JP2011216264A - 固体高分子電解質膜、固体高分子電解質膜電極接合体、固体高分子電解質膜燃料電池、及び固体高分子電解質膜の製造方法 - Google Patents
固体高分子電解質膜、固体高分子電解質膜電極接合体、固体高分子電解質膜燃料電池、及び固体高分子電解質膜の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】固体高分子電解質と電極触媒層との密着性が優れた膜電極接合体およびその製造方法、および、その膜電極接合体を備えた固体高分子形燃料電池を提供する。
【解決手段】
プロトン伝導性高分子と架橋剤とをプロトン酸基以外の部分を介して架橋反応させて得られる架橋高分子を含む架橋高分子電解質膜において、少なくとも一方の面に、少なくとも一つの凹部11または凸部12を有し、プロトン伝導性高分子が一般式(1)で表せる構成単位を有する。
【選択図】図1
【解決手段】
プロトン伝導性高分子と架橋剤とをプロトン酸基以外の部分を介して架橋反応させて得られる架橋高分子を含む架橋高分子電解質膜において、少なくとも一方の面に、少なくとも一つの凹部11または凸部12を有し、プロトン伝導性高分子が一般式(1)で表せる構成単位を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、固体高分子形電解質膜の製造方法およびその膜電極接合体を備えてなる固体高分子形燃料電池に関するものである。
燃料電池は、水素を含有する燃料ガスと酸素を含む酸化剤ガスとを、触媒を含む電極で水の電気分解の逆反応を起こさせ、熱と同時に電気を生み出す発電システムである。この発電システムは、従来の発電方式と比較して高効率で低環境負荷、低騒音などの特徴を有し、将来のクリーンなエネルギー源として注目されている。用いるイオン伝導体の種類によってタイプがいくつかあり、イオン伝導性高分子膜を用いたものは、固体高分子形燃料電池と呼ばれる。
燃料電池の中でも固体高分子形燃料電池は、室温付近で使用可能なことから、車搭載源や家庭据置用電源などへの使用が有望視されており、近年、様々な研究開発が行われている。固体高分子形燃料電池は、膜電極接合体(Membrance and Electrolyte Assembly;以下、MEAと称することがある)と呼ばれる高分子電解質の両面に一対の電極触媒層を配置させた接合体を、前記電極の一方に水素を含有する燃料ガスを供給し、前記電極の他方に酸素を含む酸化剤ガスを供給するためのガス流路を形成した一対のセパレータ板で挟持した電池である。ここで、燃料ガスを供給する電極を燃料極、酸化剤を供給する電極を空気極と呼んでいる。これらの電極は、白金系の貴金属などの触媒物質を担持したカーボン粒子と高分子電解質を積層してなる電極触媒層とガス通気性と電子伝導性を兼ね備えたガス拡散層からなる。
MEAは、固体高分子電解質膜が一対の電極触媒層により挟持されてなるものであり、場合によっては上記電極触媒層がさらに一対のガス拡散層により挟持されてなるものである。このような構成を有するMEAは、従来、導電性材料の表面に触媒成分を担持させた電極触媒及びプロトン伝導性を有するフッ素系ポリマー等の電解質を、水や低級アルコールの溶剤中に分散した触媒インクを固体高分子電解質膜に直接塗布した後、乾燥する直接塗布法や、このような触媒インクを、転写用台紙に塗布・乾燥して、電極触媒層を形成させた後、ホットプレスにより固体高分子電解質膜に電極触媒層を転写させる転写法により作製されている。
上記方法のうち、現在主流となっている転写法では、電極触媒層をホットプレスにより転写する場合、固体高分子電解質膜に対して相溶性の悪い材料を電極触媒層に使用すると、固体高分子電解質膜と電極触媒層間に良好な密着性が得られないという問題が生じる場合がある。このため、このような固体高分子電解質膜を用いた燃料電池では、電極触媒層が固体高分子電解質膜より剥がれるなどにより、固体高分子電解質膜と電極触媒層との接触抵抗が大きくなり、十分な発電特性が得られない問題が生じる場合がある。また、固体高分子電解質膜にガラス転移温度の高い材料を使用する場合には、充分な熱をかけなければ良好な接着性を得ることができず、このような高温での処理は電極触媒層、さらには固体高分子電解質膜自体に対してもダメージを与えてしまう恐れがある。
この問題を解決するために特許文献1では、(ア)表面に凹凸加工が施してあるシート状物やフィルムなどを固体高分子電解質膜上に置き、この凹凸形状を固体高分子電解質膜に転写する方法、(イ)固体高分子電解質膜表面に剛性微粒子等を塗布した後、これを金属板などに挟んで圧着する方法などが記載されているが、固体高分子電解質膜に目的とする形状を転写しにくいため、電極触媒層との密着性を向上させることができない課題があった。
そこで、本発明は、切削刃を用いてガラス基材を機械加工することにより、3次元構造ラインパターンを作製し、その機械加工されたガラス基材に固体高分子電解質を塗布、乾燥、剥離することにより固体高分子電解質膜を作製し、この固体高分子電解質膜を用いて作製した膜電極接合体は、固体高分子電解質膜と電極触媒層との密着性が優れ、このMEAを用いることで、良好な密着性と良好な発電特性を有する固体高分子形燃料電池を提供することを目的とする。
本発明の請求項1記載の固体高分子電解質膜は、プロトン伝導性高分子と架橋剤とをプロトン酸基以外の部分を介して架橋反応させて得られる架橋高分子を含む架橋高分子電解質膜において、少なくとも一方の面に、少なくとも一つの凹部または凸部を有し、前記プロトン伝導性高分子が下記一般式(1)で表せる構成単位を有することを特徴とするものである。
[前記一般式(1)中、Aは電子吸引基を示し、Bは電子供与基を示す。X、Y、Zはそれぞれ0または1であり、XとYとZとの和が1から3のいずれかの整数であることを示す。]
このような構成であれば、プロトン伝導性高分子は剛直な骨格を有するので、固体高分子電解質膜の面に有する、少なくとも一つの凹部または凸部の形状を保持することができる。このため、例えば本発明の固体高分子電解質膜と同様に少なくとも一方の面に、少なくとも一つの凹部または凸部を有する電極触媒層と、本発明の固体高分子電解質膜と、を貼り合わせた場合において、電極触媒層と固体高分子電解質膜との接触面積を増加させることができる。よって、本発明の固体高分子電解質膜であれば、電極触媒層と固体高分子電解質膜との密着性を向上させることができる。
このような構成であれば、プロトン伝導性高分子は剛直な骨格を有するので、固体高分子電解質膜の面に有する、少なくとも一つの凹部または凸部の形状を保持することができる。このため、例えば本発明の固体高分子電解質膜と同様に少なくとも一方の面に、少なくとも一つの凹部または凸部を有する電極触媒層と、本発明の固体高分子電解質膜と、を貼り合わせた場合において、電極触媒層と固体高分子電解質膜との接触面積を増加させることができる。よって、本発明の固体高分子電解質膜であれば、電極触媒層と固体高分子電解質膜との密着性を向上させることができる。
また、このような構成であれば、電極触媒層と固体高分子電解質膜との密着性を向上させた場合には、電極触媒層と固体高分子電解質膜との接触抵抗が小さくなり、発電特性を向上させることができる。
本発明の請求項2記載の固体高分子電解質膜は、前記凹部の溝部または前記凸部の突出部が平面視で線状に伸びた形状を有していることを特徴とするものである。
このような構成であれば、電極触媒層と固体高分子電解質膜との接触面積をさらに増加させることができるので、電極触媒層と固体高分子電解質膜との密着性を向上させることができる。
本発明の請求項2記載の固体高分子電解質膜は、前記凹部の溝部または前記凸部の突出部が平面視で線状に伸びた形状を有していることを特徴とするものである。
このような構成であれば、電極触媒層と固体高分子電解質膜との接触面積をさらに増加させることができるので、電極触媒層と固体高分子電解質膜との密着性を向上させることができる。
本発明の請求項3記載の固体高分子電解質膜は、前記線状に伸びた形状を有する前記凹部または前記線状に伸びた形状を有する前記凸部が繰り返して配列されることを特徴とするものである。
このような構成であれば、電極触媒層と固体高分子電解質膜との接触面積を一層増加させることができるので、電極触媒層と固体高分子電解質膜との密着性を向上させることができる。
このような構成であれば、電極触媒層と固体高分子電解質膜との接触面積を一層増加させることができるので、電極触媒層と固体高分子電解質膜との密着性を向上させることができる。
本発明の請求項4記載の固体高分子電解質膜は、前記一般式(1)中、Aが−O−であることを特徴とするものである。
このような構成であれば、Aが−O−でない場合と比較して、膜抵抗が低下するので、固体高分子電解質膜の発電特性を向上させることができる。
本発明の請求項5記載の固体高分子電解質膜は、前記一般式(1)中、Bが−CO−であることを特徴とするものである。
このような構成であれば、Bが−CO−でない場合と比較して、膜抵抗がさらに低下するので、固体高分子電解質膜の発電特性をより向上させることができる。
このような構成であれば、Aが−O−でない場合と比較して、膜抵抗が低下するので、固体高分子電解質膜の発電特性を向上させることができる。
本発明の請求項5記載の固体高分子電解質膜は、前記一般式(1)中、Bが−CO−であることを特徴とするものである。
このような構成であれば、Bが−CO−でない場合と比較して、膜抵抗がさらに低下するので、固体高分子電解質膜の発電特性をより向上させることができる。
本発明の請求項6記載の固体高分子電解質膜は、前記プロトン伝導性高分子の水素イオン交換容量が、0.5meq/g以上5meq/g以下であることを特徴とするものである。
このような構成であれば、水素イオン交換容量が0.5meq/g未満5meq/gより大きい場合と比較して、プロトン伝導性が優れているので、本発明の固体高分子電解質膜を燃料電池に使用する際に内部抵抗が増大することがない。このため、例えば燃料電池に使用する際、電力の出力密度の低下を抑制できる。よって、本発明の固体高分子電解質膜であれば、固体高分子電解質膜の発電特性を向上させることができる。
このような構成であれば、水素イオン交換容量が0.5meq/g未満5meq/gより大きい場合と比較して、プロトン伝導性が優れているので、本発明の固体高分子電解質膜を燃料電池に使用する際に内部抵抗が増大することがない。このため、例えば燃料電池に使用する際、電力の出力密度の低下を抑制できる。よって、本発明の固体高分子電解質膜であれば、固体高分子電解質膜の発電特性を向上させることができる。
本発明の請求項7記載の固体高分子電解質膜は、前記架橋剤が、前記架橋剤の分子内に少なくとも2つのメチロール基を有することを特徴とするものである。
このような構成であれば、プロトン伝導性高分子のプロトン酸基を介さずにプロトン酸基以外の部分で反応が進行するので、反応によってプロトン伝導性高分子のプロトン伝導性が損なわれることがない。このため、本発明の固体高分子電解質膜であれば、例えば燃料電池に使用する際、電力の出力密度の低下を抑制することができるので発電特性をさらに向上させることができる。
このような構成であれば、プロトン伝導性高分子のプロトン酸基を介さずにプロトン酸基以外の部分で反応が進行するので、反応によってプロトン伝導性高分子のプロトン伝導性が損なわれることがない。このため、本発明の固体高分子電解質膜であれば、例えば燃料電池に使用する際、電力の出力密度の低下を抑制することができるので発電特性をさらに向上させることができる。
本発明の請求項8記載の固体高分子電解質膜は、前記凹部の深さまたは前記凸部の高さが、1μm以上あり、前記固体高分子電解質膜の厚みの1/5以下であることを特徴とするものである。
このような構成であれば、凹部の深さまたは凸部の高さが、1μmより小さく、固体高分子電解質膜の厚みの1/5より大きい場合と比較して、固体高分子電解質膜の面に有する凹部または凸部の機械強度を十分に保持することができる。これにより、例えば電極触媒層と本発明の固体高分子電解質膜とを貼り合わせた場合に、電極触媒層と固体高分子電解質膜との接触面積をより増加させることができる。このため、本発明の固体高分子電解質膜であれば、電極触媒層と固体高分子電解質膜との密着性を一層向上させることができる。
このような構成であれば、凹部の深さまたは凸部の高さが、1μmより小さく、固体高分子電解質膜の厚みの1/5より大きい場合と比較して、固体高分子電解質膜の面に有する凹部または凸部の機械強度を十分に保持することができる。これにより、例えば電極触媒層と本発明の固体高分子電解質膜とを貼り合わせた場合に、電極触媒層と固体高分子電解質膜との接触面積をより増加させることができる。このため、本発明の固体高分子電解質膜であれば、電極触媒層と固体高分子電解質膜との密着性を一層向上させることができる。
本発明の請求項9記載の固体高分子電解質膜の製造方法は、少なくとも一方の面に、少なくとも一つの凹部または凸部を有する基材の面に、下記一般式(2)で表わされるプロトン伝導性高分子と架橋剤とをプロトン酸基以外の部分を介して架橋反応させて得られる架橋高分子を含む塗液を塗布して塗膜を形成する工程と、前記塗膜を加熱して固体高分子電解質膜を形成する工程と、前記固体高分子電解質膜を前記基材から剥離する工程と、を具備することを特徴とするものである。
[前記一般式(2)中、Aは電子吸引基を示し、Bは電子供与基を示す。X、Y、Zはそれぞれ0または1であり、XとYとZとの和が1から3のいずれかの整数であることを示す。]
このような方法であれば、少なくとも一方の面に、少なくとも一つの凹部または凸部を有する固体高分子電解質膜を製造することができる。さらに、剛直な骨格を有するプロトン伝導性高分子を用いることで、凹部または凸部の機械強度を十分に保持した固体高分子電解質膜を製造することができる。このため、例えば本発明により製造された固体高分子電解質膜と同様に少なくとも一方の面に、少なくとも一つの凹部または凸部を有する電極触媒層と、本発明により製造された固体高分子電解質膜とを貼り合わせた場合に、電極触媒層と固体高分子電解質膜との接触面積は増加する。よって、本発明の製造方法であれば、電極触媒層と固体高分子電解質膜との密着性を向上させることのできる固体高分子電解質膜を製造できる。
このような方法であれば、少なくとも一方の面に、少なくとも一つの凹部または凸部を有する固体高分子電解質膜を製造することができる。さらに、剛直な骨格を有するプロトン伝導性高分子を用いることで、凹部または凸部の機械強度を十分に保持した固体高分子電解質膜を製造することができる。このため、例えば本発明により製造された固体高分子電解質膜と同様に少なくとも一方の面に、少なくとも一つの凹部または凸部を有する電極触媒層と、本発明により製造された固体高分子電解質膜とを貼り合わせた場合に、電極触媒層と固体高分子電解質膜との接触面積は増加する。よって、本発明の製造方法であれば、電極触媒層と固体高分子電解質膜との密着性を向上させることのできる固体高分子電解質膜を製造できる。
また、例えば電極触媒層と固体高分子電解質膜との密着性を向上させた場合には、電極触媒層と固体高分子電解質膜との接触抵抗は小さくなる。よって、本発明の製造方法であれば、発電特性を向上させることのできる固体高分子電解質膜を製造できる。
本発明の請求項10記載の固体高分子電解質膜の製造方法は、前記凹部の溝部または前記凸部の突出部が平面視で線状に伸びた形状を有することを特徴とするものである。
このような方法であれば、電極触媒層と固体高分子電解質膜との接触面積はさらに増加させることができる。よって、本発明の製造方法であれば、電極触媒層と固体高分子電解質膜との密着性を向上させることのできる固体高分子電解質膜を製造できる。
本発明の請求項10記載の固体高分子電解質膜の製造方法は、前記凹部の溝部または前記凸部の突出部が平面視で線状に伸びた形状を有することを特徴とするものである。
このような方法であれば、電極触媒層と固体高分子電解質膜との接触面積はさらに増加させることができる。よって、本発明の製造方法であれば、電極触媒層と固体高分子電解質膜との密着性を向上させることのできる固体高分子電解質膜を製造できる。
本発明の請求項11記載の固体高分子電解質膜の製造方法は、前記線状に伸びた形状を有する前記凹部または前記線状に伸びた形状を有する前記凸部が繰り返して配列されることを特徴とするものである。
このような方法であれば、電極触媒層と固体高分子電解質膜との接触面積はさらに増加させることができる。よって、本発明の製造方法であれば、電極触媒層と固体高分子電解質膜との密着性を向上させることのできる固体高分子電解質膜を製造できる。
このような方法であれば、電極触媒層と固体高分子電解質膜との接触面積はさらに増加させることができる。よって、本発明の製造方法であれば、電極触媒層と固体高分子電解質膜との密着性を向上させることのできる固体高分子電解質膜を製造できる。
本発明の請求項12記載の固体高分子電解質膜の製造方法は、前記塗膜を加熱する温度が60℃以上250℃以下であることを特徴とするものである。
このような方法であれば、塗膜を加熱する温度を60℃より低く250℃より高い場合と比較して、固体高分子電解質膜表面の平滑性を向上させることができる。このため、電極触媒層と固体高分子電解質膜とを貼り合わせた場合に、電極触媒層と固体高分子電解質膜との接触面積がより増大する。よって、本発明の製造方法であれば、これら2つの密着性をさらに向上させることができる固体高分子電解質膜を製造できる。
このような方法であれば、塗膜を加熱する温度を60℃より低く250℃より高い場合と比較して、固体高分子電解質膜表面の平滑性を向上させることができる。このため、電極触媒層と固体高分子電解質膜とを貼り合わせた場合に、電極触媒層と固体高分子電解質膜との接触面積がより増大する。よって、本発明の製造方法であれば、これら2つの密着性をさらに向上させることができる固体高分子電解質膜を製造できる。
本発明の請求項13記載の固体高分子電解質膜の製造方法は、前記凹部または前記凸部の幅が50μm以上であり、前記凹部の深さまたは前記凸部の高さが1μm以上1000μm以下であることを特徴とするものである。
このような方法であれば、凹部または凸部の幅を50μmより小さく、凹部の深さまたは凸部の高さを1μmより小さく1000μmより大きい場合と比較して、基材に凹部または凸部の形状を安定して形成することができる。これにより、基材に施した凹部または凸部の微細形状を再現良く固体高分子電解質膜に転写することができ、かつその形状を維持することができる。このため、例えば電極触媒層と固体高分子電解質膜とを貼り合わせた場合に、電極触媒層と固体高分子電解質膜との接触面積がより増大する。よって、本発明の製造方法であれば、これら2つの密着性を一層向上させることができる固体高分子電解質膜を製造できる。
このような方法であれば、凹部または凸部の幅を50μmより小さく、凹部の深さまたは凸部の高さを1μmより小さく1000μmより大きい場合と比較して、基材に凹部または凸部の形状を安定して形成することができる。これにより、基材に施した凹部または凸部の微細形状を再現良く固体高分子電解質膜に転写することができ、かつその形状を維持することができる。このため、例えば電極触媒層と固体高分子電解質膜とを貼り合わせた場合に、電極触媒層と固体高分子電解質膜との接触面積がより増大する。よって、本発明の製造方法であれば、これら2つの密着性を一層向上させることができる固体高分子電解質膜を製造できる。
本発明の請求項14記載の固体高分子電解質膜の製造方法は、前記凹部または前記凸部が、切削刃を用いた機械加工により形成されることを特徴とするものである。
このような方法であれば、切削刃を用いて凹部または凸部を基材に形成することができるので、アスペクト比の高い3次元構造のパターンを基材に形成することができる。このため、アスペクト比を高めた凹部または凸部の微細形状を再現良く固体高分子電解質膜に転写することができ、かつその形状を維持することができる。このため、例えば電極触媒層と固体高分子電解質膜とを貼り合わせた場合に、電極触媒層と固体高分子電解質膜との接触面積がより増大する。よって、本発明の製造方法であれば、これら2つの密着性をさらに向上させることができる固体高分子電解質膜を製造できる。
このような方法であれば、切削刃を用いて凹部または凸部を基材に形成することができるので、アスペクト比の高い3次元構造のパターンを基材に形成することができる。このため、アスペクト比を高めた凹部または凸部の微細形状を再現良く固体高分子電解質膜に転写することができ、かつその形状を維持することができる。このため、例えば電極触媒層と固体高分子電解質膜とを貼り合わせた場合に、電極触媒層と固体高分子電解質膜との接触面積がより増大する。よって、本発明の製造方法であれば、これら2つの密着性をさらに向上させることができる固体高分子電解質膜を製造できる。
本発明の請求項15記載の固体高分子電解質膜の製造方法は、前記基材が、ガラス基材もしくはシリコンウエハであることを特徴とするものである。
このような方法であれば、ガラス基材もしくはシリコンウエハ以外の基材を用いた場合と比較して、基材に所望の微細形状を精度よく形成することができる。このため、例えば電極触媒層と固体高分子電解質膜とを貼り合わせた場合に、電極触媒層と固体高分子電解質膜との接触面積がより増大する。よって、本発明の製造方法であれば、これら2つの密着性をさらに向上させることができる固体高分子電解質膜を製造できる。
このような方法であれば、ガラス基材もしくはシリコンウエハ以外の基材を用いた場合と比較して、基材に所望の微細形状を精度よく形成することができる。このため、例えば電極触媒層と固体高分子電解質膜とを貼り合わせた場合に、電極触媒層と固体高分子電解質膜との接触面積がより増大する。よって、本発明の製造方法であれば、これら2つの密着性をさらに向上させることができる固体高分子電解質膜を製造できる。
本発明の請求項16記載の膜電極接合体は、請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の固体高分子電解質膜を用いたことを特徴とするものである。
このような構成であれば、例えば電極触媒層と固体高分子電解質膜とを貼り合わせた場合に、相互の接触面積を増大させた膜電極接合体となる。このため、本発明の膜電極接合体であれば、電極触媒層と固体高分子電解質膜との密着性を増大させることができる。
このような構成であれば、例えば電極触媒層と固体高分子電解質膜とを貼り合わせた場合に、相互の接触面積を増大させた膜電極接合体となる。このため、本発明の膜電極接合体であれば、電極触媒層と固体高分子電解質膜との密着性を増大させることができる。
また、このような構成であれば、例えば電極触媒層と本発明により製造された固体高分子電解質膜との密着性を向上させた場合には、電極触媒層と固体高分子電解質膜との接触抵抗を小さくすることができる。よって、本発明の膜電極接合体であれば、発電性能を向上させることができる。
本発明の請求項17記載の燃料電池は、請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の固体高分子電解質膜を用いたことを特徴とするものである。
このような構成であれば、例えば電極触媒層と固体高分子電解質膜とを貼り合わせた場合に、相互の接触面積を増大させた燃料電池となる。このため、本発明の燃料電池であれば、電極触媒層と固体高分子電解質膜との密着性を増大させることができる。
本発明の請求項17記載の燃料電池は、請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の固体高分子電解質膜を用いたことを特徴とするものである。
このような構成であれば、例えば電極触媒層と固体高分子電解質膜とを貼り合わせた場合に、相互の接触面積を増大させた燃料電池となる。このため、本発明の燃料電池であれば、電極触媒層と固体高分子電解質膜との密着性を増大させることができる。
また、このような構成であれば、例えば電極触媒層と本発明により製造された固体高分子電解質膜との密着性を向上させた場合には、電極触媒層と固体高分子電解質膜との接触抵抗を小さくすることができる。よって、本発明の燃料電池であれば、発電性能を向上させることができる。
本発明によれば、切削刃を用いてガラス基材もしくはシリコンウエハを機械加工することにより、3次元構造のパターンを作製し、その機械加工されたガラス基材などに固体高分子電解質を塗布、乾燥、剥離することにより固体高分子電解質膜を作製でき、この固体高分子電解質膜を用いて作製した膜電極接合体は、固体高分子電解質膜と電極触媒層との密着性に優れ、かつ良好な発電特性を有する。
以下に、本発明に係る固体高分子電解質膜、固体高分子電解質膜の製造方法、固体高分子電解質膜を用いた膜電極接合体、固体高分子電解質膜を用いた燃料電池のそれぞれについて説明する。なお、本発明は、以下に記載する各実施の形態に限定されうるものではなく、当業者の知識に基づいて設計の変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうるものである。
まず、本発明に係る固体高分子電解質膜についての実施の形態を説明する。
[固体高分子電解質膜]
固体高分子電解質膜の材料としては、機械強度、耐溶剤性、耐酸化性の観点から、エンジアリングプラスチックがスルホン化された材料が好ましい。具体的には、芳香族ポリエーテル、芳香族ポリエーテルケトン、芳香族ポリエーテルエーテルケトン、芳香族ポリエーテルスルホン、芳香族ポリスルホン、芳香族ポリエーテルニトリル、芳香族ポリエーテルピリジン、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミドイミド、芳香族ポリアゾール、芳香族ポリエステル、芳香族ポリカーボネートなどを挙げることができる。
[固体高分子電解質膜]
固体高分子電解質膜の材料としては、機械強度、耐溶剤性、耐酸化性の観点から、エンジアリングプラスチックがスルホン化された材料が好ましい。具体的には、芳香族ポリエーテル、芳香族ポリエーテルケトン、芳香族ポリエーテルエーテルケトン、芳香族ポリエーテルスルホン、芳香族ポリスルホン、芳香族ポリエーテルニトリル、芳香族ポリエーテルピリジン、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミドイミド、芳香族ポリアゾール、芳香族ポリエステル、芳香族ポリカーボネートなどを挙げることができる。
発電特性を向上させるための手段の一つとして、膜抵抗を低下させることが考えられるが、これらの材料は、膜厚10μm程度に薄膜化しても十分な機械強度を有し、ハンドリングが良好である。ナフィオンは、膜厚10μm程度になると機械強度が低下してしまう(つまり、十分な機械強度が得られない)ことからも有用である。
この材料は、プロトン伝導性高分子であり、下記一般式(3)で表せる構成単位を有する。
この材料は、プロトン伝導性高分子であり、下記一般式(3)で表せる構成単位を有する。
ただし、一般式(3)中、Aは電子吸引基を示し、Bは電子供与基を示す。X、Y、Zはそれぞれ0または1であり、XとYとZとの和が1から3のいずれかの整数であることを示す。
上記構造は、剛直な骨格であり、10μm程度に薄膜化しても機械特性を有する(つまり、機械特性が優れている)特徴がある。炭化水素系電解質膜は、特に低加湿条件下において、プロトン伝導性がフッ素系電解質膜と比較して低い。しかしながら、薄膜化しても機械特性を有するため、膜抵抗の低下と水の逆拡散により性能向上が期待できる。
上記構造は、剛直な骨格であり、10μm程度に薄膜化しても機械特性を有する(つまり、機械特性が優れている)特徴がある。炭化水素系電解質膜は、特に低加湿条件下において、プロトン伝導性がフッ素系電解質膜と比較して低い。しかしながら、薄膜化しても機械特性を有するため、膜抵抗の低下と水の逆拡散により性能向上が期待できる。
特に、一般式(3)中、Aが−O−であることが好ましい。また、一般式(3)中、Bが−CO−であることが好ましい。
プロトン伝導性を有するプロトン伝導性高分子の水素イオン交換容量としては、イオン伝導性を考慮すると、0.5meq/g以上5meq/g以下が好ましい。
水素イオン交換容量が0.5meq/g未満ではプロトン伝導性が劣り、燃料電池に使用の際に内部抵抗が大きく出力密度が低下する恐れがあり、5meq/gを超えると仮に架橋しても膨潤しやすくなり、ハンドリングが低下するため好ましくない。
プロトン伝導性を有するプロトン伝導性高分子の水素イオン交換容量としては、イオン伝導性を考慮すると、0.5meq/g以上5meq/g以下が好ましい。
水素イオン交換容量が0.5meq/g未満ではプロトン伝導性が劣り、燃料電池に使用の際に内部抵抗が大きく出力密度が低下する恐れがあり、5meq/gを超えると仮に架橋しても膨潤しやすくなり、ハンドリングが低下するため好ましくない。
固体高分子電解質膜の表面には凹部の溝部または凸部の突出部が平面視で線状に伸びた形状が形成されており、凹部の深さまたは凸部の高さが1μm以上であり、固体高分子電解質膜の膜厚の1/5以下であることが好ましい。この範囲を満たすことにより、固体高分子電解質膜を10μm程度に薄膜化しても機械強度を保持することができ、電極触媒層との密着性を確保することができる。さらに、凸部と凸部の距離(つまり、凸部と凸部の中心間距離)または凹部と凹部の距離(つまり、凹部と凹部の中心間距離)が、100μm以上5000μm以下であることが好ましい。この範囲を満たすことにより、さらに、固体高分子電解質膜の機械強度の保持や電極触媒層との密着性確保を図ることができる。なお、固体高分子電解質膜の表面に形成された凹部または凸部については、固体高分子電解質膜の表面の少なくとも一方の面に、少なくとも一つの凹部または凸部を有していればよく、凹部の溝部または凸部の突出部が平面視で線状に伸びた形状をしていてもよい。
固体高分子電解質膜は、前述の基材を用いて表面に線状に伸びた形状を有する凹部と凸部とを交互に繰り返して配列した形状を形成することが好ましい。固体高分子電解質膜は、前述のような極微細なパターンを有する基材を用いても、その微細形状を再現よく転写でき、かつその形状を維持したまま電極触媒層と貼り合わせることができるため、電極触媒層との密着性を十分向上させることができる。
次に、本発明に係る固体高分子電解質膜の製造方法についての実施の形態を、切削刃を用いた加工した基材及び加工方法及び架橋剤について順次説明した後に説明する。
まず、切削刃を用いた加工した基材及び加工方法について説明する。
[切削刃を用いた加工した基材及び加工方法]
基材としては、金属、樹脂、ガラスなどからなる板状の基材やシート状の基材などが挙げられるが、樹脂は、金属やガラスと比べて熱変形しやすいため、加工した構造を維持しにくく、また、金属は高価であるものも多い。このため、表面に少なくとも1つの凹部または凸部を形成することができるものとして、機械強度に優れ、安価なガラスまたはシリコンウエハからなる板状の基材を用いることが好ましい。ガラスまたはシリコンウエハからなる板状の基材を用いることで、所望の微細パターンを精度よく形成することができる。なお、表面には、少なくとも1つの凹部または凸部を形成すればよく、表面に形成した微細な凹部の溝部または凸部の突出部が平面視で線状に伸びた形状をしていてもよい。また、それらの線状に伸びた形状を配列して形成してもよい。さらに線状に伸びた形状を有する凹部と凸部とを交互に繰り返して配列してもよい(つまり、凹部と凸部とからなる線形状を形成してもいい)。
まず、切削刃を用いた加工した基材及び加工方法について説明する。
[切削刃を用いた加工した基材及び加工方法]
基材としては、金属、樹脂、ガラスなどからなる板状の基材やシート状の基材などが挙げられるが、樹脂は、金属やガラスと比べて熱変形しやすいため、加工した構造を維持しにくく、また、金属は高価であるものも多い。このため、表面に少なくとも1つの凹部または凸部を形成することができるものとして、機械強度に優れ、安価なガラスまたはシリコンウエハからなる板状の基材を用いることが好ましい。ガラスまたはシリコンウエハからなる板状の基材を用いることで、所望の微細パターンを精度よく形成することができる。なお、表面には、少なくとも1つの凹部または凸部を形成すればよく、表面に形成した微細な凹部の溝部または凸部の突出部が平面視で線状に伸びた形状をしていてもよい。また、それらの線状に伸びた形状を配列して形成してもよい。さらに線状に伸びた形状を有する凹部と凸部とを交互に繰り返して配列してもよい(つまり、凹部と凸部とからなる線形状を形成してもいい)。
ここで、線状に伸びた形状を有する凹部と凸部とを交互に繰り返して配列した形状とは、3次元構造を有するラインパターンのことをいい、具体的には図1に示すような形状のことをいう。凹部11または凸部12からなる線形状は、面内の一方向に線状に伸びる凹部11と凸部12とを有していればよく、凹部11の底面や凸部12の上面が水平であっても曲率を有していてもよい。また、凸部12と凸部12との距離(以下、ピッチと称することがある)が基材10の深さ方向で小さくなっても、逆に大きくなってもよい。
ガラスまたはシリコンウエハからなる基材10の表面に線状に伸びた形状を有する凹部11と凸部12とを交互に繰り返して配列した形状を形成する方法としては、公知の表面加工方法を用いることができる。例えば、リソグラフィーによりマスクを形成しエッチングを行う方法がある。
光または電子線リソグラフィーを用いれば、微細かつ任意のパターン形状を有するエッチングマスクを形成することができるため、エッチングにより、1μm以上のミクロンオーダーの3次元構造パターンを加工することができる。また、半導体素子の製造工程で用いられるレベルの微細加工が可能であり、トレンチエッチングなどの手法を適用することにより、極微細なパターンまたはピッチでアスペクト比の高い3次元構造パターンを加工することができる。エッチング方法としては、ドライまたはウェットが挙げられる。
光または電子線リソグラフィーを用いれば、微細かつ任意のパターン形状を有するエッチングマスクを形成することができるため、エッチングにより、1μm以上のミクロンオーダーの3次元構造パターンを加工することができる。また、半導体素子の製造工程で用いられるレベルの微細加工が可能であり、トレンチエッチングなどの手法を適用することにより、極微細なパターンまたはピッチでアスペクト比の高い3次元構造パターンを加工することができる。エッチング方法としては、ドライまたはウェットが挙げられる。
表面加工方法としては、上記のようなエッチング方法を用いることもできるが、加工工程がより簡略である切削刃を用いた機械加工方法を用いることが好ましい。切削刃を用いた機械加工方法は、切削刃を1方向に移動させることにより、該方向に沿った線状の溝を形成することができるため、表面に凹凸構造を有する固体高分子電解質膜の3次元構造ラインパターンの形成方法として好適である。また、切削刃を用いた機械加工を用いると、アスペクト比の高い3次元構造ラインパターンを形成することができる。なお、表面には必ずしも線状の溝を形成する必要はなく、少なくとも一つの凹部11または凸部12を形成すればよい。
基材10の表面に形成された凹部11と凸部12とは、固体高分子電解質膜の表面に有する凹部の深さまたは凸部12の高さが1μm以上になり、固体高分子電解質膜の厚みの1/5以下になるように設計する。
具体的には、基材10に形成した凹部11または凸部12の幅が50μm以上、凹部11の深さまたは凸部12の高さが1μm以上1000μm以下であることが好ましく、また、凹部11または凸部12のアスペクト比は、0.02以上20以下であることが好ましい。上記範囲を満たすことにより、凹部11または凸部12の形状が安定し、繰り返し母型として使用することができる。
具体的には、基材10に形成した凹部11または凸部12の幅が50μm以上、凹部11の深さまたは凸部12の高さが1μm以上1000μm以下であることが好ましく、また、凹部11または凸部12のアスペクト比は、0.02以上20以下であることが好ましい。上記範囲を満たすことにより、凹部11または凸部12の形状が安定し、繰り返し母型として使用することができる。
[架橋剤]
架橋剤は、プロトン伝導性高分子のプロトン酸基を介さずにプロトン酸基以外の部分で反応を進行させることができ、反応前後においてプロトン伝導性材料のプロトン伝導性に変化を及ぼさない架橋剤であればよく、特に限定されるものではない。架橋剤としては、芳香環に−CH2Cl基、−CHOCH3基、−CH2OH基を有する材料などが挙げられるが、芳香環にメチロール基が結合した構造を有する架橋剤は、加熱により容易に反応が進行するので、より好まれる。
架橋剤は、プロトン伝導性高分子のプロトン酸基を介さずにプロトン酸基以外の部分で反応を進行させることができ、反応前後においてプロトン伝導性材料のプロトン伝導性に変化を及ぼさない架橋剤であればよく、特に限定されるものではない。架橋剤としては、芳香環に−CH2Cl基、−CHOCH3基、−CH2OH基を有する材料などが挙げられるが、芳香環にメチロール基が結合した構造を有する架橋剤は、加熱により容易に反応が進行するので、より好まれる。
芳香環に−CH2Cl基、−CHOCH3基、−CH2OH基を有する架橋としては、−CH2Cl基、−CHOCH3基、−CH2OH基を有する芳香環を分子内に少なくとも2つ以上有する化合物が、プロトン伝導性高分子に含まれるプロトン酸基を介さずに反応が進行するので、反応によってプロトン伝導性高分子のプロトン伝導性が損なわれず、かつ加熱により容易に反応が進行するので、好ましく使用できる。
また、イオン伝導性を高めるために架橋剤がスルホン化されていてもよい。スルホン化された架橋剤は、すべてスルホン化された架橋剤でも問題ないが、スルホン化された架橋剤の割合は、50mol%以下であることが望ましい。その理由は、スルホン化された架橋剤の量が多すぎると、膨潤しやすくなるためである。
反応方法としては、光照射法、加熱法、pH調整法などを用いることができる。
また、イオン伝導性を高めるために架橋剤がスルホン化されていてもよい。スルホン化された架橋剤は、すべてスルホン化された架橋剤でも問題ないが、スルホン化された架橋剤の割合は、50mol%以下であることが望ましい。その理由は、スルホン化された架橋剤の量が多すぎると、膨潤しやすくなるためである。
反応方法としては、光照射法、加熱法、pH調整法などを用いることができる。
次に、固体高分子電解質膜の製造方法について説明する。
[固体高分子電解質膜の製造方法]
まず初めに、図2(a)に示すように、線状に伸びた形状を有する凹部と凸部とを交互に繰り返して配列した形状を有するガラス基材21の一方の面に、上述したプロトン伝導性高分子と上述した架橋剤とをプロトン酸基以外の部分を介して架橋反応させて得た架橋高分子を含む溶液22を塗布する。なお、ガラス基材21は、上述した、切削刃を用いた加工した基材を用いることができる。
[固体高分子電解質膜の製造方法]
まず初めに、図2(a)に示すように、線状に伸びた形状を有する凹部と凸部とを交互に繰り返して配列した形状を有するガラス基材21の一方の面に、上述したプロトン伝導性高分子と上述した架橋剤とをプロトン酸基以外の部分を介して架橋反応させて得た架橋高分子を含む溶液22を塗布する。なお、ガラス基材21は、上述した、切削刃を用いた加工した基材を用いることができる。
次に、図2(b)に示すように、ガラス基材21上に塗布した溶液22を加熱して乾燥させ、固体高分子電解質膜を形成する。乾燥方法としては、溶媒をゆっくり乾燥させるのが好ましい。具体的には、初期乾燥温度を40℃で1h、二次乾燥を90℃で1h程度行うのが望ましい。初期乾燥温度を高くし過ぎると、膜の平滑性が乏しくなるためである。
次に、図2(c) に示すように、固体高分子電解質膜23をガラス基材21上から剥離する。ガラス基材21から固体高分子電解質膜23を剥離するには、ピンセットなどを用いて剥離することや、水やアルコール、具体的にはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどを低級アルコールに含浸させ、膨潤させて剥離するのが好ましい。こうして、図2(d)に示す固体高分子電解質膜23を製造する。
次に、図2(c) に示すように、固体高分子電解質膜23をガラス基材21上から剥離する。ガラス基材21から固体高分子電解質膜23を剥離するには、ピンセットなどを用いて剥離することや、水やアルコール、具体的にはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどを低級アルコールに含浸させ、膨潤させて剥離するのが好ましい。こうして、図2(d)に示す固体高分子電解質膜23を製造する。
次に固体高分子電解質膜を用いた膜電極接合体について説明する。
[膜電極接合体]
図3に本発明の実施の形態に係る膜電極接合体の分解模式図を示す。膜電極接合体は、固体高分子電解質膜と後述する電極触媒層とで構成されており、さらに固体高分子電解質膜の両面を後述する電極触媒層で貼り合わせることで形成される。
[膜電極接合体]
図3に本発明の実施の形態に係る膜電極接合体の分解模式図を示す。膜電極接合体は、固体高分子電解質膜と後述する電極触媒層とで構成されており、さらに固体高分子電解質膜の両面を後述する電極触媒層で貼り合わせることで形成される。
[膜電極接合体の製造方法]
(触媒)
反応触媒としては、白金やパラジウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、オスミウムの白金族元素の他、鉄、鉛、銅、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウムなどの金属またはこれらの合金、または酸化物、複酸化物等が使用できる。また、これらの触媒の粒径は、大きすぎると触媒の活性が低下し、小さすぎると触媒の安定性が低下するため、0.5〜20nmが好ましい。更に好ましくは、1〜5nmが良い。
(触媒)
反応触媒としては、白金やパラジウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、オスミウムの白金族元素の他、鉄、鉛、銅、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウムなどの金属またはこれらの合金、または酸化物、複酸化物等が使用できる。また、これらの触媒の粒径は、大きすぎると触媒の活性が低下し、小さすぎると触媒の安定性が低下するため、0.5〜20nmが好ましい。更に好ましくは、1〜5nmが良い。
これらの反応触媒を担持する電子伝導性の導電剤は、一般的に、カーボン粒子が使用される。カーボン粒子の種類は、微粒子状で導電性を有し、触媒におかされないものであればどのようなものでも構わないが、カーボンブラックやグラファイト、黒鉛、活性炭、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、フラーレンが使用できる。カーボン粒子の粒径は、小さすぎると電子伝導パスを形成されにくくなり、また大きすぎると電極触媒層のガス拡散性が低下したり、触媒の利用率が低下したりするので、10〜1000nm程度が好ましい。更に好ましくは、10〜100nmが良い。
(電極触媒インク)
電極触媒インクの分散媒として使用される溶媒は、触媒粒子や高分子電解質を侵食することなく、高分子電解質の流動性の高い状態で溶解または微細ゲルとして分散できるもので特に制限はない。しかし、揮発性の液体有機溶媒が少なくとも含まれることが望ましく、特に限定されるものではないが、メタノール、エタノール、1−プロパノ―ル、2−プロパノ―ル、1−ブタノ−ル、2−ブタノ−ル、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ペンタノ−ル等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、ペンタノン、メチルイソブチルケトン、へプタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトニルアセトン、ジイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アニソール、メトキシトルエン、ジブチルエーテル等のエーテル系溶剤、その他ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジアセトンアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール等の極性溶剤等が使用される。また、これらの溶剤のうち二種以上を混合させたものも使用できる。
電極触媒インクの分散媒として使用される溶媒は、触媒粒子や高分子電解質を侵食することなく、高分子電解質の流動性の高い状態で溶解または微細ゲルとして分散できるもので特に制限はない。しかし、揮発性の液体有機溶媒が少なくとも含まれることが望ましく、特に限定されるものではないが、メタノール、エタノール、1−プロパノ―ル、2−プロパノ―ル、1−ブタノ−ル、2−ブタノ−ル、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ペンタノ−ル等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、ペンタノン、メチルイソブチルケトン、へプタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトニルアセトン、ジイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アニソール、メトキシトルエン、ジブチルエーテル等のエーテル系溶剤、その他ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジアセトンアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール等の極性溶剤等が使用される。また、これらの溶剤のうち二種以上を混合させたものも使用できる。
また、溶媒として低級アルコールを用いたものは発火の危険性が高く、このような溶媒を用いる際は水との混合溶媒にするのが好ましい。高分子電解質となじみがよい水が含まれていてもよい。水の添加量は、高分子電解質が分離して白濁を生じたり、ゲル化したりしない程度であれば特に制限はない。
電極触媒インク中の固形分含有量は、多すぎると電極触媒インクの粘度が高くなるため、電極触媒層表面にクラックが入りやすくなり、また逆に少なすぎると成膜レートが非常に遅く、生産性が低下してしまうため、1〜50質量%であることが好ましい
電極触媒インク中の固形分含有量は、多すぎると電極触媒インクの粘度が高くなるため、電極触媒層表面にクラックが入りやすくなり、また逆に少なすぎると成膜レートが非常に遅く、生産性が低下してしまうため、1〜50質量%であることが好ましい
(電極触媒層)
固体高分子電解質膜を用いて作製した膜電極接合体の製造方法において、高分子電解質で包埋した触媒担持炭素粒子は、触媒担持炭素粒子と、高分子電解質を溶媒に分散させた電極触媒インクを転写シートに塗布し、乾燥させることで得られる。
このとき、塗布方法としては、ドクターブレード法、ディッピング法、スクリーン印刷法、ロールコーティング法、スプレー法などを用いることができる。
固体高分子電解質膜を用いて作製した膜電極接合体の製造方法において、高分子電解質で包埋した触媒担持炭素粒子は、触媒担持炭素粒子と、高分子電解質を溶媒に分散させた電極触媒インクを転写シートに塗布し、乾燥させることで得られる。
このとき、塗布方法としては、ドクターブレード法、ディッピング法、スクリーン印刷法、ロールコーティング法、スプレー法などを用いることができる。
電極触媒層の製造方法における基材としては、ガス拡散層、転写シートを用いることができる。ガス拡散層としては、ガス拡散性と導電性とを有する材質のものを用いることができる。また転写シートとしては、転写性がよい材質であればよい。また、固体高分子電解質膜に直接電極触媒層を形成しても良い。
基材として転写シートを用いた場合には、固体高分子電解質膜に電極触媒層を接合後に転写シートを剥離し、固体高分子電解質膜の両面に電極触媒層を備える膜電極接合体とすることができる。膜電極接合体は、図3に示すように固体高分子電解質膜31に凸構造31aを有しているため、電極触媒層33との密着性が良い。
基材として転写シートを用いた場合には、固体高分子電解質膜に電極触媒層を接合後に転写シートを剥離し、固体高分子電解質膜の両面に電極触媒層を備える膜電極接合体とすることができる。膜電極接合体は、図3に示すように固体高分子電解質膜31に凸構造31aを有しているため、電極触媒層33との密着性が良い。
次に固体高分子電解質膜を用いた燃料電池について説明する。
[固体高分子形燃料電池]
図4に本発明の実施の形態に係る固体高分子形燃料電池の分解模式図を示す。固体高分子形燃料電池にあっては、膜電極接合体411の電極触媒層402および電極触媒層403と対向して空気極側のガス拡散層405および燃料極側のガス拡散層404が配置される。これによりそれぞれ空気極(以下、カソードと称することがある)407及び燃料極(以下、アノードと称することがある)406が構成される。そしてガス流通用のガス流路408を備え、相対する主面に冷却水流通用の冷却水流路409を備えた導電性でかつ不透過性の材料よりなる一組のセパレータ410が配置される。燃料極側のセパレータ410のガス流路408からは燃料ガスとして、例えば水素ガスが供給される。一方、空気極側のセパレータ410のガス流路408からは、酸化剤ガスとして、例えば酸素を含むガスが供給される。そして、燃料ガスの水素と酸素ガスとを触媒の存在下で電極反応させることにより、燃料極と空気極の間に起電力を生じることができる。
[固体高分子形燃料電池]
図4に本発明の実施の形態に係る固体高分子形燃料電池の分解模式図を示す。固体高分子形燃料電池にあっては、膜電極接合体411の電極触媒層402および電極触媒層403と対向して空気極側のガス拡散層405および燃料極側のガス拡散層404が配置される。これによりそれぞれ空気極(以下、カソードと称することがある)407及び燃料極(以下、アノードと称することがある)406が構成される。そしてガス流通用のガス流路408を備え、相対する主面に冷却水流通用の冷却水流路409を備えた導電性でかつ不透過性の材料よりなる一組のセパレータ410が配置される。燃料極側のセパレータ410のガス流路408からは燃料ガスとして、例えば水素ガスが供給される。一方、空気極側のセパレータ410のガス流路408からは、酸化剤ガスとして、例えば酸素を含むガスが供給される。そして、燃料ガスの水素と酸素ガスとを触媒の存在下で電極反応させることにより、燃料極と空気極の間に起電力を生じることができる。
凹凸構造を有する固体高分子電解質膜401は、その凹凸構造をカソード407側にして配置してもアノード406側にして配置してもどちらでもよいが、好ましくは、アノード406側に配置することが好ましい。アノード406は、随伴水によって水分がカソード側に移動するため乾燥しやすく、固体高分子電解質膜401とアノード406側の電極触媒層402が剥離しやすいためである。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
スルホン化ポリエーテルエーテルケトン2.1gと、架橋剤の1,4−ベンゼンメタノール(東京化成工業株式会社)0.315gをγ−ブチロラクトン中で混合させて溶解させた。
スルホン化ポリエーテルエーテルケトン2.1gと、架橋剤の1,4−ベンゼンメタノール(東京化成工業株式会社)0.315gをγ−ブチロラクトン中で混合させて溶解させた。
(実施例)
(凹凸構造を有する固体高分子電解質膜の作製)
機械加工により、25cm2のガラス基材の中央5cm2の領域に高さ5μm、ピッチ1mmの三次元構造ラインパターンを作製する。その機械加工されたガラス基材の上に、γ−ブチロラクトン中に溶解しているスルホン化ポリエーテルエーテルケトン溶液をキャストする。40℃で1h、90℃で1h、120℃で3h真空乾燥させた後、得られた膜を加熱プレスすることにより、反応を進行させてプロトン伝導性高分子電解質を得た。
熱プレスの条件は、プレス温度を120℃、プレス時間を3h、プレス圧力を80kgf/cm2とした。得られた固体高分子電解質膜を剥離し、γ−ブチロラクトンに浸漬したところ、溶解しなかったことから架橋していることを確認した。膜厚は、25μmに調整した。
(凹凸構造を有する固体高分子電解質膜の作製)
機械加工により、25cm2のガラス基材の中央5cm2の領域に高さ5μm、ピッチ1mmの三次元構造ラインパターンを作製する。その機械加工されたガラス基材の上に、γ−ブチロラクトン中に溶解しているスルホン化ポリエーテルエーテルケトン溶液をキャストする。40℃で1h、90℃で1h、120℃で3h真空乾燥させた後、得られた膜を加熱プレスすることにより、反応を進行させてプロトン伝導性高分子電解質を得た。
熱プレスの条件は、プレス温度を120℃、プレス時間を3h、プレス圧力を80kgf/cm2とした。得られた固体高分子電解質膜を剥離し、γ−ブチロラクトンに浸漬したところ、溶解しなかったことから架橋していることを確認した。膜厚は、25μmに調整した。
(比較例)
(凹凸構造を有しない固体高分子電解質膜の作製)
25cm2のガラス基材の上に、γ−ブチロラクトン中に溶解しているスルホン化ポリエーテルエーテルケトン溶液をキャストする。40℃で1h、90℃で1h、120℃で3h真空乾燥させた後、得られた膜を加熱プレスすることにより、反応を進行させてプロトン伝導性高分子電解質を得た。
熱プレスの条件は、プレス温度130℃、プレス時間3h、プレス圧力80kgf/cm2とした。得られた固体高分子電解質膜を剥離し、γ−ブチロラクトンに浸漬したところ、溶解しなかったことから架橋していることを確認した。膜厚は、25μmに調整した。
(凹凸構造を有しない固体高分子電解質膜の作製)
25cm2のガラス基材の上に、γ−ブチロラクトン中に溶解しているスルホン化ポリエーテルエーテルケトン溶液をキャストする。40℃で1h、90℃で1h、120℃で3h真空乾燥させた後、得られた膜を加熱プレスすることにより、反応を進行させてプロトン伝導性高分子電解質を得た。
熱プレスの条件は、プレス温度130℃、プレス時間3h、プレス圧力80kgf/cm2とした。得られた固体高分子電解質膜を剥離し、γ−ブチロラクトンに浸漬したところ、溶解しなかったことから架橋していることを確認した。膜厚は、25μmに調整した。
(電極触媒インクの調整)
白金担持量が50質量%である白金担持カーボン触媒(商品名:TEC10E50E、田中貴金属工業製)と、20質量%高分子電解質分散溶液(ナフィオン:登録商標、Dupont社製)を溶媒中で混合し、遊星ボールミル(商品名:Pulverisette7、Fritsch社製)で分散処理を行った。ボールミルのポット、ボールにはジルコニア製のものを用いた。
出発原料の組成比を白金担持カーボン粒子とナフィオン(登録商標、Dupont社製)の質量比で2:1としたものを電極触媒インクとした。
白金担持量が50質量%である白金担持カーボン触媒(商品名:TEC10E50E、田中貴金属工業製)と、20質量%高分子電解質分散溶液(ナフィオン:登録商標、Dupont社製)を溶媒中で混合し、遊星ボールミル(商品名:Pulverisette7、Fritsch社製)で分散処理を行った。ボールミルのポット、ボールにはジルコニア製のものを用いた。
出発原料の組成比を白金担持カーボン粒子とナフィオン(登録商標、Dupont社製)の質量比で2:1としたものを電極触媒インクとした。
(電極触媒層の作製)
電極触媒層用インクをPTFE(Polytetrafluoroethylene;ポリテトラフルオロエチレン)基材上に塗布し、ドクターブレードにより塗工した。塗工した電極触媒層を60℃で5分間乾燥させて作製した。
また、電極触媒層の厚さは、白金担持量が約0.3mg/cm2になるように調整し、電極触媒層の電極面積は5cm2の正方形になるようにカッティングした。
電極触媒層用インクをPTFE(Polytetrafluoroethylene;ポリテトラフルオロエチレン)基材上に塗布し、ドクターブレードにより塗工した。塗工した電極触媒層を60℃で5分間乾燥させて作製した。
また、電極触媒層の厚さは、白金担持量が約0.3mg/cm2になるように調整し、電極触媒層の電極面積は5cm2の正方形になるようにカッティングした。
(膜電極接合体の作製)
5cm2の正方形に切り抜かれた電極触媒層を凹凸構造を有する固体高分子電解質膜の両面に対面するように転写シートを配置し、140℃、150kgf/cm2の条件で30分間ホットプレスして膜電極接合体を作製した。
(凹凸構造を有する固体高分子電解質膜との比較)
膜電極接合体にガス拡散層としてのカーボンクロスを挟むように貼り合わせ、発電評価セル(エヌエフ回路設計ブロック社製)内に設置した。これを燃料電池測定装置(エヌエフ回路設計ブロック社製)を用いて、セル温度80℃で、以下に示す運転条件で電流電圧測定を行った。燃料ガスとして水素、酸化剤ガスとして空気を、それぞれ500cc/min、1000cc/minで行った。加湿器は、アノード100%RH、カソード100%RHとした。
その結果、凹凸構造を有する固体高分子電解質膜を用いた膜電極接合体の方が、界面の抵抗が下がったため、セル抵抗が下がり、また発電特性が向上した。
5cm2の正方形に切り抜かれた電極触媒層を凹凸構造を有する固体高分子電解質膜の両面に対面するように転写シートを配置し、140℃、150kgf/cm2の条件で30分間ホットプレスして膜電極接合体を作製した。
(凹凸構造を有する固体高分子電解質膜との比較)
膜電極接合体にガス拡散層としてのカーボンクロスを挟むように貼り合わせ、発電評価セル(エヌエフ回路設計ブロック社製)内に設置した。これを燃料電池測定装置(エヌエフ回路設計ブロック社製)を用いて、セル温度80℃で、以下に示す運転条件で電流電圧測定を行った。燃料ガスとして水素、酸化剤ガスとして空気を、それぞれ500cc/min、1000cc/minで行った。加湿器は、アノード100%RH、カソード100%RHとした。
その結果、凹凸構造を有する固体高分子電解質膜を用いた膜電極接合体の方が、界面の抵抗が下がったため、セル抵抗が下がり、また発電特性が向上した。
本発明は、電気自動車、携帯電話、自動販売機、水中ロボット、潜水艦、宇宙船、水中航走体、水中基地用電源等に用いる固体高分子形燃料電池に利用できる。特に低加湿での発電特性を要求される車載用固体高分子電解質膜に有用である。
10 基材
11 基材の凹部
12 基材の凸部
21 ガラス基材
22 塗膜
23 凸部を有する固体高分子電解質膜
31 凸部を有する固体高分子電解質膜
31a 固体高分子電解質膜に含まれる凸部
32 電極触媒層
33 電極触媒層
401 固体高分子電解質膜
402 電極触媒層
403 電極触媒層
404 ガス拡散層
405 ガス拡散層
406 燃料極(アノード)
407 空気極(カソード)
408 ガス流路
409 冷却水流路
410 セパレータ
411 膜電極接合体
11 基材の凹部
12 基材の凸部
21 ガラス基材
22 塗膜
23 凸部を有する固体高分子電解質膜
31 凸部を有する固体高分子電解質膜
31a 固体高分子電解質膜に含まれる凸部
32 電極触媒層
33 電極触媒層
401 固体高分子電解質膜
402 電極触媒層
403 電極触媒層
404 ガス拡散層
405 ガス拡散層
406 燃料極(アノード)
407 空気極(カソード)
408 ガス流路
409 冷却水流路
410 セパレータ
411 膜電極接合体
Claims (17)
- 前記凹部の溝部または前記凸部の突出部が平面視で線状に伸びた形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子電解質膜。
- 前記線状に伸びた形状を有する前記凹部または前記線状に伸びた形状を有する前記凸部が繰り返して配列されることを特徴とする請求項2に記載の固体高分子電解質膜。
- 前記一般式(1)中、Aが−O−であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の固体高分子電解質膜。
- 前記一般式(1)中、Bが−CO−であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の固体高分子電解質膜。
- 前記プロトン伝導性高分子の水素イオン交換容量が、0.5meq/g以上5meq/g以下であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の固体高分子電解質膜。
- 前記架橋剤が、前記架橋剤の分子内に少なくとも2つのメチロール基を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の固体高分子電解質膜。
- 前記凹部の深さまたは前記凸部の高さが、1μm以上あり、前記固体高分子電解質膜の厚みの1/5以下であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の固体高分子電解質膜。
- 前記凹部の溝部または前記凸部の突出部が平面視で線状に伸びた形状を有することを特徴とする請求項9に記載の固体高分子電解質膜の製造方法。
- 前記線状に伸びた形状を有する前記凹部または前記線状に伸びた形状を有する前記凸部が繰り返して配列されることを特徴とする請求項10に記載の固体高分子電解質膜の製造方法。
- 前記塗膜を加熱する温度が60℃以上250℃以下であることを特徴とする請求項9から請求項11のいずれか一項に記載に記載の固体高分子電解質膜の製造方法。
- 前記凹部または前記凸部の幅が50μm以上であり、前記凹部の深さまたは前記凸部の高さが1μm以上1000μm以下であることを特徴とする請求項9から請求項12のいずれか一項に記載の固体高分子電解質膜の製造方法。
- 前記凹部または前記凸部が、切削刃を用いた機械加工により形成されることを特徴とする請求項9から請求項13のいずれか一項に記載の固体高分子電解質膜の製造方法。
- 前記基材が、ガラス基材もしくはシリコンウエハであることを特徴とする請求項9から請求項14のいずれか一項に記載の固体高分子電解質膜の製造方法。
- 請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の固体高分子電解質膜を用いたことを特徴とする膜電極接合体。
- 請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の固体高分子電解質膜を用いたことを特徴とする燃料電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010082203A JP2011216264A (ja) | 2010-03-31 | 2010-03-31 | 固体高分子電解質膜、固体高分子電解質膜電極接合体、固体高分子電解質膜燃料電池、及び固体高分子電解質膜の製造方法 |
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Family Applications (1)
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2010
- 2010-03-31 JP JP2010082203A patent/JP2011216264A/ja active Pending
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