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JP2012181450A - 電気泳動表示装置およびその駆動方法、電子機器 - Google Patents

電気泳動表示装置およびその駆動方法、電子機器 Download PDF

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JP2012181450A
JP2012181450A JP2011045556A JP2011045556A JP2012181450A JP 2012181450 A JP2012181450 A JP 2012181450A JP 2011045556 A JP2011045556 A JP 2011045556A JP 2011045556 A JP2011045556 A JP 2011045556A JP 2012181450 A JP2012181450 A JP 2012181450A
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Abstract

【課題】フルカラーまたはそれに準じる表示が可能であって高コントラストの画像表示が可能な電気泳動表示装置およびその駆動方法、電子機器を提供する。
【解決手段】本発明の電気泳動表示装置は、1画素が第1および第2サブ画素を有し、第1サブ画素に対応し、第1波長領域で透過性を有するとともにそれ以外の領域で吸収性を有する赤色の正帯電粒子と、第2波長領域で反射性を有するとともにそれ以外の領域で吸収性を有する青色の負帯電粒子と、赤粒子および青粒子を保持する透明な分散媒とからなる電気泳動層と、第2サブ画素に対応し、緑色の正帯電粒子と、黒色の負帯電粒子と、緑粒子および黒粒子を保持する分散媒とからなる電気泳動層と、第1および第2サブ画素内にそれぞれ配置され互いに独立に駆動される第1,第2画素電極と、対向電極と、を備え、第1波長領域と第2波長領域とは異なる波長領域であって、第1〜第4の各色は互いに異なっている。
【選択図】図2

Description

本発明は、電気泳動表示装置およびその駆動方法、電子機器に関するものである。
特許文献1,2に開示されているように、着色粒子を用いたカラー表示可能な電気泳動表示装置が提案されている。しかしながら、コントラストが低いという課題が存在し、十分な表示性能を有する電気泳動表示装置は提案されていなかった。
特許文献1には、1つの画素を2つのサブ画素に分離して、それぞれに2色のカラー粒子を保持させて表示を行う装置が開示されている。具体的には、サブ画素ごとに2色の粒子を用いて表示を行う方法が記載されているが、この場合には、白表示、黒表示、赤表示、青表示の4色の表示のみが可能である。さらに、黒表示は、赤粒子および青粒子を分散媒中にランダムに分布させているため、対向基板側から入射した外光が各粒子において吸収されず、青色および赤色の光が外部に漏れることによって、はっきりとした黒表示を行うことができないおそれがある。
また、画素を構成するサブ画素のうち、一方のサブ画素内に赤色および青色の2色の粒子を保持させ、他方のサブ画素内に緑色およびマゼンタの2色の粒子を保持させた場合には、緑色およびマゼンタ色の2色の粒子が保持されたサブ画素において、白黒表示の他、緑表示、マゼンタ(赤青)表示、マゼンタ緑表示が可能である。しかしながら、2つのサブ画素を用いて表示を行ったとしても、これらの組み合わせで表示することができるのは14色にすぎない。
また、特許文献2では、各隔壁等で1つの画素を複数のサブ画素に分離して、各サブ画素をそれぞれ駆動する方法が記載されている。ここでは、各サブ画素内に保持された着色粒子と分散媒との間の色の関係は、補色の関係にあり、例えば、黄色粒子と青色分散媒とを用いている。フルカラー表示を行うには、2色の色の任意の制御を行う必要がある。しかしながら、特許文献2では、粒子の位置による諧調等の制御は可能であるが、分散媒の色は制御できていないため、4色表示しかできない。
特開2007−310182号公報 特開2010−72617号公報
このように、従来の構成においてはフルカラーに近い表示ができず、しかも黒表示が浮いてしまうという問題があった。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、フルカラーまたはそれに準じる表示が可能であって高コントラストの画像表示が可能な電気泳動表示装置およびその駆動方法、電子機器を提供することを目的の一つとしている。
本発明の電気泳動表示装置は、複数の画素からなる画像表示部を有し、互いに対向配置された第1基板および第2基板との間に電気泳動層が挟持されてなる電気泳動表示装置であって、1つの前記画素が第1サブ画素および第2サブ画素を有し、前記第1サブ画素に対応し、可視光領域内の第1波長領域で透過性を有するとともにそれ以外の領域で吸収性を有する第1色に着色され正負のいずれか一方に帯電した第1帯電粒子と、前記可視光領域内の第2波長領域で反射性を有するとともにそれ以外の領域で吸収性を有する第2色に着色され正負のいずれか他方に帯電した第2帯電粒子と、前記第1帯電粒子および前記第2帯電粒子を保持する第1分散媒とからなる第1の前記電気泳動層と、前記第2サブ画素に対応し、第3色に着色され正負のいずれか一方に帯電した第3帯電粒子と、第4色に着色され正負のいずれか他方に帯電した第4帯電粒子と、これら第3帯電粒子および第4帯電粒子を保持する第2分散媒とからなる第2の前記電気泳動層と、前記第1基板上に設けられるとともに前記第1および第2サブ画素内に配置され互いに独立に駆動される第1画素電極および第2画素電極と、前記第2基板上に設けられる対向電極と、を備えていることを特徴とする。
本発明の電気泳動表示装置によれば、1画素を構成する2つのサブ画素において互いに異なる表示を行うことができるため、これらの表示の組み合わせによる多様な表現を実現できる。
本発明の電気泳動表示装置は、複数の画素からなる画像表示部を有し、互いに対向配置された第1基板および第2基板との間に電気泳動層が挟持されてなる電気泳動表示装置であって、1つの前記画素が第1サブ画素および第2サブ画素を有し、前記第1サブ画素に対応し、可視光領域内の第1波長領域で透過性を有するとともにそれ以外の領域で吸収性を有する第1色に着色され正負のいずれか一方に帯電した第1帯電粒子と、前記可視光領域内の第2波長領域で反射性を有するとともにそれ以外の領域で吸収性を有する第2色に着色され正負のいずれか他方に帯電した第1帯電粒子と、前記第1帯電粒子および前記第1帯電粒子を保持する透明な第1分散媒とからなる第1の前記電気泳動層と、前記第2サブ画素に対応し、正負のいずれかに帯電し第3色に着色された第3帯電粒子と、前記第3帯電粒子を保持する第4色に着色された第2分散媒とからなる第2の前記電気泳動層と、前記第1基板上に設けられるとともに前記第1および第2サブ画素内にそれぞれ配置され互いに独立に駆動される第1画素電極および第2画素電極と、前記第2基板上に設けられる対向電極と、を備えていることを特徴とする。
本発明の電気泳動表示装置によれば、1画素を構成する2つのサブ画素において互いに異なる表示を行うことができるため、これらの表示の組み合わせによる多様な表現を実現できる。
また、前記第3帯電粒子が前記可視光領域において前記第1波長領域と前記第2波長領域以外の波長を含む第3波長領域において透過性または反射性を有し、前記第3帯電粒子が透過性の時は前記第4帯電粒子が第3波長領域以外において反射性を有し、前記第3帯電粒子が反射性の時は前記第4帯電粒子が第3波長領域以外において透過性を有する構成としてもよい。
これによれば、第2サブ画素において2粒子を用いる際に、それらが透過性と反射性の組み合わせとなる構成にすることで、明るい色表示が可能となる。
また、前記第3帯電粒子が前記可視光領域において前記第1波長領域と前記第2波長領域以外の波長を含む第3波長領域において透過性または反射性を有し、前記第4帯電粒子が黒色であるとしてもよい。
これによれば、第2サブ画素において2粒子を用いる際に、それらが透過性と反射性の組み合わせとなる構成とすることにより、はっきりとした黒表示を行うことができ、コントラストの向上が可能である。
また、前記第3帯電粒子が前記可視光領域において前記第1波長領域と前記第2波長領域以外の波長を含む第3波長領域において透過性または反射性を有し、前記第2分散媒の第4色が黒色であるとしてもよい。
これによれば、第2サブ画素に対応して透過性または反射性を有する第3帯電粒子と、黒色の第2分散媒との組み合わせとすることにより、はっきりとした黒表示を行うことができ、コントラストの向上が可能である。
また、前記第2分散媒の前記第4色が前記可視光領域において前記第1波長領域と前記第2波長領域以外の第3波長領域を含んで成り、前記第3帯電粒子が黒色であるとしてもよい。
これによれば、光漏れが防止されて、はっきりとした黒表示を行うことができ、コントラストの向上が可能である。
また、前記第3帯電粒子が第3波長領域で透過性を有するとともにそれ以外の領域で吸収性を有する前記第3色に着色され、前記第4帯電粒子が第4波長領域で透過性を有するとともにそれ以外の領域で吸収性を有する前記第4色に着色されている構成としてもよい。
これによれば、各粒子の波長に対する光の強度を制御することで各サブ画素における表示の明度調整を行うことができる。
また、前記第1色および前記第2色として、赤、青、緑のうちのいずれか2つの色が選択され、前記第3色および前記第4色として、赤、青、緑のうち前記第1色および前記第2色とは異なる色と、その補色となる色あるいは黒が選択される構成としてもよい。
これによれば、フルカラーあるいはそれに近い表現を実現することができる。
また、前記第1基板および前記第2基板間に隔壁が設けられており、前記隔壁が、複数の前記画素が配列されてなる画像表示部のうち、複数の前記第1サブ画素の形成領域と、複数の前記第2サブ画素の形成領域とを区画する構成となっている構成としてもよい。
これによれば、第1サブ画素および第2サブ画素のそれぞれに対応する空間に互いに異なる電気泳動材料を封入することができ、各サブ画素において互いに異なる表示を行うことができる。また、第1サブ画素および第2サブ画素のそれぞれに対応した互いに異なる電気泳動材料の配置が容易になり、生産性が高く、高精細な表示が可能になる。
また、前記第1サブ画素の面積が前記第2サブ画素の面積と同等かそれよりも大きい構成としてもよい。
これによれば、各サブ画素による画素全体の表現色の明度や彩度を制御することができる。
また、前記電気泳動層よりも前記第1基板側に反射電極が設けられている構成としてもよい。
これによれば、反射膜によって反射された光によってより明るい表示が実現される。
また、前記反射膜に対して電位の入力が可能な構成とされていてもよい。
これによれば、反射膜に対して帯電粒子をはじく電位を入力することによって、帯電粒子が反射膜上に移動してきてしまうのを防止して、対向電極側へとスムーズに移動させることができる。これにより、表示の切り換えを短時間で安定して行えるようになる。
また、前記反射膜の表面に散乱性が付与されている構成としてもよい。
これによれば、光を散乱させることでより表示色の発色性を向上させることができる。また、白表示における外光の正反射を軽減することができる。
また、前記第1画素電極および前記第2画素電極の配置領域に散乱性が付与されている構成としてもよい。
これによれば、光を散乱させることでより表示色の発色性を向上させることができる。
また、黒表示の際には、透過性を有する前記第1帯電粒子が、反射性を有する前記第2帯電粒子よりも前記対向電極側に配置される構成としてもよい。
これによれば、対向基板側から入射した外光のうち、第1色以外の光の一部が第1帯電粒子において吸収され、第1帯電粒子を透過した光のうち第2色の光が第2帯電粒子において反射され、それ以外の光は吸収される。そして、第2帯電粒子において反射された第2色の光は第1帯電粒子において吸収されることとなる。これにより、はっきりとした黒表示が得られる。
本発明の電気泳動表示装置の駆動方法は、第1サブ画素内の第1画素電極および対向電極に対して電圧を印加することにより第1帯電粒子を前記対向電極側に移動させる第1の動作と、前記第1サブ画素内の第2画素電極および前記対向電極に対して電圧を印加することにより第2帯電粒子を前記対向電極側に移動させる第2の動作と、前記第2サブ画素内の前記第1画素電極および前記対向電極に対して電圧を印加することにより第3帯電粒子を前記対向電極側に移動させる第3の動作と、を有することを特徴とする。
本発明の電気泳動表示装置の駆動方法によれば、1画素を構成する2つのサブ画素において互いに異なる表示を行うことができるため、これら表示の組み合わせによる多様な表現を実現できる。
また、前記第2サブ画素内の前記第2画素電極および前記対向電極に対して電圧を印加することにより第4帯電粒子を前記対向電極側に移動させる第4の動作と、を有する駆動方法としてもよい。
これによれば、4種類の帯電粒子の分布状態を制御することによって多様な表現を実現できる。
また、前記第1の動作と前記第2の動作との間で、電圧の印加タイミングあるいは印加電圧の大きさに差を設ける駆動方法としてもよい。
これによれば、各サブ画素内における粒子の分布範囲、分布状態等を制御することができる。
また、第1画素電極と第2画素電極とに互いに異なる電圧を印加する第1プリセット動作と、前記第1プリセット動作とは反対の極性の電圧を前記第1画素電極および前記第2画素電極に印加する第2プリセット動作と、を有し、単数あるいは複数画面の書き換えごとに前記第1プリセット動作および前記第2プリセット動作を交互に実施する駆動方法としてもよい。
これによれば、各画素電極と対向電極との間に直流電圧が印加されることを防止して、電極の腐食や電気泳動材料の劣化を抑制することができる。
また、透過性を有する第1帯電粒子を、反射性を有する第2帯電粒子よりも前記対向電極側に配置させることにより黒表示を得る駆動方法としてもよい。
これによれば、対向基板側から入射した外光のうち、第1色以外の光の一部が第1帯電粒子において吸収され、第1帯電粒子を透過した光のうち第2色の光が第2帯電粒子において反射され、それ以外の光は吸収される。そして、第2帯電粒子において反射された第2色の光は第1帯電粒子において吸収されることとなる。これにより、はっきりとした黒表示を実現できる。
また、前記第1帯電粒子の方が前記第2帯電粒子よりも数多く設けられ、前記第1帯電粒子の前記第2基板側における2次元あるいは3次元的な分布を、前記第1画素電極、前記第2画素電極および前記対向電極のそれぞれに印加する電圧の大きさおよび印加時間によって制御する駆動方法としてもよい。
これによれば、第1波長領域において透過性を有する第1帯電粒子が対向電極上に積層状態で分布することとなり、これら多層に配置された第1帯電粒子により乱反射が生じ、結果として、第1色の光が外部に出射する。これにより、外光が複数の第1帯電粒子を透過することによって指向性のない乱反射となり、かつ、対向電極近傍でこの現象が生じるため、視野角の広い表示となる。
本発明は、上記の電気泳動表示装置を備えた電子機器であることを特徴とする。
これによれば、先に記載の電気泳動表示装置を備えた構成とされているので、明るく視認性の良好なフルカラーあるいはこれに近い表示の行える信頼性に優れた高品位の電子機器が得られる。
本発明の一実施形態である電気泳動表示装置の概略構成を示す図。 (a)は、画像表示部における画素構成の一部を拡大して示す概略図、(b)は隔壁の構成を示す平面図。 電気泳動表示装置の具体的な構成例を示す等価回路図。 素子基板側におけるサブ画素の具体的な構成例を示す平面図。 図4のA−A線に沿う断面図。 サブ画素の具体的な構成例を示す断面図。 電気泳動材料を注入する工程を示す図。 電気泳動表示装置の動作原理について示す図。 観測側から見たときに視認される着色粒子の面積による階調の違いについて示すサブ画素の概念図。 (a)は、白表示時における粒子の分布状態を示す図、(b)は、赤表示時における粒子の分布状態を示す図、(c)は、青表示時における粒子の分布状態を示す図、(d)は、黒表示時における粒子の分布状態を示す図。 緑表示時における粒子の分布状態を示す図。 (a)は、暗い緑表示における粒子の分布状態を示す図、(b)は、暗い赤表示における粒子の分布状態を示す図、(c)は、暗い青表示における粒子の分布状態を示す図。 (a)は、暗いシアン表示における粒子の分布状態を示す図、(b)は、マゼンタ表示における粒子の分布状態を示す図。 (a)は、明るく淡い緑表示時における粒子の分布状態を示す図、(b)は、明るく淡い赤表示時における粒子の分布状態を示す図、(c)は、明るく淡いマゼンタ表示時における粒子の分布状態を示す図。 視感度補正後の波長と光強度の分布概念図。 マゼンタ表示を行う際の駆動方法を示すタイミングチャート図(サブ画素40A)。 マゼンタ表示を行う際の駆動方法を示すタイミングチャート図(サブ画素40B)。 黒表示を連続して行う際の駆動方法を示すタイミングチャート図。 (a)は、変形例1における黒表示時の帯電粒子の分布状態を示す図、(b)は、変形例2における黒表示時の帯電粒子の分布状態を示す図、(c)は、変形例3における黒表示時の帯電粒子の分布状態を示す図。 (a)は、暗く赤い表示時における粒子の分布状態を示す図、(b)は、緑表示時における粒子の分布状態を示す図、(c)は、赤表示時における粒子の分布状態を示す図。 赤粒子の量を増加した構成において黒表示を行った際の粒子の分布状態を示す図。 第2実施形態の電気泳動表示装置の構成を示す部分断面図。 第3実施形態の電気泳動表示装置の構成を示す部分断面図。 第4実施形態の電気泳動表示装置の画素表示部における画素構成の一部を拡大して示す概略図。 (a)は、暗い赤表示時における粒子の分布状態を示す図、(b)は、マゼンタ表示時における粒子の分布状態を示す図である。 電気泳動表示装置の変形例2を示す部分断面図。 第2サブ画素の分散媒の色を黒色にした場合の構成を示す断面図。 波長と光強度の分布図。 本発明の電気泳動表示装置を適用した電子機器の具体例を説明する斜視図。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
(第1実施形態の電気泳動表示装置)
図1は、本発明の一実施形態である電気泳動表示装置の概略構成を示す図であり、(a)は外形図、(b)は等価回路図である。
図1(a),(b)に示すように、本実施形態の電気泳動表示装置100は、半導体装置からなる素子基板300と、素子基板300に対向配置された対向基板310と、これらの間に挟持される電気泳動層とにより構成されている。これら素子基板300と対向基板310とが重なる領域には複数の画素40がマトリクス状に配置された画像表示部5が形成されている。また、画像表示部5の外側の領域、すなわち対向基板310よりも外側に張り出した非表示部6には、走査線駆動回路61、データ線駆動回路62および共通電位回路72が実装されており、当該領域に形成された接続端子を介して、画像表示部5内から延出された配線(走査線66A,66B、データ線68A,68B、共通電位線69)とそれぞれ接続されている。また、対向基板310よりも外側に張り出した素子基板300上には、接続基板201を介して、上記各駆動回路を駆動するための外部回路基板202が接続されている。
図2(a)は、画像表示部における画素構成の一部を拡大して示す概略図であり、(b)は隔壁の構成を示す平面図である。
図2(a)に示すように、本実施形態における1つの画素40は2つのサブ画素(第1サブ画素)40Aおよびサブ画素(第2サブ画素)40Bから構成されている。これら2つのサブ画素40A,40Bは、走査線66の延在方向に沿って交互に存在するとともに、データ線68A,68Bの延在方向に同じサブ画素40A,40B同士が連続して存在している。1画素を構成するサブ画素40A,40Bの間には隔壁64が存在している。この隔壁64は、素子基板300と対向基板310との間に配置され、図2(b)に示すように、少なくとも画像表示領域(画像表示部5)を2つの領域に分離するものである。具体的には、画像表示部5に対応する素子基板300および対向基板310間の空間を2つの空間5a,5bに区画形成している。そして、この隔壁64の両側に存在するサブ画素40A,40Bによって、表示を行う1つの画素40を構成している。隔壁64によって区画形成された空間5a,5b内にそれぞれ存在するサブ画素40Aとサブ画素40Bとはそれぞれ異なる画素40を構成するものである。
隔壁64の具体的な構成について述べると、隔壁64の外形を枠状に形成すべく互いに対向配置されたL字形状の一対の第1外壁部64Aおよび第2外壁部64Bと、これら外壁部64A,64Bによって囲まれた領域を二等分する波型形状の内壁部64Cとから構成されている。第1外壁部64Aと内壁部64Cとの間に上記空間5aが形成され、第2外壁部64Bと内壁部64Cとの間に上記空間5bが形成される。これら空間5a,5b内には異なる電気泳動材料が封入されており、電気泳動層32A,32Bが構成されている。各空間5a,5bに電気泳動材料を注入するための注入口64a,64bは封止材65によって封止されている。そして、サブ画素40Aには電気泳動層(第1の電気泳動層)32Aが対応し、サブ画素40Bには電気泳動層(第2の電気泳動層)32Bが対応している。その結果、1画素を構成するサブ画素40A,40Bにおいて互いに異なる表示を行うことができるため、これら表示の組み合わせによる多様な表現を実現できる。
ここで、隔壁64の材料としては、例えばポリイミドが用いられ、封止材65の材料としては、例えば紫外線硬化樹脂が用いられる。隔壁64の配置領域は表示に係わらない領域であるため、その色は、非透明で黒色または明度の低い無彩色であることが望ましい。このため、コントラストの低下が生じにくい。
また、1つの画素領域において隔壁64が占める面積は、サブ画素40A,40Bごとに枠状に設けられた従来の構成の隔壁が占める面積に比べて小さいことから、明るく高コントラストの表示が可能となっている。また、高精細な画像表示を必要とする表示装置に有効である。
なお、隔壁64の形状は上記したものに限らない。
図3は、電気泳動表示装置の具体的な構成例を示す等価回路図である。
図3に示すように、本実施形態の電気泳動表示装置100は、素子基板300の一面側(第1基板30上:図5)に、互いに交差する方向に延在する走査線66と複数のデータ線68A,68Bとが設けられている。ここで、本実施形態の走査線66A,66Bは、画像表示部5内において2つに分岐された第1走査線66Aおよび第2走査線66Bを有する。
1つの画素40を構成するサブ画素40A,40Bは、それぞれ異なる電気泳動材料からなる電気泳動層32A,32Bをそれぞれ有する。各サブ画素40A,40B内には、さらに、2つの選択トランジスタTR1,TR2、2つの画素電極(第1画素電極)35A,画素電極(第2画素電極)35B、対向電極37、接続電極44A,44Bおよび反射電極(反射膜)13が備えられている。
選択トランジスタTR1のゲートに第1走査線66Aが接続され、ソースにデータ線68Aが接続され、ドレインに画素電極35Aが接続されている。選択トランジスタTR2のゲートに第2走査線66Bが接続され、ソースにデータ線68Bが接続され、ドレインに画素電極35Bが接続されている。
反射電極13は、各画素電極35A,35Bどうしの間に存在し、対向電極37の電位と略同電位の電圧が印加される。この反射電極13は少なくともその表面(電気泳動層32A,32B側の面)に反射性を有している。
なお、図3では保持容量を記載していないが、TFT素子にスイッチング機能や表示画像駆動機能をもたせるために保持容量を付加した等価回路である事が好ましい。
また、選択トランジスタTR1、TR2としては、一般的なa−SiTFT、ポリSiTFT、有機TFT、酸化物TFT等が使用可能である。また、構造もトップゲート、ボトムゲート構造共に可能である。
また、第1基板30上における各層の構成も上記以外とすることも可能である。
図4は、素子基板側におけるサブ画素の具体的な構成例を示す平面図、図5は、図4のA−A線に沿う断面図である。また、図6は、サブ画素の具体的な構成例を示す断面図である。
まず、素子基板300の構成について述べる。
電気泳動表示装置100は、1画素4TFT型の構成をなすものであって、図4に示すように、第1基板30のサブ画素40A,40Bに対応する領域に、選択トランジスタTR1,TR2と、接続電極44A,44Bと,複数の画素電極35A,35Bと、反射電極13と、をそれぞれ備えた素子基板300を具備する。
画素電極35A,35Bは、サブ画素40A,40Bごとにそれぞれ複数ずつ設けられており、本実施形態ではいずれも平面視円形状を呈する。複数の画素電極35Aどうしは、それぞれがコンタクトホールH1を介して接続される接続電極44Aにより相互に接続され、複数の画素電極35Bどうしは、それぞれがコンタクトホールH2を介して接続される接続電極44Bにより相互に接続されている。
選択トランジスタTR1のドレイン電極41dは接続電極44Aを介して複数の画素電極35Aに接続され、選択トランジスタTR2のドレイン電極41dは接続電極44Bを介して複数の画素電極35Bに接続されている。これにより、複数の画素電極35Aには選択トランジスタTR1を介してデータ線68Aからのデータ電位が印加され、複数の画素電極35Bには選択トランジスタTR2を介してデータ線68Bからのデータ電位が印加されるようになっている。これにより、各サブ画素40A,40B内に配置された複数の画素電極35Aと複数の画素電極35Bとが互いに独立に駆動可能な構成とされている。
接続電極44A,44Bは、平面視櫛歯形状を呈し、2方向(走査線66A,66Bあるいはデータ線68A、68B)に沿って延在する2辺からなり、全体的にL字状を呈する幹部441と当該幹部411によって連結された複数の枝部442とを有して構成されている。
複数の枝部442は、幹部441の延在方向とは異なる方向(ここでは、枝部442の各辺)に対して約60°の方向に互いに平行して延在しており、すべての枝部442の延在長さを異ならせてある。これに限らず、例えば、45°の方向とすることもできる。また、幹部441の角部(屈曲部分)付近から延在する枝部442が最も長く、この中央の枝部442から遠ざかる枝部442ほど短い長さとなっている。
平面視櫛歯形状を呈する接続電極44A,44Bは、互いに噛み合うようにしてサブ画素40A,40B内に配置されている。一方の接続電極44Aの枝部442aの両側に他方の接続電極44Bの枝部442b,442bが存在する状態となっている。
接続電極44Aの各枝部442aは複数の画素電極35Aに対応し、接続電極44Bの各枝部442bは複数の画素電極35Bに対応している。
反射電極13は電位の入力が可能な構成とされており、選択トランジスタTR1,TR2上を覆うとともに画素電極35A,35Bよりも下層側で、画素形成領域のほぼ全体にベタ状に形成されている。この反射電極13は、画素電極35A,35Bに対応する位置に平面視円形状の複数の開口13A,13Bを有している。開口13A,13Bの直径は、画素電極35A,35Bの直径よりも小さい直径であって、面方向(平面視)で画素電極35A,35Bと反射電極13との間に隙間が形成されることのない寸法に設定されている。このため、反射電極13としてデッドエリアがなく明るい画像表示が得られる。
なお、反射電極13は、すべての画素40において共通であるとしたがこれに限られることはなく、サブ画素40A,40Bごとに独立して設けてもよい。この場合は、画素電極35A,35Bのうち、複数の画素電極35Aが反射電極13と電気的に接続された構成としておく。対向電極37上に分布した粒子を画素電極35A側へと引き寄せる際には、反射電極13と画素電極35Aとに同一電圧を印加する。電気泳動層32A,32Bと反射電極13との間には保護膜43が存在しており、この保護膜43に印加される電圧分だけ低い電圧が反射電極13から粒子に印加されるため、粒子が反射電極13上の保護膜43の表面に吸着するのを防止することができる。
このため、保護膜43の膜厚は厚い方がよく、2μm以上、より好ましくは10μm以上が好適である。または、セルギャップdの10%以上、より好ましくは50%以上が好適である。このような条件であれば、反射電極13から粒子に印加される電圧は、常に画素電極35A,35Bに印加される電圧よりも小さくかつ同極性のものとなる。このため、反射電極13の電位が粒子の移動を阻害することがなくなる。
ここで、セルギャップdは電気泳動表示装置100の画素電極35A,35Bと対向電極37との距離(素子基板300と対向基板310との間の距離)であり、図5においては20μmである。ただし、20umに限る必要は無い。
図4および図5に示すように、第1基板30は厚さ0.5mmのガラス基板からなり、その表面上に厚さ300nmのアルミニウム(Al)からなるゲート電極41e(走査線66)が形成されている。そして、このゲート電極41eを覆うようにして第1基板30の表面全体に酸化シリコン膜からなる厚さ300nmのゲート絶縁膜41bが形成され、ゲート電極41eの直上に厚さ50nmのa−IGZO(In、Ga、Znの酸化物)からなる半導体層41aが形成されている。
このゲート絶縁膜41b上には、厚さ200nmのAlからなるソース電極41c(データ線68A,68B)およびドレイン電極41dがゲート電極41eおよび半導体層41aと一部重なるようにそれぞれ設けられている。ソース電極41cとドレイン電極41dとは半導体層41aに一部乗り上げるようにして形成されている。また、同じく厚さ200nmのアルミニウム(Al)からなる接続電極44A,44Bがゲート絶縁膜41b上に形成されている。これら接続電極44A,44Bはソース電極41cおよびドレイン電極41dと同時にパターン形成されるもので、接続電極44A(接続電極44B)は選択トランジスタTR1(選択トランジスタTR2)のドレイン電極41dに接続されている。
ここで、選択トランジスタTR1(選択トランジスタTR2)および接続電極44A,44B上にはこれらを覆うようにして、厚さ300nmの水素化窒化珪素膜からなる層間絶縁膜42Aと、厚さ1μmの感光性アクリルからなる層間絶縁膜42Bとがこの順で積層されている。層間絶縁膜42B上には、厚さ200nmのAlからなる反射電極13と、この反射電極13を覆うようにして、厚さ10μmの感光性アクリルからなる保護膜43とが形成されている。複数の画素電極35A,35Bは保護膜43の表面に配置される。
反射電極13は、上述したように画像表示部5におけるすべての画素40に共通して設けられるもので、画像表示部5の外側で電源と接続されている。ここで、反射電極13に散乱性を付与してもよい。この場合、反射電極13上に別途酸化膜を成膜してもよいし、反射電極13を構成する金属パターンを酸化させて構成してもよい。酸化物としては、例えば、アルミナ、チタニア等が挙げられる。
なお、層間絶縁膜42A,42Bおよび保護膜43の材料として、ここではアクリルを用いているがこれ以外の材料を用いることも可能であり、シリコン酸化膜等の無機絶縁膜、有機絶縁膜であってもよい。
保護膜43上には、サブ画素40A,40Bごとに、厚さ50nmのAlからなる複数の画素電極35A,35Bが設けられている。これら複数の画素電極35A,35Bのうち、画素電極35Aどうしは、保護膜43、層間絶縁膜42A,42Bおよびゲート絶縁膜41bの厚さ方向を貫通するコンタクトホールH1を介してここに接続される接続電極44Aによって互いに電気的に接続され、画素電極35Bどうしは、同じく上記各層を貫通して形成されるコンタクトホールH2を介して互いに電気的に接続されている。これら接続電極44A,44Bは、それぞれ選択トランジスタTR1,TR2のドレイン電極41dを延設してなることから、選択トランジスタTR1,TR2のスイッチが閉じたときに、各接続電極44A,44Bを通じて画素電極35A,35Bにそれぞれデータ線68A,68Bからの画像信号が供給される。よって、1画素内に配置された画素電極35Aおよび画素電極35Bは互いに独立に駆動されるようになっている。このように、第1基板30から画素電極35A,35Bまでの要素により、素子基板300が構成されている。
素子基板300上には、電気泳動層32A,32Bを介して対向基板310が対向配置されている。対向基板310は、厚さ0.5nmのガラス基板からなる第2基板31と、その電気泳動層32A,32B側の表面上に形成された厚さ100nmのITO(Al)からなる対向電極37とにより構成されている。
対向電極37は、素子基板300側に設けられた島状の複数の画素電極35A,35Bの面積の総和よりも広い面積を有し、少なくとも画素40(サブ画素40A,40B)内の表示に寄与する領域において一繋がりの電極(ベタ電極)となっている。対向電極37には、必要に応じて電極のない切欠部を設けてもよい。
ここで、対向電極37、画素電極35A,35Bに用いる電極の構成材料としては、実質的に導電性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、銅、アルミニウムまたはこれらを含む合金等の金属材料、カーボンブラック等の炭素系材料、ポリアセチレン、ポリピロール、またはこれらの誘導体等の電子導電性高分子材料、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエチレンオキシド等のマトリックス樹脂中に、NaCl、LiClO、KCl、LiBr、LiNO、LiSCN等のイオン性物質を分散させたイオン導電性高分子材料、インジウム錫酸化物(ITO)、フッ素ドープした錫酸化物(FTO)、錫酸化物(SnO)、インジウム酸化物(IO)等の導電性酸化物材料のような各種導電性材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、画素電極35A,35Bに用いる電極の材料として、金属、シリサイド、銀などのペースト等を用いて反射性を有するように構成してもよい。また、これら画素電極35A,35Bは、視認側とは反対側に位置するため必ずしも透明である必要はないが、ITOのような透明電極を用いることも可能である。
また、第1基板30および第2基板31としては、PET基板以外の有機絶縁基板や薄ガラス等の無機ガラス基板、あるいは無機材料および有機材料から複合基板を用いてもよい。
素子基板300と対向基板310との間には、隔壁64と、隔壁64によって分離された電気泳動層32A,32Bとが挟持されており、これら電気泳動層32A,32Bは、シリコーンオイルからなる透明な分散媒(第1分散媒)21中に、PETからなる2種類の帯電粒子が複数保持されてなる。
具体的には、図6に示すように、サブ画素40Aに対応する電気泳動層32Aは、青色の負帯電粒子(第2帯電粒子)26(B)と赤色の正帯電粒子(第1帯電粒子)27(R)とを有し、サブ画素40Bに対応する電気泳動層32Bは、緑色の正帯電粒子(第3帯電粒子)27(G)と黒色の負帯電粒子(第4帯電粒子)26(Bk)とを有する。このため、1画素内には4種類(4色)の粒子が保持されていることになる。
ここで、サブ画素40Aの電気泳動層32Aにおける2種類の帯電粒子の色として、赤、青、緑のいずれか2つの色(本実施形態では、赤と青)が選択されるものとし、サブ画素40Bの電気泳動層32Bにおける2種類の帯電粒子の色として、赤、青、緑のうち、サブ画素40Aにおける各粒子の色とは異なる色(本実施形態では緑)と、黒色が選択されている。また、黒色以外にも、他方の帯電粒子の色の補色の関係となる色であれば選択することができる。
分散媒21の材料としては、実質的に無色透明であることが好ましい。このような分散媒21としては、比較的高い絶縁性を有するものが好適に使用される。かかる分散媒21の材料としては、上記以外にも、例えば各種類(蒸留水、純水、イオン交換水等)、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール類、メチルセロソルブ等のセロソルブ類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ペンタン等の脂肪族炭化水素類、シクロへキサン等の脂環式炭化水素類、ベンゼン、トルエンのような長鎖アルキル基を有するベンゼン類等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ピリジン、ピラジン等の芳香族複素環類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、カルボン酸塩、流動パラフィンなどの鉱物油類、リノール酸、リノレン酸、オレイン酸等の植物油類、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル等のシリコーンオイル類、ハイドロフルオロエーテル等のフッ素系液体またはその他の各種油類等が挙げられ、これらを単独または混合物として用いることができる。分散媒21として気体や真空を用いても良い。
また、分散媒21中には、必要に応じて、例えば、電解質、界面活性剤、金属石鹸、樹脂材料、ゴム材料、油類、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、例えばチタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等カップリング剤やその他の分散剤、潤滑剤、安定化剤等の各種添加剤を添加するようにしてもよい。
分散媒21中に含まれる、帯電粒子、無帯電粒子および透明粒子は、それぞれいかなるものを用いることができ、特に限定はされないが、染料粒子、顔料粒子、樹脂粒子、セラミックス粒子、金属粒子、金属酸化物粒子またはこれらの複合粒子のうちの少なくとも1種が好適に使用される。これらの粒子は、製造が容易であるとともに、荷電の制御を比較的容易に行うことができるという利点を有している。
顔料粒子を構成する顔料としては、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック、チタンブラック等の黒色顔料、二酸化チタン、三酸化アンチモン、硫化亜鉛、亜鉛華等の白色顔料、モノアゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、イソインドリノン、黄鉛、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、チタンイエロー等の黄色顔料、モノアゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、キナクリドンレッド、クロムバーミリオン等の赤色顔料、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー、紺青、群青、コバルトブルー等の青色顔料、フタロシアニングリーン等の緑色顔料、フェロシアン化第二鉄等のシアン色顔料、あるいは無機酸化鉄等のマゼンタ色顔料等が挙げられる。無機顔料、有機顔料を用いることも出来る。
これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記顔料の代わりに染料を用いて染料粒子を構成できる。この場合は白色顔料に染料を混入させても良いし、着色の顔料と混ぜて用いても良い。例えばカルボニウム系のマゼンタ等の染料を用いることもできる。
また、樹脂粒子を構成する樹脂材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ系樹脂、ロジン樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、スチレンとアクリロニトリルを共重合したAS樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、複合粒子としては、例えば、顔料粒子の表面を樹脂材料で被覆したもの、樹脂粒子の表面を顔料で被覆したもの、顔料と樹脂材料とを適当な組成比で混合した混合物で構成される粒子等が挙げられる。また、分散媒21中に含まれる各種粒子としては、粒子の中心を空洞にした構造のものを用いても良い。このような構成によれば、粒子の表面で光を散乱させることに加えて、粒子内部の、空洞を構成する壁面においても光を散乱させることができ、光の散乱効率を向上させることが可能となる。よって、白、及びその他の色の発色性を向上させることができる。
また、このような電気泳動粒子の分散媒21中における分散性を向上させることを目的に、各粒子の表面に、分散媒21と相溶性の高い高分子を物理的に吸着させたり、化学的に結合させたりすることができる。これらの中でも、電気泳動粒子の表面からの離脱着の問題から、高分子が化学的に結合しているものが特に好ましい。かかる構成とすれば、電気泳動粒子の見かけの比重が小さくなる方向に作用して、電気泳動粒子の分散媒21での親和性、すなわち分散性を向上させることができる。
このような高分子としては、例えば、電気泳動粒子と反応性を有する基と帯電性官能基を有する高分子、電気泳動粒子と反応性を有する基と長鎖アルキル鎖、長鎖エチレンオキシド鎖、長鎖フッ化アルキル鎖、長鎖ジメチルシリコーン鎖等を有する高分子、および、電気泳動粒子と反応性を有する基と帯電性官能基と長鎖アルキル鎖、長鎖エチレンオキシド鎖、長鎖フッ化アルキル鎖、長鎖ジメチルシリコーン鎖等を有する高分子等が挙げられる。
上述したような高分子において、電気泳動粒子と反応性を有する基としては、例えば、エポキシ基、チオエポキシ基、アルコキシシラン基、シラノール基、アルキルアミド基、アジリジン基、オキサゾン基、およびイソシアネート基等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を選択して用いることができるが、用いる電気泳動粒子の種類等に応じて、選択するようにすればよい。
電気泳動粒子の平均粒径は、特に限定されないが、0.01〜10μm程度であるのが好ましく、0.02〜5μm程度であるのがより好ましい。
素子基板300および対向基板310の周縁部には、電気泳動層32A,32B(画像表示部5)の周囲全体を取り囲むように配置されたシール材(不図示)が形成されており、これら素子基板300、対向基板310およびシール材によって電気泳動層32A,32Bが封止されている。
次に、電気泳動表示装置の製造時における電気泳動層の形成工程のうち、電気泳動材料を注入する工程について述べる。
図7は、電気泳動材料を注入する工程を示す図である。
図7に示すように、隔壁64を介して素子基板300と対向基板310とを互いに対向配置させることによって、上記隔壁64により画像表示部5を2つの空間5a,5bに分離した後、これら各空間5a,5bに連通する注入口64a,64bからそれぞれ異なる電気泳動材料を注入する。
具体的には、まず、素子基板300上にポリイミドから成る隔壁形成材料を塗布して所定の厚さになるように成膜し、フォトリソグラフィーを用いてパターニングを行うことによって隔壁64を形成する。隔壁64の高さは、例えば10〜30μmである。この時点では、隔壁64はまだ完全にイミド化していない。
次に、素子基板300上に隔壁64を介して対向基板310を貼り合わせ、両基板300,310に圧力を加えながら220℃で90分間保持する。これで、隔壁64は完全にイミド化し、素子基板300と対向基板310とが隔壁64を介して接続される。
次に、隔壁64の注入口64aから青色の負帯電粒子26(B)および赤色の正帯電粒子27(R)が分散媒21中に保持されてなる電気泳動材料を注入し、注入口64bから緑色の正帯電粒子27(G)および黒色の負帯電粒子26(Bk)が分散媒21中に保持されてなる電気泳動材料を注入する。この際、素子基板300および対向基板310の全体を減圧下に配置して隔壁64によって区画形成された各空間5a,5b内の空気を排出し、減圧状態にしてから注入を行う。注入中に基板の周囲を大気圧に戻し、大気圧によって材料を加圧することによって注入スピードを向上させてもよい。そして、各空間5a,5b内が電気泳動材料によって満たされて、画像表示部5全体に電気泳動材料が注入された後は、各注入口64a,64bを紫外線硬化樹脂から成る封止材65によって封止する。これにより、空間5aに電気泳動層32Aが形成され、空間5bに電気泳動層32Bが形成される。
なお、素子基板300と対向基板310との接続方法は上記に限らない。一例として、感光性アクリル材料を塗布してフォトリソグラフィー工程を用いて隔壁64を形成し、対向電極37の表面に紫外線硬化樹脂が塗布された対向基板310を貼り合わせた後に、紫外線を照射することによって隔壁64を硬化させてもよい。この方法により、素子基板300と対向基板310とを接続してもよい。
あるいは、素子基板300上に、例えばフォトリソグラフィーを用いて接着性のあるスペーサーをパターン形成し、対向基板310を貼り合わせた後に素子基板300と対向基板310とを加圧、焼成しながら両基板を接続するようにしてもよい。
なお、素子基板300と対向基板310との間の各空間5a,5b内にそれぞれ異なる電気泳動材料を注入する際の注入経路は、上記した隔壁64によって規定されるが、図7に示したパターン以外のパターンを用いてもよい。例えば、隔壁64の第1外壁部64Aおよび第2外壁部64Bのそれぞれに広い注入口を設けて、短時間で注入作業が行えるように構成してもよい。
また、液晶表示装置のようにセルギャップが3μm程度の狭い空間内に粘度の高い液晶材料を注入する場合には、図7に示すような経路の長いパターンでは注入時間が長くなってしまい生産的ではない。しかし、電気泳動表示装置のようにセルギャップが厚く、例えば10μm以上のセルギャップを有する場合には、粘度の低い電気泳動材料であれば短時間で注入作業を行うことができ、生産的であり、実用的な方法となる。
よって、上記したような注入方式を用いることにより、生産性が高く、高精細な表示が可能な電気泳動表示装置100を実現することができる。
本実施形態の電気泳動表示装置100によれば、サブ画素40A,40B内にそれぞれ2種類の帯電粒子が保持されており、その結果、1つの画素40内に4色の帯電粒子が保持されている構成となっている。このため、1つの画素40を構成する2つのサブ画素40A,40Bにおいて互いに異なる表示を行えるので、これらの表示の組み合わせによって表現できる色は従来の装置とは比べものにならないほど多く、多様な表現を実現することができる。また、各粒子の波長に対する光の強度を制御してサブ画素40A,40Bにおける各表示色の階調を制御することにより、明度や彩度の調整も行えるため、フルカラーあるいはそれに近い表現を実現することができる。
また、サブ画素40Aには互いの波長領域が重なることのない色に着色された、透過粒子の帯電粒子26(B)と反射粒子の帯電粒子27(R)とが設けられているため、黒表示の際、外光はこれら帯電粒子26(B),27(R)において吸収されることとなり、いずれの粒子によっても吸収されずに外部にリークしてしまう光を減らすことができる。これにより、はっきりとした良好な黒表示を実現することができる。
また、対向基板310側から入射した光の一部が反射電極13によって反射されて、より明るい表示が可能になるとともに、特に、紙により近い白表示を実現することができる。
また、本実施形態では、電気泳動層として、マイクロカプセルや1サブ画素の4辺を囲むような多数の隔壁等の仕切りを用いずに構成されたものであることから、このような仕切りによる開口率の低下やコントラストの低下が小さく、高コントラストで明るいくっきりとした表現が可能となる。
次に、本実施形態の電気泳動表示装置の動作原理について述べる。
図8は、電気泳動表示装置の動作原理について示す図である。ここでは、1つのサブ画素に着目して説明する。
なお、実際には画素電極と反射電極とは異なる層に形成されているが、説明をわかりやすくするために、図8では反射電極を画素電極と同じ層に示している。
図示していないが、最初に画素電極35Aにマイナス電圧VLを印加し赤の正帯電粒子27(R)を画素電極35Aに集合させ、画素電極35Bにプラス電圧VHを印加し青の負帯電粒子26(B)を画素電極35Bに集合させる。
次に、図8に示すように、画素電極35Aおよび画素電極35Bに対してそれぞれ同じ大きさのマイナス電圧VLを印加すると、例えば画素電極35A上に赤色の正帯電粒子27(R)が複数吸着し、対向電極37上に複数の青色の負帯電粒子26(B)を分布させる事ができる。一方、画素電極35Aおよび画素電極35Bに対してそれぞれ同じ大きさのプラス電圧VHを印加すると、例えば画素電極35B上に青色の負帯電粒子26(B)が複数吸着し、対向電極37上に赤色の正帯電粒子27(R)が複数分布させる事ができる。
このように、画素電極35A,35Bのそれぞれに印加する電圧を介して、帯電粒子26,27を画素電極35A,35B側と対向電極37側とに非対象に分布させることによって表示を制御することができる。
図9は、観測側(対向基板側)から見たときに視認される着色粒子の面積による階調の違いについて示すサブ画素の概念図である。ここでは、分かりやすくするために赤色粒子のみを用いて説明する。
図9(a)は、マイナス電圧VLが印加された画素電極35A上に赤色の正帯電粒子27(R)が吸着した状態である。この状態で対向基板310側から見ると、赤色粒子の分布面積に応じた小さな赤色ドットと、反射電極13によって表現される白色とにより、若干赤みを帯びた白表示として見える。
図9(b)は、画素電極35Aに対してマイナス電圧Vl(Vl<VL)を印加して、図9(a)の状態において画素電極35A上に吸着していた正帯電粒子27(R)の一部を対向電極37側へと移動させた状態である。この状態で、対向基板310側から見ると、図9(a)の状態よりも大きい赤ドットが分布した状態となり、淡い赤色が表現される。
図9(c)は、電気泳動層32A側における複数の正帯電粒子27(R)のすべてを対向電極37側へと移動させた状態である。この状態で、対向基板310側から見るとサブ画素40Aの全体が赤色に見える。
このように、電気泳動表示装置では、対向基板310側から見たときに視認される着色粒子の面積により階調を制御するように構成されている。
次に、本実施形態の電気泳動表示装置における動作(表示方法)について述べる。
図10(a)は、白表示時における粒子の分布状態を示す図である。
サブ画素40A,40B内の各画素電極35Aにマイナス電圧VLを印加するとともに、各画素電極35Bにプラス電圧VHを印加する。これにより、サブ画素40Aにおける画素電極35A上に赤色の正帯電粒子27(R)を吸着させるとともに画素電極35B上に青色の負帯電粒子26(B)を吸着させ、また、サブ画素40Bにおける画素電極35A上に緑色の正帯電粒子27(G)を吸着させるとともに画素電極35B上に黒色の負帯電粒子26(Bk)を吸着させる。
このように、サブ画素40A,40B内の画素電極35A,35B上にすべての帯電粒子を集合させることにより、対向基板310側から電気泳動層32A,32B内へ入射した外光は粒子が吸着していない反射電極13において反射され、対向基板310側から観測者側へと出射する。これにより、明るい表示、すなわち明るい白表示が実現できる。
ここで、反射電極13の表面を酸化して形成した酸化物で構成しておくか、あるいは反射電極13の表面に酸化膜を形成しておくことによって、反射率が向上するだけでなく、反射光を乱反射させることができる。その結果、メタリックな反射ではなく、紙のような白色により近い白表示を実現できるようになる。
また、この状態は、電気泳動表示装置100の表示画像を切り換えるときのプリセット状態でもある。電気泳動材料はメモリー性を有するため、表示画像を書き換えるときに画像表示部5における表示全体を一度クリアにするプリセット動作を行い、粒子の分布状態をリセットする必要がある。このリセットされた状態(プリセット状態)を基準として、そこから新たな表示画像の書き換え動作を行う。
図10(b)は、赤表示時における粒子の分布状態を示す図である。
まず、先に述べたプリセット動作を実行して画素40(各サブ画素40A,40B)を白表示にした後、サブ画素40A内の画素電極35Aにプラス電圧VHを印加するとともに、画素電極35Bにもプラス電圧VHを印加した。これにより、プリセット状態から引き続き、画素電極35B上には青色の負帯電粒子26(B)が吸着した状態のまま保持され、プリセット時に画素電極35A上に吸着していた赤色の正帯電粒子27(R)はすべて対向電極37側へと移動して、サブ画素40Aが赤表示となる。一方、サブ画素40Bの各画素電極35A,35Bに対してはマイナス電圧VLをそれぞれ印加して、帯電粒子26(G)をすべて画素電極35A上に保持させておくとともに、帯電粒子27(Bk)を対向電極37側へとすべて移動させることで、サブ画素40Bが黒表示となる。
ここで、サブ画素40Aにおける赤色の正帯電粒子27(R)は透明粒子(透過粒子)であることから、対向基板310側から入射した外光は、正帯電粒子27(R)を透過した後に素子基板300側の反射電極13において反射されて、再度、正帯電粒子27(R)を透過して外部に出射する。この際、最初に透過する正帯電粒子27(R)において赤色以外の光の一部が吸収されて、赤色を含む光が反射電極13で反射される。そして、この反射光が再び正帯電粒子27(R)に入射することによって、赤色以外の光が再度吸収されるため、くっきりした赤い光のみが対向基板310側から外部に出て行くことになる。このため、サブ画素40Aは赤表示となる。
このときの出射光(表示画像)の明るさは反射電極13の面積に比例する。このため、画素電極35A,35Bが存在する領域にも反射性(散乱性)を付与することが好ましい。すなわち、反射電極13と同様に、画素電極35A,35Bに反射性を付与し、その表面を金属酸化物で構成してもよいし、金属層の表面を別途酸化させて酸化膜を形成してもよい。
ここで、透明粒子とは、可視光領域において特定波長領域の光を吸収し、それ以外の波長の光を散乱または透過させる粒子のことである。本実施形態においては、赤色の約600〜800nmの光を散乱または透過させている。なお、可視光以外の領域は不問とする。
上記したように、サブ画素40Aを赤表示、サブ画素40Bを黒表示とすることにより、画素40全体が赤表示となる。
図10(c)は、青表示時における粒子の分布状態を示す図である。
まず、プリセット動作を実行した後、サブ画素40A内の画素電極35A,35Bにマイナス電圧VLをそれぞれ印加して、赤色の正帯電粒子27(R)を画素電極35A上に保持させたままにするとともに、プリセット時に画素電極35B上に吸着していた青色の負帯電粒子26(B)を対向電極37側へとすべて移動させることにより、サブ画素40Aを青表示にする。一方、サブ画素40B内の画素電極35A,35Bには引き続きプリセット動作後に、図10(b)と同様の動作で黒表示とする。
ここで、青色の負帯電粒子26(B)は反射粒子であり、対向基板310側から入射した光の一部はこの負帯電粒子26(B)において反射される。具体的には、青色以外の光は負帯電粒子26(B)において吸収され、青色光のみが負帯電粒子26(B)において反射されて対向基板310側から出射する。このときの青表示の明るさは、対向電極37上に分布した青色の負帯電粒子26(B)の実行的な分布面積に比例する。そのため、十分な青色光の反射が行えるような範囲(厚さ)で、対向電極37上に青色粒子を2次元あるいは3次元的に分布させることが好ましい。
青色の負帯電粒子26(B)における青色光の反射率は極力高いことが望ましく、少なくとも60%以上、より好ましくは90%以上の反射率を有していることである。さらに、青色以外の光の反射率は低い程よく、できれば10%以下、より好ましくは5%以下が好適である。
また、少なくとも反射において拡散反射(乱反射)の成分を有していることが望ましい。ここで、反射粒子とは、可視光領域において特定波長領域の光を吸収し、それ以外の波長の光を散乱または反射させる粒子を指す。本実施形態においては、青色の波長、約400〜500nmの光を散乱または反射させている。なお、可視光領域以外は不問とする。
なお、緑色の正帯電粒子27(G)は反射粒子および透過粒子のいずれであってもよいが、本実施形態では透明粒子とした。
なお、反射粒子とする場合は、緑色光の反射率が極力高いことが望ましく、上記の青粒子と同様に、少なくとも60%以上、より好ましくは90%以上の反射率を有しているとともに、緑色以外の光の反射率は低い程よく、できれば10%以下、より好ましくは5%以下が好適である。
上記したように、サブ画素40Aを青表示、サブ画素40Bを黒表示とすることで、画素40全体が青表示となる。
図10(d)は、黒表示時における粒子の分布状態を示す図である。
黒表示を行う際においても、まずプリセット動作を実行する。プリセット動作を実行して画素40(各サブ画素40A,40B)を白表示にした後、サブ画素40Aの画素電極35Aにプラス電圧VHを印加して対向電極37側へ赤色の正帯電粒子27(R)をすべて移動させる。移動した複数の正帯電粒子27(R)は、対向電極37の表面を覆うように分布することになる。
その後、所定の時間をおいてから、画素電極35Bに対してマイナス電圧VLを印加して、対向電極37側へ青色の負帯電粒子26(B)をすべて移動させる。対向電極37側へと移動した青色の負帯電粒子26(B)は、対向電極37の表面上に分布している赤色の正帯電粒子27(R)の下側に配置され、これら正帯電粒子27(R)と重なるようにして3次元的に分布する。このように、対向電極37の直下にまず赤色の正帯電粒子27(R)を配置した後、これら正帯電粒子27(R)の直下に負帯電粒子26(B)を配置させる。
この状態だと、対向基板310側から入射した光は、まず透過粒子である赤色の正帯電粒子27(R)において赤色以外の光の一部が吸収されて青色の負帯電粒子26(B)に到達する。負帯電粒子26(B)に到達した光のうち、青色光以外の光、つまり赤色光は負帯電粒子26(B)において吸収される。また、正帯電粒子27(R)を透過することなく負帯電粒子26(B)に直接到達した外光は、そのうちの青色光のみが負帯電粒子26(B)において反射されて、それ以外の色の光は吸収される。負帯電粒子26(B)で反射された青色光は正帯電粒子27(R)において吸収される。このため、結果として黒表示となる。
一方のサブ画素40Bにおいては図10(b)と同様にプリセット動作後に黒表示とする。
また、サブ画素40Aを黒表示する正帯電粒子27(R)と負帯電粒子26(B)との移動を開始する時間のずれは上記に限らない。正帯電粒子27(R)を移動開始させ、まだ、対向電極37側に移動しきらない時に負帯電粒子26(B)を移動開始させても良い。
図11は、緑表示時における粒子の分布状態を示す図である。
まず、プリセット動作を実行して画素40(サブ画素40A,40B)を白表示にした後、サブ画素40Aの画素電極35A,35Bに対して当該サブ画素40Aを黒表示にする所定の電圧を、それぞれ時間差を設けて印加するとともに、サブ画素40Bの画素電極35A,35Bにプラス電圧VHをそれぞれ印加する。
これにより、サブ画素40Aでは、対向電極37上に分布する赤色の正帯電粒子27(R)の直下に青色の負帯電粒子26(B)が配置されて黒表示となる。サブ画素40Bでは、画素電極35B上に黒色の負帯電粒子26(Bk)が吸着するとともに、対向電極37上に緑色の正帯電粒子27(G)が広く分布して、緑表示となる。
つまり、サブ画素40Bでは、外光が対向電極37上に広く分布した透過性の緑色の正帯電粒子27(G)に入射して、緑色以外の光の一部が吸収される。正帯電粒子27(R)を透過した緑色光を含む光は反射電極13において反射された再び正帯電粒子27(G)へと入射し、緑色以外の光が吸収されて緑色光のみが外部に出射する。これにより、緑表示となる。
ここで、緑粒子を透過粒子としたが、反射粒子であってもよい。
次に、RGBそれぞれの低い明度(暗い色)表示する方法を示す。
図12(a)は、暗い緑表示における粒子の分布状態を示す図である。
プリセット動作の後、サブ画素40Aの画素電極35A,35Bに対して黒表示を実現する電圧をそれぞれ印加するとともに、サブ画素40Bの画素電極35Aに対してVh2(0<Vh2<VH)を印加して緑色の正帯電粒子27(G)の一部を対向電極37側に移動させ、さらに、画素電極35Bに対してVl2(0<Vl2<VL)を印加して黒色の負帯電粒子26(Bk)を対向電極37側に移動させた。ここで、対向電極37側へ移動する緑粒子の方が黒粒子よりも多くなるように各画素電極35A,35Bに対して印加する電圧の大きさを調整する。
この状態で対向基板310側から見ると、サブ画素40Bでは緑色の中に黒ドットが存在し、その結果、暗い緑表示となる。この緑色と黒色の面積を制御することで任意の明度を表現できる。また、各色の面積は、画素電極35A,35Bに印加する電圧の大きさ、印加時間の長短、電圧を印加するタイミングで制御することができる。この面積とは、対向電極37上に2次元、3次元的な広がりをすべて考慮した、観測者側(外部)から観察される実効的な面積である。このように、階調表示を行うことができるのは、サブ画素40A,40Bがそれぞれ複数の画素電極35A,35Bの集合体からなり、これら画素電極35A,35Bをそれぞれ独立に制御しているからである。
次に、赤粒子および青粒子による階調制御を行った際の表示を示す。
図12(b)は、暗い赤表示における粒子の分布状態を示す図である。
プリセット動作の後、まず、サブ画素40Aの画素電極35Bに対してプラス電圧VHを印加して赤色の正帯電粒子27(R)をすべて対向電極37側へと移動させる。その後、サブ画素40Aの画素電極35Bに対してマイナス電圧Vl(VL<Vl<0)を印加して青色の負帯電粒子26(B)の一部を対向電極37側へと移動させることにより、赤色の中に黒ドットを形成できる。その結果、サブ画素40Aが暗い赤表示となる。
一方、サブ画素40Bの各画素電極35A,35Bに対しては、黒表示となる電圧を印加しておく。
図12(c)は、暗い青表示における粒子の分布状態を示す図である。
プリセット動作の後、まず、サブ画素40Aの画素電極35Aに対してプラス電圧Vh(0<Vh<VH)を印加して赤色の正帯電粒子27(R)の一部を対向電極37側へと移動させる。その後、サブ画素40Aの画素電極35Bに対してマイナス電圧VLを印加して青色の負帯電粒子26(B)をすべて対向電極37側へと移動させることにより、青色の中に黒ドットが存在する。その結果、サブ画素40Aが暗い青表示となる。
一方、サブ画素40Bの各画素電極35A,35Bに対しては、黒表示となる電圧を印加しておく。
上記は一例であり、各粒子の分布面積および分布状態の制御は、画素電極35A,35Bに対してそれぞれ印加する電圧の大きさ、印加時間、印加タイミングによって制御する。
また、赤表示領域および黒表示領域における各面積は、対向基板310側(対向電極37上)における各色の帯電粒子の2次元あるいは3次元的な広がりをすべて考慮した、対向基板310側から観測される実効的な面積である。
次に、混色表示の例について述べる。
図13(a)は、暗いシアン表示における粒子の分布状態を示す図である。
ここでは、サブ画素40Aの画素電極35A,35Bに対して当該サブ画素40Aを暗い青表示にする電圧をそれぞれ印加し、サブ画素40Bの画素電極35A,35Bに対して当該サブ画素40Bを暗い緑表示にする電圧をそれぞれ印加する。
これらサブ画素40A,40Bによって画素40全体が暗いシアン表示となる。
図13(b)は、マゼンタ表示における粒子の分布状態を示す図である。
ここでは、サブ画素40Aの画素電極35A,35Bに対して当該サブ画素40Aをマゼンタ表示にする電圧をそれぞれ印加し、サブ画素40Bの画素電極35A,35Bに対して当該サブ画素40Bを黒表示にする電圧をそれぞれ印加する。
サブ画素40Aの画素電極35Aに対してプラス電圧Vh(0<Vh<VH)を印加するとともに、画素電極35Bに対してマイナス電圧Vl(VL<Vl<0)を印加する。このとき、対向電極37側へ移動する赤粒子および青粒子の分布面積が等しくなるように印加電圧を制御する。さらに、各画素電極35A,35Bに対して所定の電圧を同時に印加することによって、赤粒子と青粒子との重なりが少なくなるようにしている。これらサブ画素40A,40Bによって画素40全体がマゼンタ表示となる。
また、絶対値で異なる電圧を各画素電極35A,35Bに対して印加して、赤粒子と青粒子のどちらか一方を他方より早く対向電極37へと到達させてもよい。
なお、各色の粒子の重なりを少なくして黒表示領域を少なくすることができれば、各画素電極35A,35Bに対して電圧を印加するタイミングは同時に限らない。
また、赤粒子と青粒子のそれぞれの面積を変化させることでマゼンタの色調を制御することができる。
以上述べた方法によってフルカラーあるいはそれに近い表示が可能となる。
また、反射膜を設けで光の反射効率を高めることによってより明るい表示を実現でき、特に、紙に近い白表示が得られるようになる。
液晶表示装置のカラーフィルター方式においては、3つのサブ画素がRGBの表示となったときに画素全体が白表示となる。つまり、RGBの最大明度を足し合わせたものである。そのため、白色とカラーとのバランスが良好で自然な色が表現できる。
しかし、上述した本実施形態の電気泳動表示装置における表示方法では、2つのサブ画素40A,40Bの表示色の和によって白表示が得られるようにはなっていない。
白は独立に存在し、表示面積はサブ画素40A,40Bを合わせた面積であるため、各RGBの最大値を表示する面積の2倍となっている。このため、白表示に比べて他の表示色の明度が低く、暗いカラー表示となってしまう。
さらに、緑表示は、サブ画素40Bを用いて表現できるが、サブ画素40A内に赤粒子と青粒子が一緒に存在するため、赤表示および青表示にいたってはそれぞれの表示面積の和が規定されている。このため、明るい表示を実現できない。
これらの課題を解決する表示方法を以下に述べる。
(明るく淡い色の表示方法)
ここでは、白色を背景にしてRGBのいずれか色のドットを混在させることによって、明度の高い表示を可能とする。
図14(a)は、明るく淡い緑表示時における粒子の分布状態を示す図である。
プリセット動作の後、サブ画素40Bの画素電極35Bに対してプラス電圧VHを印加して黒粒子を画素電極35B上に保持させるとともに、画素電極35Aに対してプラス電圧Vh(Vh<VH)を印加して、緑色の正帯電粒子27(G)の一部を対向電極37側へと移動させる。これにより、一部の緑色の正帯電粒子27(G)は、画素電極35A上に位置する対向電極37の一部を覆うようにして小さな分布領域で配置される。緑色の正帯電粒子27(G)によって覆われない対向電極37の他の部分は透明であるため、入射した光は反射電極13によって反射されて白表示となる。
よって、サブ画素40Bは白色内に複数の緑ドットが混在することになり、画素全体として明るく淡い緑表示となる。
このとき、サブ画素40Aは黒表示となっているが、一部が白表示になるように各粒子26(B),27(R)の分布を制御することによって、より明るく淡い緑表示が可能となる。
図14(b)は、明るく淡い赤表示時における粒子の分布状態を示す図である。
プリセット動作の後、サブ画素40Bの画素電極35A,35Bに対してマイナス電圧VLを印加し、画素電極35A上に緑色の正帯電粒子27(G)をすべて吸着させるとともに、黒粒子を対向電極37側へとすべて移動させることによってサブ画素40Bを黒表示にする。一方、サブ画素40Aの画素電極35Aに対してプラス電圧VHを印加して青粒子を画素電極35B上に保持させるとともに、画素電極35Aに対してプラス電圧Vh(Vh<VH)を印加して、赤粒子の一部を対向電極37側へと移動させる。これにより、一部の赤色の正帯電粒子27(R)は、画素電極35A上に位置する対向電極37の一部を覆うようにして小さな分布領域で配置される。赤粒子によって覆われない対向電極37の他の部分は透明であるため、入射した光は反射電極13によって反射されて白表示となる。よって、サブ画素40Aは白表示内に複数の赤ドットが混在することになり、画素全体として明るく淡い赤表示となる。
図14(c)は、明るく淡いマゼンタ表示時における粒子の分布状態を示す図である。
プリセット動作の後、サブ画素40Bの画素電極35A,35Bに対してマイナス電圧VLを印加して黒表示にし、サブ画素40Aの画素電極35Aにマイナス電圧Vlを印加すると同時に、画素電極35Bに対してプラス電圧Vhを印加する。上記した通常のマゼンタ表示時に印加する電圧よりも小さい電圧を各画素電極35A,35Bに対して印加することによって、対向電極37が粒子で覆われていない透明エリア(白表示エリア)を確保する。よって、サブ画素40Aは、赤ドットと青ドットとの間に白表示エリアが存在することになり、画素全体として明るく淡いマゼンタ表示となる。
図14において片方のサブ画素と黒表示としたが、黒表示を灰色または白とすることでより淡く明るい色を表現できる。
以上の説明は帯電粒子を移動させる際の電圧印加方法の例示であり、他の方法も可能である。
例えば、反射電極13に印加する電圧は、基本的に対向電極37と同じ電圧である。しかし、この場合は、対向電極37から画素電極35A,35B側へと帯電粒子を移動させる際は問題ないが、画素電極35A,35B側から対向電極37側へと帯電粒子を移動させる動作のときに、反射電極13上に帯電粒子が移動してきてしまうことがある。これを避けるために、面方向における画素電極35A,35Bと反射電極13との距離を、対向電極37と画素電極35A,35Bとの距離(セルギャップd)よりも長くなるように設定する。または反射電極13上に絶縁膜を形成し、反射電極13の電位が帯電粒子に影響しないように設定する。
他の例として、反射電極13に交流電圧を印加する方法もある。そこでは、帯電粒子を対向電極37側へと移動させる時に、2フィールド用いて移動させる。例えば、プリセット後の最初のフィールドにおいて画素電極35A上に吸着していた正帯電粒子27(R)を対向電極37側へと移動させる際、画素電極35Aにプラス電圧を印加するとともに反射電極13に対してもプラス電圧を印加する。これで正帯電粒子27(R)が反射電極13上に移動することを防止できて、画素電極35A上から対向電極37側へとスムーズに移動する。すなわち、反射電極13上へ移動してきた正帯電粒子27(R)は反射電極13の電圧によってはじかれて、対向電極37へと移動するようになる。
また、次のフィールドにおいて、例えば、各サブ画素40A,40Bの画素電極35B,35B上に吸着していた負帯電粒子26(B),26(Bk)を対向電極37側へと移動させる際は、これら画素電極35B,35Bにマイナス電圧を印加するとともに反射電極13にもマイナス電圧を印加する。これにより、反射電極13上に移動してきた負帯電粒子26(B),26(Bk)がはじかれて対向電極37側へとスムーズに移動することとなる。
さらに、対向電極37側から画素電極35A,35B側へ各帯電粒子26(B),26(Bk),27(R),27(G)を移動させる場合には、反射電極13に対して対向電極37と同じ電圧を印加する。
このように、反射電極13に対して印加する電圧によって各帯電粒子のいずれかの移動制御の補助を行うことができる。
また、次の表示画像に書き換える場合(表示が同一の場合も含む)には、一度画像をリセットする。このとき、先の画像を表示する前に実行した第1のプリセット動作時に各画素電極35A,35Bに対して印加した電圧の極性と、次の画像を表示する前に実行する第2のプリセット動作時に各画素電極35A,35Bに対して印加する電圧の極性とを交換する。
これにより、各サブ画素40A,40B内では、画素電極35A,35Bと対向電極37とを含めた3つの電極によって完全な交流駆動が可能となる。したがって、各電極の腐食や電気泳動材料の劣化を防止することができる。
なお、上述した各電極に印加する電圧の大きさや印加タイミング等は一例であって、他の方法を用いることが可能である。例えば、階調表示を各画素電極35A,35Bに印加する電圧を含めて制御することなどが挙げられる。
図15は、視感度補正後の波長と光強度の分布概念図である。
図15に示すように、赤色の透明粒子と青色の反射粒子とでは、反射スペクトルが重ならない。重なった波長の光は、赤色粒子および青色粒子のいずれにおいても吸収されることなく外部に出射することとなるため、良好な黒表示を実現することができない。
また、重なる波長の光の光強度は他の光強度のMax値の10%以下が望ましい。なお、良好な黒表示を得るためには2%以下が望ましい。
次に、電気泳動表示装置の具体的な駆動方法について述べる。
以下の説明において、0Vとは、GND電圧あるいはVcomを意味する。
本実施形態の電気泳動表示装置は、1画素が2つのサブ画素からなるため、サブ画素ごとに説明する。ここでは、画像表示部のうち、最初に走査線で選択される画素の書き込み等の動作を示す。対向電極37はVcomである。
図16および図17は、マゼンタ表示を行う際のそれぞれサブ画素40A、40Bの駆動方法を示すタイミングチャート図である。
まず、プリセット期間T11において、走査線66(66A,66B)に選択電圧Vgh(選択トランジスタTR1,TR2をONにする電圧)を印加して、データ線68Aを介して画素電極35Aにマイナス電圧VLを印加するとともにデータ線68Bを介して画素電極35Bに対してプラス電圧VHすることにより、サブ画素40Aの各画素電極35A,35B上に帯電粒子26(B),27(R)をそれぞれ集合させる。同様にして、サブ画素40Bの各画素電極35A,35B上に帯電粒子26(G),27(Bk)をそれぞれ集合させる。これにより、各サブ画素40A,40Bが白表示となり、リセット状態となる。
次に、書き込み期間T12において、サブ画素40Aの画素電極35Aに対してプラス電圧Vh(0<Vh<VH)を印加すると同時に画素電極35Bに対してマイナス電圧Vl(VL<Vl<0)を印加して、画素電極35A上に吸着していた赤色の正帯電粒子27(R)の一部、画素電極35B上に吸着していた青色の負帯電粒子26(B)の一部を対向電極37側へと移動させる。ここで、対向電極37上における青色の負帯電粒子26(B)と赤色の正帯電粒子27(R)の分布領域はそれぞれ略等しく、これによって赤色と青色との混色表示、すなわちマゼンタ表示となる。
一方、サブ画素40Bの画素電極35Aに対してはプリセット動作から引き続いてマイナス電圧VLを印加することによって、画素電極35A上に緑色の正帯電粒子27(G)を保持させる。ここで、画素電極35Bに対してもマイナス電圧VLを同時に印加することによって画素電極35B上に吸着していた黒色の負帯電粒子26(Bk)を対向電極37側へとすべて移動させる。これにより、サブ画素40Bは黒表示となる。
このように、サブ画素40Aをマゼンタ表示、サブ画素40Bを黒表示とすることで、画素全体がマゼンタ表示となる。
その後、画像保持期間T13において、サブ画素40A,40Bの各データ線68A、68B、各画素電極35A,35Bを0VあるいはVcomにし、各粒子26(B),27(R),26(Bk),27(G)の分布状態、すなわち各サブ画素40A,40Bの表示状態を保持する。
尚、電気泳動表示装置100の電源スイッチが入っていれば各データ線68A、68B、各電極35A,35B,37にGND電位が入力され、電源スイッチが切ってあればフローティング状態となる。
次に、プリセット動作を実施する。
このプリセット動作は、画像を書き換える際に実施するもので、連続表示を行う場合にも同様に行う。
例えば、連続してマゼンタ表示を行う場合には、先のプリセット動作時とは異なる極性の電圧を各サブ画素40A,40Bの画素電極35A,35Bにそれぞれ印加して極性を逆転させる。これにより、各画素電極35A,35B上にそれぞれ先のプリセット動作時とは異なる色の粒子が吸着し、表示がリセットされる。
次に、書き込み期間T22において、画素電極35Aに対してマイナス電圧Vl(VL<Vl<0)を印加すると同時に、画素電極35Bに対してプラス電圧Vh(0<Vh<VH)を印加し、画素電極35A上に吸着していた青色の負帯電粒子26(B)の一部、画素電極35B上に吸着していた赤色の正帯電粒子27(R)の一部をそれぞれ対向電極37側へと移動させることによって、先の表示と同様のマゼンタ表示となる。
サブ画素40BはT12と逆極性の電圧を画素電極35A,35Bに印加して黒表示となる。
その後、画像保持期間T23において、各サブ画素40A,40Bの画素電極35A,35Bを0Vにし、各粒子26(B),27(R),26(Bk),27(G)の分布状態、すなわち画素の表示状態を保持する。
次に、連続して黒表示を行う際の駆動方法を説明する。ここで対向電極37の電位はVcomである。
図18は、黒表示を連続して行う際の駆動方法を示すサブ画素40Aのタイミングチャート図である。図中1本の走査線66の選択期間を図16,図17より長く取ってある。これは図示する上でわかりやすくするためである。また、サブ画素40Bは図17において走査線の選択期間を図18と同じにしたものとなる。
まず、プリセット期間T11において、走査線66A,66Bに選択電圧Vghを印加することによりデータ線68A,68Bを介して、各サブ画素40A,40Bの画素電極35Aにマイナス電圧VLを印加するとともに画素電極35Bにプラス電圧VHを印加する。これにより、各画素電極35A,35B上に帯電粒子26(B),27(R)、26(Bk),27(Bk)をそれぞれ集合させ、リセット状態にする。
次に、書き込み期間T12において、まず、サブ画素40Aにおいては、画素電極35Aに対してプラス電圧Vを印加すると同時に画素電極35Bを0V(Vcom)にして、画素電極35A上に吸着した赤色の正帯電粒子27(R)のみを対向電極37側への移動動作を行なう。その後、所定の時間(図18中の「書き込み時間差」)をおいて、画素電極35Bに対してマイナス電圧VLを印加して、画素電極35B上に吸着していた青色の負帯電粒子26(B)をすべて対向電極37側への移動動作を行い、先に対向電極37の表面上に分布させておいた赤色の正帯電粒子27(R)の下方に配置させる。その結果、サブ画素40Aが黒表示となる。
一方、サブ画素40Bにおいては、画素電極35A,35Bに対して同時にマイナス電圧VLを印加することで黒色の負帯電粒子26(Bk)のみを対向電極37側へと移動させ、黒表示にする。このように、黒表示とされた各サブ画素40A,40Bにより画素全体が黒表示となる。
その後、画像保持期間T13において各サブ画素40A,40Bの各データ線68A、68B、画素電極35A,35Bを0Vにし、各粒子26(B),27(R),26(Bk),27(G)の分布状態、すなわち画素の表示状態を保持する。
なお、電気泳動表示装置の電源スイッチが入っていれば各データ線68A、68B、各電極35A,35B,37にGND電位が入力され、電源スイッチが切ってあればフローティング状態となる。
次に、プリセット期間T21を実行する。
ここでは、先のプリセット動作時とは異なる極性の電圧を各サブ画素40A,40Bの画素電極35A,35Bに対して印加する。つまり、画素電極35Aに対してプラス電圧VHを印加するとともに、画素電極35Bに対してマイナス電圧VLを印加して、先のプリセット動作時に各画素電極35A,35Bに印加した電圧の極性を逆転させる。これにより、各画素電極35A,35B上に先のプリセット動作時とは逆の色の粒子が集合して、表示がリセットされる。
次に、書き込み期間T22において、まず、画素電極35Bに対してプラス電圧VHを印加すると同時に画素電極35Aを0Vにして、画素電極35B上に吸着した赤色の正帯電粒子27(R)のみを対向電極37側へと移動させる。その後、所定の時間(「書き込み時間差」)をおいて、画素電極35Aに対してマイナス電圧VLを印加して、画素電極35A上に吸着していた青色の負帯電粒子26(B)をすべて対向電極37側へと移動させ、先に対向電極37の表面上に分布させておいた青色の負帯電粒子26(B)の下方に配置させる。その結果、黒表示となる。
その後、画像保持期間T23において各データ線68A、68B、各画素電極35A,35Bを0Vにし、各帯電粒子26(B),27(R)の分布状態、すなわち画素の表示状態を保持する。
図18のT12、T22中の「書き込み時間差」の時に、青粒子を放出する画素電極35A、35BにVcomが印加されているが、その電圧に限らない。画素電極35A、35Bに集合した青粒子を保持する電圧であれば何でも良い。
ここでは、表示を切り換える際に実施するプリセット動作において、各画素電極35A,35Bに印加する電圧の極性を逆転させる動作は、単数画面毎だけでなく、複数画面の書き換え毎に行ってもよい。
プリセット動作時に各帯電粒子を各画素電極側へと確実に引き寄せるために大きな電圧が印加され、画像書き込み時にはその逆極性で絶対値が同等以下の電圧が印加される。そのため、プリセット動作ごとに各画素電極に同じ極性の電圧を繰り返し印加すると、画素電極35A、35Bと対向電極37との間に直流電圧が印加されてしまう。これは、電極の腐食や電気泳動材料の劣化の要因になる。このため、各画素電極に印加する電圧の極性を異ならせた、第1プリセット動作と第2プリセット動作とを交互に用いることによって上記したような課題を解決することができる。
また、書き込み期間T12,T22において、画素電極35A,35Bに電圧を印加するタイミングに差を設ける方法は上記方法に限らない。例えば、赤粒子を移動させるフィールドと、青粒子を移動させるフィールドとを異ならせてもよい。また、画素電極35A、35Bに印加する電圧の絶対値や印加時間を両画素電極35A,35B間で変えて、粒子の移動速度を制御して、赤と青粒子の対向電極37上の粒子の積層順を制御しても良い。
なお、上記プリセット期間T11、T12においては、走査線を順次選択して画像データを書き込む方法を用いたが、画面全体に設けられた全ての走査線を一括選択して全ての走査線に同時に画像データを書き込む方法を用いてもよい。
また、複数の走査線を同時に選択して、これら複数の走査線ごとに一括して画像データを書き込む方法を用いてもよい。
さらに、図16〜図18には示していないが、反射電極13に対して、例えば、画素電極35A,35Bのいずれかの電圧、あるいは対向電極37と同一の電圧を印加して、各色の粒子26(B),27(R),26(Bk),27(G)の移動を制御してもよい。
また、電気泳動表示装置100の駆動方法は、上記に限らず、他の駆動方法を用いることが可能である。
次に、他の駆動方法について述べる。
(黒表示の変形例1)
図19(a)は、変形例1における黒表示時の帯電粒子の分布状態を示す図である。
ここでは、各サブ画素40A,40Bの画素電極35A,35Bに対して互いに異なる極性の電圧を印加してプリセット動作を行った後、サブ画素40Aの画素電極35A,35Bに対してプリセット動作時とは反極性の電圧をそれぞれ同時に印加して、すべての赤色の正帯電粒子27(R)と青色の負帯電粒子26(B)とを対向電極37側へと同時に移動させた。これら正帯電粒子27(R)および負帯電粒子26(B)は、混合した状態で対向電極37上に2次元、3次元的に分布し、両粒子がランダムに対向電極37に接するように存在する。すると、観測者側では、対向電極37と接する青粒子の反射が少し見えるため、サブ画素40Aは青っぽい黒表示となる。
一方、サブ画素40Bの画素電極35A,35Bに対してはそれぞれマイナス電圧VLを印加することによって、黒表示にする。
このように、サブ画素40Aは若干青味がかった黒表示ではあるが、サブ画素40Bが完全な黒表示であるため、画素全体として黒に近い表示を行うことが可能である。
(黒表示の変形例2)
図19(b)は、変形例2における黒表示時の帯電粒子の分布状態を示す図である。
上記したプリセット動作を実施した後、青粒子を分散媒21中に浮遊させる電圧を印加する。
具体的には、画素電極35Aに対してプラス電圧VHを印加してすべての赤色の正帯電粒子27(R)を対向電極37側へと移動させた後、画素電極35Bに対して青色の負帯電粒子26(B)が対向電極37側へ到達しない程度の小さな電圧Vlを印加する。このように、青粒子を動かす電圧を小さくすることによって青粒子を分散媒21中に浮遊させる。この状態でも黒表示は可能である。
つまり、対向基板310側から入射した外光のうち赤色光以外の光の一部が正帯電粒子27(R)を透過して、赤色粒子の下方で浮遊している青色の負帯電粒子26(B)へ到達する。そして、この青粒子において青色光のみが反射されてそれ以外の色の光は吸収される。ここで反射された青色光は再び赤色粒子へ入射して吸収されることになる。これにより、サブ画素40Aは黒表示となる。
一方、サブ画素40Bの画素電極35A,35Bに対してはそれぞれマイナス電圧VLを印加して黒粒子を対向電極37上に分布させ、サブ画素40Bを黒表示にする。
このように、黒粒子を分散媒21中に浮遊させた状態であってもサブ画素40Aを黒表示にすることができ、結果として、画素全体を黒表示にできる。
(黒表示の変形例3)
図19(c)は、変形例3における黒表示時の帯電粒子の分布状態を示す図である。
ここでは、サブ画素40A内の青粒子を画素電極35B上ではなく反射電極13上に吸着させることによって表示を行った。
プリセット動作後、サブ画素40Aの画素電極35Aにプラス電圧VH、対向電極37にGND電圧を印加して、赤色の正帯電粒子27(R)を対向電極37側へ移動させる。また、同時に、画素電極35Bにマイナス電圧VL、反射電極13にプラス電圧を印加することによって、青色の負帯電粒子26(B)を反射電極13上に吸着させる。なお、他の電圧印加方法も適用可能である。
これにより、対向基板310側から入射した外光はまず赤粒子に入射し、赤粒子を透過した光が反射電極13上の青粒子に到達する。そして、青粒子において反射された青色光は赤粒子において吸収されるため、結果として黒表示となる。
(暗い赤表示)
図20(a)は、暗く淡い赤い表示時における粒子の分布状態を示す図である。
暗く赤い表示を行う場合には、プリセット動作後、サブ画素40Aの画素電極35Aに対してプラス電圧Vh(0<Vh<VH)を印加すると同時に画素電極35Bを0V(Vcom)にして、画素電極35A上に吸着した赤色の正帯電粒子27(R)の多くを対向電極37側へと移動させる。このとき、一部の赤粒子が画素電極35Aに吸着した状態となるような電圧を印加する。
その後、所定の時間をおいて、画素電極35Bに対してマイナス電圧Vl(VL<Vl<0)を印加して、画素電極35B上に吸着していた青色の負帯電粒子26(B)の一部を対向電極37側へと移動させ、先に対向電極37の表面上に分布させておいた赤色の正帯電粒子27(R)の下方に配置させる。ここで、対向電極37側で分布する各色粒子の割合として赤粒子の方が青粒子よりも多くなる電圧を印加する。
これにより、対向基板310側から見ると、サブ画素40Aのうち赤粒子のみが分布する領域での赤表示と、赤粒子および青粒子が重なる一部領域での黒ドット表示さらに粒子が存在しない領域の白表示とにより、結果として暗く淡い赤い表示が表現される。なお、サブ画素40Bが黒表示であることから、画素全体としてはより暗い赤表示となる。
このように、粒子の分布、配置状態の組み合わせを制御することによって、明度、彩度、色相の制御が可能となる。
(緑表示の変形例)
図20(b)は、緑表示の変形例における粒子の分布状態を示す図である。
ここでは、反射粒子からなる緑粒子を用いた。
プリセット動作後、サブ画素40Aの画素電極35Aにプラス電圧VHを印加した後、所定時間をおいて、画素電極35Bにマイナス電圧VLを印加することによって、対向電極37上に分布する赤粒子の直下に青粒子を分布させ、サブ画素40Aを黒表示にする。
一方、サブ画素40Bの画素電極35A,35Bに対してそれぞれプラス電圧VHを印加することによって、緑粒子のみを対向電極37側へと移動させる。この状態で、対向基板310側からサブ画素40Bに入射した光は対向電極37上に分布する緑粒子において緑色光以外の光のすべてあるいは一部が吸収されて、緑色光のみが反射する。このため、サブ画素40Bは緑表示となる。
(赤表示の変形例)
図20(c)は、赤表示の変形例における粒子の分布状態を示す図である。
ここでは、サブ画素40A内の赤粒子の量を青粒子よりも増加させ、乱反射を用いて赤を表示する原理を採用した。
プリセット動作後、サブ画素40Aの画素電極35Aにプラス電圧VH、画素電極35Bにマイナス電圧VLを印加し、サブ画素40Bの画素電極35A,35Bにマイナス電圧VLを印加する。これにより、サブ画素40Aを赤表示、サブ画素40Bを黒表示にする。サブ画素40A内では対向電極37上に多くの赤粒子が積層状態で分布しており、これら多層の赤粒子により乱反射が生じ、結果として、赤色光が外部に出射するように設定してある。これにより、サブ画素40Aは赤表示となる。つまり、光が複数の赤粒子を透過することによって指向性のない乱反射となり、かつ対向電極37近傍でこの現象が起こる為、視野角の広い赤表示となる。
また、赤粒子の量を増加した構成において黒表示を行う際には、図21に示すように、サブ画素40Aの画素電極35Aに対して所定のプラス電圧を印加して、赤粒子の一部を画素電極35A上に保持させるとともに、その他多くの赤粒子を対向電極37側へと移動させる。その後、所定の時間をおいて画素電極35Bに対してマイナス電圧VLを印加することによって、先に対向電極37上に分布させた赤粒子の直下に青粒子を分布させる。
これにより、対向基板310側から入射した外光が赤粒子、青粒子、赤粒子の順に到達し、結果として黒表示となる。ここで、黒表示も対向電極37近傍で黒色を作成しているため視角が広い。もちろん青表示も対向電極37近傍で光が反射するため視角が広い。
ここで、図20(c)のサブ画素Bを反射性の緑と黒粒子を用いると同様の理由で視角が広くなる。
これらにより視角の広い電気泳動表示装置を実現できる。
以上述べたように、本実施形態の電気泳動表示装置100では、サブ画素40A,40Bにおける各帯電粒子の分布状態を制御することによって、サブ画素40Aとサブ画素40Bとで異なる表示を行うことができ、これら異なる表示の組み合わせによって多様な表現を実現することができる。
そして、各サブ画素40A,40Bにおける画素電極35A,35Bのそれぞれに対する電圧の印加条件(印加時間、印加タイミング、印加電圧の大きさ等)を制御することにより、各サブ画素40A,40Bにおいて表現される表示色に加えてさらにそれら表示色の階調表現を実現することができ、明度や彩度の調整も行えるため、フルカラーあるいはこれに近い表現を実現することができる。
また、各サブ画素40A,40Bにおいて各画素電極35A,35B上から対向電極37側へと正負の帯電粒子をそれぞれ移動させる際、反射電極13に対して移動対象の帯電粒子をはじく電位を入力することによって、反射電極13上に帯電粒子が移動してきてしまうのを防止でき、その結果、対向電極37側へと帯電粒子をスムーズに移動させることができる。これにより、表示の切り換えを短時間で安定して行えるようになる。
また、サブ画素40Aにおいて黒表示を得る際には、透過性を有する赤色の正帯電粒子27(R)を先に移動させて、反射性を有する青色の負帯電粒子26(B)よりも対向電極37側に配置させることにより、対向基板310側から入射した外光を各粒子において吸収させることができて良好なはっきりとした黒表示が実現される。
また、単数あるいは複数画面の書き換えごとに第1プリセット動作と第2プリセット動作とを交互に実施することによって、画素電極35A,35Bと対向電極37との間に、それぞれ直流電圧が印加されることを防止して、電極の腐食や電気泳動材料の劣化を抑制することができ、高信頼性の電気泳動表示装置100となる。
(第2実施形態の電気泳動表示装置)
図22は、第2実施形態の電気泳動表示装置の構成を示す部分断面図である。
図22に示すように、本実施形態の電気泳動表示装置102では、第1基板30側において、ゲート絶縁膜41b上に形成された選択トランジスタTR1,TR2と、画素電極35A,35Bに接続される接続電極44A,44Bと、を覆うようにして層間絶縁膜42Aが形成されており、さらにこの層間絶縁膜42A上に厚さ1μmの層間絶縁膜53が形成されている。本実施形態における層間絶縁膜53の表面53aは凹凸形状とされており、層間絶縁膜42Aとは反対側の電気泳動層32A,32B側へと突出する複数の凸部53Aを多数有している。これら複数の凸部53Aは少なくとも1つの画素内に存在し、各凸部53Aの平面視形状や断面形状、高さ等は不均一とされているとともに、その位置もランダムな配置とされている。
このような層間絶縁膜53上には、表面53aの形状に倣うようにして所定の厚さの反射電極13が設けられている。反射電極13はAlなどを用いて形成され、その膜厚は層間絶縁膜53の厚さに比べて薄く、層間絶縁膜53の表面53aすなわち凸部53Aの外形を反映させた形状となっている。これにより、反射電極13の表面13aが散乱面となり、白表示における外光の正反射を軽減することができる。また、光を散乱させることで、より表示色の発色性を向上させることができる。
なお、反射電極13上に形成された保護膜43は平坦化膜として機能している。
(第3実施形態の電気泳動表示装置)
図23は、第2実施形態の電気泳動表示装置の構成を示す部分断面図である。
図23に示すように、本実施形態における電気泳動表示装置103は、素子基板300の表面(電気泳動層側の面)に島状の画素電極が設けられておらず、各サブ画素40A,40Bにおける選択トランジスタTR1,TR2のドレイン電極41dにそれぞれ接続された接続電極44A,44Bの一部が島状の画素電極として機能する点において先の実施形態とは異なっている。
本実施形態では、接続電極44A,44B上を覆っている層間絶縁膜42A,42Bおよび保護膜43に、各接続電極44A,44Bを部分的に露出させるための平面視円形状を呈する貫通孔49が複数形成されている。接続電極44A,44BはAlからなり、反射性を有している。このため、それぞれに印加される電圧によって帯電粒子の移動を制御するとともに外光を対向基板310側へと反射させる作用も含む。
反射電極13上には保護膜43が形成されている。このため、帯電粒子には、反射電極13から保護膜43を介して画素電極よりも低電位が印加されることになる。よって、反射電極13上、すなわち保護膜43上に帯電粒子が付着することが防止される。このため、保護膜43の厚さは、帯電粒子の移動制御に影響を与えることなく、これら帯電粒子の吸着を防止することができる値に設定される。ここで、保護膜43は、厚さ2μm以上、より好ましくは10μm以上である。または、セルギャップの5%以上、より好ましくは50%以上である。
なお、反射電極13は、画像表示部5の略全体にベタ状に形成されており、各画素において共通の構成となっているが、画素ごとに独立して設けてもよい。この場合は、反射電極13を、貫通孔49を介して下層の接続電極44A,44Bと電気的に接続させておく。ここで、各サブ画素内において、複数の反射電極13ごとに2つのグループに分け、第1グループにおける複数の反射電極13どうしを接続電極44Aを介して互いに接続させ、第2グループにおける複数の反射電極13どうしを接続電極44Bを介して互いに接続させることにより、各グループの複数の反射電極13ごとに互いに独立して駆動させることが可能となる。
さらに、反射電極13が帯電粒子に印加される電圧は常に接続電極44A,44Bに印加される電圧よりも小さく、同極性のものとなる。このため、反射電極13の電位が帯電粒子の移動を阻害することがなくなる。
(第4実施形態の電気泳動表示装置)
図24は、第4実施形態の電気泳動表示装置の画像表示部における画素構成の一部を拡大して示す概略図である。
先の実施形態では、隔壁の両側に存在するサブ画素40Aとサブ画素40Bとによって1つの画素40をなす構成について述べたが、本実施形態では、画像表示部5に配列された複数のサブ画素40A,40Bのうち、データ線の配列方向(水平方向)で隣り合うサブ画素40A,40B同士の間に隔壁64(内壁部64C)が設けられている。このように、データ線68A,68B(図1(b))の配列方向で隣り合うサブ画素40Aとサブ画素40Bとの間にこれらを仕切る隔壁64を複数設けた構成としてもよい。
なお、隔壁の構成は上記したものに限らず、走査線66の配列方向で隣り合うサブ画素40A,40B同士の間に隔壁64を配置して、各サブ画素40A,40Bを仕切っても良い。
(変形例1)
図25(a)は、暗い赤表示時における粒子の分布状態を示す図、(b)は、マゼンタ表示時における粒子の分布状態を示す図である。
図10,11,12,13,14等で示したように、これまでは画素電極35A,35Bから対向電極37に移動する粒子はほとんど全てが対向電極37近傍に位置するとの説明を行なってきた。しかし、実際には一部の粒子が分散媒21中に位置することもある。これを示した例が図25(a)、(b)である。
図25(a)は図12(b)の変形例である。青の負帯電粒子26(B)の一部が分散媒21中に位置している。その結果、暗い赤表示が得られる。
図25(b)は図13(b)の変形例である。赤と青の帯電粒子27(R)、26(B)の一部が分散媒21中に位置している。その結果、マゼンタ表示が得られる。
この状態においても、対向電極37の視認側から見た粒子の実効的分布の面積により階調や混色を表示できる。
また、図示しないが、図10(a)の白状態においても一部の粒子が分散媒21中に位置する状態であっても良い。
(変形例2)
図26は、電気泳動表示装置の変形例2を示す部分断面図である。
図26に示すように、ここでは、Alから成る反射フィルム(反射電極)80が第1基板30の裏面に設けられている。この反射フィルム80は、透明接着剤を介して第1基板30の裏面に貼り合わされている。なお、反射フィルム80の代わりにAl等の金属を第1基板30の裏面上に直接形成しても良い。また、本例では、選択トランジスタTR1、TR2側に反射フィルムを設けないために保護膜43を用いていない。
このように、素子基板300の裏面側に反射フィルム80を設ける構成であれば、反射フィルム80をベタ状に形成することができるので反射性が高まるとともに製造が容易になる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
以上の説明では、サブ画素40A内に赤色の正帯電粒子27(R)および青色の負帯電粒子26(B)が保持されているとともに、サブ画素40B内に緑色の正帯電粒子27(G)および黒色の負帯電粒子26(Bk)が保持された構成となっているが、各サブ画素40A,40B内に保持させる色粒子の組み合わせは上記したものに限らない。例えば、一方のサブ画素内には、RGBのうちのいずれか2色の粒子を保持させ、他方のサブ画素内にはRGBの残りの1色と黒粒子とを保持させることができる。
サブ画素内に保持させる各粒子の色としては、光漏れを生じさせない波長の色を選定し、各組み合わせにおける色粒子同士の透過または反射強度は互いに重ならないものとする。つまり、補色の関係の2色を用いることが可能である。
また、補色でなくても透過または反射強度が重ならなければどういう組み合わせでも良い。例えばサブ画素Aの赤、青の代わりに緑っぽい赤、緑っぽい青を、サブ画素Bに赤青っぽい緑を用いて明るい表示を実現できる。
さらにサブ画素Bにおいて補色の関係のような2粒子を用いる際は、それらが透過性と反射性の組み合わせの構成で、かつ透過性と反射性の波長の関係が第1の実施形態のサブ画素Aと同等とする。これにより同様の構成、手段を用いて黒表示を行う事ができる。
また、先にも述べたがサブ画素Bにおいて黒とその他の色の組み合わせのときはその他の色は透過性、反射性どちらでも構わない。
また、他方のサブ画素内に保持する2粒子の色の選定も同様の考え方で行う。
例えば、一方のサブ画素内に赤粒子と青粒子とを保持させ、他方のサブ画素内に緑粒子とマゼンタ粒子とを保持させた場合、R,G,B、マゼンタの4色域でのカラー表示が行える。さらに、マゼンタは、赤と青の波長を持っているため、赤色表示と青色表示を行った際に、これら各表示が暗くなるという課題を解決することも可能である。
また、先の実施形態では、各サブ画素において、それぞれ、透明な分散媒21中に互いに異なる色に着色された2種類の粒子が保持されてなる電気泳動層をそれぞれ備えた構成となっていたが、一方のサブ画素における電気泳動層を、1種類の着色粒子と、当該着色粒子の色とは異なる色に着色された着色分散媒(第2分散媒)とにより構成してもよい。
例えば、図27(a)は、緑の分散媒21中に、黒色の帯電粒子を保持してなる電気泳動材料を用いたものである。粒子が1種類になるのでサブ画素Bの選択トランジスタTRは1つになる。これが今までのものと異なる。
また、図27(b)は黒色分散媒21に緑色の帯電粒子を用いた電気泳動材料ものである。ここでは黒色分散媒21なので反射電極13も不要に成る。
これらサブ画素Bにおける粒子は透過性、反射性はどちらでも構わない。
このような構成においても、上記実施形態と同様に、各サブ画素において異なる表示を行うことができるので、これらの表示の組み合わせによる多様な表現を実現できる。
また、1つの画素40を構成する2つのサブ画素40A,40Bの面積比を異ならせてもよい。例えば、赤粒子および青粒子が保持されたサブ画素40Aの面積を、緑粒子および黒粒子が保持されたサブ画素40Bの面積よりも広く設定することによって、赤表示あるいは青表示を行った際に暗くなることを防止できる。
また、図28に示すように、赤色および青色の波長域を広げて明るい粒子とし、赤表示あるいは青表示を行った際に暗くなる課題を解決してもよい。この時に、緑色の波長域を赤色の波長領域および青色の波長領域と重ならない領域だけに設定すると暗くなる。赤、青と一部重なるように設けても良い。500nm以下や600nm以上の波長域にまで広げることでさらに明るくできる。
このように、各サブ画素40A,40B内に保持させる色粒子の組み合わせや極性は特に限定しない。
帯電粒子を対向電極37近傍に位置させることで表示を行うが、対向電極37や画素電極35A、35Bにおいて粒子位置のメモリー性を持たせることで表示のメモリー性を持たせる事ができる。
また、上記実施形態においては、画素40(サブ画素40A,40B)が白表示の状態をプリセット状態としたが、画素40(サブ画素40A,40B)が黒表示の状態をプリセット状態として用いることも可能である。プリセットとは基準となる状態であるので、それが再現でき、次に表示する状態も再現良く制御することができれば、上記の状態に限らず用いることができる。
また、サブ画素全体を黒表示にする際、あるいはサブ画素の一部領域を黒表示にする際に、各画素電極35A,35Bに対して電圧を印加するタイミングに差を設けて赤粒子および青粒子の分布状態を制御するとしたが、各画素電極35A,35Bに対して電圧を印加する際に印加時間差や電圧差を組み合わせることによって、黒表示となる赤粒子および青粒子の分布状態を実現してもよい。
さらに、以上の説明に用いた色、極性および駆動方法は一例であって、基本的な考え方に沿うものは同様の発明と考えられる。
また、画素電極35A,35Bの平面形状は上記したものに限らず、ストライプ、楕円、多角形等を用いてもよい。2種類の帯電粒子を対向電極37上に分布させる際、各粒子の分布範囲の少なくとも一部を重ならせることが可能な形状であればよい。
また、図1(b)に示した等価回路は、1つのトランジスタおよび1つのキャパシタを備えた構造(1T1C構造)をベースとしている。これ以外の等価回路を用いることも可能である。例えば、2トランジスタ1キャパシタ回路等であってもよい。
[電子機器]
次に、上記各実施形態の電気泳動表示装置を電子機器に適用した場合について説明する。
図29は、本発明の電気泳動表示装置を適用した電子機器の具体例を説明する斜視図である。
図29(a)は、電子機器の一例である電子ブックを示す斜視図である。この電子ブック(電子機器)1000は、ブック形状のフレーム1001と、このフレーム1001に対して回動自在に設けられた(開閉可能な)カバー1002と、操作部1003と、本発明の電気泳動表示装置によって構成された表示部1004と、を備えている。
図29(b)は、電子機器の一例である腕時計を示す斜視図である。この腕時計(電子機器)1100は、本発明の電気泳動表示装置によって構成された表示部1101を備えている。
図29(c)は、電子機器の一例である電子ペーパーを示す斜視図である。この電子ペーパー(電子機器)1200は、紙と同様の質感および柔軟性を有するリライタブルシートで構成される本体部1201と、本発明の電気泳動表示装置によって構成された表示部1202を備えている。
例えば電子ブックや電子ペーパーなどは、白地の背景上に文字を繰り返し書き込む用途が想定されるため、消去時残像や経時的残像の解消が必要とされる。
なお、本発明の電気泳動表示装置を適用可能な電子機器の範囲はこれに限定されず、帯電粒子の移動に伴う視覚上の色調の変化を利用した装置を広く含むものである。
以上の電子ブック1000、腕時計1100及び電子ペーパー1200によれば、本発明に係る電気泳動表示装置が採用されているので、明るく視認性の良好なフルカラーに近い表示の行える信頼性に優れた高品位の電子機器となる。
なお、上記の電子機器は、本発明に係る電子機器を例示するものであって、本発明の技術範囲を限定するものではない。例えば、携帯電話、携帯用オーディオ機器などの電子機器の表示部や、マニュアル等の業務用シート、教科書、問題集、情報シート等にも、本発明に係る電気泳動表示装置は好適に用いることができる。
5…画像表示部、13,80…反射電極、21…分散媒(第1分散媒)、26,27…帯電粒子、30…第1基板、31…第2基板、32A,32B…電気泳動層、35A,35B…画素電極、37…対向電極、40…画素、40A,40B…サブ画素、54a…表面、64,67…隔壁、100,102…電気泳動表示装置

Claims (21)

  1. 複数の画素からなる画像表示部を有し、互いに対向配置された第1基板および第2基板との間に電気泳動層が挟持されてなる電気泳動表示装置であって、
    1つの前記画素が第1サブ画素および第2サブ画素を有し、
    前記第1サブ画素に対応し、可視光領域内の第1波長領域で透過性を有するとともにそれ以外の領域で吸収性を有する第1色に着色され正負のいずれか一方に帯電した第1帯電粒子と、前記可視光領域内の第2波長領域で反射性を有するとともにそれ以外の領域で吸収性を有する第2色に着色され正負のいずれか他方に帯電した第2帯電粒子と、前記第1帯電粒子および前記第2帯電粒子を保持する第1分散媒とからなる第1の前記電気泳動層と、
    前記第2サブ画素に対応し、第3色に着色され正負のいずれか一方に帯電した第3帯電粒子と、第4色に着色され正負のいずれか他方に帯電した第4帯電粒子と、これら第3帯電粒子および第4帯電粒子を保持する第2分散媒とからなる第2の前記電気泳動層と、
    前記第1基板上に設けられるとともに前記第1および第2サブ画素内に配置され互いに独立に駆動される第1画素電極および第2画素電極と、
    前記第2基板上に設けられる対向電極と、を備えている
    ことを特徴とする電気泳動表示装置。
  2. 複数の画素からなる画像表示部を有し、互いに対向配置された第1基板および第2基板との間に電気泳動層が挟持されてなる電気泳動表示装置であって、
    1つの前記画素が第1サブ画素および第2サブ画素を有し、
    前記第1サブ画素に対応し、可視光領域内の第1波長領域で透過性を有するとともにそれ以外の領域で吸収性を有する第1色に着色され正負のいずれか一方に帯電した第1帯電粒子と、前記可視光領域内の第2波長領域で反射性を有するとともにそれ以外の領域で吸収性を有する第2色に着色され正負のいずれか他方に帯電した第1帯電粒子と、前記第1帯電粒子および前記第1帯電粒子を保持する透明な第1分散媒とからなる第1の前記電気泳動層と、
    前記第2サブ画素に対応し、正負のいずれかに帯電し第3色に着色された第3帯電粒子と、前記第3帯電粒子を保持する第4色に着色された第2分散媒とからなる第2の前記電気泳動層と、
    前記第1基板上に設けられるとともに前記第1および第2サブ画素内にそれぞれ配置され互いに独立に駆動される第1画素電極および第2画素電極と、
    前記第2基板上に設けられる対向電極と、を備えている
    ことを特徴とする電気泳動表示装置。
  3. 前記第3帯電粒子が前記可視光領域において前記第1波長領域と前記第2波長領域以外の波長を含む第3波長領域において透過性または反射性を有し、前記第3帯電粒子が透過性の時は前記第4帯電粒子が第3波長領域以外において反射性を有し、前記第3帯電粒子が反射性の時は前記第4帯電粒子が第3波長領域以外において透過性を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置。
  4. 前記第3帯電粒子が前記可視光領域において前記第1波長領域と前記第2波長領域以外の波長を含む第3波長領域において透過性または反射性を有し、前記第4帯電粒子が黒色である
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置。
  5. 前記第3帯電粒子が前記可視光領域において前記第1波長領域と前記第2波長領域以外の波長を含む第3波長領域において透過性または反射性を有し、前記第2分散媒の第4色が黒色である
    ことを特徴とする請求項2に記載の電気泳動表示装置。
  6. 前記第2分散媒の前記第4色が前記可視光領域において前記第1波長領域と前記第2波長領域以外の第3波長領域を含んで成り、前記第3帯電粒子が黒色である
    ことを特徴とする請求項2に記載の電気泳動表示装置。
  7. 前記第1色および前記第2色として、赤、青、緑のうちのいずれか2つの色が選択され、
    前記第3色および前記第4色として、赤、青、緑のうち前記第1色および前記第2色とは異なる色と、その補色となる色あるいは黒が選択される
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の電気泳動表示装置。
  8. 前記第1基板および前記第2基板間に隔壁が設けられており、
    前記隔壁が、複数の前記画素が配列されてなる画像表示部のうち、複数の前記第1サブ画素の形成領域と、複数の前記第2サブ画素の形成領域とを区画する構成となっている
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置。
  9. 前記第1サブ画素の面積が前記第2サブ画素の面積と同等かそれよりも大きい
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置。
  10. 前記電気泳動層よりも前記第1基板側に反射電極が設けられている
    ことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置。
  11. 前記反射電極に対して電位の入力が可能な構成とされている
    ことを特徴とする請求項10に記載の電気泳動表示装置。
  12. 前記反射電極の表面に散乱性が付与されている
    ことを特徴とする請求項10または11に記載の電気泳動表示装置。
  13. 前記第1画素電極および前記第2画素電極の配置領域に散乱性が付与されている
    ことを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置。
  14. 黒表示の際には、透過性を有する前記第1帯電粒子が、反射性を有する前記第2帯電粒子よりも前記対向電極側に配置される
    ことを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置。
  15. 第1サブ画素内の第1画素電極および対向電極に対して電圧を印加することにより第1帯電粒子を前記対向電極側に移動させる第1の動作と、
    前記第1サブ画素内の第2画素電極および前記対向電極に対して電圧を印加することにより第2帯電粒子を前記対向電極側に移動させる第2の動作と、
    前記第2サブ画素内の前記第1画素電極および前記対向電極に対して電圧を印加することにより第3帯電粒子を前記対向電極側に移動させる第3の動作と、を有する
    ことを特徴とする電気泳動表示装置の駆動方法。
  16. 前記第2サブ画素内の前記第2画素電極および前記対向電極に対して電圧を印加することにより第4帯電粒子を前記対向電極側に移動させる第4の動作と、を有する
    ことを特徴とする請求項15に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
  17. 前記第1の動作と前記第2の動作との間で、電圧の印加タイミングあるいは印加電圧の大きさに差を設ける
    ことを特徴とする請求項15または16に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
  18. 前記第1画素電極と前記第2画素電極とに互いに異なる電圧を印加する第1プリセット動作と、
    前記第1プリセット動作とは反対の極性の電圧を前記第1画素電極および前記第2画素電極に印加する第2プリセット動作と、を有し、
    単数あるいは複数画面の書き換えごとに前記第1プリセット動作および前記第2プリセット動作を交互に実施する
    ことを特徴とする請求項15から17のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
  19. 透過性を有する前記第1帯電粒子を、反射性を有する前記第2帯電粒子よりも前記対向電極側に配置させることにより黒表示を得る
    ことを特徴とする請求項15から18のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
  20. 前記第1帯電粒子の方が前記第2帯電粒子よりも数多く設けられ、
    前記第1帯電粒子の前記第2基板側における2次元あるいは3次元的な分布を、前記第1画素電極、前記第2画素電極および前記対向電極のそれぞれに印加する電圧の大きさおよび印加時間によって制御する
    ことを特徴とする請求項15から19のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
  21. 請求項1から請求項14に記載の電気泳動表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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