JP2012177877A - 白色基板及び表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】白色の基板であって、高い光反射性と可撓性とを有し、更に耐熱性及び寸法安定性に優れた白色基板、並びに該白色基板を用いた表示装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る白色基板は、白色の基板であって、透明樹脂の硬化物と、ガラス繊維と、光散乱性フィラーとを含有する。本発明に係る白色基板の波長550nmにおける光反射率は70%以上である。本発明に係る表示装置は、表示素子と、上記白色基板とを備える。
【選択図】なし
【解決手段】本発明に係る白色基板は、白色の基板であって、透明樹脂の硬化物と、ガラス繊維と、光散乱性フィラーとを含有する。本発明に係る白色基板の波長550nmにおける光反射率は70%以上である。本発明に係る表示装置は、表示素子と、上記白色基板とを備える。
【選択図】なし
Description
本発明は、透明樹脂の硬化物とガラス繊維とフィラーとを含有する白色基板に関し、より詳細には、可撓性を有し、耐熱性及び寸法安定性に優れた白色基板、並びに該白色基板を用いた表示装置に関する。
反射型表示装置としては、反射型液晶表示装置、電気泳動型表示装置及び電気濡れ効果型表示装置等がある。これらの反射型表示装置は、外光の反射を利用して表示を行うことから、バックライト光源が不要であり、省電力の表示装置として知られている。上記反射型表示装置は、携帯機器及び電子棚札などの様々な用途に用いられている。また、近年、携帯機器などの軽量化を目的として、従来のガラス基材にかえて、可撓性を有するシート基材を用いることで、薄型でありかつ耐久性が高い表示装置が作製されている。
上記可撓性を有するシート基材としては、主に、透明なプラスチックフィルムが用いられている。なお、表示装置の高精細化及びカラー化に対応するために、必ずしも透明性が必要とされない背面基板として、耐熱性と寸法安定性とを考慮して薄い金属板が用いられる場合もある。
一方、外光を反射する基板を得るために、背面基板上にアルミニウム等の金属の薄膜を反射層として形成する方法、並びに背面の金属基板を反射材として利用する方法がある。また、下記の特許文献1には、樹脂を含浸させて硬化させた繊維布を含む積層板と、白色顔料及び樹脂を含みかつ該積層板上に形成された反射層と、シリカを含みかつ該反射層上に形成されたバリア層と、該バリア層上に形成された導電層とを備える反射型導電性基板が開示されている。
特許文献2では、繊維布を含有する基材層と、表面を平滑化する平滑性改良層とを備える反射型液晶表示素子用プラスチック基板が開示されている。上記基材層の具体例としては、シアネート樹脂と、繊維布と、無機充填材とを含む樹脂組成物を含浸及び乾燥させたプリプレグを加熱成形した基材層が記載されている。また、上記無機充填材の具体例としては、平均粒径が2μm以下である球状溶融シリカが挙げられている。
一方で、下記の特許文献3では、透明樹脂とガラス繊維と微粒子とを含む直下型バックライト用拡散板が開示されている。
反射材として金属を用いた場合、反射光は金属光沢を帯びる。表示の見やすさ及び表示色の色再現性からは、反射光は、白色に近く、いわゆる「ペーパーホワイト」であることが望まれる。
特許文献1では、樹脂の硬化物と繊維布とを含む積層板の表面上に、該積層板とは別に白色顔料を含む反射層を形成している。このため、積層板の形成工程と反射層の形成工程とを別々に行わなければならず、製造効率が低い。さらに、このように、積層板の表面上に白色顔料を含む反射層を積層した場合には、白色性が不十分になりやすい。
特許文献2に記載の基材層は、シアネート樹脂の硬化物と、繊維布と、無機充填材とを含む。しかしながら、特許文献2に記載のプラスチック基板でも、光が十分に散乱せずに、白色性が不十分になったり、光を十分に反射しなかったりすることがある。
特許文献3に記載の拡散板は、光をある程度透過させることを目的としている。特許文献3では、上記拡散板の光線透過率は好ましくは80%以上であることが記載されている。このため、特許文献3に記載の拡散板の光反射率はさほど高くない。特許文献3に記載の拡散板は、反射型液晶表示装置に用いられるプラスチックフィルムではない。
また、白色で反射率の高い発泡プラスチックシートを背面基材として用いることも考えられるが、発泡プラスチックシートの耐熱性及び寸法安定性は不十分である。
本発明の目的は、白色の基板であって、高い光反射性と可撓性とを有し、更に耐熱性及び寸法安定性に優れた白色基板、並びに該白色基板を用いた表示装置を提供することである。
本発明の広い局面によれば、白色の基板であって、透明樹脂の硬化物と、ガラス繊維と、光散乱性フィラーとを含有し、波長550nmにおける光反射率が70%以上である、白色基板が提供される。
本発明に係る白色基板のある特定の局面では、上記ガラス繊維は、織布又は不織布である。
本発明に係る白色基板の他の特定の局面では、上記透明樹脂の硬化物と上記ガラス繊維との屈折率差が0.02以上であり、かつ上記透明樹脂の硬化物と上記光散乱性フィラーとの屈折率差が0.2以上である。
本発明に係る白色基板のさらに他の特定の局面では、上記光散乱性フィラーが、平均粒径が0.1μm以上、20μm以下である酸化チタンである。
本発明に係る白色基板のさらに他の特定の局面では、上記光散乱性フィラーは、平均粒径が0.1μm以上、20μm以下である酸化亜鉛である。
本発明に係る白色基板の別の特定の局面では、上記光散乱性フィラーは、平均粒径が0.1μm以上、20μm以下であり、かつ中空度が10%以上、90%以下である中空粒子である。
本発明に係る白色基板のさらに別の特定の局面では、上記ガラス繊維はTガラスである。
上記透明樹脂は、該透明樹脂100重量%中、(メタ)アクリル樹脂又はエポキシ樹脂を50重量%以上含むことが好ましい。
上記透明樹脂は、下記式(1)で表されるチオール基含有シラン化合物の加水分解縮合物を含むことが好ましい。この場合に、上記透明樹脂は、エポキシ基を有する化合物及びイソシアネート基を有する化合物の内の少なくとも一種を更に含むことが好ましい。さらに、上記透明樹脂は、炭素−炭素二重結合を有する化合物をさらに含むことが好ましい。
R1Si(OR2)3 ・・・式(1)
上記式(1)中、R1は、チオール基を有しかつ芳香環を有さない炭素数1〜8の有機基、又はチオール基を有しかつ芳香環を有する有機基を表し、R2は、水素原子、芳香環を有さない炭素数1〜8の有機基、又は芳香環を有する有機基を表す。
上記式(1)中、R1は、チオール基を有しかつ芳香環を有さない炭素数1〜8の有機基、又はチオール基を有しかつ芳香環を有する有機基を表し、R2は、水素原子、芳香環を有さない炭素数1〜8の有機基、又は芳香環を有する有機基を表す。
本発明に係る白色基板の30〜200℃における平均線膨張係数は、20ppm/℃以下であることが好ましい。本発明に係る白色基板は、反射型表示装置用白色基板であることが好ましい。
本発明に係る表示装置は、表示素子と、本発明に従って構成された白色基板とを備える。
本発明に係る白色基板は、透明樹脂の硬化物とガラス繊維と光散乱性フィラーとを含有し、波長550nmにおける光反射率が70%以上であるので、白色であり、高い光反射性と可撓性とを有し、かつ耐熱性及び寸法安定性に優れている。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る白色基板は、白色の基板である。本発明に係る白色基板は、透明樹脂(a)の硬化物と、ガラス繊維(b)と、光散乱性フィラー(c)とを含有する。本発明に係る白色基板の波長550nmにおける光反射率は70%以上である。
本発明に係る白色基板は、白色であり、高い光反射性と可撓性とを有する。さらに、本発明に係る白色基板は、耐熱性及び寸法安定性にも優れている。本発明に係る白色基板の使用により、視認性及び色再現性に優れた反射型表示装置を提供することができる。
本発明に係る白色基板は、例えば、光散乱性フィラー(c)を透明樹脂(a)中に分散させて分散液を得た後、該分散液をガラス繊維(b)に含浸させ、必要に応じて乾燥した後、加熱及び活性光線の照射の内の少なくとも一方により透明樹脂(a)を硬化することにより得られる。
本発明に係る白色基板中には、ガラス繊維(b)及び光散乱性フィラー(c)が存在する。ガラス繊維(b)及び光散乱性フィラー(c)により、白色基板に入射した光は、散乱し、かつ反射される。
本透明に係る白色基板は、ガラス繊維(b)を含有することから、寸法安定性に優れている。さらに、本発明に係る白色基板は、ガラス繊維(b)及び光散乱性フィラー(c)による光散乱により、反射光の白色性及び光反射率に優れている。
従って、本発明に係る白色基板は、反射型表示装置用白色基板として好適に用いられる。本発明に係る白色基板は、反射型液晶表示装置用白色基板、電気泳動型表示装置用白色基板、又は電気濡れ効果型表示装置用白色基板として好適に用いられる。本発明に係る白色基板は、反射型表示装置用白色基板であることが好ましい。本発明に係る白色基板は、反射型液晶表示装置用白色基板、電気泳動型表示装置用白色基板、又は電気濡れ効果型表示装置用白色基板であることが好ましい。
以下、本発明に係る白色基板に含まれる各成分の詳細を説明する。本発明に係る白色基板を形成するための白色基板形成用材料は、透明樹脂(a)と、ガラス繊維(b)と、光散乱性フィラー(c)とを含有する。
(透明樹脂(a))
本発明に係る白色基板に含まれている透明樹脂(a)の硬化物は、透明樹脂(a)を硬化させることにより得られる。透明樹脂(a)は、透明な樹脂であれば特に限定されない。透明樹脂(a)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明に係る白色基板に含まれている透明樹脂(a)の硬化物は、透明樹脂(a)を硬化させることにより得られる。透明樹脂(a)は、透明な樹脂であれば特に限定されない。透明樹脂(a)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記透明樹脂(a)としては、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂及びシルセスキオキサン樹脂等が挙げられる。
透明樹脂(a)は、硬化前に室温(25℃)で液状の硬化性樹脂であることが好ましい。透明樹脂(a)は、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂及びシルセスキオキサン樹脂からなる群から選択された少なくとも一種であることが好ましい。
白色基板の耐熱性をより一層良好にする観点からは、透明樹脂(a)は、該透明樹脂(a)100重量%中、(メタ)アクリル樹脂又はエポキシ樹脂を50重量%以上含むことが好ましく、70重量%以上含むことがより好ましく、80重量%以上含むことが更に好ましく、90重量%以上含むことが特に好ましい。透明樹脂(a)の全量が(メタ)アクリル樹脂又はエポキシ樹脂であってもよい。
硬化前に室温で液状の硬化性樹脂である上記(メタ)アクリル樹脂としては、(メタ)アクリルオリゴマーが挙げられる。上記(メタ)アクリル樹脂は、加熱及び活性光線の照射により架橋して、硬化する。上記(メタ)アクリル樹脂の硬化物自体の透明性は高い。上記(メタ)アクリル樹脂は、2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有することが好ましい。
上記2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する樹脂としては特に限定されず、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジメチロールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等の2官能モノマーや、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート及びイソシアヌル酸トリス(2−アクリロイルオキシエチル)等の3官能モノマーや、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の4官能以上のモノマー等が挙げられる。また、多官能のエポキシ(メタ)アクリレート化合物又はウレタン(メタ)アクリレート化合物等も好適に用いることができる。更に、これらの多官能(メタ)アクリレートを変性した変性物も用いることができる。これらの(メタ)アクリレート化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する樹脂は、脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物、又はトリアジン環構造を有する(メタ)アクリレート化合物であることがより好ましい。上記脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物は、ノルボルナンジメチロールジ(メタ)アクリレート又はジシクロペンタジエンジメタノールジ(メタ)アクリレートであることが好ましい。上記トリアジン環構造を有する(メタ)アクリレート化合物は、イソシアヌル酸トリス(2−アクリロイルオキシエチル)又はε−カプロラクトン変性イソシアヌル酸トリス(2−アクリロイルオキシエチル)であることがより好ましい。
上記(メタ)アクリル樹脂は、脂環式(メタ)アクリレート又はトリアジン環構造を有する(メタ)アクリレートであることがより好ましい。上記脂環式(メタ)アクリレート樹脂は、ノルボルナンジメチロールジアクリレート及びジシクロペンタジエニルジアクリレートの内の少なくとも一種であることが好ましい。上記トリアジン環構造を有する(メタ)アクリレートは、イソシアヌル酸トリス(2−アクリロイルオキシエチル)又はε−カプロラクトン変性イソシアヌル酸トリス(2−アクリロイルオキシエチル)であることが好ましい。これらの好ましい(メタ)アクリル樹脂の使用により、白色基板の耐熱性をより一層高めることができる。上記(メタ)アクリル樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記(メタ)アクリルは、アクリルとメタクリルとを意味する。上記(メタ)アクリレートは、アクリレートとメタクリレートとを意味する。上記(メタ)アクリロイルは、アクリロイルとメタクリロイルとを意味する。
透明樹脂(a)を架橋して、硬化させる方法としては、加熱する方法、活性光線を照射する方法、並びに加熱しかつ活性エネルギー線を照射する方法が挙げられる。透明樹脂(a)は、加熱及び活性光線の照射の内の少なくとも一方により硬化する樹脂であることが好ましい。
透明樹脂(a)が(メタ)アクリル樹脂である場合には、活性光線を照射する方法が好ましく、硬化反応を完結させる観点からは、活性光線の照射の後に、さらに加熱する方法がより好ましい。
上記活性光線は、紫外線であることが好ましい。該紫外線を照射するための光源としては、例えば、メタルハライドランプ及び高圧水銀灯ランプ等が挙げられる。
透明樹脂(a)を活性光線の照射により架橋して、硬化させるために、上記白色基板形成用材料は、光重合開始剤を含有することが好ましい。透明樹脂(a)が上記(メタ)アクリル樹脂である場合に、光重合開始剤が用いられることが好ましい。該光重合開始剤は、ラジカルを発生する光重合開始剤であることが好ましい。上記光重合開始剤は、透明樹脂(a)中に添加されることが好ましい。
上記光重合開始剤は特に限定されない。上記光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロロ−2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、及び4−(p−メトキシフェニル)−2,6−ジ−(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。上記光重合開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
透明樹脂(a)100重量部に対して、上記光重合開始剤の含有量は好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.1重量部以上、好ましくは5重量部以下、より好ましくは3重量部以下である。上記光重合開始剤の含有量が上記下限以上であると、白色基板形成用材料を充分に硬化させることができる。上記光重合開始剤の含有量が多いほど、活性光線による重合反応の感度は高くなるが、5重量部を超えると着色等の問題が生じやすくなる傾向がある。また、上記重合開始剤の含有量が0.01部未満では重合反応が不十分となりやすい。
加熱及び活性光線の照射の内の少なくとも一方により、透明樹脂(a)を架橋して、硬化させた後に、さらに高温で熱処理することが好ましい。熱処理により、透明樹脂(a)の反応がさらに進行して、白色基板の耐熱性が安定化する。上記熱処理の条件は、窒素雰囲気下又は真空状態で、150〜250℃、1〜24時間の条件であることが好ましい。
透明樹脂(a)としてエポキシ樹脂を用いてもよい。該エポキシ樹脂は、例えば従来公知のエポキシ樹脂を使用でき特に限定されない。上記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型又はビスフェノールS型などのエポキシ樹脂、フェノールノボラック型又はクレゾールノボラック型などのノボラック型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート型又はヒダントイン型などの含窒素環型エポキシ樹脂、脂環式型エポキシ樹脂、脂肪族型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型などのジシクロ型エポキシ樹脂、エステル型エポキシ樹脂、並びにエーテルエステル型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂の変性物を用いてもよい。白色基板の変色を防止する観点からは、上記エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート型エポキシ樹脂及びジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂からなる群から選択された少なくとも一種であることが好ましい。上記エポキシ樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
透明樹脂(a)を硬化させるために、上記白色基板形成用材料は、硬化剤を含有していてもよい。特に透明樹脂(a)がエポキシ樹脂である場合に、硬化剤が用いられることが好ましい。上記硬化剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記白色基板形成用材料は、光重合開始剤及び硬化剤の内の少なくとも一種を含有することが好ましい。
上記硬化剤としては、例えば、有機酸化合物及びアミン化合物等が挙げられる。上記有機酸化合物としては、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びメチルヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。上記アミン化合物としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、メタフェニレンジアミン、ジアミンジフェニルメタン及びジアミノジフェニルスルホン酸等が挙げられる。これらのアミン化合物のアミンアダクトを用いてもよい。
また、他の硬化剤としては、例えば、アミド化合物、ヒドラジド化合物、イミダゾール化合物、イミダゾリン化合物、フェノール化合物、ユリア化合物及びポリスルフィッド化合物等が挙げられる。
上記アミド化合物としては、ジシアンジアミド及びポリアミド等が挙げられる。上記ヒドラジド化合物としては、ジヒドラジット等が挙げられる。上記イミダゾール化合物としては、メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、エチルジイミダゾール、イソプロピルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、フェニルイミダゾール、ウンデシルイミダゾール、ヘプタデシルイミダゾール及び2−フェニル−4−メチルイミダゾール等が挙げられる。上記イミダゾリン化合物としては、メチルイミダゾリン、2−エチル−4−メチルイミダゾリン、エチルイミダゾリン、イソプロピルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、フェニルイミダゾリン、ウンデシルイミダゾリン、ヘプタデシルイミダゾリン及び2−フェニル−4−メチルイミダゾリン等が挙げられる。
上記硬化剤として、酸無水物化合物も使用できる。該酸無水物化合物の使用により、白色基板の変色をより一層防止できる。上記酸無水物化合物としては、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルナジック酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ジクロロコハク酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物及びクロレンディック酸無水物等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂と上記酸無水物化合物とを併用する場合には、エポキシ樹脂と硬化剤との含有量は特に制限されない。エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して、酸無水物化合物の酸無水物の当量は好ましくは0.5当量以上、より好ましくは0.7当量以上、好ましくは1.5当量以下、より好ましくは1.2当量以下である。上記硬化剤の当量が上記下限以上であると、白色基板の着色を充分に抑制できる。上記硬化剤の当量が上記上限以下であると、白色基板の耐湿性が良好になる。
上記白色基板形成用材料は、硬化促進剤を含有していてもよい。該硬化促進剤は特に限定されない。上記硬化促進剤としては、例えば、第三級アミン、イミダゾール化合物、第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩、有機金属塩、リン化合物及び尿素化合物等が挙げられる。上記硬化促進剤は、第三級アミン、イミダゾール化合物及び第四級ホスホニウム塩からなる群から選択された少なくとも一種であることが好ましい。上記硬化促進剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化促進剤の含有量は特に制限されない。透明樹脂(a)100重量部に対して、上記硬化促進剤の含有量は好ましくは0.05重量部以上、より好ましくは0.2重量部以上、好ましくは7.0重量部以下、より好ましくは3.0重量部以下である。上記硬化促進剤の含有量が上記下限以上であると、白色基板形成用材料を充分に硬化させることができる。上記硬化促進剤の含有量が上記上限以下であると、白色基板の着色をより一層抑制できる。
透明樹脂(a)は、下記式(1)で表されるチオール基含有シラン化合物の加水分解縮合物(以下、加水分解縮合物(a1)ともいう)を含むことが好ましい。加水分解縮合物(a1)は、シルセスキオキサン樹脂である。加水分解縮合物(a1)の使用により、白色基板の可撓性を高めることができる。
R1Si(OR2)3 ・・・式(1)
上記式(1)中、R1は、チオール基を有しかつ芳香環を有さない炭素数1〜8の有機基、又はチオール基を有しかつ芳香環を有する有機基を表し、R2は、水素原子、芳香環を有さない炭素数1〜8の有機基、又は芳香環を有する有機基を表す。
上記式(1)中、R1は、チオール基を有しかつ芳香環を有さない炭素数1〜8の有機基、又はチオール基を有しかつ芳香環を有する有機基を表し、R2は、水素原子、芳香環を有さない炭素数1〜8の有機基、又は芳香環を有する有機基を表す。
上記R1としては、具体的には、チオール基を有する炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、チオール基を有する炭素数1〜8の脂環式炭化水素基、及びチオール基を有する芳香族炭化水素基等が挙げられる。上記R2としては、具体的には、水素原子、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜8の脂環式炭化水素基、及び芳香族炭化水素基等が挙げられる。チオール基を有する場合の「炭化水素基」は、炭素原子と水素原子とだけでなく、チオール基に由来する硫黄原子も含む基である。複数の上記R2は同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記式(1)で表されるチオール基含有シラン化合物を含有する成分(以下、成分(a11)ともいう)を加水分解及び縮合させることにより、加水分解縮合物(a1)を得ることができる。すなわち、加水分解反応及び縮合反応により、加水分解縮合物(a1)を得ることができる。
上記式(1)で表されるチオール基含有シラン化合物としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルトリブトキシシラン、1,4−ジメルカプト−2−(トリメトキシシリル)ブタン、1,4−ジメルカプト−2−(トリエトキシシリル)ブタン、1,4−ジメルカプト−2−(トリプロポキシシリル)ブタン、1,4−ジメルカプト−2−(トリブトキシシリル)ブタン、2−メルカプトメチル−3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトメチル−3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトメチル−3−メルカプトプロピルトリプロポキシシラン、2−メルカプトメチル−3−メルカプトプロピルトリブトキシシラン、1,2−ジメルカプトエチルトリメトキシシラン、1,2−ジメルカプトエチルトリエトキシシラン、1,2−ジメルカプトエチルトリプロポキシシラン、及び1,2−ジメルカプトエチルトリブトキシシラン等が挙げられる。なかでも、加水分解反応の反応性が高く、かつ入手が容易であるため、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが好ましい。上記式(1)で表されるチオール基含有シラン化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
加水分解縮合物(a1)を得る際に、上記式(1)で表されるチオール基含有シラン化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。さらに、加水分解縮合物(a1)を得る際に、上記チオール基含有シラン化合物以外の架橋性化合物を用いてもよい。加水分解縮合物(a1)には、上記チオール基含有シラン化合物のみを用いたものだけでなく、上記チオール基含有シラン化合物と、該チオール基含有シラン化合物以外の架橋性化合物を用いたものも含まれる。上記成分(a11)には、上記式(1)で表されるチオール基含有シラン化合物と、必要に応じて用いられる上記架橋性化合物とが含まれる。
上記架橋性化合物としては、トリアルキルアルコキシシラン、ジアルキルジアルコキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン、テトラアルコキシチタン及びテトラアルコキシジルコニウム等が挙げられる。なかでも、トリアルキルアルコキシシラン、ジアルキルジアルコキシシラン又はテトラアルコキシシランが好ましい。これらの好ましい架橋性化合物の使用により、加水分解縮合物(a1)の架橋密度を容易に調整できる。上記アルキルトリアルコキシシランの使用により、加水分解縮合物(a1)に含まれるチオール基の数を容易に調整できる。テトラアルコキシチタン又はテトラアルコキシジルコニウムの使用により、加水分解縮合物(a1)の硬化物の屈折率が高くなる。上記架橋性化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記トリアルコキシシランとしては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン及びトリフェニルエトキシシラン等が挙げられる。上記ジアルキルジアルコキシシランとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン及び3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。上記アルキルトリアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン及びフェニルトリエトキシシラン等が挙げられる。上記テトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン及びテトラブトキシシラン等が挙げられる。上記テトラアルコキシチタンとしては、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン及びテトラブトキシチタン等が挙げられる。上記テトラアルコキシジルコニウムとしては、テトラエトキシジルコニウム、テトラプロポキシジルコニウム及びテトラブトキシジルコニウム等が挙げられる。これら以外の金属アルコキシドを用いてもよい。
加水分解縮合物(a1)を得る際の加水分解反応に用いる触媒は、従来公知の触媒を用いることができ特に限定されない。触媒活性が高く、更に縮合反応の触媒としても機能するので、上記触媒はギ酸であることが好ましい。
成分(a11)100重量部に対して、上記触媒の含有量は好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは1重量部以上、好ましくは25重量部以下、より好ましくは10重量部以下である。上記触媒の含有量が上記下限以上であると、上記加水分解反応が十分に進行し、反応時間が短くなる。上記触媒の含有量が上記上限以下であると、透明樹脂(a)の保存安定性が高くなる傾向がある。さらに、後工程で触媒を容易に除去できる。
上記加水分解反応の反応温度及び反応時間は、上記シラン化合物の反応性に応じて任意に設定できる。上記反応温度は、通常0〜100℃、好ましくは20〜60℃である。上記反応時間は、1分〜2時間程度である。
上記加水分解反応の際に、溶剤を用いてもよく、溶剤を用いなくてもよい。該溶剤の種類は特に限定されない。溶剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記加水分解反応の際に用いられる上記溶剤は、縮合反応に用いられる溶剤と同じであることが好ましい。上記シラン化合物の反応性が低い場合は、上記加水分解反応の際に、溶剤を用いないことが好ましい。
[加水分解反応により生じた水酸基のモル数]/[成分(a11)に含まれるアルコキシ基の合計モル数](以下、モル比Aともいう)が0.5以上であるように、上記加水分解反応を進行させることが好ましい。上記モル比Aは0.8以上であることがより好ましい。上記縮合反応は、加水分解により生じた水酸基間だけでなく、該水酸基と残存アルコキシ基との間でも進行する。このため、上記モル比Aは0.5以上であることが好ましい。
上記縮合反応では、加水分解により生じた水酸基間で水が生成し、更に水酸基とアルコキシ基間でアルコールが生成する。この縮合反応により、加水分解縮合物(a1)はガラス化する。
上記縮合反応では、従来公知の縮合触媒を用いることができる。上記ギ酸は、触媒活性が高く、加水分解反応の触媒としてだけでなく、縮合反応の触媒としても作用する。従って、上記縮合触媒は、ギ酸であることが好ましい。上記縮合反応での反応温度及び反応時間はそれぞれ、成分(a11)の反応性に応じて任意に設定できる。上記反応温度は、通常40〜150℃程度、好ましくは60〜100℃である。上記反応時間は、30分〜12時間程度である。
[未反応の水酸基と未反応のアルコキシ基との合計モル数]/[成分(a11)に含まれるアルコキシ基の合計モル数)(以下、モル比Bともいう)が0.3以下であるように上記縮合反応を進行させることが好ましい。上記モル比Bは0.2以下であることがより好ましい。上記モル比Bが上記上限以下であると、未反応の水酸基とアルコキシ基とが、透明樹脂(a)の保管中に縮合反応してゲル化し難くなる。さらに、硬化物において縮合反応が進行し難くなり、硬化物にクラックが発生し難くなる。
上記縮合反応の際に、成分(a11)の濃度は好ましくは2重量%以上、より好ましくは15重量%以上、好ましくは80重量%以下、より好ましくは60重量%以下である。上記縮合反応によって生成する水及びアルコールよりも沸点が高い溶剤を用いることが好ましい。この場合には、反応系中から、溶剤を容易に除去できる。上記濃度が上記下限以上及び上記上限以下である場合には、反応中にゲル化し難くなり、加水分解縮合物(a1)の分子量が大きくなりすぎず、加水分解縮合物(a1)の保存安定性がより一層高くなる。
上記縮合反応の際に、該縮合反応によって生成する水及びアルコールよりも沸点が高い溶剤を用いることが好ましい。該溶剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。また、上記架橋性化合物を溶剤として用いることもできる。
上記縮合反応の後に、触媒を除去することが好ましい。触媒の除去により、加水分解縮合物(a1)の保存安定性が高くなる。上記触媒の除去方法は、触媒の種類に応じて公知方法を適宜に選択できる。上記触媒の除去方法としては、触媒の沸点以上に加熱する方法、及び減圧する方法等が挙げられる。上記触媒がギ酸である場合には、これらの方法によりギ酸を容易に除去できる。
透明樹脂(a)は、加水分解縮合物(a1)に加えて、エポキシ基を有する化合物(以下、エポキシ化合物(a2)ともいう)及びイソシアネート基を有する化合物(以下、イソシアネート化合物(a3)ともいう)の内の少なくとも一種をさらに含むことが好ましい。この場合には、加熱により透明樹脂(a)を効率的に架橋させ、硬化させることができる。
エポキシ化合物(a2)は特に限定されない。エポキシ化合物(a2)としては、例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリアジン骨格含有エポキシ樹脂、フルオレン骨格含有エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、トリフェノールフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂及びアリールアルキレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ化合物(a2)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
エポキシ化合物(a2)は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製の商品名「エピコート828」など)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱化学社製の商品名「エピコート807」など)、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成社製の商品名「サントートST−3000」など)、又は脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業社製の商品名「セロキサイド2021」など)であることが好ましい。これらの好ましいエポキシ化合物(a2)の使用により、白色基板の透明性及び耐熱性をより一層高めることができる。
上記エポキシ化合物(a2)の分子量は高い方が好ましい。高分子量のエポキシ化合物(a2)の使用により、白色基板の可撓性が高くなる。高分子量のエポキシ化合物(a2)としては、エポキシ当量が2000g/当量以上のエポキシ樹脂(三菱化学社製の商品名「エピコート1010」及び「エピコート4007P」など)、エポキシ変性シリコーン樹脂(信越化学工業社製の商品名「X−22−163A」など)、並びにポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。なかでも、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルが好ましい。
イソシアネート化合物(a3)は特に限定されない。イソシアネート化合物(a3)としては、例えば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。イソシアネート化合物(a3)としては、具体的には、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、及びm−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、並びにダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等が挙げられる。イソシアネート化合物(a3)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
白色基板の透明性及び耐熱性を高める観点からは、イソシアネート化合物(a3)は、イソホロンジイソシアネートであることが好ましい。
イソシアネート化合物(a3)の分子量は高い方が好ましい。高分子量のイソシアネート化合物(a3)の使用により、白色基板の可撓性が高くなる。高分子量のイソシアネート化合物(a3)としては、ポリオールのジイソシアネート変性物、及びポリメリックMDI(三井武田ケミカル社製の商品名「コスモネートM」など)等が挙げられる。上記ポリオールとしては、ポリカーボネートジオール及びポリエステルジオール等が挙げられる。
加熱による透明樹脂(a)の硬化反応を促進するために、エポキシ化合物(a2)と触媒とを併用してもよい。エポキシ化合物(a2)と併用される触媒としては、例えば、三級アミン、イミダゾール化合物、有機ホスフィン及びテトラフェニルボロン塩等が挙げられる。
上記三級アミンとしては、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、及びトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等が挙げられる。上記イミダゾール化合物としては、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール及び2−ヘプタデシルイミダゾール等が挙げられる。上記有機ホスフィンとしては、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン及びフェニルホスフィン等が挙げられる。上記テトラフェニルボロン塩としては、テトラフェニルホスホニウム テトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール テトラフェニルボレート、及びN−メチルモルホリン テトラフェニルボレート等が挙げられる。
上記イソシアネート化合物(a3)と触媒とを併用することが好ましい。イソシアネート化合物(a3)と併用される触媒としては、有機スズ化合物及び三級アミン等が挙げられる。
上記有機スズ化合物としては、ジブチルスズジラウレート及びオクチル酸スズ等が挙げられる。上記三級アミンとしては、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、及びトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等が挙げられる。
透明樹脂(a)100重量部に対して、上記エポキシ化合物(a2)及びイソシアネート化合物(a3)と併用される触媒の含有量は、好ましくは0.01重量部以上、好ましくは5重量部以下である。
透明樹脂(a)100重量%中、加水分解縮合物(a1)と、エポキシ化合物(a2)及びイソシアネート化合物(a3)の内の少なくとも一種との配合比は、用途に応じて適宜に決定できる。
[加水分解縮合物(a1)に含まれるチオール基のモル数]/[エポキシ化合物(a2)に含まれるエポキシ基とイソシアネート化合物(a3)に含まれるイソシアネート基との合計のモル数](以下、モル比Cともいう)は、好ましくは0.9以上、好ましくは1.1以下である。上記モル比Cが0.9以上であると、硬化後にエポキシ基及びイソシアネート基が残存し難くなり、白色基板の耐候性が高くなる。上記モル比が1.1以下であると、チオール基が残存し難くなり、チオール基の分解による悪臭が生じ難くなる。
透明樹脂(a)は、加水分解縮合物(a1)に加えて、炭素−炭素二重結合を有する化合物(以下、不飽和化合物(a4)ともいう)をさらに含むことが好ましい。該不飽和化合物(a4)の使用により、加熱及び活性光線の照射により、白色基板を硬化させることができる。
不飽和化合物(a4)は特に限定されない。不飽和化合物(a4)の上記炭素−炭素二重結合としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基及びアリル基等が挙げられる。上記炭素−炭素二重結合は、加水分解縮合物(a1)のチオール基と反応(エン−チオール反応)する。この反応の反応機構は、重合開始剤の有無により異なる。このため、加水分解縮合物(a1)及び不飽和化合物(a4)は、最適な配合量に適宜調整される。
上記重合開始剤が用いられない場合は、炭素−炭素二重結合1個に対して、チオール基1個が付加反応する。上記重合開始剤が用いられる場合は、炭素−炭素二重結合1個に対して、チオール基1個が付加反応することに加えて、連鎖的ラジカル反応が進行する。この結果、上記重合開始剤が用いられない場合は、加水分解縮合物(a1)に含まれるチオール基と不飽和化合物(a4)に含まれる炭素−炭素二重結合とは、1:1(モル比)で反応する。上記重合開始剤が用いられる場合には、加水分解縮合物(a1)に含まれるチオール基と、不飽和化合物(a4)に含まれる炭素−炭素二重結合とは、1:1(モル比)では反応しない。
上記の観点から、重合開始剤が用いられない場合は、加水分解縮合物(a1)と不飽和化合物(a4)との配合比は、[加水分解縮合物(a1)に含まれるチオール基のモル数]/[不飽和化合物(a4)に含まれる炭素−炭素二重結合のモル数](以下、モル比D1ともいう)は、好ましくは0.9以上、好ましくは1.1以下、より好ましくは1.0以下である。上記モル比D1が0.9以上であると、硬化後に炭素−炭素二重結合が残存し難くなり、白色基板の耐候性が高くなる。上記モル比が1.1以下であると、チオール基が残存し難くなり、チオール基の分解による悪臭が生じ難くなる。
重合開始剤が用いられる場合には、加水分解縮合物(a1)と不飽和化合物(a4)との配合比は、[加水分解縮合物(a1)に含まれるチオール基のモル数]/[不飽和化合物(a4)に含まれる炭素−炭素二重結合のモル数](以下、モル比D2といもいう)は、好ましくは0.01以上、好ましくは1.1以下である。上記モル比D2が0.01以上であると、白色基板の硬化物の水蒸気バリア性がより一層高くなる。さらに、硬化後に炭素−炭素二重結合が残存し難くなり、白色基板の耐候性が高くなる。上記モル比D2が1.1以下であると、チオール基が残存し難くなり、チオール基の分解による悪臭が生じ難くなる。
また、炭素−炭素二重結合を有する官能基とチオール基との反応より優先して、炭素−炭素二重結合を有する官能基同士が反応するのを抑制するために、不飽和化合物(a4)は、アリル基を有することが好ましい。
アリル基を1つ有する化合物としては、けい皮酸、モノアリルシアヌレート、モノアリルイソシアヌレート、ペンタエリスリトールモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、グリセリンモノアリルエーテル、ビスフェノールAモノアリルエーテル、ビスフェノールFモノアリルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、トリエチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、ジプロピレングリコールモノアリルエーテル、及びトリプロピレングリコールモノアリルエーテル等が挙げられる。
アリル基を2つ有する化合物としては、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、ビスフェノールAジアリルエーテル、ビスフェノールFジアリルエーテル、エチレングリコールジアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、トリエチレングリコールジアリルエーテル、プロピレングリコールジアリルエーテル、ジプロピレングリコールジアリルエーテル、及びトリプロピレングリコールジアリルエーテル等が挙げられる。
アリル基を3つ以上含有する化合物としては、トリアリルイソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、及びトリメチロールプロパントリアリルエーテル等が挙げられる。アリル基を有する化合物は、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート又はペンタエリスリトールトリアリルエーテルであることが特に好ましい。
不飽和化合物(a4)の分子量は高いことが好ましい。高分子量の不飽和化合物(a4)の使用により、硬化物の可撓性が高くなる。高分子量の不飽和化合物(a4)としては、メチルアリルシロキサンとジメチルシロキサンとからなる共重合物、エピクロルヒドリンとアリルグリシジルエーテルとからなる共重合物(ダイソー社製の商品名「エピクロマー」、及び日本ゼオン社製の商品名「Gechron」など)、並びにアリル基末端ポリイソブチレンポリマー(カネカ社製の商品名「エピオン」)等が挙げられる。
[不飽和化合物(a4)に含まれる炭素−炭素二重結合のモル数]/[不飽和化合物(a4)のモル数](以下、モル比Eともいう)は2以上であることが好ましい。上記モル比Eは、1分子あたりに含まれる炭素−炭素二重結合の平均個数を示す。上記モル比Eが2以上であると、透明樹脂(a)の硬化性が高くなり、かつ硬化物の架橋密度が高くなる。このため、硬化物の耐熱性及び硬度が高くなる傾向がある。
上記白色基板形成用材料は、加水分解縮合物(a1)を含む場合にも、重合開始剤を含有していてもよい。該重合開始剤としては、光カチオン重合開始剤及び光ラジカル重合開始剤等が挙げられる。上記重合開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光カチオン重合開始剤としては、紫外線の照射により酸を発生する化合物であるスルホニウム塩、ヨードニウム塩、メタロセン化合物及びベンゾイントシレート等が挙げられる。上記光カチオン重合開始剤の市販品としては、ユニオンカーバイド社製の商品名「サイラキュアUVI−6970」、「サイラキュアUVI−6974」及び「サイラキュアUVI−6990」、チバ・ジャパン社製の商品名「イルガキュア264」、並びに日本曹達社製の商品名「CIT−1682」等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤は特に限定されない。上記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロロ−2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、及び4−(p−メトキシフェニル)−2,6−ジ−(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。中でも、硬化樹脂の着色を抑制できることから、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが好ましい。また、エン−チオール反応の抑制効果を有し、透明樹脂(a)の保存安定性を高めることができることから、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン等のα−アミノアルキルフェノン系光ラジカル重合開始剤が好ましい。
透明樹脂(a)100重量部に対して、上記重合開始剤の含有量は好ましくは1重量部以上、好ましくは15重量部以下、より好ましくは10重量部以下、更に好ましくは5重量部以下である。
透明樹脂(a)の保存安定性をより一層高めるために、エン−チオール反応抑制剤を使用できる。該エン−チオール反応抑制剤としては、リン化合物、ラジカル重合禁止剤、三級アミン及びイミダゾール化合物等が挙げられる。
上記リン化合物としては、トリフェニルホスフィン及び亜リン酸トリフェニル等が挙げられる。上記ラジカル重合禁止剤としては、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ナフチルアミン、tert−ブチルカテコール、塩化第一銅、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩、及びジフェニルニトロソアミン等が挙げられる。上記三級アミンとしては、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジアミノメチル)フェノール、及びジアザビシクロウンデセン等が挙げられる。上記イミダゾール化合物としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−エチルへキシルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール及び1−シアノエチル−2−メチルイミダール等が挙げられる。
上記リン化合物のなかでも、亜リン酸トリフェニルが好ましい。該亜リン酸トリフェニルは、エン−チオール反応の抑制効果が高く、かつ室温で液状であるため、取り扱いが容易である。透明樹脂(a)100重量部に対して、上記リン系化合物の含有量は好ましくは0.1重量部以上、好ましくは10重量部以下である。上記リン化合物の含有量が0.1重量部以上であると、エン−チオール反応を充分に抑制できる。上記リン化合物の含有量が10重量部以下であると、硬化後に上記リン化合物の残存量が少なくなり、上記リン化合物に由来する硬化物の物性の低下を抑制できる。
上記ラジカル重合禁止剤のなかでも、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩が好ましい。該N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩は、少量でもエン−チオール反応を抑制できる。透明樹脂(a)100重量部に対して、上記ラジカル重合禁止剤の含有量は好ましくは0.0001重量部以上、好ましくは0.1重量部以下である。上記ラジカル重合禁止剤の含有量が0.0001重量部以上であると、エン−チオール反応を充分に抑制できる。上記ラジカル重合禁止剤の含有量が0.1重量部以下であると、硬化阻害が少ない。
上記三級アミンのなかでも、ベンジルジメチルアミンが好ましい。該ベンジルジメチルアミンは、エン−チオール反応の抑制効果が高く、かつ室温で液状であるため、取り扱いが容易である。透明樹脂(a)100重量部に対して、上記三級アミンの含有量は好ましくは0.001重量部以上、好ましくは5重量部以下である。上記三級アミンの含有量が0.001重量部以上であると、エン−チオール反応を充分に抑制できる。上記三級アミンの含有量が5重量部以下であると、加水分解縮合物(a1)中の未反応の水酸基及びアルコキシ基の縮合反応が生じ難くなり、ゲル化が生じ難くなる。
加水分解縮合物(a1)と不飽和化合物(a4)との配合比は、用途に応じて適宜変更できる。また、加水分解縮合物(a1)と不飽和化合物(a4)とを併用する場合には、必要に応じて溶剤を配合できる。
(ガラス繊維(b))
本発明に係るガラス繊維(b)の形態は特に限定されない。ガラス繊維(b)は、織布又は不織布であることが好ましい。ガラス繊維(b)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。ガラス繊維が織布である場合には、ガラス繊維は、ガラスクロスである。
本発明に係るガラス繊維(b)の形態は特に限定されない。ガラス繊維(b)は、織布又は不織布であることが好ましい。ガラス繊維(b)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。ガラス繊維が織布である場合には、ガラス繊維は、ガラスクロスである。
上記ガラスクロスとしては、例えば、断面が円形又は楕円形等でありかつ断面最長径が3〜10μm程度の長繊維(フィラメント)を、100〜800本程度撚り合わせたヤーンを、経糸及び緯糸として用いて、これらの糸を交錯させるように織ることにより得られる。織り方としては、平織、綾織及び朱子織等が挙げられる。
上記ガラスクロスの厚さは最も厚い部分で、通常10〜500μmである。上記ガラスクロスの厚さは、最も厚い部分で、15〜350μmであることが好ましい。
ガラス繊維(b)は、Eガラス又はTガラスであることが好ましく、特にTガラスであることが好ましい。該Eガラス及びTガラスであるガラス繊維は、回路基板用の芯材として広く用いられており、繊維径、繊維束径、ガラスクロスとしての目付、織り密度及び厚さ等に関して、種々の規格品が揃っている。コスト及び入手の容易性の観点からは、Eガラスが好ましい。耐熱性及び寸法安定性の点ではTガラスが優れており、白色基板の耐熱性及び寸法安定性をより一層高くする観点からTガラスがより好適に用いられる。
ガラス繊維(b)の引っ張り弾性率は好ましくは5GPa以上、より好ましくは10GPa以上、好ましくは500GPa以下、より好ましくは200GPa以下である。上記引っ張り弾性率が低すぎると、白色基板の強度が低くなる傾向がある。
透明樹脂(a)100重量部及び透明樹脂(a)の硬化物100重量部に対して、ガラス繊維(b)の含有量は好ましくは10重量部以上、より好ましくは15重量部以上、好ましくは200重量部以下、より好ましくは120重量部以下である。ガラス繊維(b)の含有量が上記下限以上であると、ガラス繊維による熱膨張の低減効果がより一層高くなる。ガラス繊維(b)の含有量が上記上限以下であると、ガラス繊維(b)に透明樹脂(a)を含浸させることが容易になり、白色基板の表面又は内部にボイドが生じ難くなり、白色基板の均一性がより一層高くなる。
透明樹脂(a)の硬化物とガラス繊維(b)との界面は、十分に濡れていることが好ましい。この界面の濡れが不十分であると、ガラス繊維(b)と透明樹脂(a)の硬化物の界面の接着性が低下し、白色基板を曲げた際に樹脂の剥落が起こるなど、強度的な問題を生じやすい。このため、ガラス繊維(b)の表面は、表面処理剤により処理されていることが好ましい。上記表面処理剤としては、シランカップリング剤、アルミネートカップリング剤及びチタネートカップリング剤等が挙げられる。
(光散乱性フィラー(c))
光散乱性フィラー(c)としては、公知の白色顔料等を使用することができ、特に限定されない。光散乱性フィラー(c)としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、酸化マグネシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、ベリリア、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、炭酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ホウ酸アルミニウム及び炭化ケイ素が挙げられる。光散乱性フィラー(c)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
光散乱性フィラー(c)としては、公知の白色顔料等を使用することができ、特に限定されない。光散乱性フィラー(c)としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、酸化マグネシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、ベリリア、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、炭酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ホウ酸アルミニウム及び炭化ケイ素が挙げられる。光散乱性フィラー(c)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
光散乱性フィラー(c)の平均粒径は好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.2μm以上、好ましくは20μm以下、より好ましくは10μm以下である。平均粒径が上記下限以上であると、光散乱性が十分に高くなる。平均粒径が上記上限以下であると、透明樹脂(a)と光散乱性フィラー(c)とを含む混合物をガラス繊維(b)に含浸させる際の浸透が速やかに進行しやすくなり、粒子の凝集による散乱性の不均一化が生じ難くなる。
白色基板の光反射率をより一層良好にする観点からは、光散乱性フィラー(c)は、酸化チタンであることが好ましい。さらに、白色基板の光反射率をより一層良好にする観点からは、光散乱性フィラー(c)は、平均粒径が0.1μm以上、20μm以下である酸化チタンであることが好ましい。
白色基板の光反射率をより一層良好にする観点からは、光散乱性フィラー(c)は、酸化亜鉛であることが好ましい。さらに、白色基板の光反射率をより一層良好にする観点からは、光散乱性フィラー(c)は、平均粒径が0.1μm以上、20μm以下である酸化亜鉛であることが好ましい。
また、白色基板の光反射率を良好にする観点から、光散乱性フィラー(c)は、中空粒子であることも好ましい。中空粒子としては、シリカ等の無機物により形成された中空粒子でもよく、樹脂により形成された中空粒子でもよい。また、中空粒子の中空度は10%以上、90%以下であることが好ましい。ここで中空度とは、中空粒子の体積に占める中空空間の割合を百分率で示したものである。光散乱性フィラー(c)としての中空粒子の平均粒径は0.1μm以上、20μm以下であることが好ましい。
従って、白色基板の光反射率をより一層良好にする観点からは、光散乱性フィラー(c)は、酸化チタン、酸化亜鉛又は中空度が10%以上、90%以下である中空粒子であることが好ましく、平均粒径が0.1μm以上、20μm以下である酸化チタンであるか、平均粒径が0.1μm以上、20μm以下である酸化亜鉛であるか、又は、平均粒径が0.1μm以上、20μm以下であり、かつ中空度が10%以上、90%以下である中空粒子であることがより好ましい。
光散乱性フィラー(c)の含有量は特に限定されない。光散乱性フィラー(c)の比重等を考慮し、白色基板100体積%中、光散乱性フィラー(c)の含有量は好ましくは3体積%以上、より好ましくは5体積%以上、好ましくは50体積%以下、より好ましくは40体積%以下である。光散乱性フィラー(c)の含有量が上記下限以上であると、光散乱による光反射率が十分に高くなる。光散乱性フィラー(c)の含有量が上記上限以下であると、白色基板が脆化し難くなり、可撓性が高くなる。
光散乱性フィラー(c)の透明樹脂(a)への分散性及び界面の密着性を向上するために、光散乱性フィラー(c)は、表面処理剤で表面処理されていることが好ましい。該表面処理剤としては、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤及びアルミネート系カップリング剤等が挙げられる。
光散乱性フィラー(c)の表面処理は、予めカップリング剤でフィラー表面を処理してもよく、また、透明樹脂(a)とフィラーとの分散液にカップリング剤を添加することでフィラー表面にカップリング剤を反応させる方法で処理してもよい。
透明樹脂(a)とフィラーとの分散液にカップリング剤を添加する場合に、透明樹脂(a)とフィラーとの分散液100重量部に対して、カップリング剤の配合量は5重量部以下であることが好ましい。カップリング剤の配合量が5重量部以下であると、耐熱性がより一層良好になる。
透明樹脂(a)の硬化物とガラス繊維(b)との屈折率差が0.02以上であり、かつ透明樹脂(a)の硬化物と光散乱性フィラー(c)との屈折率差が0.2以上であることが好ましい。透明樹脂(a)の硬化物とガラス繊維(b)との屈折率差が0.03以上であり、かつ透明樹脂(a)の硬化物と光散乱性フィラー(c)との屈折率差が0.3以上であることがより好ましい。これらの屈折率差を満たすと、ガラス繊維(b)及び光散乱フィラー(c)による透明樹脂(a)の硬化物との界面での光散乱性が十分に大きくなり、白色基板としての高い光反射率を得ることができる。上記屈折率差は、例えば、透明樹脂(a)の分子構造の変性、又は各成分の配合比により調整できる。
一方、光散乱性フィラー(c)が中空粒子である場合には、中空粒子の空隙部分の屈折率がほぼ1であることから、粒子を形成する無機材料や樹脂との屈折率差が0.2よりも十分に大きくなるため、中空粒子を形成する材料と透明樹脂(a)の屈折率差は特に限定されない。
(他の成分)
本発明の白色基板は、各種用途での必要性に応じて、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤、離型剤、表面処理剤及び粘度調節のための溶剤等を含有していてもよい。
本発明の白色基板は、各種用途での必要性に応じて、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤、離型剤、表面処理剤及び粘度調節のための溶剤等を含有していてもよい。
(白色基板)
本発明に係る白色基板は、透明樹脂(a)と、ガラス繊維(b)と、光散乱性フィラー(c)とを含有する白色基板形成用材料を、成形した後に硬化させることにより得られる。例えば、加熱及び活性光線の照射の内の少なくとも一種により、透明樹脂(a)を硬化させる。
本発明に係る白色基板は、透明樹脂(a)と、ガラス繊維(b)と、光散乱性フィラー(c)とを含有する白色基板形成用材料を、成形した後に硬化させることにより得られる。例えば、加熱及び活性光線の照射の内の少なくとも一種により、透明樹脂(a)を硬化させる。
白色基板の製造方法としては、以下の第1〜第3の方法が挙げられる。ただし、以下の第1〜第3の方法に限定されない。
第1の方法では、常温又は加熱下で、流動性の透明樹脂(a)にガラス繊維(b)及び光散乱性フィラー(c)を分散した液状物を調製する。次に、基材上に該液状物をシート上に塗布した後、必要に応じて乾燥する。その後、加熱及び活性光線の照射の内の少なくとも一方により、シート状の白色基板形成用材料を架橋して、硬化させる。
第2の方法では、常温又は加熱下で、流動性の透明樹脂(a)にガラス繊維(b)及び光散乱性フィラー(c)を分散して、白色基板形成用材料を調製する。次に、基材上に白色基板形成用材料を供給した後、必要に応じて乾燥する。その後、他の基材でプレス又はラミネートして、白色基板をシート状にする。次に、加熱及び活性光線の照射の内の少なくとも一方により、シート状の白色基板形成用材料を架橋して、硬化させる。
第3の方法では、常温又は加熱下で、流動性の透明樹脂(a)に光散乱性フィラー(c)を分散した分散液を、ガラスクロス又はガラス不織布であるガラス繊維(b)に含浸させ、白色基板形成用材料を得た後、必要に応じて乾燥する。その後、白色基板形成用材料を2枚の基材間でプレス又はラミネートして、シート状にする。次に、加熱及び活性光線の照射の内の少なくとも一方により、シート状の白色基板形成用材料を架橋して、硬化させる。
本発明に係る白色基板の厚みは、特に制限されない。白色基板の厚みは、好ましくは20μm以上、好ましくは500μm以下である。さらに、白色基板の厚みは、より好ましくは50μm以上、より好ましくは300μm以下である。上記厚みが20μm以上であると、光反射率が十分に高くなる。上記厚みが500μm以下であると、可撓性がより一層高くなる。
白色基板の厚みが200μmを超える場合には、複数の白色基板を接着層を介して積層するか、又は、シート化と硬化とを繰り返して、積層することで白色基板を厚膜化することが好ましい。
本発明に係る白色基板の波長550nmにおける光反射率は、70%以上であり、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上である。光反射率が高いほど、表示装置の表示品位が高まり、表示画像が鮮明になる。
上記光反射率は、積分球を備える市販の分光光度計を用いて、波長550nmの反射率を測定することによって求めることができる。
本発明に係る白色基板には、表面平滑化層、ハードコート層又はガスバリア層を積層してもよい。
上記表面平滑化層又はハードコート層を形成する際には、例えば、白色基板上に、既知の表面平滑化剤又はハードコート剤を塗布し、必要に応じて溶剤を除去するために乾燥する。次に、加熱及び活性光線の照射の内の少なくとも一方により、表面平滑化剤又はハードコート剤を硬化させる。
白色基板上に表面平滑化剤又はハードコート剤を塗布する方法は、特に制限されない。例えば、ロールコート法、スピンコート法、ワイヤバーコート法、ディップコート法、エクストルージョン法、カーテンコート法又はスプレーコート法等の従来公知の方法を採用できる。
また、ガスバリア性を高めるためのガスバリア層を積層することにより、水分や酸素等のバリア性を高めてもよい。
上記ガスバリア層は特に限定されず、アルミニウムなどの金属、SiO2及びSiNなどの珪素化合物、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、並びに酸化亜鉛等の既知のガスバリア層を形成することが可能である。ガスバリア性、白色基板への密着性及び反射光の白色性の観点からは、SiO2及びSiNなどの珪素化合物が好ましい。
ガスバリア層を形成する方法は、特に限定されず、蒸着法及びスパッタリング法等の乾式法、並びにゾル−ゲル法等の湿式法が挙げられる。なかでも、スパッタリング法が好ましい。スパッタリング法により形成されたガスバリア層は、緻密でガスバリア性に優れており、かつ、白色基板への密着性も良好である。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
透明樹脂(a)であるトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(NKエステル A−DCP、新中村化学工業社製)60重量部に、光散乱性フィラー(c)である酸化チタン(石原産業社製「CR−90−2」、平均粒径0.25μm、屈折率2.70)40重量部を加えて、回転羽根式分散機で1時間分散した。
透明樹脂(a)であるトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(NKエステル A−DCP、新中村化学工業社製)60重量部に、光散乱性フィラー(c)である酸化チタン(石原産業社製「CR−90−2」、平均粒径0.25μm、屈折率2.70)40重量部を加えて、回転羽根式分散機で1時間分散した。
さらに、光重合開始剤である2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン(チバ・ジャパン社製「イルガキュア907」)1重量部を加えて溶解し、分散液1(硬化性組成物)を調製した。
ガラス繊維(b)として、10×10cmのEガラス繊維であるIPC#2013相当のガラスクロス(日東紡社製、厚さ75μm、屈折率1.558)を用意した。分散液1を、ガラス板上に10×10cmの範囲で展開して、この上に10×10cmのガラスクロスを載せ、10分間放置して分散液1をガラスクロスに含浸させた。その後、ガラス板上の分散液1を含浸したガラスクロスに厚さ100μmのPETフィルム(東洋紡績社製「コスモシャインA4100」)を重ねて、ラミネーターを通過させて、厚みを均一にした。
次に、PETフィルム側より、高圧水銀灯にて2000mJ/cm2(365nm)の紫外線を照射し、さらに、ガラス面側から同様に2000mJ/cm2(365nm)の紫外線を照射して硬化性組成物を硬化させた。さらに、PETフィルム及びガラス板から硬化したシートを剥離し、220℃のオーブン中で1時間加熱処理を行い、白色基板を得た。得られた白色基板の厚さは85μmであった。
(実施例2)
透明樹脂(a)であるε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート(NKエステル A−9300−1CL、新中村化学工業社製)50重量部を80℃に加熱して、光散乱性フィラー(c)である酸化チタン(石原産業社製「CR−95」、平均粒径0.28μm、屈折率2.70)50重量部を加えて、回転羽根式分散機で1時間分散した。
透明樹脂(a)であるε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート(NKエステル A−9300−1CL、新中村化学工業社製)50重量部を80℃に加熱して、光散乱性フィラー(c)である酸化チタン(石原産業社製「CR−95」、平均粒径0.28μm、屈折率2.70)50重量部を加えて、回転羽根式分散機で1時間分散した。
さらに、光重合開始剤である1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバ・ジャパン社製「イルガキュア184」)1重量部を加えて溶解し、分散液2(硬化性組成物)を調製した。
ガラス繊維(b)として、10×10cmのEガラス繊維であるIPC#2013相当のガラスクロス(日東紡社製、厚さ75μm、屈折率1.558)を用意した。分散液2を、ガラス板上に10×10cmの範囲で展開して、この上に10×10cmのガラスクロスを載せ、10分間放置して分散液2をガラスクロスに含浸させた。その後、ガラス板上の分散液2を含浸したガラスクロスに厚さ100μmのPETフィルム(東洋紡績社製「コスモシャインA4100」)を重ねて、50℃にロールを加熱したラミネーターを通過させて、厚みを均一にした。
次に、PETフィルム側より、高圧水銀灯にて2000mJ/cm2(365nm)の紫外線を照射し、さらに、ガラス面側から同様に2000mJ/cm2(365nm)の紫外線を照射して硬化性組成物を硬化させた。さらに、PETフィルム及びガラス板から硬化したシートを剥離し、230℃のオーブン中で30分間加熱処理を行い、白色基板を得た。得られた白色基板の厚さは85μmであった。
(実施例3)
透明樹脂(a)であるトリメチロールプロパントリアクリレート(NKエステル A−TMPT、新中村化学工業社製)50重量部と、9,9’−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(新中村化学社製「A−BPEF」)20重量部とを加えて80℃に加熱しながら混合し、混合物3を得た。
透明樹脂(a)であるトリメチロールプロパントリアクリレート(NKエステル A−TMPT、新中村化学工業社製)50重量部と、9,9’−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(新中村化学社製「A−BPEF」)20重量部とを加えて80℃に加熱しながら混合し、混合物3を得た。
上記混合物3を80℃に保ちながら光散乱性フィラー(c)である酸化チタン(石原産業社製「CR−90−2」)30重量部を加えて、回転羽根式分散機で1時間分散した。
さらに、光重合開始剤である2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン(チバ・ジャパン社製「イルガキュア907」)1重量部を加えて溶解し、分散液3を調製した。
ガラス繊維(b)として、10×10cmのTガラス繊維であるIPC#2116相当のガラスクロス(日東紡社製、厚さ95μm、屈折率1.524)を用意した。分散液3を、ガラス板上に10×10cmの範囲で展開して100℃に加熱し、この上に10×10cmのガラスクロスを載せ、10分間放置して分散液3をガラスクロスに含浸させた。その後、ガラス板上の分散液3を含浸したガラスクロスに厚さ100μmのPETフィルム(東洋紡績社製「コスモシャインA4100」)を重ねて、70℃に温度調節されたラミネーターを通過させて、厚みを均一にした。
次に、PETフィルム側より、高圧水銀灯にて2000mJ/cm2(365nm)の紫外線を照射し、さらに、ガラス面側から同様に2000mJ/cm2(365nm)の紫外線を照射して硬化性組成物を硬化させた。さらに、PETフィルム及びガラス板から硬化したシートを剥離し、220℃のオーブン中で1時間加熱処理を行い、白色基板を得た。得られた白色基板の厚さは110μmであった。
(実施例4)
透明樹脂(a)である3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(セロキサイド2021P、ダイセル化学工業社製)21重量部及びビスアリールフルオレン系エポキシ樹脂(オンコートEX−1010、長瀬産業社製)14重量部に、硬化剤であるメチルヘキサヒドロ無水フタル酸とヘキサヒドロ無水フタル酸との7:3(重量比)混合物(リカシッドMH−700、新日本理化社製)29重量部と、硬化促進剤(ヒシコーリンPX−4ET、日本化学工業社製)1重量部とを添加し、混合し、混合物4を得た。
透明樹脂(a)である3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(セロキサイド2021P、ダイセル化学工業社製)21重量部及びビスアリールフルオレン系エポキシ樹脂(オンコートEX−1010、長瀬産業社製)14重量部に、硬化剤であるメチルヘキサヒドロ無水フタル酸とヘキサヒドロ無水フタル酸との7:3(重量比)混合物(リカシッドMH−700、新日本理化社製)29重量部と、硬化促進剤(ヒシコーリンPX−4ET、日本化学工業社製)1重量部とを添加し、混合し、混合物4を得た。
上記混合物4に、光散乱性フィラー(c)である酸化チタン(石原産業社製「CR−90−2」)35重量部を加えて、回転羽根式分散機で1時間分散し、分散液4(硬化性組成物)を得た。
ガラス繊維(b)として、10×10cmのTガラス繊維であるIPC#2013相当のガラスクロス(日東紡社製、厚さ75μm、屈折率1.524)を用意した。分散液4を、ガラス板上に10×10cmの範囲で展開して80℃に加熱し、この上に10×10cmのガラスクロスを載せて、10分間放置して分散液4をガラスクロスに含浸させた。その後、ガラス板上の分散液4を含浸したガラスクロスに厚さ100μmのステンレス箔を重ね、70℃に温度調節されたラミネーターを通過させて、厚みを均一にし、100℃のオーブン内で1時間加熱処理を行い、さらに180℃のオーブン中で3時間加熱硬化して白色基板を得た。得られた白色基板の厚さは90μmであった。
(実施例5)
透明樹脂(a)であるポリシルセスキオキサン(HBSQ101、荒川化学工業社製)40重量部及びイソシアヌル酸トリアリル25重量部を混合し、混合物5を得た。
透明樹脂(a)であるポリシルセスキオキサン(HBSQ101、荒川化学工業社製)40重量部及びイソシアヌル酸トリアリル25重量部を混合し、混合物5を得た。
上記混合物5に、光散乱性フィラー(c)である酸化亜鉛(堺化学工業社製「微細酸化亜鉛」、平均粒径0.29μm、屈折率1.95)35重量部を加えて、回転羽根式分散機で1時間分散した。
さらに、光重合開始剤である2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン(チバ・ジャパン社製「イルガキュア907」)1重量部を加えて溶解し、分散液5(硬化性組成物)を調製した。
ガラス繊維(b)として、10×10cmのTガラス繊維であるIPC#2116相当のガラスクロス(日東紡社製、厚さ95μm、屈折率1.524)を用意した。分散液5を、ガラス板上に10×10cmの範囲で展開して80℃に加熱し、この上に10×10cmのガラスクロスを載せて、10分間放置して分散液5をガラスクロスに含浸させた。その後、ガラス板上の分散液5を含浸したガラスクロスに厚さ100μmのPETフィルム(東洋紡績社製「コスモシャインA4100」)を重ねて、70℃に温度調節されたラミネーターを通過させて、厚みを均一にした。
次に、PETフィルム側より、高圧水銀灯にて2000mJ/cm2(365nm)の紫外線を照射して、硬化性組成物を硬化させた。さらに、PETフィルム及びガラス板から硬化したシートを剥離し、200℃のオーブン中で1時間加熱処理を行い、白色基板を得た。得られた白色基板の厚さは110μmであった。
(実施例6)
透明樹脂(a)であるポリシルセスキオキサン溶液(コンポセランSQ102−1、荒川化学工業社製)35重量部及びイソホロンジイソシアネート25重量部に、硬化促進剤であるジブチルスズジラウレート0.1重量部を添加し、混合し、混合物6を得た。
透明樹脂(a)であるポリシルセスキオキサン溶液(コンポセランSQ102−1、荒川化学工業社製)35重量部及びイソホロンジイソシアネート25重量部に、硬化促進剤であるジブチルスズジラウレート0.1重量部を添加し、混合し、混合物6を得た。
上記混合物6に、光散乱性フィラー(c)である酸化チタン(石原産業社製「CR−90−2」)40重量部を加えて、回転羽根式分散機で1時間分散し、分散液6(硬化性組成物)を得た。
ガラス繊維(b)として、10×10cmのTガラス繊維であるIPC#2013相当のガラスクロス(日東紡社製、厚さ75μm、屈折率1.524)を用意した。分散液6を、ガラス板上に10×10cmの範囲で展開して80℃に加熱し、この上に10×10cmのガラスクロスを載せて、10分間放置して分散液6をガラスクロスに含浸させた。その後、ガラス板上の分散液6を含浸したガラスクロスに厚さ100μmのステンレス箔を重ねて、70℃に温度調節されたラミネーターを通過させて、厚みを均一にし、100℃のオーブン内で1時間加熱処理を行い、さらに180℃のオーブン中で3時間加熱硬化して白色基板を得た。得られた白色基板の厚さは90μmであった。
(実施例7)
透明樹脂(a)であるトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(NKエステル A−DCP、新中村化学工業社製)85重量部に、光散乱性フィラー(c)である中空樹脂粒子(試作品、平均粒径2.9μm、中空度75%)15重量部を加えて、回転羽根式分散機で1時間分散した。
透明樹脂(a)であるトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(NKエステル A−DCP、新中村化学工業社製)85重量部に、光散乱性フィラー(c)である中空樹脂粒子(試作品、平均粒径2.9μm、中空度75%)15重量部を加えて、回転羽根式分散機で1時間分散した。
さらに、光重合開始剤である2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン(チバ・ジャパン社製「イルガキュア907」)1重量部を加えて溶解し、分散液7(硬化性組成物)を調製した。
ガラス繊維(b)として、10×10cmのEガラス繊維であるIPC#2116相当のガラスクロス(日東紡社製、厚さ95μm、屈折率1.558)を用意した。分散液7を、ガラス板上に10×10cmの範囲で展開して、この上に10×10cmのガラスクロスを載せ、10分間放置して分散液7をガラスクロスに含浸させた。その後、ガラス板上の分散液7を含浸したガラスクロスに厚さ100μmのPETフィルム(東洋紡績社製「コスモシャインA4100」)を重ねて、ラミネーターを通過させて、厚みを均一にした。
次に、PETフィルム側より、高圧水銀灯にて1000mJ/cm2(365nm)の紫外線を照射し、さらに、ガラス面側から同様に1000mJ/cm2(365nm)の紫外線を照射して硬化性組成物を硬化させた。さらに、PETフィルム及びガラス板から硬化したシートを剥離し、220℃のオーブン中で1時間加熱処理を行い、白色基板を得た。得られた白色基板の厚さは110μmであった。
(実施例8)
透明樹脂(a)であるε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート(NKエステル A−9300−1CL、新中村化学工業社製)80重量部を80℃に加熱して、光散乱性フィラー(c)である中空樹脂粒子(試作品、平均粒径4.0μm、中空度65%)20重量部を加えて、回転羽根式分散機で1時間分散した。
透明樹脂(a)であるε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート(NKエステル A−9300−1CL、新中村化学工業社製)80重量部を80℃に加熱して、光散乱性フィラー(c)である中空樹脂粒子(試作品、平均粒径4.0μm、中空度65%)20重量部を加えて、回転羽根式分散機で1時間分散した。
さらに、光重合開始剤である1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバ・ジャパン社製「イルガキュア184」)1重量部を加えて溶解し、分散液8(硬化性組成物)を調製した。
ガラス繊維(b)として、10×10cmのEガラス繊維であるIPC#2116相当のガラスクロス(日東紡社製、厚さ95μm、屈折率1.558)を用意した。分散液8を、ガラス板上に10×10cmの範囲で展開してホットプレート上で80℃に加熱し、この上に10×10cmのガラスクロスを載せ、10分間放置して分散液8をガラスクロスに含浸させた。その後、ガラス板上の分散液8を含浸したガラスクロスに厚さ100μmのPETフィルム(東洋紡績社製「コスモシャインA4100」)を重ねて、50℃にロールを加熱したラミネーターを通過させて、厚みを均一にした。
次に、PETフィルム側より、高圧水銀灯にて1000mJ/cm2(365nm)の紫外線を照射し、さらに、ガラス面側から同様に1000mJ/cm2(365nm)の紫外線を照射して硬化性組成物を硬化させた。さらに、PETフィルム及びガラス板から硬化したシートを剥離し、230℃のオーブン中で30分間加熱処理を行い、白色基板を得た。得られた白色基板の厚さは110μmであった。
(比較例1)
光散乱性フィラー(c)を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、白色基板を作製した。
光散乱性フィラー(c)を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、白色基板を作製した。
(比較例2)
透明樹脂(a)であるトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(NKエステル A−DCP、新中村化学工業社製)の配合量を90重量部に、光散乱性フィラー(c)である酸化チタン(石原産業社製「CR−90−2」)の配合量を10重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、白色基板を作製した。
透明樹脂(a)であるトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(NKエステル A−DCP、新中村化学工業社製)の配合量を90重量部に、光散乱性フィラー(c)である酸化チタン(石原産業社製「CR−90−2」)の配合量を10重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、白色基板を作製した。
(比較例3)
ガラス繊維(b)として、Eガラス繊維であるIPC#2116相当のガラスクロス(日東紡社製、屈折率1.558)を使用したこと以外は実施例3と同様にして、白色基板を作製した。
ガラス繊維(b)として、Eガラス繊維であるIPC#2116相当のガラスクロス(日東紡社製、屈折率1.558)を使用したこと以外は実施例3と同様にして、白色基板を作製した。
(比較例4)
光散乱性フィラー(c)を、平均粒径4μmの溶融シリカ(電気化学工業社製「FB−5SDC」、屈折率1.46)をアクリロイロキシプロピルトリエトキシシランで表面処理したフィラーに変更したこと以外は実施例2と同様にして、白色基板を得た。
光散乱性フィラー(c)を、平均粒径4μmの溶融シリカ(電気化学工業社製「FB−5SDC」、屈折率1.46)をアクリロイロキシプロピルトリエトキシシランで表面処理したフィラーに変更したこと以外は実施例2と同様にして、白色基板を得た。
(比較例5)
実施例1で調製した分散液1をガラス板上に展開し、厚さ80μmのスペーサーを介してもう1枚のガラス板で挟み込んで厚さを均一にした後、高圧水銀灯にて1000mJ/cm2(365nm)の紫外線を照射し、さらに、反対面から1000mJ/cm2(365nm)の紫外線を照射して分散液を硬化した。ガラス板を剥がして分散液1の硬化物シートを取り出し、220℃のオーブン中で1時間加熱処理を行ってガラス繊維(b)を含まない厚さ80μmの白色基板を得た。
実施例1で調製した分散液1をガラス板上に展開し、厚さ80μmのスペーサーを介してもう1枚のガラス板で挟み込んで厚さを均一にした後、高圧水銀灯にて1000mJ/cm2(365nm)の紫外線を照射し、さらに、反対面から1000mJ/cm2(365nm)の紫外線を照射して分散液を硬化した。ガラス板を剥がして分散液1の硬化物シートを取り出し、220℃のオーブン中で1時間加熱処理を行ってガラス繊維(b)を含まない厚さ80μmの白色基板を得た。
(評価)
a)屈折率
離型処理された2枚のガラス板を用意した。また、各実施例及び比較例の分散液を調製する際に、光散乱性フィラー(c)を配合しなかったこと以外は同様にして調製された分散液を用意した。この2枚のガラス板を100μmの間隔を隔てて、各実施例及び比較例の光散乱性フィラー(c)を含まない分散液を挟み込み、各実施例及び比較例のUV光を照射及び加熱の条件によって硬化して試験片(硬化物)を作製した。アッベ屈折計(アタゴ社製「NAR−1T」)を用いて、試験片の屈折率nD(ナトリウムD線(589nm)、25℃)を測定し、得られた測定値を透明樹脂(a)の硬化物の屈折率とした。ガラス繊維(b)の屈折率及び光散乱性フィラー(c)の屈折率については、メーカー公称値を採用した。
a)屈折率
離型処理された2枚のガラス板を用意した。また、各実施例及び比較例の分散液を調製する際に、光散乱性フィラー(c)を配合しなかったこと以外は同様にして調製された分散液を用意した。この2枚のガラス板を100μmの間隔を隔てて、各実施例及び比較例の光散乱性フィラー(c)を含まない分散液を挟み込み、各実施例及び比較例のUV光を照射及び加熱の条件によって硬化して試験片(硬化物)を作製した。アッベ屈折計(アタゴ社製「NAR−1T」)を用いて、試験片の屈折率nD(ナトリウムD線(589nm)、25℃)を測定し、得られた測定値を透明樹脂(a)の硬化物の屈折率とした。ガラス繊維(b)の屈折率及び光散乱性フィラー(c)の屈折率については、メーカー公称値を採用した。
b)白色基板の厚み
ダイヤル厚みゲージ(尾崎製作所社製「G−6」)にて、作製した白色基板の厚みを測定した。
ダイヤル厚みゲージ(尾崎製作所社製「G−6」)にて、作製した白色基板の厚みを測定した。
c)光反射率
分光光度計(島津製作所製「UV−3101PC」)に積分球を取り付け、BaSO4白板を100%とした時の測定光入射(反射)角8°で反射率を400〜800nmの範囲で測定した。550nmの反射率(%)を光反射率とした。
分光光度計(島津製作所製「UV−3101PC」)に積分球を取り付け、BaSO4白板を100%とした時の測定光入射(反射)角8°で反射率を400〜800nmの範囲で測定した。550nmの反射率(%)を光反射率とした。
d)ガラス転移温度
動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御社製「DVA−200」)を用いて、30℃から300℃まで10℃/分の速度で得られた白色基板を昇温して、引張モードによる測定を行った。tanδのピーク温度をガラス転移温度とした。このガラス転移温度は、硬化性組成物を硬化させた硬化物のガラス転移温度に相当する。
動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御社製「DVA−200」)を用いて、30℃から300℃まで10℃/分の速度で得られた白色基板を昇温して、引張モードによる測定を行った。tanδのピーク温度をガラス転移温度とした。このガラス転移温度は、硬化性組成物を硬化させた硬化物のガラス転移温度に相当する。
e)線膨張係数
TMA/EXSTAR6000型熱応力歪測定装置(セイコー電子社製)を用いて、得られた白色基板を30℃から250℃まで10℃/分の速度で昇温した後、10℃/分の速度で0℃まで冷却した。その後、再度、10℃/分の速度で250℃まで昇温し、この昇温時の30℃〜250℃における平均線膨張係数を求めた。
TMA/EXSTAR6000型熱応力歪測定装置(セイコー電子社製)を用いて、得られた白色基板を30℃から250℃まで10℃/分の速度で昇温した後、10℃/分の速度で0℃まで冷却した。その後、再度、10℃/分の速度で250℃まで昇温し、この昇温時の30℃〜250℃における平均線膨張係数を求めた。
f)柔軟性
得られた白色基板を直径の異なる丸棒に巻きつけ、クラックの発生を目視により観察した。クラックが生じなかった丸棒の直径の最小値を柔軟性の値とした。クラックが生じない丸棒の最小径は15mm以下であることが好ましく、10mm以下であることがより好ましい。
得られた白色基板を直径の異なる丸棒に巻きつけ、クラックの発生を目視により観察した。クラックが生じなかった丸棒の直径の最小値を柔軟性の値とした。クラックが生じない丸棒の最小径は15mm以下であることが好ましく、10mm以下であることがより好ましい。
評価結果を下記の表1〜2に示す。なお、下記の表1〜2には、白色基板100体積%中の光散乱性フィラー(c)の含有量も示した。
Claims (14)
- 白色の基板であって、
透明樹脂の硬化物と、ガラス繊維と、光散乱性フィラーとを含有し、
波長550nmにおける光反射率が70%以上である、白色基板。 - 前記ガラス繊維が、織布又は不織布である、請求項1に記載の白色基板。
- 前記透明樹脂の硬化物と前記ガラス繊維との屈折率差が0.02以上であり、かつ前記透明樹脂の硬化物と前記光散乱性フィラーとの屈折率差が0.2以上である、請求項1又は2のいずれか1項に記載の白色基板。
- 前記光散乱性フィラーが、平均粒径が0.1μm以上、20μm以下である酸化チタンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の白色基板。
- 前記光散乱性フィラーが、平均粒径が0.1μm以上、20μm以下である酸化亜鉛である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の白色基板。
- 前記光散乱性フィラーが、平均粒径が0.1μm以上、20μm以下であり、かつ中空度が10%以上、90%以下である中空粒子である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の白色基板。
- 前記ガラス繊維がTガラスである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の白色基板。
- 前記透明樹脂が、前記透明樹脂100重量%中、(メタ)アクリル樹脂又はエポキシ樹脂を50重量%以上含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の白色基板。
- 前記透明樹脂が、下記式(1)で表されるチオール基含有シラン化合物の加水分解縮合物を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の白色基板。
R1Si(OR2)3 ・・・式(1)
前記式(1)中、R1は、チオール基を有しかつ芳香環を有さない炭素数1〜8の有機基、又はチオール基を有しかつ芳香環を有する有機基を表し、R2は、水素原子、芳香環を有さない炭素数1〜8の有機基、又は芳香環を有する有機基を表す。 - 前記透明樹脂が、エポキシ基を有する化合物及びイソシアネート基を有する化合物の内の少なくとも一種をさらに含む、請求項9に記載の白色基板。
- 前記透明樹脂が、炭素−炭素二重結合を有する化合物をさらに含む、請求項9又は10に記載の白色基板。
- 30〜200℃における平均線膨張係数が20ppm/℃以下である、請求項1〜11に記載の白色基板。
- 反射型表示装置用白色基板である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の白色基板。
- 表示素子と、
請求項1〜13のいずれか1項に記載の白色基板とを備える、表示装置。
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