JP2011033963A - 導波路型光ゲートスイッチ及び多段導波路型光ゲートスイッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】 導波路型光ゲートスイッチ及び多段導波路型光ゲートスイッチに関し、作製上の誤差の影響を受けない、超小型の導波路型光ゲートスイッチを実現する。
【解決手段】 光導波路の一部分の複素屈折率を変化させることによって光の透過量を変化させる導波路型光ゲートスイッチであって、光導波路は、光軸方向において互いに対向する一対のコア層と、一対のコア層の間に配置された相変化材料部と、一対のコア層及び相変化材料部を覆うクラッド層とを有するとともに、相変化材料部に、相変化材料部の相を変化させる相変化手段を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】 光導波路の一部分の複素屈折率を変化させることによって光の透過量を変化させる導波路型光ゲートスイッチであって、光導波路は、光軸方向において互いに対向する一対のコア層と、一対のコア層の間に配置された相変化材料部と、一対のコア層及び相変化材料部を覆うクラッド層とを有するとともに、相変化材料部に、相変化材料部の相を変化させる相変化手段を設ける。
【選択図】 図1
Description
本発明は導波路型光ゲートスイッチ及び多段導波路型光ゲートスイッチに関するものであり、例えば、光導波路を伝播する光信号の透過量を製造誤差の影響を受けることなく超小型且つ超高速で制御するための構成に関するものである。
近年、光通信シムテムの進展に伴って光通信ネットワークが大容量化され、それに対応して様々な機能を有する光デバイスが開発されている。特に、光導波路を伝播する光信号の透過量を制御する光スイッチはキーデバイスとなる。
例えば、InGaAsP/InP系の方向性結合化型光スイッチにおいては、導波路部に電流を注入して、注入したキャリアのプラズマ効果によってコア層の屈折率を変化させる。それによって方向性結合部の結合長が変化して出力ポートが切り替わる。
しかし、このようなInGaAsP/InP系の方向性結合化型光スイッチにおいては、出力を切り替えるためには方向性結合部の長さを100μm以上にする必要があるため、小型化が困難であるという問題がある。また、切り替えるためのスイッチ速度があまり速くないという問題もある。
そこで、このような光スイッチにおいて、小型化或いはスイッチ速度の高速化の観点から相変化材料を用いて光信号のON−OFFを行う相変化光スイッチが注目を集めている(例えば、特許文献1参照)。
また、本発明者も相変化材料を用いた光スイッチを幾つか提案している(例えば、特許文献2または特許文献3参照)。例えば、相変化材料を用いた方向性結合器型光スイッチは、方向性結合部において互いに平行して延在する一対のコア層の間に相変化材料部を設けている。
この構成では、相変化材料部に電流パルスを印加することによって、結晶状態とアモルファス状態との間の相変化を行う。その結果、相変化材料の動作波長における複素屈折率(主に、実数部)が変化し、一対の導波路の光結合量が変化して出力ポートが切り替わるので光スイッチとして動作する。なお、片方の入出力導波路に着目すれば光ゲートスイッチである。
このように、方向性結合部に相変化材料部を設けることによって、方向性結合部の結合長を数μm程度にすることができ、したがって、InGaAsP/InP系の方向性結合器型光スイッチに比べて大幅な小型化が可能になる。
しかし、上述の相変化材料を用いた光スイッチの場合、相変化材料部の位置が僅かにずれたり、相変化材料の組成が僅かに設計値からずれたりするだけで導波路間の結合状態が変化することになる。したがって、作製上の誤差によって光スイッチの消光特性が劣化するという問題がある。
また、相変化材料を用いた方向性結合器型光スイッチを光ゲートスイッチとして見た場合、依然としてサイズが大きいという問題がある。
したがって、本発明は、作製上の誤差の影響を受けない、超小型の導波路型光ゲートスイッチを実現することを目的とする。
上記の課題を解決するために、
(1)本発明は、光導波路の一部分の複素屈折率を変化させることによって光の透過量を変化させる導波路型光ゲートスイッチであって、前記光導波路は、光軸方向において互いに対向する一対のコア層と、前記一対のコア層の間に配置された相変化材料部と、前記一対のコア層及び前記相変化材料部を覆うクラッド層とを有するとともに、前記相変化材料部は、前記相変化材料部の相を変化させる相変化手段を有することを特徴とする。
(1)本発明は、光導波路の一部分の複素屈折率を変化させることによって光の透過量を変化させる導波路型光ゲートスイッチであって、前記光導波路は、光軸方向において互いに対向する一対のコア層と、前記一対のコア層の間に配置された相変化材料部と、前記一対のコア層及び前記相変化材料部を覆うクラッド層とを有するとともに、前記相変化材料部は、前記相変化材料部の相を変化させる相変化手段を有することを特徴とする。
このように、相変化材料部を一対のコア層の間に配置することによって、相変化材料部の複素屈折率の変化を主として虚数部の変化として利用することができる。虚数部の変化は光吸収率の変化となるので、超小型のサイズで光の透過量を制御することが可能になる。
(2)また、本発明は、上記(1)において、 前記相変化手段として、前記相変化材料部にパルス電流を流す電流印加手段、または、前記相変化材料部に直接或いは絶縁膜を介して積層された発熱部材の少なくとも一方を備えることを特徴とする。
相変化手段としては、相変化材料部にパルス電流を流す電流印加手段、または、相変化材料部に直接或いは絶縁膜を介して積層された発熱部材のいずれを用いても良いし、或いは、両方を用いても良い。
いずれの構成を用いても、急激な温度の上昇による溶融と急冷により光吸収係数の小さなアモルファス状態となり、溶融しない程度の相対的にゆっくりとした温度上昇と徐冷によって光吸収係数の大きな結晶状態となる。
(3)また、本発明は、上記(2)において、前記相変化材料部を投影的に覆う熱拡散膜を有することを特徴とする。
相変化、即ち、アモルファス状態−結晶状態間の変化は熱的な作用によるものであるので、相変化材料部を投影的に覆う熱拡散膜を設けることによって、加熱の影響を急速に除去することができる。
(4)また、本発明は、上記(1)乃至(3)のいずれかにおいて、一対のコア層は、前記相変化材料部との対向部において、前記相変化材料部に近づくにしたがってコア層の幅が拡がるテーパ部を有することを特徴とする。
このように、相変化材料部の近傍において光導波路をテーパ導波路とすることによって、相変化材料部における光の放射損失を低減することができる。
(5)また、本発明は、上記(1)乃至(4)のいずれかにおいて、前記相変化材料部は、アモルファスシリコン、アモルファスゲルマニウム、アモルファスガリウムアンチモン、アモルファスガリウム砒素、テトラヘドラル系材料、Ge−Sb−Te系カルコゲナイド系材料、Sb−Te系カルコゲナイト材料、砒素ガラス系カルコゲナイド材料、NiO、HfO2、ZrO2、或いは、ZnOのいずれかからなることを特徴とする。
相変化材料部を構成する相変化材料としては、相変化光ディスク等で実績があり、相変化にともなう複素屈折率の変化が大きい、上述の材料が好適である。
(6)また、本発明は、上記(1)乃至(5)のいずれかにおいて、前記コア層は、シリコン、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、シリコンゲルマニウム、インジウムリン、ガリウム砒素、インジウムガリウム砒素リン、インジウムアルミニウム砒素、インジウムガリウム砒素、窒化ガリウム、或いは、砒素化窒化ガリウムのいずれかからなることを特徴とする。
コア層を構成する材料としては、半導体レーザを含む半導体光集積回路装置或いは誘電体光導波路で実績のある上述の材料が好適であり、使用する波長に応じて吸収損失の少ない材料を選択すれば良い。
(7)また、本発明は、多段導波路型光ゲートスイッチにおいて、上記(1)乃至(6)のいずれかの導波路型光ゲートスイッチを光導波路の光軸に沿って多段に接続することを特徴とする。
このように、単体の導波路型光ゲートスイッチを光導波路の光軸に沿って多段に接続することによって消光比を格別に増大することが可能になり、信頼性の高い光ゲートスイッチとすることができる。
開示の導波路型光ゲートスイッチ或いは多段導波路型光ゲートスイッチによれば、製造上の誤差の影響を受けることなく、数μmサイズの超小型で、且つ、数10ナノ秒の超高速で光導波路を導波する光信号のON−OFFの制御が可能になる。
ここで、図1及び図2を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の実施の形態の導波路型光ゲートスイッチの概念的構成図であり、図1(a)は概略的平面図であり、また、図1(b)は図1(a)におけるA−A′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図である。
図1に示すように基板1上に設けた下部クラッド層2と上部クラッド層4との間にストライプ状のコア層3を設けて光導波路を構成するとともに、コア層3の一部を相変化材料部5に置き換えて光ゲート部を構成する。この相変化材料部5には、相変化手段6が設けられている。
この相変化手段6により相変化材料部5の複素屈折率を変化させることによって、相変化材料部5の相を変化させる。この時、複素屈折率の主に実数部の変化による屈折率変化ではなく、複素屈折率の主に虚数部の変化による光吸収係数の変化によりコア層3を伝播する光信号の消光比を高速に制御する。
この場合の光導波路を構成するコア層3としては、Si、SiN、SiON、SiGe、InP、GaAs、InGaAsP、InAlAs、InGaAs、GaN、GaNAs等の半導体レーザを含む半導体光集積回路装置や誘電体導波路で実績のある材料を用いることが望ましい。材料の選択に際して、光信号の波長帯における吸収率の低い材料を選択する必要があり、例えば、1.3μm〜1.55μm帯においてはSi或いはInGaAsPが望ましい。
また、光導波路を構成する基板構造としては、コア層3を単結晶で構成するために、基板貼り合わせ技術或いはラテラルシーディング法によって形成したSOI(Semiconductor on Insulator)基板を用いることが望ましい。
また、相変化材料部5は、α−Si、α−Ge、α−GaSb、α−GaAs、α−Se等のテトラヘドラル系材料、Ge−Sb−Te系カルコゲナイド系材料、Sb−Te系カルコゲナイト材料、AsSe3或いはAsS3等のカルコゲナイド材料、NiO、HfO2、ZrO2、或いは、ZnO等の遷移金属酸化物材料等の相変化型光ディスク等で実績のある材料が望ましい。特に、相変化に伴う光吸収率の変化の大きなGe2−Sb2−Te5或いはGe6−Sb2−Te9等のGe−Sb−Te系カルコゲナイド系材料が望ましい。
この場合の材料の選択に際しては、アモルファス状態において光信号の波長帯における吸収率の低い材料を選択する必要があり、また、コア層の屈折率にマッチングした屈折率を有する材料が望ましい。
相変化手段6としては、相変化材料部5にパルス電流を流す電流印加手段或いは相変化材料部5に直接或いは絶縁膜を介して積層された発熱部材を用いれば良く、両者を併用しても良い。いずれにして、相変化手段6からの電流による熱作用或いは発熱材料による加熱による相変化を利用する。なお、電流を流す場合の電極材料としては、Au、Cu、Al、W,Mo、TaやTiNを用いれば良く、特に、高融点材料であるW,Mo、TaやTiNが望ましい。
いずれの構成を用いても、急激な温度の上昇による溶融と急冷により光吸収係数の小さなアモルファス状態となり、溶融しない程度の相対的にゆっくりとした温度上昇と徐冷によって光吸収係数の大きな結晶状態となる。
また、このような熱反応による相変化の切替えを急速に行うためには、相変化材料部5における温度を急速に排出する必要があるので、相変化材料部5を投影的に覆うように放熱体を設けることが望ましい。放熱体としてはAuやAlを用いれば良いがヒートシンク等で実績があり且つ安価なAlを用いることが望ましい。
また、コア層3は相変化材料部5の近傍においてテーパ導波路状にしても良く、相変化材料部5が透過状態における放射損失を低減することが可能である。
なお、クラッド層、特に、埋込層も兼ねる上部クラッド層の材料としては、相変化材料部5を構成する材料の拡散(マイグレーション)を防止する材料が望ましい。例えば、Ge−Sb−Te系材料の場合には、SiO2にZnSを添加したSiO2−ZnSがある。また、光ゲートスイッチの消光を確実にするためには、光ゲートスイッチを光導波路の光軸に沿って多段に接続して多段導波路構造にすれば良い。
図2は、消光比の相変化材料部長さd依存性の説明図であり、ここでは、Ge2−Sb2−Te5を相変化材料として用い、幅1.00μm、高さ0.33μmの断面を有する相変化材料部5とし、波長が1.55μmの光信号を透過させる場合の透過率と消光比をシミュレーションした結果を示したものである。なお、Ge2−Sb2−Te5の結晶状態における複素屈折率は5.1+0.5iであり、アモルファス状態における複素屈折率は3.6+0.01iである。
図に示すように、透過率〔dB〕は相変化材料部長さdの増加に伴って低下する。一方、消光比〔dB〕は、d=1.0μmまでは相変化材料部長さdの増加に伴って低下し、1.0μmを超えると飽和状態になる。但し、飽和状態になる理由は不明であるがシミュレーションの設定条件によるものと考えられる。いずれにしても、d=1.0μm以上にすることで、消光比を−30dB以下にすることができることが分かる。
以上を前提として、次に、図3乃至図9を参照して本発明の実施例1の導波路型光ゲートスイッチを説明する。図3は、本発明の実施例1の導波路型光ゲートスイッチの概略的断面図であり、図4(a)は図3におけるA−A′を結ぶ一点鎖線に沿った概略的平面図であり、また、図4(b)は図3におけるB−B′を結ぶ一点鎖線に沿った概略的断面図である。
図に示すように、多結晶シリコン基板11上に厚さが、150〜200nmのSiO2下部クラッド層12と厚さが、150〜200nmのSiO2上部クラッド層23との間に単結晶シリコンコア層14,15を設け、単結晶シリコンコア層14と単結晶シリコンコア層14の間に、Ge2−Sb2−Te5からなる相変化材料部18を設ける。
この場合の単結晶シリコンコア層14,15の断面は、幅が350〜400nmであり、高さが220nm程度である。また、相変化材料部18のサイズは、厚さが220nm程度、幅が700〜1000nm、長さdが1.0μm〜1.5μmとする。また、単結晶シリコンコア層14,15と相変化材料部18との間の間隔は50nm程度とし、相変化材料部18の構成元素が単結晶シリコンコア層14,15に直接マイグレーションすることを抑制する。
また、図4(b)に示すように、相変化材料部18には一対のTiN電極21,22が設けられ、このTiN電極21,22を覆うように相変化材料部18と単結晶シリコンコア層14,15の間隙を埋める埋込層及び上部クラッド層を兼ねるSiO2上部クラッド層23が形成されている。また、このSiO2上部クラッド層23にはTiN電極21,22の一部を露出する電極引出部24,25が設けられ、ここからTiN電極21,22を介してパルス電流が相変化材料部18に印加される。
また、SiO2上部クラッド層23の上には、相変化材料部18を覆うように厚さが、例えば、200nm〜300nm程度のAl放熱体28を設けており、相変化材料部18における発熱がAl放熱体28により急速に放熱されることになる。
例えば、相変化材料部18をアモルファス状態にして光透過状態にするためには、相変化材料部18のサイズによるが、例えば、10ナノ秒程度の短い数Vのパルス電圧を印加して電流を流し数mWのエネルギーで相変化材料部18を急速に温度上昇させて溶融したのち急冷してアモルファス状態にする。
一方、相変化材料部18を単結晶状態にする場合には、アモルファス状態にする場合により振幅の小さな電圧を100ナノ秒程度印加して、相変化材料部18を溶融しない程度に比較的ゆっくり温度上昇させたのち徐冷すれば良い。
次に、図5乃至図9を参照して、本発明の実施例1の導波路型光ゲートスイッチの製造工程を説明する。なお、各図における上段の図は概略的平面図であり、下段の図は上段の図におけるA−A′或いはB−B′を結ぶ一点鎖線に沿った概略的断面図である。
まず、図5(a)に示すように、単結晶シリコン基板11上に、SiO2下部クラッド層12となる厚さが、例えば、200nmのSiO2膜及び厚さが、例えば、220nmの単結晶シリコン層13を順次積層したSOI基板を用意する。
次いで、図5(b)に示すように、単結晶シリコン層13を例えば、幅が400nmになるようにストライプ状にエッチングするとともに、相変化材料部を形成するための間隙を形成することによって、一対の単結晶シリコンコア層14,15を形成する。
次いで、図6に示すように、相変化材料部を形成するための間隙を開口部としたレジストパターン16を形成したのち、スパッタ法で例えば、Ge2−Sb2−Te5組成のGST膜17を例えば220nmの厚さに堆積する。次に、レジストパターン16とともに、レジストパターン16上のGST膜17をリフトオフで除去することによって相変化材料部18が形成される。
次いで、図7に示すように、一端が相変化材料部18に掛かる電極パターンを開口部とするレジストパターン19を形成したのち、スパッタ法で厚さが、例えば、200nmのTiN膜20を堆積する。次に、レジストパターン19とともに、レジストパターン19上のTiN膜20をリフトオフで除去することによって一対のTiN電極21,22を形成する。
次いで、図8に示すように、全面にSiO2膜を堆積させたのち、単結晶シリコンコア層14,15の上で厚さが例えば、200nmになるようにCMP(化学機械研磨)法で平坦化する。次いで、TiN電極21,22に対する電極引出部24,25をエッチングにより形成する。
次いで、図9に示すように、相変化材料部18を覆うように例えば50μm×100μmの開口部を有するレジストパターン26を形成し、スパッタ法により厚さが、例えば、300nmのAl膜27を堆積させる。
最後に、レジストパターン26とともに、レジストパターン26上のAl膜27をリフトオフで除去してAl放熱体28を形成することによって、図3及び図4に示した導波路型光ゲートスイッチの基本構造が完成する。
このように、本発明の実施例1においては、相変化材料部の複素屈折率における主に虚数部の変化による光吸収係数の変化を利用しているので、光ゲートスイッチのサイズを1μm乃至数μmの超小型にすることができる。
また、ゲート型の光スイッチであるため、方向性結合型の光スイッチのように結合長は問題にならないので、製造誤差に対するトレランスが大きく、信頼性の高い光スイッチを構成することが可能になる。
また、相変化材料部はエネルギーを印加しないかぎり相は変化しないのでメモリ性を有していることになり、スイッチング時のみ電力を消費するので低電力化が可能になる。したがって、温度制御のためにペルチェ効果素子等を設けることが不要になる。
次に、図10及び図11を参照して本発明の実施例2の導波路型光ゲートスイッチを説明する。図10は、本発明の実施例2の導波路型光ゲートスイッチの概略的平面図であり、図11(a)は図10におけるA−A′を結ぶ一点鎖線に沿った概略的断面図であり、また、図11(b)は図10におけるB−B′を結ぶ一点鎖線に沿った概略的断面図である。この本発明の実施例2においては、相変化材料部18の相変化をアシストする発熱体を設けた以外の構成及び基本的製造工程は実施例1と同様であるので、構造を中心に説明する。
この実施例2の導波路型光ゲートスイッチにおいては、相変化材料部18の直上に例えば、TiN膜からなる発熱体31をリフトオフ法で設けたものである。そのため、相変化材料部18に電流を流す一対の電極としては高融点金属のWを用いたW電極29,30をまず形成したのちに、リフトオフ法を用いて相変化材料部18及び発熱体31を順次形成する。なお、図においては、2度のリフトオフ工程で相変化材料部18及び発熱体31を形成しているが、一度の工程で相変化材料部18及び発熱体31を形成しても良く、その場合には、同じ平面形状となる。
この場合、発熱体31には相変化材料部18に流れる電流が並列的に流れることによって、抵抗値がW等に比べて高いTiNからなる発熱体31がジュール熱によって発熱して相変化材料部18を均一に加熱して相変化をアシストする。
次に、図12及び図13を参照して本発明の実施例3の導波路型光ゲートスイッチを説明する。図12は、本発明の実施例3の導波路型光ゲートスイッチの概略的平面図であり、図13(a)は図12におけるA−A′を結ぶ一点鎖線に沿った概略的断面図であり、また、図13(b)は図12におけるB−B′を結ぶ一点鎖線に沿った概略的断面図である。この本発明の実施例3においては、相変化手段として発熱体31のみを用いた以外の構成及び基本的製造工程は実施例1と同様であるので、構造を中心に説明する。
この実施例3の導波路型光ゲートスイッチにおいては、相変化材料部18の上に、埋込層及び絶縁層を兼ねるSiO2からなる補助クラッド層32を介して、リフトオフ法によりTiN膜からなる放熱体31を形成し、放熱体31に対する一対のW電極29,30を設けたものである。
この場合、発熱体31にW電極29,30から電流を流すことによってジュール熱を発生させ、その熱によって、相変化材料部18を均一に加熱して相変化を生起する。このTiN膜等のヒータ部材は相変化材料に比べて電気抵抗の変化が少ないので、スイッチング制御が容易になる。
次に、図14を参照して本発明の実施例4の導波路型光ゲートスイッチを説明する。図14は、本発明の実施例4の導波路型光ゲートスイッチの概略的平面図である。この本発明の実施例4においては、相変化材料部18の近傍において単結晶シリコンコア層14,15をテーパ状にした以外の構成及び基本的製造工程は実施例1と同様であるので、平面図のみ示す。
この実施例4においては上述の図5(b)に示した単結晶シリコンコア層14,15の形成工程において、相変化材料部18と対向する側をテーパ導波路部33,34としたものである。この場合のテーパ導波路33,34のテーパ角は例えば1°乃至2°程度とし、相変化材料部18と対向するテーパ導波路部33,34の端部の幅を単結晶シリコンコア層14,15のコア幅の2倍乃至3倍とする。したがって、テーパ導波路部33,34の長さはテーパ角等に依存するが10μm程度となる。
このように、本発明の実施例4においては、相変化材料部18の近傍をテーパ導波路部33,34としているので、相変化材料部18が透過状態における光の放射損失を低減することができる。
次に、図15を参照して本発明の実施例5の導波路型光ゲートスイッチを説明する。図15は、本発明の実施例5の導波路型光ゲートスイッチの概略的平面図であり、上述の実施例1乃至実施例4に示した導波路型光ゲート40〜42をコア層43の光軸方向に沿って多段に配置したものである。なお、各導波路型光ゲート40〜42を配置するピッチは例えば、100μmである。
この実施例5においては、導波路型光ゲート40〜42を多段にしているので、一つの導波路型光ゲート40〜42における消光比が不十分であっても、多段にすることによって消光比を向上することが可能になり、それによって、信頼性の高い導波路型光ゲートスイッチを実現することができる。
以上、本発明の各実施例を説明してきたが、本発明は、各実施例に示した条件・構成に限られるものではない。例えば、実施例4に示したテーパ導波路は実施例2或いは実施例3にも適用されるものである。
また、実施例2或いは実施例3のように、発熱体を設ける場合には相変化材料部との上下位置関係は逆でも良い。但し、相変化材料部の光軸と単結晶シリコンコア層14,15の光軸とが一致するようにSiO2下部クラッド層に凹部形成する等の製造工程を工夫する必要がある。
また、上記の実施例4においてはテーパ導波路部と相変化材料部とを直接結合させているが、実施例1等に示したように両者の間に間隙を設けても良い。逆に、上記の実施例1乃至実施例3においても実施例4のように、単結晶シリコンコア層と相変化材料部とを直接結合させても良い。
1 基板
2 下部クラッド層
3 コア層
4 上部クラッド層
5 相変化材料部
6 相変化手段
11 シリコン基板
12 SiO2下部クラッド層
13 単結晶シリコン層
14,15 単結晶シリコンコア層
16,19,26 レジストパターン
17 GST膜
18 相変化材料部
20 TiN膜
21,22 TiN電極
23 SiO2上部クラッド層
24,25 電極引出部
27 Al膜
28 Al放熱体
29,30 W電極
31 発熱体
32 補助クラッド層
40〜42 導波路型光ゲート
43 コア層
44 上部クラッド層
2 下部クラッド層
3 コア層
4 上部クラッド層
5 相変化材料部
6 相変化手段
11 シリコン基板
12 SiO2下部クラッド層
13 単結晶シリコン層
14,15 単結晶シリコンコア層
16,19,26 レジストパターン
17 GST膜
18 相変化材料部
20 TiN膜
21,22 TiN電極
23 SiO2上部クラッド層
24,25 電極引出部
27 Al膜
28 Al放熱体
29,30 W電極
31 発熱体
32 補助クラッド層
40〜42 導波路型光ゲート
43 コア層
44 上部クラッド層
Claims (7)
- 光導波路の一部分の複素屈折率を変化させることによって光の透過量を変化させる導波路型光ゲートスイッチであって、
前記光導波路は、光軸方向において互いに対向する一対のコア層と、前記一対のコア層の間に配置された相変化材料部と、前記一対のコア層及び前記相変化材料部を覆うクラッド層とを有するとともに、
前記相変化材料部は、前記相変化材料部の相を変化させる相変化手段を有する導波路型光ゲートスイッチ。 - 前記相変化手段として、前記相変化材料部にパルス電流を流す電流印加手段、または、前記相変化材料部に直接或いは絶縁膜を介して積層された発熱部材の少なくとも一方を備えている請求項1に記載された導波路型光ゲートスイッチ。
- 前記相変化材料部を投影的に覆う熱拡散膜を有する請求項2に記載された導波路型光ゲートスイッチ。
- 前記一対のコア層は、前記相変化材料部との対向部において、前記相変化材料部に近づくにしたがってコア層の幅が拡がるテーパ部を有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の導波路型光ゲートスイッチ。
- 前記相変化材料部は、アモルファスシリコン、アモルファスゲルマニウム、アモルファスガリウムアンチモン、アモルファスガリウム砒素、テトラヘドラル系材料、Ge−Sb−Te系カルコゲナイド系材料、Sb−Te系カルコゲナイト材料、砒素ガラス系カルコゲナイド材料、NiO、HfO2、ZrO2、或いは、ZnOのいずれかからなる請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の導波路型光ゲートスイッチ。
- 前記コア層は、シリコン、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、シリコンゲルマニウム、インジウムリン、ガリウム砒素、インジウムガリウム砒素リン、インジウムアルミニウム砒素、インジウムガリウム砒素、窒化ガリウム、或いは、砒素化窒化ガリウムのいずれかからなる請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の導波路型光ゲートスイッチ。
- 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の導波路型光ゲートスイッチを光導波路の光軸に沿って多段に接続した多段導波路型光ゲートスイッチ。
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