[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP2011158370A - 放射線画像撮影システム、コンソールおよび放射線画像撮影装置 - Google Patents

放射線画像撮影システム、コンソールおよび放射線画像撮影装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011158370A
JP2011158370A JP2010021001A JP2010021001A JP2011158370A JP 2011158370 A JP2011158370 A JP 2011158370A JP 2010021001 A JP2010021001 A JP 2010021001A JP 2010021001 A JP2010021001 A JP 2010021001A JP 2011158370 A JP2011158370 A JP 2011158370A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image data
digital image
radiation
error
signal value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010021001A
Other languages
English (en)
Inventor
Shugo Ishizaka
修吾 石阪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Medical and Graphic Inc
Original Assignee
Konica Minolta Medical and Graphic Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Medical and Graphic Inc filed Critical Konica Minolta Medical and Graphic Inc
Priority to JP2010021001A priority Critical patent/JP2011158370A/ja
Publication of JP2011158370A publication Critical patent/JP2011158370A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of Radiation (AREA)
  • Radiography Using Non-Light Waves (AREA)
  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)

Abstract

【課題】放射線画像撮影装置が備えるA/D変換器から出力されたデジタル画像データがDNL誤差を有するものであっても、放射線画像上に現れるアーチファクトの低減が可能な放射線画像撮影システム、コンソールおよび放射線画像撮影装置を提供する。
【解決手段】放射線画像撮影装置1と、放射線画像撮影装置1により撮影された放射線画像の画像データに対して所定の画像処理を行うコンソール101と、を備える放射線画像撮影システム1において、放射線画像撮影装置1が備えるA/D変換器20が、DNL誤差に起因して、所定の範囲A内の信号値に対して所定の信号値Dを有するデジタル画像データを出力する場合、コンソール101によって、所定の範囲A内の乱数値を生成し、デジタル画像データのうちの所定の信号値Dを有するデジタル画像データの信号値を生成した乱数値で置換することによって、DNL誤差を補正するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射線画像撮影システム、コンソールおよび放射線画像撮影装置に関するものである。
従来、病気診断等を目的として、X線画像に代表される、放射線を用いて撮影された放射線画像が広く用いられている。
こうした医療用の放射線画像は、従来、スクリーンフィルムを用いて撮影されていたが、近年、放射線画像のデジタル化が実現されており、例えば、被写体を透過した放射線を輝尽性蛍光体層が形成された輝尽性蛍光体シートに蓄積させた後、この輝尽性蛍光体シートをレーザ光で走査し、これにより輝尽性蛍光体シートから発光される輝尽光を光電変換して画像データを得るCR(Computed Radiography)装置が広く普及している。
また、最近では、放射線画像を得る手段として、照射された放射線を検出し、デジタル画像データとして取得する放射線画像撮影装置が開発されている。このタイプの放射線画像撮影装置はFPD(Flat Panel Detector)として知られている。
放射線画像撮影装置としては、照射されたX線等の放射線の線量に応じて検出素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる直接型の放射線画像撮影装置や、照射された放射線をシンチレータ等で可視光等の他の波長の電磁波に変換した後、変換された電磁波のエネルギに応じてフォトダイオード等の光電変換素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる間接型の放射線画像撮影装置が種々開発されている。なお、本発明では、直接型の放射線画像撮影装置における検出素子や、間接型の放射線画像撮影装置における光電変換素子を、あわせて放射線検出素子という。
このような放射線画像撮影装置では、例えば後述する図8に示すように、通常、ガラス基板の検出部P上に複数の走査線5と複数の信号線6とが互いに交差するように配設されており、また、走査線5と信号線6とで区画された各領域にそれぞれ放射線検出素子7が二次元状(マトリクス状)に配列されている。そして、各放射線検出素子7には、スイッチ手段である薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor。以下「TFT」という。)8が接続されており、各TFT8のドレイン電極8d(図8ではDと表現されている。)がそれぞれ信号線6に接続されている。
また、各信号線6は、読み出しIC16内に形成された増幅回路18等を備える各読み出し回路17に接続されており、各読み出し回路17の出力側は、アナログマルチプレクサ21等を介してA/D変換器20に接続されている。読み出しIC16では、例えば128個等の所定個数の読み出し回路17ごとに1個のA/D変換器20が設けられるように構成されていることが多い。
そして、放射線画像撮影が行われて各放射線検出素子7内に蓄積された電荷は、読み出し処理の際に、各放射線検出素子7から信号線6を介して各読み出し回路17に読み出され、増幅回路18で電荷電圧変換される等してアナログ値の画像データに変換された後、A/D変換器20でデジタル値の画像データ、すなわちデジタル画像データに変換される。
ところで、A/D変換器によるA/D変換に伴う誤差として微分非直線性(Differential Nonlinearity。以下「DNL」という。)誤差が知られている。
このDNL誤差が大きいと、ミッシングコードが発生する。そのため、A/D変換器から出力されたデジタル画像データが、大きなDNL誤差を有する場合、放射線画像上にアーチファクトが現れてしまう。
具体的には、A/D変換器におけるアナログ入力とデジタル出力との関係は、DNL誤差がない場合、例えば、図13に示すように、一の出力値から次の出力値への遷移点の間隔がそれぞれ等間隔となる。
一方、DNL誤差がある場合、一の出力値から次の出力値への遷移点が理想の遷移点からズレてしまう。DNL誤差が大きくそのズレが大きいと、例えば、図10に示すように、信号値D〜Dを有するデジタル画像データは出力されず、その代わりに信号値Dを有するデジタル画像データが出力されてしまう。そのため、実際よりも信号値Dを有するデジタル画像データの割合が高くなってしまって、放射線画像上にアーチファクトが生じてしまう。
そこで、放射線画像撮影装置に備えるA/D変換器として、DNLを改善するための構成を有するA/D変換器(例えば特許文献1及び2参照)を採用すれば、この問題を解決することはできる。
特開2006−80717号公報 特表2009−516433号公報
しかしながら、DNLを改善するための構成を有するA/D変換器は、複雑であるため高価である。また、DNLを改善するための構成を有していたとしても、製造誤差等によってDNLが残ってしまうことがある。したがって、放射線画像撮影装置のように複数のA/D変換器を備えるものの場合、備えるA/D変換器全てをDNLが改善されたA/D変換器とすることは困難である。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、放射線画像撮影装置が備えるA/D変換器から出力されたデジタル画像データがDNL誤差を有するものであっても、放射線画像上に現れるアーチファクトの低減が可能な放射線画像撮影システム、コンソールおよび放射線画像撮影装置を提供することを目的とする。
前記の問題を解決するために、本発明の放射線画像撮影システムは、
放射線画像撮影を行う放射線画像撮影装置と、前記放射線画像撮影装置により撮影された放射線画像の画像データに対して所定の画像処理を行うコンソールと、を備える放射線画像撮影システムにおいて、
前記放射線画像撮影装置は、
照射された放射線の線量に応じて電荷を発生させる複数の放射線検出素子が二次元状に配列されたセンサパネルと、
前記放射線検出素子からそれぞれ画像データを読み出す読み出し回路と、
前記読み出し回路により読み出された画像データに対してA/D変換処理を行い、デジタル画像データを出力するA/D変換器と、
前記A/D変換器から出力されたデジタル画像データを前記コンソールに送信する通信手段と、を備え、
前記コンソールは、
前記A/D変換器によるA/D変換処理に伴う微分非直線性誤差に関する誤差情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている誤差情報に基づいて乱数値を生成する乱数生成手段と、
前記放射線画像撮影装置から送信されたデジタル画像データに対して、前記記憶手段に記憶されている誤差情報に基づき、前記微分非直線性誤差を補正する誤差補正処理を行う誤差補正手段と、を備え、
前記A/D変換器は、前記微分非直線性誤差に起因して、所定の範囲内の信号値に対して所定の信号値を有するデジタル画像データを出力し、
前記記憶手段は、前記誤差情報として、前記所定の範囲と、前記所定の信号値と、を含む情報を記憶し、
前記乱数生成手段は、前記所定の範囲内の乱数値を生成し、
前記誤差補正手段は、前記放射線画像撮影装置から送信されたデジタル画像データのうちの前記所定の信号値を有するデジタル画像データの信号値を前記乱数生成手段により生成された乱数値で置換することによって、前記誤差補正処理を行うことを特徴とする。
また、本発明のコンソールは、
照射された放射線の線量に応じて電荷を発生させる複数の放射線検出素子が二次元状に配列されたセンサパネルと、前記放射線検出素子からそれぞれ画像データを読み出す読み出し回路と、前記読み出し回路により読み出された画像データに対してA/D変換処理を行い、デジタル画像データを出力するA/D変換器と、を備える放射線画像撮影装置から送信されたデジタル画像データに対して所定の画像処理を行うコンソールにおいて、
前記A/D変換器によるA/D変換処理に伴う微分非直線性誤差に関する誤差情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている誤差情報に基づいて乱数値を生成する乱数生成手段と、
前記放射線画像撮影装置から送信されたデジタル画像データに対して、前記記憶手段に記憶されている誤差情報に基づき、前記微分非直線性誤差を補正する誤差補正処理を行う誤差補正手段と、を備え、
前記記憶手段は、前記A/D変換器が、前記微分非直線性誤差に起因して、所定の範囲内の信号値に対して所定の信号値を有するデジタル画像データを出力する場合、前記誤差情報として、当該所定の範囲と、当該所定の信号値と、を含む情報を記憶し、
前記乱数生成手段は、前記所定の範囲内の乱数値を生成し、
前記誤差補正手段は、前記放射線画像撮影装置から送信されたデジタル画像データのうちの前記所定の信号値を有するデジタル画像データの信号値を前記乱数生成手段により生成された乱数値で置換することによって、前記誤差補正処理を行うことを特徴とする。
また、本発明の放射線画像撮影装置は、
照射された放射線の線量に応じて電荷を発生させる複数の放射線検出素子が二次元状に配列されたセンサパネルと、
前記放射線検出素子からそれぞれ画像データを読み出す読み出し回路と、
前記読み出し回路により読み出された画像データに対してA/D変換処理を行い、デジタル画像データを出力するA/D変換器と、
前記A/D変換器によるA/D変換処理に伴う微分非直線性誤差に関する誤差情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている誤差情報に基づいて乱数値を生成する乱数生成手段と、
前記A/D変換器から出力されたデジタル画像データに対して、前記記憶手段に記憶されている誤差情報に基づき、前記微分非直線性誤差を補正する誤差補正処理を行う誤差補正手段と、を備え、
前記A/D変換器は、前記微分非直線性誤差に起因して、所定の範囲内の信号値に対して所定の信号値を有するデジタル画像データを出力し、
前記記憶手段は、前記誤差情報として、前記所定の範囲と、前記所定の信号値と、を含む情報を記憶し、
前記乱数生成手段は、前記所定の範囲内の乱数値を生成し、
前記誤差補正手段は、前記A/D変換器から出力されたデジタル画像データのうちの前記所定の信号値を有するデジタル画像データの信号値を前記乱数生成手段により生成された乱数値で置換することによって、前記誤差補正処理を行うことを特徴とする。
本発明のような方式の放射線画像撮影システム、コンソールおよび放射線画像撮影装置によれば、放射線画像撮影装置が備えるA/D変換器が、微分非直線性誤差に起因して、所定の範囲内の信号値に対して所定の信号値を有するデジタル画像データを出力する場合、所定の範囲内の乱数値を生成し、A/D変換器から出力されたデジタル画像データのうちの所定の信号値を有するデジタル画像データの信号値を当該生成した乱数値で置換することによって、誤差補正処理を行うように構成されている。
これにより、A/D変換器から出力されたデジタル画像データは、微分非直線性誤差を有している場合、所定の信号値を有するデジタル画像データの割合が実際よりも高くなっているが、誤差補正処理を行って、所定の信号値を有するデジタル画像データを所定の範囲内の信号値を有するデジタル画像データに置き換えるができるため、この高くなった割合を低下させることができる。したがって、所定の信号値を有するデジタル画像データの割合が実際よりも高くなることに基づき放射線画像上に現れるアーチファクトを低減することが可能となる。
第1の実施形態に係る放射線画像撮影システムの全体構成を示す図である。 第1の実施形態に係る放射線画像撮影装置を示す斜視図である。 図2に示す放射線画像撮影装置を反対側から見た斜視図である。 図2におけるA−A線に沿う断面図である。 図2に示す放射線画像撮影装置のセンサパネルの基板の構成を示す平面図である。 図5の基板上の小領域に形成された放射線検出素子と薄膜トランジスタ等からなる放射線検出素子の構成を示す拡大図である。 COFやPCB基板などが取り付けられたセンサパネルを説明する側面図である。 第1の実施形態に係る放射線画像撮影装置の等価回路図を表す図である。 第1の実施形態に係るコンソールの機能的構成を示すブロック図である。 微分非直線性誤差を有するデジタル画像データを説明するための図である。 誤差補正処理を説明するためのフローチャートである。 (a)は微分非直線性誤差を有さないデジタル画像データに基づく放射線画像を説明するための図、(b)は微分非直線性誤差を有するデジタル画像データに基づく放射線画像を説明するための図である。 微分非直線性誤差を有さないデジタル画像データを説明するための図である。 第2の実施形態に係る放射線画像撮影装置の等価回路図を表す図である。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。ただし、本発明を適用可能な実施形態はこれに限定されるものではない。
[第1の実施形態]
まず、図1〜図9を参照して、本発明に係る放射線画像撮影システムの第1の実施形態について説明する。ただし、本発明は図示例に限定されるものではない。
[放射線画像撮影システム]
まず、本実施形態に係る放射線画像撮影システム100について説明する。図1は、本実施形態に係る放射線画像撮影システム100の全体構成を示す図である。
放射線画像撮影システム100は、例えば、病院や医院などの施設内で行われる放射線画像撮影を想定したシステムであり、放射線画像として医療用の診断画像を撮影するシステムとして採用することができる。
具体的には、放射線画像撮影システム100は、例えば、図1に示すように、放射線画像撮影を行う放射線画像撮影装置1と、放射線画像撮影装置1と通信可能に構成され、放射線画像撮影装置1により撮影された放射線画像の画像データに対して所定の画像処理を行うコンソール101と、等を備えて構成される。
放射線画像撮影装置1は、例えば、放射線を照射して患者Hの一部である被写体、すなわち患者Hの撮影対象部位等の撮影を行う撮影室R1に設けられており、コンソール101は、この撮影室R1に対応して設けられている。
また、撮影室R1には、放射線画像撮影装置1と無線通信可能であり、当該放射線画像撮影装置1とコンソール101との間の通信を中継するためのアクセスポイント121と、放射線画像撮影装置1を充電するためのクレードル122と、入力された信号をLAN(Local Area Network)通信用の信号等に変換するための変換器123と、放射線画像撮影装置1と接続可能な有線接続部124と、HUB機能を有し、アクセスポイント121やクレードル122、変換器123、有線接続部124とケーブル等によって接続された中継器120と、等を備えて構成される。
コンソール101は、LANケーブル等によって施設内のネットワークNと接続されており、同じくネットワークNと接続された中継器120や、コンソール101から送信された画像データを保存するPACS等のデータ管理サーバ102などとの間で情報の送受信が可能となっている。
これにより、放射線画像撮影装置1は、アクセスポイント121と無線通信を行うことによって、或いは、有線接続部124と接続することによって、中継器120を介してコンソール101との間で情報の送受信が可能となっている。
なお、本実施形態では、放射線画像撮影システム100内に1つの撮影室R1が設けられて、撮影室R1内に1つの放射線画像撮影装置1が配置されている場合を例として説明するが、撮影室R1の個数、各撮影室R1に設けられる放射線画像撮影装置1の個数は、特に限定されない。
また、撮影室R1が複数ある場合に、コンソール101は各撮影室R1に対応して設けられていなくてもよく、複数の撮影室R1に対して1台のコンソール101が対応付けられていてもよい。
また、図1には、コンソール101が撮影室R1や前室R2の外側に設置されている場合を例示しているが、これに限ることはなく、例えば、コンソール101を前室R2等に設置することも可能である。
また、撮影室R1内には、放射線画像撮影装置1が装填可能に構成され、その装填された放射線画像撮影装置1を所定の位置に保持するためのカセッテ保持部111を備えるブッキー装置110と、被写体に放射線を照射するX線管球等の放射線源(図示省略)を備える放射線発生装置112と、等が設けられている。
なお、図1には、撮影室R1内に、ブッキー装置110として立位撮影用のブッキー装置が1つ設けられている場合を例示しているが、撮影室R1内に設けられるブッキー装置110の個数や種類は特に限定されない。例えば、撮影室R1内には、ブッキー装置110として、臥位撮影用のブッキー装置が設けられていてもよいし、立位撮影用のブッキー装置と臥位撮影用のブッキー装置との両方が設けられていてもよい。
また、ブッキー装置110が複数ある場合には、各ブッキー装置110に対応して1つずつ放射線発生装置112が設けられていてもよいし、撮影室R1内に放射線発生装置112を1つ備え、複数のブッキー装置110に対して1つの放射線発生装置112が対応し、適宜位置を移動させたり、放射線照射方向を変更したりする等して、共用してもよい。
また、放射線画像撮影装置1は、ブッキー装置110に装填されない、いわば単独の状態で用いることも可能である。すなわち、放射線画像撮影装置1を単独の状態で、例えば撮影室R1内に設けられた支持台や臥位撮影用のブッキー装置の上などに配置してその放射線入射面R(後述)上に患者Hの撮影対象部位である手や脚などを載置したり、或いは、例えばベッド上に横臥した患者Hの腰や脚などとベッドとの間に差し込んだりして用いることも可能である。この場合、被写体を介して放射線画像撮影装置1に放射線が照射されるように、例えばブッキー装置110に対応付けて設けられた放射線発生装置112の向きが変更(調整)されて、放射線画像撮影が行われる。
また、撮影室R1は、放射線が外部に漏れないように鉛等でシールドされているため、無線通信用の電波も遮断される。そのため、撮影室R1内には、当該撮影室R1内に設置された放射線画像撮影装置1やブッキー装置110などと、当該撮影室R1外に設置されたコンソール101等の他の装置と、が通信する際にこれらの通信を中継するアクセスポイント(基地局)121が設けられている。
具体的には、アクセスポイント121はケーブル等によって中継器120と接続されており、放射線画像撮影装置1は、アクセスポイント121と無線通信を行うことによって、アクセスポイント121および中継器120を介してコンソール101等の他の装置との間でデータや信号などの情報の送受信が可能となっている。
ここで、中継器120は、当該中継器120と接続される装置に対して電力を供給するための電源ユニットを備えている。
例えば、アクセスポイント121等の中継器120と接続される装置は、中継器120から電力の供給を受けている。
なお、本実施形態では、アクセスポイント121とブッキー装置110とを無線接続するように構成したが、これに限ることはなく、例えば、アクセスポイント121とブッキー装置110とをケーブル等で有線接続して、ブッキー装置110やそれに装填された放射線画像撮影装置1と、コンソール101等の他の装置と、の通信を有線方式でも行うことができるように構成してもよい。
また、撮影室R1内には、放射線画像撮影装置1用の充電器であるクレードル122が設けられている。
具体的には、例えば、クレードル122は、放射線画像撮影装置1を挿入可能な形状を成しており、当該クレードル122を識別するためのクレードルID等を記憶する記憶部と、当該クレードル122に挿入された放射線画像撮影装置1が備えるコネクタ39(後述)等と接続可能な位置に設けられたコネクタと、等を備えて構成される。そして、クレードル122は、当該クレードル122に放射線画像撮影装置1を挿入することによって、放射線画像撮影装置1を保管したり、中継器120から電力の供給を受けて放射線画像撮影装置1のバッテリ24(後述)を充電したりするために用いられる。
また、クレードル122は、放射線画像撮影装置1を放射線画像撮影システム100に導入して、当該放射線画像撮影装置1がコンソール101と通信可能となるように、当該放射線画像撮影装置1をコンソール101に登録するために用いられる。
具体的には、例えば、放射線画像撮影装置1が撮影室R1内に持ち込まれてクレードル122に挿入され、当該放射線画像撮影装置1のコネクタ39(後述)がクレードル122のコネクタと接続されると、当該放射線画像撮影装置1の制御手段22(後述)は、クレードル122の記憶部から当該クレードル122のクレードルIDを読み出して、当該放射線画像撮影装置1を識別するためのカセッテIDとともに、コネクタ39からクレードル122に出力し、クレードル122および中継器120を介してコンソール101に通知する。これにより、当該放射線画像撮影装置1は、コンソール101に登録されて、コンソール101と通信可能となる。
また、撮影室R1内には、放射線発生装置112からの信号をLAN通信用の信号等に変換する変換器123が設けられている。
変換器123はケーブル等によって中継器120と接続されており、放射線発生装置112は、放射線画像撮影装置1やコンソール101などの他の装置との間で、変換器123および中継器120を介して情報の送受信が可能となっている。これにより、例えば、曝射タイミングと放射線画像撮影装置1のリセットタイミングとを連動させたり、撮影に応じて照射野や管球位置などを連動させたりすることができる。
また、本実施形態では、撮影室R1に隣接して前室R2が設けられている。前室R2には、曝射ボタンを備える操作装置113が設けられている。操作装置113はケーブル等によって放射線発生装置112と接続されており、放射線技師や医師などの操作者が撮影開始を希望して曝射ボタンを操作すると、曝射ボタンが押圧された旨のボタン押圧信号が、操作装置113から放射線発生装置112に出力される。この放射線発生装置112に出力されたボタン押圧信号は、変換器123に出力されて、変換器123においてLAN通信用の信号等に変換され、さらに中継器120に出力されて、中継器120を介してコンソール101等に送信される。
なお、コンソール101から操作装置113に対して、放射線発生装置112の放射線照射条件を制御する制御信号が送信されるように構成されていても良い。この場合、放射線発生装置112の放射線照射条件は、操作装置113に送信されたコンソール101からの制御信号に応じて設定される。放射線照射条件としては、例えば、曝射開始/終了タイミング、放射線管電流の値、放射線管電圧の値、フィルタ種等がある。
また、撮影室R1内には、放射線画像撮影装置1が備えるコネクタ39(後述)等と接続可能な有線接続部124が設けられている。
有線接続部124はケーブル等によって中継器120と接続されており、有線接続部124に接続された放射線画像撮影装置1は、コンソール101等の他の装置との間で、有線接続部124および中継器120を介してデータや信号などの情報の送受信が可能となっている。
また、放射線画像撮影装置1は、有線接続部124と接続されることによって、コンソール101等の他の装置との間で有線接続部124および中継器120を介してデータや信号などの情報の送受信が可能となるだけでなく、中継器120から、放射線画像撮影装置1の各機能部に対して電力の供給を受けたり、バッテリ24(後述)を充電するための電力の供給を受けたりすることができる。
なお、図1には、撮影室R1内に有線接続部124が1つ設けられている場合を例示しているが、撮影室R1内に設けられる有線接続部124の個数は特に限定されない。
[放射線画像撮影装置]
次に、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1について説明する。
なお、本実施形態では、放射線画像撮影装置1が可搬型の放射線画像撮影装置である場合について説明するが、本発明はその場合に限定されず、例えば、支持台と一体的に形成された固定型の放射線画像撮影装置であってもよい。
また、本実施形態では、放射線画像撮影装置1として、シンチレータ等を備え、放射された放射線を可視光等の他の波長の電磁波に変換して照射し、放射線検出素子で電気信号である画像データに変換する、いわゆる間接型の放射線画像撮影装置について説明するが、本発明は、シンチレータ等を介さずに放射線を放射線検出素子で直接検出する、いわゆる直接型の放射線画像撮影装置に対しても適用することができる。
図2は、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の外観斜視図であり、図3は、図2に示す放射線画像撮影装置を反対側から見た外観斜視図である。また、図4は、図2におけるA−A線に沿う断面図である。
放射線画像撮影装置1は、いわゆるフラットパネルディテクタ(以下「FPD」という。)を可搬型に構成したカセッテ型FPDであり、放射線画像撮影に用いられ、放射線を検出して放射線量に応じた画像データを生成して取得するものである。
放射線画像撮影装置1は、例えば、図2〜図4に示すように、筐体状のハウジング2内にシンチレータ3や基板4などで構成されるセンサパネルSPが収納されて構成されている。
図2や図3に示すように、ハウジング2は、角筒状に形成されたハウジング本体部2Aと、ハウジング本体部2Aの両端の開口部を覆って閉塞する蓋部材2B,2Cと、を備えた、いわゆるモノコック型に形成されている。
ハウジング本体部2Aには、放射線の照射を受ける側の面R(以下「放射線入射面R」という。)が設けられており、放射線を透過するカーボン板やプラスチックなどの材料で形成されている。
なお、ハウジング2の構成、形状等は、ここに例示したものに限定されない。例えば、ハウジング2を、フレーム板とバック板とで形成された、いわゆる弁当箱型とすることも可能である。
図2に示すように、一方の蓋部材2Bには、電源スイッチ37と、選択スイッチ38と、有線接続部124やクレードル122が接続されるコネクタ39と、バッテリ状態や放射線画像撮影装置1の稼動状態などの各種の状態を表示するインジケータ40と、等が設けられている。
また、他方の蓋部材2Cには、放射線画像撮影装置1がコンソール101等の他の装置との間でデータや信号などの情報の送受信を無線方式で行うための無線装置41が埋め込まれている。
なお、無線装置41を設ける箇所は、蓋部材2Cに限定されず、他の位置に設けることも可能である。また、無線装置41の個数は必ずしも1つに限定されず、必要な数だけ適宜設けられる。
前述したように、放射線画像撮影装置1は、コンソール101等の他の装置との間での情報の送受信を有線方式で行うことも可能であり、この場合、コネクタ39に、例えば有線接続部124のコネクタが接続される。
図4に示すように、ハウジング2の内部には、センサパネルSPが収納されている。センサパネルSPは、基板4とこれに積層されるシンチレータ3とを備えており、基板4やシンチレータ3の放射線入射面R側には、それらを保護するためのガラス基板35が配設されている。
また、基板4の下方側には図示しない鉛の薄板等を介して基台31が配置され、基台31には、電子部品32等が配設されたPCB基板33や緩衝部材34などが取り付けられている。
また、本実施形態では、センサパネルSPとハウジング2の側面との間に、それらがぶつかり合うことを防止するための緩衝材36が設けられている。
シンチレータ3は、基板4の後述する検出部Pに貼り合わされている。本実施形態では、シンチレータ3は、例えば、蛍光体を主成分とし、放射線の入射を受けると300〜800nmの波長の電磁波、すなわち可視光を中心とした電磁波に変換して出力するものが用いられる。
基板4は、本実施形態では、ガラス基板で構成されており、図5に示すように、基板4のシンチレータ3に対向する側の面4a上には、複数の走査線5と複数の信号線6とが互いに交差するように配設されている。基板4の面4a上の複数の走査線5と複数の信号線6により区画された各小領域rには、放射線検出素子7がそれぞれ設けられている。
このように、走査線5と信号線6とで区画された各小領域rに二次元状に配列された複数の放射線検出素子7が設けられた領域全体、すなわち図5に一点鎖線で示される領域がセンサパネルSPの検出部Pとされている。
本実施形態では、放射線検出素子7としてフォトダイオードが用いられているが、この他に、例えばフォトトランジスタ等を用いることも可能である。
各放射線検出素子7は、図5や図5の拡大図である図6に示すように、スイッチ素子である薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor。以下「TFT」という。)8のソース電極8sに接続されている。また、TFT8のドレイン電極8dは信号線6に接続されている。
そして、TFT8は、後述する走査駆動手段15から走査線5を介してゲート電極8gにオン電圧が印加されるとオン状態となり、ソース電極8sやドレイン電極8dを介して放射線検出素子7内に蓄積されている電荷を信号線6に放出させるように構成されている。
また、TFT8は、接続された走査線5を介してゲート電極8gにオフ電圧が印加されるとオフ状態となり、放射線検出素子7から信号線6への電荷の放出を停止して、放射線検出素子7内に電荷を保持するように構成されている。
図5や図6に示すように、本実施形態では、列状に配置された複数の放射線検出素子7にそれぞれバイアス線9が接続されており、各バイアス線9はそれぞれ信号線6に平行に配設されている。また、図5に示すように、各バイアス線9は、基板4の検出部Pの外側の位置で1本の結線10に結束されている。
また、各走査線5や各信号線6、バイアス線9の結線10は、それぞれ基板4の端縁部付近に設けられた入出力端子(パッドともいう)11に接続されている。各入出力端子11には、図7に示すように、IC12a等のチップが組み込まれたCOF(Chip On Film)12が異方性導電接着フィルム(Anisotropic Conductive Film)や異方性導電ペースト(Anisotropic Conductive Paste)などの異方性導電性接着材料13を介して接続されている。
また、COF12は、基板4の裏面4b側に引き回され、裏面4b側でPCB基板33に接続されている。このようにして、放射線画像撮影装置1のセンサパネルSPの基板4部分が形成されている。なお、図7では、電子部品32等の図示が省略されている。
ここで、放射線画像撮影装置1のセンサパネルSPの回路構成について説明する。図8は、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1のセンサパネルSPの等価回路図である。
各放射線検出素子7の第2電極78にはそれぞれバイアス線9が接続されており、各バイアス線9は結線10に結束されてバイアス電源14に接続されている。バイアス電源14は、結線10および各バイアス線9を介して各放射線検出素子7の電極それぞれにバイアス電圧(本実施形態では逆バイアス電圧)を印加する。
また、各放射線検出素子7の第1電極74はそれぞれTFT8のソース電極8s(図8中ではSと表記されている。)に接続されており、各TFT8のゲート電極8g(図8中ではGと表記されている。)は、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから延びる走査線5の各ラインL1〜Lxにそれぞれ接続されている。また、各TFT8のドレイン電極8d(図8中ではDと表記されている。)は、各信号線6にそれぞれ接続されている。
走査駆動手段15は、ゲートドライバ15bにオン電圧やオフ電圧を供給する電源回路15aと、走査線5の各ラインL1〜Lxに印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替えるゲートドライバ15bと、を備えている。
ゲートドライバ15bは、走査線5の各ラインL1〜Lxを介してTFT8のゲート電極8gに印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替えて、各TFT8のオン状態とオフ状態とを制御する。
各信号線6は、読み出しIC16内に形成された各読み出し回路17にそれぞれ接続されている。なお、1個の読み出しIC16に、128個等の所定個数の読み出し回路17が設けられている。
読み出し回路17は、増幅回路18や相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling)回路19などで構成されている。また、読み出しIC16内には、各読み出し回路17のほか、アナログマルチプレクサ21やA/D変換回路20が設けられている。
本実施形態においては、増幅回路18と相関二重サンプリング回路19とは、1本の信号線6ごとに1個ずつ設けられているが、アナログマルチプレクサ21とA/D変換器20とは、複数の回路で共通とされている。具体的には、1個の読み出しIC16に、アナログマルチプレクサ21及びA/D変換器20がそれぞれ1個ずつ設けられている。なお、相関二重サンプリング回路19は、図8中ではCDSと表記されている。
例えば、放射線画像撮影で被写体を介して放射線画像撮影装置1に放射線が照射され、シンチレータ3で放射線が他の波長の電磁波に変換されて、その直下の放射線検出素子7に照射される。そして、放射線検出素子7で照射された放射線の線量(電磁波の光量)に応じて電荷が発生する。
各放射線検出素子7からの電荷の読み出し処理においては、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから走査線5の各ラインL1〜Lxを介してゲート電極8gにオン電圧が印加されたTFT8がオン状態となり、放射線検出素子7から信号線6に電荷が放出される。
そして、放射線検出素子7から放出された電荷量に応じて増幅回路18から電圧値が出力され、それを相関二重サンプリング回路19で相関二重サンプリングしてアナログ値の画像データがアナログマルチプレクサ21に出力される。アナログマルチプレクサ21から順次出力された画像データは、A/D変換器20で順次デジタル値の画像データ、すなわちデジタル画像データに変換され、記憶手段23に出力されて順次保存される。
制御手段22は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピュータや、FPGA(Field Programmable Gate Array)などによって構成されている。
なお、ROMやRAMは、制御手段22ではなく、例えば、制御手段22に接続された記憶手段23に備えられていてもよい。また、制御手段22は、専用の制御回路で構成されていてもよい。
制御手段22には、DRAM(Dynamic RAM)等で構成される記憶手段23や、放射線
画像撮影装置1の各機能部に電力を供給するバッテリ24が接続されている。
また、制御手段22には、無線装置41が接続されており、また、図8では図示を省略するが、電源スイッチ37や選択スイッチ38、コネクタ39などが接続されている。
制御手段22は、放射線画像撮影装置1の各機能部の動作等を制御する。
具体的には、例えば、制御手段22は、バイアス電源14を制御して各放射線検出素子7に印加する逆バイアス電圧を制御したり、走査駆動手段15から信号読み出し用の電圧を印加する走査線5を切り替えたり、或いは、各読み出し回路17内の増幅回路18や相関二重サンプリング回路19などを制御して、各放射線検出素子7からの画像データの読み出しを行う。
また、制御手段22には、記憶手段23が接続されている。例えば各読み出し回路17によって各放射線検出素子7から読み出された各画像データは、制御手段22により制御される図示しないメモリコントローラによって、記憶手段23の画像記憶領域に保存される。
また、制御手段22には、充電可能なバッテリ24が接続されている。
ここで、本実施形態では、放射線画像撮影装置1は、駆動モードとして、放射線画像撮影が可能なウェイクアップモードと、放射線画像撮影が不可能なスリープモードと、を有している。
具体的には、例えば、制御手段22は、撮影が数分間行われないときは、無線装置41等の必要な機能部にのみ電力を供給して、例えば読み出しIC16や放射線検出素子7などの放射線画像撮影に係る機能部等の他の機能部には電力を供給しないスリープモードに切り替える。また、コンソール101等から撮影を開始する旨の信号を無線装置41等が受信すると、制御手段22は、放射線画像撮影に係る機能部等の他の機能部にも電力を供給するウェイクアップモードに切り替える。
すなわち、放射線画像撮影装置1は、バッテリ24の無駄な電力消費を抑制できるように構成されている。
また、制御手段22には、選択スイッチ38が接続されている。放射線技師や医者などの操作者により選択スイッチ38が押下されると、制御手段22は、当該制御手段22を備える放射線画像撮影装置1が選択された旨の選択信号を、例えば、無線装置41からアクセスポイント121に送信し、アクセスポイント121および中継器120を介してコンソール101に通知する。
また、制御手段22には、コネクタ39が接続されている。
具体的には、例えば、放射線画像撮影装置1がクレードル122に挿入されて、コネクタ39がクレードル122のコネクタに接続されると、制御手段22は、当該クレードル122を識別するためのクレードルIDをクレードル122から読み出すとともに、当該放射線画像撮影装置1を識別するためのカセッテIDを記憶手段23等から取得する。そして、当該読み出したクレードルIDと当該取得したカセッテIDとを、コネクタ39からクレードル122に出力し、クレードル122および中継器120を介してコンソール101に通知する。これにより、当該放射線画像撮影装置1は、コンソール101に登録されて、コンソール101と通信可能となる。
また、制御手段22には、無線装置41が接続されている。放射線画像撮影装置1は、無線装置41によりアクセスポイント121と無線通信を行うことによって、アクセスポイント121および中継器120を介してコンソール101等の他の装置との間でデータや信号などの情報の送受信が可能となっている。
具体的には、制御手段22は、例えば、記憶手段23の画像記憶領域に保存されているデジタル画像データに圧縮処理等の所定の画像処理を施し、無線装置41からアクセスポイント121に送信する。これにより、当該デジタル画像データは、アクセスポイント121および中継器120を介してコンソール101に送信される。
具体的には、制御手段22は、例えば、読み出し回路17によってセンサパネルSPに二次元状に配列された放射線検出素子7からそれぞれ画像データを読み出し、A/D変換器20によって当該読み出された画像データに対してA/D変換処理を行い、そして、A/D変換器20から出力されたデジタル画像データに対して所定の圧縮処理を行って、通信手段である無線装置41によってコンソール101に送信するように構成されている。
[コンソール]
次に、本実施形態に係るコンソール101について説明する。図9は、コンソール101の機能的構成を示すブロック図である。
コンソール101は、例えば、図9に示すように、コンソール101の各部の動作等を制御する制御部101aと、HDD(Hard Disk Drive)等からなる記憶部101bと、無線LANケーブル等によってネットワークNと接続され、中継器120等の他の装置との間で通信を行うための通信部101cと、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)などからなる表示部101dと、キーボードやマウスなどからなる入力部101eと、乱数生成回路等からなる乱数生成部101fと、等を備えて構成されるコンピュータである。
制御部101aは、図示しないCPU、ROM、RAM等を備えており、ROMに格納されている所定のプログラムを読み出してRAMの作業領域に展開し、当該プログラムに従って各種処理を実行して、放射線画像撮影システム100全体の制御を行う。
なお、ROMやRAMは、制御部101aではなく、例えば、記憶部101bに記憶されていてもよい。
制御部101aは、クレードル122から通知されたクレードルIDとカセッテIDとを記憶部101bの登録情報記憶領域に記憶させることによって、当該カセッテIDで識別される放射線画像撮影装置1を当該コンソール101に登録する。
このように、放射線画像撮影装置1は、当該コンソール101に登録されると、アクセスポイント121や有線接続部124を介して当該コンソール101との間で情報の送受信が可能となる。
そして、制御部101aは、放射線画像撮影装置1から送信されたデジタル画像データを通信部101cが受信すると、当該デジタル画像データに対して所定の画像処理を行って、診断用の画像データを作成する。
具体的には、制御部101aは、例えば、放射線画像撮影装置1から送信されたデジタル画像データを通信部101cが受信すると、当該デジタル画像データに対して所定の伸長処理を行い、その後、誤差補正処理、オフセット補正、ゲイン補正等を行って、診断用の画像データを作成する。
すなわち、制御部101aは、放射線画像撮影装置1から送信されたデジタル画像データに対して、記憶手段である記憶部101bに記憶されている誤差情報に基づき、微分非直線性(Differential Nonlinearity。以下「DNL」という。)誤差を補正する誤差補正処理を行う誤差補正手段として機能する。
ここで、本実施形態では、放射線画像撮影装置1から送信されたデジタル画像データは、当該放射線画像撮影装置1が備えるA/D変換器20によるA/D変換処理に伴うDNL誤差を有しているとする。
A/D変換器20から出力されるデジタル画像データがDNL誤差を有する場合、当該A/D変換器20におけるアナログ入力とデジタル出力との関係は、例えば、図10に示すような関係になる。具体的には、DNL誤差に起因して、本来は信号値がD〜Dとなるデジタル画像データが、信号値Dに張り付いてしまっているため、当該A/D変換器20からは、信号値D〜Dを有するデジタル画像データは出力されず、その代わりに信号値Dを有するデジタル画像データが出力される。すなわち、当該A/D変換器20からは、DNL誤差に起因して、信号値D〜Dを含む範囲A(すなわち信号値がD以上でD以下の範囲)内の信号値に対して信号値Dを有するデジタル画像データが出力される。したがって、その分、実際よりも信号値Dを有するデジタル画像データの割合が高くなる。
そこで、この高くなった割合を低下させるために、DNL誤差を補正する誤差補正処理を行う。
まず、放射線画像撮影装置1が備えるA/D変換器20の範囲Aや信号値Dを予め測定しておく。そして、当該測定した範囲Aや信号値Dを含む情報である誤差情報を、当該A/D変換器20を備える放射線画像撮影装置1を識別するためのカセッテIDとともに記憶手段である記憶部101bの誤差情報記憶領域に予め記憶しておく。
なお、記憶手段は、記憶部101bに限られるものではなく、例えば、制御部101aが備えるROMであってもよい。
ここで、本実施形態では、一の放射線画像撮影装置1が備える複数のA/D変換器20は全て、範囲Aや信号値Dなどの誤差情報が同一であるとする。すなわち、一の放射線画像撮影装置1から送信された各デジタル画像データは、当該デジタル画像データを出力したA/D変換器20に関わらず、同一の誤差情報に基づいてDNL誤差の補正が可能であるとする。
なお、本実施形態では、範囲A内に含まれる信号値として信号値D〜Dの5つを挙げたが、範囲A内に含まれる信号値の個数は5つに限ることはなく、複数であれば任意である。
そして、制御部101aは、放射線画像撮影装置1から送信されたデジタル画像データを通信部101cが受信すると、当該デジタル画像データに対して所定の伸長処理を行って、記憶部101bの画像記憶領域に保存する。
次いで、制御部101aは、当該デジタル画像データを送信してきた放射線画像撮影装置1のカセッテIDに対応付けられた誤差情報を記憶部101bの誤差情報記憶領域から取得する。そして、乱数生成部101fに当該取得した誤差情報に含まれる範囲A内の乱数値を生成させる。ここで、制御部101aと乱数生成部101fとは、記憶手段である記憶部101bに記憶されている誤差情報に基づいて乱数値を生成する乱数生成手段として機能する。
次いで、制御部101aは、記憶部101bの画像記憶領域に記憶されているデジタル画像データを順次抽出し、抽出したデジタル画像データが、記憶部101bの誤差情報記憶領域から取得した誤差情報に含まれる信号値Dと一致する信号値を有するデジタル画像データである場合は、当該デジタル画像データの信号値(すなわち信号値D)を乱数生成部101fにより生成された乱数値で置換することによって、誤差補正処理を行う。
これにより、A/D変換器20から出力されたデジタル画像データ、すなわち当該A/D変換器20を備える放射線画像撮影装置1から送信されたデジタル画像データ(デジタル画像データ群)は、DNL誤差に起因して実際よりも信号値Dを有するデジタル画像データの割合が高くなっているが、当該送信されたデジタル画像データに対して誤差補正処理を行い、当該送信されたデジタル画像データのうちの信号値Dを有するデジタル画像データの一部を、信号値D〜Dを有するデジタル画像データに置き換えることによって、この高くなった割合を低下させることができる。
また、制御部101aは、誤差補正処理が施されたデジタル画像データに対して、オフセット補正処理やゲイン補正処理などを行い、診断用の画像データを作成する。
ここで、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、放射線画像撮影装置1に放射線を照射しない状態でセンサパネルSPの各放射線検出素子7から出力されるダーク読取値、すなわち放射線を照射しない状態で取得された暗画像の画像データを、コンソール101に送信するように構成されている。
コンソール101の制御手段101aは、暗画像の画像データに対しても誤差補正処理を行い、当該誤差補正処理が施された暗画像の画像データに基づいてオフセット補正値を算出する。そして、誤差補正処理が施されたデジタル画像データに対して、当該算出したオフセット補正値に基づきオフセット補正を行うとともに、記憶手段101b等に予め記憶されているゲイン補正値に基づきゲイン補正を行うように構成されている。
そして、制御部101aは、操作者により操作された入力部101eからの指示に従って、当該作成した診断用の画像データに基づく放射線画像を表示部101dに表示したり、当該作成した診断用の画像データを通信部101cから出力してネットワークNを介してデータ管理サーバ102等の他の装置に送信したりする。
次に、本実施形態に係る放射線画像撮影システム100における誤差補正処理の一例について、図11のフローチャートを参照して説明するとともに、本実施形態に係る放射線画像撮影システム100およびコンソール101の作用について説明する。
まず、コンソール101の制御部101aは、放射線画像撮影装置1から送信されたデジタル画像データを通信部101cが受信すると、当該デジタル画像データに対して所定の伸長処理を行って、記憶部101bの画像記憶領域に記憶させる(ステップS1)。
次いで、当該デジタル画像データを送信してきた放射線画像撮影装置1のカセッテIDに対応付けられた誤差情報を記憶部101bの誤差情報記憶領域から取得する(ステップS2)。
次いで、制御部101aは、乱数生成部101fを制御して、取得した誤差情報に含まれる範囲A内の乱数値の生成を開始させる(ステップS3)。
次いで、制御部101aは、ステップS1で記憶させたデジタル画像データの中から一のデジタル画像データを抽出し、当該抽出したデジタル画像データの信号値が、取得した誤差情報に含まれる信号値Dと一致するかチェックする(ステップS4)。
ステップS4のチェックで、信号値Dと一致すると判定した場合には(ステップS5;Yes)、制御部101aは、乱数生成部101fにより生成された乱数値を取得して(ステップS6)、当該抽出したデジタル画像データの信号値を取得した乱数値で置換する(ステップS7)。そして、ステップS1で記憶させた全てのデジタル画像データをチェックしたか否か判断する(ステップS8)。
一方、ステップS4のチェックで、信号値Dと一致しないと判定した場合には(ステップS5;No)、制御部101aは、ステップS6及びS7の処理をスキップして、ステップS1で記憶させた全てのデジタル画像データをチェックしたか否か判断する(ステップS8)。
ステップS8で、全てのデジタル画像データをチェックしていないと判断すると(ステップS8;No)、制御部101aは、ステップS1で記憶させたデジタル画像データの中から次のデジタル画像データを抽出して、ステップS4以降の処理を繰り返して行う。
一方、ステップS8で、全てのデジタル画像データをチェックしたと判断すると(ステップS8;Yes)、制御部101aは、ステップS3で開始した乱数生成部101fによる範囲A内の乱数値の生成を終了して(ステップS9)、誤差補正処理を終了する。
ここで、例えば、被写体を介さずに放射線画像撮影装置1の全面に対して一様に放射線を照射した場合、例えば、図12(a)や図12(b)に示すような放射線画像が得られる。
なお、図12(a)や図12(b)に示す画像は、誤差補正処理やオフセット補正処理、ゲイン補正処理などが施されていないデジタル画像データに基づく画像の一部を示すものであり、図12(a)はDNL誤差を有していないデジタル画像データに基づく画像、図12(b)は図12(a)に示す画像のデジタル画像データがDNL誤差を有する場合の画像を示す。なお、図12(a)や図12(b)では、放射線画像上に現れる模様が強調されるように表現している。
放射線画像上には、主に各読み出し回路17の特性のばらつきに起因して、信号線6方向の縦縞模様が現れる。また、放射線画像上には、主にバイアス電源14のゆらぎに起因して、走査線5方向の横縞模様が現れる。そのため、得られた放射線画像上には、例えば、図12(a)に示すように、縦縞模様と横縞模様とが合わさった模様が現れるが、この模様は、オフセット補正処理やゲイン補正処理などを行うことによって、目立たなくなる。
当該縦縞模様は、主に各読み出し回路17の特性のばらつきに伴い、信号値がばらつくために現れる。また、当該横縞模様は、主にバイアス電源14のゆらぎに伴い、信号値がばらつくために現れるが、横縞模様を形成する信号値のばらつきは、縦縞模様を形成する信号値のばらつきよりも小さいことが多い。したがって、具体的に、図12(a)に示す画像と図13に示すアナログ入力とデジタル出力との関係図とを用いて、これらのばらつきを説明すると、例えば、縦ラインC1は、範囲B内の信号値を有するデジタル画像データに基づき形成され、縦ラインC2は、範囲B内の信号値を有するデジタル画像データに基づき形成される。
言い換えると、縦縞模様を形成する信号値のばらつきは、範囲BやBなどの位置で示され、横縞模様を形成する信号値のばらつきは、範囲BやBなどの大きさ(幅)で示される。そのため、デジタル画像データがDNL誤差を有する場合、縦縞模様を構成する各縦ラインの中に、信号値のばらつきの範囲が範囲Aに重なる縦ラインが現れ、それがアーチファクトとなってしまう。
デジタル画像データがDNL誤差を有する場合、本来は信号値D〜Dの何れかを有するデジタル画像データとして出力されるはずのデータが、信号値Dを有するデジタル画像データとして出力されてしまう。そのため、縦ライン内での信号値のばらつきの範囲が範囲A内の信号値(信号値D〜D)の少なくとも2つを含む範囲である場合、DNL誤差によって、信号値がばらつき難くなってしまい、当該縦ライン内での色濃度のばらつきが抑えられてしまう。
具体的には、例えば、図12(b)に示すように、信号値のばらつきの範囲が範囲Bである縦ラインC1においては、範囲Bは範囲A内の信号値の少なくとも2つを含む範囲ではないため、デジタル画像データがDNL誤差を有しても、当該縦ラインC1内での色濃度のばらつきが図12(a)と変わらない。
一方、例えば、図12(b)に示すように、信号値のばらつきの範囲が範囲Bである縦ラインC2においては、範囲Bは範囲A内の信号値の少なくとも2つを含む範囲であるため、デジタル画像データがDNL誤差を有すると、信号値のばらつきの範囲が狭まって、当該縦ラインC2内での色濃度のばらつきが図12(a)よりも抑えられてしまう。特に、範囲Bは、範囲A内の範囲であるため、縦ラインC2では、DNL誤差によって、信号値がばらつかずに信号値Dに張り付いて一定となってしまうため、色濃度のばらつきがなくなってしまう。
縦ライン内での色濃度のばらつきが抑えられてしまうと、色濃度の近い画素が並ぶため、当該縦ラインが強調されて、他の縦ラインよりも目立ってしまう。そのため、得られた放射線画像上には、例えば図12(b)に示すように、特に目立つ縦ラインが現れてしまう。この縦ラインは、オフセット補正処理やゲイン補正処理などを行っても、例えば当該縦ライン上に本来は存在しない像が断続的に配置されたような模様として残ってしまい、アーチファクトとなってしまう。
これに対し、本実施形態のように、誤差補正処理を行い、信号値Dを範囲A内の乱数値で置換することによって、信号値Dを有するデジタル画像データの割合を低下させることができるため、当該縦ラインが目立たなくなり、アーチファクトを軽減することができる。
なお、図12(a)や図12(b)では、被写体を介さずに放射線画像撮影装置1の全面に対して一様に放射線を照射した場合について説明したが、被写体を撮影した場合も同様に、デジタル画像データがDNL誤差を有する場合、信号値Dを有する画像データの割合が実際よりも多くなってしまうため、オフセット補正処理やゲイン補正処理などを行ったとしても、アーチファクトが現れてしまう。
これに対し、本実施形態のように、誤差補正処理を行うことによって、信号値Dを有するデジタル画像データの割合を低下させることができるため、アーチファクトの軽減が可能となる。
以上説明した第1の実施の形態に係る放射線画像撮影システム100およびコンソール101によれば、放射線画像撮影装置1が備えるA/D変換器20が、DNL誤差に起因して、所定の範囲A内の信号値に対して所定の信号値Dを有するデジタル画像データを出力する場合、所定の範囲A内の乱数値を生成し、A/D変換器20から出力されたデジタル画像データのうちの所定の信号値Dを有するデジタル画像データの信号値を当該生成した乱数値で置換することによって、誤差補正処理を行うように構成されている。
これにより、A/D変換器20から出力されたデジタル画像データは、DNL誤差を有している場合、所定の信号値Dを有するデジタル画像データの割合が実際よりも高くなっているが、誤差補正処理を行って、所定の信号値Dを有するデジタル画像データを所定の範囲A内の信号値を有するデジタル画像データに置き換えることができるため、この高くなった割合を低下させることができる。したがって、所定の信号値Dを有するデジタル画像データの割合が実際よりも高くなることに基づき放射線画像上に現れるアーチファクトを低減することが可能となる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態に係る放射線画像撮影システム100について説明する。
なお、第2の実施形態においては、放射線画像撮影装置1A側で誤差補正処理を行う点が第1の実施形態と異なる。したがって、異なる箇所のみについて説明し、その他の共通する部分は同一符号を付して説明は省略する。
[放射線画像撮影装置]
第2の実施形態の放射線画像撮影装置1Aにおいては、例えば、図14に示すように、制御手段22A、記憶手段23Aおよび乱数生成部25Aを備えており、その他の各部材については第1の実施の形態の放射線画像撮影装置1と同一の部材を備えている。
記憶手段23Aは、記憶手段として、当該放射線画像撮影装置1Aが備えるA/D変換器20の誤差情報を記憶している。
制御手段22Aは、誤差補正手段として、A/D変換器20から出力されたデジタル画像データに対して、記憶手段である記憶手段23Aに記憶されている誤差情報に基づき、DNL誤差を補正する誤差補正処理を行う。
また、制御手段22Aは、乱数生成回路等からなる乱数生成部25Aとともに、乱数生成手段として機能し、記憶部101bに記憶されている誤差情報に基づいて、乱数生成部25Aに乱数値を生成させる。なお、第2の実施形態においては、コンソール101に乱数生成部101fを備えていなくてもよい。
具体的には、例えば、制御手段22Aは、A/D変換器20からデジタル画像データが出力されると、当該デジタル画像データを記憶部23Aの画像記憶領域に保存する。
次いで、制御手段22Aは、記憶部23Aの誤差情報記憶領域から誤差情報を取得する。そして、乱数生成部25Aに当該取得した誤差情報に含まれる範囲A内の乱数値を生成させる。
次いで、制御手段22Aは、記憶手段23Aの画像記憶領域に記憶されているデジタル画像データを順次抽出し、抽出したデジタル画像データが、記憶手段23Aから取得した誤差情報に含まれる信号値Dと一致する信号値を有するデジタル画像データである場合は、当該デジタル画像データの信号値を乱数生成部25Aにより生成された乱数値で置換することによって、誤差補正処理を行う。
そして、制御手段22Aは、当該誤差補正処理が施されたデジタル画像データに圧縮処理等の所定の画像処理を施し、無線装置41からアクセスポイント121に送信する。これにより、当該デジタル画像データは、アクセスポイント121および中継器120を介してコンソール101に送信される。
なお、誤差補正処理の後にオフセット補正処理やゲイン補正処理を行うのであれば、放射線画像撮影装置1A側でオフセット補正処理やゲイン補正処理を行ってもよいし、コンソール101側でオフセット補正処理やゲイン補正処理を行ってもよい。
なお、本実施形態に係る放射線画像撮影システム100における誤差補正処理、本実施形態に係る放射線画像撮影システム100および放射線画像撮影装置1Aの作用については、第1の実施形態で示したものと略同様であるので、その説明は省略する。
以上説明した第2の実施の形態に係る放射線画像撮影装置1Aによれば、当該放射線画像撮影装置1Aが備えるA/D変換器20が、DNL誤差に起因して、所定の範囲A内の信号値に対して所定の信号値Dを有するデジタル画像データを出力する場合、所定の範囲A内の乱数値を生成し、A/D変換器20から出力されたデジタル画像データのうちの所定の信号値Dを有するデジタル画像データの信号値を当該生成した乱数値で置換することによって、誤差補正処理を行うように構成されている。
これにより、A/D変換器20から出力されたデジタル画像データは、DNL誤差を有している場合、所定の信号値Dを有するデジタル画像データの割合が実際よりも高くなっているが、誤差補正処理を行って、所定の信号値Dを有するデジタル画像データを所定の範囲A内の信号値を有するデジタル画像データに置き換えることができるため、この高くなった割合を低下させることができる。したがって、所定の信号値Dを有するデジタル画像データの割合が実際よりも高くなることに基づき放射線画像上に現れるアーチファクトを低減することが可能となる。
なお、本発明が、上記の実施形態に限定されず、適宜変更可能であることは言うまでもない。
第1の実施形態においては、乱数生成回路等からなる乱数生成部101fを用いて乱数を生成するようにしたが、これに限ることはなく、例えば、制御部101aが備えるCPUがROM内の乱数生成用プログラムを実行することによって乱数を生成するようにしても良い。
第2の実施形態においても同様である。
また、第1の実施形態においては、一の放射線画像撮影装置1が備えるA/D変換器20は全て、誤差情報が同一であるとしたが、これに限ることはなく、一の放射線画像撮影装置1が備えるA/D変換器20の中には、所定の範囲Aや所定の信号値Dなどを含む誤差情報が他のA/D変換器20と異なるA/D変換器20が含まれていてもよい。この場合、例えば、A/D変換器20の誤差情報と、当該A/D変換器20から出力されたデジタル画像データが記憶される記憶部101bの画像記憶領域内での位置(アドレス)と、がA/D変換器20ごとに対応付け可能となるよう予め構成しておけば、各A/D変換器20から出力されたデジタル画像データのDNL誤差を、対応する誤差情報に基づいて、補正することが可能となる。
第2の実施形態においても同様である。
また、第1の実施形態においては、信号値D〜Dの1箇所のみでDNL誤差が生じているとしたが、これに限ることはなく、DNL誤差は複数個所で生じていても良い。この場合、それぞれの箇所についての誤差情報を記憶手段である記憶部101bの誤差情報記憶領域に予め記憶していることとする。
第2の実施形態においても同様である。
1,1A 放射線画像撮影装置
7 放射線検出素子
17 読み出し回路
20 A/D変換器
22A 制御手段(乱数生成手段、誤差補正手段)
23A 記憶手段(記憶手段)
25A 乱数生成部(乱数生成手段)
41 無線装置(通信手段)
100 放射線画像撮影システム
101 コンソール
101a 制御手段(乱数生成手段、誤差補正手段)
101b 記憶手段(記憶手段)
101f 乱数生成部(乱数生成手段)
A 所定の範囲
所定の信号値
SP センサパネル

Claims (3)

  1. 放射線画像撮影を行う放射線画像撮影装置と、前記放射線画像撮影装置により撮影された放射線画像の画像データに対して所定の画像処理を行うコンソールと、を備える放射線画像撮影システムにおいて、
    前記放射線画像撮影装置は、
    照射された放射線の線量に応じて電荷を発生させる複数の放射線検出素子が二次元状に配列されたセンサパネルと、
    前記放射線検出素子からそれぞれ画像データを読み出す読み出し回路と、
    前記読み出し回路により読み出された画像データに対してA/D変換処理を行い、デジタル画像データを出力するA/D変換器と、
    前記A/D変換器から出力されたデジタル画像データを前記コンソールに送信する通信手段と、を備え、
    前記コンソールは、
    前記A/D変換器によるA/D変換処理に伴う微分非直線性誤差に関する誤差情報を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶されている誤差情報に基づいて乱数値を生成する乱数生成手段と、
    前記放射線画像撮影装置から送信されたデジタル画像データに対して、前記記憶手段に記憶されている誤差情報に基づき、前記微分非直線性誤差を補正する誤差補正処理を行う誤差補正手段と、を備え、
    前記A/D変換器は、前記微分非直線性誤差に起因して、所定の範囲内の信号値に対して所定の信号値を有するデジタル画像データを出力し、
    前記記憶手段は、前記誤差情報として、前記所定の範囲と、前記所定の信号値と、を含む情報を記憶し、
    前記乱数生成手段は、前記所定の範囲内の乱数値を生成し、
    前記誤差補正手段は、前記放射線画像撮影装置から送信されたデジタル画像データのうちの前記所定の信号値を有するデジタル画像データの信号値を前記乱数生成手段により生成された乱数値で置換することによって、前記誤差補正処理を行うことを特徴とする放射線画像撮影システム。
  2. 照射された放射線の線量に応じて電荷を発生させる複数の放射線検出素子が二次元状に配列されたセンサパネルと、前記放射線検出素子からそれぞれ画像データを読み出す読み出し回路と、前記読み出し回路により読み出された画像データに対してA/D変換処理を行い、デジタル画像データを出力するA/D変換器と、を備える放射線画像撮影装置から送信されたデジタル画像データに対して所定の画像処理を行うコンソールにおいて、
    前記A/D変換器によるA/D変換処理に伴う微分非直線性誤差に関する誤差情報を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶されている誤差情報に基づいて乱数値を生成する乱数生成手段と、
    前記放射線画像撮影装置から送信されたデジタル画像データに対して、前記記憶手段に記憶されている誤差情報に基づき、前記微分非直線性誤差を補正する誤差補正処理を行う誤差補正手段と、を備え、
    前記記憶手段は、前記A/D変換器が、前記微分非直線性誤差に起因して、所定の範囲内の信号値に対して所定の信号値を有するデジタル画像データを出力する場合、前記誤差情報として、当該所定の範囲と、当該所定の信号値と、を含む情報を記憶し、
    前記乱数生成手段は、前記所定の範囲内の乱数値を生成し、
    前記誤差補正手段は、前記放射線画像撮影装置から送信されたデジタル画像データのうちの前記所定の信号値を有するデジタル画像データの信号値を前記乱数生成手段により生成された乱数値で置換することによって、前記誤差補正処理を行うことを特徴とするコンソール。
  3. 照射された放射線の線量に応じて電荷を発生させる複数の放射線検出素子が二次元状に配列されたセンサパネルと、
    前記放射線検出素子からそれぞれ画像データを読み出す読み出し回路と、
    前記読み出し回路により読み出された画像データに対してA/D変換処理を行い、デジタル画像データを出力するA/D変換器と、
    前記A/D変換器によるA/D変換処理に伴う微分非直線性誤差に関する誤差情報を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶されている誤差情報に基づいて乱数値を生成する乱数生成手段と、
    前記A/D変換器から出力されたデジタル画像データに対して、前記記憶手段に記憶されている誤差情報に基づき、前記微分非直線性誤差を補正する誤差補正処理を行う誤差補正手段と、を備え、
    前記A/D変換器は、前記微分非直線性誤差に起因して、所定の範囲内の信号値に対して所定の信号値を有するデジタル画像データを出力し、
    前記記憶手段は、前記誤差情報として、前記所定の範囲と、前記所定の信号値と、を含む情報を記憶し、
    前記乱数生成手段は、前記所定の範囲内の乱数値を生成し、
    前記誤差補正手段は、前記A/D変換器から出力されたデジタル画像データのうちの前記所定の信号値を有するデジタル画像データの信号値を前記乱数生成手段により生成された乱数値で置換することによって、前記誤差補正処理を行うことを特徴とする放射線画像撮影装置。
JP2010021001A 2010-02-02 2010-02-02 放射線画像撮影システム、コンソールおよび放射線画像撮影装置 Pending JP2011158370A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010021001A JP2011158370A (ja) 2010-02-02 2010-02-02 放射線画像撮影システム、コンソールおよび放射線画像撮影装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010021001A JP2011158370A (ja) 2010-02-02 2010-02-02 放射線画像撮影システム、コンソールおよび放射線画像撮影装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011158370A true JP2011158370A (ja) 2011-08-18

Family

ID=44590439

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010021001A Pending JP2011158370A (ja) 2010-02-02 2010-02-02 放射線画像撮影システム、コンソールおよび放射線画像撮影装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011158370A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5562767B2 (ja) 放射線画像撮影システム及び放射線画像撮影方法
JP5840588B2 (ja) 放射線画像撮影装置、補正用データ取得方法およびプログラム
US8193509B2 (en) Radiation image detector
US20140241503A1 (en) Radiographic imaging system
US20130193339A1 (en) Radiation irradiation initiation determination apparatus, radiation image capturing device, radiation image capture control apparatus, radiation irradiation initiation determination method, and computer readable medium
JP2010121944A (ja) 可搬型放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システム
JP2010112866A (ja) 可搬型放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システム
JP2011193306A (ja) 放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システム
JP5630250B2 (ja) 放射線画像撮影システム
JP2010124025A (ja) 可搬型放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システム
JP5396814B2 (ja) 放射線画像撮影システム
JP7063199B2 (ja) 放射線画像撮影システム
JP5428751B2 (ja) 画像処理装置及び画像処理システム
JP2012100796A (ja) 放射線画像撮影システム及び通信システム
JP2011133302A (ja) 放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システム
JP5773048B2 (ja) 放射線画像撮影装置の補正データ生成方法及び放射線画像撮影システム
WO2011118286A1 (ja) 放射線画像撮影装置、放射線画像撮影システム、欠陥画素マップ作成方法及び欠陥画素マップ作成システム
JP5471340B2 (ja) 放射線画像撮影システム
WO2010100969A1 (ja) 放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システム
JP2011117930A (ja) 放射線画像形成装置及び放射線画像形成方法
JP5660871B2 (ja) 放射線画像検出装置および放射線の照射開始検出方法
JP2011158370A (ja) 放射線画像撮影システム、コンソールおよび放射線画像撮影装置
JP2012134781A (ja) 欠陥画素マップ作成方法、欠陥画素マップ作成システム、コンソールおよび放射線画像撮影装置
JP2010207516A (ja) 放射線画像生成システム
JP2011024809A (ja) 放射線画像撮影装置及び放射線画像撮影システム