JP2010136453A - 無線通信装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】OFDMA方式によって無線通信を行う無線通信装置であって、SMIウェイトを導出するSMIウェイト導出部14と、SMIウェイトを受信信号ベクトルに積算するウェイト積算部15と、を備えている。前記SMIウェイト導出部14は、OFDMA方式におけるユーザ割り当て領域、好ましくはユーザ割り当て領域の最小単位領域、に含まれる複数の受信サブキャリア信号ベクトルをサンプル値として、当該ユーザ割り当て領域(最小単位領域)毎のSMIウェイトを導出する。
【選択図】図5
Description
OFDMA方式は、データを複数のサブキャリア(周波数)に分散して乗せて周波数で多重化するOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing;直交周波数分割多重)方式を、複数ユーザ割り当てに拡張したものである。
その結果、アンテナの指向性は、一般に希望波(通信を希望する移動局(無線通信装置)からの波)方向に強いビームを形成し、干渉波方向に弱い(又はヌルの)ビームを形成する。
デジタル制御においては、振幅と位相の制御は、複素数の掛け算により行うことができる。この複素数は重み(ウェイト)とよばれる。
MMSE方式の計算方法として、最急降下法に基づくLMS(Least Mean Square)、RLS(Recursive Least Square)、サンプル値を用いた直接解法であるSMI(Sample Matrix Inversion)などがある(非特許文献2参照)。
なお、OFDM方式においてLMSアルゴリズムによってウェイトを導出するものとしては、特許文献1がある。
適切なウェイトは、受信機と送信機との間の伝送路環境によって異なるため、全く別の送信機から送信された既知信号が受信信号に含まれていると、適切なウェイトを導出し得ないからである。
すなわち、OFDMA方式は、その基本形であるOFDM方式と同様に、周波数軸方向に複数のサブキャリアを有しているが、OFDMA方式が採用されているWiMAXでは、周波数(サブキャリア)と時間(シンボル)とによって、一つのフレームを複数ユーザに割り当てることが行われる。
そして、OFDMA方式が採用されているWiMAXでは、周波数軸方向と時間軸方向とでみた2次元サブキャリア配置中に、既知信号であるパイロットサブキャリアが分散配置されている。これらのパイロットサブキャリアは、異なるユーザによって送信されることになる。
すなわち、ユーザへの無線リソースの割り当ての最小単位でウェイトを導出すると、当該最小単位内では、同一ユーザであることが保証されるから、ユーザ割り当て情報を取得しなくても、複数ユーザにまたがってウェイトを導出することを防止できる。
なお、導出されるウェイトは、当該領域内で共通のウェイトでも、当該領域内の個々のサブキャリア毎に異なるウェイトであってもよい。
このような場合、隣接する最小単位同士は、別のユーザに割り当てられているため、最小単位より大きい範囲でウェイトを導出すると、複数ユーザにまたがってウェイトを導出してしまうが、最小単位内でウェイトを導出するため、これを防止できる。
なお、前記最小単位領域は、WiMAXの上りPUSCにおけるタイルであるのが好ましい。
また、前記SMIウェイト導出部は、ユーザ割り当て領域(ユーザへの無線リソースの割り当ての最小単位領域)に含まれるパイロットサブキャリアから、当該ユーザ割り当て領域(ユーザへの無線リソースの割り当ての最小単位領域)に含まれるデータサブキャリアの伝送路推定値を算出する伝送路推定部を備え、前記伝送路推定部によって算出された前記伝送路推定値から、データサブキャリアの受信信号ベクトルを生成して、データサブキャリアの受信信号ベクトルを含むサンプル値からSMIウェイトを導出するよう構成されているのが好ましい。この場合、データサブキャリアの受信信号ベクトルも利用できるため、サンプル値の数を増やすのが容易になる。
この場合、データサブキャリアごとにウェイト導出に用いられる小領域が異なり、適切なウェイトを導出することが可能となる。
また、前記SMIウェイト導出部は、前記ユーザ割り当て領域(ユーザへの無線リソースの割り当ての最小単位領域)を、互いに一部が重なる複数の小領域の集合とみなして、前記小領域に含まれるパイロットサブキャリアの受信信号ベクトル又はデータサブキャリアの受信信号ベクトルをサンプル値として、相関ベクトルを前記小領域ごとに算出する相関ベクトル計算部を備え、前記相関ベクトル計算部が算出した前記小領域ごとの相関ベクトルのうち、SMIウェイトを導出したいデータサブキャリアが属する1又は複数の小領域に対応する前記相関ベクトルを用いて、SMIウェイトを導出するよう構成されているのが好ましい。
この場合も、データサブキャリアごとにウェイト導出に用いられる小領域が異なり、適切なウェイトを導出することが可能となる。
データサブキャリア(データ信号)は、データや制御用メッセージを送信するためのサブキャリアである。パイロットサブキャリアは、受信側及び送信側で既知の信号(パイロット信号)である。
各タイルT1,T2,T3の四隅には、パイロットサブキャリア(図2中の黒丸)が配置され、タイルT1,T2,T3内の他のサブキャリアはデータサブキャリア(図2中の白丸)とされている。
図2に示すように、上記タイルT1,T2,T3が時間軸方向及び周波数軸方向に規則的に並んでいる。
一つのユーザ割り当て領域内であれば、パイロットサブキャリアを送信したユーザは同一であるから、ウェイト導出に用いるパイロットサブキャリアを、そのユーザ割り当て領域内から取得することで、ユーザ割り当てがあっても適切にウェイトを導出できる。
また、WiMAXのように移動体通信の場合、移動局MSの移動速度が高速の場合、同一周波数のサブキャリアであっても、時間の経過によって伝送路が大きく変動し、最適ウェイト値も高速に変動する。この場合、同一周波数において時間軸方向に並ぶ複数の受信信号よりも、同一時間において周波数方向に並ぶ複数の受信信号を用いた方が、最適ウェイトの変動が小さく、より適切なウェイトを導出できる。
図5は、タイル単位でウェイトを導出する基地局通信装置の受信部1(第1実施形態)の構成を示している。OFDMAの場合、送信側は送信したいデータを周波数領域のサブキャリアに乗せて、その周波数領域信号をIDFT(逆離散フーリエ変換)により時間領域信号に変換後、送信する。
ベースバンド信号に変換された受信信号は、CP除去&DFT部13a,13bによって、OFDM信号のCP(Cyclic Prefix)を除去し、DFT(離散フーリエ変換)により時間領域信号を周波数領域信号に変換する。DFTまでの処理は、アンテナ素子11a,11bの系統ごとに行われる。
ウェイト積算部&合成部15では、各アンテナ素子11a,11bでの受信信号に含まれるデータサブキャリアに対し、それぞれウェイトを積算し、ウェイトを積算した受信信号を合成する。この積算と合成もタイル単位で行われる。
合成された受信信号は、復調部16によってタイル単位で復調が行われる。
一方、SMIは、受信信号(及び参照信号)から直接ウェイトを計算する方式であるため、逐次更新処理が不要である。
相関行列は、複数のアンテナ素子11a,11bで受信したそれぞれの受信信号から生成された複数の受信信号ベクトルから算出される。相関行列の計算に使用される受信信号ベクトルXA,XB,XC,XDは、各アンテナ素子11a,11bの受信信号における各タイル内からパイロットサブキャリアA,B,C,Dに対応するサブキャリアのみ抽出して生成される。
例えば、N番目のアンテナ素子の系統のタイル内パイロット抽出部は、N番目のアンテナ素子で受信した受信信号XNm(m=A〜D,1〜8)のうち4個のパイロットサブキャリアXNA,XNB,XNC,XNDを抽出し、これらの信号からなる集合{XNA,XNB,XNC,XND}を生成する。
また、他のアンテナ素子の系統のタイル内パイロット抽出部も同様の処理を行う。
なお、上記では、ウェイトを導出するのに、タイル内の4個のパイロットサブキャリアを全て用いたが、一部のサブキャリア、例えば、2個又は3個のサブキャリアを利用してもよい。
図6は、第2実施形態に係る基地局通信装置の受信部1を示している。第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、スカラー行列加算部14gが設けられている点である。なお、第2実施形態において説明を省略した点については第1実施形態と同様である。
図7は、第3実施形態に係る基地局通信装置の受信部1を示している。第3実施形態が第1実施形態と異なる点は、相関行列計算部14aや相関ベクトル計算部14bが、受信信号ベクトルXmとして、パイロットサブキャリア(A〜D)だけを利用するのではなく、データサブキャリア(1〜8)も利用することである。データサブキャリアを利用するため、第2実施形態のSMIウェイト導出部14は、伝送路推定部14h,14iをアンテナ素子11a,11bの系統ごとに備えている。なお、第2実施形態において説明を省略した点については第1実施形態と同様である。
したがって、データサブキャリア(1〜8)において、送信信号Smとして「1」が送信された場合を考えると、データサブキャリアの受信信号は、
と表すことができる。
と表せる。
そこで、相関行列計算部14a及び相関ベクトル計算部14bは、伝送路推定部14h,14iから取得したデータサブキャリアの伝送路推定値Hnm(n=1,・・・,N)(m=1,・・・,8)から、データサブキャリア(1〜8)の受信信号ベクトルを生成する。
なお、上記式(11)(12)において、パイロットサブキャリアにおける受信信号ベクトルについての下付添字mは、A〜Dをとり、データサブキャリアにおける受信信号ベクトルについての下付添字mは、1〜8をとる。
また、サンプル値となる受信信号ベクトルは、パイロットサブキャリアの受信信号ベクトルとデータサブキャリアの受信信号ベクトルとを合わせて複数あればよく、いずれかの受信信号ベクトルが1個であってもよい。
図8は、第4実施形態に係る基地局通信装置の受信部1を示している。第4実施形態は、図7に示す第3実施形態の受信部1に、図6に示す第2実施形態のスカラー行列加算部14gを加えたものである。その他の点は、各実施形態と同様であるので、ここでは説明を省略する。
第5実施形態において、受信部1の基本構成は、図7に示す第3実施形態と同様であるので、図7を参照しつつ第5実施形態の説明をする。ただし、第5実施形態では、第1〜第4実施形態のように、一つのタイル内で共通のウェイトWSMIを導出するのではなく、タイル内の個々のデータサブキャリア(1〜8)ごとに、個別にウェイトW1SMI〜W8SMIを導出する。
なお、図9に示すように、タイル内の小領域は、互いに一部が重なるように設定されるが、その大きさや数は特に限定されない。また、小領域ごとに大きさが異なっていてもよい。
図10の対応テーブルは、タイル内の各データサブキャリアが属する1又は複数の小領域の相関行列の和、及び相関ベクトルの和、を示している。
例えば、図10のテーブルにおいて、データサブキャリア「1」の相関行列は、「第1の小領域の相関行列R1と第2の小領域の相関行列R2の和(R1+R2)」となっている。これは、図9において、データサブキャリア「1」は、第1の小領域と第2の小領域とに属しているからである。同様に、データサブキャリア「1」の相関ベクトルは、(r1+r2)となる。
同様に、他のデータサブキャリア(2〜8)のSMIウェイトW2SMI〜W8SMIも算出される。
そして、ウェイト積算&合成部15では、個々のデータサブキャリア(1〜8)それぞれ対応したウェイトW1SMI〜W8SMIが積算され、合成出力信号が得られる。
図11は、第6実施形態に係る基地局通信装置の受信部1を示している。第6実施形態は、タイルというユーザへの無線リソースの割り当ての最小単位(ユーザ割り当て領域の一部の領域)ではなく、個々のユーザ割り当て領域全体をSMIウェイト導出の単位とするものである。
このため、相関行列計算部14a、相関ベクトル計算部14b、及びウェイト積算&合成部15には、ユーザ割り当て情報としてUL−MAP(UpLink-MAP)情報が与えられる。このUL−MAP情報は、基地局通信装置によって生成され、下り回線(下りフレーム)にて、全移動局に対し割り当てられた領域を通知するためのものである。基地局の受信部1は、このUL−MAP情報を用いて、上りフレーム中のどの領域(バースト領域)がどのユーザに割り当てられているかを把握し、バースト領域ごとにSMIウェイトを生成するとともに、ウェイト積算・合成を行う。
図12及び図13は、タイル内の全サブキャリア(12個)を受信信号ベクトルのサンプル値とする第3実施形態(以下、「SMI−1」という)、タイル内の4つのパイロットサブキャリアを受信信号ベクトルのサンプル値とする第1実施形態(以下、「SMI−2」という)、及び、データサブキャリアごとにウェイトを導出する第5実施形態(以下、「SMI−3」という)それぞれについて、シミュレーションにて性能を比較した結果を示している。
なお、本シミュレーションのためのパラメータは、下記の通りである。
CNR:0[dB],10[dB],20[dB],30[dB]
CIR:0[dB],20[dB]
slot数:10,000(=60,000tiles)
データサブキャリア変調方式:QPSK
図12は、CIR=0[dB]である場合、つまり希望波と干渉波の大きさが同じ場合を示している。この場合、CNRが悪い場合(CNR=0[dB])の場合に、各方式で差が現れていることがわかる。
図12(b)に示すSMI−2が最も良い特性であり、続いて、図12(a)に示すSMI−1、図12(c)に示すSMI−3)の順で特性が悪くなる。
図14に示すように、伝送路推定の精度が高ければ、データサブキャリアの受信信号ベクトルを用いるSMI−1,SMI−3の特性が良くなり、特に、データサブキャリアごとにウェイトを導出するSMI−3の特性が優れたものとなる。
Claims (1)
- OFDMA方式によって無線通信を行う無線通信装置であって、
複数の受信信号ベクトルをサンプル値として、相関行列及び相関ベクトルを算出し、算出された相関行列及び相関ベクトルからSMIウェイトを導出するSMIウェイト導出部と、
前記SMIウェイト導出部によって導出されたSMIウェイトを受信信号ベクトルに積算するウェイト積算部と、
を備え、
前記SMIウェイト導出部は、OFDMA方式におけるユーザ割り当て領域に含まれる複数のサブキャリアそれぞれの受信信号ベクトルを前記サンプル値として、当該ユーザ割り当て領域用のSMIウェイトを導出するよう構成されている
ことを特徴とする無線通信装置。
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