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JP2011213821A - 硬化組成物及び透明複合シート - Google Patents

硬化組成物及び透明複合シート Download PDF

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JP2011213821A
JP2011213821A JP2010082103A JP2010082103A JP2011213821A JP 2011213821 A JP2011213821 A JP 2011213821A JP 2010082103 A JP2010082103 A JP 2010082103A JP 2010082103 A JP2010082103 A JP 2010082103A JP 2011213821 A JP2011213821 A JP 2011213821A
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carbon
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JP2010082103A
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Minoru Suezaki
穣 末崎
Ryo Okui
亮 奥井
Ayuko Oki
阿由子 沖
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】透明性及び靭性に優れており、かつ耐熱性が高く、200℃以上の無機材料層を形成する過程に耐え得る硬化物を与える硬化性組成物、並びに該硬化性組成物を用いた透明複合シートを提供する。
【解決手段】本発明に係る硬化性組成物は、チオール基を2つ以上有するシルセスキオキサンと、炭素―炭素二重結合を2つ以上有する芳香族ビスマレイミド化合物とを含む。本発明に係る透明複合シートは、上記硬化性組成物を硬化させた硬化物と、該硬化物に埋め込まれたガラス繊維とを有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、透明性、靭性及び耐熱性に優れた硬化物を与える硬化性組成物に関する。さらに、本発明は、例えば、表示素子用基板などの透明性が要求される用途に用いられる透明複合シートであって、上記硬化性組成物を硬化させた硬化物と、該硬化物中に埋め込まれたガラス繊維とを有する透明複合シートに関する。
液晶表示素子又は有機EL表示素子等の表示素子用基板、並びに太陽電池用基板等に、ガラス基板が広く用いられている。しかしながら、ガラス基板は、割れやすく、曲げ性が低く、更に軽量化できないという問題がある。このため、近年、ガラス基板のかわりに、プラスチック基板を用いることが検討されている。
例えば、下記の特許文献1には、ガラスクロスに樹脂組成物を塗布し、含浸させ、乾燥することにより得られたプラスチック基板が開示されている。
特開2004−151291号公報
ガラス基板に比べて、従来のプラスチック基板の耐熱性は低い。また、表示素子及び太陽電池では、無機材料を用いて、半導体層又は導電層として無機材料層が形成されていることが多い。この無機材料層を形成する過程では、基板が250〜300℃程度に加熱される。ガラス基板は、耐熱性が高いため、250〜300℃程度の高温に耐え得る。しかし、プラスチック基板を用いる場合には、無機材料層を形成する過程における耐熱性が問題となっている。ここで言う耐熱性とは、加熱によりプラスチック材料が変性や分解することのみならず、加熱による変形や弾性率の低下の影響も意味する。特にプラスチック基板の用途では、加熱による変形や弾性率の低下が、基板上に無機材料層を形成する過程で大きな問題となる。また、プラスチック基板の加熱による変形や弾性率の低下は該プラスチック基板に用いられる樹脂材料のガラス転移温度を境として顕著となるため、樹脂材料のガラス転移温度が重要なパラメータとなる。このプラスチック基板の耐熱性の問題に対して、無機材料層を180℃程度の比較的低温で形成するための技術が検討されている。しかし、低温プロセスでは、半導体又は導電体としての特性、並びに素子動作の信頼性を満足する無機材料層を得ることは困難である。
本発明の目的は、透明性及び靭性に優れており、かつ耐熱性が高く、200℃以上の無機材料層を形成する過程に耐え得る硬化物を与える硬化性組成物、並びに該硬化性組成物を用いた透明複合シートを提供することである。
本発明の広い局面によれば、チオール基を2つ以上有するシルセスキオキサンと、炭素―炭素二重結合を2つ以上有する芳香族ビスマレイミド化合物とを含む、硬化性組成物が提供される。
本発明に係る硬化性組成物のある特定の局面では、硬化性組成物中の硬化性成分100重量%中、上記シルセスキオキサンの含有量が10〜70重量%であり、かつ上記芳香族ビスマレイミド化合物の含有量が10〜60重量%である。
本発明に係る硬化性組成物の他の特定の局面では、炭素−炭素二重結合を2つ以上有し、かつトリアジン環骨格を有する化合物がさらに含まれている。
本発明に係る硬化性組成物のさらに他の特定の局面では、上記シルセスキオキサンは、下記式(1)で表されるチオール基含有シラン化合物の加水分解縮合物である。
R1Si(OR2) ・・・式(1)
上記式(1)中、R1は、チオール基を有し、かつ芳香環を有さない炭素数1〜8の有機基、又はチオール基を有し、かつ芳香環を有する有機基を表し、R2は、水素原子、芳香環を有さない有機基、又は芳香環を有する有機基を表す。
本発明に係る硬化性組成物の別の特定の局面では、硬化性組成物を硬化させた硬化物のガラス転移温度が200℃以上である。
本発明に係る透明複合シートは、本発明に従って構成された硬化性組成物を硬化させた硬化物と、該硬化物に埋め込まれたガラス繊維とを有する。
本発明に係る透明複合シートのある特定の局面では、上記ガラス繊維は、ガラス繊維の織布又はガラス繊維の不織布である。
本発明に係る透明複合シートのさらに他の特定の局面では、550nmにおける光線透過率が85%以上である。
本発明に係る硬化性組成物は、チオール基を2つ以上有するシルセスキオキサンと、炭素―炭素二重結合を2つ以上有する芳香族ビスマレイミド化合物とを含むので、透明性及び靭性に優れている硬化物を与える。さらに、本発明に係る硬化性組成物を硬化させた硬化物のガラス転移温度が高くなり、例えばガラス転移温度が200℃以上になる。これにより、上記硬化性組成物とガラス繊維とを用いた透明複合シートの耐熱性が高くなり、該透明複合シートは、200℃以上の無機材料層を形成する過程に耐え得る。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る硬化性組成物は、チオール基を有する成分(A)と、炭素−炭素二重結合を有する成分(B)とを含む。成分(A)及び成分(B)はそれぞれ、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。本発明に係る硬化性組成物は、上記成分(A)としてチオール基を2つ以上有するシルセスキオキサンと、上記成分(B)として炭素―炭素二重結合を2つ以上有する芳香族ビスマレイミド化合物とを含む。本発明に係る硬化性組成物は、透明であることが好ましく、透明複合材料であることが好ましい。
(チオール基を有する成分(A))
[チオール基を2つ以上有するシルセスキオキサン]
本発明に係る硬化性組成物は、上記成分(A)として、チオール基を2つ以上有するシルセスキオキサンを含む。上記チオール基を2つ以上有するシルセスキオキサンは、下記式(1)で表されるチオール基含有シラン化合物の加水分解縮合物(a1)であることが好ましい。上記加水分解縮合物(a1)はシルセスキオキサンである。上記加水分解縮合物(a1)の使用により、硬化物の透明性及び耐熱性をより一層高めることができる。ただし、上記チオール基を2つ以上有するシルセスキオキサンは、上記加水分解縮合物(a1)以外のシルセスキオキサンであってもよい。上記シルセスキオキサンは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
R1Si(OR2) ・・・式(1)
上記式(1)中、R1は、チオール基を有し、かつ芳香環を有さない炭素数1〜8の有機基、又はチオール基を有し、かつ芳香環を有する有機基を表し、R2は、水素原子、芳香環を有さない有機基、又は芳香環を有する有機基を表す。
上記R1としては、具体的には、チオール基を有する炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、チオール基を有する炭素数1〜8の脂環式炭化水素基、及びチオール基を有する炭素数1〜8の芳香族炭化水素基等が挙げられる。チオール基を有する場合の「炭化水素基」は、炭素原子と水素原子とだけでなく、チオール基に由来する硫黄原子も含む基である。
上記式(1)中のR2は、水素原子、芳香環を有さない炭素数1〜8の有機基、又は芳香環を有する炭素数1〜8の有機基であることが好ましい。上記R2としては、具体的には、水素原子、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜8の脂環式炭化水素基、及び炭素数1〜8の芳香族炭化水素基等が挙げられる。複数の上記R2は同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記式(1)で表されるチオール基含有シラン化合物を含有する成分(以下、成分(a11)ともいう)を加水分解及び縮合させることにより、上記加水分解縮合物(a1)を得ることができる。すなわち、加水分解反応及び縮合反応により、上記加水分解縮合物(a1)を得ることができる。
上記式(1)で表されるチオール基含有シラン化合物としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルトリブトキシシラン、1,4−ジメルカプト−2−(トリメトキシシリル)ブタン、1,4−ジメルカプト−2−(トリエトキシシリル)ブタン、1,4−ジメルカプト−2−(トリプロポキシシリル)ブタン、1,4−ジメルカプト−2−(トリブトキシシリル)ブタン、2−メルカプトメチル−3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトメチル−3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトメチル−3−メルカプトプロピルトリプロポキシシラン、2−メルカプトメチル−3−メルカプトプロピルトリブトキシシラン、1,2−ジメルカプトエチルトリメトキシシラン、1,2−ジメルカプトエチルトリエトキシシラン、1,2−ジメルカプトエチルトリプロポキシシラン、及び1,2−ジメルカプトエチルトリブトキシシラン等が挙げられる。なかでも、加水分解反応の反応性が高く、かつ入手が容易であるため、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが好ましい。
加水分解縮合物(a1)を得る際に、上記式(1)で表されるチオール基含有シラン化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。さらに、加水分解縮合物(a1)を得る際に、上記チオール基含有シラン化合物以外の架橋性化合物を用いてもよい。上記成分(a11)には、上記式(1)で表されるチオール基含有シラン化合物に加えて、必要に応じて架橋性化合物が含まれていてもよい。すなわち、加水分解縮合物(a1)には、上記チオール基含有シラン化合物のみを用いた加水分解縮合物だけでなく、上記チオール基含有シラン化合物と、該チオール基含有シラン化合物以外の架橋性化合物を用いた加水分解縮合物も含まれる。
上記架橋性化合物としては、トリアルキルアルコキシシラン、ジアルキルジアルコキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン、テトラアルコキシチタン及びテトラアルコキシジルコニウム等が挙げられる。なかでも、トリアルキルアルコキシシラン、ジアルキルジアルコキシシラン又はテトラアルコキシシランが好ましい。これらの好ましい架橋性化合物の使用により、加水分解縮合物(a1)の架橋密度を容易に調整できる。上記アルキルトリアルコキシシランの使用により、加水分解縮合物(a1)に含まれるチオール基の数を容易に調整できる。テトラアルコキシチタン又はテトラアルコキシジルコニウムの使用により、加水分解縮合物(a1)の硬化物の屈折率を高くすることができる。上記架橋性化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記トリアルキルアルコキシシランとしては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン及びトリフェニルエトキシシラン等が挙げられる。上記ジアルキルジアルコキシシランとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン及び3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。上記アルキルトリアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン及びフェニルトリエトキシシラン等が挙げられる。上記テトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン及びテトラブトキシシラン等が挙げられる。上記テトラアルコキシチタンとしては、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン及びテトラブトキシチタン等が挙げられる。上記テトラアルコキシジルコニウムとしては、テトラエトキシジルコニウム、テトラプロポキシジルコニウム及びテトラブトキシジルコニウム等が挙げられる。これら以外の金属アルコキシドを用いてもよい。
加水分解縮合物(a1)を得る際の加水分解反応に用いる触媒は、特に限定されず、従来公知の加水分解触媒を用いることができる。触媒活性が高く、更に縮合反応の触媒としても機能するので、上記触媒はギ酸であることが好ましい。
成分(a11)100重量部に対して、上記触媒の含有量は0.1〜25重量部の範囲内であることが好ましい。成分(a11)100重量部に対して、上記触媒の含有量のより好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は10重量部である。上記触媒の含有量が上記下限以上であると、加水分解反応が十分に進行し、反応時間を短くすることができる。上記触媒の含有量が上記上限以下であると、硬化性組成物の保存安定性が高くなる傾向がある。さらに、後工程で触媒を容易に除去できる。
上記加水分解反応の反応温度及び反応時間は、加水分解反応する成分の反応性に応じて任意に設定される。上記反応温度は、通常0〜100℃、好ましくは20〜60℃である。上記反応時間は1分〜2時間程度である。
上記加水分解反応の際に、溶剤を用いてもよく、溶剤を用いなくてもよい。該溶剤の種類は特に限定されない。溶剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記加水分解反応の際に用いられる上記溶剤は、縮合反応に用いられる溶剤と同じであることが好ましい。加水分解反応及び縮合反応する成分の反応性が低い場合には、上記加水分解反応の際に、溶剤を用いないことが好ましい。
[加水分解反応により生じた水酸基のモル数]/[成分(a11)に含まれるアルコキシ基の合計モル数](以下、モル比Aともいう)が0.5以上であるように、上記加水分解反応を進行させることが好ましい。上記モル比Aは0.8以上であることがより好ましい。上記縮合反応は、加水分解により生じた水酸基間だけでなく、該水酸基と残存アルコキシ基との間でも進行する。このため、上記モル比Aは0.5以上であることが好ましい。
上記縮合反応では、加水分解により生じた水酸基間で水が生成し、更に水酸基とアルコキシ基間でアルコールが生成する。この縮合反応により、上記加水分解縮合物(a1)はガラス化する。
上記縮合反応では、従来公知の縮合触媒を用いることができる。ギ酸は触媒活性が高く、加水分解反応の触媒としてだけでなく、縮合反応の触媒としても作用する。従って、上記縮合触媒は、ギ酸であることが好ましい。上記縮合反応での反応温度及び反応時間はそれぞれ、成分(a11)の反応性に応じて任意に設定される。上記反応温度は、通常40〜150℃程度、好ましくは60〜100℃である。上記反応時間は、30分〜12時間程度である。
[未反応の水酸基と未反応のアルコキシ基との合計モル数]/[成分(a11)に含まれるアルコキシ基の合計モル数](以下、モル比Bともいう)が0.3以下であるように、上記縮合反応を進行させることが好ましい。上記モル比Bは0.2以下であることがより好ましい。上記モル比Bが上記上限以下であると、未反応の水酸基とアルコキシ基とが硬化性組成物の保管中に縮合反応して、ゲル化し難くなる。さらに、硬化物において縮合反応が進行し難くなり、硬化物にクラックが生じ難くなる。
上記縮合反応の際に、成分(a11)の濃度は2〜80重量%の範囲内であることが好ましい。上記縮合反応の際に、成分(a11)の濃度のより好ましい下限は15重量%、より好ましい上限は60重量%である。上記縮合反応によって生成する水及びアルコールよりも沸点が高い溶剤を用いることが好ましい。この場合には、反応溶液から、溶剤を容易に除去できる。上記濃度が上記下限以上及び上限以下である場合には、反応中にゲル化し難くなり、加水分解縮合物(a1)の分子量が大きくなりすぎず、加水分解縮合物(a1)の保存安定性がより一層高くなる。
上記縮合反応の後に、触媒を除去することが好ましい。触媒の除去により、加水分解縮合物(a1)の保存安定性を高めることができる。上記触媒の除去方法は、触媒の種類に応じて公知の方法を適宜に選択できる。上記触媒の除去方法としては、触媒の沸点以上に加熱する方法、及び減圧する方法等が挙げられる。上記触媒がギ酸である場合には、これらの方法によりギ酸を容易に除去できる。
[シルセスキオキサン以外の多官能チオール化合物]
本発明に係る硬化性組成物は、シルセスキオキサン以外の多官能チオール化合物を含んでいてもよい。上記シルセスキオキサン以外の多官能チオール化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記シルセスキオキサン以外の多官能チオール化合物としては、1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,3−ブタンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,9−ノナンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,10−デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、トルエン−3,4−ジチオール、3,6−ジクロロ−1,2−ベンゼンジチオール、1,5−ナフタレンジチオール、1,2−ベンゼンジメタンチオール、1,3−ベンゼンジメタンチオール、1,4−ベンゼンジメタンチオール、4,4’−チオビスベンゼンチオール、2−ジ−n−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン、1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン、及び2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。
(炭素−炭素二重結合を有する成分(B))
本発明に係る硬化性組成物は、炭素−炭素二重結合を有する成分(B)を含む。成分(B)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
[炭素―炭素二重結合を2つ以上有する芳香族ビスマレイミド化合物]
本発明に係る硬化性組成物は、上記成分(B)として、炭素―炭素二重結合を2つ以上有する芳香族ビスマレイミド化合物を含む。該芳香族ビスマレイミド化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記芳香族ビスマレイミド化合物としては、例えば、N,N’−(1,3−フェニレン)ビスマレイミド、N,N’−[1,3−(2−メチルフェニレン)]ビスマレイミド、N,N’−[1,3−(4−メチルフェニレン)]ビスマレイミド、N,N’−(1,4−フェニレン)ビスマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニル)エーテル、ビス(4−マレイミドフェニル)スルホン、ビス(4−マレイミドフェニル)スルフィド、ビス(4−マレイミドフェニル)ケトン、ビス(4−マレイミドシクロヘキシル)メタン、1,4−ビス(4−マレイミドフェニル)シクロヘキサン、1,4−ビス(マレイミドメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(マレイミドメチル)ベンゼン、1,3−ビス(4−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]エタン、2,2−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ビフェニル、4,4−ビス(4−マレイミドフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]ケトン、2,2’−ビス(4−マレイミドフェニル)ジスルフィド、ビス(4−マレイミドフェニル)ジスルフィド、ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)−3,5−ジメチル−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)−3,5−ジメチル−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)−3,5−ジメチル−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)−3,5−ジメチル−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド及びポリフェニルメタンマレイミド等が挙げられる。
上記ポリフェニルメタンマレイミドとしては、アニリンとホルムアルデヒドと無水マレイン酸との縮合物等が挙げられる。上記ポリフェニルメタンマレイミドの市販品としては、大和化成社製のBMI−2300等が挙げられる。
[芳香族ビスマレイミド化合物以外の炭素−炭素二重結合を2つ以上有する化合物]
チオール基を有する成分と上記芳香族ビスマレイミド化合物との相溶性を向上するとともに、硬化物の屈折率を調整する目的で、本発明に係る硬化性組成物は、上記芳香族ビスマレイミド化合物以外の炭素−炭素二重結合を2つ以上有する化合物を含んでいてもよい。該芳香族ビスマレイミド化合物以外の炭素−炭素二重結合を2つ以上有する化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記芳香族ビスマレイミド化合物以外の炭素−炭素二重結合を2つ以上有する化合物としては、アリル基を2つ以上有する多官能アリル化合物、(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する多官能(メタ)アクリレート化合物、ビニル基を2つ以上有する多官能ビニル化合物等が挙げられる。上記アリル基、(メタ)アクリロイル基及びビニル基は、炭素−炭素二重結合を含む。上記多官能アリル化合物、上記多官能(メタ)アクリレート化合物及び上記多官能ビニル化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基と、メタクリロイル基とを意味する。
アリル基を2つ有する多官能アリル化合物としては、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルナフタレート、ジアリルシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、ビスフェノールAジアリルエーテル、ビスフェノールFジアリルエーテル、エチレングリコールジアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、トリエチレングリコールジアリルエーテル、プロピレングリコールジアリルエーテル、ジプロピレングリコールジアリルエーテル、及びトリプロピレングリコールジアリルエーテル等が挙げられる。
アリル基を3つ以上有する多官能アリル化合物としては、トリアリルイソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル及びトリメチロールプロパントリアリルエーテル等が挙げられる。
上記多官能(メタ)アクリレート化合物としては、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記(メタ)アクリレートは、アクリレートと、メタクリレートとを意味する。
上記多官能ビニル化合物としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルビフェニル及びトリビニルシクロヘキサン等が挙げられる。
炭素−炭素二重結合を含む基とチオール基との反応より優先して、炭素−炭素二重結合を含む基同士が反応するのを抑制するために、本発明に係る硬化性組成物は、多官能アリル化合物を含むことが好ましい。さらに、上記芳香族ビスマレイミド化合物との相溶性が良好であるので、炭素−炭素二重結合を2つ以上有し、かつトリアジン環骨格を有する化合物が好ましい。
上記炭素−炭素二重結合を2つ以上有し、かつトリアジン環骨格を有する化合物としては、ジアリルシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート又はトリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。上記炭素−炭素二重結合を2つ以上有し、かつトリアジン環骨格を有する化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
(硬化性組成物の詳細)
透明性及び耐熱性により一層優れた硬化物を得る観点からは、硬化性組成物中の硬化性成分100重量%中、チオール基を2つ以上有するシルセスキオキサンの含有量は10〜70重量%であり、かつ炭素−炭素二重結合を2つ以上有する芳香族ビスマレイミド化合物の含有量が10〜60重量%であることが好ましい。透明性及び耐熱性にさらに一層優れた硬化物を得る観点からは、硬化性組成物中の硬化性成分100重量%中、チオール基を2つ以上有するシルセスキオキサンの含有量のより好ましい下限は25重量%、より好ましい上限は60重量%である。透明性及び耐熱性にさらに一層優れた硬化物を得る観点からは、炭素−炭素二重結合を2つ以上有する芳香族ビスマレイミド化合物の含有量のより好ましい下限は20重量%、より好ましい上限は50重量%である。
上記「硬化性成分」は、硬化性組成物の硬化時に重合又は架橋して、硬化する成分を意味する。上記「硬化性成分」には、チオール基を有する成分(A)と炭素−炭素二重結合を有する成分(B)とが含まれる。
本発明に係る硬化性組成物が、芳香族ビスマレイミド化合物以外の炭素−炭素二重結合を2つ以上有する化合物を含む場合には、硬化性組成物中の硬化性成分100重量%中、上記芳香族ビスマレイミド化合物以外の炭素−炭素二重結合を2つ以上有する化合物の含有量は10〜40重量%の範囲内であることが好ましい。硬化性組成物中の硬化性成分100重量%中、上記芳香族ビスマレイミド化合物以外の炭素−炭素二重結合を2つ以上有する化合物の含有量のより好ましい下限は15重量%、より好ましい上限は30重量%である。上記芳香族ビスマレイミド化合物以外の炭素−炭素二重結合を2つ以上有する化合物の含有量が上記下限未満であると、チオール基を有する成分と芳香族ビスマレイミド化合物との相溶性を向上する効果が得られにくい。上記芳香族ビスマレイミド化合物以外の炭素−炭素二重結合を2つ以上有する化合物の含有量が上記上限を超えると、硬化物の耐熱性が低下する傾向がある。また、上記の理由から、硬化性組成物中の硬化性成分100重量%中、炭素−炭素二重結合を2つ以上有し、かつトリアジン環骨格を有する化合物の含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは15重量%以上、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。
本発明に係る硬化性組成物を硬化させた硬化物のガラス転移温度が200℃以上であることが好ましい。この場合には、得られる透明複合シートのガラス転移温度を200℃以上にすることができる。
炭素―炭素二重結合を有する成分(B)における炭素−炭素二重結合は、チオール基を有する成分(A)におけるチオール基と反応(エン−チオール反応)する。このエン−チオール反応により硬化が進行する。この反応の反応機構は、重合開始剤の有無により異なる。このため、本発明に係る硬化性組成物に含まれる成分(A)及び成分(B)は、最適な配合量に適宜調整される。
上記重合開始剤を用いない場合は、炭素−炭素二重結合1個に対して、チオール基1個が付加反応する。この結果、重合開始剤を用いない場合は、成分(A)におけるチオール基と成分(B)における炭素−炭素二重結合とは、1:1(モル比)で反応する。
上記重合開始剤を用いる場合は、炭素−炭素二重結合1個に対して、チオール基1個が付加反応することに加えて、連鎖的にラジカル反応が進行する。この結果、成分(A)におけるチオール基と成分(B)における炭素−炭素二重結合とは、1:1では反応しない。
上記の観点から、重合開始剤を用いない場合には、成分(A)と成分(B)との配合比、すなわち[チオール基を有する成分(A)に含まれるチオール基のモル数]/[炭素−炭素二重結合を有する成分(B)に含まれる炭素−炭素二重結合のモル数](以下、モル比D1ともいう)は、0.9〜1.1の範囲内であることが好ましい。上記モル比は1.0以上であることがより好ましい。上記モル比D1が0.9以上であると、硬化後に炭素−炭素二重結合が残存し難くなり、硬化物の耐候性が高くなる。上記モル比D1が1.1以下であると、チオール基が残存し難くなり、チオール基の分解による悪臭が生じ難くなる。
重合開始剤を用いる場合は、成分(A)と成分(B)との配合比、すなわち[チオール基を有する成分(A)に含まれるチオール基のモル数]/[炭素−炭素二重結合を有する成分(B)に含まれる炭素−炭素二重結合のモル数](以下、モル比D2ともいう)は、0.01〜1.1の範囲内であることが好ましい。上記モル比D2が0.01以上であると、硬化物の耐熱性をより一層高めることができる。さらに、硬化物に炭素−炭素二重結合が残存し難くなり、硬化物の耐候性が高くなる。上記モル比D2が1.1以下であると、チオール基が残存し難くなり、チオール基の分解による悪臭が生じ難くなる。
[炭素−炭素二重結合を有する成分(B)に含まれる炭素−炭素二重結合のモル数]/[炭素−炭素二重結合を有する成分(B)のモル数](以下、モル比Eともいう)は、2以上であることが好ましい。上記モル比Eは、1分子あたりに含まれる炭素−炭素二重結合の平均個数を示す。上記モル比Eが2以上であると、硬化性組成物の硬化性が高くなり、かつ硬化物の架橋密度が高くなる。このため、硬化物の耐熱性及び硬度が高くなる傾向がある。
本発明に係る硬化性組成物は、重合開始剤を含むことが好ましい。該重合開始剤としては、特に限定されず、光ラジカル重合開始剤及び光カチオン重合開始剤等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤としては特に限定されず、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロル−2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール及び4−(p−メトキシフェニル)−2,6−ジ−(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。上記光ラジカル重合開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光カチオン重合開始剤としては特に限定されず、例えば、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、メタロセン化合物及びベンゾイントシレート等が挙げられる。上記光カチオン重合開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光カチオン重合開始剤の市販品としては、サイラキュアUVI−6970、サイラキュアUVI−6974及びサイラキュアUVI−6990(いずれもユニオンカーバイド社製)、イルガキュア264(チバ・ジャパン社製)、並びにCIT−1682(日本曹達社製)等が挙げられる。
硬化性組成物中の硬化性成分100重量部に対して、上記重合開始剤の含有量は0.01〜10重量部の範囲内であることが好ましい。上記重合開始剤の含有量が上記下限以上であると、硬化性組成物を十分に硬化させることができる。上記重合開始剤の含有量が上記上限以下であると、重合が急激に進行し難くなり、複屈折の増大、着色及び硬化時の割れ等の問題が発生し難くなる。
上記重合開始剤が光ラジカル重合開始剤である場合には、硬化性組成物中の硬化性成分100重量部に対して、上記光ラジカル重合開始剤の含有量の好ましい下限は0.01重量部、より好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限2重量部、より好ましい上限は1重量部である。
上記重合開始剤が光カチオン重合開始剤である場合には、硬化性組成物中の硬化性成分100重量部に対して、上記光カチオン重合開始剤の含有量の好ましい下限は1重量部、好ましい上限10重量部、より好ましい上限は5重量部である。
本発明に係る硬化性組成物は、光反応開始剤又は光増感剤を含んでいてもよい。ただし、硬化物の耐候性の低下が懸念される場合、又は特に高い耐候性及び高い透明性が求められる光学部材などに硬化性組成物が用いられる場合には、光反応開始剤及び光増感剤を用いないことが好ましい。
保存安定性をより一層高めるために、本発明に係る硬化性組成物は、エン−チオール反応抑制剤を含んでいてもよい。該エン−チオール反応抑制剤としては、リン化合物、ラジカル重合禁止剤、三級アミン及びイミダゾール等が挙げられる。
上記リン化合物としては、トリフェニルホスフィン及び亜リン酸トリフェニル等が挙げられる。なかでも、亜リン酸トリフェニルが好ましい。亜リン酸トリフェニルは、エン−チオール反応の抑制効果が高く、かつ室温で液状であるため、取り扱いが容易である。
上記ラジカル重合禁止剤としては、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ナフチルアミン、tert−ブチルカテコール、塩化第一銅、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩、及びジフェニルニトロソアミン等が挙げられる。なかでも、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩が好ましい。該N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩を用いた場合には、少量でもエン−チオール反応を充分に抑制でき、かつ硬化物の透明性を高めることができる。
上記三級アミンとしては、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジアミノメチル)フェノール、及びジアザビシクロウンデセン等が挙げられる。なかでも、ベンジルジメチルアミンが好ましい。該ベンジルジメチルアミンを用いた場合は、少量でもエン−チオール反応を充分に抑制でき、更にベンジルジメチルアミンは室温で液状であるため、取り扱いが容易である。
上記イミダゾールとしては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−エチルへキシルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、及び1−シアノエチル−2−メチルイミダール等が挙げられる。
硬化性組成物中の硬化性成分100重量部に対して、上記エン−チオール反応抑制剤の含有量は、0.0001〜10重量部の範囲内であることが好ましい。上記エン−チオール反応抑制剤の含有量が上記範囲内であると、エン−チオール反応を充分に抑制できる。
上記エン−チオール反応抑制剤が上記リン化合物である場合には、硬化性組成物中の硬化性成分100重量部に対して、上記リン化合物の含有量は、0.1〜10重量部の範囲内であることが好ましい。上記リン化合物の含有量が0.1重量部以上であると、エン−チオール反応を充分に抑制できる。上記リン化合物の含有量が10重量部以下であると、硬化物における上記リン化合物の残存量が少なくなり、該リン化合物に由来する硬化物の物性の低下を抑制できる。
上記エン−チオール反応抑制剤が上記ラジカル重合禁止剤である場合には、硬化性組成物中の硬化性成分100重量部に対して、上記ラジカル重合禁止剤の含有量は、0.0001〜0.1重量部の範囲内であることが好ましい。上記ラジカル重合禁止剤の含有量が0.0001重量部以上であると、エン−チオール反応を充分に抑制できる。上記ラジカル重合禁止剤の含有量が0.1重量部以下であると、硬化性が高くなる傾向がある。
上記エン−チオール反応抑制剤が三級アミンである場合には、硬化性組成物中の硬化性成分100重量部に対して、上記三級アミンの含有量は、0.001〜5重量部の範囲内であることが好ましい。上記三級アミンの含有量が0.001重量部以上であると、エン−チオール反応を充分に抑制できる。上記三級アミンの含有量が5重量部以下であると、成分(A)中の未反応の水酸基及びアルコキシ基の縮合反応が生じ難くなり、ゲル化し難くなる。
本発明に係る硬化性組成物は、エポキシ樹脂を含んでいてもよい。該エポキシ樹脂として、従来公知のエポキシ樹脂を使用できる。上記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート型エポキシ樹脂、ヒンダントイン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、エステル型エポキシ樹脂、及びエーテルエステル型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂の水添加物又は変性物を用いてもよい。硬化性組成物の変色を防止する観点からは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート型エポキシ樹脂又はジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂が好ましい。上記エポキシ樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明に係る硬化性組成物は、硬化剤を含んでいてもよい。本発明に係る硬化性組成物は、エポキシ樹脂と硬化剤とを含んでいてもよい。該硬化剤としては、有機酸、アミン化合物、アミド化合物、ヒドラジド化合物、イミダゾール化合物、イミダゾリン化合物、フェノール化合物、ユリア化合物、ポリスルフィッド化合物及び酸無水物等が挙げられる。上記硬化剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記有機酸としては、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びメチルヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。上記アミン化合物としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、メタフェニレンジアミン、ジアミンジフェニルメタン及びジアミノジフェニルスルホン酸等が挙げられる。上記硬化剤として、これらのアミンアダクトを用いてもよい。
上記アミド化合物としては、ジシアンジアミド及びポリアミド等が挙げられる。上記ヒドラジド化合物としては、ジヒドラジット等が挙げられる。上記イミダゾール化合物としては、メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、エチルジイミダゾール、イソプロピルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、フェニルイミダゾール、ウンデシルイミダゾール、ヘプタデシルイミダゾール及び2−フェニル−4−メチルイミダゾール等が挙げられる。上記イミダゾリン化合物としては、メチルイミダゾリン、2−エチル−4−メチルイミダゾリン、エチルイミダゾリン、イソプロピルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、フェニルイミダゾリン、ウンデシルイミダゾリン、ヘプタデシルイミダゾリン及び2−フェニル−4−メチルイミダゾリン等が挙げられる。
硬化性組成物の変色を防止する観点からは、上記硬化剤は、酸無水物であることが好ましい。上記酸無水物としては、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルナジック酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ジクロロコハク酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物及びクロレンディック酸無水物等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂と上記硬化剤との配合比は、特に限定されない。上記エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して、酸無水物当量は0.5〜1.5当量であることが好ましく、0.7〜1.2当量であることがより好ましい。上記酸無水物の当量が上記下限以上であると、硬化物の透明性をより一層高めることができる。上記酸無水物当量が上記上限以下であると、硬化物の耐湿性を高めることができる。
本発明に係る硬化性組成物は、硬化促進剤を含んでいてもよい。該硬化促進剤としては、特に限定されず、例えば、第三級アミン、イミダゾール、第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩、有機金属塩、リン化合物及び尿素系化合物等が挙げられる。なかでも、特に第三級アミン、イミダゾール又は第四級ホスホニウム塩が好ましい。上記硬化促進剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記エポキシ樹脂100重量部に対して、上記硬化促進剤の含有量の好ましい下限は0.05重量部、より好ましい下限は0.2重量部、好ましい上限は7.0重量部、より好ましい上限は3.0重量部である。上記硬化促進剤の含有量が上記下限以上であると、硬化性組成物を充分に硬化させることができる。上記硬化促進剤の含有量が上記上限以下であると、硬化物の透明性をより一層高めることができる。
本発明に係る硬化性組成物はイソシアネート化合物を含んでいてもよい。該イソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。上記イソシアネート化合物としては、具体的には、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、及びm−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、並びにダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等が挙げられる。上記イソシアネート化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。硬化物の透明性及び耐熱性をより一層高める観点からは、イソホロンジイソシアネートが特に好ましい。
上記イソシアネート化合物と触媒とを併用することが好ましい。上記触媒としては、有機スズ化合物及び三級アミン等が挙げられる。
上記有機スズ化合物としては、ジブチルスズジラウレート及びオクチル酸スズ等が挙げられる。上記三級アミンとしては、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、及びトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等が挙げられる。上記イソシアネート化合物100重量部に対して、上記触媒の含有量は0.01〜5重量部であることが好ましい。
粘度の調整などを目的として、本発明に係る硬化性組成物は、必要に応じて溶剤を含んでいてもよい。該溶剤は特に限定されず、硬化性組成物中の成分と反応しない溶剤が適宜選択される。
本発明に係る硬化性組成物を硬化させる方法としては、加熱により硬化させる方法、及び活性光線により硬化させる方法等が挙げられる。加熱による硬化と活性光線による硬化とを併用してもよい。反応時間を短縮し、かつ硬化反応を完結させる観点からは、活性光線により硬化性組成物を硬化させた後に、更に加熱により硬化性組成物を硬化させることが好ましい。
上記活性光線は、紫外線であることが好ましい。紫外線を照射するための光源としては、例えば、メタルハライドタイプ及び高圧水銀灯ランプ等が挙げられる。加熱により硬化性組成物を硬化させる際には、オーブン又はヒーター等が用いられる。また、酸化による着色及び硬化性成分の劣化を抑制するために、加熱により硬化性組成物を硬化させる際には、窒素雰囲気下又は真空状態で、150〜250℃及び1〜24時間加熱することが好ましい。
本発明に係る硬化性組成物には、必要性に応じて、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤、離型剤、表面処理剤及び粘度調節剤等を配合してもよい。
(透明複合シート)
本発明に係る透明複合シートは、上記硬化性組成物を硬化させた硬化物と、該硬化物に埋め込まれたガラス繊維とを有する。
本発明に係る硬化性組成物をシート状にした後、加熱又は活性光線の照射によって、硬化性組成物を架橋及び硬化させることで、透明複合シートを得ることができる。
上記ガラス繊維としては、ガラス繊維のチョップドストランド、ガラス繊維の織布及びガラス繊維の不織布等が挙げられる。上記ガラス繊維は、ガラス繊維の織布であることが好ましい。
上記ガラス繊維の織布としては、例えば、断面が円形又は楕円形等であり、かつ断面最長径が3〜10μm程度の長繊維(フィラメント)を、100〜800本程度撚り合わせたヤーンを、経糸及び緯糸として用いて、これらの糸を交錯させるように織ることにより得られる。織り方としては、平織、綾織及び朱子織等が挙げられる。
上記ガラス繊維の厚さは最も厚い部分で、通常10〜500μmである。上記ガラス繊維の厚さは最も厚い部分で、15〜350μmであることが好ましい。
ガラス繊維の材質として、ソーダガラス、ホウ珪酸ガラス及び無アルカリガラス等が用いられる。なかでも、無アルカリガラスが好ましい。無アルカリガラスの使用により、透明複合シートを表示材用基板又は太陽電池用基板として用いたときに、ガラス繊維に由来するアルカリ成分が半導体素子に悪影響を及ぼさなくなる。
上記ガラス繊維は、Eガラスであることが好ましい。該Eガラスは、ガラス繊維強化回路基板用の芯材として広く用いられている。繊維径、繊維束径、ガラスクロスとしての目付、織り密度及び厚さ等に関して、上記Eガラスは、種々の規格品が揃っている。また、性能、コスト及び入手の容易性の観点から、Eガラスは好適に用いられる。
上記ガラス繊維は、Tガラスであることも好ましい。Tガラス繊維は、Eガラス繊維よりも、高強度及び低熱膨張等の点で優れている。
上記ガラス繊維の引っ張り弾性率の好ましい下限は5GPa、より好ましい下限は10GPa、好ましい上限は500GPa、より好ましい上限は200GPaである。上記引っ張り弾性率が上記下限以上であると、透明複合シートの強度が高くなる。
本発明に係る硬化性組成物及び透明複合シートはそれぞれ、無機フィラーを含有していてもよい。
上記無機フィラーの材質としては、例えば酸化チタン等の金属酸化物、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、マイカ、スメクタイト、並びにガラス等が挙げられる。透明性及びコストに優れているので、ガラスフィラーが好ましい。ガラスの種類としては、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、低誘導率ガラス及び高誘導率ガラス等が挙げられる。上記ガラスフィラーのガラスの種類は、ガラス繊維と樹脂との屈折率を一致させることを考慮して選択される。
上記硬化性組成物の硬化性成分100重量部に対して、又は上記透明複合シート中の硬化成分100重量部に対して、上記無機フィラーの含有量は10〜70重量%であることが好ましい。上記無機フィラーの含有量が上記下限以上であると、硬化物の線膨張係数をより一層低くすることができる。上記無機フィラーの含有量が上記上限以下であると、無機フィラーの分散性を高めることができ、ガラス繊維への硬化性組成物及び無機フィラーの含浸が容易になる。
上記「硬化成分」は、硬化性組成物の硬化時に重合又は架橋して、硬化した成分を意味する。上記「硬化性成分」には、チオール基を有する成分(A)と炭素−炭素二重結合を有する成分(B)とが重合又は架橋して、硬化した硬化物成分が含まれる。
上記無機フィラーと硬化性成分又は硬化成分の界面は十分に濡れていることが好ましい。この界面が十分に濡れていると、無機フィラーの表面で光の反射及び散乱が起こり難くなる。さらに、透明複合シートのヘイズ値が小さくなり、透明性をより一層高めることができる。このため、上記無機フィラーは、表面処理剤により表面処理されていることが好ましい。該表面処理剤は、シラン系カップリング剤又はチタネート系カップリング剤であることが好ましい。
上記無機フィラーと硬化性成分との屈折率差、及び上記無機フィラーとガラス繊維との屈折率差はいずれも、0.02以下であることが好ましく、0.01以下であることがより好ましい。上記屈折率の差が0.02以下であれば、ガラス繊維及び無機フィラーによる光散乱を十分に抑制でき、透明複合シートのヘイズ値をより一層小さくすることができる。
上記無機フィラーと硬化性成分との屈折率差、及び上記無機フィラーとガラス繊維との屈折率差は、無機フィラー又はガラス繊維の選択、及び硬化性組成物に使用する各種の化合物の分子構造及び配合比等により適宜調整できる。
本発明の透明複合シートの厚みは、特に限定されない。本発明に係る透明複合シートの厚みは、20〜1000μmの範囲内であることが好ましい。透明複合シートの厚みが20μm以上であれば、表示装置用基材として十分な強度及び剛性を維持できる。透明複合シートの厚みが1000μm以下であると、硬化性組成物を硬化させる際の体積収縮が小さくなり、応力の残留による位相差が生じ難くなり、表示のコントラスト低下を引き起こし難くなる。さらに、透明複合シートの厚みが1000μm以下であると、透明複合シートが反り難くなり、さらに透明複合シートの厚みが均一になる。
透明複合シートの厚みが1000μmを超える場合には、本発明に係る透明複合シートを得る際に、複数のシートに分けて該シートを積層した後に、硬化してもよい。さらに、シート化と硬化とを繰り返して、シートの積層体を得てもよい。
本発明に係る透明複合シートの550nmにおける光線透過率は、好ましくは90%以上、より好ましくは92%以上である。光透過率が90%以上であれば、例えば、液晶表示装置用基板又は有機EL表示装置基板等として透明複合シートを用いて画像表示装置を得た場合に、鮮明な表示品位の高い画像が得られる。上記光透過率は、市販の分光光度計を用いて、波長550nmの全光線透過率を測定することによって求めることができる。
本発明に係る透明複合シートのヘイズ値は、好ましくは10%以下、より好ましくは3%以下、特に好ましくは2%以下である。上記ヘイズ値は、JIS K7136に基づいて測定される。測定装置として、市販のヘイズメーカーが用いられる。測定装置としては、例えば、東京電色社製「全自動ヘーズメーターTC−HIIIDPK」等が挙げられる。
本発明に係る透明複合シートには、表面平滑化層、ハードコート層又はガスバリア層を積層してもよい。
上記表面平滑化層又はハードコート層を形成する際には、例えば、透明複合シート上に、既知の表面平滑化剤又はハードコート剤を塗布し、必要に応じて溶剤を除去するために乾燥する。次に、加熱又は活性光線の照射により、表面平滑化剤又はハードコート剤を硬化させる。
透明複合シート上に表面平滑化剤又はハードコート剤を塗布する方法としては、特に制限されず、例えば、ロールコート法、スピンコート法、ワイヤバーコート法、ディップコート法、エクストルージョン法、カーテンコート法及びスプレーコート法等の従来公知の方法を採用できる。
上記ガスバリア層としては特に限定はされず、例えば、アルミニウムなどの金属、SiO及びSiNなどの珪素化合物、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、並びに酸化亜鉛等の透明材料が使用できる。なかでも、ガスバリア性、基材層への密着性及び透明性に優れているので、SiO及びSiNなどの珪素化合物を用いることが好ましい。
上記ガスバリア層を形成する方法としては、特に制限されず、蒸着法及びスパッタリング法等の乾式法、並びにゾル−ゲル法等の湿式法等が挙げられる。なかでも、緻密でガスバリア性に優れ、かつ基材への密着性が良好なガスバリア層を形成する観点からは、スパッタリング法が特に好ましい。
本発明に係る透明複合シートは、液晶表示素子用プラスチック基板、有機EL表示素子用プラスチック基板、太陽電池基板及びタッチパネル等に好適に用いられる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
トリアリルイソシアヌレート80重量部に、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド(大和化成社製「MBI−5100」)120重量部を加え、150℃に加熱しながら撹拌して溶解させ、溶液を得た。次いで、得られた溶液を70℃まで冷却した。冷却された溶液に、光重合開始剤として2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン(チバ・ジャパン社製「イルガキュア907」)1重量部を加えて溶解させ、チオール基を2つ以上有するシルセスキオキサン化合物(上記加水分解縮合物(a1)に相当する、荒川化学工業社製「コンポセランHBSQ101」)100重量部をさらに加えて、撹拌し、混合して、硬化性組成物を調製した。
ガラス繊維として、Eガラス繊維であるIPC#2013相当のガラスクロス(日東紡社製)を用意した。このガラスクロスを、70℃に加熱した硬化性組成物に浸漬し、超音波を照射しながら、ガラスクロスに硬化性組成物を含浸させた。その後、硬化性組成物を含浸したガラスクロスを引き上げて、離型処理されたガラス板上に乗せた。ガラス板上の硬化性組成物を含浸したガラスクロスを、厚さ100μmのPETフィルム(東洋紡績社製「コスモシャインA4100」)でカバーして、70℃に温度調節されたラミネーターを通過させて、厚みを均一にした。
次に、PETフィルム側より、高圧水銀灯にて2000mJ/cm(365nm)のUV光を照射して、硬化性組成物を架橋及び硬化させた。さらに、PETフィルム及びガラス板より硬化したシートを剥離し、200℃のオーブン中で1時間加熱処理を行い、透明複合シート得た。得られた透明複合シートの厚さは90μmであった。
(実施例2)
トリアリルシアヌレート80重量部に、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド(大和化成社製「MBI−5100」)120重量部を加え、150℃に加熱しながら撹拌して溶解させ、溶液を得た。次いで、得られた溶液を70℃まで冷却した。冷却された溶液に、光重合開始剤として2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン(チバ・ジャパン社製「イルガキュア907」)1.3重量部を加えて溶解させ、チオール基を2つ以上有するシルセスキオキサン化合物を72重量%含有するジメチルグリコール溶液(上記加水分解縮合物(a1)に相当するシルセスキオキサン化合物を含む、荒川化学工業社製「コンポセランHBSQ102」)180重量部をさらに加えて、撹拌し、混合して、硬化性組成物を調製した。
ガラス繊維として、Eガラス繊維であるIPC#2013相当のガラスクロス(日東紡社製)を用意した。このガラスクロスを、80℃に加熱した硬化性組成物に浸漬し、超音波を照射しながらガラスクロスに硬化性組成物を含浸させた。その後、硬化性組成物を含浸したガラスクロスを引き上げて、離型処理されたガラス板上に乗せた。ガラス板上の硬化性組成物を含浸したガラスクロスを、80℃のオーブン中で10分間乾燥させた。乾燥後、ガラス板上の硬化性組成物を含浸したガラスクロスを、厚さ100μmのPETフィルム(東洋紡績社製「コスモシャインA4100」)でカバーし、70℃に温度調節されたラミネーターを通過させて、厚みを均一にした。
次に、PETフィルム側より、高圧水銀灯にて2000mJ/cm(365nm)のUV光を照射して、硬化性組成物を架橋及び硬化させた。さらに、PETフィルム及びガラス板より硬化したシートを剥離し、200℃のオーブン中で1時間加熱処理を行い、透明複合シート得た。得られた透明複合シートの厚さは90μmであった。
(実施例3)
トリアリルイソシアヌレート80重量部に、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド(大和化成社製「MBI−5100」)60重量部、及びポリフェニルメタンマレイミド(大和化成社製「MBI−2300」)60重量部を加え、150℃に加熱しながら撹拌して溶解させ、溶液を得た。次いで、得られた溶液を70℃まで冷却した。冷却された溶液に、光重合開始剤として2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン(チバ・ジャパン社製「イルガキュア907」)1.2重量部を加えて溶解させ、チオール基を2つ以上有するシルセスキオキサン化合物(上記加水分解縮合物(a1)に相当する、荒川化学工業社製「コンポセランHBSQ101」)150重量部をさらに加えて撹拌し、混合して、硬化性組成物を調製した。
ガラス繊維として、Eガラス繊維であるIPC#2013相当のガラスクロス(日東紡社製)を用意した。このガラス繊維を、100℃に加熱した硬化性組成物に浸漬し、超音波を照射しながらガラスクロスに硬化性組成物を含浸させた。その後、硬化性組成物を含浸したガラスクロスを引き上げて、離型処理されたガラス板上に乗せた。ガラス板上の硬化性組成物を含浸したガラスクロスを、厚さ100μmのPETフィルム(東洋紡績社製「コスモシャインA4100」)でカバーして、70℃に温度調節されたラミネーターを通過させて、厚みを均一にした。
次に、PETフィルム側より、高圧水銀灯にて2000mJ/cm(365nm)のUV光を照射して、硬化性組成物を架橋及び硬化させた。さらに、PETフィルム及びガラス板より硬化したシートを剥離し、200℃のオーブン中で1時間加熱処理を行い、透明複合シート得た。得られた透明複合シートの厚さは90μmであった。
(実施例4)
ペンタエリスリトール100重量部に、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド(大和化成社製「MBI−5100」)100重量部を加え、150℃に加熱しながら撹拌して溶解させ、溶液を得た。次いで、得られた溶液を70℃まで冷却した。冷却された溶液に、光重合開始剤として2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン(チバ・ジャパン社製「イルガキュア907」)1重量部を加えて溶解させ、チオール基を2つ以上有するシルセスキオキサン化合物(上記加水分解縮合物(a1)に相当する、荒川化学工業社製「コンポセランHBSQ101」)100重量部をさらに加えて、撹拌し、混合して、硬化性組成物を調製した。
ガラス繊維として、Eガラス繊維であるIPC#2013相当のガラスクロス(日東紡社製)を用意した。このガラスクロスを、70℃に加熱した硬化性組成物に浸漬し、超音波を照射しながら、ガラスクロスに硬化性組成物を含浸させた。その後、硬化性組成物を含浸したガラスクロスを引き上げて、離型処理されたガラス板上に乗せた。ガラス板上の硬化性組成物を含浸したガラスクロスを、厚さ100μmのPETフィルム(東洋紡績社製「コスモシャインA4100」)でカバーして、70℃に温度調節されたラミネーターを通過させて、厚みを均一にした。
次に、PETフィルム側より、高圧水銀灯にて2000mJ/cm(365nm)のUV光を照射して、硬化性組成物を架橋及び硬化させた。さらに、PETフィルム及びガラス板より硬化したシートを剥離し、200℃のオーブン中で1時間加熱処理を行い、透明複合シート得た。得られた透明複合シートの厚さは90μmであった。
(比較例1)
トリアリルイソシアヌレート100重量部に、光重合開始剤として2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン(チバ・ジャパン社製「イルガキュア907」)0.6重量部を加えて溶解させ、チオール基を2つ以上有するシルセスキオキサン化合物(荒川化学工業社製「コンポセランHBSQ101」)100重量部をさらに加えて撹拌し、混合して、硬化性組成物を調製した。
ガラス繊維として、Eガラス繊維であるIPC#2013相当のガラスクロス(日東紡社製)を用意した。このガラスクロスを、70℃に加熱した硬化性組成物に浸漬し、超音波を照射しながらガラスクロスに硬化性組成物を含浸させた。その後、硬化性組成物を含浸したガラスクロスを引き上げて、離型処理されたガラス板上に乗せた。ガラス板上の硬化性組成物を含浸したガラスクロスを、厚さ100μmのPETフィルム(東洋紡績社製「コスモシャインA4100」)でカバーして、70℃に温度調節されたラミネーターを通過させて、厚みを均一にした。
次に、PETフィルム側より高圧水銀灯にて、2000mJ/cm(365nm)のUV光を照射して、硬化性組成物を架橋及び硬化させた。さらに、PETフィルム及びガラス板より硬化したシートを剥離し、200℃のオーブン中で1時間加熱処理を行い、透明複合シート得た。得られた透明複合シートの厚さは90μmであった。
(比較例2)
トリアリルイソシアヌレート80重量部に、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド(大和化成社製「MBI−5100」)120重量部を加え、150℃に加熱しながら撹拌して溶解させ、溶液を得た。次いで、得られた溶液を70℃まで冷却した。冷却された溶液に、光重合開始剤として2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン(チバ・ジャパン社製「イルガキュア907」)0.7重量部を加えて溶解させ、硬化性組成物を調製した。
ガラス繊維として、Eガラス繊維であるIPC#2013相当のガラスクロス(日東紡社製)を用意した。このガラスクロスを、70℃に加熱した硬化性組成物に浸漬し、超音波を照射しながらガラスクロスに硬化性組成物を含浸させた。その後、硬化性組成物を含浸したガラスクロスを引き上げて、離型処理されたガラス板上に乗せた。ガラス板上の硬化性組成物を含浸したガラスクロスを、厚さ100μmのPETフィルム(東洋紡績社製「コスモシャインA4100」)でカバーして、70℃に温度調節されたラミネーターを通過させて、厚みを均一にした。
PETフィルム側より、高圧水銀灯にて4000mJ/cm(365nm)のUV光を照射して、硬化性組成物を架橋及び硬化させた。さらに、PETフィルム及びガラス板より硬化したシートを剥離し、200℃のオーブン中で1時間加熱処理を行い、透明複合シート得た。得られた透明複合シートの厚さは90μmであった。
(比較例3)
トリアリルイソシアヌレート80重量部に、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド(大和化成社製「MBI−5100」)120重量部を加え、150℃に加熱しながら撹拌して溶解させ、溶液を得た。次いで、得られた溶液を70℃まで冷却した。冷却された溶液に、光重合開始剤として2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン(チバ・ジャパン社製「イルガキュア907」)1重量部を加えて溶解させ、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)(昭和電工社製「カレンズMTPE1」)100重量部をさらに加えて撹拌し、混合して、硬化性組成物を調製した。
ガラス繊維として、Eガラス繊維であるIPC#2013相当のガラスクロス(日東紡社製)を用意した。このガラスクロスを70℃に加熱した硬化性組成物に浸漬し、超音波を照射しながらガラスクロスに硬化性組成物を含浸させた。その後、硬化性組成物を含浸したガラスクロスを引き上げて、離型処理されたガラス板上に乗せた。ガラス板上の硬化性組成物を含浸したガラスクロスを、厚さ100μmのPETフィルム(東洋紡績社製「コスモシャインA4100」)でカバーして、70℃に温度調節されたラミネーターを通過させて、厚みを均一にした。
PETフィルム側より、高圧水銀灯にて2000mJ/cm(365nm)のUV光を照射して、硬化性組成物を架橋及び硬化させた。さらに、PETフィルム及びガラス板より硬化したシートを剥離し、200℃のオーブン中で1時間加熱処理を行い、透明複合シート得た。得られた透明複合シートの厚さは90μmであった。
(評価)
a)屈折率
100μmの間隔を隔てた離型処理された2枚のガラス板に得られた硬化性組成物を挟み込んで、高圧水銀灯にて2000mJ/cm(365nm)のUV光を照射して、硬化性組成物を架橋及び硬化させた。その後、ガラス板から硬化物を剥離し、200℃のオーブン中で1時間加熱処理を行い、試験片(硬化物)を作製した。アッベ屈折計(アタゴ社製「NAR−1T」)を用いて、試験片の屈折率を測定した。ガラス繊維の屈折率については、メーカー(日東紡)公称値を採用した。
b)耐熱性(5%重量減少温度)
熱重量分析装置(セイコーインスツル社製「TG/DTA6300」)を用いて、30℃から500℃まで10℃/分の速度で得られた透明複合シートを昇温して、透明複合シートの重量減少を測定した。初期重量からの5%重量減少温度を求めた。5%重量減少温度が380℃以上であると、耐熱性に特に優れている。
c)ガラス転移点
動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御社製「DVA−200」)を用いて、30℃から300℃まで10℃/分の速度で得られた透明複合シートを昇温して、引張モードによる測定を行った。tanδのピーク温度をガラス転移温度とした。このガラス転移温度は、硬化性組成物を硬化させた硬化物のガラス転移温度に相当する。
d)光線透過率
分光光度計UV−310PC(島津製作所社製)を用いて、得られた透明複合シートの550nmにおける光線透過率を測定した。光線透過率が85%以上であると、透明性に特に優れている。
e)柔軟性
半径の異なる丸棒に、得られた透明複合シートを巻きつけ、クラック、及び硬化物層とガラス繊維との界面の剥離を観察した。クラック及び硬化物層とガラス繊維との界面の剥離が生じなかった丸棒の最小の半径を柔軟性の値とした。
結果を下記の表1に示す。
Figure 2011213821

Claims (8)

  1. チオール基を2つ以上有するシルセスキオキサンと、炭素―炭素二重結合を2つ以上有する芳香族ビスマレイミド化合物とを含む、硬化性組成物。
  2. 硬化性組成物中の硬化性成分100重量%中、前記シルセスキオキサンの含有量が10〜70重量%であり、かつ前記芳香族ビスマレイミド化合物の含有量が10〜60重量%である、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 炭素−炭素二重結合を2つ以上有し、かつトリアジン環骨格を有する化合物をさらに含む、請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
  4. 前記シルセスキオキサンが、下記式(1)で表されるチオール基含有シラン化合物の加水分解縮合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
    R1Si(OR2) ・・・式(1)
    前記式(1)中、R1は、チオール基を有し、かつ芳香環を有さない炭素数1〜8の有機基、又はチオール基を有し、かつ芳香環を有する有機基を表し、R2は、水素原子、芳香環を有さない有機基、又は芳香環を有する有機基を表す。
  5. 硬化性組成物を硬化させた硬化物のガラス転移温度が200℃以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に硬化性組成物を硬化させた硬化物と、該硬化物に埋め込まれたガラス繊維とを有する、透明複合シート。
  7. 前記ガラス繊維が、ガラス繊維の織布又はガラス繊維の不織布である、請求項6に記載の透明複合シート。
  8. 550nmにおける光線透過率が85%以上である、請求項6又は7に記載の透明複合シート。
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