JP4995494B2 - 広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板及びその製造方法 - Google Patents
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さらにまた、急速加熱冷却による最終焼鈍条件を限定した先行技術(特許文献4参照)においても、引張強さの最大が185MPaであり、強度が低すぎる。
Mg:0.8%(質量%、以下同じ)以上1.5%以下、及びMn:0.25%以上0.60%以下を含有し、残部が不可避的不純物及びアルミニウムからなる化学組成を有し、
上記Mgの含有量と上記Mnの含有量との比(Mg含有量/Mn含有量)が、2.0以上5.0以下であり、
上記アルミニウム合金板の元板の引張強さが200〜250MPa、耐力が170〜220MPaであり、
かつ、上記元板に対して、200℃の温度で10分間保持する熱処理を施した空焼板の引張強さが200〜250MPa、耐力が160〜210MPa、伸びが5%以上であり、
上記元板及び上記空焼板の加工硬化指数(以下、n値とする)がともに0.07以上0.12以下であることを特徴とする広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板にある(請求項1)。
上記Mg含有量が0.8%未満の場合には、高内圧の内容物対応あるいはゲージダウン対応には強度不足になるため、広口ボトル缶キャップ(以下、適宜、単にキャップという。)として所定の耐圧強度が得られないという問題や、ネジ部の剛性不足によりネジ部が変形してキャップがボトルから外れるキャップ飛びのおそれがあり、伸びが得にくい、結晶粒が大きくなり、肌荒れが発生するという問題がある。
この場合には、加工硬化が適当になり、伸びを確保するとともに高強度化することができるため、高強度で開栓性の良いキャップを安定して成形することができる。
上記元板の引張強さ及び耐力が上記範囲にないと、空焼後に目的とする強度を得ることが困難となる。
この場合には、加工硬化を抑制し、所定の伸びを確保することができる。
上記n値は、「JIS Z 2253 薄板金属材料の加工硬化指数試験方法」によって求めることができる。
鋳塊を均質化熱処理した後、熱間圧延により板を形成し、焼鈍を行うかまたは行わず、冷間圧延、焼鈍、冷間圧延を順次行って製品板厚のアルミニウム合金板とし、
その後、該アルミニウム合金板に対して安定化処理を行うに当たり、その安定化処理温度は、180〜260℃の範囲内であると共に、該安定化処理温度と、上記アルミニウム合金板のMn含有量に対するMg含有量の比との積が900未満となる条件を満たす温度とすることを特徴とする広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板の製造方法にある(請求項6)。
上記安定化処理温度と、上記Mg含有量/Mn含有量は、加工硬化に影響を与える。そのため、相乗効果に上限を与えることで、加工硬化を抑制し、所定の伸びを確保することができる。そのため、開栓性に優れ、高強度かつ加工硬化し難い広口ボトル缶キャップ用アルミニウム合金板を得ることができる。
この場合には、高強度の天面部を有し、側壁部の加工硬化が抑制されるため、高強度で成形性及び開栓性の良いキャップを得ることができる。
なお、鋳塊組織微細化剤としてAl−Ti−B中間合金を添加する場合は、Bが含有されるが、Bは0.02%以下の範囲で添加されるのが好ましい。
45°耳高さ=A、135°耳高さ=B、225°耳高さ=C、315°耳高さ=D、
45°と135°の間の最小の谷高さ=E、
135°と225°の間の最小の谷高さ=F、
225°と315°の間の最小の谷高さ=G、
315°と45°の間の最小の谷高さ=H、
耳部の平均:M45=(A+B+C+D)/4、
谷部の平均:V45=(E+F+G+H)/4とすると、
耳率=〔(M45−V45)/{(M45+V45)/2}〕×100(%)
0°耳高さ=A’、90°耳高さ=B’、180°耳高さ=C’、270°耳高さ=D’、0°と90°の間の最小の谷高さ=E’、
90°と180°の間の最小の谷高さ=F’、
180°と270°の間の最小の谷高さ=G’、
270°と0°の間の最小の谷高さ=H’、
耳部の平均:M’=(A’+B’+C’+D’)/4、
谷部の平均:V’=(E’+F’+G’+H’)/4とすると、
耳率=〔(M’−V’)/{(M’+V’)/2}〕×100(%)
カップの平均高さ=P(開口端の高さを1000点測定した平均高さ)、
0°耳高さ=Q、180°耳高さ=R、
耳部の平均:S=(Q+R)/2、
耳率={(S−P)/P}×100(%)
広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板の板厚は、本発明の課題であるキャップの耐圧に影響を与える。板厚が厚いほど耐圧強度は大きくなるが、省資源の点からは板厚は薄い方が好ましい。本発明では、上記のごとく高強度化を図ることによって、所定の耐圧強度を保ちながら板厚を薄くすることが可能となる。
本発明の広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板にかかる実施例について説明する。
本例では、本発明の実施例としての試料E1〜試料E6と比較例としての試料C1〜試料C12を作製し、これらを供試材として後述する各種評価を実施した。
表2、図1より知られるごとく、本発明の比較例としての試料C1〜試料C7は、Mgの含有量、Mnの含有量、Mg含有量/Mn含有量のうち、少なくとも一つが本発明の範囲から外れていることが分かる。
表3、図2より知られるごとく、本発明の比較例としての試料C8〜試料C12は、安定化処理温度、(Mg含有量/Mn含有量)×安定化処理温度の少なくとも一方が本発明の範囲を外れていることが分かる。
<機械的性質>
「JIS Z 2201 金属材料引張試験片」の5号試験片にて、「JIS Z 2241 金属材料引張試験方法」に準じて引張試験を行った。
上述したように、「JIS Z 2253 薄板金属材料の加工硬化指数試験方法」に準じて行った。
得られたカップについてすそ部硬さ/天面部硬さ、耳率の評価試験を行った。
<すそ部硬さ/天面部硬さ>
カップ中央部の圧延平行断面にて樹脂埋め研磨した天面部、及び先端から2mmの位置のすそ部にて、ビッカース硬さHV0.1(「JIS Z 2244 ビッカース硬さ試験−試験方法」)を測定した。
上記機械的性質及び、すそ部硬さ/天面部硬さが本発明の範囲内である場合には、高強度で開栓性の良いキャップであると言うことができる。
耳率は、前述の条件により成形したカップを、前述の式から、45°方向4箇所(A方向)の耳の耳率、あるいは0°、90°、180°、270°方向4箇所(B方向)の耳の耳率、及び0°と180°方向2箇所の耳の耳率を測定した。
表4〜表6にこれらの評価結果を示す。
そのため、開栓性に優れ、高強度かつ加工硬化し難い広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板を得ることができた。
また、本発明の比較例としての試料C3は、Mnの含有量が本発明の下限を下回ったため、元板及び空焼板の引張強さ、及び耐力が本発明の下限を下回り、不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C5は、Mgの含有量が本発明の下限を下回ったため、元板および空焼板の引張強さ、元板の耐力が本発明の下限を下回り、不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C10及び試料C12は、(Mg含有量/Mn含有量)×安定化処理温度が本発明の上限を上回ったため、空焼板のn値が本発明の上限を上回り、その結果、すそ部硬さ/天面部硬さが本発明の好ましい範囲の上限を上回り、不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C11は、(Mg含有量/Mn含有量)×安定化処理温度が本発明の上限を上回ったため、すそ部硬さ/天面部硬さが本発明の好ましい範囲の上限を上回り、不合格であった。
Claims (6)
- 塗装・印刷後に、直径28mmを超える円筒状のカップに成形し、該カップの耳部をトリミングした後、裾部にミシン目を加工し、その後、内容物が充填された飲料容器のネジ部に巻き締めされる広口ボトル缶キャップ用のアルミニウム合金板であって、
Mg:0.8%(質量%、以下同じ)以上1.5%以下、及びMn:0.25%以上0.60%以下を含有し、残部が不可避的不純物及びアルミニウムからなる化学組成を有し、
上記Mgの含有量と上記Mnの含有量との比(Mg含有量/Mn含有量)が、2.0以上5.0以下であり、
上記アルミニウム合金板の元板の引張強さが200〜250MPa、耐力が170〜220MPaであり、
かつ、上記元板に対して、200℃の温度で10分間保持する熱処理を施した空焼板の引張強さが200〜250MPa、耐力が160〜210MPa、伸びが5%以上であり、
上記元板及び上記空焼板の加工硬化指数(以下、n値とする)がともに0.07以上0.12以下であることを特徴とする広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板。 - 請求項1において、上記空焼板に対して、絞り加工を行って形成したキャップの天面部の硬さに対するすそ部の硬さの比が1.05〜1.15であることを特徴とする広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板。
- 請求項1において、上記アルミニウム合金板の化学組成は、さらに、Cu:0.01〜0.24%、Cr:0.01〜0.05%、Zn:0.01〜0.25%、Si:0.01〜0.30%、Fe:0.01〜0.50%、Ti:0.005〜0.05%のうち1種または2種以上を含むことを特徴とする広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板。
- 請求項1〜3のいずれか一項において、上記元板又は上記空焼板の耳率試験に使用する絞りカップの開口部に発生する耳のうち、圧延方向に対し、45°の方向の4箇所あるいは0°、90°、180°、270°方向の4箇所に発生する耳の耳率が2.0%以下であり、かつ圧延方向に対し、0°と180°方向の2箇所に発生する耳の耳率が2.0%以下であることを特徴とする広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板。
- 請求項1〜4のいずれか一項において、上記アルミニウム合金板の板厚が0.20〜0.26mmであることを特徴とする広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板。
- 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板を製造する方法であって、
鋳塊を均質化熱処理した後、熱間圧延により板を形成し、焼鈍を行うかまたは行わず、冷間圧延、焼鈍、冷間圧延を順次行って製品板厚のアルミニウム合金板とし、
その後、該アルミニウム合金板に対して安定化処理を行うに当たり、その安定化処理温度は、180〜260℃の範囲内であると共に、該安定化処理温度と、上記アルミニウム合金板のMn含有量に対するMg含有量の比との積が900未満となる条件を満たす温度とすることを特徴とする広口ボトル缶キャップ用高強度アルミニウム合金板の製造方法。
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