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JP2011041971A - はんだ供給装置及びはんだ供給方法 - Google Patents

はんだ供給装置及びはんだ供給方法 Download PDF

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JP2011041971A
JP2011041971A JP2009193130A JP2009193130A JP2011041971A JP 2011041971 A JP2011041971 A JP 2011041971A JP 2009193130 A JP2009193130 A JP 2009193130A JP 2009193130 A JP2009193130 A JP 2009193130A JP 2011041971 A JP2011041971 A JP 2011041971A
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Seiichi Takasu
誠一 高須
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Canon Machinery Inc
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Canon Machinery Inc
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Abstract

【課題】はんだ被巻回体に巻回されたワイヤ状のはんだを供給する際に、高品質なはんだを正確な量で供給することができるはんだ供給装置及びはんだ供給方法を提供する。
【解決手段】はんだ被巻回体3に巻回されたワイヤ状のはんだSが、少なくともはんだ被巻回体のはんだ送出口乃至その近傍で高温状態とされて、基板Fに供給されるはんだ供給装置である。はんだ被巻回体3から送出されるはんだSを挟持して、はんだSを送り出す送出手段5と、送出手段5のはんだ挟持部とはんだ被巻回体3のはんだ送出口15との間の、少なくともはんだ被巻回体3のはんだ送出口15乃至その近傍におけるはんだSを非酸化性雰囲気とする雰囲気調整機構1を備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、はんだ供給装置及びはんだ供給方法に関するものである。
リードフレーム等の基板へ半導体チップ等の電子部品を実装する際、基板上へはんだを供給し、このはんだ上に半導体チップをボンディングする方法があり、はんだには、スプールに巻回されたワイヤ状のはんだが用いられる場合がある。このワイヤ状のはんだを、基板に定量的に供給する装置として、例えば図7に示す装置が提案されている(特許文献1)。
図7に示すはんだ供給装置は、はんだ送りユニット40aと、はんだ供給ユニット40bを有する。はんだ送りユニット40aは、はんだ供給ユニット40bにはんだSを送り出すものであり、はんだ被巻回体(スプール)41を回転させる図示省略のモータと、はんだを下方へガイドするはんだガイド42等を備えている。
また、はんだ供給ユニット40bは、XYテーブルである支持体43と、この支持体43の側面に設けられた作業ヘッド44と、この作業ヘッド44に設けられた一対のローラ45a、45b等を備えている。一方のローラ45aの外周には、ガイド溝が形成されている。
はんだSを供給する際は、はんだ送りユニット40aにてスプール41を回転させて、はんだSを送出する。そして、はんだ送りユニット40aから送出されたはんだSは、ローラ45aのガイド溝に挿通され、他方のローラ45bがガイド溝25に対してはんだSを押圧することにより、一対のローラ45a、45bではんだを挟持する。この状態で、ローラ45a、45bをはんだ送り方向に回転駆動させると、両ローラ45a、45bで挟持されたはんだ2が下方に送られる。このようにして、ローラ45a、45bを駆動してはんだSを定量ずつ基板Fへ送り出す。
また、従来には、はんだ送りユニット40aを設けないはんだ供給装置もある。すなわち、スプール41を一対のローラ45a、45b上に配設し、スプールのはんだ送出口からローラ45a、45bのはんだ挟持部までが直線状となる。そして、ローラ45a、45bの回転力のみで、はんだSに対して下方への送り力を付与し、はんだSを基板Fに供給するものもある。
特開2007−136507号公報
ところで、従来、はんだを構成するはんだ材料は、鉛を主成分にしたPb−1〜10%Snの鉛はんだが使用されているが、鉛フリー化に伴い鉛を用いないSn、Zn、Ag、Cu、Bi、Al、Sb等の材料からなる鉛フリーのはんだの使用が一般的となりつつある。
この鉛フリーのはんだは、はんだ材料の剛性率が鉛はんだと比較して高く、硬質かつ脆い性質を持っている。このため、スプールからはんだを送出する際、はんだの巻きぐせが起因する等して、スプールから送出した途端にはんだが折れて、はんだを供給できないという問題があった。そこで、はんだの折れを防止するために、はんだを高温状態として硬度を下げる方法がある。
しかしながら、高温状態のはんだは酸化し易い。はんだが酸化すると、溶融したり、不純物が発生する等して、はんだの供給量が正確でなくなったり、供給するはんだの品質が低下したりして、接合の品質低下が生じるおそれがある。特に、硬質かつ脆いはんだは、積極的に加熱を行って硬度を低下させて、折れ防止を図る場合がある。このように、はんだを加熱する場合は、加熱手段の加熱により発生した高温雰囲気にて、はんだの酸化が促進され易い。
本発明は上記課題に鑑みて、はんだ被巻回体に巻回されたワイヤ状のはんだを供給する際に、高品質なはんだを正確な量で供給することができるはんだ供給装置及びはんだ供給方法を提供する。
本発明のはんだ供給装置は、はんだ被巻回体に巻回されたワイヤ状のはんだが、少なくともはんだ被巻回体のはんだ送出口乃至その近傍で高温状態とされて、基板に供給されるはんだ供給装置において、前記はんだ被巻回体から送出されるはんだを挟持して、はんだを送り出す送出手段と、送出手段のはんだ挟持部と、はんだ被巻回体のはんだ送出口との間の、少なくともはんだ被巻回体のはんだ送出口乃至その近傍におけるはんだを非酸化性雰囲気とする雰囲気調整機構を備えたものである。
本発明のはんだ供給装置によれば、はんだ被巻回体のはんだ送出口乃至その近傍で、高温状態となったはんだは軟化して硬さ及び脆さが低減される。この場合、はんだ被巻回体のはんだ送出口乃至その近傍を非酸化性雰囲気とするため、高温状態のはんだが酸化されるのを防止することができる。これにより、はんだの溶融、及び酸化による不純物の発生を抑えることができる。ここで、高温状態とは、常温よりも高い温度を意味しており、送出時と送出前とで温度差が生じていることをいう。
前記雰囲気調整機構は、非酸化性ガスを供給して非酸化性雰囲気とするガス供給手段を備えたものとすることができる。
前記雰囲気調整機構は、少なくともはんだ被巻回体のはんだ送出口乃至その近傍におけるはんだを加熱して折れを防止する加熱手段をさらに備え、前記加熱手段の加熱部を、はんだ被巻回体のはんだ送出口乃至その近傍に設け、前記加熱部にて、はんだ送出口乃至その近傍のはんだを挟持状又は包囲状として、前記加熱手段の加熱にて発生した高温雰囲気を非酸化性雰囲気とすることができる。前記雰囲気調整機構は、少なくともはんだ被巻回体のはんだ送出口乃至その近傍におけるはんだを加熱する加熱手段をさらに備え、この加熱手段の加熱により発生した高温雰囲気を非酸化性雰囲気とするものとできる。特にはんだの硬度が高く、かつ脆い材質である場合に、はんだ被巻回体のはんだ送出口乃至その近傍を積極的に加熱することにより、はんだを軟化させて、硬さ及び脆さを低減させることができる。このように、加熱手段の加熱により発生した高温雰囲気にて、はんだの酸化が促進され易い環境下であっても、はんだ被巻回体のはんだ送出口乃至その近傍を非酸化性雰囲気としてはんだの酸化を防止することができる。この場合、はんだ送出口乃至その近傍のはんだを、加熱部にて挟持状又は包囲状としているので、送出すべき方向にはんだを導くことができ、はんだの巻きぐせを解消することができる。また、複数の方向からはんだを加熱することができる。
前記加熱部を、チューブ状又は板状とすることができる。
前記はんだ被巻回体を包囲する収納室を備え、この収納室に、前記ガス供給手段のガス吹出口を設けて収納室内を非酸化性雰囲気とすることができる。
前記送出手段は、水平方向に移動するものであって、前記収納室のはんだ出口には、送出手段の移動方向に追従してはんだを送出手段に向けて案内するガイド体を設けることができる。すなわちガイド体は可撓性を有するものとなって、送出手段とはんだ被巻回体のはんだ送出口とが水平方向に沿ってずれても、ガイド体にてはんだを送出手段に案内することができる。しかも、ガイド体の内部まで非酸化性雰囲気とすることができるため、非酸化性雰囲気となる範囲を拡大することができる。
本発明のはんだ供給方法は、はんだ被巻回体に巻回されたワイヤ状のはんだを、少なくともはんだ被巻回体のはんだ送出口乃至その近傍で高温状態とされて、基板に供給するはんだ供給方法において、はんだ被巻回体から送出されるはんだを挟持して、はんだを送り出す送出手段のはんだ挟持部と、はんだ被巻回体のはんだ送出口との間の、少なくともはんだ被巻回体のはんだ送出口乃至その近傍におけるはんだを非酸化性雰囲気とし、前記はんだ被巻回体から送出されるはんだを挟持して、はんだを送り出すものである。
本発明のはんだ供給方法によれば、はんだ被巻回体のはんだ送出口乃至その近傍で、高温状態となったはんだは軟化して硬さ及び脆さが低減される。この場合、はんだ被巻回体のはんだ送出口乃至その近傍を非酸化性雰囲気とするため、高温状態のはんだが酸化されるのを防止することができる。
本発明のはんだ供給装置及びはんだ供給方法は、高温状態のはんだが酸化されるのを防止することができるため、はんだの溶融、及び酸化による不純物の発生を抑えることができ、高品質なはんだを正確な量で供給することができる。
前記雰囲気調整機構は、非酸化性ガスを供給して非酸化性雰囲気とするガス供給手段を備えたものとすると、容易に非酸化性雰囲気を形成することができる。
前記雰囲気調整機構は、加熱手段をさらに備えたものとすると、特にはんだの硬度が高く、かつ脆い材質である場合にも適用でき、汎用性に優れたものとなる。また、加熱部にてはんだを挟持状又は包囲状としているので、はんだの巻きぐせを解消することができ、折れを一層防止することができる。さらには、複数の方向からはんだを加熱することができるため、迅速かつ均一にはんだを加熱することができる。
前記加熱部を、チューブ状又は板状とすると、加熱部にて効果的にはんだを挟持又は包囲することができる。
はんだ被巻回体を包囲する収納室を備え、この収納室内を非酸化性雰囲気とすると、収納室にて長期にわたって非酸化性雰囲気を維持することができるため、非酸化性雰囲気とするための駆動エネルギーを小とすることができる。
前記収納室のはんだ出口に、はんだを送出方向に案内するガイド体を設けると、送出手段とはんだ被巻回体の送出口とが水平方向に沿ってずれても、ガイド体の可撓性にてはんだを送出手段に案内することができ、基板に対して広範囲に適用することができる。また、非酸化性雰囲気となる範囲を拡大することができるため、はんだの酸化を一層抑えることができる。しかも、収納室の小型化を図ることができ、装置のコンパクト化を図ることができるとの利点もある。
本発明の実施形態を示すはんだ供給装置を示す簡略構成図である。 前記図1のはんだ供給装置を構成するローラの拡大平面図である。 前記図1のはんだ供給装置を構成する加熱手段の加熱部の斜視図である。 前記図1のはんだ供給装置を構成する他の加熱部であり、(a)は側面図、(b)は斜視図である。 前記図1のはんだ供給装置を構成する別の加熱部の斜視図である。 前記図1のはんだ供給装置を構成する他の収納室を示す断面図である。 従来のはんだ供給装置を示す簡略構成図である。
以下本発明の実施の形態を図1〜図6に基づいて説明する。
このはんだ供給装置は、半導体チップ等の電子部品をリードフレーム等の基板に実装するために、はんだ被巻回体に巻回されたワイヤ状のはんだをリードフレーム上に定量的に供給する装置である。
はんだ供給装置は、図1に示すように、はんだ被巻回体(スプール)3の下方に配設されるはんだ供給ユニット2と、はんだ供給ユニット2の上方に配設される雰囲気調整機構1とを備えている。雰囲気調整機構1は、定位置に固定されているのに対して、はんだ供給ユニット2は水平方向に移動するものである。
はんだ供給ユニット2は、スプール3から送出されたはんだを、リードフレームFに供給するものである。はんだ供給ユニット2は、支持体4と、送出手段5と、作業ヘッド6と、上ノズル7と、下ノズル8とを備えている。
支持体4は、図示省略の駆動手段によりX方向とY方向に水平に移動可能なXYテーブルである。
作業ヘッド6は、水平方向に延びる上方水平部8及び下方水平部9と、一対の水平部8、9を連結して鉛直方向に延びる鉛直部10とからなる逆コの字状の部材である。この作業ヘッド6は、鉛直部10が支持体4に対して上下動可能に設置される。
送出手段5は、作業ヘッド6の上下方向中間部に設置された一対のローラ11にて構成されている。ローラ11は金属ローラ11aとゴムローラ11bとから構成されている。図2に示すように、金属ローラ11aの外周には、はんだSが嵌入されるガイド溝12が形成されており、金属ローラ11aをはんだ送り方向に回転駆動させるサーボモータ(図示省略)が設けられている。両ローラ11a、11bでスプール3から送出されるはんだSが挟持される。そして、1回のはんだ供給毎に、これら一対のローラ11a、11bが互いに逆方向に回転することにより、はんだSに対して下方に送り力が掛けられて、はんだSをリードフレームFに対して定量ずつ送り出す。
上ノズル7は、作業ヘッド6の上方水平部8に固定され、一対のローラ11a、11bの間から上方に向かって延びている。これにより、上ノズル7は、はんだSを送出手段5(つまり、一対のローラ11a、11bの間)に供給する。下ノズル8は、作業ヘッド6の下方水平部9に固定され、一対のローラ11a、11bの間から下方に向かって延びている。これにより、下ノズル8は、リードフレームFにはんだSを直接的に供給する。
雰囲気調整機構1は、スプール3のはんだ送出口15乃至その近傍におけるはんだSを加熱するとともに、非酸化性雰囲気とするものである。本実施形態では、スプール3を包囲する収納室(チャンバー)16を設け、スプール3のはんだ送出口15乃至その近傍を加熱する加熱手段と、このチャンバー内に非酸化性ガスを供給して、加熱手段の加熱により発生した高温雰囲気を非酸化性雰囲気とするガス供給手段とを備える。
加熱手段は、図示省略の熱源と、この熱源からの熱エネルギーを受けて加熱を行う加熱体(例えば、ヒータ)20から構成されている。このヒータ20は、図3に示すように、矢印方向に沿って水平方向に移動するチューブ状ヒータであり、はんだ送出口15近傍のはんだを包囲している。このチューブ状ヒータは、図示省略の支持部材にてチャンバー16の壁面に支持されている。
また、図1に示すように、ガス供給手段は、図示省略のガス供給源と、このガス供給源から窒素ガスやアルゴンガスを供給するためのガス供給路25から構成されている。チャンバー16には開口部が設けられており、この開口部に、ガス供給路25のガス吹出口26が設けられている。
チャンバー16のはんだ出口17には、チューブ状のガイド体18を設けている。すなわち、チャンバー16の下面には、チャンバー16から外部へはんだSを送出するはんだ出口17が設けられており、このはんだ出口17から下方に向かって延びるガイド体(チューブ)18が設けられている。このチューブ18としては、テフロンチューブやステンレスチューブにて構成するのが好ましい。そして、チューブ18は、可撓性を有するものとし、送出手段5がXY方向に移動する際に、その移動方向に追従するようにしている。これにより、スプール3から送出されたはんだSを、送出手段(つまり、一対のローラ11a、11bの間)に向けて案内する。
次に、本発明のはんだ供給装置を使用して、ワイヤ状のはんだSをリードフレームF上に定量的に供給する方法について説明する。スプール3に巻回されたはんだSは下方に送給されて、上ノズル7の上端開口に挿通されている。そして、はんだSは上ノズル6を下方に貫通して一対のローラ5に達しており、金属ローラ11aの外周に形成したガイド溝12にはんだSが嵌入され、ゴムローラ11bがガイド溝12のはんだSを押圧することにより、常にはんだSを挟持した状態となっている。
この状態ではんだを送出する際、加熱手段とガス供給手段を作動させる。具体的には、加熱源を駆動させて加熱体20を加熱することにより、少なくともスプール3のはんだ送出口15乃至その近傍のはんだが加熱されて高温状態となる。その結果、スプール3及びその近傍は高温雰囲気となる。これにより、はんだSを僅かに軟化させて、折れやすい性質を抑えることができる。この場合、加熱体20の温度は、はんだが脆く折れ易い性質を回避することができる温度以上で、かつ、はんだが溶融することなく形状を維持できる温度とし、はんだの材質、径によって定まる。また、ガス供給路25のガス吹出口26から非酸化性ガスをチャンバー内に供給する。これにより、高温状態となったはんだSが酸化するのを防止することができ、はんだの溶融、及び酸化による不純物の発生を抑えることができる。この場合、非酸化性ガスの濃度は、前記の高温雰囲気において酸化を防止できる濃度とする。このように、加熱手段とガス供給手段とを作動させることにより、スプール3及びその近傍が高温雰囲気となるとともに、チャンバー内を非酸化性雰囲気となって、はんだSの酸化が促進され易い高温雰囲気であっても、スプール3のはんだ送出口15乃至その近傍の酸化を防止できる。
この状態で、金属ローラ11aをサーボモータ(図示せず)などでワイヤ送出方向に回転駆動させると、両ローラ11a、11bで挟持されたはんだSが下方に送られ、この送りにゴムローラ11bが従動回転する。このようにして、一対のローラ11a、11bで送り力が掛けられて、はんだSが下ノズル8に挿通される。この場合、前記したように、雰囲気調整手段1にて、スプール3のはんだ送出口15乃至その近傍のはんだSを軟化させているため、ローラ11a、11bがはんだSを挟持してはんだSの折れを防止し、しかも酸化を防止して、はんだSの溶融を抑えているため、ローラ11a、11bがはんだSを挟持してはんだSを送り出す際、正確な量だけ送り出すことができる。
このようにして、1回の定量供給毎にローラ11a、11bがはんだSを定量送りし、この定量送りされた長さだけはんだSが送給され、リードフレームF上にはんだSを所定長さずつ定量的に繰り出す。そして、下ノズル8から送出されたはんだSの先端が、予熱されたリードフレームFにおけるアイランドの複数箇所に順に当接して溶融する。
はんだ供給ユニット2は、リードフレームFのアイランド上方でXY方向に間欠移動し、下ノズル8の下端からはんだSを定量ずつアイランド上の複数箇所に順に供給する。図1の仮想線において、7aはリードフレームFの上方でX1方向に最大移動したときの上ノズルを示し、7bはリードフレームFの上方でX2方向に最大移動したときの上ノズルを示している。この移動ストロークでローラ5及びノズル7、8がX方向に移動しても、チューブ18は可撓性を有するので、チューブ18は変形してローラ5の移動方向に追従する。これにより、ローラ5とスプール3のはんだ送出口15とが水平方向に沿ってずれても、チューブ18にてはんだSをローラ5に案内することができ、スプール3から下降するはんだSは上ノズル7にスムーズに挿通して行く。
本発明では、スプール3のはんだ送出口15乃至その近傍で、高温状態となったはんだSが軟化して硬さ及び脆さが低減される。この場合、スプール3のはんだ送出口15乃至その近傍を非酸化性雰囲気とするため、高温状態のはんだSが酸化されるのを防止することができる。これにより、はんだSの溶融、及び酸化による不純物の発生を抑えることができるため、高品質なはんだを正確な量で供給することができる。
前記雰囲気調整機構1は、非酸化性ガスを供給して非酸化性雰囲気とするガス供給手段を備えているので、容易に非酸化性雰囲気を形成することができる。
前記雰囲気調整機構1は、スプール3のはんだ送出口15乃至その近傍におけるはんだSを加熱する加熱手段をさらに備え、この加熱手段の加熱により発生した高温雰囲気を非酸化性雰囲気としている。これにより、特にはんだSの硬度が高く、かつ脆い材質である場合にも適用でき、汎用性に優れたものとなる。この場合、特に折れ易いはんだ送出口15乃至その近傍のはんだSを、加熱部20にて挟持状又は包囲状としているので、送出すべき方向にはんだSを導くことができ、はんだSの巻きぐせを解消することができる。これにより、はんだSの折れを一層防止することができる。さらには、複数の方向からはんだSを加熱することができるため、迅速かつ均一にはんだSを加熱することができる。
加熱部20をチューブ状としているので、加熱部20にて効果的にはんだSを包囲することができる。
前記スプール3を包囲する収納室16を備え、この収納室内を非酸化性雰囲気とすると、収納室16にて長期にわたって非酸化性雰囲気を維持することができるため、非酸化性雰囲気とするための駆動エネルギーを小とすることができる。
ローラ11a、11bは、水平方向に移動するものであって、前記収納室16のはんだ出口17には、ローラ11a、11bの移動方向に追従して、はんだSを送出手段5に向けて案内するチューブ18を設けている。これにより、ローラ11a、11bとスプール3のはんだ送出口15とが水平方向に沿ってずれても、チューブ18の可撓性にてはんだをローラ11a、11bの間に案内することができる。これにより、基板Fに対して広範囲に適用することができる。また、非酸化性雰囲気となる範囲を拡大することができるため、はんだSの酸化を一層抑えることができる。しかも、収納室16の小型化を図ることができ、装置のコンパクト化を図ることができるとの利点もある。
加熱部としては、図4及び図5に示すように、一対の板状ヒータにてはんだ送出口15乃至その近傍のはんだSを挟持状とするものであってもよい。図4は、夫々の板状ヒータ21a、21bの形状を相違させている。外側の板状ヒータ21aは、スプール3に巻回されているはんだSを覆うものとしている。これにより、加熱範囲が大となり、はんだSの折れを防止できる範囲を大とできる。図5は、夫々の板状ヒータ22a、22bの形状を同一のものとしている。これにより、装置のコンパクト化を図ることができる。
また、ガス供給手段のガス吹出口26の位置を、例えば図6(a)、(b)に示す位置に設けてもよい。このように、はんだ送出口15近傍にガス吹出口26を設けて、はんだ送出口15近傍のはんだSに向けて非酸化性ガスを吹出すようにすると、早期にはんだ送出口15乃至その近傍を非酸化性雰囲気とすることができる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、チャンバー16を設けることなく、スプール3のはんだ送出口15を直接加熱したり、非酸化性ガスを吐出してもよい。加熱手段としては、実施形態ではスプール3に加熱体を設けたが、加熱体をチャンバーに設けてもよい。また、赤外線等で加熱するものであってもよい。
実施形態では、ローラ11a、11bのはんだ挟持部とスプール3のはんだ送出口15との間において、スプール3のはんだ送出口15乃至その近傍のみを非酸化性雰囲気としたが、ローラ11a、11bのはんだ挟持部とスプール3のはんだ送出口15との間の全体にわたって非酸化性雰囲気としてもよい。要は、非酸化性雰囲気とする範囲に、スプール3のはんだ送出口15乃至その近傍が含まれていればよい。前記実施形態では、高温雰囲気と非酸化性雰囲気とが同じ範囲になるようにしていたが、非酸化性雰囲気を、高温雰囲気よりも拡大した範囲に設けてもよい。このため、外部に露出して酸化しやすい範囲を、非酸化性雰囲気となるように拡大してもよい。非酸化性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス等の単一の気体であってもよく、また、これらのガスのうち、少なくとも任意の2種類を混合した気体であってもよい。
また、実施形態では、スプール3のはんだ送出口15乃至その近傍を加熱手段にて加熱したが、加熱手段を設けなくてもよい。例えば、高温環境に曝された結果、はんだ送出口15乃至その近傍が高温状態となる場合も含む。高温状態とは、送出前と送出中とで温度差が生じていればよく、温度差の大小は問わない。加熱手段の加熱体は、スプール3のはんだ送出口15以外の場所に設けてもよい。例えば、ヒータをスプール3に埋設したり、スプール3の中心孔に挿通されるシャフトに設けたり、シャフトとスプール3との間に加熱媒体を設けてもよい。
1 雰囲気調整機構
3 スプール
11 ローラ
15 はんだ送出口
16 チャンバー
17 出口
18 チューブ
20 加熱部
26 ガス吹出口
F 基板
S はんだ

Claims (7)

  1. はんだ被巻回体に巻回されたワイヤ状のはんだが、少なくともはんだ被巻回体のはんだ送出口乃至その近傍で高温状態とされて、基板に供給されるはんだ供給装置において、
    前記はんだ被巻回体から送出されるはんだを挟持して、はんだを送り出す送出手段と、
    送出手段のはんだ挟持部と、はんだ被巻回体のはんだ送出口との間の、少なくともはんだ被巻回体のはんだ送出口乃至その近傍におけるはんだを非酸化性雰囲気とする雰囲気調整機構を備えたことを特徴とするはんだ供給装置。
  2. 前記雰囲気調整機構は、非酸化性ガスを供給して非酸化性雰囲気とするガス供給手段とを備えたことを特徴とする請求項1のはんだ供給装置。
  3. 前記雰囲気調整機構は、少なくともはんだ被巻回体のはんだ送出口乃至その近傍におけるはんだを加熱して折れを防止する加熱手段をさらに備え、
    前記加熱手段の加熱部を、はんだ被巻回体のはんだ送出口乃至その近傍に設け、前記加熱部にて、はんだ送出口乃至その近傍のはんだを挟持状又は包囲状として、
    前記加熱手段の加熱にて発生した高温雰囲気を非酸化性雰囲気とすることを特徴とする請求項1又は請求項2のはんだ供給装置。
  4. 前記加熱部を、チューブ状又は板状としたことを特徴とする請求項3のはんだ供給装置。
  5. 前記はんだ被巻回体を包囲する収納室を備え、この収納室に、前記ガス供給手段のガス吹出口を設けて収納室内を非酸化性雰囲気とすることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項のはんだ供給装置。
  6. 前記送出手段は水平方向に移動するものであって、前記収納室のはんだ出口に、送出手段の移動方向に追従してはんだを送出手段に向けて案内するガイド体を設けたことを特徴とする請求項5のはんだ供給装置。
  7. はんだ被巻回体に巻回されたワイヤ状のはんだを、少なくともはんだ被巻回体のはんだ送出口乃至その近傍で高温状態とされて、基板に供給するはんだ供給方法において、
    はんだ被巻回体から送出されるはんだを挟持して、はんだを送り出す送出手段のはんだ挟持部と、はんだ被巻回体のはんだ送出口との間の、少なくともはんだ被巻回体のはんだ送出口乃至その近傍におけるはんだを非酸化性雰囲気とし、
    前記はんだ被巻回体から送出されるはんだを挟持して、はんだを送り出すことを特徴とするはんだ供給方法。
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