JP2011094186A - キャップ用アルミニウム合金板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】質量%で、Mg:1.55〜1.85%、Mn:0.20%以下、Si:0.05〜0.15%、Fe:0.50%以下、Cu:0.03%以下、Zn:0.03%以下、Ti:0.03%以下、Cr:0.03%以下を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなる組成を有し、板厚が0.21〜0.23mmであり、結晶粒がファイバー状組織を有し、3μm以上の大きさの金属間化合物が300個/mm2未満であり、引張強さが205〜225MPaである。
【選択図】 なし
Description
そのキャップの材料として、例えばJIS5154等のAl−Mg系のアルミニウム合金などが使用されている(例えば、特許文献1〜3を参照。)。
また、アルミニウム合金板をプレス加工により深絞りすると、その開口端部に材料の異方性が原因で耳が生じる。この耳は、板厚を薄くするほど生じ易くなる。また、大きな耳が発生すると、アルミニウム合金板に施した印刷面が部分的に伸ばされて変形することにより、製品としての外観を損なう不具合を生じる。
まず、キャップ用アルミニウム合金の実施形態について説明する。このアルミニウム合金は、質量%で、Mg:1.55〜1.85%、Si:0.05〜0.15%、Mn:0.20%以下、Fe:0.50%以下、Cu:0.03%以下、Zn:0.03%以下、Ti:0.03%以下、Cr:0.03%以下を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなる組成を有し、板厚が0.21〜0.23mmであり、結晶粒がファイバー状組織を有し、3μm以上の大きさの金属間化合物が300個/mm2未満であり、引張強さが205〜225MPaとされる。
(Mg:1.55〜1.85%)
Mgは、アルミニウム合金の強度を向上させるのに必要な元素である。しかしながら、Mgが1.55%未満であると、薄肉化されたアルミニウム合金の強度を向上させる効果が不十分となり、Mgが1.85%を超えると、強度が高くなりすぎて加工性が悪くなる。したがって、Mgは、1.55〜1.85%の範囲で含有することが好ましく、より好ましくは1.6〜1.7%の範囲である。
Siは、MnやFeと化合物を形成して晶出物を形成するために、深絞り性を向上させる元素である。しかしながら、Siが0.05%未満であると、その効果に乏しく、0.15%を超えると晶出物が多くなって逆に深絞り性が悪くなる。したがって、Siは、0.05〜0.15%の範囲で添加することが好ましい。
Mnは、アルミニウム合金の強度を向上させる元素であるので、必要に応じて添加するとよい。しかしながら、Mnが0.20%を超えると、加工性が悪くなる傾向にある。このため、Mnは、0.20%以下の範囲で含有することが好ましく、より好ましくは0.05〜0.15%の範囲である。
Feは、アルミニウム合金の強度を向上させる元素であるので、必要に応じて添加するとよい。しかしながら、Feが0.50%を超えると、深絞り性や耐食性が低下する傾向にある。このため、Feは、0.50%以下の範囲で添加することが好ましく、より好ましくは0.1〜0.3%の範囲である。
Cuは、アルミニウム合金の強度を向上させる効果はあるが、含有量が多過ぎると強度が高くなり過ぎる。また、Crは、耳率の低減に効果があり、TiやZnは結晶粒を微細化して成形性を向上させる効果があるが、これらの含有量が多過ぎると、アルミニウム合金の強度が高くなり過ぎてしまい、かえって成形性が悪くなる。したがって、これら金属をCu:0.03%以下、Zn:0.03%以下、Ti:0.03%以下、Cr:0.03%以下とすることにより、キャップ材としての引張強さを維持しつつそのばらつきを抑制することができる。
溶湯からスラブを得た後、このスラブに熱間圧延加工、冷間圧延加工を複数回施し、これら圧延の前後に必要に応じて均質化処理と中間焼鈍を行い、中間焼鈍後に更に冷間圧延加工を複数回施し、最終調質焼鈍を行う。
また、この50〜70%の最終冷延率で最終冷間圧延を行うことにより、結晶粒がファイバー状組織となり易く、目的とする強度を得ることができる。
なお、この最終調質焼鈍の加熱方法については、バッチ式、連続焼鈍ラインなどの方式があるが、バッチ式の方が均一な焼きなまし効果が得られるので好ましく、保持時間としては2〜6時間程度とされる。
先ず、表1に示す各組成成分を有するアルミニウム合金を溶製し、スラブに鋳造した。次に、560℃×4時間の均質化処理を行い、熱間圧延で板厚6mmとした。次に、冷間圧延、連続焼鈍炉(420℃)で中間焼鈍を行い、最終冷延率を50〜70%の範囲で複数種類設定して最終板厚0.21〜0.23mmの範囲内となるまで冷間圧延を行った。最後に210〜260℃の温度範囲内で適宜の温度を設定して保持時間が4時間の調質焼鈍を行った。このようにして、実施例として、成分組成、最終冷延率、調質焼鈍温度の異なる試料1〜8のアルミニウム合金板を得た。また、比較例として、本発明の範囲から外れる成分組成、最終冷延率、調質焼鈍温度のものについても作製し、試料9〜12とした。
なお、耳率は、ダイス径33.7mm、ポンチ径33mm、ポンチ肩R4mmの金型を用い、ブランク径65mm、絞り比1.97の条件で深絞り試験を行い、そのとき測定した耳の高さから算出した。
これに対して、比較例(試料9〜12)は、耳率が大きく、所望の引張強さを得ることはできなかった。その断面組織も、粒状に近い組織であり、長手方向の結晶サイズが小さすぎるために、引張強さが低くなっており、耳率も低く抑えることができなかった。
Claims (2)
- 質量%で、Mg:1.55〜1.85%、Mn:0.20%以下、Si:0.05〜0.15%、Fe:0.50%以下、Cu:0.03%以下、Zn:0.03%以下、Ti:0.03%以下、Cr:0.03%以下を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなる組成を有し、
板厚が0.21〜0.23mmであり、結晶粒がファイバー状組織を有し、3μm以上の大きさの金属間化合物が300個/mm2未満であり、引張強さが205〜225MPaであることを特徴とするキャップ用アルミニウム合金板。 - 請求項1に記載のキャップ用アルミニウム合金板を製造する方法であって、
スラブに熱間圧延後、冷間圧延を行うとともに、最終冷延率を50〜70%とし、最終冷延後に210〜260℃の最終調質焼鈍を行うことを特徴とするキャップ用アルミニウム合金板の製造方法。
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