOR V−12)を用い、対物レンズ100倍にて観察した。
観察している支持体断面のX方向、Y方向の外表面の位置にマーク(ライン)をあわせて外径を読み取った。これを3回測定して外径の平均値を求めた。
支持体の内径は、以下の方法で測定した。
測定するサンプルは外径を測定したサンプルと同様の方法でサンプリングした。
次にサンプリングした支持体の断面を、投影機(ニコン社製、PROFILE PROJECTOR V−12)を用い、対物レンズ100倍にて観察した。
観察している支持体断面のX方向、Y方向の内表面の位置にマーク(ライン)をあわせて内径を読み取った。これを3回測定して内径の平均値を求めた。
中空状多孔質膜の外径は、以下の方法で測定した。
測定するサンプルを約10cmに切断し、数本を束ねて、全体をポリウレタン樹脂で覆った。ポリウレタン樹脂は支持体の中空部にも入るようにした。
ポリウレタン樹脂硬化後、カミソリ刃を用いて厚さ(膜の長手方向)約0.5mmの薄片をサンプリングした。
次に、サンプリングした中空状多孔質膜の断面を、投影機(ニコン社製、PROFILE PROJECTOR V−12)を用い、対物レンズ100倍にて観察した。
観察している中空状多孔質膜断面のX方向、Y方向の外表面の位置にマーク(ライン)をあわせて外径を読み取った。これを3回測定して外径の平均値を求めた。
中空状多孔質膜の内径は、以下の方法で測定した。
測定するサンプルは外径を測定したサンプルと同様の方法でサンプリングした。
次に、サンプリングした中空状多孔質膜の断面を、投影機(ニコン社製、PROFILE PROJECTOR V−12)を用い、対物レンズ100倍にて観察した。
観察している中空状多孔質膜断面のX方向、Y方向の支持体内面の位置にマーク(ライン)をあわせて内径を読み取った。これを3回測定して内径の平均値を求めた。
実施例における多孔質膜層の膜厚は、支持体の表面から中空状多孔質膜の表面までの厚さであり、以下の方法で測定した。
測定するサンプルは外径を測定したサンプルと同様の方法でサンプリングした。
次に、サンプリングした中空状多孔質膜の断面を、投影機(ニコン社製、PROFILE PROJECTOR V−12)を用い、対物レンズ100倍にて観察した。
観察している中空状多孔質膜断面の3時方向位置の膜厚の外表面と内表面の位置にマーク(ライン)をあわせて膜厚を読み取った。同様に、9時方向、12時方向、6時方向の順で膜厚を読み取った。これを3回測定して内径の平均値を求めた。
中空状多孔質膜の透水性能は、以下の方法で測定した。
測定するサンプルを4cmに切断し、片端面をポリウレタン樹脂で中空部を封した。
次に、サンプルをエタノール中で5分間以上減圧した後、純水中に浸して置換した。
容器に純水(25℃)を入れ、サンプルの他端面とチューブで繋ぎ、容器に200kPaの空気圧をかけてサンプルから出る純水の量を1分間測定した。これを3回測定して平均値を求めた。この数値をサンプルの表面積で割り、透水性能とした。
中空状多孔質膜の破断強度は、テンシロン型引張試験機(オリエンテック社製、UCT−1T型)を用い、中空状多孔質膜を試長10cmになるようにテンシロン型引張試験機のチャック部に把持させた状態で引張荷重を加え、荷重変化における支持体伸度を中空状多孔質膜が破断するまで測定した。この測定を3回行い、中空状多孔質膜が破断した荷重の平均値を求めた。
(支持体の製造)
図6に示す支持体製造装置20を用いて、中空状編紐12からなる支持体10を製造した。
糸としては、ポリエステル繊維(繊度:84dtex、フィラメント数:72)を用いた。ボビン22としては、該ポリエステル繊維の5kgを巻いたものを5つ用意した。丸編機24としては、卓上型紐編機(圓井繊維機械社製、メリヤス針数:8本、針サイズ:16ゲージ、スピンドルの円周直径:6mm)を用いた。紐供給装置26および引取り装置30としては、ネルソンロールを用いた。加熱ダイス28としては、加熱手段を有するアルミニウム合金製のダイス(内径D:5mm、内径d:2.2mm、長さ:300mm)を用いた。
得られた支持体10の外径は約2.1mmであり、内径は約1.3mmであった。支持体10を構成する中空状編紐12のループ17の数は、1周あたり8個、編目18の最大開口幅は約0.2mmであった。支持体10の長さは12000mであった。
ついで、図7に示す中空状多孔質膜製造装置40を用いて中空状多孔質膜1を製造した。
ポリフッ化ビニリデンA(アトフィナジャパン社製、商品名:カイナー301F)、ポリフッ化ビニリデンB(アトフィナジャパン社製、商品名:カイナー9000LD)、ポリビニルピロリドン(ISP社製、商品名:K−90)、N,N−ジメチルアセトアミドを、表1に示す質量比となるように混合し、製膜原液(1)および製膜原液(2)を調製した。
第1の環状ノズル42を30℃に保温し、管路に支持体10を通しながら、上流側の第1の吐出口から製膜原液(2)を吐出して支持体10の外周面に製膜原液(2)を塗布し、さらに下流側の第2の吐出口から製膜原液(1)を吐出して製膜原液(2)上に製膜原液(1)を塗布した。
ついで、製膜原液が塗布された支持体10を、第1の凝固浴槽46内にて80℃に保温した凝固液(N,N−ジメチルアセトアミド5質量%および水95質量%)中に通して、第1の多孔質膜層を形成し、第1のガイドロール48にて方向転換して第1の凝固浴槽46から引き上げ、中空状多孔質膜前駆体50を得た。
ついで、30℃に保温した第2の環状ノズル52に、中空状多孔質膜前駆体50を通しながら、上流側の第1の吐出口から内部凝固液としてグリセリン(和光純薬工業社製、一級)を吐出して第1の多孔質膜層上にグリセリンを塗布し、さらに下流側の第2の吐出口から製膜原液(1)を吐出してグリセリン上に製膜原液(1)を塗布した。
ついで、(ii)工程と同様の条件にて、中空状多孔質膜前駆体50の外周面に第2の多孔質膜層を形成し、中空状多孔質膜1を得た。
ついで、中空状多孔質膜1を98℃の熱水中で3分間洗浄して、残存するN,N−ジメチルアセトアミドおよびポリビニルピロリドンの一部を除去した後、下記(x)〜(z)の工程を2回繰り返し、残存するポリビニルピロリドンを、多孔質膜層11に対する質量比で2%未満まで除去した。
(x)中空状多孔質膜1を50000mg/Lの次亜塩素酸ナトリウム水溶液に浸漬する工程。
(y)中空状多孔質膜1を90℃のスチーム槽中で2分間加熱する工程。
(z)中空状多孔質膜1を90℃の熱水中で3分間洗浄する工程。
中空状多孔質膜1を85℃で10分間乾燥した後、巻取り機にてボビンに巻き取った。
該中空状多孔質膜1を中心軸に直交する方向に切断し、断面を観察した。多孔質膜層11は、糸16には、その表面から約30%程度しか侵入していなかった。一方、多孔質膜層11は、編目18を通って支持体10の中空部まで侵入しており、多孔質膜層11と支持体10とは強固に接着されていた。なお、支持体10の中空部の内周面に多孔質膜層11の一部が薄く付着していたが、中空部の内径は製膜原液の塗布前とほぼ同じであった。
(中空状多孔質膜の製造)
第1の環状ノズル42において、支持体10の外周面に製膜原液(1)のみを塗布した以外は、実施例1と同様にして中空状多孔質膜1を製造した。
該中空状多孔質膜1を中心軸に直交する方向に切断し、断面を観察した。多孔質膜層11は、糸16には、その極表面にしか侵入していなかった。一方、多孔質膜層11は、編目を通って支持体10の厚さの約100%近くまで侵入しており、糸16のループ17の一部が多孔質膜層11に覆われた状態で、多孔質膜層11と支持体10とは強固に接着されていた。
(支持体の製造)
糸16として、ポリエステル繊維A(繊度:84dtex、フィラメント数:72)およびポリエステル繊維B(高強力ポリエステル繊維、繊度:235dtex、フィラメント数:24)を用い、ボビン22として、ポリエステル繊維Aの5kgを巻いたボビンAを1つおよびポリエステル繊維Bの5kgを巻いたボビンBを2つ用意し、丸編機24として、卓上型紐編機(圓井繊維機械社製、メリヤス針数:10本、針サイズ:16ゲージ、スピンドルの円周直径:6mm)を用いた以外は、実施例1と同様にして、ボビンAのポリエステル繊維Aがなくなるまで支持体10を製造した。
得られた支持体10の外径は約2.1mmであり、内径は約1.2mmであった。支持体10を構成する中空状編紐12のループ17の数は、1周あたり10個、編目18の最大開口幅は約0.15mmであった。支持体10の長さは4200mであった。
該中空状編紐12を支持体10として用いた以外は、実施例2と同様にして中空状多孔質膜1を製造した。
該中空状多孔質膜1を中心軸に直交する方向に切断し、断面を観察した。多孔質膜層11は、ポリエステル繊維Aが表面に位置する部分では、糸16の深部まで侵入し、ポリエステル繊維Bが表面に位置する部分では、糸16の極表面にしか侵入していなかった。一方、多孔質膜層11は、編目18を通って支持体10の厚さの約80%まで侵入しており、多孔質膜層11と支持体10とは強固に接着されていた。
また、中空状多孔質膜1の破断強度は、実施例2の中空状多孔質膜1の約1.5倍の約400Nであった。
10 支持体
11 多孔質膜層
12 中空状編紐
16 糸
18 編目
Claims (4)
- 中空状の支持体の外周面に、多孔質膜層の材料および溶剤を含む製膜原液を塗布し、凝固させることによって多孔質膜層を形成する中空状多孔質膜の製造方法において、
前記支持体を、マルチフィラメントからなる1本の糸を丸編して中空状編紐を編成し、該中空状編紐を熱処理して製造することを特徴とする中空状多孔質膜の製造方法。 - 前記多孔質膜層が、前記支持体の編目を通って、支持体の厚さの50%以上浸入している、請求項1に記載の中空状多孔質膜の製造方法。
- 前記マルチフィラメントが、種類の異なる繊維を2種類以上混合したものである、請求項1または2に記載の中空状多孔質膜の製造方法。
- 前記マルチフィラメントが、n個(ただし、nは2以上の整数である。)のボビンから引き出した糸を1つにまとめたものである、請求項1〜3のいずれかに記載の中空状多孔質膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012120026A JP5458141B2 (ja) | 2012-05-25 | 2012-05-25 | 中空状多孔質膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012120026A JP5458141B2 (ja) | 2012-05-25 | 2012-05-25 | 中空状多孔質膜の製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006317029A Division JP2008126199A (ja) | 2006-11-24 | 2006-11-24 | 中空状多孔質膜およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012187585A true JP2012187585A (ja) | 2012-10-04 |
JP5458141B2 JP5458141B2 (ja) | 2014-04-02 |
Family
ID=47081336
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012120026A Active JP5458141B2 (ja) | 2012-05-25 | 2012-05-25 | 中空状多孔質膜の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5458141B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107913606A (zh) * | 2017-10-24 | 2018-04-17 | 浙江福斯特新材料研究院有限公司 | 一种半透膜支撑材料及其制备方法 |
Citations (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4964574A (ja) * | 1972-08-01 | 1974-06-22 | ||
JPS5145760Y2 (ja) * | 1972-09-25 | 1976-11-05 | ||
JPS5281076A (en) * | 1975-12-29 | 1977-07-07 | Asahi Chem Ind Co Ltd | Semipermeable membrane made of hollow yarn |
JPS553826A (en) * | 1978-06-26 | 1980-01-11 | Asahi Chem Ind Co Ltd | Filter element |
JPS5711650A (en) * | 1980-06-23 | 1982-01-21 | Mitsubishi Rayon Co | Manufacture of artificial blood vessel |
JPH02501400A (ja) * | 1987-09-22 | 1990-05-17 | ブツク,アルフレート | カーボンフイルタ |
JPH02241448A (ja) * | 1989-03-15 | 1990-09-26 | Gunze Ltd | 人工血管及びその製造法 |
JPH08269841A (ja) * | 1995-03-21 | 1996-10-15 | Hoechst Trevira Gmbh & Co Kg | 二次成形しうる熱安定化可能な開口を有する網状構造の構造物 |
JP2002129450A (ja) * | 2000-10-23 | 2002-05-09 | Toray Ind Inc | 編地構造体およびその製造方法 |
JP2003225542A (ja) * | 2001-12-07 | 2003-08-12 | Kolon Ind Inc | 編物により補強された複合中空糸膜 |
JP2006150270A (ja) * | 2004-11-30 | 2006-06-15 | Daicel Chem Ind Ltd | 中空糸状半透膜 |
-
2012
- 2012-05-25 JP JP2012120026A patent/JP5458141B2/ja active Active
Patent Citations (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4964574A (ja) * | 1972-08-01 | 1974-06-22 | ||
JPS5145760Y2 (ja) * | 1972-09-25 | 1976-11-05 | ||
JPS5281076A (en) * | 1975-12-29 | 1977-07-07 | Asahi Chem Ind Co Ltd | Semipermeable membrane made of hollow yarn |
JPS553826A (en) * | 1978-06-26 | 1980-01-11 | Asahi Chem Ind Co Ltd | Filter element |
JPS5711650A (en) * | 1980-06-23 | 1982-01-21 | Mitsubishi Rayon Co | Manufacture of artificial blood vessel |
JPH02501400A (ja) * | 1987-09-22 | 1990-05-17 | ブツク,アルフレート | カーボンフイルタ |
JPH02241448A (ja) * | 1989-03-15 | 1990-09-26 | Gunze Ltd | 人工血管及びその製造法 |
JPH08269841A (ja) * | 1995-03-21 | 1996-10-15 | Hoechst Trevira Gmbh & Co Kg | 二次成形しうる熱安定化可能な開口を有する網状構造の構造物 |
JP2002129450A (ja) * | 2000-10-23 | 2002-05-09 | Toray Ind Inc | 編地構造体およびその製造方法 |
JP2003225542A (ja) * | 2001-12-07 | 2003-08-12 | Kolon Ind Inc | 編物により補強された複合中空糸膜 |
JP2006150270A (ja) * | 2004-11-30 | 2006-06-15 | Daicel Chem Ind Ltd | 中空糸状半透膜 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107913606A (zh) * | 2017-10-24 | 2018-04-17 | 浙江福斯特新材料研究院有限公司 | 一种半透膜支撑材料及其制备方法 |
CN107913606B (zh) * | 2017-10-24 | 2020-07-28 | 浙江福斯特新材料研究院有限公司 | 一种半透膜支撑材料及其制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5458141B2 (ja) | 2014-04-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5549768B2 (ja) | 中空状多孔質膜 | |
JP2008126199A (ja) | 中空状多孔質膜およびその製造方法 | |
JP2008114180A (ja) | 中空状多孔質膜用支持体、中空状多孔質膜およびそれらの製造方法 | |
EP2448658B1 (en) | Non-braided, textile-reinforced hollow fiber membrane | |
JP5207220B2 (ja) | 中空状多孔質膜用支持体、中空状多孔質膜およびそれらの製造方法 | |
KR101806600B1 (ko) | 상용성 보강재를 가진 중공사 막 | |
JP6115592B2 (ja) | 中空状多孔質膜 | |
KR102171580B1 (ko) | 가용성 코어 주위에 얀-강화된 중공 섬유 막의 제조 방법 | |
TW201237078A (en) | Supported hollow fiber membrane | |
JP4361901B2 (ja) | 多孔質中空糸膜及びその製造方法 | |
JP5666502B2 (ja) | 中空状多孔質膜およびその製造方法 | |
JP5458141B2 (ja) | 中空状多孔質膜の製造方法 | |
JP5637176B2 (ja) | 中空状多孔質膜用支持体の製造方法、中空状多孔質膜およびその製造方法 | |
JP5796433B2 (ja) | 細径中空状多孔質膜 | |
JP2013128865A (ja) | 中空糸膜用支持体及び中空糸膜並びにこれらの製造方法 | |
JP6131430B2 (ja) | 中空糸膜モジュールの検査方法 | |
JP5197865B2 (ja) | 中空状多孔質膜用支持体、中空状多孔質膜およびそれらの製造方法 | |
JP2009297641A (ja) | ブレード強化中空糸膜 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130117 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130122 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130319 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20130820 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20131115 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20131122 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20131220 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140110 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5458141 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |