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JP2010538146A - 良好な低温延性を有する充填材入りtpo組成物 - Google Patents

良好な低温延性を有する充填材入りtpo組成物 Download PDF

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Abstract

計装化ダート衝撃試験(ASTM D3763)で6.7m/sで測定して-30℃での少なくとも20ft-lb-fの衝撃間総エネルギー吸収、およびASTM D-790で測定して2100MPa以上(305,000psiのピークタンジェント曲げ弾性率を有する充填材入り熱可塑性ポリオレフィン(TPO)の組成物であって、該組成物が、TPO組成物の総重量に基づいて、A)DSCで測定して少なくとも1のMFRおよび少なくとも160℃の融点を有する、36〜56wt%の結晶性ポリプロピレン、ならびにB)エラストマー対充填材の重量比が3:2〜2:1でエラストマーおよび充填材が存在する64〜44wt%のエラストマー/充填材組成物を含み、ポリプロピレンのエラストマーに対する重量比が2未満で結晶性ポリプロピレンおよびエラストマーが存在する、充填材入りTPO組成物。

Description

本出願は、2007年9月7日に提出された、米国仮出願第60/970,581号の利益を主張し、その出願は、参照により本明細書に完全に組み込まれる。
本発明は、充填材入り(filled)熱可塑性ポリオレフィン(TPO)組成物に関する。一態様では、本発明は、摂氏-30度(℃)での6.7メートル/秒(m/s)で少なくとも22フィートポンド力(ft-lb-f、27.12ニュートンメートル(N-m)またはジュール(J))の衝撃間総エネルギー吸収を有するTPO組成物に関する。また別の態様では、本発明は、少なくとも2のメルトフローレート(MFR)を有する結晶性ポリプロピレン、190℃で0.1ラジアン/秒(rad/s)で測定して2を超えて3までのtanδを有するエチレン/α−オレフィン(EAO)エラストマー衝撃改質材、および強化グレードの板状充填材(例えば、タルク)を含むTPO組成物に関する。別の態様では、本発明は、これらのTPO組成物から調製される成形品に関する。
タルク充填材入りTPOは、射出成形用途、ならびに剛性バランス、約-30℃以上の温度での耐衝撃性、スクラッチと擦傷に対する耐性、および約100℃の温度での変形に対する耐性を必要とする他の用途で使用することができる。これらのグレードのTPOの曲げ弾性率は、一般に、約100,000と200,000ポンド/平方インチ(psi)の間であり、熱変形温度(HDT)は、一般に、約110℃未満である。
ポリカーボネート系樹脂およびポリスチレン系樹脂などの従来の樹脂をポリオレフィン代替物で置き換えることに対する関心が継続している。いくつかのポリプロピレン組成物は、以下の特許または出願に記載されている。米国特許(USP)第6,759,475号は、(a)23℃のパラキシレンに可溶な成分(非晶質相)3〜65重量パーセント(wt%)、(b)135℃のパラキシレンに可溶性かつ23℃のパラキシレンに不溶性の成分(高結晶性ポリプロピレン相)35〜97wt%、および(c)135℃のパラキシレンに不溶性の成分(充填材)0〜30wt%を含む、結晶性ポリプロピレンに基づく樹脂組成物について記載している。23℃のパラキシレンに可溶性の成分(a)は実質的に、0〜35wt%の含量範囲のスチレンまたはその誘導体、および0.1〜5デカリットル/グラム(dl/g)の範囲の固有粘度(η)を有するエラストマー成分(a1)からなる。135℃でパラキシレンに可溶であり、23℃でパラキシレンに不溶な成分(b)は、実質的に97パーセント以上のアイソタクチックペンタド比率(mmmm)、6以上の分子量分布(Mw/MnまたはMWD)、および6以上の分子量分布(Mz/Mw)を有する結晶性ポリプロピレン構成物(b1)からなる。135℃でパラキシレンに不溶な成分(c)は、実質的に充填材(c1)からなる。
USP6,964,997は、良好な成形能力および物性の良好なバランスならびに良好な外観、低光沢および耐スクラッチ性を有するプロピレン樹脂組成物について記載している。これらの組成物は、車内装品(例えば、要約を参照のこと)に使用することができる。ポリプロピレン樹脂組成物は、以下の成分、500〜3,000グラム/10分(g/10min)のMFRを有する結晶性ホモポリプロピレン、結晶性ホモポリプロピレンおよび45〜80質量パーセントのエチレン含量を有するエチレン−プロピレンコポリマーゴムからなるポリプロピレン、結晶性ホモポリプロピレンおよび25質量パーセント以上〜45質量パーセント未満のエチレン含量を有するエチレン−プロピレンコポリマーゴムからなるポリプロピレン、ならびにエチレン−α−オレフィンコポリマーゴム(例えば、要約を参照のこと)を含む。
USP6,660,797は、スクラッチに対する耐性と成形性、および高剛性と高衝撃強さの間のバランスがとれた特性が優れている、ポリプロピレン樹脂成形品のためのプロピレン系組成物について記載しており、高性能工業用部品および自動車部品、特に自動車内装部品(例えば、要約を参照のこと)を提供するための、上記のプロピレン系組成物の成形方法も示す。プロピレン系樹脂組成物の例は、以下の成分(A)および(B)を下記の通り(例えば、第2欄、14〜49行を参照のこと)含有する。成分(A)は、以下の成分(a1)、(a2)および(a3)からなる90〜40wt%のプロピレン系樹脂である。(a1)は、60〜83wt%の結晶性プロピレンホモポリマー成分(a1-1ユニット)および17〜40wt%のエチレン/プロピレンランダムコポリマー成分(a1-2ユニット)からなるプロピレン/エチレンブロックコポリマーであって、30〜52wt%のエチレンを含有し、230,000〜600,000の重量平均分子量を有し、15〜150g/10minのMFR(230℃、2.16キログラム(kg))を有し、かつ25平方センチメートル(cm2、面積)および0.5ミリメートル(mm、厚さ)の成形品において50ミクロン(μm)以上の寸法を有するゲルの数が100以下であるブロックコポリマー、100重量部であり、(a2)は、0.5〜15μmの平均粒径を有するタルク、0〜200重量部であり、(a3)は、3〜8個の炭素原子のα−オレフィンを20〜50wt%含有し、0.3〜100g/l0minのMFR(230℃、2.16kg)を有するエチレン/α−オレフィンコポリマーゴム、0〜20重量部である。成分(B)は、以下の成分(b1)および(b2)からなる10〜60wt%のプロピレン系樹脂材料である。(b1)はプロピレンホモポリマーまたはプロピレン/エチレンブロックコポリマーであり、120℃未満でオルトジクロロベンゼンに不溶な成分を有し、溶媒としてオルトジクロロベンゼンを用いて分別される場合に100℃未満での不溶成分が8wt%以上を占め、この100℃未満での不溶成分が200,000以上の重量平均分子量および0.3〜70g/10minのMFR(230℃、2.16kg)を有し、15〜80重量部であり、(b2)は、0.5〜15μmの平均粒径を有するタルクまたは珪灰石、20〜85重量部である(例えば、第2欄、14〜49行を参照のこと)。
さらなるポリプロピレン組成物は、USP5,286,776および6,667,359に記載されている。同じものから調製される他のポリオレフィン組成物および自動車部品などの二次加工品が、米国特許出願公開第2005/0029692号、同第2004/0188885号および同第2004/0094986号に記載されている。米国特許出願公開第2005/0272858号(WO2004/033509も参照のこと)および同第2004/0122196号は、さらなるプロピレン系ポリマーおよび組成物について記載している。しかし、これらの参考文献で開示されている組成物、および上記のものは、各組成物中のポリマー成分の数が原因となって複雑かつ高価であり、および/または本明細書に記載される本発明の組成物において所望の流動学的、機械的または熱的特性のうち1つ以上を満たさない。さらに、これらの参考文献で開示されている組成物の中には、低温衝撃特性に有利ではないポリプロピレン/(エチレン/ポリプロピレン)異相性ゴムを必要とするものもある。
WO2006/002436は、(i)結晶性アイソタクチックプロピレンホモポリマー、(ii)エチレン/α−オレフィンエラストマー衝撃改質材、および(iii)強化グレードの充填材、例えば、タルクを含む組成物について記載している。結晶性アイソタクチックプロピレンホモポリマーは、1930メガパスカル(MPa)を超える曲げ弾性率および100℃を超えるHDTを有する。エチレン/α−オレフィンエラストマー衝撃改質材は、-30℃未満のガラス転移温度(Tg)および190℃、0.1rad/sにおいて測定した2未満のtanδを有する。充填材は、少なくとも2のHDT強化効率を有する。この組成物は、100℃を超えるHDT、1930MPaを超える曲げ弾性率、および20ft-lb-f(27.12N-mまたはJ)未満の-30℃での衝撃の間の総エネルギー吸収量を有する。
ポリマー配合が単純であり、優れた機械的および熱的特性を有する射出成形部品などの加工部品を形成するために使用することができる、安価なポリオレフィン組成物に対する必要性が継続してある。強化された、軽量射出成形部品などの軽量製品を形成するために使用することができる充填材入りTPO組成物に対するさらなる必要性がある。改善した低温性能特性を有する製造品を形成するために使用することができるような組成物に対する必要性もある。これらおよび他の必要性は、以下の発明により満たされる。
一実施形態では、本発明は、計装化ダート衝撃試験(6.7メートル/秒(m/s)でのASTM D3763)で測定して-30℃で少なくとも22ft-lb-f(29.83N-mまたはJ)の衝撃間総エネルギー吸収、およびASTM D-790で測定して2100メガパスカル(MPa)(305,000ポンド/平方インチ(psi))以上の(≧)ピークタンジェント曲げ弾性率を有する充填材入りTPO組成物であり、該組成物は、TPO組成物の総重量に基づき、
A)少なくとも1のMFRおよび示差走査熱量測定法(DSC)で測定して少なくとも160℃の融点(Tm)を有する、36〜56wt%の結晶性ポリプロピレン、ならびに
B)(1)(1)DSCで測定して-50℃未満のTg、
(b)0.1rad/sおよび190℃においてAdvanced Rheometric Expansion Systems(ARES)レオメーターで測定して2を超えて3までのtanδ、および
(c)DSCで測定してエラストマーのピーク溶融温度以上のHDT
を有する、EAOエラストマー、ならびに
(2)板状充填材
を含み、エラストマー 対 充填材の重量比が3:2〜2:1でエラストマーおよび充填材が存在する、64〜44wt%のエラストマー/充填材組成物、
を含み、ポリプロピレンのエラストマーに対する重量比が2未満で、結晶性ポリプロピレンおよびエラストマーが存在する。
別の実施形態では、本発明は、計装化ダート衝撃試験(3.2メートル/秒(m/s)でのASTM D3763)で測定して-30℃で少なくとも22ft-lb-f(29.83N-mまたはJ)の衝撃間総エネルギー吸収、およびASTM D-790で測定して2100MPa(305,000 psi)を超える(>)ピークタンジェント曲げ弾性率を有する充填材入りTPO組成物であり、該組成物は、TPO組成物の総重量に基づいて、
A)少なくとも1のMFRおよび示差走査熱量測定法(DSC)で測定して少なくとも160℃の融点(Tm)を有する、36〜56wt%の結晶性ポリプロピレン、ならびに
B)(1)(1)DSCで測定して-50℃未満のTg、
(b)0.1rad/sおよび190℃においてAdvanced Rheometric Expansion Systems(ARES)レオメーターで測定して2を超えて3までのtanδ、および
(c)DSCで測定してエラストマーのピーク溶融温度以上のHDT
を有する、EAOエラストマー、ならびに
(2)板状充填材
を含み、エラストマー 対 充填材の重量比が3:2〜2:1でエラストマーおよび充填材が存在する、64〜44wt%のエラストマー/充填材組成物、
を含む。
さらに他の実施形態では、本発明の組成物は、(i)Minolta光沢計およびASTM D523を使用して20度の光沢と測定される低光沢、(ii)Izod Notched Impact(ASTM D256)で測定して-30℃に対する良好な低温耐衝撃性、および(iii)100℃を超えるHDT(ASTM D634)のうちの少なくとも1つを有するものとしてさらに記載されている。
さらに他の実施形態では、本発明は、本発明の組成物を含む少なくとも1種の成分を含む製品、例えば、コンピューター部品、建築物または建設材料、家庭用電化製品の構成部品、コンテナ、家具または家具構成部品、履物または履物構成部品、玩具などの成形製品または押出製品である。
一般に、ARESレオメーターは、15パーセント歪で動作される。ガラス転移温度(Tg)を測定するためのDSC手順は、200℃で3分の初期平衡、次いで10℃/分(10℃/min)で-90℃へのランプダウン、次いで5分の平衡、および次いで最後に10℃/minで200℃へのランプアップを含む。
本発明のTPO組成物は、顔料、難燃材、耐スクラッチ性および耐擦傷性添加材などの1つまたは複数の他の成分、ならびに/あるいは1つまたは複数の他の様々なエチレン/α−オレフィンインターポリマーを含むことができる。顔料は、一般に、色素濃縮物として添加され、これらの組成物から製造される成形品は良好な色を示すので、塗装を必要としなくてもよい。
本発明の別の態様では、結晶性ポリプロピレンは、2100MPaを超える曲げ弾性率および110℃を超えるHDT、より好ましくは2210MPaを超える曲げ弾性率および120℃を超えるHDTを有する。
本発明の別の態様では、エチレン/α−オレフィンインターポリマーのα−オレフィンは、C3〜C20α−オレフィン、より好ましくはC4〜C20α−オレフィンである。さらなる態様では、エチレン/α−オレフィンインターポリマーのα−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンまたは1−オクテンから選択され、より好ましくは、1−ブテン、1−ヘキセンまたは1−オクテンから選択される。本発明の別の態様では、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、-50℃未満、好ましくは-52℃未満、より好ましくは-54℃未満のTgを有する。別の態様では、エチレン/α−オレフィンインターポリマーのHDTと融点(Tm)の間の差は、少なくとも4、好ましくは少なくとも6、より好ましくは少なくとも8である。別の態様では、190℃および0.1rad/sで測定したエチレン/α−オレフィンインターポリマーのtanδは、2.1と3の間である。
本発明の別の態様では、充填材は、板状タルクである。さらなる態様では、本発明の組成物は、該組成物が3以上の曲げ弾性率効率係数、および1.5以上のHDT効率係数を有するように、十分な量の充填材を含む。別の態様では、本発明の組成物は、該組成物の総重量に基づいて少なくとも20、好ましくは少なくとも25、および一般に、40wt%を超えないタルクを含む。
本発明は、上記の本発明の態様または実施形態の2つ以上の組合せを含む組成物も提供する。本発明は、上記の態様または実施形態の2つ以上の組合せを含む製品も提供する。
ポリプロピレンは、配合物の主要なポリマー成分であり、達成することができる最大ピークタンジェント曲げ弾性率およびHDTを最終的に決定する。従来のプロピレンホモポリマーは、約1520MPa(220.4psi×1000、またはkpsi)未満のピークタンジェント曲げ弾性率、および90℃未満のHDTを有し、これらの組成物において有用であるために十分硬くなく、十分高い温度までその剛性を保持もしない。低温耐衝撃性および/または改善したピークタンジェント曲げ弾性率(例えば、1520MPaを超える、1%セカント)および/または改善したHDT(例えば、90℃を超える)の組み合わせた目標を達成するために、好ましくは、ポリプロピレンは、2100MPa(305kpsi)を超えるピークタンジェント曲げ弾性率および100℃を超えるHDTを有する結晶性ポリプロピレンである。より好ましくは、ポリプロピレンは、2210MPa(320kpsi)を超えるピークタンジェント曲げ弾性率および110℃を超えるHDTを有する高結晶性アイソタクチックポリプロピレンである。さらにより好ましくは、ポリプロピレンは、2210MPa(320kpsi)を超えるピークタンジェント曲げ弾性率および120℃を超えるHDTを有する高結晶性アイソタクチックプロピレンホモポリマーである。曲げ弾性率は、80パーセントのピークタンジェント曲げ弾性率とほぼ等しい1パーセントセカント弾性率として報告されることもある。
EAOエラストマー衝撃改質材による高結晶性アイソタクチックホモポリマーポリプロピレンの改質が、低温衝撃に対して優れた耐性に寄与している。-30℃で、特に6.7m/sの速度で必要とされる耐衝撃性をもたらすために、EAOエラストマー衝撃改質材は、-50℃未満、より好ましくは-52℃未満、最も好ましくは-54℃未満のガラス転移温度(Tg)を有する。
さらに、エラストマー衝撃改質材の他の2つの特徴は、該組成物の特性に影響を及ぼす。第1に、結晶性ポリプロピレンが融解し始めるよりも十分先にEAOエラストマー衝撃改質材がその融点を上回ると見込まれるため、その融点よりも有意に大きなHDTを有するグレードを選択することが望ましい。以下の表1は、様々なEAOエラストマーに関して測定したHDTから、DSCピーク溶融温度(Tm)を減算することにより得られたΔを示す。EAOエラストマー衝撃改質材の好ましいグレードは正のΔを有し、より好ましいグレードは4以上のΔを有し、さらにより好ましいグレードは6以上のΔを有し、最も好ましいグレードは8以上のΔを有する。
ENGAGE(商標)エラストマーは、エチレン−オクテンコポリマーであり、ENRエラストマーは、エチレン−ブテンコポリマーである。Dow Chemical Companyが、両方のEAOエラストマーを製造している。
第2に、190℃で0.1rad/sで測定したエラストマーのtanδは、射出成形完成部品の光沢と相関する。tanδが低いほど光沢が低い。これらの条件で測定したtanδおよび粘度ポアズは、上の表1に報告される。多くの異なるEAOを利用して衝撃改質ベンチマーク配合物に関して測定した、tanδと20度光沢(Minolta光沢計、ASTM D523)の間の相関は、以下の表2で示している。この表のデータは、J707PTの70重量部のポリマーブレンドを含有する化合物に基づいている(Dow Chemical Companyから入手可能な様々なEAOを30重量部有する、35MFRのMitsui Chemicalsの衝撃コポリマーポリプロピレン)。ポリマーブレンドは、充填材なしの場合、および10重量パーセントのSpecialty Minerals ABT-2500板状タルクを添加する場合により試験する。このデータは、190℃および0.1rad/sで低tanδを有するEAOが、他の場合には光沢性の系である20度の光沢を劇的に低減させることができる方法を実証するのに役立つ。このデータは、エラストマーの選択が、充填材(本発明ではタルク)の添加によってポリプロピレンの光沢を最も効果的に低下させることを示す。ポリプロピレンは、ホモポリマーおよびコポリマーの両方、ならびに有核および無核ポリマーの両方を含めて、大きく変更できる。高MFRポリプロピレンは一般に非常に光沢があり、EAOの添加は光沢をつや消し仕上まで低下させる効果をある程度有する。
EAOエラストマー衝撃改質材の好ましいグレードは、上記のTg特性およびΔ特性を有し、190℃および0.1rad/sで測定して2を超えて3まで、好ましくは2.1以上3までのtanδも有する。
上記のtanδを有するEAOエラストマー衝撃改質材の使用により得られる低光沢は、成形工程の間に色素濃縮物の使用によって着色される部分の提供を可能にする。この着色成形工程は、化合物が許容できる低さの光沢を有する場合、塗装ステップを省く。塗装は、スクラッチおよび擦傷からの損傷に対する部品の耐性を改善することが広く知られているため、色素濃縮物は、表面摩擦を減少させ、スクラッチおよび擦傷によりつけられる表面損傷を低減させる材料によりさらに改質されることが多い。当技術分野で知られている一般的添加材は、高分子量ポリジメチルシロキサンなどのケイ素系材料、エルカミドなどの表面にブルーミングするワックス状材料、およびナイロンなどの硬質で丈夫なプラスチックと界面活性剤の組合せを含有するいくつかの特殊材料である。
ポリプロピレン
本発明の実施において使用するポリプロピレンは、大きく変動でき、ホモポリマーおよびコポリマーの両方ならびに有核および無核ポリマーの両方、ならびにこれらの任意の組合せを含む。本発明で使用する場合、「有核」は、Millikenから市販されているジベンジルソルビトールであるMILLAD(登録商標)などの成核材の添加により改質されたポリマーを指す。他の従来の成核材も使用することができる。タルクのような板状充填材は、成核材として作用することができ、別の成核材の添加を不要にすることができる。好ましくは、ポリプロピレンはホモポリマーである。
ポリプロピレンは、結晶性、一般には高結晶性であり、すなわち、本質的に完全に(ほぼ100%または100%で)135℃のパラキシレンに可溶性である。対照的にポリプロピレンは、23℃で>98%、一般に>99%、パラキシレンに不溶性である。ポリプロピレンの溶解性をこれらの温度で測定するための試験は、USP6,759,475に記載されている。
ポリプロピレンのMFR(230℃/2.16キログラム重)は、一般に1〜50までであり、本発明の組成物の所定の最終用途によって変動する。熱成形用途に関しては、MFRは一般に1〜2までである。射出成形用途に関しては、MFRは一般に30以上である。ポリプロピレンはまた、望ましくは、DSCで測定して160℃を超える融点Tmも有する。
高融点ポリマーを製造するのに使用される重合工程は、約50〜90℃および0.5〜1.5MPa(5〜15atm)で実行されるスラリー工程、ならびに非結晶性ポリマーの除去に特別な注意が払われなければならない、気相工程および液体モノマー工程の両方を含む。ポリプロピレンは、様々なシングルサイトのメタロセンおよび幾何拘束触媒のいずれかを、それらの関連する工程と共に使用することにより調製することもできる。撹拌タンク反応器、気相反応器、単一の連続撹拌タンク反応器および単一のスラリーループ反応器、ならびに他の好適な反応器において重合を生じさせることができる。
好ましい実施形態では、ポリプロピレンホモポリマーは、単一の連続バルク相(縮合プロピレン)撹拌反応器において、チタン触媒活性金属種を含み、塩化マグネシウム担体に担持されており、鉱物油に懸濁しているチーグラー・ナッタ触媒を使用して調製される。懸濁触媒は、反応器に直接注入することができる。水素は、分子量を制御するための連鎖移動材として使用することができる。撹拌タンク反応器、気相流動床反応器、単一の連続撹拌タンク反応器および単一のスラリーループ反応器において重合を生じさせることができる。そのような重合、および得られたポリプロピレンホモポリマーは、米国特許出願公開第2005/0272858号(WO2004/033509も参照のこと)、および米国特許出願公開第2004/0122196号に記載されている。
一実施形態では、ポリプロピレンは、2〜6、より好ましくは2〜5、最も好ましくは3〜5の多分散性または分子量分布(MWDまたはMw/Mn)を有する。別の実施形態では、MWDは、6以下(≦)、より好ましくは5.5以下、さらにより好ましくは5以下である。
別の実施形態では、ポリプロピレンは、0.88〜0.92、好ましくは0.89〜0.91グラム/立方センチメートル(g/cc)の密度を有する。
別の実施形態では、ポリプロピレンは、10,000〜200,000、好ましくは15,000〜150,000、さらにより好ましくは30,000〜100,000グラム/モル(g/mol)の数平均分子量(Mn)を有する。
別の実施形態では、ポリプロピレンは、80,000〜400,000、好ましくは100,000〜300,000、さらにより好ましくは120,000〜200,000g/molの重量平均分子量(Mw)を有する。
本開示で後にさらに記載しているように、耐衝撃性ポリプロピレンは、本発明での使用に好都合ではない。USP6,492,465に記載されているように、一般的な耐衝撃性プロピレンコポリマーは、2種の相または成分、すなわち、ホモポリマー成分およびコポリマー成分を含有する。これら2種の成分は、通常、ホモポリマーが第1反応器で製造され、次いで第2反応器へ移動され、その第2反応器においてコポリマーが製造されてホモポリマーの基材に組み込まれる、一連の重合工程で製造される。コポリマーは、ゴム状の特徴を有し、所望の耐衝撃性をもたらす。ホモポリマーは、全体的剛性をもたらす。しかし、コポリマーの存在は、本発明の組成物の曲げ弾性率に対するエチレン/α−オレフィンインターポリマーの効果を弱める傾向にある。
エチレン/α−オレフィンインターポリマー
本発明の組成物は、少なくとも1種のエチレン/α−オレフィンインターポリマーを含み、場合によりジエンを含有してもよい。「インターポリマー」は、少なくとも2種の異なるモノマーから重合したポリマーを意味する。インターポリマーとしては、例えば、コポリマー、ターポリマーおよびテトラポリマーが挙げられる。インターポリマーとしては、特に、エチレンを少なくとも1種のコモノマー、一般に3〜20個の炭素原子(C〜C20)、好ましくは4〜20個の炭素原子(C〜C20)、より好ましくは4〜12個の炭素原子(C〜C12)、さらにより好ましくは4〜8個の炭素原子(C〜C)のアルファ−オレフィン(α−オレフィン)と重合することにより調製されるポリマーが挙げられる。α−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、および1−オクテンが挙げられるが、これらに限定されない。好ましいα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1ペンテン、1−ヘプテン、および1−オクテンが挙げられる。α−オレフィンは、望ましくは、C〜Cα−オレフィンである。
インターポリマーとしては、エチレン/ブテン(EB)コポリマー、エチレン/ヘキセン(EH)、エチレン/オクテン(EO)コポリマー、エチレン/プロピレン/ジエン変性(EPDM)インターポリマーおよびエチレン/プロピレン/オクテンターポリマーなどのエチレン/α−オレフィン/ジエン改質(EAODM)インターポリマーが挙げられる。好ましいコポリマーとしては、EB、EHおよびEOコポリマーが挙げられる。
好適なジエンモノマーは、共役および非共役ジエンを含む。非共役ジオレフィンは、C〜C15直鎖、分枝鎖または環状炭化水素ジエンであることができる。例示の非共役ジエンとしては、1,4−ヘキサジエンおよび1,5−ヘプタジエンなどの直鎖非環式ジエン;5−メチル−1,4−ヘキサジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、3,7−ジメチル−1,7−オクタジエン、5,7−ジメチル−1,7−オクタジエン、1,9−デカジエンおよびジヒドロミルセンの混合異性体などの分枝鎖非環式ジエン;1,4−シクロヘキサジエン、1,5−シクロオクタジエンおよび1,5−シクロドデカジエンなどの単環脂環式ジエン;テトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデンなどの多環脂環式縮合および架橋環ジエン;5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB)、5−エチリデン2ノルボルネン(ENB)、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン2ノルボルネン、5−(4−シクロペンテニル)−2−ノルボルネンおよび5−シクロヘキシリデン−2−ノルボルネンなどの、アルケニル、アルキリデン、シクロアルケニルおよび、シクロアルキリデンノルボルネンである。好ましい非共役ジエンは、ENB、1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンが挙げられ、より好ましくは、ジエンはENBである。好適な共役ジエンとしては、1,3−ペンタジエン、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、または1,3−シクロペンタジエンが挙げられる。
好ましいインターポリマーは、一般にLCBを含めた任意のジエンモノマーを実質的に含まないが、費用上許容できる場合、および加工性、引張り強さおよび伸びなどの所望のインターポリマー特性が許容できないレベルほどには低下しない場合、そのようなモノマーを含むことができる。そのようなジエンモノマーとしては、ジシクロペンタジエン、NBD、メチルノルボルナジエン、ビニル−ノルボルネン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、および1,9−デカジエンが挙げられるが、これらに限定されない。添加する場合、そのようなモノマーは、インターポリマー重量に基づいて0超〜3wt%、より好ましくは0超〜2wt%の範囲内の量で添加することができる。
本発明のエチレン/α−オレフィンインターポリマーは、分枝および/または直鎖インターポリマーであることができる。エチレン/α−オレフィンインターポリマーにおける分枝の存在または非存在、および分枝が存在するならば、分枝の量は、大きく変動でき、所望の加工条件および所望のポリマー特性に左右されてもよい。
エチレン/α−オレフィン分枝の性質は、本発明の実施に重要ではなく、そのため、便宜上、変化することができる。好ましくは、分枝は長鎖分枝(LCB)である。LCBをポリマー主鎖に組み込む能力は、知られており、何年も実施されてきた。USP3,821,143では、1,4−ヘキサジエンが、LCBを有するエチレン/プロピレン/ジエン(EPDM)ポリマーを調製するための分枝モノマーとして使用された。そのような分枝材は、H分枝材と呼ばれることもある。USP6,300,451および6,372,847も、LCBを有するポリマーを調製するために様々なH型分枝材を使用する。USP5,278,272では、幾何拘束触媒(CGC)は、LCBポリマーを形成するためにビニル末端マクロモノマーをポリマー主鎖に組み込む能力を有すると教示されている。そのような分枝は、T型分枝と呼ばれる。
USP5,278,272は、そのようなCGCが大きな不飽和分子をポリマー主鎖に組み込む能力は独特であると教示している。これらのCGCにより組み込むことができるLCBの量は、一般に、0.01LCB/1000個の炭素原子〜3LCB/1000個の炭素原子(主鎖および分枝炭素原子の両方)である。
好ましくは、本発明の実施において使用するインターポリマー中のLCBのタイプは、H型分枝とは対照的なT型分枝である。T型分枝は、一般に、USP6,680,361に記載されているものなどの適切な反応器条件下、幾何拘束触媒の存在下で、エチレンまたは他のアルファオレフィンと鎖端不飽和マクロモノマーの共重合により得られる。非常に高レベルのLCBが望ましいならば、T型分枝は、LCBの程度に対して実用上の上限を有するため、H型分枝が好ましい方法である。USP6,680,361で論じられているように、T型分枝のレベルが増大するにつれて、製造工程の効率または処理量が著しく減少し、製造が経済的に不可能になる状態にまで達する。T型LCBポリマーは、幾何拘束触媒により、測定可能なゲル分を有さないが非常に高レベルのT型LCBを用いて製造することができる。成長ポリマー鎖に組み込まれているマクロモノマーが反応性不飽和部位を1つのみ有するため、得られるポリマーは単に、種々の長さの側鎖をポリマー主鎖に沿って異なる間隔で含有する。
H型分枝は、一般に、重合工程における、エチレンまたは他のアルファオレフィンと、非メタロセン型の触媒と反応する2つの二重結合を有するジエンとの共重合により得られる。その名称が暗示するように、ジエンは、ジエン架橋を介して1つのポリマー分子を別のポリマー分子に結合させ、得られるポリマー分子は、長鎖分枝としてよりも架橋として説明することができるHに似ている。H型分枝は、一般に、非常に高レベルの分枝が望ましい場合に使用する。過剰なジエンを使用するならば、ポリマー分子は、このポリマー分子が(溶液工程における)反応溶媒においてもはや可溶ではなく、結果的に溶液から沈殿し、ポリマー中にのゲル粒子形成を生じるほど多くの分枝または架橋を形成することができる。さらに、H型分枝材の使用は、メタロセン触媒を不活性化させることができ、触媒効率を低減させる。したがって、H型分枝材を使用する場合、使用する触媒は、一般にメタロセン触媒ではない。USP6,372,847でH型分枝ポリマーを調製するのに使用される触媒は、バナジウム型触媒である。
好適なエチレンインターポリマーとしては、Dow Chemical Companyから入手可能なENGAGE(商標)、AFFINITY(商標)、およびNORDEL(商標)ポリマー、ならびにExxonMobil Chemical Companyから入手可能なVISTALON(商標)およびEXACT(商標)ポリマー、ならびにMitsui Chemicalから入手可能なTAFMER(商標)ポリマーが挙げられる。
別の実施形態では、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、1〜5、より好ましくは1.5〜4、さらにより好ましくは2〜3のMw/Mnを有する。
別の実施形態では、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、0.80〜0.90、好ましくは0.82〜0.88、より好ましくは0.83〜0.87g/ccの密度を有する。別の実施形態では、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、0.875g/cc以上、好ましくは0.87g/cc以上、さらにより好ましくは0.86g/cc以上の密度を有する。
別の実施形態では、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、0.05〜10/10min、好ましくは0.1〜5/10min、より好ましくは0.2〜2/10min、さらにより好ましくは0.5〜1g/10minのメルトインデックス(MIまたはI2、190℃/2.16kg)を有する。別の実施形態では、エラストマー成分は、1/10min以下、好ましくは0.5/10min以下、より好ましくは0.3以下のI2を有する。
別の実施形態では、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、40,000〜200,000g/mol、好ましくは50,000〜150,000g/mol、より好ましくは60,000〜100,000g/molのMnを有する。
別の実施形態では、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、80,000〜400,000g/mol、好ましくは100,000〜300,000g/mol、より好ましくは120,000〜200,000g/molのMwを有する。
別の実施形態では、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、-50℃未満、好ましくは-52℃未満、より好ましくは-54℃未満のTgを有する。
別の実施形態では、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、均一に分枝した線状の、または均一に分枝した実質的に線状のエチレン/α−オレフィンインターポリマーである。均一ポリマーを調製するための工程は、USP-5,206,075および5,241,031、およびWO93/03093で開示されている。均一エチレン/α−オレフィンコポリマーの製造に関するさらなる詳細は、USP5,206,075および5,241,031、WO93/03093および90/03414で開示されている。
「均一」および「均一分枝」という用語は、コモノマー(複数可)が所与のポリマー分子内にランダムに分布しており、実質的に全てのポリマー分子が同じエチレン対コモノマー(複数可)比を有する、エチレン/α−オレフィンポリマー(またはインターポリマー)に関して使用する。均一分枝エチレンインターポリマーとしては、線状エチレンインターポリマー、および実質的に線状のエチレンインターポリマーが挙げられる。
長鎖分枝を欠くが、そのインターポリマーに重合したコモノマーに由来する短鎖分枝を有し、同じポリマー鎖内にも異なるポリマー鎖の間にも均一に分布しているエチレンインターポリマーは、均一に分枝した線状エチレンインターポリマーの中に含められる。すなわち、均一に分枝した線状エチレンインターポリマーは、例えば、USP3,645,992に記載されている均一分枝分布重合工程を使用して製造される線状低密度ポリエチレンポリマーまたは線状高密度ポリエチレンポリマーの場合と全く同様に、長鎖分枝を欠く。均一に分枝した線状エチレン/α−オレフィンインターポリマーの商品例としては、Mitsui Chemical Companyにより供給されているTAFMER(商標)ポリマーおよびExxonMobil Chemical Companyにより供給されているEXACT(商標)ポリマーが挙げられる。
本発明で使用する実質的に線状のエチレンインターポリマーは、USP5,272,236および5,278,272に記載されている。上で論じたように、実質的に線状のエチレンインターポリマーは、コモノマーが所与のインターポリマー分子内にランダムに分布しており、そのインターポリマー内の実質的に全てのインターポリマー分子が同じエチレン/コモノマー比を有するものである。実質的に線状のエチレンインターポリマーは、幾何拘束触媒を使用して調製される。幾何拘束触媒、およびそのような調製の例もUSP5,272,236および5,278,272に記載されている。
さらに、実質的に線状のエチレンインターポリマーは、長鎖分枝を有する均一分枝エチレンポリマーである。長鎖分枝は、ポリマー主鎖とほぼ同じコモノマー分布を有し、ポリマー主鎖の長さとほぼ同じ長さを有することができる。上で論じたように、「実質的に線状の」は、一般に、平均で、合計1000個の炭素(主鎖および分枝炭素の両方を含む)当たり0.01の長鎖分枝から合計1000個の炭素当たり3の長鎖分枝で置換されているポリマーに関する。実質的に線状のポリマーの商品例としては、ENGAGE(商標)ポリマーおよびAFFINITY(商標)ポリマーが挙げられる。
実質的に線状のエチレンインターポリマーは、均一分枝エチレンポリマーの独特なクラスを形成する。それらは、USP3,645,992に記載されている、よく知られている、従来の均一に分枝した線状エチレンインターポリマーのクラスとは実質的に異なり、さらに、それらは、例えば、USP4,076,698で開示されている技法を使用して製造される従来の不均一なチーグラー・ナッタ触媒重合される線状エチレンポリマー(例えば、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)または高密度ポリエチレン(HDPE)と同じクラスではなく、それらは、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン−アクリル酸(EAA)コポリマーおよびエチレン酢酸ビニル(EVA)コポリマーなどの、高圧でフリーラジカル開始性の高度分枝ポリエチレンと同じクラスでもない。
板状充填材
全体的に円盤状の形状を有する任意の不活性材料は、本発明のTPO組成物において板状充填材として使用することができる。一般に、および好ましくは、板状充填材は、不活性無機粉末、例えば、タルク、カオリン粘土または雲母であり、より好ましくは板状タルクである。一般的板状タルクおよびカオリン粘土は、それぞれ表3および4で識別している。板状タルクの特定のグレードは、本発明の組成物が置き換えようとするポリマー樹脂の密度を超えずに最終組成物の所望の曲げ弾性率およびHDTを付与または維持するために、十分な強化強さを有するように選択される。一般に、商用グレード樹脂の密度は、約1.13グラム/ミリリットル(g/ml)である。本発明の高結晶化度プロピレンホモポリマーおよびEAOエラストマーを用いて製造される組成物に関しては、約30wt%の充填量が一般的であるが、必要に応じて、より多量または少量を使用することができる。
流動応力下での本発明の組成物の加工の間に、板状の充填材は、全体的に組成物の流れの方向に平行に整列する。この流れパターンは、流れ方向における本発明の組成物の収縮の低減を促し、充填材が、得られたポリマー製品の強化を可能にして、熱変形温度および曲げ弾性率の両方を増大させる。特定の充填材の有効性は、充填材添加の様々なレベルで取ったデータに直線を当てはめることにより決定することができる。この直線の傾きは、単位が「充填材添加の重量パーセント」で除算した「特性の増加率」であり、特定の充填材が熱変形温度または曲げ弾性率いずれかを上昇させる効率の尺度になる。
本発明の組成物に対する充填材の強化効率は、ポリプロピレンとEAOとブレンドの曲げ弾性率およびHDTに対する、充填材20重量パーセント添加の効果を測定することにより評価する。次いで、充填材のパーセント取り込み量に対する弾性率の増加パーセントの単位を用いて曲げ弾性率効率係数を算出することができる。この係数は、約10〜40重量パーセントの充填材取り込み範囲で比較的線形である。関連する熱変形効率係数は、結晶性ポリプロピレンおよびEAOエラストマー衝撃改質材を20重量パーセントの強化充填材と共に、および充填材なしで配合することにより、各充填材グレードについて同様に算出することができる。熱変形効率係数は、曲げ弾性率効率係数ほど線形ではなく、ポリプロピレンおよびEAOの特定のグレードに対してより影響を受けやすい。結果的に、目的の充填材は一般に、本発明の結晶性ポリプロピレンおよびEAOエラストマー衝撃改質材を用いて、20重量パーセントの取り込み量でベンチマークされる。本発明の好ましい強化充填材グレード、例えば、板状タルクは、結晶性プロピレンポリプロピレンおよびEAOエラストマー衝撃改質材において20重量パーセント取り込み量で配合される場合、1.5以上、より好ましくは1.7を超える、最も好ましくは1.9を超える熱変形効率係数を有する。同時に、本発明の好ましい強化充填材グレードは、3を超える、好ましくは3.5を超える、より好ましくは4を超える曲げ弾性率効率係数を有する。
一実施形態では、中間粒径は、0.1ミクロン〜50ミクロン、好ましくは0.5ミクロン〜25ミクロン、より好ましくは1ミクロン〜10ミクロンである。
組成物の調製
本発明のTPO組成物は、少なくとも1種の結晶性ポリプロピレン、少なくとも1種のエチレン/α−オレフィンインターポリマー、および少なくとも1種の板状充填材を含有する。そのような組成物は、多くの異なる工程のいずれか1つにより調製することができるが、一般に、これらの工程は、3つのカテゴリー、すなわち反応器後ブレンディング、反応器内ブレンディングまたはこれら2つの組合せのうちのいずれか1つに属する。反応器後ブレンディングの例示は、その中に2つ以上の固体ポリマーを供給し、物理的に混合して実質的に均一な組成物とする溶融押出機、ならびに、それぞれからのアウトプットを互いにブレンドさせて実質的に均一な組成物を形成してその組成物を最終的に固体の形態で回収する、並行配列に配置した複数の溶液反応器、スラリー混合器または気相反応器である。反応器内ブレンディングの例示は、直列に接続した複数の反応器、および2つ以上の触媒を投入した単一の反応器である。しかし、反応器内ブレンディングは好ましくない。なぜなら、エラストマーがポリプロピレン基材内で少なくとも部分的に可溶性になる可能性があり、このことが、曲げ弾性率および/またはHDTの低下につながる可能性があるからである。結果的に、好ましくは、本発明の組成物は、反応器後ブレンディングにより調製される。
一般に、プロピレンホモポリマーおよびエチレン/α−オレフィンインターポリマーは、充填材の添加前に互いにブレンドされるが、充填材は、最初に各ポリマーの一方または他方とブレンドされて、その後他方のポリマーを添加してもよい。充填材は、そのままで(neat)、またはいずれかのポリマーに基づくマスターバッチとして添加することができる。組成物の全ての成分は、実質的に均一な組成物が得られるまで互いにブレンドされる。標準的混合機および押出機をブレンディングに使用できる。本発明の組成物はまた、他の成分、例えば、顔料、難燃材、酸化防止材、加工助材等も含有することができる。
本発明のTPO組成物は、従来のポリカーボネート系組成物およびポリスチレン系組成物と同様に使用される。特に、本発明の組成物は、製造業のソフトタッチ機器パネルおよび同様の物品の調製で使用される構造物の製造に十分適合される。
組成物
本発明の組成物は、一般に、ポリプロピレン、エチレン/α−オレフィンエラストマーおよび板状充填材の総重量に基づいて36〜56wt%、好ましくは39〜53wt%、より好ましくは42〜50wt%の結晶性ポリプロピレンを含有する。本発明の組成物は、一般に、ポリプロピレン、エチレン/α−オレフィンエラストマーおよび板状充填材の総重量に基づいて、64〜44wt%、好ましくは61〜47wt%、より好ましくは58〜50wt%のエラストマー/充填材組成物(すなわち、EAOエラストマーおよび板状充填材の組成物)を含有する。本発明の組成物におけるエラストマー 対 板状充填材の重量比は、一般に3:2と2:1との間である。一般に、エラストマーおよび充填材含量はほぼ同じ、すなわち1:1である。
一実施形態では、本発明の組成物は、組成物の総重量に基づいて、20〜40wt%、好ましくは25〜40wt%の板状充填材を含有する。
別の実施形態では、本発明の組成物は、計装化ダート衝撃試験ASTM D3763により6.7m/sで-30℃で測定して、少なくとも22(29.83)、好ましくは少なくとも25(33.9)、より好ましくは少なくとも30(40.68)ft-lb-f(N-mまたはJ)の衝撃間総エネルギー吸収を有する。
別の実施形態では、本発明の組成物は、ASTM D790で測定して2100以上、好ましくは2200以上、より好ましくは2300MPa以上のピークタンジェント曲げ弾性率を有する。
別の実施形態では、本発明の組成物は、計装化ダート衝撃試験ASTM D3763により6.7m/sで-30℃で測定して、少なくとも22(29.83)、好ましくは少なくとも25(33.9)、より好ましくは少なくとも30(40.68)ft-lb-f(N-mまたはJ)の衝撃間総エネルギー吸収、およびASTM D790で測定して2100MPa以上、好ましくは2200MPa以上、より好ましくは2300MPa以上のピークタンジェント曲げ弾性率の両方を有する。
別の実施形態では、本発明の組成物は、110℃以上、好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上、さらにより好ましくは140℃以上の結晶化温度Tcを有する。
別の実施形態では、本発明の組成物は、ASTM D648で測定して110℃以上、好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上、さらにより好ましくは140℃以上のHDTを有する。
別の実施形態では、本発明の組成物は、20°光沢が15以下、好ましくは10以下、より好ましくは8以下である。光沢測定は、組成物におけるタルクまたは他の充填材の量により影響される。一般に、組成物における充填材が多いほど、組成物の光沢は低い。
別の実施形態では、本発明の組成物は、結晶性ポリプロピレン成分以外の別のプロピレン系ポリマーを含有しない。
別の実施形態では、本発明の組成物は、組成物の総重量に基づいて50wt%以上、好ましくは60wt%以上、より好ましくは70wt%以上の結晶性ポリプロピレンを含有する。
別の実施形態では、本発明の組成物は、組成物の総重量に基づいて40wt%以下、好ましくは35wt%以下、より好ましくは30wt%以下のエチレン/α−オレフィンエラストマーを含有する。
本発明の組成物は、これらの添加材が組成物の所望の特性、例えば、総エネルギー吸収量、曲げ弾性率等にとって有害ではない限り、様々な添加材を含有できる。例えば、本発明の組成物のポリマーに溶解しない固体添加材は、それらが一般に充填材(例えば、板状タルク)の再強化能力に悪影響するため、好まれない。本発明の実施において使用する添加材は、それらの従来の様式および最少量で使用される。
一実施形態では、本発明の組成物は、USP6,737,131に記載されている非ハロゲン系発泡性防炎材を含有する。発泡性防炎材は、プラスチックが炎または高熱に付された場合に炭化物(char)を形成する、プラスチックに対する添加材である。発泡性防炎材は、燃焼を排除または低減させる炭素の断熱層を生成するように反応する。好ましい非ハロゲン系発泡性防炎材添加材としては、Exolit(登録商標)MR、Hoechst Chemical Companyの製品(リン酸化合物);Great Lakes Chemical CompanyのChar guard 32911またはNH-1511の製品(リン酸化合物);Spin Flam、Monsanto Chemical Companyの製品(リン酸化合物);Amgard EDAP、Albright & Wilsonの製品(エチレンジアミンリン酸塩);Budit 311、製品Budauheim(ピロリン酸メラミン);NCENDX(商標)P-30、Albemarle Corporationの製品;およびFRX44、Unitex Corpの製品(エチレンジアミンリン酸塩)が挙げられる。
別の実施形態では、本発明の組成物は、三水酸化アルミニウム、二水酸化マグネシウム、またはその2つの組合せなどの金属水和物難燃材を含有する。さらなる実施形態では、難燃材は金属水和物であり、組成物の総重量に基づいて25〜75wt%の間の量で存在する。別の実施形態では、金属水酸化物の表面は、シラン、チタン酸塩、ジルコン酸塩、カルボン酸およびマレイン酸無水物グラフトポリマーを含む1つまたは複数の材料でコーティングできる。別の実施形態では、金属水和物の平均粒径は、0.1未満〜50μmの範囲でもよい。場合により、ナノスケールの粒径の金属水酸化物を使用する。金属水酸化物は、天然でも合成でもよい。難燃性組成物は、他の難燃性添加材を含有してもよい。他の好適な非ハロゲン化難燃材添加材としては、炭酸カルシウム、赤リン、シリカ、アルミナ、酸化チタン、タルク、粘土、有機改質粘土、ホウ酸亜鉛、三酸化アンチモン、珪灰石、雲母、マガディアイト(magadiite)、有機改質マガディアイト、シリコーンポリマー、リン酸エステル、ヒンダードアミン安定材、八モリブデン酸アンモニウム、発泡性防炎材化合物、および発泡性グラファイトが挙げられる。好適なハロゲン化難燃材添加材としては、酸化デカブロモジフェニル、デカブロモジフェニルエタン、およびエチレンビス(テトラブロモフタルイミド)が挙げられる。そのような難燃材についてのさらなる記述は、WO2005/023924に見られる。
別の実施形態では、本発明の組成物は、ハロゲン化アルカン難燃材、芳香族ハロゲン化難燃材、および場合により難燃相乗材を含む、適合量の難燃材パッケージを含有する。さらなる実施形態では、アルカン難燃材は、ヘキサハロシクロドデカン、テトラブロモシクロオクタン、ペンタブロモクロロシクロヘキサン、1,2−ジブロモ−4−(1,2−ジブロモエチル)シクロヘキサン、1,1,1,3−テトラブロモノナン、またはそのような化合物の2つ以上の組合せから選択される。別の実施形態では、芳香族ハロゲン化難燃材は、ヘキサハロジフェニルエーテル、オクタハロジフェニルエーテル、デカハロジフェニルエーテル、デカハロビフェニルエタン、1,2−ビス(トリハロフェノキシ)エタン、1,2−ビス(ペンタハロフェノキシ)エタン、テトラハロビスフェノール−A、エチレン(N,N’)−ビス−テトラハロフトリアリミド、テトラブロモビスフェノール−A、ビス(2,3−ジブロモプロピル)エーテル、テトラハロフタル酸無水物、ヘキサハロベンゼン、ハロゲン化インダン、ハロゲン化リン酸エステル、ハロゲン化ポリスチレン、ハロゲン化ビスフェノール−Aとエピクロロヒドリンとのポリマー、またはそのような化合物の2つ以上の組合せの1つまたは複数を含む。さらに別の実施形態では、難燃相乗材は、金属酸化物、ハロゲン化パラフィン、トリフェニルホスフェート、ジメチルジフェニルブタン、およびポリクミル(polycumyl)の1つまたは複数を含む。
別の実施形態では、本発明の組成物は、全て組成物の総重量に基づいて、約0.5〜約8重量部ハロゲン化アルカン難燃材、約0.5〜約8重量部芳香族ハロゲン化難燃材、0〜約6重量部難燃相乗材を含有する。そのような難燃材についてのさらなる記述は、WO2002/12377に見られる。
本発明の組成物は、有利なことに、ポリマーまたはポリマー組成物に通常添加されるタイプの少なくとも1種の添加材をさらに含むことができる。これらの添加材としては、例えば、プロセス油;酸化防止材;界面活性材;UV安定材;ポリジメチルシロキサン(PDMS)または官能化ポリジメチルシロキサンまたはIRGASURF(登録商標)SR100(Ciba Specialty Chemicalsから入手可能)またはエルカミドを含有するスクラッチ/擦傷配合物などのスクラッチ/擦傷添加材;粘着防止材;分散材;発泡材;線状または実質的に線状のEAO;LDPE;LLDPE;潤滑材;過酸化物などの架橋材;有機金属、イソチアゾロン、有機硫黄およびメルカプタンなどの抗微生物材;フェノール、第2級アミン、亜リン酸塩およびチオエステルなどの酸化防止材;第4級アンモニウム化合物、アミン、およびエトキシル化、プロポキシル化またはグリセロール化合物などの静電防止材が挙げられる。官能化ポリジメチルシロキサンとしては、ヒドロキシル官能化ポリジメチルシロキサン、アミン官能化ポリジメチルシロキサン、ビニル官能化ポリジメチルシロキサン、アリール官能化ポリジメチルシロキサン、アルキル官能化ポリジメチルシロキサン、カルボキシル官能化ポリジメチルシロキサン、メルカプタン官能化ポリジメチルシロキサン、およびその誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。そのような添加材は、使用する場合には、従来の量および様式で使用される。
本発明の組成物は、限定はされないが、加水分解安定材;脂肪酸、脂肪族アルコール、エステル、脂肪族アミド、ステアリン酸金属塩、パラフィン系および微結晶性ワックス、シリコーンおよびオルトリン酸エステルなどの潤滑材;微粒子または粉末状固体、石鹸、ワックス、シリコーン、ポリグリコールおよびトリステアリン酸トリメチロールプロパンまたはテトラステアリン酸ペンタエリスリトールなどのエステル錯体などの離型材;顔料、染料および着色材;二塩基酸(またはそれらの無水物)とo−フタレート、アジペートおよびベンゾエートなどの一価アルコールとのエステルなどの可塑材;有機錫メルカプチド、チオグリコール酸とカルボン酸バリウムまたはカドミウムのオクチルエステルなどの熱安定材;ヒンダードアミン、o−ヒドロキシ−フェニルベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ、4−アルコキシエンゾフェノン、サリチレート、シノアクリレート、ニッケルキレートおよびマロン酸ベンジリデンおよびオキサルアニリドとして使用される紫外線安定材;ならびにゼオライト、モレキュラーシーブ、静電防止材および他の知られている脱臭材などのさらなる添加材も含有することができる。
好ましいヒンダードフェノール系酸化防止材は、Ciba Specialty Chemicalsから入手可能なIrganox(登録商標)1076酸化防止材である。当業者は、過度の実験なしに、添加材および添加材量の任意の好適な組合せ、ならびに添加材(複数可)を組成物に組み込む方法を容易に選択することができる。一般に、上記の添加材のそれぞれは、使用する場合、組成物総重量に基づいて45wt%を超えず、有利には、0.001〜20wt%、好ましくは0.01〜15wt%、より好ましくは0.1〜10wt%使用される。
本発明の一実施形態では、本発明の組成物は、得られる製品の耐スクラッチ擦傷性を改善するために、少なくとも1種のポリジメチルシロキサン(PDMS)を含む。ポリジメチルシロキサンは、一般にポリマー組成物の重量に基づいて0.1〜10wt%存在する。好適なポリジメチルシロキサンとしては、25℃で100,000センチストークを超える粘度、より好ましくは1×106〜2.5×106センチストークの粘度を有するものが挙げられる。さらなる実施形態では、本発明の組成物は、マレイン酸無水物基またはコハク酸無水物基をグラフトしたエチレンホモポリマーまたはエチレンインターポリマーも含み、好ましくはグラフトエチレンホモポリマーまたはインターポリマーは、本発明の組成物の20パーセント未満を構成する。さらに別の実施形態では、本発明の組成物は、可塑材、顔料もしくは着色材、UV安定材、または充填材などの少なくとも1種の添加材も含む。充填材としては、焼成または非焼成材充填材を挙げることができる。耐スクラッチ/擦傷性配合物に好適な成分は、USP5,902,854により詳細に記載されている。
本発明の組成物において有用なさらなるスクラッチ/擦傷配合物は、1つまたは複数の前述の添加剤と共にIRGASURF(登録商標)SR100を含有する。特に好適な配合物は、IRGASURF(登録商標)SR100などのポリエチレン担体中の脂肪族アミドを、珪灰石などの1つまたは複数の充填材、およびマレイン酸無水物基またはコハク酸無水物基をグラフトしたエチレンホモポリマーまたはインターポリマーと共に含有する。他の耐スクラッチ性ポリオレフィン配合物は、米国特許出願公開第2006/009554号に記載されている。
特に好ましい実施形態では、本発明の組成物は、同様に、10〜30wt%の少なくとも1種の着色材および/またはUV安定材、5〜15wt%の少なくとも1種のポリジメチルシロキサン、30〜50wt%の少なくとも1種の充填材、および10〜35wt%のマレイン酸無水物基またはコハク酸無水物基をグラフトした少なくとも1種のエチレンホモポリマーまたはインターポリマーを含有する、耐スクラッチ/擦傷性濃縮物を含有する。重量パーセントは、耐スクラッチ/擦傷性濃縮物の総重量に基づいている。
本発明の製品
製品は、射出成形、押出、押出の後の雄型または雌型熱成形、低圧成形、圧縮成形などにより調製することができる。
本発明の組成物から二次加工することができる包括的ではなく部分的な製品のリストは、建築物および建設ダクト材料、器具パネル構造物、自動車バンパー、車体パネル、ポリマーフィルム、布被覆シート、ポリマーシート、発泡体、コーティング、コンピューター部品、建築材料、家庭用電化製品、給電ハウジング、ごみ入れ缶、貯蔵または梱包コンテナ、庭用家具、芝刈り機および他の庭用電化製品部品、音響装置、ユーティリィティカート部品、玩具および水上船部品を含む。当業者は、過度の実験なしでこのリストを容易に増大させることができる。さらなる製品としては、押出異形材および壁用基礎異形材が挙げられる。
本発明の組成物を成形することにより製造される部品は、可撓性および引張破断伸びについての優れた曲げ弾性率、高剛性、ならびに高温および低温耐衝撃性を含む、成形性ならびに機械的強さに優れている。
本発明の組成物から作製される部品は、軽量性を有し、加工の容易さによって設計の自由度をもたらす。そのような組成物は、強化された剛性、流動性および耐衝撃性を有しつつ、金型における熱処理時に低減した成形収縮係数および寸法変化を有する部品を製造する。したがって、そのような組成物は、減少した壁厚ならびに改善した熱的および機械的特性、ならびに改善した外観を有する射出成形部品の製造を可能にする。
本発明の組成物は、金型に充填するために成形温度において十分流動性である。全体的に、本発明の組成物は、優れた成形性および高剛性を有し、優れた機械的強さ、耐衝撃性、靭性および耐熱変形性を有する部品を形成するために使用することができる。そのような部品は、優れた外観を有し、成形時の寸法変化が低減し、低減した熱一次膨張係数を有する。本発明の組成物は、従来のPC/ABS樹脂から作製される部品のものより小さい壁厚を有する射出成形部品を製造することができる。さらに、そのような部品は、ポリカーボネート/ABSブレンドから作製される部品と比較して軽い。一般に、本発明の組成物から作製される部品は、ポリカーボネート/ABSブレンドと比較して約7重量パーセント軽い。
定義
本明細書で列挙している任意の数値の範囲は、任意下限値と任意の上限値との間に少なくとも2単位の分離があるならば、下限値および上限値からの全ての値を1単位の増分で含む。例として、例えば、分子量、メルトインデックスなどの組成特性、物理的特性または他の特性が、100〜1,000であると述べられている場合、100、101、102などの全ての個々の値、および100〜144、155〜170、197〜200などの部分範囲が本明細書で明白に列挙していることを意図している。1未満の値を含有する、または1を超える小数(例えば、1.1、1.5、等)を含有する範囲に関しては、1単位は、適宜、0.0001、0.001、0.01または0.1であるとみなされる。10未満の1桁の数(例えば、1〜5)を含有する範囲に関しては、1単位は通常、0.1であるとみなされる。これらは、具体的に意図されるものの例にすぎず、列挙した最低値と最高値との間の数値の全ての可能な組合せが本出願で明白に記載されているとみなされるべきである。数値の範囲は、とりわけ、密度、成分の重量パーセント、tanδ、分子量および他の特性に関して記載される。
「組成物」および類似の用語は、組成物を含む材料の混合物、ならびに組成物の材料から形成される反応生成物および分解生成物を意味する。
「ポリマー」および類似の用語は、同じものであろうと異なるタイプのものであろうと、モノマーの重合により作製される化合物を意味する。したがって、ポリマーという総称は、通常ただ1つのタイプのモノマーから作製されるポリマーを指すのに使用されるホモポリマーという用語、および以下に定義するインターポリマーという用語を包含する。
「インターポリマー」、「コポリマー」および類似の用語は、少なくとも2つの異なるタイプのモノマーの重合により作製されるポリマーを意味する。したがって、インターポリマーおよびコポリマーという総称は、古典的コポリマー、すなわち、2つの異なるタイプのモノマーから作製されるポリマー、および2つ以上の異なるタイプのモノマーから作製されるポリマーを含む。
「エチレン/α−オレフィンインターポリマー」、「エチレンポリマー」、および類似の用語は、主に(50モルパーセントを超える)エチレンモノマーユニットから形成されるポリマーを意味する。モルパーセントは、重合可能なモノマーの合計モルに基づく。
「ブレンド」、「ポリマーブレンド」および類似の用語は、2つ以上のポリマーの組成物を意味する。そのようなブレンドは、相溶性であってもなくてもよい。そのようなブレンドは、相分離されてもされなくてもよい。そのようなブレンドは、透過型電子顕微鏡から測定して、1つまたは複数のドメイン構造を含有してもしなくてもよい。
測定
「MI」および「I2」は、ASTM D-1238、およびポリエチレン系ポリマーに関しては条件190℃/2.16kg、およびポリプロピレン系ポリマーに関しては230℃/2.16kgを使用して測定した、g/10minのメルトインデックスを意味する。
密度は、ASTM D-792に従って測定される。以下の例に記載される密度は、「即時密度(quick density)」であり、成形時〜1時間後に密度を測定することを意味する。
ゲル透過クロマトグラフィー
エチレン系ポリマーに関する平均分子量および分子量分布は、Polymer Laboratories Model 200シリーズ高温クロマトグラフからなるゲル透過クロマトグラフィーシステムにより測定される。カラムおよびカルーセル区画は、ポリエチレン系ポリマーに関しては140℃で動作する。カラムは、3つのPolymer Laboratories 10-micron Mixed-Bカラムである。溶媒は、1,2,4トリクロロベンゼンである。試料は、50ミリリットルの溶媒中に0.1グラムのポリマーの濃度で調製される。移動相として、および試料を調製するために使用する溶媒は、200百万分率(ppm)のブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有する。エチレン系ポリマーは、160℃で2時間軽く撹拌することにより調製し、プロピレン系ポリマーは、2.5時間溶解される。注入量は、100マイクロリットルであり、流量は、1.0ミリリットル/分(ml/min)である。GPCカラムセットの較正は、580〜8,400,000の範囲の重量平均分子量を有する、Polymer Laboratories(UK)から購入した狭分子量分布ポリスチレン標品により実施される。ポリスチレン標品ピーク分子量は、以下の等式を使用してポリエチレン分子量に変換される(WilliamsおよびWard、J.Polym.Sci.、Polym.Let.、6、621(1968年)に記載のとおり):
ポリエチレン=A×(Mポリスチレン
式中、Mは重量平均分子量であり、Aは0.4315であり、Bは1.0である。
ポリエチレン換算分子量算出は、Viscotck TriSECソフトウェアバージョン3.0を使用して実施される。ポリプロピレン系ポリマーの分子量は、ASTM D6474.9714-1によるMark-Houwink比を使用して測定でき、ポリスチレンに関しては、a=0.702およびlog K=-3.9であり、ポリプロピレンに関しては、a=0.725およびlog K=-3.721である。ポリプロピレン系試料に関しては、カラムおよびカルーセル区画は、160℃で動作する。
示差走査熱量測定法
示差走査熱量測定法(DSC)は、ポリエチレン(PE)系試料およびポリプロピレン(PP)系試料における結晶化度を測定するのに使用することができる。試料を、190℃の温度でプレスして薄いフィルムにする。約5〜8ミリグラムのフィルム試料を秤量し、DSCパンに置く。蓋は、パン上にクリンピングさせて、確実に密閉雰囲気とする。試料パンをDSCセルに置き、次いで、約10℃/minの速度で、PEに関しては約180〜200℃の温度(PPに関しては230℃)まで加熱する。この温度で試料を3分維持する。次いで、試料を、10℃/minの速度で、PEに関しては-90℃(PPに関しては-90℃)まで冷却し、その温度で3〜5分等温的に維持する。次に、試料を、10℃/minの速度で完全に溶融するまで加熱する(第2加熱;PEに関しては約180℃、およびPPに関しては230℃)。別段の定めのない限り、各ポリマー試料の融点(複数可)(Tm)は、上記のDSCから得られた2回目の加熱曲線から決定される。結晶化温度(Tc)は、初回の冷却曲線から測定される。
試験プラーク調製
3.2mmの平均厚さを有する直径4インチのディスクをToyo #3射出成形機により射出成形する。ディスクは、各々約26グラムの重量がある。金型は、射出サイクル毎に単一のディスクを成形する単一開口金型である。その成形型は、支持枠内へスライドするインサートである。
ASTM D4101は、ポリプロピレンおよびポリプロピレン系TPOの射出成形の基本方針を示す。成形温度は、230℃および2.16kgで測定したポリマーのMFRに基づいている。4.1のMFRを有する材料は、220℃で成形され。MFRが上昇するにつれて、推奨される成形温度が低下する。17.5のMFRを有する材料は、200℃で成形される。複雑さを回避するために、射出成形機中の温度ゾーンを、最初の供給ゾーンの後に全て204℃に設定する。金型温度は38℃(100°F)に維持される。
射出速度は、25ミリメートル/秒(mm/s)で一定に保持される。この速度を、射出サイクルの開始から移行点(この地点でキャビティの容積のおおよそ90〜95%が充填され、ゲートにおいて記録される圧力が急激に上昇し始める点)まで維持する。次いで、圧力を、保圧または充填時間の間保持する。この作業の充填圧力は5000psiであり、これを25秒間維持する。次いで、部品を25秒間冷却して離型する。
射出成形機の仕様および動作プロファイルは、表5に報告される。
以下の例は本発明を例示するが、明示的にも暗黙的にも本発明を限定するものではない。別段の定めのない限り、全ての部およびパーセントは、重量換算のものである。
実験
ポリプロピレンの5グレードを以下の表6に記載している。
Profax PD702は、Basellにより販売されている従来のプロピレンホモポリマーである。
JP707は、Mitsui Chemicals,Incにより販売されている、作製されたままの、プロピレンとエチレンとの従来の異相耐衝撃性プロピレンコポリマーである。
Accpro 9934X(現在ではInnovene H35Z-02として識別されている)は、有核、35MFR、高結晶性アイソタクチックプロピレンホモポリマーである。
D118は、Dow Chemical Companyから入手可能な有核高結晶性プロピレンホモポリマーの開発グレードである。このポリマーは、約41,000g/モルのMn、約183,000g/モルのMwおよび約4.5のMw/Mnを有する。
CDC-1は、剪断および過酸化物により35のメルトインデックスまでビスブレーキングされた(vis-broken)、成核材を有さないD118プロピレンホモポリマーのバージョンである。
CDC-2は、D118プロピレンホモポリマーの別のバージョンであるが、このバージョンは、成核材を用いて作製され、次いで35のMFRまでビスブレーキングされる。このグレードは、現在ではD221として入手可能である。
曲げ弾性率をASTM D-790により測定した。
表6で報告したように、曲げ弾性率およびHDTは、アイソタクチックホモポリマーの結晶化度および成核材の存在の両方により影響される。核形成の効果は、CDCグレードの物性、すなわち、ポリマーの核形成により曲げ弾性率が少なくとも30パーセント増加することを調べることにより、明確に認められ得る。
エチレン/オクテン、エチレン/ブテンおよびエチレン/プロペンコポリマーを含めた多くのEAOエラストマー衝撃改質材は、本発明の実施での使用に有効である。
ENR7380は、190℃および2.16kgで0.87g/ccの密度および0.3未満の非常に低いMFRを有するエチレン1−ブテンコポリマーである。このポリマーは、低Tg、190℃および0.1r/sで測定した低tanδ、およびそのHDTより10.3℃低い融点Tmの良好なバランスを有し、このバランスは、このポリマーをポリプロピレン用の衝撃改質材として良好にする、。-30℃および6.7m/sでの計装化ダート衝撃による試験を必要とする用途に関しては、この所望の靭性を達成するために、過剰量のENR7380またはそのタルクを塗した(dusted)対応品ENR7387を使用する。
ENR7487は、0.86g/ccの密度および190℃および2.16kgにおいて0.3未満の非常に低MFRを有する、エチレン1−ブテンコポリマーの新開発グレードである。このグレードは、-57℃のTgを有し、特に-30℃までの温度での衝撃改質、特に6.7m/sの速度での計装化ダート衝撃試験によく適している。ENR7380との逐次比較では、目標耐衝撃性を達成するためにより少ないENR7487が必要とされる。
文献で教示されていることとは対照的に、非常に低いMIのエラストマーは、高度タルク−充填材入りTPO用の最も有効な衝撃改質材である。これらの低MIエラストマーは、素の35MFRポリプロピレンに分散させることが困難であるが、タルクの存在下で達成される粒径は、非常に効果的である。これにより、高結晶性ポリプロピレンおよびタルクの同じ配合物を用いるとどうしても達成できないが、より従来のエチレンアルファオレフィンエラストマーを用いると達成できる、高弾性率および延性の組合せが可能になる。
ENR7380、およびそのタルク散布等価物であるENR7387は、低Tg、低tanδ(190℃および0.1r/s)(低光沢を可能にする)、およびクリープに対する固有の耐性(そのピーク溶融温度を超えるそのHDTを有することに反映され、次いでTPOに対してより高いHDTをもたらす)という非常に良好なバランスを有する。この材料の唯一の欠陥は、6.7m/sで計装化ダート衝撃により試験した場合の、-20℃よりも低い温度、さらに低い-30℃の温度での衝撃改質効率の低下である。当業者は、より低い試験速度、例えば、3.2m/sで、効率が低下する温度がより低いことを理解するであろう。ENR7487は、この問題を解決する。
以下の表7および8は、ENR7487、ENR7380、および衝撃改質に利用されている、最も広く利用されている3種のエチレン1−オクテングレードの衝撃改質効率を比較する。これらの2つの研究は、より低いエラストマー含量を含有しこのためより脆性である表7の配合物以外は、非常に類似している。表7の組成物に関しては、ポリプロピレン:エラストマー(PP:EAO)比は2.33であり、PP:EAO/タルク比は1.1である。ENR7487を用いた配合物は、明らかに最も有効な衝撃改質材であり、目標とした22ft-lb-fの最低総エネルギー吸収を達成することができるが、それは3.2m/sの場合のみである。6.7m/sで試験すると、全ての配合が延性試験に不合格となった。エラストマーとしてEngage(商標)8180を含有するもの以外の全ての配合物は、目標の2100MPa(305kpsi)を超えるピークタンジェント曲げ弾性率を満たす。
表8の組成物に関しては、PP:EAO比は1.84であり、PP:EAO/タルク比は0.946である。エラストマー含量は、表7の組成物と比較して高く、結果的に全システムの延性が改善した。ENR7487およびENR7387の両方は、今回は弾性率要件を満たすが、ENR7487だけが、弾性率および総エネルギー要件の両方を満たす。
表9は、ENR7380およびENR7487の別の比較を示す。表9の組成物は、1.85のPP:EAO比および0.835のPP:EAO/タルク比を有する。-30℃および6.7m/sで試験すると、ENR7380は、どうしても計装化ダート延性要件を達成できない。これらのデータ点は、混合による比エネルギー効果を評価するための実験の一部である。したがって、これらの試料は、二軸スクリュー押出機1000RPMで配合されるが、50ポンド/時間の押出機の従来の処理量は、同じままにする。
表10は、ENR7487のみを用いて実施する配合条件研究のバランスを示す。この表の組成物は、1.86のPP:EAO比および0.835のPP:EAO/タルク比を有する。より低い比エネルギーでの配合、および配合中に二軸スクリュー押出機から水分を除去するための真空脱揮(vacuum devolarization)の使用により、タルクのレベルが30%であるにもかかわらず、高レベルの延性が可能となる。
金属およびプラスチックは、それらの特性が靭性から脆性へ劇的に変化する温度を有することが知られている。ポリプロピレンポリマーに関しては、ポリマーの結晶化度が増大するにつれてこの延性脆性遷移温度(DBTT)が増大する。このDBTTもまた、ポリマーのMFRが増大するにつれて、およびTPO配合物における充填材レベルが増大するにつれて増大する。DBTTが高いほど、所望の試験温度で延性にさせるために配合物に添加しなければならないエラストマーがより多くなる。より速い衝撃試験速度によってもまたDBTTが増加することが、最終的な複雑さになる。
射出成形部品に関しては、230℃および2.16kgで試験した35g/l0分のMFRを有する高結晶性ホモポリマーポリプロピレンが魅力的な出発点である。タルクは、熱的膨張係数を低下させるため、ならびに弾性率および熱変形温度を増加させるために利用することができる。自動車内装用途に関して、流動性、-30℃および6.7m/sでの延性、ならびに剛性の最良のバランスは、タルク含量を約25重量%に制限することができる。
大型トラックの運転台上のスポイラーなどの熱成形部品に関しては、設計要件が非常に異なる。押出および熱成形工程に対応するために、ポリプロピレンの最適な出発点は、230℃および2.16kg荷重で試験した2g/10minのMFRでもよい。タルクは、弾性率および熱変形温度を増大させるだけでなく、配合物の流動性を低く、しかし良好な剪断減粘特徴を有するようにすることにより熱成形特徴を改善する。ポリプロピレンのより高い分子量が、延性脆性遷移温度を低下させ、より少ないエラストマー、またはより多いタルク、あるいはその両方の使用を可能にする。達成することができる最終的な特性は、弾性率および熱変形温度の最も少ない損失により低温耐衝撃性目標を達成しているエラストマーの効率により限定される。
DBTTの範囲の延性の評価は、非常に困難である。完全延性に必要なレベルをわずかに下回るエラストマーレベルのエラストマーをスクリーニングすることが、一般に最良である。より有効ではない衝撃改質材は非常に脆性となり、そのような改質材は、パック中の最も有効な改質材と区別することがより容易である。
前述したように、高結晶性ホモポリマーポリプロピレン、高溶融強度エラストマー、および強化充填材の配合は、個々の計画の性能および加工要件を満たすように調整できる。
肉厚に押出されて熱成形可能なシートに関しては、より低いMFRが要求される。これにより、延性脆性遷移温度(DBTT)を低下させるより高い分子量のポリプロピレンの使用が可能となる。より低いDBTTは、より多くのタルクまたはより少ないエラストマー、あるいはその両方のいずれかの使用を可能にする。このことは、以下の表11に反映されている。この表の組成物は、1.86のPP:EAO比および0.80のPP:EAO/タルク比を有する。いずれの場合も、これらの配合物は、56%高結晶性ホモポリマーポリプロピレン、14%のENR7487、および30%タルクの化合物である。この研究は、ポリプロピレン選択(35のMFRを有するD221または2のMFRを有するD207.02高結晶性ホモポリマー)、タルク選択(15ミクロンの最大粒径を有するJetFil 700C または7の最大粒径を有するJetFine 3CA)、または供給量の混入率に対する比(0.1 lb/hr/rpmまたは0.2 lb/hr/rpm)の効果を調べる。明らかに、より高い分子量のホモポリマーポリプロピレンを有する配合物は、低流動性の利用要件だけではなく、延性および弾性率要件も満たす唯一のものである。
本発明は、上述の特定の実施形態によって特に詳細に記載しているが、この詳述の主要な目的は、例示のためである。多くの変形および変更が、以下の特許請求の範囲に記載しているように、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、当業者によりなし得る。上で引用した全ての米国特許、特許出願公開および認められた特許出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

Claims (20)

  1. 計装化ダート衝撃試験(6.7メートル/秒(m/s)でのASTM D3763)で測定して-30℃で少なくとも22ft-lb-f(29.83N-mまたはJ)の衝撃間総エネルギー吸収、およびASTM D-790で測定して2100メガパスカル(MPa)(305,000ポンド/平方インチ(psi))以上のピークタンジェント曲げ弾性率を有する、充填入りTPO組成物であって、前記組成物が、TPO組成物の総重量に基づいて、
    A)少なくとも1のMFRおよび示差走査熱量測定法(DSC)で測定して少なくとも160℃の融点(Tm)を有する、36〜56wt%の結晶性ポリプロピレン、ならびに
    B)(1)(1)DSCで測定して-50℃未満のTg、
    (b)0.1rad/sおよび190℃でAdvanced Rheometric Expansion Systems(ARES)レオメーターで測定して2を超えて3までのtanδ、および
    (c)DSCで測定してエラストマーのピーク溶融温度以上のHDT
    を有するEAOエラストマー、ならびに
    (2)板状充填材
    を含み、エラストマー 対 充填材の重量比が3:2〜2:1で前記エラストマーおよび前記充填材が存在する、64〜44wt%のエラストマー/充填材組成物
    を含み、ポリプロピレンのエラストマーに対する重量比が2未満で、結晶性ポリプロピレンおよびエラストマーが存在する、充填材入りTPO組成物。
  2. 計装化ダート衝撃試験(3.2メートル/秒(m/s)でのASTM D3763)で測定して-30℃で少なくとも22ft-lb-f(29.83N-mまたはJ)の衝撃間総エネルギー吸収、およびASTM D-790で測定して2100MPa(305,000psi)以上のピークタンジェント曲げ弾性率を有する充填材入りTPO組成物であって、前記組成物が、TPO組成物の総重量に基づいて、
    A)少なくとも1のMFRおよび示差走査熱量測定法(DSC)で測定して少なくとも160℃の融点(Tm)を有する、36〜56wt%の結晶性ポリプロピレン、ならびに
    B)(1)(1)DSCで測定して-50℃未満のTg、
    (b)0.1rad/sおよび190℃でAdvanced Rheometric Expansion Systems(ARES)レオメーターで測定して2を超えて3までのtanδ、および
    (c)DSCで測定してエラストマーのピーク溶融温度以上のHDT
    を有するEAOエラストマー、ならびに
    (2)板状充填材
    を含み、エラストマー 対 充填材の重量比が3:2〜2:1でエラストマーおよび充填材が存在する、64〜44wt%のエラストマー/充填材組成物
    を含む、充填材入りTPO組成物。
  3. -30℃での衝撃間総エネルギー吸収が少なくとも25ft-lb-f(33.9N-mまたはJ)であり、曲げ弾性率が2210MPa以上である、請求項1または2に記載のTPO組成物。
  4. 39〜53wt%の結晶性ポリプロピレンおよび61〜47wt%のエラストマー/充填材組成物を含む、請求項1または2に記載のTPO組成物。
  5. 結晶性ポリプロピレンが、少なくとも30のMFRを有する、請求項1または2に記載のTPO組成物。
  6. 結晶性ポリプロピレンが、23℃におけるキシレンに対する不溶性によって測定して少なくとも99%の結晶化度および100℃を超えるHDTを有するアイソタクチックプロピレンホモポリマーである、請求項1または2に記載のTPO組成物。
  7. 結晶性ポリプロピレンが、2210MPaを超える曲げ弾性率および120℃を超えるHDTを有する、請求項1または2に記載のTPO組成物。
  8. EAOエラストマーが、-52℃未満のTgおよび2.1を超えるtanδを有する、請求項1または2に記載のTPO組成物。
  9. EAOエラストマーのα−オレフィンが、3〜20個の炭素原子を含む、請求項8に記載のTPO組成物。
  10. α−オレフィンが、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンのうちの少なくとも1つである、請求項9に記載のTPO組成物。
  11. EAOエラストマーが、均一分枝または均一に分枝した実質的に線状のEAOインターポリマーを含む、請求項10に記載のTPO組成物。
  12. EAOが、-54℃より低いTgを有する、請求項11に記載のTPO組成物。
  13. 板状充填材が不活性無機粉末であり、0.1〜50ミクロンの中間粒径を有する、請求項1または2に記載のTPO組成物。
  14. 板状充填材が、タルク、カオリン粘土および雲母のうちの少なくとも1つである、請求項13に記載のTPO組成物。
  15. 板状充填材がタルクである、請求項14に記載のTPO組成物。
  16. 100%の延性を有する、請求項15に記載のTPO組成物。
  17. 請求項1または2に記載の組成物から形成される少なくとも1種の成分を含む成形品。
  18. コンピューター部品、建築物もしくは建設材料、家庭用電化製品の構成部品、コンテナ、家具もしくは家具構成部品、履物もしくは履物構成部品、または玩具の形態の、請求項17に記載の成形品。
  19. 結晶性ポリプロピレンがアジド結合を介して分枝している、請求項1または2に記載のTPO組成物。
  20. 結晶性ポリプロピレンがプロピレンホモポリマーである、請求項1または2に記載のTPO組成物。
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