JP2012006211A - 熱収縮性積層フィルム、並びに該フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベル、及び該成形品を用いた、又は該ラベルを装着した容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリ乳酸系樹脂(A)とコアシェル型ゴム(B)とを含有する組成物からなる少なくとも2層からなる積層フィルムであって、前記ポリ乳酸系樹脂(A)と前記コアシェル型ゴム(B)との合計質量が100質量%中、該コアシェル型ゴム(B)を3〜12質量%の樹脂組成物からなる(I)層と、前記ポリ乳酸系樹脂(A’)と前記コアシェル型ゴム(B’)との合計質量が100質量%中、該コアシェル型ゴム(B’)を5〜30質量%の樹脂組成物からなる(II)層とを含み、前記積層フィルムが少なくとも一方向に延伸され、かつ80℃の温水中に10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が30〜70%であることを特徴とする熱収縮性積層フィルム。
【選択図】なし
Description
特に、熱収縮フィルムにおいては、一般的に製袋工程およびフィルム装着工程等、フィルムが折り曲げられる機会が多く、それにより外観不良及び意匠性が低下するため、耐折り曲げ白化性を付与したポリ乳酸系樹脂の熱収縮性フィルムが求められている。
[1] ポリ乳酸系樹脂(A)とコアシェル型ゴム(B)とを含有する組成物からなる少なくとも2層からなる積層フィルムであって、該フィルムが、ポリ乳酸系樹脂(A)とコアシェル型ゴム(B)とを含有し、前記ポリ乳酸系樹脂(A)と前記コアシェル型ゴム(B)との合計質量が100質量%中、該コアシェル型ゴム(B)を3〜12質量%の樹脂組成物からなる(I)層と、前記ポリ乳酸系樹脂(A’)と前記コアシェル型ゴム(B’)とを含有し、前記ポリ乳酸系樹脂(A’)と前記コアシェル型ゴム(B’)との合計質量が100質量%中、該コアシェル型ゴム(B’)を5〜30質量%の樹脂組成物からなる(II)層とを含み、前記積層フィルムが少なくとも一方向に延伸され、かつ80℃の温水中に10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が30〜70%であることを特徴とする熱収縮性積層フィルム。
[3]フィルムの厚さが20〜40μmであり、ヘーズ値が8%以下であり、かつ、ハイドロショット値が980N・mm以上であることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の熱収縮性積層フィルム。
[4] ポリ乳酸系樹脂(A)とコアシェル型ゴム(B)とを含有する組成物からなる、少なくとも3層からなる積層フィルムであって、中間層の組成物におけるコアシェル型ゴムの含有量が、表裏層の組成物におけるコアシェル型ゴムの含有量よりも多いことを特徴とし、前記積層フィルムが少なくとも一方向に延伸され、かつ80℃の温水中に10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が30〜70%であることを特徴とする熱収縮性積層フィルム。
[5] 上記[1]〜[4]のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルムを基材として有する成形品。
[6] 上記[1]〜[5]のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルムを基材として有する熱収縮性ラベル。
[7] 上記[5]に記載の成形品を用いた、又は上記[6]に記載の熱収縮性ラベルを装着した容器。
本発明の第一の実施態様は、ポリ乳酸系樹脂(A)とコアシェル型ゴム(B)とを含有し、前記ポリ乳酸系樹脂(A)と前記コアシェル型ゴム(B)との合計質量が100質量%中、該コアシェル型ゴム(B)を3〜12質量%の樹脂組成物からなる(I)層と、前記ポリ乳酸系樹脂(A’)と前記コアシェル型ゴム(B’)とを含有し、前記ポリ乳酸系樹脂(A’)と前記コアシェル型ゴム(B’)との合計質量が100質量%中、該コアシェル型ゴム(B’)を5〜30質量%の樹脂組成物からなる(II)層の、少なくとも2層を有する積層フィルムであって、前記積層フィルムが少なくとも一方向に延伸され、かつ80℃の温水中に10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が30〜70%であることを特徴とする熱収縮性積層フィルムフィルムである。
(A)成分又は(A’)成分(以下、纏めて(A)成分と言うことがある)であるポリ乳酸系樹脂とは、D−乳酸もしくはL−乳酸の単独重合体、又はそれらの共重合体をいい、具体的には構造単位がD−乳酸であるポリ(D−乳酸)、構造単位がL−乳酸であるポリ(L−乳酸)、さらにはL−乳酸とD−乳酸の共重合体であるポリ(DL−乳酸)があり、これらの共重合体の混合樹脂も含まれる。
本発明において、(I)層の(A)成分と(II)層の(A’)成分は、同じであっても、異なっていてもよい。
(B)成分のコアシェル型ゴムは、コア層と、コア層を覆う少なくとも1層以上のシェル層とから構成される重合体である。該シェルの層数は特に限定されるものではなく、単層であっても2層以上であっても構わない。
その中でもフィルムの外観の点で、アクリル酸エステルを含む重合体であるのが好ましい。アクリル酸エステルは、アクリル酸成分とアルコール成分から構成されるアクリル酸エステルであればいずれであってもよいが、炭素数1〜15のアルコール成分を有するアクリル酸エステルが好ましい。好ましいアクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等のアクリル酸1級アルキルエステル;アクリル酸グリシジル、アクリル酸アリル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸3−メトキシブチル、アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、アクリル酸トリフルオロエチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸トリメチルシリル等を挙げることができる。(メタ)アクリル酸エステル(a)は1種類を用いても又は2種類以上を用いてもよい。
また、コア層中におけるアクリル酸エステル成分は、耐衝撃性向上のため70%以上であることが好ましい。
中でも、不飽和カルボン酸エステル系であるのが好ましく、より好ましくは、上記コア層で好ましいとしたアクリル酸エステルとは相違する化学構造を有するアクリル酸エステルを含む重合体である。尚、アクリル酸エステル(a)と相違する化学構造を有するアクリル酸エステル(b)を少なくとも含んでいればよく、その重合成分としてアクリル酸エステル(a)を更に含んでいてもよい。
また、コアシェル型ゴム(B)成分におけるアクリル酸エステル成分は、耐衝撃性向上のため80%以上(コアとシェルを併せた質量に対して)であることが好ましい。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル又はメタクリル」を意味する。
(I)層を構成する(B)成分の含有量が3質量%以上、(II)層を構成する(B)成分の含有量が5質量%以上であれば、熱収縮性フィルムとしての要求品質に十分な耐衝撃性を得ることができる。また、逆に、(I)層を構成する(B)成分の含有量が12質量%を超えた場合、又は、(II)層を構成する(B)成分の含有量が30質量%を超えた場合には、フィルムとして剛性が低下してしまい、2次加工時等にハンドリング性に劣るものとなり、作業性の低下を招くことになるので、望ましくない。尚、(I)層と(II)層中のゴム量は、上記範囲内で、一方を多く、一方を少なくすることが所望の物性を得るためには、望ましい。
この発明のフィルムの層構成は、少なくとも(I)層と(II)層の2層から構成されればよく、例えば、(I)層と(II)層を積層した2層構成であってもよいし、(I)層/(II)層/(I)層のように、(I)層が両側の最外層に有する3層構成であってもよく、(II)層/(I)層/(II)層のように、(II)層が両側の最外層に有する3層構成であってもよい。特に、コアシェル型ゴム(B)の含有量が少ない(I)層を最外層に、コアシェル型ゴム(B)の含有量が多い(II)層を中層に有することで、フィルム全層としての剛性と耐衝撃性を高く維持できるため、(I)層/(II)層/(I)層構成が好ましい。また、他の層(III)層を積層した層構成を備えたフィルムであってもよい。具体的には、(I)層/(II)層、(I)層/(II)層/(I)層、(I)層/(II)層/(III)層/(I)層、(I)層/(II)層/(III)層/(II)層/(I)層などの層構成を備えた積層フィルムが挙げられる。この場合、各層の積層比は用途、目的に応じて適宜調整することができる。
特には、上記した、好ましい層構成の(I)層/(II)層/(I)層の3層の場合、その厚みの比率は、1:8:1:〜3:4:3の範囲であるのが好ましい。
第二の実施態様においては、少なくとも3層全てが、ポリ乳酸系樹脂(A)とコアシェル型ゴム(B)とを含有する組成物から構成されるが、中間層が、表層及び裏層よりも、コアシェル型ゴム(B)を多く含む。
(I)層を構成する(B)成分の含有量が3質量%以上、(II)層を構成する(B)成分の含有量が5質量%以上であれば、熱収縮性フィルムとしての要求品質に十分な耐衝撃性を得ることができる。また、逆に、(I)層を構成する(B)成分の含有量が12質量%を超えた場合、又は、(II)層を構成する(B)成分の含有量が30質量%を超えた場合には、フィルムとして剛性が低下してしまい、2次加工時等にハンドリング性に劣るものとなり、作業性の低下を招くことになるので、望ましくない。
本発明のフィルムは、公知の方法によって製造することができる。フィルムの形態としては平面状、チューブ状の何れであってもよいが、生産性(原反フィルムの幅方向に製品として数丁取りが可能)や内面に印刷が可能という点から平面状が好ましい。平面状のフィルムの製造方法としては、例えば、複数の押出機を用いて樹脂を溶融し、Tダイから共押出し、チルドロールで冷却固化し、縦方向にロール延伸をし、横方向にテンター延伸をし、アニールし、冷却し、(印刷が施される場合にはその面にコロナ放電処理をして、)巻取機にて巻き取ることによりフィルムを得る方法が例示できる。また、チューブラー法により製造したフィルムを切り開いて平面状とする方法も適用できる。
押出温度は、180〜230℃であるのが好ましく、より好ましくは、190〜220℃である。押出の温度やせん断の状態を最適化することにより材料の分散状態を制御することも、下記詳述するフィルムの種々の物理的特性・機械的特性を所望の値にするのに有効である。
(熱収縮率、収縮仕上り性)
本発明のフィルムは、80℃温水中に10秒間浸漬した際の主収縮方向の収縮率の下限値が30%以上であることが重要であり、好ましくは35%以上、さらに好ましくは40%以上であり、上限値が70%であることが重要であり、好ましくは65%以下、さらに好ましくは60%以下である。
ここで、「熱収縮率」とは、後述するように、縦方向あるいは横方向について、収縮前の原寸に対する収縮量の比率を%値で表したものである。これは、ペットボトルの収縮ラベル用途等の比較的短時間(数秒〜十数秒程度)での収縮加工工程への適応性を判断する指標となる。なお、「主収縮方向」とは、縦方向と横方向のうち延伸方向の大きい方を意味し、例えば、ボトルに装着する場合にはその外周方向に相当する方向である。
本発明のフィルムの透明性は、例えば、厚さ40μmのフィルムをJIS K7105にて測定した場合、ヘーズ値は8%以下であることが好ましく、6%以下であることがより好ましく、5%以下であることがさらに好ましい。ヘーズ値が8%以下であれば、フィルムの透明性が得られ、ディスプレー効果を奏することができる。
本発明のフィルムの耐衝撃性は、ハイドロショット値により評価され、特にラベル用途では、23℃環境下の試験において、試料が破壊するときのエネルギー(N・mm)が、好ましくは980N・mm以上、より好ましくは1225N・mm以上、さらに好ましくは1470N・mm以上ある。23℃環境下でのハイドロショット値が980N・mm以上あれば印刷・製袋などの工程時にフィルムが破断するなどの不具合を生じにくくなり、好ましい。また、印刷・製袋などの工程のスピードアップにともなってフィルムに対してかかる張力が増加するような際にも、引張破断伸度が1225N・mm以上あれば破断しづらく、特に好ましい。上限については特に限定されないが、伸びを付与しすぎようとするとその反面フィルムの剛性が低下してしまう傾向となる。
本発明において、ハイドロショットの値を上記とするためには、例えば、層の材料配合の調整と併せて、製膜工程での押出条件の調整ならびに延伸条件の調整、熱収縮率の調整、積層フィルム構成の場合は積層比をも適宜行うことなどによって、上記値に調整することができる。
ここで言う押出条件の調整とは、一例として押出の温度やせん断の状態を最適化することで材料の分散状態を制御することが挙げられる。また延伸条件の調整とは、一例として延伸温度や延伸倍率を最適化してフィルムの配向状態を制御することが挙げられる。
本発明おいては、用いるコアシェル型ゴム(B)の種類及び量を適宜調整することで、優れた耐折り曲げ白化性を奏することができる。
本発明は、前記熱収縮性積層フィルムを基材として用いた成形品(本発明の成形品)に関し、また本発明は、前記熱収縮性積層フィルムを基材として用いた熱収縮性ラベル(本発明のラベル)に関し、さらに本発明は、前記成形品を用いた、又は前記熱収縮性ラベルを装着した容器(本発明の容器)に関する。
なお、実施例に示す測定値及び評価は次のように行った。実施例では、積層フィルムの引き取り(流れ)方向を「縦」方向(又は、MD)、その直角方向を「横」方向(又は、TD)と記載する。
(1)熱収縮率
得られたフィルムを縦100mm、横100mmの大きさに切り取り、80℃の温水バスに10秒間それぞれ浸漬し、収縮量を測定した。熱収縮率は、横方向(TD)について、収縮前の原寸に対する収縮量の比率を%値で表示した。
得られたフィルムの透明性を評価するため、JIS K7105にてヘーズ値を測定した。
◎:ヘーズ値が5%以下の場合
○:ヘーズ値が6%を超え、かつ、8%以下の場合
×:ヘーズ値が8%を超える場合
得られたフィルムをMD160mm×TD235mmで切り出し、TDに10mm分重なるように折り、重なった部分をヒートシールし、円筒状とする。次いで、この円筒状のフィルムを500mlの多面体ボトルにボトルの下面までかぶせて仕上り評価用サンプルを作製した。評価用サンプルは蒸気加熱方式の長さ4m(3ゾーン構成)の収縮トンネル中を回転させずに、トンネル内の各ゾーンの温度を以下の温度条件として5秒間で通過させ、ボトルに収縮したフィルムの腰折れに起因する折れ込みやシワがないか、収縮不足ではないかの確認を行い評価した。評価は各サンプルN=10で行った。シュリンカー内の温度条件は以下のように設定した。
温度条件:1ゾーン/70〜75℃、2ゾーン/94〜97℃、3 ゾーン/95 〜101℃
蒸気を噴射するトンネル内のノズル位置: 1 ゾーン/ フィルム下部、2 ゾーン前半/ フィルム中央部、2 ゾーン後半/ フィルム全体、3 ゾーン/ フィルム全体
温度調整: ノズルに通じる蒸気配管のバルブ開閉により蒸気量を調整して行う。
◎:収縮が十分でシワ、アバタ、白化、歪みが全く生じない
○:収縮が十分だが、シワ、アバタ、白化、歪みがごく僅かに生じるが、実用上問題にならない
△:収縮が十分だが、シワ、アバタ、白化、歪みがごく僅かに生じ、用途によっては問題となる
×:収縮が不充分、又はシワ、アバタ、歪みが顕著に生じる
ハイドロショット高速衝撃試験器((株)島津製作所製「HTM−1型」)を用いて、縦方向100mm×横方向100mmの大きさに切り出した厚み40μmを試料とし、クランプで固定し、温度0℃ でフィルム中央に直径が1/2インチの撃芯を落下速度3m/秒で落として衝撃を与え、試料が破壊するときのエネルギー(N・mm)を、5回の測定値の平均値を測定し、下記基準に従い評価した。
◎:試料が破壊するときのエネルギーが1470N・mmを超える場合
○:試料が破壊するときのエネルギーが980N・mmを超え、1470N・mm以下である場合
×:試料が破壊するときのエネルギーが980N・mm以下である場合
得られたフィルムを10cm×10cmの大きさに切断してサンプルを作製した。このサンプルをMD方向と同一方向にフィルムの成す角度が180度となるように折り曲げた。この時の、折り曲げ部の白化状態を目視観察して、折り曲げ部に白化が認められなかった場合を記号「〇」で示し、折り曲げ部に白化が認められた場合を記号「×」で示した。
(A)成分(ポリ乳酸系樹脂)
・Nature WorksLLC社製、商品名:NatureWorks4060D、D体/L体量=12/88、「PLA(A1)」と略する。
・Nature WorksLLC社製、商品名:NatureWorks4043D、D体/L体量=4.25/95.75、「PLA(A2)」と略する。
(B)成分(コアシェル型ゴム
・カネカ社製、商品名:カネエースFM−40、コア層:アクリル重合体、シェル層: メタクリル酸メチル重合体(コア層67質量%、コア層中のアクリル系重合体含有量 100質量%)屈折率1.44、「コアシェル型ゴム(B1)」と略する。
・カネカ社製、商品名:カネエースFM−21、コア層:アクリル重合体、シェル層: メタクリル酸メチル重合体(コア層63質量%、コア層中のアクリル系重合体含有量 100質量%)、屈折率1.44、「コアシェル型ゴム(B2)」と略する。
・三菱レイヨン社製、商品名:メタブレンW450、コア層:アクリル重合体、シェル層:メタクリル酸メチル重合体(コア層65質量%、コア層中のアクリル系重合体含有量100質量%)、屈折率1.44、「コアシェル型ゴム(B3)」と略する。
・三菱レイヨン社製、商品名:メタブレンW600、コア層:アクリル重合体、シェル層:メタクリル酸メチル重合体(コア層69質量%、コア層中のアクリル系重合体含有量100質量%)、屈折率1.44、「コアシェル型ゴム(B4)」と略する。
・カネカ社製、商品名:カネエースFM、コア層:アクリル重合体、シェル層: メタクリル酸メチル重合体(コア層46質量%、コア層中のアクリル系重合体含有量100質量%)、屈折率1.44、「コアシェル型ゴム(B5)」と略する。
・三菱レイヨン社製、商品名:メタブレンS2001、コア層:シリコーン-アクリル重合体、シェル層:メタクリル酸メチル重合体(コア層71質量%、コア層中のアクリル系重合体含有量63質量%)、屈折率1.44、「コアシェル型ゴム(B6)」と略する。
(I)層、及び(II)層に用いる樹脂組成物は、各原材料をそれぞれ表1及び表2に示す配合にて混合した後、2軸押出機(三菱重工業社製)に投入し、設定温度200℃で溶融混合し、設定温度200℃のストランドダイスより押出した後、水槽にて冷却した樹脂組成物を、ストランドカッターにより切削し、ペレットとした。
次いで、単軸押出機(三菱重工業社製)により、樹脂を導入し、各押出機設定温度200℃で溶融混合後、各層の厚みが、(I)層/(II)層/(I)層=24μm/152μm/24μmとなるよう共押出し、60℃のキャストロールで引き取り、冷却固化させて幅200mm、厚さ200μmの未延伸シートを得た。次いで、このシートをフィルムテンター(京都機械社製)を用いて、テンター速度3.5m/min、5℃、延伸75℃、熱処理90℃、予熱1ゾーン、延伸2ゾーン、熱処理3ゾーンにて、横方向に5倍延伸をして、厚さ40μmの熱収縮性積層フィルムを得た。
厚み40μmの未延伸シートを得る以外は、上記方法と同様の方法でサンプルを採取した。
Claims (7)
- ポリ乳酸系樹脂(A)とコアシェル型ゴム(B)とを含有する組成物からなる少なくとも2層からなる積層フィルムであって、該フィルムが、ポリ乳酸系樹脂(A)とコアシェル型ゴム(B)とを含有し、前記ポリ乳酸系樹脂(A)と前記コアシェル型ゴム(B)との合計質量が100質量%中、該コアシェル型ゴム(B)を3〜12質量%の樹脂組成物からなる(I)層と、前記ポリ乳酸系樹脂(A’)と前記コアシェル型ゴム(B’)とを含有し、前記ポリ乳酸系樹脂(A’)と前記コアシェル型ゴム(B’)との合計質量が100質量%中、該コアシェル型ゴム(B’)を5〜30質量%の樹脂組成物からなる(II)層とを含み、前記積層フィルムが少なくとも一方向に延伸され、かつ80℃の温水中に10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が30〜70%であることを特徴とする熱収縮性積層フィルム。
- 前記コアシェル型ゴム(B)又は(B’)が、アクリル酸エステルを含む重合体を有するコア層と、該アクリル酸エステルと相違する化学構造を有するアクリル酸エステルを含む重合体を有するシェル層とから構成される重合体であることを特徴とする請求項1に記載の熱収縮性積層フィルム。
- フィルムの厚さが20〜40μmであり、ヘーズ値が8%以下であり、かつ、ハイドロショット値が980N・mm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱収縮性積層フィルム。
- ポリ乳酸系樹脂(A)とコアシェル型ゴム(B)とを含有する組成物からなる少なくとも3層からなる積層フィルムであって、中間層の組成物におけるコアシェル型ゴムの含有量が、表裏層の組成物におけるコアシェル型ゴムの含有量よりも多いことを特徴とし、前記積層フィルムが少なくとも一方向に延伸され、かつ80℃の温水中に10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が30〜70%であることを特徴とする熱収縮性積層フィルム。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルムを基材として有する成形品。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルムを基材として有する熱収縮性ラベル。
- 請求項5に記載の成形品を用いた、又は請求項6に記載の熱収縮性ラベルを装着した容器。
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