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JP2011024820A - 歯科治療用観察システム - Google Patents

歯科治療用観察システム Download PDF

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JP2011024820A
JP2011024820A JP2009174393A JP2009174393A JP2011024820A JP 2011024820 A JP2011024820 A JP 2011024820A JP 2009174393 A JP2009174393 A JP 2009174393A JP 2009174393 A JP2009174393 A JP 2009174393A JP 2011024820 A JP2011024820 A JP 2011024820A
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Katsushige Nakamura
勝重 中村
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Mitaka Kohki Co Ltd
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Mitaka Kohki Co Ltd
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Abstract

【課題】歯科治療に好適な観察システムを提供する。
【解決手段】撮像装置15及び立体映像表示装置16を、それぞれ第1補助アーム21及び第2補助アーム22を介して、スタンド装置1の支持アーム12に支持したため、スタンド装置1によりそれぞれの位置を全体的に大きく移動させることができると共に、第1補助アーム21及び第2補助アーム22により撮像装置15等の向きを自由に変えることができる。従って、歯科治療に好適に好適であり、歯科医の治療中の疲労を軽減することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は歯科治療用観察システムに関するものである。
外科手術をする場合に、術部をカメラで撮影しながら、その映像をカメラとは別に支持された表示装置に表示して観察するシステムが知られている。カメラと表示装置を分離することにより、ドクターは接眼部を無理な姿勢で覗き込むことがなく、楽な姿勢で施術することができるため、ドクターの疲労を図ることができる(例えば、特許文献1参照)。
米国特許出願公開第2004/0036962号明細書
しかしながら、このような従来の観察システムは外科手術用には向いているが、それをそのまま歯科治療に適用することができない。すなわち、外科手術の場合は、施術中にカメラの位置を大きく移動させる必要はないが、歯科治療の場合は、治療中に何度もうがいするため、その都度カメラを大きく移動させる必要がある。また、外科手術の場合は、カメラの向きを頻繁に変更する必要はないが、歯科治療の場合は治療部位をあらゆる方向から確認する必要があるため、頻繁にカメラの向きを変更する必要がある。
本発明は、このような従来の技術に着目してなされたものであり、歯科治療に好適な観察システムを提供することを目的としている。
請求項1記載の発明は、スタンド装置の横方向に延びる支持アームの先端に、第1補助アームを介して、対象部の両眼視差を有する左右一対の映像を立体的に撮像可能な撮像装置を移動自在且つ回転自在に支持すると共に、第2補助アームを介して、内蔵された表示パネルに表示される左右一対の電子映像を一対の接眼部から立体観察可能な立体映像表示装置を移動自在且つ回転自在に支持したことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、撮像装置が単一の撮像素子を有し、該撮像素子により左右一対の映像を同時に撮像することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、第1補助アーム及び第2補助アームが、2つの平行リンクを関節部を介して連結した構造で、先端にそれぞれ撮像装置と立体映像表示装置が回転自在に取付けられていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、スタンド装置の横方向に延びる支持アームの先端に、歯科治療に必要な器具を支持可能な第3補助アームを取付けたことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、スタンド装置が、一対づつの平行な縦リンク及び横リンクを組み合わせて形成した平行リンク機構における前記一方の縦リンクの途中部分を、ベースの上部に位置するスタンド本体の回動軸点に支持し、該平行リンク機構の上側横リンクを延長して支持アームを形成すると共に、支持アームの先端に軸支した垂直な先端リンクの下端に撮像装置及び立体映像表示装置を第1補助アーム及び第2補助アームを介して支持し、該支持アームの始点となる平行リンク機構の連結軸点に、該連結軸点と同一の水平線上に位置する水平軸点及び連結軸点と同一の垂直線上に位置する垂直軸点とを有するクランク部材を軸支し、該クランク部材の水平軸点と本体の一部とを平行リンク機構の縦リンクと平行で且つ前記縦リンクの連結軸点から回動軸点までの長さと同一な長さを有する縦サブリンクにて連結すると共に、クランク部材の垂直軸点と前記先端リンクの一部とを支持アームと平行で且つ支持アームと同一の長さを有する横サブリンクにて連結し、平行リンク機構の下部に、前記回動軸点を中心とした平行リンク機構の回転方向、及び前記連結軸点を中心とした支持アームの回転方向に加わる重量を相殺するカウンタウェイトを設けた構造であることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、支持アームの先端が下向きに曲折されていることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、平行リンク機構の第1のリンク要素がスタンド本体に軸支され、他の相互に対向するリンク要素の一方にカウンタウェイトが支持され、他方に支持アームを介して先端リンクが軸支され、前記第1のリンク要素を含む第1のサブ平行リンクと前記支持アームを含む第2のサブ平行リンクとがそれぞれの1のリンク要素が相互に位置固定されて構成されるトルク伝達機構において、前記トルク伝達機構の一端をなす前記第1のサブ平行リンクのリンク要素が前記スタンド本体に位置固定され、前記トルク伝達機構の他端をなす前記第2のサブ平行リンクのリンク要素が前記支持アームに位置固定されて垂直状態を維持するスタンド装置と、前記先端アームに対して対象部の両眼視差を有する左右一対の映像を立体的に撮像可能な撮像装置を移動自在に支持する第1補助アームであって、前記先端アームに1のリンク要素が固定される第3のサブ平行リンクと前記撮像装置に1のリンク要素が位置固定される第4のサブ平行リンクとが角度変更手段によって連結されてトルク伝達機構を構成するものと、前記先端アームに対して、内蔵された表示パネルに表示される左右一対の電子映像を一対の接眼部から立体観察可能な立体映像表示装置を移動自在に支持する第2補助アームであって、前記先端アームに1のリンク要素が位置固定される第5のサブ平行リンクと前記立体映像装置に1のリンク要素が位置固定される第6のサブ平行リンクとが角度変更手段によって連結されてトルク伝達機構を構成するものとを具備することを特徴とする。
請求項8記載の発明は、前記第3のサブ平行リンクのいずれかの隣接するリンク要素を相互に固定するクラッチと、前記第4のサブ平行リンクのいずれかの隣接するリンク要素を相互に固定するクラッチとを備えることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、前記第5のサブ平行リンクのいずれかの隣接するリンク要素が相互に付勢され、前記第6のサブ平行リンクのいずれかの隣接するリンク要素が相互に付勢されることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、撮像装置及び立体映像表示装置を、それぞれ第1補助アーム及び第2補助アームを介して、スタンド装置の支持アームに支持したため、スタンド装置によりそれぞれの位置を全体的に大きく移動させることができると共に、第1補助アーム及び第2補助アームにより撮像装置等の向きを自由に変えることができる。従って、歯科治療に好適に好適であり、歯科医の治療中の疲労を軽減することができる。
請求項2記載の発明によれば、両眼視差を有する左右一対の映像を単一の撮像素子で同時に撮像するため、左右それぞれの映像のカラー調整度合いその他が完全に一致し、明瞭な立体映像を得ることができる。
請求項3記載の発明によれば、第1補助アーム及び第2補助アームが、2つの平行リンクを関節部を介して連結した構造のため、簡易な構造で、撮像装置等を必要な位置に移動自在にすることができる。また、第1補助アーム及び第2補助アームの先端に、撮像装置及び立体映像表示装置が回転自在に支持されているため、移動した位置で、撮像装置等の向きを自由に変えることができる。
請求項4記載の発明によれば、第3補助アームを有するため、撮像装置や立体映像表示装置の他にも、歯科治療に必要な器具を支持することができる。
請求項5記載の発明によれば、支持アームを垂直方向で回動させても、平行リンク機構全体を水平方向で回動させても、第1補助アーム及び第2補助アームを取付けている先端リンクは常に垂直状態が維持される。従って、撮像装置及び立体映像表示装置を、両者の姿勢及び位置関係を維持したまま、垂直方向及び水平方向へ平行移動させることができ、両者による観察が容易である。また、先端リンクの垂直状態が常に維持されているため、第1補助アーム及び第2補助アームの状態を変化させ、先端リンクから撮像装置や立体映像表示装置までの距離が変化しても、カウンタウェイトによる全体のバランス状態は不変で、再度のバランス調整が不要である。つまり、先端リンクの垂直が維持されていることにより、撮像装置や立体映像表示装置の位置が変化しても、スタンド装置におけるバランス状態はくずれない。
請求項6記載の発明によれば、支持アームの先端が下向きに曲折され、支持アーム自体の位置が先端に取付けられた第1補助アームや第2補助アームに対して斜め上方へ回避した状態になっているため、第1補助アームや第2補助アームを動かしても、支持アームと干渉しづらい。
請求項7記載の発明によれば、撮像装置及び立体映像表示装置を、それぞれ第1補助アーム及び第2補助アームを介して、スタンド装置の支持アームに支持したため、スタンド装置によりそれぞれの位置を全体的に大きく移動させることができる。さらに、第1補助アームおよび第2補助アームのリンク辺の傾斜角度がスタンド本体に対して固定されているため、負荷としての撮像装置等の基準角度が変わらないので、容易にその向きを維持しまたは変更することができる。従って、歯科治療に好適に好適であり、歯科医の治療中の疲労を軽減することができる。
請求項8記載の発明によれば、第1補助アームが第3のサブ平行リンクおよび第4のサブ平行リンクを具備するため、第1補助アームを2つのクラッチにより容易かつ確実に固定することができる。
請求項9記載の発明によれば、第2補助アームの第5のサブ平行リンクおよび第6のサブ平行リンクが付勢されることにより平行リンクの自由変形が制限され、第2補助アームを容易に操作することができる。
歯科治療用観察システムを示す全体側面図。 歯科治療用観察システムを示す分解側面図。 先端リンクに支持された撮像装置及び立体映像表示装置を示す側面図。 先端リンクに支持された撮像装置及び立体映像表示装置を示す正面図。 撮像装置の光学系を示す説明図。 立体映像表示装置を示す断面図。 歯科治療用観察システムの使用状態の一例を示す図。 歯科治療用観察システムの使用状態の他の例を示す図。
図1〜図8は、本発明の好適な一実施形態を示す図である。尚、以下の説明における「前側」と「後側」は、図1中に図示された方向性に基づいたものである。
まず、最初にスタンド装置1の説明をする。2がベースで、このベース2の下面にはロック機構付きのキャスタ3が備えてあり、このキャスタ3にてフロア4を移動できるようになっている。このベース2の上部にはスタンド本体5が設置されている。このスタンド本体5はベース2に対して水平方向で回転自在に支持されている。この回転は電磁クラッチC1によりロック及びフリー状態にすることができる。
このスタンド本体5の上部の前端側に設定した回動軸点b1に平行リンク機構6が軸支されている。この平行リンク機構6はそれぞれ2本で1組の平行な縦リンク7、8と横リンク9、10の両端を各々連結軸点b2〜b5で連結して形成したもので、この平行リンク機構6の前側の縦リンク7の下側の途中部分が前記回動軸点b1に軸支されている。この回動軸点b1も電磁クラッチ方式により、縦リンク7の前後回動方向S1での回動位置をロック及びフリー状態にすることができる。下側の横リンク10の後端部にはカウンタウェイト11が取付けられている。
平行リンク機構6の上側の横リンク9には、該横リンク9をそのまま前側へ向けて延長した支持アーム12が一体的に形成されており、その先端12aは下向きに曲折されている。下向きの曲折された先端12aに、垂直な先端リンク13が連結軸点b6にて回動自在に取付けられている。先端12aが下側に曲折されたことにより、支持アーム12は前側へ向けて斜め上方へ傾斜した状態になっている。負荷の重量バランスに関しては回動軸点b1が支点、連結軸点b6が作用点となる。
この先端リンク13の下方には、水平方向で回転自在な箱形の支持ボックス14が設けられている。この支持ボックス14に撮像装置15、立体映像表示装置16、LED照明17がそれぞれ支持されている。撮像装置15等の支持については後述する。
次に、支持アーム12の始点となっている連結軸点b5には角度変更手段としてのL字形のクランク部材18が軸支されており、このクランク部材18には連結軸点b5と同一の水平線H1に位置する水平軸点b7と、また連結軸点b5と同一の垂直線V上に位置する垂直軸点b8が設定されている。
そして、前記水平軸点b7と、回動軸点b1と同一の水平線H2上に位置する本体5の連結軸点b9とを、縦リンク7と平行で且つ同一長さの縦サブリンク19にて連結している。
また、クランク部材18の他方の垂直軸点b8と先端リンク13の上端の連結軸点b10との間を、支持アーム12(正しくは連結軸点b5から連結軸点b6を結ぶ直線)と平行で且つ該支持アーム12の長さ(連結軸点b5から連結軸点b6までの直線長さ)と同一長さの横サブリンク20にて連結している。したがって、先端リンク13が固定されるリンク辺b10−b6とスタンド本体5に固定されたリンク辺b1−b9は連結された2つの平行リンクで構成されるトルク伝達機構の両端部であり、常に一定の相対角度を成す。具体的にはリンク辺b10−b6は垂直状態(鉛直方向)を維持する。
このように、縦サブリンク19、クランク部材18、横サブリンク20を設けたことにより、スタンド装置1の電磁クラッチ類をフリーにして、回動軸点b1を中心に平行リンク機構6を前後回動方向S1へ回動させても、支持アーム12を連結軸b5を中心に垂直回動方向S2へ回動させても、或いは、それらを同時に回動させても、クランク部材18は回転しないので、先端リンク13の垂直状態は常に維持される。
このように垂直状態が維持された先端リンク13の支持ボックス14に対して、撮像装置15が第1補助アーム21を介して支持され、立体映像表示装置16が第2補助アーム22を介して支持され、LED照明17が第3補助アーム23を介して支持されている。また、支持ボックス14にはハンドルhも取付けられている。
第1補助アーム21及び第2補助アーム22は、2つの平行リンク24、26を関節部25、27を介して連結した簡単な構造で、伸縮させることにより、撮像装置15及び立体映像表示装置16を希望する位置に移動させることができる。
平行リンク24、26のそれぞれは2つの単一の平行リンクを関節部25、27を介して組み合わせてトルク伝達機構としての第1補助アーム21、第2補助アーム22を構成する。関節部25は先端リンク13側の第1の平行リンクと撮像装置15側の第2の平行リンクのそれぞれのリンク辺の相対角度を固定する。関節部27は先端リンク13側の第1の平行リンクと立体映像装置16側の第2の平行リンクのそれぞれのリンク辺の相対角度を固定する。したがって、常に垂直が維持される先端リンク13に平行リンク24、26の1つのリンク辺が固定されるため撮像装置15及び立体映像装置16を移動させてもその姿勢を維持することが容易である。さらに、角度変更手段としての関節部25、27によって固定されるリンク辺が所定の相対角度(実施形態では直角)を有することにより負荷が水平および垂直に移動してもトルクを有効に伝達することができる。
第1補助アーム21は2つの電磁クラッチC2により位置を保持する構造になっている。すなわち、先端リンク13側の第1の平行リンクの4つの連結軸のうちの1つの連結軸に連結される2つのリンク辺がクラッチC2によって固定されるとトルク伝達機構である第1の平行リンク全体が固定される。クラッチC2はいずれか1つの連結軸において隣接するリンク辺を固定すればよい。また、撮像装置15側の第2の平行リンクの4つの回動軸のうちの1つの回動軸に連結される2つのリンク辺がクラッチC2によって固定されるとトルク伝達機構である第2の平行リンク全体が固定される。
第2補助アーム22は図示せぬ内蔵バネの反力と摩擦により位置を保持する構造になっている。すなわち、第1補助アーム21と同様に先端リンク13側の第1の平行リンクおよび立体撮像装置16側の第2の平行リンクのそれぞれは4つのリンク辺により構成される。隣接するリンク辺要素に相互の摩擦力が発生し内蔵バネの張力が付与されると平行リンクの自由変形が制限され、平行リンクの構造およびリンク辺の位置が固定される。
撮像装置15及び立体映像表示装置16は、第1補助アーム21及び第2補助アーム22の先端に対して水平方向で回転自在に取付けられている。撮像装置15の水平方向での回転は電磁クラッチC3にて位置が保持される。撮像装置15の縦方向での回動は電磁クラッチC4にて位置が保持される。先端リンク13で支持されている部分の回動状態は図4に回転方向での矢印にて図示されている。また、電磁クラッチC3の回動軸はリンク辺b1−b9からリンク辺b10−b6に到るトルク伝達機構および第1補助アーム21によって常に垂直状態が維持されるため、撮像装置15が移動しても視界が傾斜しない。
第3補助アーム23は複数のアームを軸支した構造で、摩擦により状態を維持することができる。先端にはクランプ28が設けられ、LED照明17などの器具を保持することができる。
次に、撮像装置15の説明をする。撮像装置15は、内部に対物レンズ29、ズームレンズ30を備えている。治療の対象部Tから所定の輻輳角θで対物レンズ29に導かれた光束Lは、対物レンズ29を透過してから、左右の目に対応して二系統に別れ、それぞれ左右のズームレンズ30を通過した後、図示せぬプリズム等の光学要素(例えば特許2607828号)により、単一の撮像素子(CCD)31に導かれ、右目用の映像と左目用の映像を同時に撮影することができる。撮像装置15で撮像された映像は、立体映像表示装置16で観察することができる。
立体映像表示装置16は、ケース32の内部に一対の表示パネル(小型LCD)33を備え、そこに撮像装置15で撮像した対象部Tに関する両眼視差を有する一対の電子映像をそれぞれ表示している。ケース32の内部には一対の表示パネル33に対応する空間を仕切る仕切壁34が設けられ、各表示パネル33に表示された電子映像を、それぞれ対応する接眼部35の接眼レンズ(ルーペレンズ)36を介して、歯科医Dの瞳37で見ることにより、対象部Tを立体的に観察することができる。
先端リンク13に加わる前記撮像装置15や立体映像表示装置16等の全ての重量は、カウンタウェイト11と釣り合っている。従って、スタンド装置1の電磁クラッチ類をフリーにして撮像装置15及び立体映像表示装置16等を移動させ、移動先において手を離しても撮像装置15等は空中に停止する(バランスが保たれるため)。従って、撮像装置15及び立体映像表示装置16等の移動が容易である。
このバランス状態は、第1補助アーム21及び第2補助アーム22等を折り曲げたりして、支持ボックス14から撮像装置15等までの距離が変化しても保たれる。つまり、先端リンク13の垂直状態が常に維持されているため、撮像装置15等が先端リンク13に対して近づいたり或いは離れたりしても、カウンタウェイト11による全体のバランス状態は不変で、再度のバランス調整が不要である。第1補助アーム21、第2補助アーム22および先端リンク13に関するトルクは、すでに述べたリンク辺b1−b9からリンク辺b10−b6に到るトルク伝達機構によって常に補償されている。
また、撮像装置15及び立体映像表示装置16は、垂直が維持された先端リンク13の下部の支持ボックス14に支持されているため、撮像装置15及び立体映像表示装置16を、両者の姿勢及び位置関係を維持したまま、平行リンク機構6や支持アーム12を回動させることにより、垂直方向及び水平方向へ平行移動することができる。
そのため、図7に示すように患者Pが寝た状態でも対応できるし、図8のように患者Pが座った状態でも対応できる。図8は、第3補助アーム23で、LED照明17の代わりに、ミラー38を保持した例を示している。
撮像装置15及び立体映像表示装置16の位置関係を維持したたま、両者を移動させることができるため、患者Pから撮像装置15及び立体映像表示装置16をいったん外した後、再度、撮像装置15を対象部Tに合わせると、立体映像表示装置16等も元の位置に再現できる。
また、撮像装置15と立体映像表示装置16は、それぞれ、第1補助アーム21及び第2補助アーム22により独立して動かすこともできるため、一方を動かしても、他方に影響することはない。従って、歯科医Dは対象部Tを自由な方向から撮像でき、その撮像した映像を立体映像表示装置16により自由な位置で観察することができる。そのため、歯科医Dの治療中の疲労を軽減することができる。
更に、第1補助アーム21及び第2補助アーム22を自由に動かしても、支持アーム12の先端12aが下向きに曲折され、支持アーム12自体が第1補助アーム21や第2補助アーム22に対して上方へ斜めに回避した状態になっているため、第1補助アーム21や第2補助アーム22と干渉しずらい。
また、立体映像表示装置16で観察される映像は、撮像装置15の単一の撮像素子31で撮像したものなので、立体映像表示装置16の表示パネル33に表示される左右一対の電子映像はカラー調整等が完全に一致しており、明瞭な立体観察が行える。もし、左右の映像を、左右2台の撮像素子を用いて撮像したら、2台の撮像素子から送られている映像の具合が微妙にズレてしまい、長時間そのようなズレた映像を観察することにより、歯科医Dの視覚的な疲労は増し、頭痛等を訴える場合もある。しかし、本実施形態では、単一の撮像素子31で撮像するため、そのような心配はない。
1 スタンド装置
5 スタンド本体
6 平行リンク機構
7、8 縦リンク
9、10 横リンク
11 カウンタウェイト
12 支持アーム
12a 先端
13 先端リンク
15 撮像装置
16 立体映像表示装置
17 LED照明(器具)
18 クランク部材
19 縦サブリンク
20 横サブリンク
21 第1補助アーム
22 第2補助アーム
23 第3補助アーム
31 撮像素子
C1〜C4 電磁クラッチ
T 対象部
D 歯科医
P 患者
L 光束

Claims (9)

  1. スタンド装置の横方向に延びる支持アームの先端に、第1補助アームを介して、対象部の両眼視差を有する左右一対の映像を立体的に撮像可能な撮像装置を移動自在且つ回転自在に支持すると共に、
    第2補助アームを介して、内蔵された表示パネルに表示される左右一対の電子映像を一対の接眼部から立体観察可能な立体映像表示装置を移動自在且つ回転自在に支持したことを特徴とする歯科治療用観察システム。
  2. 撮像装置が単一の撮像素子を有し、該撮像素子により左右一対の映像を同時に撮像することを特徴とする請求項1記載の歯科治療用観察システム。
  3. 第1補助アーム及び第2補助アームが、2つの平行リンクを関節部を介して連結した構造で、先端にそれぞれ撮像装置と立体映像表示装置が回転自在に取付けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の歯科治療用観察システム。
  4. スタンド装置の横方向に延びる支持アームの先端に、歯科治療に必要な器具を支持可能な第3補助アームを取付けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯科治療用観察システム。
  5. スタンド装置が、
    一対づつの平行な縦リンク及び横リンクを組み合わせて形成した平行リンク機構における前記一方の縦リンクの途中部分を、ベースの上部に位置するスタンド本体の回動軸点に支持し、
    該平行リンク機構の上側横リンクを延長して支持アームを形成すると共に、支持アームの先端に軸支した垂直な先端リンクの下端に撮像装置及び立体映像表示装置を第1補助アーム及び第2補助アームを介して支持し、
    該支持アームの始点となる平行リンク機構の連結軸点に、該連結軸点と同一の水平線上に位置する水平軸点及び連結軸点と同一の垂直線上に位置する垂直軸点とを有するクランク部材を軸支し、
    該クランク部材の水平軸点と本体の一部とを平行リンク機構の縦リンクと平行で且つ前記縦リンクの連結軸点から回動軸点までの長さと同一な長さを有する縦サブリンクにて連結すると共に、クランク部材の垂直軸点と前記先端リンクの一部とを支持アームと平行で且つ支持アームと同一の長さを有する横サブリンクにて連結し、
    平行リンク機構の下部に、前記回動軸点を中心とした平行リンク機構の回転方向、及び前記連結軸点を中心とした支持アームの回転方向に加わる重量を相殺するカウンタウェイトを設けた構造であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の歯科治療用観察システム。
  6. 支持アームの先端が下向きに曲折されていることを特徴とする請求項5記載の歯科治療用観察システム。
  7. 平行リンク機構の第1のリンク要素がスタンド本体に軸支され、他の相互に対向するリンク要素の一方にカウンタウェイトが支持され、他方に支持アームを介して先端リンクが軸支され、
    前記第1のリンク要素を含む第1のサブ平行リンクと前記支持アームを含む第2のサブ平行リンクとがそれぞれの1のリンク要素が相互に位置固定されて構成されるトルク伝達機構において、前記トルク伝達機構の一端をなす前記第1のサブ平行リンクのリンク要素が前記スタンド本体に位置固定され、前記トルク伝達機構の他端をなす前記第2のサブ平行リンクのリンク要素が前記支持アームに位置固定されて垂直状態を維持するスタンド装置と、
    前記先端アームに対して対象部の両眼視差を有する左右一対の映像を立体的に撮像可能な撮像装置を移動自在に支持する第1補助アームであって、前記先端アームに1のリンク要素が固定される第3のサブ平行リンクと前記撮像装置に1のリンク要素が位置固定される第4のサブ平行リンクとが角度変更手段によって連結されてトルク伝達機構を構成するものと、
    前記先端アームに対して、内蔵された表示パネルに表示される左右一対の電子映像を一対の接眼部から立体観察可能な立体映像表示装置を移動自在に支持する第2補助アームであって、前記先端アームに1のリンク要素が位置固定される第5のサブ平行リンクと前記立体映像装置に1のリンク要素が位置固定される第6のサブ平行リンクとが角度変更手段によって連結されてトルク伝達機構を構成するものと
    を具備することを特徴とする歯科治療用観察システム。
  8. 前記第3のサブ平行リンクのいずれかの隣接するリンク要素を相互に固定するクラッチと、前記第4のサブ平行リンクのいずれかの隣接するリンク要素を相互に固定するクラッチとを備えることを特徴とする請求項7記載の歯科治療用観察システム。
  9. 前記第5のサブ平行リンクのいずれかの隣接するリンク要素が相互に付勢され、前記第6のサブ平行リンクのいずれかの隣接するリンク要素が相互に付勢されることを特徴とする請求項7記載の歯科治療用観察システム。
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