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JP2010247326A - インパクトドライバおよびインパクトドライバの制御方法 - Google Patents

インパクトドライバおよびインパクトドライバの制御方法 Download PDF

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JP2010247326A
JP2010247326A JP2010095473A JP2010095473A JP2010247326A JP 2010247326 A JP2010247326 A JP 2010247326A JP 2010095473 A JP2010095473 A JP 2010095473A JP 2010095473 A JP2010095473 A JP 2010095473A JP 2010247326 A JP2010247326 A JP 2010247326A
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Abstract

【課題】ねじ等を、基礎構造の所望の深さまでにのみねじ込むことができるインパクトドライバとその制御方法を提供する。
【解決手段】駆動シャフト、出力シャフト、および、トルクを伝達するために前記駆動シャフトを出力シャフトと連関させた打撃装置を備えるインパクトドライバを制御する方法であって、事前決定された時間間隔にわたり作動モードをセットし、前記事前決定された時間間隔の間、駆動シャフトを低い回転数領域において回転させ、前記インパクトドライバが打撃しているか否かを特定し、前記低い回転数領域において打撃が起こっていない場合、前記インパクトドライバは軟質素材のための作動モードに切り替えられて、前記駆動シャフトの回転数は前記低い回転数領域に保たれ、また、前記低い回転数領域において打撃が起こっていれば、前記インパクトドライバは硬質素材のための作動モードに切り替えられ、前記駆動シャフトの回転数は高い回転数領域にまで高められる。
【選択図】図1

Description

本発明は、インパクトドライバ、特に接線方向にトルクが加わる回転駆動インパクトドライバ(以下、接線方向インパクトドライバ)、およびインパクトドライバのための制御方法に関する。本願明細書において、インパクトドライバとは、その意にインパクトレンチも含むものとする。
接線方向インパクトドライバは、ねじ連結を締め付けるため、または、ねじアンカを打ち込むために、周期的かつ短時間の、大きな締め付けトルクを発する。接線方向インパクトドライバのハンドグリップやハンドルには、使用者もしくはスタンドが抗しなければならない、若干のトルクが連続的に発生する。
接線方向インパクトドライバは、ねじを、硬さの異なる様々な素材、例えば石材、コンクリート、煉瓦、石灰石、ケイ灰煉瓦や、気泡コンクリートなどに打ち込むのに適する。典型的には、ねじは、ねじ頭が基礎構造(加工体)に当接するまでねじ込まれる。それ以上は、ねじや基礎構造の損傷につながるため、ねじ込んではならない。例えば、ねじ頭はねじ切られ、ねじ山によって基礎構造に丸孔が形成され、またはねじ山によって基礎構造がタッピングされる。
特許文献1には、インパクトドライバを自動的にスイッチオフする方法であって、インパクトドライバが、もたらされる始動トルクを監視することを含む方法が記載される。始動トルクが設定された閾値を越えると、インパクトドライバの主駆動部は、スイッチオフされる。
特許文献2には、インパクトドライバを自動的にスイッチオフする方法であって、ねじの回転角度が打撃毎に計測されることを含む方法が記載される。回転角度が閾値を下回ると、ねじはねじ込まれたものとされて、インパクトドライバはスイッチオフされる。
特許文献3には、ねじの回し過ぎを防ぐために、トルクの初期値を、必要とされるトルクよりも小さく設定した制御方法が記載される。トルクは、その後、インタラクティブな手続きを経て徐々に高められる。
特許文献4には、ねじに伝えられたトルクを見積もる、見積もり装置が記載される。
これらの既知の方法では、閾値を、事前に固定的に定義するか、または職人がこれを設定しなければならない。どちらの場合においても、閾値が基礎構造(加工体)との関係において不適切に設定されかねないというリスクが伴う。
欧州特許第1510394号明細書 国際公開第2007/015661(A2)号パンフレット 独国特許出願公開第19503524(A1)号明細書 欧州特許出願公開第1695794(A2)号明細書
したがって、本発明の課題は、ねじまたは他のねじ体を、基礎構造の所望の深さまでにのみねじ込むことができる、インパクトドライバおよびインパクトドライバのための制御方法を提供することにある。
本発明に係るインパクトドライバのための制御方法は、以下のステップ、即ち、:
事前決定された時間間隔にわたり作動モードをセットし、事前決定された時間間隔の間、駆動シャフトを低い回転数領域において回転させ、前記インパクトドライバが打撃しているか否かを特定し、その低い回転数領域において打撃が起こっていない場合、インパクトドライバは軟質素材のための作動モードに切り替えられて、駆動シャフトの回転数は引き続き低い回転数領域に保たれ、一方、その低い回転数領域において打撃が起こっていれば、インパクトドライバは硬質素材のための作動モードに切り替えられ、駆動シャフトの回転数は高い回転数領域にまで高められる、というステップを利用する。
上述のとおり、ねじをねじ込む際には、未だ基礎構造の特性が判明していない、またはインパクトドライバの設定に際して十分に考慮されていない、という難点が生じる。本発明制御方法では、基礎構造の特性を間接的に検知し、インパクトドライバが発するトルク(回転モーメント)を、この特性をベースに設定する。
本発明制御方法は、基礎構造の特性を、打撃装置のパフォーマンスから間接的に特定する。打撃の打込みが、基礎構造の特性と相関し得ることが分かっている。打撃は、基礎構造の素材が十分に硬い場合にのみ成される。素材は、工具、もしくは工具と連関させられた固定素子、例えばねじを、低いトルクにおいてしっかりと把持することで、インパクトドライバの駆動を回転エネルギーを緩衝器(バッファ)に一時的に蓄えられるようでなければいけない。インパクトドライバにおいては、素材に起因して打撃体は駆動部に同期しないで回転し得る場合、2つの打撃体がばね力に抗して互いに軸線方向に移動する。双方の打撃体は、十分に移動すると、ばね力によって加速させられる。打撃体および場合によっては連結溝の形状に起因して、衝突に際しては、トルクとしての運動エネルギーの少なくとも一部分が基礎構造に移される。初期の移動は、基礎構造が、十分にばね力に対して抗して作用できる場合にのみ発生する。
硬質基礎構造には、例えば全出力を利用可能とし、柔らかい基礎構造には、出力の一部または出力トルクの一部が保たれるものとしても良い。ねじは、基礎構造に応じてゆっくりとねじ込まれ、このねじ込みは、頭部が当接するとそれ以上回転する事なく終了する。
本発明インパクトドライバは、駆動シャフト、出力シャフト、トルクを伝達するために駆動シャフトを出力シャフトと連関させた打撃装置(特に接線方向打撃装置)、打撃装置が打撃しているか否かを検出するための評価ユニット、および、打撃が検出されたか否かに従い駆動シャフトの回転数を制御するための制御ユニットを有する。
従属請求項には、打撃装置および制御方法の好適な実施形態について記載される。
一実施形態において、インパクトドライバの駆動シャフトの第1回転数と、インパクトドライバの出力シャフトの第2回転数とは独立して検出され、第1回転数の第2回転数との相違が、インパクトドライバの打撃として検出される。駆動シャフトの第1回転数は、計測されるものとしても良いし、主駆動部の回転数から特定されるものとしても良い。打撃作動中、出力シャフトは、一時的にのみ、常に回転し得る駆動シャフトにより回転させられる。
一実施形態において、打撃は、打撃方向への加速の把握、規則的な打撃音の把握、および/またはインパクトドライバが有する打撃体の接線方向運動を非接触式に把握することにより特定され、また、下側の回転数の特定には、打撃の発生時における、駆動素子の第1回転数、および/または、インパクトドライバの工具受けの第2回転数の把握が含まれる。
さらに他の実施形態において、打撃が起こっている場合には、駆動シャフトの回転数は高い回転数領域にまで高められ、打撃が起こらない場合には、駆動シャフトの回転数は低い回転数領域に保たれる。低い回転数では打撃が起こらない軟質素材において、迅速にスイッチオフするために、回転数は高められない。硬質素材では、回転数は高められ、打撃装置が高いトルクを発揮できるようにする。
一実施形態において、インパクトドライバは、低い回転数領域において打撃が起こっていない場合、軟質素材のための作動モードに切り替えられ、低い回転数領域において起こっている場合、硬質素材のための作動モードに切り替えられる。駆動シャフトは、事前決定された時間間隔にわたり、低い回転数領域において回転させられ、事前決定された時間間隔の間、その作動モードにセットされる。このように、作動モードのセットは、例えばねじのねじ込みの開始の際に成される。
インパクトドライバは手持ち工具装置としても、スタンドにより把持されるものとしても良い。
以下、図面に基づき本発明の実施形態の例を挙げて詳述する。
本発明インパクトドライバの線的説明図である。 接線方向打撃装置の側面図である。 図2に示す接線方向打撃装置のアンビルの上面図である。 本発明制御方法のフローチャートである。
各図中、特に断りが無い限り、同じ符号は機能的に同じ素子を示す。
以下、図示する接線方向打撃装置を有するインパクトドライバを例に挙げて、ねじ込みの制御方法の実施形態を詳述する。また、この詳述される打込み方は、異なる構成のインパクトドライバにも適用することができる。
図1に示すのは、一実施形態における本発明インパクトドライバ1の線的説明図である。
工具受け2は、出力シャフト3により駆動される。主駆動部4は、駆動シャフト5を駆動する。主駆動部4は、電気モータや空気圧式駆動部などとすることができる。主駆動部4と駆動シャフト5との間に駆動シャフト5の回転数を低減するためのギア6が設けられると好適である。作動中、駆動シャフト5は、常にその長手方向軸線7の周りを回転方向21に回転する。主駆動部4の回転数は、モータ制御部33により制御することができる。モータ制御部33は、例えば、主駆動部4として機能するブラシレス電気モータのインバータを有する。回転数は、使用者が制御素子8を操作することで調整することができる。一実施形態においては、モータ制御部33によりギア6の減速を調節することができるものとしてもよい。
打撃装置10は、駆動シャフト5を出力シャフト3に連関させる。これから識別する状況に応じて、駆動シャフト5は、そのトルクを連続的に出力シャフト3に伝達するものとしても良いし、駆動シャフト5のトルクが、周期的な打撃において高いトルクを出力シャフト3に伝える緩衝器の引き上げを担うものとしても良い。
図2は、一実施形態における打撃装置10の側面図である。打撃装置10は、アンビル11、スライダ12、連結溝13、および戻しばね14を有する。打撃装置10内において、出力シャフト3は、駆動シャフト5に回転可能に取付けられる。
アンビル11は、出力シャフト3に回転しないように、かつ、アンビル11に伝えられた回転インパルスが出力シャフト3に作用するように連結される。アンビル11は、1つまたは複数の張り出し部15を備える。図3に示すのは、アンビル11を駆動シャフト5側から見た上面図である。張り出し部15は、長手方向軸線7に対し平行に、または傾いて指向する当接面16を備える。
スライダ12はリング状であり、駆動シャフト5上に取付けられる。スライダ12は、駆動シャフト5に案内されて、長手方向軸線7に沿って摺動可能である。
連結溝13は、駆動シャフト5の表面に形成される。連結溝13は、スパイラル状に巻きつき、この螺旋は、駆動部の回転方向21にアンビル11へと向かう。スライダ12は、連結溝13に噛合い、長手方向軸線7に沿ってアンビル11方向22へと動くと、駆動シャフト5に対し相対的な回転運動23を取る。また同様に、スライダ12は、駆動シャフト5に対し相対的に回転すると、長手方向軸線7に沿った運動を取る。
スライダ12の表面には、少なくとも1つのハンマー18が設けられる。ハンマー18は、側方当接面19を備え、これは、アンビル11の当接面16形状的に対応して、または少なくとも部分的に形状的に対応して構成される。スライダ12およびアンビル11は、張り出し部15およびハンマー18により互いに噛合い、かみ合いクラッチまたは摩擦クラッチを構成する。噛合っている間、スライダ12は、その回転インパルスまたはトルクをアンビル11に伝えてこれを駆動する。
戻しばね14は、スライダ12にアンビル11方向22の力を作用させる。このため、インパクトドライバ1の初期位置において、スライダ12はアンビル11と噛合っている。
駆動シャフト5の永続的な回転は、連結溝13を介してスライダ12に伝えられる。スライダ12が同じ回転数で回転できる限り、つまり、駆動シャフト5に対する相対的な回転が起こらない限り、それは初期位置にて留まり、駆動シャフト5に沿った運動を取ることはない。しかし、スライダ12がその回転に従うためには、スライダ12はアンビル11を、とりわけ基礎構造からもたらされるトルクに抗して同様に回転させる必要がある。このとき、基礎構造からもたらされたトルクは、閾値を越えることは許されない。トルクの閾値は、実質的に、スライダ12オフセットするために抗する必要のある戻しばね14のばね力、連結溝13の勾配、および場合によっては当接面16,19の傾きの関数である。これらの値は、予め打撃装置10の設計に際して決定される。閾値は、例えば1Nm〜5Nm、または2Nm〜3Nmとすることができる。
基礎構造がより大きいトルクをもたらす限り、打撃装置10は打撃を行う。続いて、インパクトドライバ1の打撃サイクルを、その初期位置から詳述する。スライダ12はアンビル11と噛合っている。アンビル11は、スライダ12が駆動シャフト5と同期して回転するのを妨げる。次に、スライダ12は、連結溝13によって、長手方向軸線7に沿った運動を取り、アンビル11との噛合いから離脱させられる。スライダ12が噛み合いから離脱すると、スライダ12は、アンビル11に対して相対的に、駆動シャフト5と共に回転することができるようになる。このとき、アンビル11およびスライダ12は、再び、互いに噛合うことが可能な相対的位置をとる。戻しばね14は、スライダ12をアンビル11へと戻しやる。このとき、スライダ12は、長手方向軸線7方向へと加速させられる。このとき、連結溝13によりスライダ12は回転運動23をとり、回転インパルスを保持する。回転運動23は、スライダ12のハンマー18がアンビル11の張り出し部15に側方においてぶつかることで停止する。スライダ12の回転インパルスは、アンビル11に伝えられる。システムは、再び初期位置へと戻り、新しい打撃サイクルを開始する。
打撃サイクル中、アンビル11および出力シャフト3の回転する角度は、スライダ12および駆動シャフト5よりも小さい。スライダ12は、駆動シャフト5により駆動させられて、連結溝13に沿って回転し、アンビル11は止まったままである。このため、打撃装置10の打撃において、駆動シャフト5の回転数と出力シャフト3の回転数とは異なる。駆動シャフト5の回転数は、出力シャフト3の回転数の二倍以上大きくとも良い。アンビル11およびスライダ12が、無打撃作動中において噛合いを保つ場合、駆動シャフト5および出力シャフト3は固く連関されている。このとき、それぞれの回転数は等しい。打撃作動中は、回転数が異なる点において無打撃作動と区別され得る。
打撃を把握するために、評価ユニット30と、出力シャフト3および駆動シャフト5の回転数を特定するための機器31,32とが備えられる。評価ユニット30は、出力シャフト3および駆動シャフト5の特定された回転数を比較する。双方の回転数が異なると(典型的には2以上の因数倍)、評価ユニット30はこれを打撃作動中として、他の場合には、無打撃作動中として識別する。
出力シャフト3の回転数は、回転数センサ31により特定される。回転数センサ31は、回転数を、例えば光学的に、または磁気的に把握するものとしてもよい。光学的な回転数センサは、出力シャフト3上のマークを、反射において、または光バリアにより把握するものとしてもよい。マークは、張り出し部、溝、孔、色などによって構成され得る。出力シャフト3の横断面は非円形状、例えば楕円形、正方形、または歯を有するものとしてもよい。磁気的な回転数センサは、回転する出力シャフト3に基づいて周期的に変化する磁場を把握するものとする。
同様に、駆動シャフト5の回転数は、回転数センサ32によって特定される。また代替として、評価ユニット30はモータ制御部33と通信し、主駆動部4の最新の回転数を問合わせたり、受信したりするものとしてもよい。このとき、評価ユニット30は、問合わせた主駆動部4の回転数と、もしあればギア7の減速とから駆動シャフト5の回転数を特定することができるものとする。
図4に示すのは、インパクトドライバ1の制御方法の一実施形態におけるフローチャートである。
使用者は、インパクトドライバ1のシステムスイッチ9を作動させてねじを回転させる。センサは、システムスイッチ9の作動を把握する。インパクトドライバ1の制御ユニット40がアクティヴェートさせられる。第1フェーズS1において、制御ユニット40はモータ制御部33に、駆動シャフト5の回転数Nを低い回転数領域内の低い回転数N1にまで加速させるように命令する。
低い回転数領域は、駆動シャフト5のノミナル最高回転数Nmaxの10%〜50%の領域、例えば最低で20%、最高で40%としても良い。低い回転数N1は、事前に具体的に決められるものとしても良い。代替として、例えば駆動シャフト5のノミナル最高回転数Nmaxの10%〜50%の領域内で、使用者が低い回転数N1を調整することができるようにするための制御素子8を設けても良い。
第2フェーズS2において、駆動シャフト5の低い回転数N1は、事前決定された期間T1の間保たれる。ねじまたはアンカは、期間T1中に、低い回転数N1で回される。期間T1は、秒単位で計測するものとしても良いし、または、間接的にアンビルの回転した回数、またはねじ込み深さにより定められるものとしても良い。
第2フェーズS2中、またはこれに続いて、打撃装置10が打撃しているか、または打撃していないかが点検される(S3)。この目的のため、駆動シャフト5の低い回転数N1は、出力シャフト3の回転数Mと比較される。回転数Mは、第2フェーズS2中、またはこれに続いて特定され得る。双方の回転数が異なれば、打撃作動中である。回転数の評価、および打撃作動中か、無打撃作動中かの点検は、評価ユニット30により成され得る。代替として、打撃の存在は、打撃音や、打撃に典型的な加速値などから特定されるものとしても良い。
期間T1が終了する前でも、既に打撃が把握されていれば、第2フェーズS2は終了させられるものとしても良い。評価ユニット30は、第2フェーズS2を終了させるために、対応するトリガシグナルを制御ユニット40に伝送するものとしても良い。
第2フェーズS2中に打撃が把握されると、評価ユニット30は制御ユニット40に、硬質基礎構造のための手続き(S4)に従って、主駆動部4により打撃装置10を駆動するように命令する。他の場合には、制御ユニットは、軟質基礎構造のための手続き(S5)に従って打撃装置10を制御する。双方の手続きS4,S5については、以下に述べる。
軟質素材のための手続きS5は、まず、第3フェーズS6を有し、この第3フェーズS6では、駆動シャフト5の回転数Nは低い回転数N1に保たれる。このため、例えばねじは、ただ回される。
一実施形態において、評価ユニット30は、第3フェーズS6中に打撃が起こったか監視する(S7)。基礎構造は、例えば、深くねじ込まれたねじに起因して、または、表面下のより硬い層に起因して、高いトルクをアンビル11に及ぼす。
打撃が把握された場合、第4フェーズS8にて評価ユニット30は、制御ユニット40に、回転数を中程度の回転数領域における中程度の回転数N2へと増やすように命令する。中程度の回転数領域は、たとえば、ノミナル最高回転数Nmaxの35%〜75%の領域、たとえば最低で50%、最高で60%としても良い。中程度の回転数N2は、低い回転数N1の2〜10、たとえば2〜3の因数倍とする。
第4フェーズS8において、評価ユニット30は引き続き打撃を監視する。打撃の停止が検知されると、評価ユニット30は制御ユニット40に、打撃装置を再び第3フェーズS6に従い制御するように命令する。
第3フェーズS6および第4フェーズS8において、ねじがねじ込まれたと検知されると主駆動部4はスイッチオフされる。これは、多様な方法で達成し得る。たとえば、駆動シャフト5の回転数Nや出力シャフト3の回転数Mが監視されるものとしても良い。監視に際しては、予想回転数NavgまたはMavgが算出される。これは、例えば過去のインターバルに発生した回転数の平均値とすることができる。ねじがねじ込まれ、頭部が当接すると、適用すべきトルクは、急激に高まる。続いて、回転数NまたはMが急落する。このように、最新の回転数NまたはMが、予想される回転数NavgもしくはMavgに対して約20%〜50%低下したことが検知されると、主駆動部4はディアクティヴェートされる。
硬質素材のための手続きS4は、第5フェーズS9を有する。駆動シャフト5の回転数は、高い回転数領域の高い回転数N3にまで加速させられる。高い回転数領域は、ノミナル最高回転数Nmaxの50%〜100%、例えば最低で75%としても良い。制御ユニット40は、打撃装置10が最大トルクを放つように制御する。
一実施形態において、評価ユニット30は続いて、打撃が停止したか否かを監視する(S10)。打撃が停止した場合、制御ユニット40は第2フェーズS2へと移る。低い回転数N1において、ねじが軟らかい素材を突き進んでいるかが再び検査される。
第5フェーズS9からのスイッチオフは、出力シャフト3の回転数Mの進展との関係においてなされる。出力シャフト3の回転数は、ねじの回転にもたらされなければならないトルクの単位である。必要とされるトルクが高いほど、出力シャフト3が打撃毎に回転させられる角度は小さくなる。回転数Mが、事前決定された変化レートよりも早く変化するか、および/または、回転数が把握された中間変化レートMavgよりも早く変化すると、主駆動部4は停止させられる。この変化は、ねじ頭部が基礎構造に当接することで作用するものと考えられる。変化レートは、時間における回転数の変化を表す。これは、記録され、その平均値が算出される。
他の実施形態においては、出力シャフト3の回転数Mが下閾値Mminを下回った場合に移行する第6フェーズS11が設けられる。第6フェーズS11は、インパクトドライバ1がその負荷リミットで作動する場合のために設けられている。回転数は、最高回転数Nmax、N4にまで高められる。第6フェーズS11は、さらに、スイッチオフの仕方において第5フェーズS9と異なる。回転数MavgやNavgの先行する様相を比較する代わりに、主駆動部4は、出力シャフト3の回転数Mが、第2下閾値を下回るとスイッチオフされる。代替として、主駆動部4は、回転数がNmaxまで上昇した後で、事前決定された期間にわたり下閾値Mminを回ったままである場合に、スイッチオフされるものとしても良い。
手続きダイアグラムを明快なものとするため、図4には主駆動部をスイッチオフするための停止条件は示されない。これは、一実施形態において、他の全ての機能を優先的に点検することで、迅速なスイッチオフを達成するものとしてもよい。
さらに、ブースト機能が設けられる。主駆動部4をスイッチオフした後、作動スイッチ9の位置が監視される。作動スイッチ9が事前決定された期間にわたり押され続けた場合、主駆動部4は、第1フェーズS1に従い再びアクティヴェートされる。制御ユニット40は、前述の実施形態のいずれかの手続きに従い新しく開始する。
他の実施形態においては、エラー検出が成される。ねじがねじ込まれすぎた場合、トルクは低下し、ねじは駆動シャフト3に寄る。駆動シャフト3の回転数は、少なくとも打撃作動中においては、高まる。評価ユニット30は、回転数を監視し、駆動シャフト3の回転数が増加すると、警告を発する。警告は、表示素子41に伝えられ、使用者に向けて視覚化される。表示素子は、光学的または聴覚的に警告を出す。
前述の実施形態においては、打撃作動中なのか、または無打撃作動中なのかを特定するために、出力シャフト3および駆動シャフト5の回転数の評価が参照される。代替として、またはこれに加えて、打撃音、軸線方向への加速、およびスライダ12の軸線方向の運動を把握し、評価に用いても良い。このために、対応するセンサ50を設けても良い。
回転数センサ31,32は、アナログまたはデジタルに回転数を把握するものとする。評価ユニット30もまた、駆動シャフト5および出力シャフト3の回転数を比較するためにアナログな比較段階を有するものとする。
1 インパクトドライバ
2 工具受け
3 出力シャフト
4 主駆動部
5 駆動シャフト
6 ギア
7 長手方向軸線
8 制御素子
9 システムスイッチ
10 打撃装置
11 アンビル
12 スライダ
13 連結溝
14 戻しばね
15 張り出し部
16 当接面
18 ハンマー
19 側方当接面
21 回転方向
23 回転運動
30 評価ユニット
31 回転数センサ
32 回転数センサ
33 モータ制御部
40 制御ユニット
M 出力シャフトの回転数
Mmin 下閾値
N 駆動シャフトの回転数
N1 低い回転数
N2 中程度の回転数
N3 高い回転数
S1 第1フェーズ
S2 第2フェーズ
S4 硬質基礎構造のための手続き
S5 軟質基礎構造のための手続き
S6 第3フェーズ
S8 第4フェーズ
S9 第5フェーズ
S11 第6フェーズ
T1 期間

Claims (7)

  1. インパクトドライバのための制御方法であって、
    事前決定された時間間隔にわたり作動モードをセットし、前記事前決定された時間間隔の間、駆動シャフトを低い回転数領域において回転させ、前記インパクトドライバが打撃しているか否かを特定し、前記低い回転数領域において打撃が起こっていない場合、前記インパクトドライバは軟質素材のための作動モードに切り替えられて、前記駆動シャフトの回転数は前記低い回転数領域に保たれ、また、前記低い回転数領域において打撃が起こっていれば、前記インパクトドライバは硬質素材のための作動モードに切り替えられ、前記駆動シャフトの回転数は高い回転数領域にまで高められる、というステップを特徴とする制御方法。
  2. 請求項1記載の制御方法において、前記インパクトドライバの前記駆動シャフトの第1回転数と、前記インパクトドライバの出力シャフトの第2回転数とは独立して検出され、前記第1回転数の第2回転数との相違が、前記インパクトドライバの打撃として検出されることを特徴とする制御方法。
  3. 請求項1または2記載の制御方法において、打撃方向への加速、規則的な打撃音、および/または前記インパクトドライバの打撃体の接線方向運動が、インパクトドライバの打撃を検出するために把握されることを特徴とする制御方法。
  4. 請求項1記載の制御方法において、前記事前決定された時間間隔は、前記インパクトドライバのシステムスイッチの作動、または前記低い回転数領域内の一定の回転数に到達することによって開始することを特徴とする制御方法。
  5. インパクトドライバであって、
    駆動シャフト(5)、
    出力シャフト(3)、および、
    トルクを伝達するために前記駆動シャフト(5)を出力シャフト(3)と連関させた打撃装置(10)、特に接線方向打撃装置、
    を備えるインパクトドライバにおいて、
    前記打撃装置(10)が打撃しているか否かを検出するための評価ユニット(30)、および、
    事前決定された時間間隔の間、低い回転数領域で前記駆動シャフトが回転する作動モードをセットするための制御ユニット(40)、を備え、
    前記評価ユニットによる、前記インパクトドライバが打撃しているか否かの検出に応答して、前記低い回転数領域において打撃が起こっていない場合は、前記駆動シャフトの回転数が前記低い回転数領域にある軟質素材のための作動モードが、また、前記低い回転数領域において打撃が起こっている場合は、前記駆動シャフトの回転数が高い回転数領域にある硬質素材のための作動モードが、それぞれセットされることを特徴とするインパクトドライバ。
  6. 請求項5記載のインパクトドライバにおいて、
    前記駆動シャフト(5)またはモータ(4)の回転数を把握するための第1回転数センサ、および、前記出力シャフト(3)の回転数を把握するための第2回転数センサ、を備え、
    前記評価ユニット(30)は、打撃を検出するために、前記双方の回転数を比較することを特徴とするインパクトドライバ。
  7. 請求項5または6記載のインパクトドライバにおいて、
    打撃を把握するための打撃センサ(50)を備え、該打撃センサ(50)は、打撃方向への加速を把握するための加速センサ、規則的な打撃音を把握するためのサウンドコンバータ、および/または、前記インパクトドライバの打撃体の接線方向運動を非接触式に把握するための運動センサを有することを特徴とするインパクトドライバ。
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