JP2011257738A - トナー、並びに二成分現像剤、プロセスカートリッジ、及びカラー画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも第一の結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含有するコアと、
少なくとも第二の結着樹脂を含有するシェルとからなるコアシェル構造を有し、
軟化指数が、86℃以上95℃以下であり、
熱的硬さが、0.7以上1.8以下であるトナーである。
【選択図】図6
Description
また、フルカラー画像を形成する際には、一般に、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの4色のトナーを用いて現像しており、各色のトナー像を記録媒体に転写して重ね合わせた後、加熱により同時に定着させて、画像を形成している。
しかしながら、この提案の技術においては、高温高湿環境下での低温定着性が十分ではなく、また、高温高湿環境下でキャリアスペントが起こる問題は依然として解決できていない。
<1> 少なくとも第一の結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含有するコアと、
少なくとも第二の結着樹脂を含有するシェルとからなるコアシェル構造を有し、
軟化指数が、86℃以上95℃以下であり、
熱的硬さが、0.7以上1.8以下であることを特徴とするトナーである。
<2> 少なくとも結晶性ポリエステル樹脂を含有する前記<1>に記載のトナーである。
<3> シェルの厚みが、0.01μm〜2.0μmである前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナーである。
<4> 第二の結着樹脂が、少なくともビニル系樹脂を含有する前記<1>から<3>のいずれかに記載のトナーである。
<5> 第一の結着樹脂が、少なくともポリエステル樹脂を含有する前記<1>から<4>のいずれかに記載のトナーである。
<6> 第一の結着樹脂が、少なくとも変性ポリエステル樹脂を含有する前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーである。
<7> トナー組成物及びトナー組成物前駆体の少なくともいずれかを含有する油相及びモノマー相の少なくともいずれかを、水系媒体に分散乃至乳化して造粒してなる前記<1>から<6>のいずれかに記載のトナーである。
<8> 少なくとも、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、ポリエステル樹脂、着色剤、及び離型剤を含有するトナー組成物を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋乃至伸長反応させてなる前記<1>から<7>のいずれかに記載のトナーである。
<9> 平均円形度が、0.93〜0.99である前記<1>から<8>のいずれかに記載のトナーである。
<10> 形状係数SF−1値が、100〜150であり、かつ形状係数SF−2値が、100〜140である前記<1>から<9>のいずれかに記載のトナーである。
<11> 重量平均粒径D4が、2μm〜7μmであり、重量平均粒径D4と個数平均粒径Dnの比D4/Dnが、1.25以下である前記<1>から<10>のいずれかに記載のトナーである。
<12> 熱的硬さが、0.7以上1.4以下である前記<1>から<11>のいずれかに記載のトナーである。
<13> シェルの厚みが、0.1μm〜1.0μmである前記<1>から<12>のいずれかに記載のトナーである。
<14> 前記<1>から<13>のいずれかに記載のトナーと、少なくとも磁性を有するキャリアとを含有することを特徴とする二成分現像剤である。
<15> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、
前記トナーが、前記<1>から<13>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジである。
<16> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着部材により定着させる定着手段とを備えるカラー画像形成装置であって、
少なくとも4つ以上の現像色の異なる現像ユニットを直列に配置したタンデム型の現像方式であり、システム速度が、500mm/sec〜2,500mm/secであり、かつ定着部材の加圧面圧が、10N/cm2〜150N/cm2であり、
前記トナーが、前記<1>から<13>のいずれかの記載のトナーであることを特徴とするカラー画像形成装置である。
本発明のトナーは、コアとシェルとからなるコアシェル構造を有する。
前記トナーは、少なくとも第一の結着樹脂と、第二の結着樹脂と、着色剤と、離型剤とを有し、更に必要に応じて、その他の成分を有する。
前記トナーの軟化指数(Ct)は86℃以上95℃以下であり、熱的硬さ(St)は0.7以上1.8以下である。
Tfbの測定は、高架式フローテスター(CFT−500D、島津製作所製)を用いてJIS K72101に記載された方法に準拠して行うことができる。図1Aに示す試験機器を用い、1gのトナーを直径10mm、高さ10mmの円柱状の錠剤に圧力成型して前記試験機器に設置する。プランジャーにより所定の荷重を与えつつ、50℃を開始温度として昇温速度3℃/minで加熱しながら直径0.5mm、長さ1mmのノズルから押し出すようにする。これにより、プランジャー降下量−温度曲線を描く。この試験によるフローカーブは図1Bに示されるようなデータになり、そこから流出開始温度(Tfb)を求めることができる。
このTfbの測定において、荷重を25kgfとした際に測定されるTfbが、前記軟化指数(Ct)である。
前記トナーの前記軟化指数(Ct)は、86℃以上95℃以下であり、88℃以上93℃以下が好ましい。前記軟化指数(Ct)が、86℃未満であると、前記トナーのコアはシェルで覆われているとはいえ、外部環境の熱、湿度の影響を受け、高温高湿環境下での使用においてキャリアスペントを発生させる。また、耐熱保存性の低下が起こる。一方、95℃を超えると、コアが軟化しにくく、高温高湿環境下での低温定着性が不十分となる。前記軟化指数(Ct)が、前記好ましい範囲内であると、定着性、キャリアスペントなどの汚染性に関係する軟化温度を制御し易い点で有利である。
前記熱的硬さ(St)は、荷重に対するトナーの溶融のし易さを示す特性値として評価できる。Stの値が大きいほど、荷重の増加に対してトナーの流出開始温度(Tfb)の低下が大きいことを示す。つまり、Stの値が大きいことは、高い荷重によりトナーのシェルが破壊されることで始めて軟化すること、言い換えれば、トナーのシェルが硬く、高い荷重をかけないとトナーが軟化しにくいことを示す。そのため、Stの値が大きいことは、シェルの熱的硬さが硬いことを示す。一方、Stの値が小さいほど、荷重の変化に対するトナーの流出開始温度(Tfb)依存性が小さいことを示す。つまり、Stの値が小さいことは、トナーの溶融性は熱量だけに依存し、荷重を大きく変化させてもトナーの溶融性の変化は小さい、言い換えれば、十分な荷重を掛けなくてもトナーが溶融しやすいことを示す。そのため、Stの値が小さいことは、シェルの熱的硬さが柔らかいことを示す。
前記トナーの前記熱的硬さ(St)は、0.7以上1.8以下であり、0.7以上1.4以下が好ましい。前記熱的硬さ(St)が、0.7未満であると、シェルが柔らかすぎるため、高温高湿環境下での使用においてキャリアスペントを発生させる。また、耐熱保存性が低下する。一方、前記熱的硬さ(St)が、1.8を超えると、シェルが硬すぎるため、高温高湿環境下での低温定着性が不十分となる。また、ワックス離型性が低下する。前記熱的硬さ(St)が、前記好ましい範囲であると、定着性、キャリアスペントなどの汚染性に関係する軟化温度を制御し易い点で有利である。
前記コアは、第一の結着樹脂と着色剤と離型剤とを少なくとも含有する。
前記第一の結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ポリエステル樹脂を少なくとも含有することが好ましい。
前記ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、変性ポリエステル樹脂、未変性ポリエステル樹脂が挙げられる。
前記変性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体としてのイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)が挙げられる。該イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルを更にポリイソシアネート(3)と反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらの中でも、アルコール性水酸基が好ましい。
前記ポリイソシアネート(3)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1であり、4/1〜1.2/1が好ましく、2.5/1〜1.5/1がより好ましい。[NCO]/[OH]が、5を超えると、低温定着性が悪化することがある。[NCO]/[OH]が、1未満では、変性ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。前記イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のポリイソシアネート(3)構成成分の含有量は、通常0.5質量%〜40質量%であり、1質量%〜30質量%が好ましく、2質量%〜20質量%がより好ましい。前記含有量が、0.5質量%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になることがある。また、前記含有量が、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1であり、1.5/1〜1/1.5が好ましく、1.2/1〜1/1.2がより好ましい。前記[NCO]/[NHx]が2を超えたり、1/2未満であると、架橋及び/又は伸長後の変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記未変性ポリエステル樹脂は、前記変性ポリエステル樹脂と共に、前記第一の結着樹脂として前記トナーに含有させることが好ましい。前記未変性ポリエステル樹脂を併用することで、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性、光沢均一性が向上する。
前記未変性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)のポリエステル成分と同様なポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものもイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)と同様である。また、前記未変性ポリエステル樹脂は未変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。前記変性ポリエステル樹脂と前記未変性ポリエステル樹脂は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、前記変性ポリエステル樹脂のポリエステル成分と前記未変性ポリエステル樹脂は類似の組成が好ましい。前記変性ポリエステル樹脂と前記未変性ポリエステル樹脂の質量比率は、5/95〜75/25が好ましく、10/90〜25/75がより好ましく、12/88〜25/75が更に好ましく、12/88〜22/78が特に好ましい。前記変性ポリエステル樹脂の質量比率が、5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になることがある。
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばカーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボンなどが挙げられる。
前記着色剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナーに対して1質量%〜15質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましい。
前記マスターバッチはマスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合し、混練してマスターバッチを得ることができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることができる。また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練を行い、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
前記離型剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが特に好ましい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);ジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記離型剤のトナー中における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナーに対して40質量%以下が好ましく、3質量%〜30質量%がより好ましい。
前記シェルは、第二の結着樹脂を少なくとも含有する。
前記第二の結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記第一の結着樹脂と異なる組成であることが、コアとシェルの個々の機能を効果的に発揮できる点で好ましい。例えば、前記第一の結着樹脂と前記第二の結着樹脂とが異なる組成であることにより、シェルにおいては耐熱保存性の維持や耐汚染性、コアにおいては着色剤、離型剤等を適切に分散させる機能、低温定着性などの個々の機能を効果的に発揮できる。また、トナーの機能分離設計を可能にする点で好ましい。
前記樹脂微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。これらの中でも、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましく、ビニル系樹脂がより好ましい。
前記ビニル系樹脂としては、ビニル系モノマーを単独重合または共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体などが挙げられる。
また、前記樹脂微粒子としては、少なくとも2つの不飽和基を有する単量体を含んでなる共重合体を用いることもできる。
前記少なくとも2つの不飽和基を持つ単量体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(「エレミノールRS−30」;三洋化成工業社製)、ジビニルベンゼン、1,6−ヘキサンジオールアクリレートなどが挙げられる。
ここで、前記ガラス転移温度は、TG−DSCシステムTAS−100(理学電機株式会社製)を用いて、以下の方法により測定することができる。まず、試料約10mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットにのせ、電気炉中にセットする。室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10min間放置し、室温まで試料を冷却して10min放置する。その後、窒素雰囲気下、150℃まで昇温速度10℃/minで加熱して示差走査熱量計(DSC)によりDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、TG−DSCシステムTAS−100システム中の解析システムを用いて、ガラス転移温度(Tg)近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点からガラス転移温度(Tg)を算出することができる。
前記樹脂微粒子の残存率は、前記トナーに起因せず前記樹脂微粒子に起因する物質を熱分解ガスクロマトグラフ質量分析計で分析し、そのピーク面積から算出し測定することができる。検出器としては、質量分析計が好ましいが、特に制限はない。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分布測定装置(LA−920、堀場製作所製)などにより測定することができる。
前記シェルの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01μm〜2.0μmが好ましく、0.1μm〜1.0μmがより好ましく、0.1μm〜0.6μmが特に好ましい。前記厚みが、0.01μm未満であると、シェルとしての効果が十分でなくなることがあり、2.0μmを超えると、シェルが厚すぎてコア内部の着色剤による発色性、ワックスの染み出し性が低下し、また低温定着性が十分確保できなくなることがある。前記厚みが、前記特に好ましい範囲内であると、コアとシェルの個々の機能を効果的に発揮できる点で利点がある。例えば、シェルにおいては耐熱保存性の維持や耐汚染性、コアにおいては着色剤、離型剤等を適切に分散させる機能、低温定着性などの個々の機能を効果的に発揮できる。
まず、トナーをスパチュラ一杯程度エポキシ系樹脂に包埋して硬化させる。次にナイフで断面出ししてウルトラミクロトーム(Leica社製、ULTRACUT UCT、ダイヤナイフ使用)でトナーの超薄切片(厚み200nm)を作製する。四酸化ルテニウム、四酸化オスミウム、又は別の染色剤で試料を1分間〜24時間ガス暴露することでシェルとコアを識別染色する。暴露時間は観察時のコントラストにより適宜調整する。その後TEM(透過型電子顕微鏡;H7000、日立ハイテク社製)により加速電圧100kVで観察する。なおシェルとコアの組成により、未染色で識別可能な場合もあり、その場合は未染色で評価する。また選択エッチング等別の手段で組成コントラストを付与することも可能で、そのような前処理後にTEM観察し、シェルの厚みを測定することもできる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結晶性ポリエステル樹脂、帯電制御剤、外添剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料などが挙げられる。これらの中でも、前記トナーが結晶性ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。前記結晶性ポリエステル樹脂は、結晶性を有し、定着開始温度付近において急激な粘度低下を生ずる熱溶融特性を示す。すなわち、溶融開始温度直前までは結晶性により耐熱保存性が良好で、溶融開始温度では急激な粘度低下(シャープメルト性)を生じて定着することから、優れた耐熱保存性と低温定着性とを両立するトナーを作製することができる。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、その構成成分が100%ポリエステル構造であるポリマー以外にも、ポリエステルを構成する成分と他の成分とを共に重合してなるポリマー(共重合体)も意味する。但し、後者の場合には、ポリマー(共重合体)を構成するポリエステル以外の他の構成成分が50質量%以下である。
前記2価のカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸等の芳香族ジカルボン酸;などが挙げられ、さらに、これらの無水物やこれらの低級アルキルエステルも挙げられる。
前記3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。
また、酸成分としては、前記脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、スルホン酸基を持つジカルボン酸成分が含まれていてもよい。さらに、前記脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、2重結合を持つジカルボン酸成分を含有してもよい。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記重量平均分子量(Mw)の測定は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定することができる。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120を用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出したものである。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業株式会社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業株式会社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物などが挙げられる。
前記外添剤としては、酸化物微粒子の他に、無機微粒子や疎水化処理無機微粒子を併用することができるが、疎水化処理された一次粒子の平均粒径は、1nm〜100nmが好ましく、5nm〜70nmの無機微粒子がより好ましい。
また、疎水化処理された一次粒子の平均粒径が20nm以下の無機微粒子を少なくとも1種類以上含み、かつ30nm以上の無機微粒子を少なくとも1種類含むことが好ましい。また、BET法による比表面積は、20m2/g〜500m2/gであることが好ましい。
前記外添剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ微粒子、疎水性シリカ、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど)、金属酸化物(例えばチタニア、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモンなど)、フルオロポリマーなどが挙げられる。
好適な添加剤としては、疎水化されたシリカ、チタニア、酸化チタン、アルミナ微粒子がなど挙げられる。シリカ微粒子としては、例えば、R972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(いずれも、日本アエロジル社製)などが挙げられる。また、チタニア微粒子としては、例えば、P−25(日本アエロジル社製)、STT−30、STT−65C−S(いずれも、チタン工業株式会社製)、TAF−140(富士チタン工業株式会社製)、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−150A(いずれも、テイカ株式会社製)などが挙げられる。
疎水化処理された酸化チタン微粒子としては、例えば、T−805(日本アエロジル株式会社製)、STT−30A、STT−65S−S(いずれも、チタン工業株式会社製)、TAF−500T、TAF−1500T(いずれも、富士チタン工業株式会社製)、MT−100S、MT−100T(いずれも、テイカ株式会社製)、IT−S(石原産業株式会社製)などが挙げられる。
前記シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アクリル、メタクリル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイルなどが使用できる。前記無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸パリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などが挙げられる。これらの中でも、シリカと二酸化チタンが特に好ましい。
前記無機微粒子の一次粒子の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100nm以下が好ましく、3nm以上70nm以下がより好ましい。この範囲より小さいと、無機微粒子がトナー中に埋没し、その機能が有効に発揮されにくい。またこの範囲より大きいと、感光体表面を不均一に傷つけ好ましくない。
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。前記シリカ、前記酸化チタンは、このような流動性向上剤により表面処理行い、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして使用するのが特に好ましい。
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加されるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01μm〜1μmのものが好適である。
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライトなどが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
前記トナーは、その形状、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下のような、平均円形度、形状係数SF−1及びSF−2、重量平均粒径、重量平均粒径と個数平均粒径との比(重量平均粒径/個数平均粒径)などを有していることが好ましい。
前記トナーの平均円形度が0.93〜0.99であることが、適切に球形に近い形状でコアシェル構造を確保できる点で好ましい。
前記平均円形度は、(粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長/粒子投影像の周囲長)×100%で定義される。
前記平均円形度は、例えばフロー式粒子像分析装置(「FPIA−2100」、シスメックス社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA−2100、Data Processing Program for FPIA version00−10)を用いて解析を行うことができる。具体的には、ガラス製100mLビーカーに10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスルフォン酸塩;ネオゲンSC−A;第一工業製薬株式会社製)を0.1mL〜0.5mL添加し、各トナー0.1g〜0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mLを添加する。得られる分散液を超音波分散器(本多電子株式会社製)で3分間分散処理する。前記分散液を前記FPIA−2100を用いて、濃度が5,000個/μL〜15,000個/μLとなるまでトナーの形状及び分布を測定する。
本測定法は平均円形度の測定再現性の点から前記分散液濃度が5,000個/μL〜15,000個/μLにすることが重要である。前記分散液濃度を得るために前記分散液の条件、即ち添加する界面活性剤量、トナー量を変更する必要がある。界面活性剤量はトナーの疎水性により必要量が異なり、多く添加すると泡によるノイズが発生し、少ないとトナーを十分にぬらすことができないため、分散が不十分となる。またトナー添加量は粒径により異なり、小粒径の場合は少なく、また大粒径の場合は多くする必要があり、トナーの質量平均粒径が2μm〜7μmの場合、トナー量を0.1g〜0.5g添加することにより分散液濃度を5,000個/μL〜15,000個/μLに合わせることが可能となる。
前記トナーの形状係数SF−1が100〜150であり、かつ形状係数SF−2が100〜140であることが、適切に球形に近い形状でコアシェル構造を確保できる点で好ましい。
前記トナーの形状係数SF−1及びSF−2は、日立製作所製FE−SEM(S−4200)により測定して得られたトナーのFE−SEM像を300個無作為にサンプリングし、その画像情報をインターフェースを介してニレコ社製画像解析装置(Luzex AP)に導入し解析を行い、下式より算出し得られた値をSF−1、SF−2と定義する。SF−1、SF−2の値はLuzexにより求めた値が好ましいが、同様の解析結果が得られるのであれば特に上記FE−SEM装置、画像解析装置に限定されない。
SF−1=(L2/A)×(π/4)×100
SF−2=(P2/A)×(1/4π)×100
ここで、トナーの絶対最大長をL、トナーの投影面積をA、トナーの最大周長をP、とする。真球であればいずれも100となり、値が100より大きくなるにつれて球形から不定形になる。また特にSF−1はトナー全体の形状(楕円や球等)を表し、SF−2は表面の凹凸程度を表す形状係数となる。
前記トナーの重量平均粒径D4は、2μm〜7μmが好ましく、2μm〜5μmがより好ましい。前記重量平均粒径D4と個数平均粒径Dnとの比D4/Dnは1.25以下が好ましく、1.15以下がより好ましい。これにより、トナーの帯電現像性、転写性、定着性を確保しつつ、均一なコアシェル構造のトナー粒子が形成可能となる。
前記トナーの重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(Dn)、その比(D4/Dn)は、例えば、コールターカウンターTA−II、コールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)等を用いて測定することができる。本発明ではコールターマルチサイザーIIを使用した。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100mL〜150mL中に分散剤として界面活性剤(好ましくはポリオキシエチレンアルキルエーテル(非イオン性の界面活性剤))を0.1mL〜5mL加える。ここで、電解水溶液とは1級塩化ナトリウムを用いて1質量%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2mg〜20mg加える。試料を懸濁した電解水溶液は、超音波分散器で約1分間〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの重量、個数を測定して、重量分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(Dn)を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00μm以上〜2.52μm未満;2.52μm以上〜3.17μm未満;3.17μm以上〜4.00μm未満;4.00μm以上〜5.04μm未満;5.04μm以上〜6.35μm未満;6.35μm以上〜8.00μm未満;8.00μm以上〜10.08μm未満;10.08μm以上〜12.70μm未満;12.70μm以上〜16.00μm未満;16.00μm以上〜20.20μm未満;20.20μm以上〜25.40μm未満;25.40μm以上〜32.00μm未満;32.00μm以上〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
前記トナーの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、少なくとも、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、ポリエステル樹脂、着色剤、及び離型剤を含むトナー組成物を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋乃至伸長反応させることにより製造することができる。
前記樹脂微粒子の前記水系媒体における添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば0.5質量%〜10質量%が好ましい。
前記ポリエステルプレポリマー(A)を含むトナー組成物100質量部に対する水性相の使用量は、50質量部〜2,000質量部が好ましく、100質量部〜1,000質量部がより好ましい。
前記使用量が、50質量部未満であると、トナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られないことがあり、2,000質量部を超えると、経済的でない。また、必要に応じて、分散剤を用いることもできる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
前記陰イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどが挙げられ、フルオロアルキル基を有するものが好適に挙げられる。該フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(炭素数6〜11)オキシ]−1−アルキル(炭素数3〜4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(炭素数6〜8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(炭素数11〜20)カルボン酸又はその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(炭素数7〜13)又はその金属塩、パーフルオロアルキル(炭素数4〜12)スルホン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(炭素数6〜16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。該フルオロアルキル基を有する界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子株式会社製);フローラドFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M株式会社製);ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業株式会社製);メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ化学工業株式会社製);エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−121(旭硝子株式会社製);フローラドFC−135(住友3M株式会社製);ユニダインDS−202(ダイキン工業株式会社製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ化学工業株式会社製);エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製);フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどが挙げられる。
前記高分子系保護コロイドとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸類、水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、アミド化合物又はこれらのメチロール化合物、クローライド類、窒素原子若しくはその複素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン系、セルロース類などが挙げられる。
前記酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸などが挙げられる。前記水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどが挙げられる。前記ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類としては、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなどが挙げられる。前記ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなどが挙げられる。前記アミド化合物又はこれらのメチロール化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド酸、又はこれらのメチロール化合物などが挙げられる。前記クローライド類としては、例えば、アクリル酸クローライド、メタクリル酸クローライドなどが挙げられる。前記窒素原子若しくはその複素環を有するもの等ホモポリマー又は共重合体としては、例えば、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどが挙げられる。前記ポリオキシエチレン系としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどが挙げられる。前記セルロース類としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。
該分散安定剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リン酸カルシウム塩等の酸、アルカリに溶解可能なものなどが挙げられる。
該分散安定剤を用いた場合は、塩酸等の酸によりリン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗する方法、酵素により分解する方法等によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去することができる。
その後、更に熟成工程を入れることで、トナー内部の中空状態が制御でき、より好ましい。熟成温度としては、30℃〜55℃が好ましく、40℃〜50℃がより好ましい。熟成時間としては、5時間〜36時間が好ましく、10時間〜24時間がより好ましい。
乳化分散時の粒度分布が広く、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理が行われた場合、所望の粒度分布に分級して粒度分布を整えることができる。
分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行っても良いが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。
前記機械的衝撃力を印加する方法としては、例えば、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し加速させて粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などが挙げられる。この方法に用いる装置としては、例えば、オングミル(ホソカワミクロン株式会社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所製)、クリプトロンシステム(川崎重工業株式会社製)、自動乳鉢などが挙げられる。
本発明の二成分現像剤は、前記トナーと、磁性を有するキャリアとを少なくとも含有し、更に必要により、その他の成分を含有する。
前記二成分現像剤は、高温高湿環境下でキャリアスペントが発生しにくい点で有利である。
前記二成分現像剤は、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンター等への使用に対して、寿命向上等の点で有利である。
前記二成分現像剤は、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像器における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる点で有利である。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
前記芯材の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50emu/g〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料などが好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75emu/g〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている感光体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30emu/g〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
前記平均粒径(質量平均粒径(D50))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、200μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
前記樹脂層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブ、ブチルアセテートなどが挙げられる。
前記焼付の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよい。
前記焼付の装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉、マイクロウエーブを備えた装置などが挙げられる。
前記二成分現像剤の前記トナーと前記キャリアの混合割合は、一般に前記キャリア100質量部に対しトナー1質量部〜10.0質量部である。
本発明の二成分現像剤は、公知の各種電子写真法による画像形成に好適に用いることができ、以下の本発明のプロセスカートリッジ、カラー画像形成装置に特に好適に用いることができる。
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像担持体(「光導電性絶縁体」、「電子写真感光体」、「感光体」と称することがある)と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
前記現像手段としては、本発明の前記トナー乃至前記二成分現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至二成分現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
前記プロセスカートリッジは、各種電子写真方式の画像形成装置に着脱可能に備えさせることができ、後述する本発明のカラー画像形成装置に着脱可能に備えさせるのが好ましい。
ここで、図2に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、感光体101は、矢印方向に回転しながら、帯電手段102による帯電、露光手段(不図示)による露光103により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段104でトナー現像され、該トナー現像は転写手段108により、記録媒体105に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の感光体表面は、クリーニング手段107によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
本発明のカラー画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
前記静電潜像担持体としては、その材質、形状、構造、大きさなどについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記形状としては、例えば、ドラム状が挙げられる。
前記材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコンなどが好ましい。
前記アモルファスシリコン感光体としては、例えば、支持体を50℃〜400℃に加熱し、該支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法により形成されるa−Siからなる光導電層を有する感光体(以下、「a−Si系感光体」と称することがある)を用いることができる。これらの中でも、プラズマCVD法、即ち、原料ガスを直流又は高周波あるいはマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にa−Si堆積膜を形成する方法が好ましい。
前記静電潜像形成手段は、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する手段である。
前記静電潜像形成手段としては、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える手段が挙げられる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器などが挙げられる。
前記帯電器は、上記のような接触式の帯電器に限定されるものではないが、帯電器から発生するオゾンが低減された画像形成装置が得られるので、接触式の帯電器を用いることが好ましい。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系等の各種露光器などが挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像手段は、前記静電潜像を、前記トナー乃至前記二成分現像剤を用いて現像して可視像を形成する手段である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を本発明の前記トナー乃至前記二成分現像剤を用いて現像することなどにより行うことができる。
前記現像手段としては、前記トナー乃至前記二成分現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー乃至前記二成分現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該二成分現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好ましく、トナー入り容器を備えた現像器などがより好ましい。
前記転写手段としては、前記可視像を記録媒体に転写する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する手段が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有することが好ましい。
前記転写は、例えば、転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができるが、転写ベルトが好ましい。
例えば、(1)ヤング率(引張弾性率)の高い材料を単層ベルトとして用いたものであり、PC(ポリカーボネート)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PAT(ポリアルキレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)/PAT(ポリアルキレンテレフタレート)のブレンド材料、ETFE(エチレンテトラフロロエチレン共重合体)/PC、ETFE/PAT、PC/PATのブレンド材料、カーボンブラック分散の熱硬化性ポリイミドなどが挙げられる。これらヤング率の高い単層ベルトは画像形成時の応力に対する変形量が少なく、特にカラー画像形成時にレジズレを生じにくいとの利点を有している。
また、(2)上記のヤング率の高いベルトを基層とし、その外周上に表面層又は中間層を付与した2層〜3層構成のベルトが挙げられる。これら2層〜3層構成のベルトは単層ベルトの硬さに起因し発生するライン画像の中抜けを防止しうる性能を有している。
また、(3)ゴム及びエラストマーを用いたヤング率の比較的低いベルトが挙げられる。これらのベルトは、その柔らかさによりライン画像の中抜けが殆ど生じない利点を有している。また、ベルトの幅を駆動ロール及び張架ロールより大きくし、ロールより突出したベルト耳部の弾力性を利用して蛇行を防止するので、リブや蛇行防止装置を必要とせず低コストを実現できる。
カラー画像は通常4色の着色トナーで形成される。1枚のカラー画像には、1層から4層までのトナー層が形成されている。トナー層は1次転写(感光体から中間転写ベルトへの転写)や、二次転写(中間転写ベルトからシートへの転写)を通過することで圧力を受け、トナー同士の凝集力が高くなる。トナー同士の凝集力が高くなると文字の中抜けやベタ部画像のエッジ抜けの現象が発生しやすくなる。樹脂ベルトは硬度が高くトナー層に応じて変形しないため、トナー層を圧縮させやすく文字の中抜け現象が発生しやすくなる。
また、最近はフルカラー画像を様々な用紙、例えば和紙や意図的に凹凸を付けた用紙に画像を形成したいという要求が高くなってきている。しかし、平滑性の悪い用紙は転写時にトナーと空隙が発生しやすく、転写抜けが発生しやすくなる。密着性を高めるために二次転写部の転写圧を高めると、トナー層の凝縮力を高めることになり、上述したような文字の中抜けを発生させることになる。
弾性ベルトは次の目的で使用される。弾性ベルトは、転写部でトナー層、平滑性の悪い用紙に対応して変形する。つまり、局部的な凹凸に追従して弾性ベルトは変形するため、過度にトナー層に対して転写圧を高めることなく、良好な密着性が得られ文字の中抜けの無い、平面性の悪い用紙に対しても均一性の優れた転写画像を得ることができる。
伸びを防止する芯体層を構成する材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、綿、絹、等の天然繊維;ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアセタール繊維、ポリフロロエチレン繊維、フェノール繊維等の合成繊維;炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維等の無機繊維;鉄繊維、銅繊維等の金属繊維、などを用いて、織布状又は糸状としたものも用いられる。
糸は1本又は複数のフィラメントを撚ったもの、片撚糸、諸撚糸、双糸等、どのような撚り方であってもよい。また、例えば上記材料群から選択された材質の繊維を混紡してもよい。また、糸に適当な導電処理を施して使用することもできる。一方織布は、メリヤス織り等どのような織り方の織布でも使用可能であり、交織した織布も使用可能であり当然導電処理を施すこともできる。
芯体層を設ける製造方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、筒状に織った織布を金型等に被せ、その上に被覆層を設ける方法、筒状に織った織布を液状ゴム等に浸漬して芯体層の片面あるいは両面に被覆層を設ける方法、糸を金型等に任意のピッチで螺旋状に巻き付け、その上に被覆層を設ける方法等を挙げることができる。
前記弾性層の厚みは、弾性層の硬度にもよるが、厚すぎると表面の伸縮が大きくなり表層に亀裂の発生しやすくなる。また、伸縮量が大きくなることから画像に伸び縮みが大きくなること等から厚すぎる(約1mm以上)ことは好ましくない。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
前記定着手段は、記録媒体に転写された転写像を定着部材により定着させる手段であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行う手段であってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行う手段であってもよい。
前記定着部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧部材が好ましい。前記加熱加圧部材としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせなどが挙げられる。
前記加熱加圧部材における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段などが挙げられる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除電ランプなどが挙げられる。
前記クリーニング手段としては、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナなどが挙げられる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の搬送手段などが挙げられる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
直接転写方式のものと、間接転写方式のものとを比較すると、前者は、感光体1を並べたタンデム型画像形成装置Tの上流側に給紙装置6を、下流側に定着装置7を配置しなければならず、シート搬送方向に大型化する欠点がある。これに対し後者は、二次転写位置を比較的自由に設置することができる。給紙装置6、及び定着装置7をタンデム型画像形成装置Tと重ねて配置することができ、小型化が可能となる利点がある。
また、前者は、シート搬送方向に大型化しないためには、定着装置7をタンデム型画像形成装置Tに接近して配置することとなる。そのため、シートsがたわむことができる十分な余裕をもって定着装置7を配置することができず、シートsの先端が定着装置7に進入するときの衝撃(特に厚いシートで顕著となる)や、定着装置7を通過するときのシート搬送速度と,転写搬送ベルトによるシート搬送速度との速度差により、定着装置7が上流側の画像形成に影響を及ぼしやすい欠点がある。これに対し後者は、シートsがたわむことができる十分な余裕をもって定着装置7を配置することができるから、定着装置7がほとんど画像形成に影響を及ぼさないようにすることができる。
以上のようなことから、最近は、タンデム型電子写真装置の中の、特に間接転写方式のものが注目されてきている。
そして、この種のカラー電子写真装置では、図5に示すように、1次転写後に感光体1上に残留する転写残トナーを、感光体クリーニング装置8で除去して感光体1表面をクリーニングし、再度の画像形成に備えている。また、二次転写後に中間転写体4上に残留する転写残トナーを、中間転写体クリーニング装置9で除去して中間転写体4表面をクリーニングし、再度の画像形成に備えている。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図6中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。
なお、タンデム画像形成装置においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
ではない。なお、部は質量部を示す。
<トナー1の作製>
−樹脂微粒子エマルション(微粒子分散液1)の合成−
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業社製)11部、ポリ乳酸10部、スチレン60部、メタクリル酸100部、アクリル酸ブチル70部、及び過硫酸アンモニウム1部を仕込み、3,800回転/分で30分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し4時間反応させた。さらに、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で6時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]をLA−920で測定した体積平均粒径は、280nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは59℃であり、重量平均分子量は6万であった。
水990部、[微粒子分散液1]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業社製)37部、及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とした。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物329部、テレフタル酸208部、アジピン酸80部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で7時間反応し、さらに10mmHg〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸35部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。
[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2,000、重量平均分子量3,800、Tg40℃、酸価25mgKOH/gであった。
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で7時間反応し、さらに10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル1]を得た。
[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2,200、重量平均分子量9,700、Tg54℃、酸価0.5mgKOH/g、水酸基価52mgKOH/gであった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1](変性ポリエステル樹脂)を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート質量%は、1.53%であった。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で4時間半反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は417であった。
水1,200部、カーボンブラック(Printex35、デクサ製)540部(DBP吸油量=42mL/100mg、pH=9.5)、及びポリエステル樹脂1,200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて110℃で1時間混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、1,6−ヘキサンジオール1,200部と、デカン2酸1,200部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.4部と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスで不活性雰囲気とし、機械攪拌にて180rpmで5時間攪拌を行った。その後、減圧下にて220℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、[結晶性ポリエステル樹脂1]を得た。[結晶性ポリエステル樹脂1]は、数平均分子量3,700、重量平均分子量16,000、融点69℃であった。
撹拌棒及び温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1]378部、パラフィンWAX(融点90℃)120部、[結晶性ポリエステル樹脂1]200部、及び酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、及び酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1,324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル1]の65質量%酢酸エチル溶液1,324部加え、上記条件のビーズミルで2パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。[顔料・WAX分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
[顔料・WAX分散液1]749部、[プレポリマー1]を115部、及び[ケチミン化合物1]2.9部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで5分間混合した後、容器に[水相1]1,200部を加え、TKホモミキサーで、回転数10,000rpmで1時間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機及び温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、40℃で48時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、以下のようにして洗浄及び乾燥を行った。
(1)濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2)(1)の濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3)(2)の濾過ケーキに10質量%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4)(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmメッシュで篩い[トナー母体粒子1]を得た。
<トナー2の作製>
実施例1において、樹脂微粒子エマルションを以下の樹脂微粒子エマルション(微粒子分散液2)に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー2を作製した。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業社製)11部、ポリ乳酸10部、スチレン60部、メタクリル酸100部、アクリル酸ブチル70部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、3,800回転/分で20分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し3時間反応させた。さらに、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、65℃で12時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液2]を得た。[微粒子分散液2]をLA−920で測定した体積平均粒径は、390nmであった。[微粒子分散液2]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは60℃であり、重量平均分子量は7万であった。
<トナー3の作製>
実施例1において、樹脂微粒子エマルションと低分子ポリエステルを以下の微粒子エマルション(微粒子分散液3)と低分子ポリエステル2に代えた以外は、実施例1と同様にしてトナー3を作製した。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業社製)11部、ポリ乳酸10部、スチレン60部、メタクリル酸100部、アクリル酸ブチル70部、及び過硫酸アンモニウム1部を仕込み、2,000回転/分で20分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し3時間反応させた。さらに、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、65℃で12時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液3]を得た。[微粒子分散液3]をLA−920で測定した体積平均粒径は、640nmであった。[微粒子分散液3]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは59℃であり、重量平均分子量は12万であった。
冷却管、撹拝機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物430部、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド3モル付加物300部、テレフタル酸257部、イソフタル酸65部、無水マレイン酸10部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)2部を入れ、220℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで5mmHg〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が7mgKOH/gになった時点で取り出し、室温まで冷却後粉砕して、[低分子ポリエステル2]を得た。数平均分子量6,020、重量平均分子量25,600、Tg59℃、酸価8mgKOH/gであった。
<トナー4の作製>
実施例1において、水相を以下の水相2に代え、かつ低分子ポリエステルを前記低分子ポリエステル2に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー4を作製した。
水1,013部、[微粒子分散液1]60部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業社製)37部、及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相2]とした。
<トナー5の作製>
実施例1において、水相を以下の水相3に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー5を作製した。
水1,013部、[微粒子分散液2]60部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業社製)37部、及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相3]とした。
<トナー6の作製>
実施例1において、低分子ポリエステルを以下の前記低分子ポリエステル2に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー6を作製した。
<トナー7の作製>
実施例1において、低分子ポリエステルを以下の低分子ポリエステル3に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー7を作製した。
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物219部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物319部、テレフタル酸208部、アジピン酸100部、及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で7時間反応し、更に10mmHg〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸35部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[低分子ポリエステル3]を得た。[低分子ポリエステル3〕は、数平均分子量1,900、重量平均分子量3,400、Tg40℃、酸価23mgKOH/gであった。
<トナー8の作製>
実施例1において、水相を以下の水相4に代え、かつ低分子ポリエステルを前記低分子ポリエステル2に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー8を作製した。
水1,013部、[微粒子分散液3]60部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業社製)37部、及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相4]とした。
<トナー9の作製>
実施例1において、水相を以下の水相5に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー9を作製した。
水980部、[微粒子分散液1]93部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3質量%水溶液(エレミノールMON−7):三洋化成工業社製)37部、及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相5]とした。
<トナー10の作製>
実施例1において、水相を以下の水相6に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー10を作製した。
水1,023部、[微粒子分散液2]50部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業社製)37部、及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相6]とした。
<トナー11の作製>
実施例1において、水相を以下の水相7に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー11を作製した。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、ジメチルテレフタレ−ト96部、ジメチルイソフタレ−ト86部、5−ナトリウムスルホイソフタレ−トメチルエステル3部、無水トリメリット酸5部、プロピレングリコ−ル150部、及びテトラブトキシチタネ−ト0.1部を仕込み200℃で120分間加熱してエステル交換反応を行った。ついで反応系を220℃まで昇温し、系の圧力を1mmHg〜10mmHgとして60分間反応を続け、ポリエステル樹脂を得た。
該ポリエステル樹脂40部、メチルエチルケトン15部、及びテトラヒドロフラン10部を80℃にて溶解した後、80℃の水60部を攪拌しながら添加し、減圧にて溶剤を除去し、イオン交換水を添加することにより、固形分20質量%である[微粒子分散液4]を得た。[微粒子分散液4]をLA−920で測定した体積平均粒径は、250nmであった。[微粒子分散液4]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは59℃であり、重量平均分子量は5万であった。
水1,013部、[微粒子分散液4]60部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業社製)37部、及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相7]として用いた。
<トナー12の作製>
実施例1において、水相を以下の水相8に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー12を作製した。
水990部、[微粒子分散液4]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3質量%水溶液(エレミノールMON−7):三洋化成工業社製)37部、及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相8]とした。
<トナー13の作製>
実施例1において、水相を以下の水相9に代え、かつ低分子ポリエステルを前記低分子ポリエステル2に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー13を作製した。
水980部、[微粒子分散液4]93部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業社製)37部、及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相9]とした。
<トナー14の作製>
実施例1において、樹脂微粒子エマルションを以下の微粒子エマルション(微粒子分散液5)に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー14を作製した。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業社製)11部、ポリ乳酸10部、スチレン60部、メタクリル酸100部、アクリル酸ブチル70部、及び過硫酸アンモニウム1部を仕込み、3,800回転/分で30分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し4時間反応させた。さらに、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で6時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液5]を得た。[微粒子分散液5]をLA−920で測定した体積平均粒径は、105nmであった。[微粒子分散液5]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは58℃であり、重量平均分子量は14万であった。
<トナー15の作製>
実施例1において、水相を以下の水相10に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー15を作製した。
水1,013部、[微粒子分散液1]60部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業社製)37部、及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相10]とした。
<トナー16の作製>
実施例1において、樹脂微粒子エマルションを以下の樹脂微粒子エマルション(微粒子分散液6)に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー16を作製した。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業社製)11部、ポリ乳酸10部、スチレン60部、メタクリル酸100部、アクリル酸ブチル70部、及び過硫酸アンモニウム1部を仕込み、1,500回転/分で20分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し3時間反応させた。さらに、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、65℃で12時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液6]を得た。[微粒子分散液6]をLA−920で測定した体積平均粒径は、720nmであった。[微粒子分散液6]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは57℃であり、重量平均分子量は12万であった。
<トナー17の作製>
実施例1において、低分子ポリエステルを以下の低分子ポリエステル4に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー17を作製した。
冷却管、撹拝機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物350部、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド3モル付加物326部、テレフタル酸278部、無水フタル酸40部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)2部を入れ、220℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで5mmHg〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2mgKOH/g以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸62部を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕して[低分子ポリエステル4]を得た。数平均分子量4,020、重量平均分子量93,800、Tg68℃、酸価35mgKOH/gであった。
<トナー18の作製>
実施例1において、水相を以下の水相11に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー18を作製した。
水1,013部、[微粒子分散液1]60部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業社製)37部、及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相11]とした。
<トナー19の作製>
実施例1において、水相を以下の水相12に代え、かつ低分子ポリエステルを前記低分子ポリエステル3に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー19を得た。
水950部、[微粒子分散液1]123部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業社製)37部、及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相12]とする。
<トナー20の作製>
実施例1において、水相を以下の水相13に代え、かつ低分子ポリエステルを前記低分子ポリエステル2に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー20を得た。
水1,000部、[微粒子分散液1]73部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業社製)37部、及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相13]とする。
<軟化指数(Ct)、熱的硬さ(St)評価>
各トナーの軟化指数(Ct)、熱的硬さ(St)は、以下の方法で評価した。
−軟化指数(Ct)−
高架式フローテスター(CFT−500D、島津製作所製)を用いてJIS K72101に記載された方法に準拠して行った。図1Aに示す試験機器を用い、1gのトナーを直径10mm、高さ10mmの円柱状の錠剤に圧力成型して、前記高架式フローテスターに設置した。プランジャーにより25kgfの荷重を与えつつ、50℃を開始温度として昇温速度3℃/minで加熱しながら直径0.5mm、長さ1mmのノズルから押し出した。これにより、プランジャー降下量−温度曲線を描き、25kgfの荷重におけるTfbを求めた。このTfbが軟化指数(Ct)である。
−熱的硬さ(St)−
高架式フローテスター(CFT−500D、島津製作所製)を用いてJIS K72101に記載された方法に準拠して行った。前記軟化指数(Ct)の測定方法において、荷重を、2kgf、10kgf、25kgfに代えた以外は、前記軟化指数(Ct)の測定方法と同様にして、各荷重におけるTfbを測定した。
次に、各荷重と、各荷重において測定される流出開始温度(Tfb)との関係を、荷重をx軸(x軸の単位は、kgf)とし、Tfbをy軸(y軸の単位は、温度(℃))としたx−y平面にプロットした。そして、それらプロットから最小自乗法により、1次関数(y=ax+b)を導いた。導かれた1次関数の傾き(a)の絶対値が、前記熱的硬さ(St)である。
表1に各トナーの各荷重におけるTfb及びStを示す。
各トナーのシェルの確認と厚みを、TEM(透過型電子顕微鏡)を用いた以下の方法で評価した。無作為に抽出した10個のトナーについて、この方法により厚みを測定し、その平均値を前記シェルの厚みとした。
まず、トナーをスパチュラ一杯程度エポキシ系樹脂に包埋して硬化させる。ナイフで断面出ししてウルトラミクロトーム(Leica社製、ULTRACUT UCT、ダイヤナイフ使用)でトナーの超薄切片(厚み200nm)を作製した。四酸化ルテニウムで試料を5分間ガス暴露することでシェルとコアを識別染色した。暴露時間は観察時のコントラストにより適宜調整してもよい。その後TEM(透過型電子顕微鏡;H7000、日立ハイテク社製)により加速電圧100kVで観察した。なおシェルとコアの組成により、未染色で識別可能な場合もあり、その場合は未染色で評価してもよい。また選択エッチング等別の手段で組成コントラストを付与することも可能で、そのような前処理後にTEM観察し、シェルの厚みを測定することもできる。
各トナーの前記平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(「FPIA−2100」、シスメックス社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA−2100、Data Processing Program for FPIA version00−10)を用いて解析を行った。具体的には、ガラス製100mLビーカーに10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスルフォン酸塩;ネオゲンSC−A;第一工業製薬株式会社製)を0.5mL添加し、各トナー0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mLを添加した。得られた分散液を超音波分散器(本多電子株式会社製)で3分間分散処理した。前記分散液を前記FPIA−2100を用いて、濃度が約15,000個/μLとなるまでトナーの形状及び分布を測定した。
各トナーの形状係数SF−1及びSF−2は、日立製作所製FE−SEM(S−4200)により測定して得られたトナーのFE−SEM像を300個無作為にサンプリングし、その画像情報をインターフェースを介してニレコ社製画像解析装置(Luzex AP)に導入し解析を行い、下式より算出した。
SF−1=(L2/A)×(π/4)×100
SF−2=(P2/A)×(1/4π)×100
ここで、トナーの絶対最大長をL、トナーの投影面積をA、トナーの最大周長をP、とする。
各トナーの重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(Dn)、その比(D4/Dn)は、コールターマルチサイザーIIを用いて測定した。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液150mL中に分散剤として界面活性剤(好ましくはポリオキシエチレンアルキルエーテル(非イオン性の界面活性剤))を5mL加えた。ここで、電解水溶液とは1級塩化ナトリウムを用いて1質量%NaCl水溶液を調製したもので、ISOTON−II(コールター社製)を使用した。ここで、更に測定試料を20mg加えた。試料を懸濁した電解水溶液は、超音波分散器で3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの重量、個数を測定して、重量分布と個数分布を算出した。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(Dn)を求めた。
チャンネルとしては、2.00μm以上〜2.52μm未満;2.52μm以上〜3.17μm未満;3.17μm以上〜4.00μm未満;4.00μm以上〜5.04μm未満;5.04μm以上〜6.35μm未満;6.35μm以上〜8.00μm未満;8.00μm以上〜10.08μm未満;10.08μm以上〜12.70μm未満;12.70μm以上〜16.00μm未満;16.00μm以上〜20.20μm未満;20.20μm以上〜25.40μm未満;25.40μm以上〜32.00μm未満;32.00μm以上〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とした。
<二成分現像剤の作製>
以下のようにして、シリコーン樹脂により0.5μmの平均厚みでコーティングされた平均粒径35μmのフェライトキャリアを用い、キャリア100質量部に対し各トナー7質量部を、容器が転動して攪拌される型式のターブラーミキサーを用いて均一混合し、帯電させて、二成分現像剤を作製した。
〔芯材〕
・Mnフェライト粒子(質量平均粒径:35μm)・・・5,000質量部
〔コート材〕
・トルエン・・・450質量部
・シリコーン樹脂(SR2400、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、不揮発分50質量%)・・・450質量部
・アミノシランSH6020(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)・・・10質量部
・カーボンブラック・・・10質量部
上記コート材を10分間スターラーで分散してコート液を調製し、このコート液と芯材を流動床内に回転式底板ディスクと攪拌羽根を設けた旋回流を形成させながらコートを行うコーティング装置に投入して、該コート液を芯材上に塗布した。得られた塗布物を電気炉で250℃、2時間焼成し、キャリアを作製した。
評価機として、株式会社リコー製imagio MP C600の現像部と定着部を改造して用いた。改造した内容は、システム線速が1,700mm/secになるように、現像ギャップは1.26mm、ドクタブレードギャップは1.6mm、反射型フォトセンサ機能をOFFとした状態で使用した。また、定着部の定着ユニットは、定着面圧39N/cm2と、定着ニップ幅10mmとした。定着部材表面はテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)を塗布し、成形し、表面調整して使用した。像担持体、現像装置、及び転写装置部の実温度領域は30℃〜45℃になるように制御した。定着ローラの加熱温度は130℃に設定した。
なお、システム線速は、A4サイズ紙を縦方向通紙(通紙方向紙の長さ297mm)、連続100枚画像形成装置で出力し、スタートから終了までの出力時間をA秒とし、システム速度をBとした場合、下記式にて、システム速度を求めた。
B(mm/秒)=100枚×297mm÷A秒
また、定着面圧は、圧力分布測定装置(ニッタ株式会社製、PINCH)を使用して測定した。
得られた二成分現像剤と前記評価機を用いて温度45℃、湿度80%の高温高湿環境下にて、3%画像面積チャートを10,000枚出力した後、定着ロールの温度を5℃ずつ変化させ、画像出しをし、低温定着性を測定した。転写紙はリコーフルカラーPPC用紙タイプ6200を用いた。
定着ロールの定着温度を変え、X−Rite 938による画像濃度が1.2となるようなプリント画像を得た。各温度のコピー画像を砂消しゴムが装着されたクロックメーターにより50回擦り、その前後の画像濃度を測定し、下記式にて定着率を求めた。
定着率(%)=〔(砂消しゴム10回後の画像濃度)/(前の画像濃度)〕×100
定着率70%以上を達成する温度を、定着下限温度とした。低温定着性の判定基準は次
の通りである。結果を表4に示す。
[判定基準]
◎:定着下限温度が100℃以下である。
○:定着下限温度が100℃を超え120℃以下である。
△:定着下限温度が120℃を超え130℃以下である。
×:定着下限温度が130℃を超える。
得られた二成分現像剤と前記評価機を用いて温度45℃、湿度80%の高温高湿環境下にて、20%画像面積チャートを100,000枚出力した。その後、現像剤を取り出し、両端に金網を配した円筒形のケージに現像剤を入れ、高圧空気により現像剤からトナーを脱離させ、キャリアのみを回収した。得られたキャリアのスペント性をキャリア断面から評価することとした。キャリアを樹脂に包埋したのち、クロスセクションポリッシャー(日本電子社製;IB−09010CP)によりキャリア断面を作製し、FE−SEM(走査型電子顕微鏡;Ultra55;Zeiss社製)によりスペント物を観察評価した。切断されたキャリア10粒子をランダムに選択しスペント層厚みを画像処理ソフトで解析して、以下の判定基準によりスペント性を評価した。結果を表4に示す。
◎:スペント層が観察できない。
○:スペント層厚みが100nm以下。
△:スペント層厚みが100nmを超え200nm以下。
×:スペント層厚みが200nmを超える。
2 転写装置
3 シート搬送ベルト
4 中間転写体
5 二次転写装置
6 給紙装置
7 定着装置
8 感光体クリーニング装置
9 中間転写体クリーニング装置
10 感光体(感光体ドラム)
10K ブラック用静電潜像担持体
10Y イエロー用静電潜像担持体
10M マゼンタ用静電潜像担持体
10C シアン用静電潜像担持体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写体クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像器
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック現像ユニット
45Y イエロー現像ユニット
45M マゼンタ現像ユニット
45C シアン現像ユニット
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像装置
62 転写帯電器
63 クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 カラー画像形成装置
101 感光体
102 帯電手段
103 露光手段による露光
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 転写手段
110 ベルト式画像定着装置
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
160 帯電装置
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置
Claims (16)
- 少なくとも第一の結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含有するコアと、
少なくとも第二の結着樹脂を含有するシェルとからなるコアシェル構造を有し、
軟化指数が、86℃以上95℃以下であり、
熱的硬さが、0.7以上1.8以下であることを特徴とするトナー。 - 少なくとも結晶性ポリエステル樹脂を含有する請求項1に記載のトナー。
- シェルの厚みが、0.01μm〜2.0μmである請求項1から2のいずれかに記載のトナー。
- 第二の結着樹脂が、少なくともビニル系樹脂を含有する請求項1から3のいずれかに記載のトナー。
- 第一の結着樹脂が、少なくともポリエステル樹脂を含有する請求項1から4のいずれかに記載のトナー。
- 第一の結着樹脂が、少なくとも変性ポリエステル樹脂を含有する請求項1から5のいずれかに記載のトナー。
- トナー組成物及びトナー組成物前駆体の少なくともいずれかを含有する油相及びモノマー相の少なくともいずれかを、水系媒体に分散乃至乳化して造粒してなる請求項1から6のいずれかに記載のトナー。
- 少なくとも、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、ポリエステル樹脂、着色剤、及び離型剤を含有するトナー組成物を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋乃至伸長反応させてなる請求項1から7のいずれかに記載のトナー。
- 平均円形度が、0.93〜0.99である請求項1から8のいずれかに記載のトナー。
- 形状係数SF−1値が、100〜150であり、かつ形状係数SF−2値が、100〜140である請求項1から9のいずれかに記載のトナー。
- 重量平均粒径D4が、2μm〜7μmであり、重量平均粒径D4と個数平均粒径Dnの比D4/Dnが、1.25以下である請求項1から10のいずれかに記載のトナー。
- 熱的硬さが、0.7以上1.4以下である請求項1から11のいずれかに記載のトナー。
- シェルの厚みが、0.1μm〜1.0μmである請求項1から12のいずれかに記載のトナー。
- 請求項1から13のいずれかに記載のトナーと、少なくとも磁性を有するキャリアとを含有することを特徴とする二成分現像剤。
- 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、
前記トナーが、請求項1から13のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着部材により定着させる定着手段とを備えるカラー画像形成装置であって、
少なくとも4つ以上の現像色の異なる現像ユニットを直列に配置したタンデム型の現像方式であり、システム速度が、500mm/sec〜2,500mm/secであり、かつ定着部材の加圧面圧が、10N/cm2〜150N/cm2であり、
前記トナーが、請求項1から13のいずれかの記載のトナーであることを特徴とするカラー画像形成装置。
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