JP5003631B2 - 側突用エアバッグ装置 - Google Patents
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請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記インフレータは、前記胸部保護エアバッグ内の第1チャンバへ膨張用ガスを供給する位置に設けられ、前記胸部保護エアバッグ内の第1チャンバと、腰部保護エアバッグ内の第2チャンバとは、第1連通路によって連通され、前記第1チャンバと、肩部保護エアバッグ内の第3チャンバとは、第2連通路によって連通されていることを要旨とする。
なお、以下の記載においては、車両の進行方向(前進方向)を前方として説明する。
〔エアバッグ20〕
図1〜図3のいずれかに示すように、エアバッグ20は乗員Pの腰部Ppを保護する腰部保護エアバッグ21、胸部Ptを保護する胸部保護エアバッグ22及び肩部Psを保護する肩部保護エアバッグ23により構成されている。各エアバッグ21〜23は、図4に示すように、上下二箇所に形成された切り込みS1,S2によって個別に折り畳み可能に分離され、基端部において互いに連結されている。そして、各エアバッグ21〜23は、衝撃が車両の外側方からボティサイド部11に加わった時に、膨張用ガスによりそれぞれ膨張展開する。そして、図1及び図2に示すように、各エアバッグ21,22,23は、それらに共通の固定用端部20Aを前記収納部15内に残した状態で同収納部15からほぼ前方へ向けて飛びだし、車両用シート12及びボティサイド部11間の隙間G1で膨張展開することにより乗員Pを拘束して上記衝撃から保護する。エアバッグ20は、車両前方を展開方向前方として膨張展開する。
〔インフレータアセンブリ40〕
図4に示すように、インフレータアセンブリ40はガス発生源としてのインフレータ41と、そのインフレータ41を外側から覆うリテーナ42とを備えて構成されている。インフレータ41の主要部は、ほぼ上下方向に細長い円柱状をなす本体部43によって構成されており、その内部には、外部からの作動信号に応じて反応して膨張用ガスGを生ずるガス発生剤(図示略)が収容されている。前記本体部43の上側にはコネクタ部44が設けられており、インフレータ41への作動信号の印加配線となるハーネス(図示略)がコネクタ部44に接続されている。前記本体部43の下側には、ほぼ円柱状をなし、かつ本体部43よりも小径のガス噴出部45が設けられている。このガス噴出部45にはガス発生剤が発生した膨張用ガスGを外部へ噴出する複数のガス噴出孔46が設けられている。なお、インフレータ41として、上記ガス発生剤を用いたタイプに代えて、高圧ガスの充填された高圧ガスボンベの隔壁を火薬等によって破断して膨張用ガスGを放出させるタイプが用いられても良い。
図4において、下部連通路31に設けられた逆止弁51は、胸部保護エアバッグ22の第1チャンバ28から下部連通路31を通して膨張用ガスGが腰部保護エアバッグ21の第2チャンバ29内へ供給されるのを許容し、第2チャンバ29から第1チャンバ28へのガスの逆流を阻止する。上部連通路32に設けられた逆止弁52は、胸部保護エアバッグ22の第1チャンバ28から上部連通路32を通して膨張用ガスGが肩部保護エアバッグ23の第3チャンバ30内へ供給されるのを許容し、第3チャンバ30から第1チャンバ28へのガスの逆流を阻止する。
図5に示すように、逆止弁52は、基布24,25の間に後側の辺26がなく、水平方向に分離されているので、布帛53,54も二枚に分離されている。このため、前記布帛53,54の車両の後側の端縁53b,54bが前記結合部27の縫糸による共縫いではなく、別の縫糸によって連結される。前記結合部55,56は、布帛53,54の下端縁に設けられ、可屈曲部53a,54aは布帛53,54の上部に設けられている。このように逆止弁52の布帛53,54は、逆止弁51の布帛53,54と上下逆の状態になっていて、逆止弁として機能する際に、可屈曲部53a,54aが下方に屈曲される。逆止弁52のその他の構成は、前記逆止弁51の構成と同様である。
図4は側突用エアバッグ装置のエアバッグ20が膨張しないで展開された状態を示す。この状態において、胸部保護エアバッグ22をその先端縁Sからロール状に巻き上げて、図8及び図9(a)に示すように円柱状のロール巻き構造とする。このとき、図9(a)に示すように、胸部保護エアバッグ22は、中心部に巻き込まれた先端縁Sを基準として、反時計回り方向に巻回される渦巻き状にしている。このロール巻き構造により、胸部保護エアバッグ22が膨張展開時に矢印で示すように車外側において巻き戻されるようにしている。
車両のボティサイド部11に所定値以上の衝撃が加わり、それが衝撃センサ65によって検出されると、その検出信号に基づき、制御装置66からインフレータ41に対し、これを作動させるための作動信号が出力される。この作動信号に応じて、インフレータ41では、ガス発生剤が高温高圧の膨張用ガスGを発生し、この膨張用ガスGがガス噴出部45の複数のガス噴出孔46からリテーナ42の壁部47の開放端47Aを通して下部連通路31に向かって噴射され、逆止弁51を通して蛇腹折りされた腰部保護エアバッグ21の第2チャンバ29に膨張用ガスGが供給されて該エアバッグ21が膨張展開される。
(1)上記実施形態では、腰部保護エアバッグ21、胸部保護エアバッグ22及び肩部保護エアバッグ23をそれぞれ個別に折り畳み可能に分離形成し、胸部保護エアバッグ22を膨張展開速度が遅いロール巻き構造とし、腰部保護エアバッグ21及び肩部保護エアバッグ23を膨張展開速度が共に速い蛇腹折り構造とした。又、胸部保護エアバッグ22の第1チャンバ28と、腰部保護エアバッグ21の第2チャンバ29とを下部連通路31により連通し、胸部保護エアバッグ22の第1チャンバ28と、肩部保護エアバッグ23の第3チャンバ30とを上部連通路32により連通した。さらに、単一のインフレータ41のガス噴出部45から噴射された膨張用ガスGを胸部保護エアバッグ22の第1チャンバ28及び腰部保護エアバッグ21の第2チャンバ29にそれぞれ噴射するようにした。このため、ガス噴出部45から胸部保護エアバッグ22の展開速度が遅い第1チャンバ28に噴射された膨張用ガスGが、該第1チャンバ28から第2チャンバ29及び第3チャンバ30に供給される動作が促進されて、腰部及び肩部保護エアバッグ21,23の膨張展開速度を共に速くすることができ、乗員Pの胸部Ptよりも早期に拘束が必要な腰部Pp及び肩部Psを適時に拘束して保護することができる。
・図13に示すように、前記胸部保護エアバッグ22の折り畳み構造を蛇腹折り構造とする。この蛇腹折り構造は、胸部保護エアバッグ22の屈曲部21aが車外側と車内側に交互に表れ、かつ前記各屈曲部22aの間にある平面部22bが車両の前後方向と直交するようになっている。そして、胸部保護エアバッグ22の膨張展開速度を遅くするために、所定張力が作用した場合に破断する展開速度遅延手段を構成する例えば合成樹脂製のバンド67を、前記胸部保護エアバッグ22及びリテーナ42の外周側に巻着するようにしてもよい。同様の目的で、図14に示すように胸部保護エアバッグ22を蛇腹折り構造の一種であり、かつ展開速度が速いカクタス折り構造とする。このカクタス折り構造は、胸部保護エアバッグ22の車内側と車外側の基布24,25をそれぞれ蛇腹折りし、前記各屈曲部22aの間にある平面部22bが車両の進行方向に対し若干傾斜するようにしたものである。そして、胸部保護エアバッグ22の先端縁と、例えばリテーナ42とを、所定の張力が作用した場合に破断する展開速度遅延手段を構成するテザー68により連結するようにしてもよい。
Claims (4)
- シートバックのドア側側部に内蔵された単一のインフレータと、該インフレータから噴射される膨張用ガスにより膨張されてシートバックの側部への空間に展開されるエアバッグとを備え、
前記エアバッグは乗員の腰部を保護する腰部保護エアバッグ、胸部を保護する胸部保護エアバッグ及び肩部を保護する肩部保護エアバッグに分離され、
前記胸部保護エアバッグの展開速度が前記肩部保護エアバッグ及び腰部保護エアバッグの展開速度よりも遅くする展開速度遅延手段を設け、
前記腰部保護エアバッグ及び肩部保護エアバッグは、共に蛇腹折り構造に形成され、前記胸部保護エアバッグはロール巻き構造に形成されて前記展開速度遅延手段としての機能が付与されている
ことを特徴とする側突用エアバッグ装置。 - 請求項1において、前記インフレータは、前記胸部保護エアバッグ内の第1チャンバへ膨張用ガスを供給する位置に設けられ、前記胸部保護エアバッグ内の第2チャンバと、腰部保護エアバッグ内の第1チャンバとは、第1連通路によって連通され、前記第1チャンバと、肩部保護エアバッグ内の第3チャンバとは、第2連通路によって連通されていることを特徴とする側突用エアバッグ装置。
- 請求項2において、前記第1連通路には、前記第2チャンバから第1チャンバにガスが逆流するのを阻止する第1逆止弁が設けられ、前記第2連通路には、前記第3チャンバから第1チャンバにガスが逆流するのを阻止する第2逆止弁が設けられていることを特徴とする側突用エアバッグ装置。
- 請求項1において、前記胸部保護エアバッグのロール巻き方向は、該エアバッグの展開動作においてロール巻き状態のエアバッグのボティサイド部側の外周面が該ボティサイド部の内側面に押圧されるように設定されていることを特徴とする側突用エアバッグ装置。
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