JP2010252760A - 魚釣用リール - Google Patents
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Abstract
【課題】 より安定したドラグ性能を発揮する魚釣用リールを提供すること。
【解決手段】 魚釣用リール10は、釣糸を巻回するスプール40の前部に設けられる開口凹部54に、押圧部材72と、ドラグノブ74の内側に形成されスプール軸38の雄ネジ部38aに螺合する雌ネジ部102と、前記押圧部材と前記雌ネジ部との間に設けられ前記雌ネジ部を前記ドラグノブに向かって付勢する圧縮コイルバネ78とを有するドラグ力調整部材62を備え、前記雌ネジ部の螺合状態を変化させることによってドラグ力を調整可能である。前記押圧部材72は、前記スプール軸38の外周を支持する内周円筒部82を有する。
【選択図】 図2
【解決手段】 魚釣用リール10は、釣糸を巻回するスプール40の前部に設けられる開口凹部54に、押圧部材72と、ドラグノブ74の内側に形成されスプール軸38の雄ネジ部38aに螺合する雌ネジ部102と、前記押圧部材と前記雌ネジ部との間に設けられ前記雌ネジ部を前記ドラグノブに向かって付勢する圧縮コイルバネ78とを有するドラグ力調整部材62を備え、前記雌ネジ部の螺合状態を変化させることによってドラグ力を調整可能である。前記押圧部材72は、前記スプール軸38の外周を支持する内周円筒部82を有する。
【選択図】 図2
Description
この発明は、スプールに制動力を付与するドラグ機構を有する魚釣用リールに関する。
スプール軸の前部に回転自在に支持したスプールに制動力を付与するドラグ機構は、例えば特許文献1に開示されているように、スプール前部に形成した凹部に複数の制動板を収容し、スプール軸の前部に螺合するドラグノブを回転操作することで制動板を押圧して(ドラグ力を加えて)いる。そして、ドラグノブを回転操作してスプール軸に対するスプールの摩擦結合力を変えて、スプールの制動力を増減調整する構成を有する。
回転操作されたときに付与されるバネ力により制動板を押圧するドラグノブの押圧部は、中央にスプール軸やスプールメタルに対して隙間を有し緩く嵌合する連通孔を有する有底皿状のキャップをドラグノブの内面に固定し、このキャップ内でスプール軸に螺合し、バネ付勢されたナットが軸方向移動可能に回り止め嵌合されている。
ナットとスプール軸の螺合精度はラフであり、スプール軸に対してキャップが緩く嵌合する構成であることにより、スプール軸に対して押圧部が径方向に偏ったり、又は、傾いた状態で制動板を押圧することがあるので、ドラグ性能が安定し難い。
ナットとスプール軸の螺合精度はラフであり、スプール軸に対してキャップが緩く嵌合する構成であることにより、スプール軸に対して押圧部が径方向に偏ったり、又は、傾いた状態で制動板を押圧することがあるので、ドラグ性能が安定し難い。
また、ドラグノブクリック機構を装備したリールでは、これらの偏り、傾きにより、クリック性能(発音状態や耐久性)が安定し難い。さらに、スプール軸に対してスプールも傾き易くなるので、糸巻状態にも影響が生じ易い。
この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、より安定したドラグ性能を発揮し、ドラグ機構にクリック機構を有する場合でも安定したクリック性能を有する魚釣用リールを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明に係る魚釣用リールは、押圧部材と、ドラグノブの内側に形成されスプール軸の雄ネジ部に螺合する雌ネジ部と、前記押圧部材と前記雌ネジ部との間に設けられ前記雌ネジ部を前記ドラグノブに向かって付勢する弾性部材とを有するドラグ力調整部材を、釣糸を巻回するスプールの前部に設けられる開口凹部に備え、前記スプール軸の雄ネジ部に対する前記ドラグノブの雌ネジ部の螺合状態を変化させることによってドラグ力を調整可能であり、前記押圧部材は、前記スプール軸の外周を支持するスプール軸支持部を有することを特徴とする。
また、前記スプール軸支持部は筒状に形成され、前記スプール軸支持部の外周に弾性部材が設けられていることが好適である。
また、前記スプール軸支持部と前記スプール軸との間には、前記スプールを支持するスプール支持部材が配設されていることが好適である。
また、前記スプール軸支持部は筒状に形成され、前記スプール軸支持部の外周に弾性部材が設けられていることが好適である。
また、前記スプール軸支持部と前記スプール軸との間には、前記スプールを支持するスプール支持部材が配設されていることが好適である。
スプール軸の雄ネジ部にドラグノブの内側に形成された雌ネジ部を螺合させドラグ力(押圧力)を大きくするように調整しても、押圧部材がスプール軸の外周を支持するスプール軸支持部を有することによって押圧部材の変形を抑制することができる。また、ドラグ力を小さくしても、押圧部材がスプール軸の外周を支持するので、スプール軸に対する押圧部材のガタ付きを防止できる。このため、ドラグ力を大きくしても、小さくしても安定したドラグ性能を発揮できる。
スプール軸支持部は筒状に形成され、スプール軸支持部の外周に弾性部材が設けられていることによって、スプール軸支持部自体の強度及び剛性が増すのはもちろん、スプール軸との接触面積を大きくすることができるので、押圧部材の変形を抑制できるとともに弾性部材の押圧支持状態も安定し、ドラグ力を大きくしても、小さくしても安定したドラグ性能を発揮できる。
スプール軸支持部とスプール軸との間に、スプールを支持するスプール支持部材が配設されていることによって、大径のスプール支持部材によってスプール軸支持部の変形を効果的に抑制でき、ドラグ力を大きくしても安定したドラグ性能を発揮できる。また、ドラグ力を小さくしても、ガタ付きを防止しているので、安定したドラグ性能を発揮できる。
スプール軸支持部は筒状に形成され、スプール軸支持部の外周に弾性部材が設けられていることによって、スプール軸支持部自体の強度及び剛性が増すのはもちろん、スプール軸との接触面積を大きくすることができるので、押圧部材の変形を抑制できるとともに弾性部材の押圧支持状態も安定し、ドラグ力を大きくしても、小さくしても安定したドラグ性能を発揮できる。
スプール軸支持部とスプール軸との間に、スプールを支持するスプール支持部材が配設されていることによって、大径のスプール支持部材によってスプール軸支持部の変形を効果的に抑制でき、ドラグ力を大きくしても安定したドラグ性能を発揮できる。また、ドラグ力を小さくしても、ガタ付きを防止しているので、安定したドラグ性能を発揮できる。
以下、図面を参照しながらこの発明を実施するための形態について説明する。
第1の実施の形態について図1から図3を用いて説明する。
図1は本発明の好ましい実施形態による魚釣用スピニングリール10を示す。図1に示すように、魚釣用スピニングリール10は、剛性構造のリールボディの一側に固定される着脱可能の蓋体(図示しない)でその内部空間を閉じたリール本体12を有し、リール本体12から延出する脚部12aの端部に形成された釣竿取付部12bを介して図示しない釣竿に取り付けられる。このリール本体12内にはハンドル軸14が回転可能に支持されており、リール本体12から突出するハンドル軸14の端部には、ハンドル16が固定される。
第1の実施の形態について図1から図3を用いて説明する。
図1は本発明の好ましい実施形態による魚釣用スピニングリール10を示す。図1に示すように、魚釣用スピニングリール10は、剛性構造のリールボディの一側に固定される着脱可能の蓋体(図示しない)でその内部空間を閉じたリール本体12を有し、リール本体12から延出する脚部12aの端部に形成された釣竿取付部12bを介して図示しない釣竿に取り付けられる。このリール本体12内にはハンドル軸14が回転可能に支持されており、リール本体12から突出するハンドル軸14の端部には、ハンドル16が固定される。
ハンドル軸14のリール本体12内に配置される部位には、ドライブギア22が取り付けられている。このドライブギア22には、ハンドル軸14に対して直交する方向に延在し且つ軸受けを介してリール本体12内に回転可能に支持された円筒状構造のピニオンギア24が噛合する。
このピニオンギア24は、ハンドル軸14に対して直交する前後方向に延びかつリール本体12に対して回転自在に支持された筒軸26の後端側外周部に設けられている。この筒軸26の先端部には、ベール32および図示しないラインローラ(釣糸案内部)を備えたアーム部34と、筒部36とを一体的に有するロータ30が一体的に取り付けられている。このため、ピニオンギア24を介して筒軸26と共にロータ30を一体的に回転することができる。
このピニオンギア24は、ハンドル軸14に対して直交する前後方向に延びかつリール本体12に対して回転自在に支持された筒軸26の後端側外周部に設けられている。この筒軸26の先端部には、ベール32および図示しないラインローラ(釣糸案内部)を備えたアーム部34と、筒部36とを一体的に有するロータ30が一体的に取り付けられている。このため、ピニオンギア24を介して筒軸26と共にロータ30を一体的に回転することができる。
ピニオンギア24が設けられた筒軸26内には、スプール軸38が貫通しており、スプール軸38はハンドル軸14と直交する方向に延在している。このスプール軸38は、筒軸26と同心的に配されており、筒軸26およびリール本体12に対してハンドル軸14と直交する方向に沿って前後動することができる。このスプール軸38の先端部側には、釣糸が巻回されるスプール40が取り付けられている。
スプール40を前後方向に往復動するスプール往復動装置を形成するオシレート機構は、ハンドル軸14に一体形成するのが好ましい小歯車14aに噛合する連動歯車42を有し、この連動歯車42の回転中心軸から半径方向外方に偏心した位置に突設させた図示しない係合突起を、スプール軸38の後端部に取り付けられた図示しない摺動体の案内溝49に係合させ、連動歯車42が回転したときに、摺動体を図示しないガイドレールに沿って前後方向に案内することができる。このようなオシレート機構は、ハンドル軸14がハンドル16の回転操作によって回転すると、ハンドル軸14上の小歯車14aと噛み合う連動歯車42が回転し、それに伴って、連動歯車42の係合突起が回転すると共に、この係合突起に係合する案内溝49の案内によって摺動体が前後に往復動する。したがって、摺動体に取り付けられたスプール軸38は筒軸26内を軸方向に沿って往復駆動(前後動)する。
このスプール軸38の先端部側には、後端にフランジ部44aを有する金属材製で円筒状のスプール支持部材44がスプール軸38に対してピン46で回り止めされ、かつスプール軸38の軸方向に移動不能に取り付けられている。この支持部材44には、例えば係止リングで抜け止めされた軸受48を介して、釣糸巻回胴部40aに釣糸が巻回されるスプール40が着脱可能に取り付けられている。このため、スプール40は、スプール軸38と共にハンドル軸14(図1参照)と直交する方向に往復動することができる。
このように形成された魚釣用スピニングリール10は、ハンドル16を回転操作してハンドル軸14を回転させると、オシレート機構の摺動体に取り付けられたスプール軸38を介してスプール40が前後に往復動し、一方、巻取駆動機構のドライブギア22とピニオンギア24と筒軸26とを介してロータ30が回転駆動される。したがって、スプール40には、ロータ30のラインローラ(図示せず)によって案内された釣糸がほぼ均等に巻回される。
なお、リール本体12内には、ロータ30の逆回転(釣糸をスプール40から繰出す方向の回転)を防止する周知の一方向クラッチ(図示しない)を備えた逆転防止機構が配置されている。この逆転防止機構を、リール本体12の後端壁部に設けた切換レバー50を切換操作することにより、ロータ30が正逆転可能な状態と、正転可能でかつ逆転不能の状態とに切換えることができる。
図2に示すように、スプール40は、釣糸が巻回される釣糸巻回胴部40aを外周部に凹設し、この釣糸巻回胴部40aの前端側に前側フランジ部40bを配置し、後端側にロータ30の筒部36を収容するスカート部40cを配置した筒状構造に形成してある。釣糸巻回胴部40aの軸方向のほぼ中央部の内側には、上述した支持部材(スプールメタル)44および軸受48を介してスプール軸38に装着するための中央貫通孔52aを軸心と同心状に配置した支持壁52を一体に形成してある。この支持壁52の中央貫通孔52aは、支持部材44に装着された軸受48上に取り付けられる。この支持壁52の前部には、前方に開口する開口凹部54が設けられている。
図1および図2に示すように、本実施形態の魚釣用スピニングリール10には、フロントドラグ方式のドラグ装置60が設けられている。そして、後述するドラグノブ74を操作してドラグ力を調整することによって、スプール40に制動力を付与しながらスプール40の釣糸繰り出し方向への回転を許容する(スプール40の回転力を制御する)ことができる。
ドラグ装置60は、スプール支持部材44の先端が内側に配設されスプール軸38の先端部に螺合されるドラグ力調整部材62と、スプール軸38およびスプール支持部材44が貫通し、スプール40の開口凹部54内に配置した摩擦結合装置(摩擦結合部)64と、スプール軸38およびスプール支持部材44が貫通し、ドラグ力調整部材62および摩擦結合装置64の間に配設される金属材製のラチェットリング66とを備えている。
ドラグ力調整部材62は、摩擦結合装置64およびラチェットリング66を押圧する押圧部材72と、摩擦結合装置64およびラチェットリング66に対する押圧部材72の押圧力を調整するためのドラグノブ74と、スプール軸38の先端の雄ネジ部38aに螺合するナット部材76と、圧縮コイルバネ(弾性部材)78と、ラチェットリング66とともにクリック機構を構成するクリック係合子80とを備えている。
押圧部材72は、内周円筒部(スプール軸支持部)82と、外周円筒部84と、押圧板86とを備えている。内周円筒部82および外周円筒部84は同心状に配設され、押圧板86は押圧部材72の底面を形成し、内周円筒部82と外周円筒部84とともに一体的に形成されている。なお、内周円筒部82および外周円筒部84の軸方向長さは、外周円筒部84の方が内周円筒部82よりも長く形成されている。
押圧部材72の外周円筒部84には、例えば1対の側孔84aが形成されている。側孔84aには、ドラグノブ74の後述する爪部94aとクリック係合子80とが配設されている。
押圧部材72の内部には、クリック係合子80が配設されている。クリック係合子80は、帯状の金属素材が円弧状に形成され、例えばその中央部には外方に突出する突出部80aが形成されている。このため、クリック係合子80は、外周円筒部84の内周面に沿って配設されているとともに、外周円筒部84の側孔84aからクリック係合子80の突出部80aを突出させた状態に保持されている。なお、クリック係合子80の突出部80aは、ラチェットリング66の後述するクリック凹凸歯124aに係合する。クリック係合子80の開放された両端部は、例えば外周円筒部84の側孔84aのうち、突出部80aが配設されていない側孔84aに支持されて、クリック係合子80が押圧部材72に対して着脱可能に固定された状態にあることが好ましい。
押圧部材72の内部には、クリック係合子80が配設されている。クリック係合子80は、帯状の金属素材が円弧状に形成され、例えばその中央部には外方に突出する突出部80aが形成されている。このため、クリック係合子80は、外周円筒部84の内周面に沿って配設されているとともに、外周円筒部84の側孔84aからクリック係合子80の突出部80aを突出させた状態に保持されている。なお、クリック係合子80の突出部80aは、ラチェットリング66の後述するクリック凹凸歯124aに係合する。クリック係合子80の開放された両端部は、例えば外周円筒部84の側孔84aのうち、突出部80aが配設されていない側孔84aに支持されて、クリック係合子80が押圧部材72に対して着脱可能に固定された状態にあることが好ましい。
ドラグノブ74は、ツマミ部92aを有する例えばプラスチック製のキャップ92と、このキャップ92に設けられ、複数の爪部94aを有する筒状部94とを一体的に備えている。爪部94aは押圧部材72の外周円筒部84の側孔84aに係合される。すなわち、側孔84aは爪部94aの係止部の役割を果たすとともに、クリック係合子80の突出部80aを突出させる役割を果たす。
なお、ドラグノブ74のキャップ92の外周には、スプール40の前側フランジ部40bの内周面との間の水密を図るシール部材98が配設されている。
なお、ドラグノブ74のキャップ92の外周には、スプール40の前側フランジ部40bの内周面との間の水密を図るシール部材98が配設されている。
筒状部94の内側には、ドラグノブ74のツマミ部92aと反対側に例えば金属材製のナット部材76の収容部が形成され、ナット部材76が回り止め嵌合されて収容されている。ナット部材76は、スプール軸38の雄ネジ部38aが螺合される雌ネジ部102と、圧縮コイルバネ78を押圧部材72の押圧板86とともに支持する凹部106を有しドラグノブ74の筒状部94の内側に配設されるフランジ部104とを一体的に備えている。
このため、ナット部材76の雌ネジ部102はスプール軸38の雄ネジ部38aに着脱可能に螺合される。したがって、ドラグノブ74のツマミ部92aをスプール軸38に対して回転させると、ドラグノブ74に対して回り止めされたナット部材76の雌ネジ部102がスプール軸38の雄ネジ部38aに螺合される。
摩擦結合装置64は、内周部を支持部材44の非円形の外周44b(図3参照)に対して回り止め嵌合された金属製のスプール軸側摩擦板112と、外周部をスプール40に回り止めされたスプール側摩擦板114とを有する多板構造に形成されている。スプール軸側摩擦板112およびスプール側摩擦板114はそれぞれ2枚以上設けてもよい。これらのスプール軸側摩擦板112とスプール側摩擦板114とを交互に配置し、互いに対向する摩擦係合面間には、例えば0.5mmから1.5mm程度の厚さのライニング材116が介挿されている。これらの摩擦係合面間に介挿したライニング材116は、対向する摩擦係合面の一方に接着固定してもよく、あるいは、いずれの摩擦係合面にも固定することなく、ライニング材116のみを交換可能としてもよい。
支持部材44の外周44bとスプール軸側摩擦板112との間の回り止めは、スプール軸側摩擦板112の中央部に形成した装着孔を、支持部材44の外周面44bの非円形形状(図示しない)に対応した非円形形状に形成し、支持部材44の非円形形状の外周面44bに、スプール軸側摩擦板112の非円形形状の装着孔を嵌合することにより、行うことができる。
クリック機構を構成するラチェットリング66は、押圧部材72の押圧板86と摩擦結合装置64のライニング材116との間に配設される円盤状の狭持部122と、狭持部122の縁部から押圧部材72の外周円筒部84の外側に配設されるリング部124とを一体的に備えている。リング部124の内周面にはクリック係合子80の突出部80aが係合する多数のクリック凹凸歯124aが並設されている。このため、クリック係合子80の突出部80aに対して相対的にクリック凹凸歯124aの係合位置が移動する際にクリック音が発生する。
この摩擦結合装置64に対するドラグ力調整部材62は、摩擦結合装置64の摩擦結合力を調節する調節体として機能する。押圧力(ドラグ力)は押圧部材72とドラグノブ74との間に配置した圧縮コイルバネ78の付勢力で形成され、この押圧力をドラグノブ74で調節することができる。すなわち、ドラグノブ74をスプール軸38に捩じ込むと、ナット部材76の雌ネジ部102に対するスプール軸38の雄ネジ部38aの捩じ込み量に応じた圧縮コイルバネ78の押圧力で、摩擦結合装置64がスプール40の支持壁52に押圧され、スプール軸38に対するスプール40の回転が規制される。
このとき、押圧部材72には内周円筒部82が形成され、図2および図3に示すように、この内周円筒部82の内側にスプール支持部材44の先端部44cが配設され、この先端部44cの内側にナット部材76の雌ネジ部102を構成する筒状部材が配設されている。このため、押圧部材72に大きな力が加えられたとしても、内周円筒部82がスプール軸38の中心軸方向に変形するのを抑制できる。このため、押圧部材72がスプール軸38に対して径方向への偏りや傾きを防止できる。更に、圧縮コイルバネ(弾性部材)78は、内周円筒部82により変形時にスプール軸38と直交する方向の移動が制限されるので、押圧支持状態も安定する。したがって、押圧部材72の押圧板86とラチェットリング66の狭持部122、さらには、多板構造の摩擦結合装置64との間の互いに対する接触面積の変化を抑制できる。したがって、この実施の形態におけるドラグ力調整部材62を用いることによって、ドラグ性能を安定させることができる。また、ドラグ性能において、スプール40の動作による糸巻きの影響を受け難くすることができる。
そして、スプール40の制動抵抗に抗してスプール40を回転させると、スプール軸38はその位置を維持したままであるから、クリック係合子80の突出部80aはその位置を維持した状態でラチェットリング66がスプール40とともに回転して、ラチェットリング66のクリック凹凸歯124aに配設されたクリック係合子80の突出部80aの位置が隣接したクリック凹凸歯124aに移動して配置される。このため、クリック音が生じる。
このとき、上述したようにスプール軸38に対する押圧部材72の径方向への偏りや傾きを防止できるので、ラチェットリング66の狭持部122に対する押圧部材72の押圧板86の接触状態を良好に維持することができる。また、押圧部材72に対するクリック係合子80の位置も所定の位置を維持することができる。したがって、クリック係合子80の突出部80aに対するラチェットリング66のクリック凹凸歯124aのクリック性能を安定化することができる。なお、本実施形態におけるクリック性能の具体例として、「クリック音が一定であること」、「ドラグノブ74を回すときの負荷の変化が滑らかに変化すること」、「長期間の使用に対しても上記の音や負荷変化が安定していること」が挙げられる。
ドラグノブ74をスプール軸38の雄ネジ部38aに対して緩めると、その緩め具合に応じて、スプール40の制動抵抗、すなわち摩擦結合力が低下し、スプール軸38に対してスプール40が回転し易くなる。この状態であっても、内周円筒部82の内側にスプール支持部材44の先端部44cが配設され、この先端部44cの内側にナット部材76の雌ネジ部102を構成する筒状部材が配設されているので、スプール軸38に対するガタ付きを防止できる。
したがって、この実施の形態における押圧部材72を用いることによって、大きなドラグ力を加えたときからドラグ力を緩めたときに至るまで、常に安定したドラグ性能を維持することができる。
したがって、この実施の形態における押圧部材72を用いることによって、大きなドラグ力を加えたときからドラグ力を緩めたときに至るまで、常に安定したドラグ性能を維持することができる。
この実施の形態では、押圧部材72には内周円筒部82が形成されているものとして説明し、円筒状であることが好適であるが、円筒状などの筒状ではなく、図示しないが、押圧板86から延出され例えば横断面が円弧状に形成されたものが組み合わせられていても良い。すなわち、符号82で示す部分(スプール軸支持部)は、筒状に限ることはない。
また、図3に示すように、スプール支持部材44の先端部44cの外周面44bは、平面部としてされているが、後述する第2の実施の形態で説明するように、スプール支持部材44の先端部44cは円筒状であっても良い。
次に、第2の実施の形態について図4および図5を用いて説明する。この実施の形態は第1の実施の形態の変形例であって、第1の実施の形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
図4に示すように、この実施の形態は、第1の実施の形態で説明した圧縮コイルバネ78(図2および図3参照)の代わりに、板バネ(弾性部材)142を用いた例である。ナット部材76のフランジ部104には、板バネ142の端部を支持する凹部106aが形成されている。この実施の形態では、内周円筒部82の外周面と外周円筒部84の内周面との間の中央の位置(互いに対して等距離dの位置)に板バネ142の作用点を配置している。そして、板バネ142は、それらの内径が内周円筒部82の外周面によりスプール軸38と直交する方向の移動が制限される。これらにより、押圧部材72に対して力が加えられる場合に良好なバランス状態を維持することができる。
図4に示すように、この実施の形態は、第1の実施の形態で説明した圧縮コイルバネ78(図2および図3参照)の代わりに、板バネ(弾性部材)142を用いた例である。ナット部材76のフランジ部104には、板バネ142の端部を支持する凹部106aが形成されている。この実施の形態では、内周円筒部82の外周面と外周円筒部84の内周面との間の中央の位置(互いに対して等距離dの位置)に板バネ142の作用点を配置している。そして、板バネ142は、それらの内径が内周円筒部82の外周面によりスプール軸38と直交する方向の移動が制限される。これらにより、押圧部材72に対して力が加えられる場合に良好なバランス状態を維持することができる。
図4および図5に示すように、スプール支持部材44のうち、外周に押圧部材72の内周円筒部82の内周面が配設される先端部44cの外周面と、摩擦結合装置64のスプール軸側摩擦板112およびラチェットリング66の狭持部122が配設される非円形の外周44bを有する部分の外周面との間には、段差44dが形成されている。この支持部材44の先端部44cの外周面は円形状に形成されている。このため、押圧部材72の内周円筒部82の内周面に対して、支持部材44の先端部44cの外周面とは互いに対して回転可能に密着する。したがって、この実施の形態では、第1の実施の形態で説明した場合(図3参照)よりも、ナット部材76の雌ネジ部102の外周面と支持部材44の先端部44cの内周面との接触面積を大きくすることができる。したがって、第1の実施の形態で説明した場合よりも、スプール軸38に対する押圧部材72の径方向への偏りや傾きをより防止できる。このため、クリック機構のクリック性能もさらに安定化することができる。
次に、第3の実施の形態について図6および図7を用いて説明する。この実施の形態は第1および第2の実施の形態の変形例であって、第1および第2の実施の形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
ここでは、スプール支持部材44とクリック機構(ラチェットリング66およびクリック係合子80)を除去した例について説明する。すなわち、この実施の形態では、ドラグ装置60は、スプール軸38の先端部に螺合されるドラグ力調整部材62と、スプール軸38が貫通し、スプール40の開口凹部54内に配置した摩擦結合装置64とを備えている。
ここでは、スプール支持部材44とクリック機構(ラチェットリング66およびクリック係合子80)を除去した例について説明する。すなわち、この実施の形態では、ドラグ装置60は、スプール軸38の先端部に螺合されるドラグ力調整部材62と、スプール軸38が貫通し、スプール40の開口凹部54内に配置した摩擦結合装置64とを備えている。
ドラグ力調整部材62は、摩擦結合装置64を押圧する押圧部材72と、摩擦結合装置64に対する押圧部材72の押圧力を調整するためのドラグノブ74と、スプール軸38の先端の雄ネジ部38aに螺合するナット部材76と、圧縮コイルバネ(弾性部材)78とを備えている。
スプール軸38は、スプール40の支持壁52の後端に配設された位置規制部材46aによって、スプール40に連結されている。この位置規制部材46aにより、スプール40は、スプール軸38に対して回転可能であるが、軸方向移動が規制された状態に配設されている。
図6および図7に示すように、ドラグ力調整部材62の押圧部材72の内周円筒部82は、スプール軸38の外周面に相対的に回転可能に配設されている。押圧部材72の押圧板86は、摩擦結合装置64のライニング材116に接触している。
なお、ナット部材76の雌ネジ部102および押圧部材72の内周円筒部82は、互いに当接するのを防止する長さに形成されている。
なお、ナット部材76の雌ネジ部102および押圧部材72の内周円筒部82は、互いに当接するのを防止する長さに形成されている。
この実施の形態のように、押圧部材72の内周円筒部(スプール軸支持部)82で直接スプール軸38を支持しても、第1および第2の実施の形態で説明した効果を得ることができる。
次に、第4の実施の形態について図8および図9を用いて説明する。この実施の形態は第1および第2の実施の形態の変形例であって、第1および第2の実施の形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
この実施の形態では、ドラグ力調整部材62の構造が第1から第3の実施の形態と異なっている。また、この実施の形態では、第3の実施の形態で説明したのと同様に、ドラグ装置60にクリック機構が設けられていない例について説明する。
この実施の形態では、ドラグ力調整部材62の構造が第1から第3の実施の形態と異なっている。また、この実施の形態では、第3の実施の形態で説明したのと同様に、ドラグ装置60にクリック機構が設けられていない例について説明する。
図8に示すように、押圧部材72の外周円筒部84の側孔84aは除去され、ドラグノブ74の筒状部94の爪部94aも除去されている。
一方、押圧部材72の外周円筒部84のうち、押圧板86に対して遠位側には、径方向外方に突出するフランジ部84bが形成されている。ドラグノブ74のキャップ92には、押圧部材72の外周円筒部84のフランジ部84bが配設される凹部92bが形成されている。押圧部材72の外周円筒部84のフランジ部84bがドラグノブ74のキャップ92の凹部92bに配設された状態で、キャップ92の外周には、キャップ92に対する押圧部材72の脱落を防止するようにリング状の蓋部材96が配設されている。このとき、押圧部材72は、筒状部94の外周面の周りを回転可能である。すなわち、ドラグ力調整部材62のドラグノブ74は、押圧部材72に対して回転可能である。一方、スプール支持部材44の外周44bは非円形であり、その形状に応じて押圧部材72の押圧板86側の中心穴は形成されている。これらにより、ドラグ力調整の際、押圧板86は、スプール軸側摩擦板112に対して、回転しながら擦れることがなくなり、ドラグ調整直後のドラグ性能が安定し、更に長期間の使用においても品質が安定する。
これまで、いくつかの実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
38…スプール軸、38a…雄ネジ部、40…スプール、40a…釣糸巻回胴部、40b…前側フランジ部、40c…スカート部、44…スプール支持部材、44a…フランジ部、44b…外周、44c…先端部、46…ピン、48…軸受、52…支持壁、52a…中央貫通孔、54…開口凹部、60…ドラグ装置、62…ドラグ力調整部材、64…摩擦結合装置、66…ラチェットリング、72…押圧部材、74…ドラグノブ、76…ナット部材、78…圧縮コイルバネ(弾性部材)、82…内周円筒部(スプール軸支持部)、84…外周円筒部、84a…側孔、86…押圧板、92…キャップ、92a…ツマミ部、92b…凹部、94…筒状部、94a…爪部、98…シール部材、102…雌ネジ部、104…フランジ部、106…凹部、112…スプール軸側摩擦板、114…スプール側摩擦板、116…ライニング材、122…狭持部、124…リング部、124a…クリック凹凸歯。
Claims (3)
- 押圧部材と、ドラグノブの内側に形成されスプール軸の雄ネジ部に螺合する雌ネジ部と、前記押圧部材と前記雌ネジ部との間に設けられ前記雌ネジ部を前記ドラグノブに向かって付勢する弾性部材とを有するドラグ力調整部材を、釣糸を巻回するスプールの前部に設けられる開口凹部に備え、前記スプール軸の雄ネジ部に対する前記ドラグノブの雌ネジ部の螺合状態を変化させることによってドラグ力を調整可能な魚釣用リールであって、
前記押圧部材は、前記スプール軸の外周を支持するスプール軸支持部を有することを特徴とする魚釣用リール。 - 前記スプール軸支持部は筒状に形成され、前記スプール軸支持部の外周に弾性部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用リール。
- 前記スプール軸支持部と前記スプール軸との間には、前記スプールを支持するスプール支持部材が配設されていることを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載の魚釣用リール。
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CN105532601A (zh) * | 2016-02-05 | 2016-05-04 | 段泽民 | 防止卷簧反向缠绕且自动收线的溜鱼器 |
JP2019037161A (ja) * | 2017-08-24 | 2019-03-14 | グローブライド株式会社 | 魚釣用スピニングリール、及びその制動力調整部材 |
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- 2009-04-28 JP JP2009109763A patent/JP2010252760A/ja not_active Withdrawn
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