JP2011148806A - 重症心不全の治療方法およびその薬剤 - Google Patents
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Abstract
Description
(技術分野)
本発明は、活性成分としてベンゾアゼピン化合物を含む薬剤を用いて重症心不全を治療する方法、およびそれに用いられる薬剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、式(1):
[式中、
R1は水素原子またはハロゲン原子であり、
R2は水酸基または式:−NR5R6(R5およびR6は同一または異なって、各々水素原子または低級アルキル基である)の基であり、
R3は水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、または低級アルコキシ基であり、
R4はハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基である]
のベンゾアゼピン化合物またはその医薬的に許容される塩の治療上の有効量を、治療が必要な患者に投与することからなる、重症心不全の治療方法に関する。
本発明は、活性成分としてベンゾアゼピン化合物を含む薬剤を用いて重症心不全を治療する方法、およびそれに用いられる薬剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、式(1):
R1は水素原子またはハロゲン原子であり、
R2は水酸基または式:−NR5R6(R5およびR6は同一または異なって、各々水素原子または低級アルキル基である)の基であり、
R3は水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、または低級アルコキシ基であり、
R4はハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基である]
のベンゾアゼピン化合物またはその医薬的に許容される塩の治療上の有効量を、治療が必要な患者に投与することからなる、重症心不全の治療方法に関する。
本発明はさらに、活性成分として上記ベンゾアゼピン化合物(1)を含む重症心不全の治療薬、並びに重症心不全の治療用薬剤を製造するための上記ベンゾアゼピン化合物(1)の使用を提供する。
(背景技術)
式(1)のベンゾアゼピン化合物は、バソプレシン拮抗作用を有し、血管拡張剤、降圧剤、利尿剤、血小板凝集抑制剤等として有用であることが知られており(WO 91/05549、米国特許第5,258,510号、米国特許第5,753,677号、特開平6-80641参照)、さらにこれらの化合物はまた、オキシトシン拮抗剤(WO 94/01113)、白内障治療剤(WO 94/18975、米国特許第5,827,862号)、脳浮腫治療剤(特開平8-157368、メニエール病治療剤(特開平10-120592)、または抗潰瘍剤(特開平7-188021)としても有用であることが知られている。
式(1)のベンゾアゼピン化合物は、バソプレシン拮抗作用を有し、血管拡張剤、降圧剤、利尿剤、血小板凝集抑制剤等として有用であることが知られており(WO 91/05549、米国特許第5,258,510号、米国特許第5,753,677号、特開平6-80641参照)、さらにこれらの化合物はまた、オキシトシン拮抗剤(WO 94/01113)、白内障治療剤(WO 94/18975、米国特許第5,827,862号)、脳浮腫治療剤(特開平8-157368、メニエール病治療剤(特開平10-120592)、または抗潰瘍剤(特開平7-188021)としても有用であることが知られている。
冠動脈疾患(CAD)の年齢特異的死亡率が50%減少(米国心臓協会、心臓と発作白書(Heart and Stroke facts):1996年統計別冊15ページ)していることからもわかるように、過去20年間に渡って米国における循環器疾患の予防および治療は大きく進歩しているにもかかわらず、心不全の羅患率は着実に増加してきている(Massie BM, Shah NB, The heart failure epidemic, Curr. Opin. Cardiol. 1996, 11: 221-226)。これは、米国民の高齢化とCAD患者の寿命がより長くなったことの結果によるものと考えられる。約5百万人が現在慢性うっ血性心不全を患い、毎年400,000人が新たな心不全の患者と診断されているものと見られている(Massie BM, Shah NB, The heart failure epidemic, Curr. Opin. Cardiol. 1996, 11: 221-226)。そして、患者の約20%は、毎年病状の悪化のため入院する必要がある(Decision Resources (1998)に公開の「心臓(Cardium)」)。心不全の患者の約50%が診断から5年以内に死亡することが示されている(Konstam M, Dracut K, Baker D, et al., Heart failure: evaluation and care of patients with left ventricular dysfunction, AHCRP Publication No. 94-0612, Rockville (MD): US Department of Health and Human Service; June 1994)。
米国における心不全の治療費は毎年120億ドルを超えると見積もられており、賃金および生産性の損失に関するコストを除き300億ドルになると見積もられる(Levitz KR, Lazenby HC, Cown CA, et al., National health expenditures, 1990, Health Care Fin Rev 1991, 13: 29-54; O'Connell JB, Bristow MR, Economic impact of heart failure in the United States: time for a different approach, J Heart Lung Transplant 1994, 13: 107-12)。入院費だけでも70億ドルを超す(O'Connell JB, Bristow MR, Economic impact of heart failure in the United States: time for a different approach, J Heart Lung Transplant 1994, 13: 107-12)。
心不全は左心室の機能および神経ホルモン調節の異常が特徴の複雑な臨床症候群として定義され、それらは労作不耐性、水分貯留、および寿命の減少につながる。
心不全は、臨床症状や疾患の経過に基づいて「急性心不全」および「慢性心不全」または「慢性心不全の急性憎悪期」に分類される。
心不全の治療処置は症状、すなわち慢性期か急性期かによって全く異なる。慢性心不全の治療では、残っている心不全症状の軽減および急性憎悪に陥らないように安定な状態を維持するよう治療される。一方、患者が急性憎悪に陥ってしまった場合は、病状が急速に悪化し、生命を脅かされるので、この観点から、とりあえず呼吸や血圧を制御し、強心薬を使って臨床症状を改善して安定化させ、救命を図ることが必要であり、血行動態的観点では、心拍出量の増加、循環血液量の減少、腎血流量の増加を図ることが必要である。
心不全のほとんどは原因療法で治療ができないので、症状は時間の経過とともに徐々に悪化していく。たとえ一時的な対症療法で心機能を回復するとしても、該機能は後に悪化し、根治はあり得ない。悪化の速度は、基礎疾患の種類、重症度、治療の有効性、生活環境などの種々の因子によって左右される。また、良好な回復の経過をたどりながら、患者が時には予期せぬ突然死を起こすことがある。心不全の患者は生存に関しての予後が悪い。心疾患のすべての患者のデータを含むアメリカのフラミンガム研究での統計によれば、心不全を起こしてからの50%生存率は約4年である(Kannel, WB, et al., 1982, Mckee, PA, et al., 1982)。また、ニューヨーク心臓協会の分類において、重症度Iの疾患の患者は良好な予後を示すが、重症度IVの患者では、50%生存率が1年以内、重症度IIまたはIIIの患者では、50%生存率が4年以内を示す。従って、重症心不全と診断された患者の予後は悪い(Integrated Handbook of Internal Medicine, Volume 30, 1990, Nakayma Shoten)。
(発明の開示)
本発明者らは、重症心不全の治療方法、並びにそれに有効な新規な薬物の探索研究を鋭意行ってきた。その結果として、式(1)のベンゾアゼピン化合物が重症心不全の治療に有効であることを見出し、本発明を完成した。
本発明者らは、重症心不全の治療方法、並びにそれに有効な新規な薬物の探索研究を鋭意行ってきた。その結果として、式(1)のベンゾアゼピン化合物が重症心不全の治療に有効であることを見出し、本発明を完成した。
例えば、本発明は以下の様々な態様を含む。
[1]第一の態様において、本発明は、式(1):
[式中、
R1は水素原子またはハロゲン原子であり、
R2は水酸基または式:−NR5R6(R5およびR6は同一または異なって、各々水素原子または低級アルキル基である)の基であり、
R3は水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、または低級アルコキシ基であり、
R4はハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基である]
のベンゾアゼピン化合物またはその医薬的に許容される塩の治療上の有効量を、治療が必要な患者に投与することからなる、重症心不全の新規な治療方法を提供する。
R1は水素原子またはハロゲン原子であり、
R2は水酸基または式:−NR5R6(R5およびR6は同一または異なって、各々水素原子または低級アルキル基である)の基であり、
R3は水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、または低級アルコキシ基であり、
R4はハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基である]
のベンゾアゼピン化合物またはその医薬的に許容される塩の治療上の有効量を、治療が必要な患者に投与することからなる、重症心不全の新規な治療方法を提供する。
[2]別の態様において、本発明は活性化合物(1)が1日当たり0.6mg/kg未満の用量で投与される、上記[1]の重症心不全の治療方法を提供する。
[3]別の態様において、本発明は活性化合物(1)が1日当たり0.1mg/kgから0.6mg/kg未満の用量範囲で投与される、上記[1]の重症心不全の治療方法を提供する。
[4]別の態様において、本発明は活性化合物(1)が1日当たり15mg〜45mg/個体の用量で投与される、上記[1]の重症心不全の治療方法を提供する。
[5]別の態様において、本発明は活性化合物(1)が5−ジメチルアミノ−1−[4−(2−メチルベンゾイルアミノ)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾアゼピンである、上記[1]の重症心不全の治療方法を提供する。
[6]別の態様において、本発明は活性化合物(1)が5−ヒドロキシ−7−クロロ−1−[2−メチル−4−(2−メチルベンゾイルアミノ)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾアゼピンである、上記[1]の重症心不全の治療方法を提供する。
[7]別の態様において、本発明は重症心不全が急性心不全または慢性心不全の急性憎悪期である、上記[1]の重症心不全の治療方法を提供する。
[8]別の態様において、本発明は重症心不全がニューヨーク心臓協会の分類:重症度IIIおよびIVの重症心不全である、上記[1]の重症心不全の治療方法を提供する。
[9]別の態様において、本発明は式(1)のベンゾアゼピン化合物またはその医薬的に許容される塩を活性成分として含む、重症心不全の新規な治療薬を提供する。
[10]別の態様において、本発明は活性化合物(1)が5−ジメチルアミノ−1−[4−(2−メチルベンゾイルアミノ)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾアゼピンである、上記[9]の薬物を提供する。
[11]別の態様において、本発明は活性化合物(1)が5−ヒドロキシ−7−クロロ−1−[2−メチル−4−(2−メチルベンゾイルアミノ)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾアゼピンである、上記[9]の薬物を提供する。
[12]別の態様において、本発明は活性成分の式(1)のベンゾアゼピン化合物またはその医薬的に許容される塩および通常の医薬的に許容される担体または希釈剤とからなる重症心不全の治療用医薬組成物を提供する。
[13]別の態様において、本発明は活性化合物(1)が5−ジメチルアミノ−1−[4−(2−メチルベンゾイルアミノ)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾアゼピンである、上記[12]の医薬組成物を提供する。
[14]別の態様において、本発明は活性化合物(1)が5−ヒドロキシ−7−クロロ−1−[2−メチル−4−(2−メチルベンゾイルアミノ)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾアゼピンである、上記[12]の医薬組成物を提供する。
[15]別の態様において、本発明は活性化合物(1)が、該組成物の重量に基づいて1〜70重量%の量で含まれる、上記[12]〜[14]のいずれかの医薬組成物を提供する。
[16]別の態様において、本発明は重症心不全の治療用薬物を製造するための、式(1)のベンゾアゼピン化合物またはその医薬的に許容される塩の使用を提供する。
[17]別の態様において、本発明は活性化合物(1)が5−ジメチルアミノ−1−[4−(2−メチルベンゾイルアミノ)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾアゼピンである、上記[16]のベンゾアゼピン化合物(1)またはその医薬的に許容される塩の使用を提供する。
[18]別の態様において、本発明は活性化合物(1)が5−ヒドロキシ−7−クロロ−1−[2−メチル−4−(2−メチルベンゾイルアミノ)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾアゼピンである、上記[16]のベンゾアゼピン化合物(1)またはその医薬的に許容される塩の使用を提供する。
[19]別の態様において、本発明はベンゾアゼピン化合物(1)が0.6mg/kg未満の範囲の1日投与量単位で薬剤に含まれる、上記[16]〜[18]のいずれかのベンゾアゼピン化合物(1)またはその医薬的に許容される塩の使用を提供する。
(発明を実施するための最良の形態)
本発明の重症心不全の治療方法に適した薬物は、活性成分として少なくとも1つの上式(1)のベンゾアゼピン化合物またはその医薬的に許容される塩を含む。
本発明の重症心不全の治療方法に適した薬物は、活性成分として少なくとも1つの上式(1)のベンゾアゼピン化合物またはその医薬的に許容される塩を含む。
明細書および特許請求の範囲では、上式(1)の基は以下の基を表す。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を表す。「低級アルキル」とは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基を表し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、またはヘキシルが挙げられる。
「低級アルコキシ基」とは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルコキシ基を表し、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、またはヘキシルオキシが挙げられる。
また、明細書および特許請求の範囲にある用語「重症心不全」とは、急性心不全または慢性心不全の急性憎悪期で、例えば、ニューヨーク心臓協会の分類で重症度IIIおよびIVを意味する。ニューヨーク心臓協会の分類:重症度IIIおよびIV(The Criteria Committee of the New York Heart Association: Diseases of the Heart and Blood Vessels, Nomenclature and Criteria of Diagnosis, 6th ed. P.110, Little, Brown & Co., Boston (1964))は以下のように定義される:重症度IIIの心臓疾患の患者は、身体的活動が著しく制限されることとなる。休息している場合は問題ない。身体的活動が通常以下のため、疲労、動悸、呼吸困難、または狭心痛を引き起こす。重症度IVの心臓疾患の患者は、いずれかの身体的活動を不快なく行うことができなくなる。心不全または狭心症の症状が休息中でさえあり得る。いずれかの身体的活動が行われれば、不快が増大する。
本発明の方法によれば、活性なベンゾアゼピン化合物(1)は、既存の特許(WO 91/05549)で先に特許請求されている用量よりずっと少ない量で効果がある。すなわち、化合物(1)は例えば抗潰瘍薬として用いられ、1日当たり0.6から50 mg/kg、例えば1日当たり60 mgから90 mg/個体の用量範囲で通常投与されるが、本発明者らの研究によれば、化合物(1)が1日当たりの用量が0.1mg/kgから0.6mg/kg未満の用量範囲、好ましくは1日当たり15 mgから45 mg/個体の用量で、さらに好ましくは1日当たり約30 mg/個体の用量で投与したところ、頻尿等の副作用もなく、体重の減少および尿量の増加に効果があり、それで浮腫および死亡率が改善し得、低ナトリウム血症の患者において、血清ナトリウム値の上昇が認められた。
したがって、本発明の方法によれば、予後が悪い重症心不全の患者においてでさえ、その予後が十分改善され、故に本発明の方法は重症心不全の治療に有用である。
式(1)のベンゾアゼピン化合物およびこれらの製造方法は、WO 91/05549、米国特許第5,258,510号および米国特許第5,753,677号、並びに対応の日本特許出願、特開平6-80641に開示される。
式(1)のベンゾアゼピン化合物は、医薬的に許容される酸との医薬的に許容される酸付加塩を容易に形成し得る。医薬的に許容される酸には、硫酸、塩酸、リン酸、臭化水素酸などの無機酸、および酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、安息香酸などの有機酸が含まれる。
式(1)のベンゾアゼピン化合物の中で、酸性基を有する化合物は、医薬的に許容される塩基性化合物との塩を容易に形成し得る。塩基性化合物には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウムなどの金属水酸化物;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩または炭酸水素塩;およびナトリウムメチレート、カリウムメチレートなどのアルカリ金属アルコラートが含まれる。
本発明の活性化合物(1)は通常の医薬製剤の形体で用いられる。製剤は充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤などの通常の希釈剤または担体を用いて調製される。この医薬製剤は、目的の有用性に応じて様々な形体から選択でき、その代表的な形体は、錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤など)などである。
錠剤を形成するために、例えば、賦形剤(例えば、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、キシリトール、マンニトール、エリトリトール、ソルビトール、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸など)、結合剤(例えば、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドンなど)、崩壊剤(乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖など)、崩壊抑制剤(例えば、白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油など)、吸収促進剤(例えば、四級アンモニウム塩、ラウリル硫酸ナトリウムなど)、保湿剤(例えば、グリセリン、デンプンなど)、吸着剤(例えば、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸など)、滑沢剤(例えば、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコールなど)などのようなよく知られた医薬担体が用いられる。さらに錠剤はまた、通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠あるいは二重錠、多重錠とすることもできる。丸剤を成形するに際しては、通常の担体が用いられ、例えば賦形剤(例えば、ブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオバター、硬化植物油、カオリン、タルクなど)、結合剤(例えば、アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノールなど)、崩壊剤(例えば、ラミナラン、カンテンなど)などが含まれる。坐剤を成形するに際しては、通常の担体が用いられ、例えばポリエチレングリコール、カカオバター、高級アルコール、高級アルコールエステル、ゼラチン、半合成グリセライドなどが含まれる。カプセル剤は、常法に従い、本発明の化合物および上記担体との混合物を硬ゼラチンカプセル、軟カプセルまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースカプセル(HPMCカプセル)充填して調製できる。注射剤の調製に際しては、液剤、乳剤および懸濁剤は殺菌され、好ましくは血液と等張にされる。これらの溶液、すなわち乳剤および懸濁剤の調製に際しては、例えば、水、エチルアルコール、マクロゴール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類などの通常の希釈剤が用いられる。この場合、医薬製剤にはまた、充分な量の塩化ナトリウム、ブドウ糖、またはグリセリンを混合して等張にし、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤を混合し得る。さらに、医薬製剤は必要ならば適宜、着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤および他の薬剤を混合させ得る。
本発明の医薬組成物に含有される活性化合物(1)の量は特定されず、広範囲から選択され得るが、通常組成物の重量に基づき好ましくは1〜70重量%、より好ましくは5〜50重量%の範囲である。
本発明の薬物の適当な投与方法は、様々な製剤の形体、患者の年齢、性別および他の条件、疾患の重篤さなどに応じて決定され得る。例えば、錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤およびカプセル剤は経口投与される。注射剤は単独でまたは通常の補液(例えば、ブドウ糖、アミノ酸溶液)と混合して静脈内投与され、さらに必要ならば適宜、単独で筋肉内、皮内、皮下または腹腔内投与される。坐剤は直腸内投与される。
本発明の活性化合物の投与量は、用法、患者の年齢、性別および他の条件、疾患の重篤さなどに応じて選択されるが、通常1日あたり0.6mg/kg未満、好ましくは1日当たり0.1mg/kgから0.6mg/kg未満の範囲である。適当な用量は1日当たり15mg〜45mg/個体の範囲である。
(実施例)
本発明は以下の製造例および実施例でより詳細に説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明は以下の製造例および実施例でより詳細に説明するが、これらに限定されるものではない。
製造1
本発明の活性化合物、アビセル、トウモロコシデンプンおよびステアリン酸マグネシウムを混合練合し、該混合物を通常の糖衣R10mmの杵で打錠する。このようにして得られた錠剤をヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール−6000、ヒマシ油およびエタノールからなるフィルムコーティング剤で被覆を行い、フィルムコーティング錠を製造する。
本発明の活性化合物、アビセル、トウモロコシデンプンおよびステアリン酸マグネシウムを混合練合し、該混合物を通常の糖衣R10mmの杵で打錠する。このようにして得られた錠剤をヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール−6000、ヒマシ油およびエタノールからなるフィルムコーティング剤で被覆を行い、フィルムコーティング錠を製造する。
製造2
本発明活性化合物、クエン酸、ラクトース、リン酸二カルシウム、プルロニックF−68およびラウリル硫酸ナトリウムを混合する。
上記混合物をNo.60スクリーンで篩過し、ポリビニルピロリドン、カルボワックス1500およびカルボワックス6000を含むアルコール溶液で造粒する。必要に応じてアルコールをそれに添加して粉末混合物をペースト状塊にする。トウモロコシデンプンを該混合物に添加し、均一な粒子が形成されるように混合を続ける。生じた粒子をNo.10スクリーンを通過させ、トレイに入れ、次いで100℃のオーブンで12〜14時間乾燥する。乾燥粒子をNo.16スクリーンで篩過し、それに乾燥ラウリル硫酸ナトリウムおよび乾燥ステアリン酸マグネシウムを加えて混合し、所望の形状に打錠する。
このように調製された錠剤芯部をバニシングし、タルクを散布し、湿気の吸収を防止する。錠剤芯部に下塗り層を被覆する。錠剤を経口投与するために錠剤芯部を数回バニシングする。錠剤を丸い形状で、平滑な表面するために、さらに下塗り層および滑沢剤によるコーティングがそれに適用される。所望の色合いが得られるまで錠剤を着色コーティング物質でさらに被覆する。乾燥後、被覆錠剤を磨いて均一なグロスの所望の錠剤を得る。
本発明活性化合物、クエン酸、ラクトース、リン酸二カルシウム、プルロニックF−68およびラウリル硫酸ナトリウムを混合する。
上記混合物をNo.60スクリーンで篩過し、ポリビニルピロリドン、カルボワックス1500およびカルボワックス6000を含むアルコール溶液で造粒する。必要に応じてアルコールをそれに添加して粉末混合物をペースト状塊にする。トウモロコシデンプンを該混合物に添加し、均一な粒子が形成されるように混合を続ける。生じた粒子をNo.10スクリーンを通過させ、トレイに入れ、次いで100℃のオーブンで12〜14時間乾燥する。乾燥粒子をNo.16スクリーンで篩過し、それに乾燥ラウリル硫酸ナトリウムおよび乾燥ステアリン酸マグネシウムを加えて混合し、所望の形状に打錠する。
このように調製された錠剤芯部をバニシングし、タルクを散布し、湿気の吸収を防止する。錠剤芯部に下塗り層を被覆する。錠剤を経口投与するために錠剤芯部を数回バニシングする。錠剤を丸い形状で、平滑な表面するために、さらに下塗り層および滑沢剤によるコーティングがそれに適用される。所望の色合いが得られるまで錠剤を着色コーティング物質でさらに被覆する。乾燥後、被覆錠剤を磨いて均一なグロスの所望の錠剤を得る。
製造3
上記パラベン類、メタ重亜硫酸ナトリウムおよび塩化ナトリウムを攪拌しながら80℃で上記の約半分量の蒸留水に溶解させる。このように得られた溶液を40℃まで冷却し、本発明の活性化合物、次いでポリエチレングリコールおよびポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートを、上記溶液中に溶解させる。その溶液に注射用蒸留水を加えて所望の容量に調整し、適当なフィルターペーパーを用いて滅菌濾過することにより滅菌して、注射剤を調製する。
上記パラベン類、メタ重亜硫酸ナトリウムおよび塩化ナトリウムを攪拌しながら80℃で上記の約半分量の蒸留水に溶解させる。このように得られた溶液を40℃まで冷却し、本発明の活性化合物、次いでポリエチレングリコールおよびポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートを、上記溶液中に溶解させる。その溶液に注射用蒸留水を加えて所望の容量に調整し、適当なフィルターペーパーを用いて滅菌濾過することにより滅菌して、注射剤を調製する。
実験例
(1)方法:
重症心不全患者(すなわち、急性心不全あるいは慢性心不全の急性憎悪期の患者、ニューヨーク心臓協会の分類:重症度IIIおよびIV)に、5−ヒドロキシ−7−クロロ−1−[2−メチル−4−(2−メチルベンゾイルアミノ)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾアゼピンを1日当たり30、60あるいは90mgの用量で、入院期間から開始し退院後にかけて60日間投与した(詳細は、表1に示す)。
(1)方法:
重症心不全患者(すなわち、急性心不全あるいは慢性心不全の急性憎悪期の患者、ニューヨーク心臓協会の分類:重症度IIIおよびIV)に、5−ヒドロキシ−7−クロロ−1−[2−メチル−4−(2−メチルベンゾイルアミノ)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾアゼピンを1日当たり30、60あるいは90mgの用量で、入院期間から開始し退院後にかけて60日間投与した(詳細は、表1に示す)。
(2)結果
結果を表2〜7に示す。
統計手法は、表2のデータについてはANOVA法で、表3および4のデータについてはANCOVA法で、表5のデータについてはLog−Rankテストで解析した。
この試験における投与量を1日当たり体重1kg当たりの用量に換算したところ、30mg処置群で0.371±0.096mg/kg(77例)、60mg処置群で0.769±0.205mg/kg(83例)、90mg処置群で1.149±0.283mg/kg(76例)であった(いずれも平均±標準偏差)。
その結果に示されるように、30mg処置群において、全尿排出量が増加し(表2)、体重が減少した(表3)。また、ベースライン(通常(136mEq/L未満)より低い血清ナトリウム濃度を有する患者)における低ナトリウム血症の患者は、血清ナトリウム濃度の上昇が認められた(表4)。
同試験において、入院期間から外来で投与を終了するまでの全期間の死亡率が、投与開始から死亡事象発現までの時間を考慮した解析の結果(Log−Rankテスト)、30mg投与群で対照群に比べて有意に低かった(表5)。
また、その最低用量30mgでの処置群では、高用量での処置群のデータに比べて、副作用としての頻尿の発現頻度が低く(表6)、副作用による投与中断例の割合が低くかった(表7)。結果として、本願発明化合物は、投与量を1日体重1kg当たり0.6mg以下にコントロールすることで、重症心不全の優れた治療効果を示すことが明らかになった。
結果を表2〜7に示す。
統計手法は、表2のデータについてはANOVA法で、表3および4のデータについてはANCOVA法で、表5のデータについてはLog−Rankテストで解析した。
この試験における投与量を1日当たり体重1kg当たりの用量に換算したところ、30mg処置群で0.371±0.096mg/kg(77例)、60mg処置群で0.769±0.205mg/kg(83例)、90mg処置群で1.149±0.283mg/kg(76例)であった(いずれも平均±標準偏差)。
その結果に示されるように、30mg処置群において、全尿排出量が増加し(表2)、体重が減少した(表3)。また、ベースライン(通常(136mEq/L未満)より低い血清ナトリウム濃度を有する患者)における低ナトリウム血症の患者は、血清ナトリウム濃度の上昇が認められた(表4)。
同試験において、入院期間から外来で投与を終了するまでの全期間の死亡率が、投与開始から死亡事象発現までの時間を考慮した解析の結果(Log−Rankテスト)、30mg投与群で対照群に比べて有意に低かった(表5)。
また、その最低用量30mgでの処置群では、高用量での処置群のデータに比べて、副作用としての頻尿の発現頻度が低く(表6)、副作用による投与中断例の割合が低くかった(表7)。結果として、本願発明化合物は、投与量を1日体重1kg当たり0.6mg以下にコントロールすることで、重症心不全の優れた治療効果を示すことが明らかになった。
(産業上利用)
本発明の重症心不全の治療方法は、重症心不全、すなわち、急性心不全あるいは慢性心不全の急性憎悪期の治療に極めて有効である。さらに、本発明の方法はほとんど副作用を伴わずに非常に安全である。このように、本発明は、患者にベンゾアゼピン化合物(1)もしくはその医薬的に許容される塩、および該ベンゾアゼピン化合物(1)もしくはその医薬的に許容される塩を含有する医薬組成物を投与して重症心不全を治療する方法、並びに重症心不全の治療に適した薬物の製造のための該活性化合物の使用を提供する。
本発明の重症心不全の治療方法は、重症心不全、すなわち、急性心不全あるいは慢性心不全の急性憎悪期の治療に極めて有効である。さらに、本発明の方法はほとんど副作用を伴わずに非常に安全である。このように、本発明は、患者にベンゾアゼピン化合物(1)もしくはその医薬的に許容される塩、および該ベンゾアゼピン化合物(1)もしくはその医薬的に許容される塩を含有する医薬組成物を投与して重症心不全を治療する方法、並びに重症心不全の治療に適した薬物の製造のための該活性化合物の使用を提供する。
Claims (19)
- 該活性化合物の1日当たりの用量が0.6mg/kg未満の範囲である、請求項1の重症心不全の治療方法。
- 該活性化合物の1日当たりの用量が0.1mg/kgから0.6mg/kg未満の範囲である、請求項1の重症心不全の治療方法。
- 該活性化合物の用量が1日当たり15〜45mg/個体の範囲である、請求項1の重症心不全の治療方法。
- 該活性化合物が5−ジメチルアミノ−1−[4−(2−メチルベンゾイルアミノ)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾアゼピンまたはその医薬的に許容される塩である、請求項1の重症心不全の治療方法。
- 該活性化合物が5−ヒドロキシ−7−クロロ−1−[2−メチル−4−(2−メチルベンゾイルアミノ)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾアゼピンまたはその医薬的に許容される塩である、請求項1の重症心不全の治療方法。
- 該重症心不全が急性心不全または慢性心不全の急性憎悪期である、請求項1〜6のいずれかの重症心不全の治療方法。
- 該重症心不全がニューヨーク心臓協会の分類:重症度IIIおよびIVの重症心不全である、請求項1〜6のいずれかの重症心不全の治療方法。
- 該活性化合物(1)が5−ジメチルアミノ−1−[4−(2−メチルベンゾイルアミノ)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾアゼピンまたはその医薬的に許容される塩である、請求項9の薬物。
- 該活性化合物(1)が5−ヒドロキシ−7−クロロ−1−[2−メチル−4−(2−メチルベンゾイルアミノ)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾアゼピンまたはその医薬的に許容される塩である、請求項9の薬物。
- 該活性化合物(1)が5−ジメチルアミノ−1−[4−(2−メチルベンゾイルアミノ)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾアゼピンまたはその医薬的に許容される塩である、請求項12の医薬組成物。
- 該活性化合物(1)が5−ヒドロキシ−7−クロロ−1−[2−メチル−4−(2−メチルベンゾイルアミノ)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾアゼピンまたはその医薬的に許容される塩である、請求項12の医薬組成物。
- 該活性化合物(1)またはその医薬的に許容される塩が、該組成物の重量に基づいて1〜70重量%の量で含まれる、請求項12〜14のいずれかの医薬組成物。
- 該活性化合物(1)が5−ジメチルアミノ−1−[4−(2−メチルベンゾイルアミノ)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾアゼピンまたはその医薬的に許容される塩である、請求項16のベンゾアゼピン化合物(1)またはその医薬的に許容される塩の使用。
- 該活性化合物(1)が5−ヒドロキシ−7−クロロ−1−[2−メチル−4−(2−メチルベンゾイルアミノ)ベンゾイル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾアゼピンまたはその医薬的に許容される塩である、請求項16のベンゾアゼピン化合物(1)またはその医薬的に許容される塩の使用。
- ベンゾアゼピン化合物(1)またはその医薬的に許容される塩が0.6mg/kg未満の範囲の1日投与量単位で薬剤に含まれる、請求項16〜18のいずれかのベンゾアゼピン化合物(1)またはその医薬的に許容される塩の使用。
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- 2011-03-07 JP JP2011049403A patent/JP2011148806A/ja active Pending
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