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JP2010127087A - 内燃機関の燃焼制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃焼制御装置 Download PDF

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JP2010127087A JP2008299382A JP2008299382A JP2010127087A JP 2010127087 A JP2010127087 A JP 2010127087A JP 2008299382 A JP2008299382 A JP 2008299382A JP 2008299382 A JP2008299382 A JP 2008299382A JP 2010127087 A JP2010127087 A JP 2010127087A
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Yoshiki Tanabe
圭樹 田邊
Keiichi Akao
圭一 赤尾
Fumitaka Komatsu
文隆 小松
Shinji Nakayama
真治 中山
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Mitsubishi Fuso Truck and Bus Corp
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Mitsubishi Fuso Truck and Bus Corp
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Abstract

【課題】燃焼モード切替過渡時における吸気状態の遅れや燃料噴射期間の増大によるスモークやNOxの発生を抑制して排ガス性能を向上させることのできる内燃機関の燃焼制御装置を提供すること。
【解決手段】予混合燃焼モードから通常燃焼モードへの切替過渡時に、空気過剰率λの低下に応じてMFB角度指示値を進角させるとともに、MFB角度指示値と実MFB角度との差、及びブースト圧指示値と実ブースト圧との差に応じてレール圧指示値を増大させる。
【選択図】図6

Description

本発明は、内燃機関の燃焼制御装置に係り、詳しくは加速等で燃焼モードが切り替わる際の燃焼を制御する技術に関する。
内燃機関は、運転状態に応じて複数の燃焼モードを有しており、例えばディーゼルエンジンでは、筒内の圧縮された空気に燃料を噴射し、当該燃料噴射中に自発着火によって燃焼させる所謂ディーゼル燃焼モード(通常燃焼モード)がある。また、燃料の噴射時期を進角側とし、予め燃料と空気とを混合させ、高い空気過剰率で燃焼を生起させる予混合燃焼モードがある。
当該予混合燃焼モードでは、EGRガスを多量に導入する等して低温での燃焼を実現しNOx及びスモークの発生を抑えている。
ただし、予混合燃焼モードはエンジンの運転が低負荷低回転数である領域に限られており、高負荷高回転数領域では通常燃焼モードに切り替える必要がある。
このような2つの燃焼モードを切り替える際には、燃焼噴射や吸気状態を変更することになるが、燃料噴射圧力や、吸気及びEGRガス等の変化には遅れが発生し、燃焼が不安定となるおそれがある。
例えば、予混合燃焼モードから通常燃焼モードへ移行させる場合、燃料噴射量が増加するのに対し、EGR弁を閉じるよう指示してから実際にEGRガスが減少するまでの遅れや、スロットル弁を開弁してから吸気量が増加するまでの遅れ等の吸気状態の遅れから、燃料過多となりスモークが発生するという問題がある。
そこで、予混合燃焼モードから通常燃焼モードへ移行する際には、通常燃焼モードにおける目標EGRガス量に変更するようEGR弁に対して指令が出された後、第一所定期間は、予混合燃焼モードにおける燃料噴射制御を維持し、第一所定期間経過時点から、変更されるEGRガス量に応じて、通常燃焼モードにおいて行われる燃料噴射制御に変更する技術が開示されている(特許文献1参照)。
特開2007−100678号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術は、EGRガスの遅れに対応するため燃料噴射制御の予混合燃焼モードの燃料噴射制御維持しているため、通常燃焼モードへの切り替えが遅くなるという問題がある。
そして、第一所定期間経過時点からメイン噴射量を増加させていくとともに、パイロット噴射を行っているが、このように燃料噴射量を増加させても、燃料噴射圧力、即ちコモンレール圧の増加には遅れが生じるため、燃料噴射期間が増大する。
このように燃料噴射期間が増大すると燃焼が遅延し、後燃え期間が増加するほどスモークが発生するという問題がある。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、燃焼モード切替過渡時における吸気状態の遅れや燃料噴射期間の増大によるスモークやNOxの発生を抑制して排ガス性能を向上させることのできる内燃機関の燃焼制御装置を提供することにある。
上記した目的を達成するために、請求項1の内燃機関の燃焼制御装置では、燃焼モードとして、第1の燃焼モード、及び該第1の燃焼モードよりも進角側で燃料を噴射し排気から吸気へのEGRガス還流量が多く設定された第2の燃焼モードを有するエンジンと、前記エンジンの筒内圧を検出する筒内圧検出手段と、前記筒内圧検出手段により検出される筒内圧に基づきクランク角度に応じて燃焼割合を算出する燃焼割合算出手段と、前記燃焼割合算出手段により算出される燃焼割合に基づき、指標とする所定の燃料割合が目標とするクランク角度となるよう燃料噴射を制御する燃焼制御手段と、を備えた内燃機関の燃焼制御装置であって、前記燃焼制御手段は、前記第2の燃焼モードから第1の燃焼モードへと切り替わる過渡時には、前記目標のクランク角度を空気過剰率の低下に応じて進角側に設定することを特徴としている。
請求項2の内燃機関の燃焼制御装置では、請求項1において、前記エンジンは、加圧ポンプにより加圧された燃料をコモンレールに貯留し、該貯留された燃料を燃料噴射弁から所定の噴射圧力で筒内に噴射するディーゼルエンジンであり、前記燃焼制御手段は、前記第2の燃焼モードから第1の燃焼モードへと切り替わる過渡時には、前記目標のクランク角度と、前記燃焼割合算出手段により算出された前記所定の燃焼割合に対応するクランク角度との差に応じて前記噴射圧力を増大させることを特徴としている。
請求項3の内燃機関の燃焼制御装置では、請求項2において、前記エンジンは、吸気を過給する過給手段を有するディーゼルエンジンであり、前記エンジンの筒内における過給圧を検出する過給圧検出手段を備え、前記燃焼制御手段は、前記第2の燃焼モードから第1の燃焼モードへと切り替わる過渡時には、目標とする過給圧と、前記過給圧検出手段により検出される過給圧との差に応じて前記噴射圧力を増大させることを特徴としている。
上記手段を用いる本発明の請求項1の内燃機関の燃焼制御装置によれば、EGRガスの還流量の多い第2の燃焼モードからEGRガスの還流量の少ない第1の燃焼モードへと切り替わる過渡時には、当該空気過剰率の低下に応じて、指標とする所定の燃焼割合における目標のクランク角度(MFB角度指示値)を進角させる。
MFB角度指示値を進角させることで、燃焼制御手段は燃料噴射時期を進角させることとなる。
このように、燃料噴射時期を進角させることで、着火時期は進角し、燃焼の後燃えの緩慢化を抑制することができ、スモークの発生を抑制することができる。
したがって、燃焼モード切替過渡時における吸気状態の遅れや燃料噴射期間の増大によるスモークの発生を抑制して排ガス性能を向上させることができる。
請求項2に係る内燃機関の燃焼制御装置によれば、コモンレール式のディーゼルエンジンにおいて、第2の燃焼モードから第1の燃焼モードへの切替過渡時において、MFB角度指示値と実際に検出されるMFB角度(実MFB角度)との差に応じて燃料噴射圧を増大させる。
これにより、実MFB角度の遅角に対応し、十分な噴射圧で燃料は噴射され、燃料噴射期間は短縮される。そして、燃焼モード切替直後の燃焼の遅延は抑制され、MFB角度指示値に実MFB角度を速やかに追従させることができる。
このことから、より確実に燃焼の緩慢化を抑制することができ、一層スモークの発生を抑制させることができる。
さらに、MFB角度の応答性が向上することで、第2の燃焼モードから第1の燃焼モードへの切替過渡期間を短縮することができる。このように、早期に通常燃焼モードに切り替えられることで切替過渡時におけるNOxの増加も抑制させることができる。
したがって、燃焼モード切替過渡時における吸気状態の遅れや燃料噴射期間の増大によるスモークやNOxの発生を抑制して排ガス性能を向上させることができる。
請求項3に係る内燃機関の燃焼制御装置によれば、過給手段を有するディーゼルエンジンにおいて、第2の燃焼モードから第1の燃焼モードへの切替過渡時において、目標とする過給圧と実際に検出される過給圧との差に応じて燃料噴射圧を増大させる。
これにより、吸気状態の遅れに対応し、十分な噴射圧で燃料は噴射され、燃料噴射期間は短縮される。そして、燃焼モード切替直後の燃焼の遅延は抑制され、MFB角度指示値に実MFB角度を速やかに追従させることができる。
このことから、より確実に燃焼の後燃え緩慢化を抑制することができ、一層スモークの発生を抑制させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1から図3を参照すると、図1には本発明に係る内燃機関の燃焼制御装置の概略構成図、図2にはECU内に形成されているMFB角度進角量算出部を示すブロック図、図3にはECU内に形成されているレール圧増大量算出部を示すブロック図が、それぞれ示されており、以下これらの図に基づき説明する。
図1に示すエンジン1(内燃機関)は、図示しない加圧ポンプにより加圧された燃料をコモンレール2に貯留し、この貯留された高圧力燃料を各気筒3内に直接噴射する4気筒コモンレール式ディーゼルエンジンである。なお、図1には4気筒のうちの1つの気筒の断面が示されている。
エンジン1は、複数の気筒3が形成されたシリンダブロック4の上部に、シリンダヘッド6が載置されて構成されている。
各気筒3には上下摺動可能にピストン8が設けられおり、当該ピストン7の頂面と気筒3の内壁、及びシリンダヘッド6下面に囲まれて燃焼室10が形成されている。
シリンダヘッド6には、燃焼室10内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁12、及び当該燃焼室10内の圧力、即ち筒内圧を検出する筒内圧センサ14が、それぞれ燃焼室10内に臨むように設けられている。
また、シリンダヘッド6には、燃焼室10と連通しエンジン1の幅方向一側に延びた吸気ポート16及び燃焼室10と連通しエンジン1の幅方向他側に延びた排気ポート18が形成されている。さらに、当該シリンダヘッド6には、吸気ポート16及び排気ポート18に対応して、当該各ポート16、18と燃焼室10との連通及び遮断を行う吸気バルブ20及び排気バルブ22がそれぞれ設けられている。なお、当該吸気ポート16及び排気ポート18は1気筒につきそれぞれ2箇所設けられており、それに対応して吸気バルブ20及び排気バルブ22はそれぞれ2本設けられている。
そして、エンジン1の幅方向一側には、吸気ポート16と連通する吸気管24が接続されている。
当該吸気管24には、吸気上流側に図示しないエアクリーナが設けられており、その吸気下流側には吸気量を検出するエアフローセンサ26が設けられている。また、当該吸気管24には、エアフローセンサ26より吸気下流側に、吸気を過給するターボチャージャ28(過給手段)のコンプレッサ28a、過給された吸気を冷却するインタークーラ30、吸気量を調整するスロットルバルブ32が順に設けられている。
一方、エンジン1の幅方向他側には排気ポート18と連通する排気管34が接続されている。
当該排気管34には、上記ターボチャージャ28のコンプレッサ28aと回転軸が連結され排気流により回転するタービン28bが設けられている。当該ターボチャージャ28には、図示していないが、排ガスの一部を分流させタービン28aへの排ガス流入量を調節し目標とするブースト圧に制御可能なウエストゲートバルブが設けられている。
また、当該排気管34の排気上流側部分と、吸気管24の吸気下流側部分とは、EGR通路36を介して連通されており、排気を吸気系に還流可能に構成されている。当該EGR通路36には、EGRガスを冷却するEGRクーラ38及び吸気系へ還流させるEGRガス量を調整するEGRバルブ40が設けられている。
また、当該エンジン1を搭載した車両には、エンジン1の運転制御等をはじめとして総合的な制御を行うための制御装置としてECU42(燃焼制御手段)が設けられている。当該ECU42は、CPU、メモリ、タイマカウンタなどから構成され、様々な制御量の演算を行うとともに、その制御量に基づき各種デバイスの制御を行っている。
例えば、ECU42の入力側には、上記筒内圧センサ14、エアフローセンサ26、エンジン1のクランク角度を検出するクランク角センサ44、吸気ポート16内に臨んでおり筒内におけるブースト圧(過給圧)を検出するブースト圧センサ46(過給圧検出手段)、コモンレール2のレール圧を検出するレール圧センサ48等の各種センサ類が接続されており、これらの検出値から、燃焼噴射量に対する筒内の空気量の割合に相当する空気過剰率、エンジン回転数、燃料噴射圧力等が算出可能である。また、ECU42の出力側には各気筒の燃料噴射弁12、ターボチャージャ28、スロットルバルブ32、EGRバルブ40、図示しない加圧ポンプなどの各種デバイス類が接続されている。
そして、ECU42は、上記各種センサ類から取得される情報に基づき、エンジン1の燃焼モードの切替制御や各気筒における燃焼制御を行う。
具体的には、ECU42によるエンジン1の燃焼モードの切替制御では、ECU42はエンジン1に作用する負荷及びエンジン回転数に応じて、予め設定された燃焼モードの切り替えを行う。
例えば、運転状態が低負荷低回転数領域にある場合には、比較的進角側に燃料噴射時期を設定し、予め空気と燃料とを混合した後に自発着火による燃焼を生起させる予混合燃焼モード(第2の燃焼モード)とする。なお、当該予混合燃焼モードでは、EGRガスの還流量を増加させることで低温化を図り、NOxの発生を抑制させる。
上記予混合燃焼モードが成立する低負荷低回転数領域外の運転状態である場合には、比較的遅角側に燃料噴射時期を設定し、予混合期間を経た後に着火し燃料噴射中に燃焼を生起させる拡散燃焼に移行する一般的なディーゼル燃焼と呼ばれる通常燃焼モード(第1の燃焼モード)とする。
これら、予混合燃焼モード及び通常燃焼モードの定常運転時では、例えば空気過剰率に基づき、EGRバルブ40の開度やスロットルバルブ32の開度等のフィードバック制御を行っている。
また、ECU42による燃焼制御では、筒内圧センサ14により検出される筒内圧情報から熱発生率を算出して、さらに当該熱発生率を積算した熱発生量を算出する。さらに、当該熱発生量から燃焼割合(以下、MFB(Mass Fraction of Burnt Fuel)ともいう)を算出し、指標とする所定の燃焼割合が目標とするクランク角度となるように燃料噴射時期を制御するものである。
詳しくは、エンジン1の燃焼サイクルでは、下記式(1)に示すポリトロープ式から、筒内圧Pと、筒内容積Vをポリトロープ指数nで累乗した値との積が一定となる。さらに、エンジン1の燃焼サイクルを断熱変化とみなすと、ポリトロープ指数nは筒内の比熱比κに置き換えられる。
PV=PVκ=一定・・・(1)
そして、燃焼室10内で発生する熱発生量Qの単位クランク角当たりの発生熱量である熱発生率dQ/dθは、下記式(2)に示すように、筒内圧P、筒内容積V、比熱比κ、から算出される。
Figure 2010127087
つまり、当該熱発生率dQ/dθを積算(積分)することで、熱発生量が算出される。
そして、燃焼終了時の熱発生量、即ち熱発生量の最大値を100%として、クランク角に応じた熱発生量の割合が燃焼割合として求められる。
ECU42は、これら熱発生量や燃焼割合等の情報を燃焼履歴として記憶し、次回の燃焼において指標とする所定の燃焼割合(例えばMFB50%)が目標のクランク角度(例えばATDC10°)となるように、燃料噴射時期を進角または遅角させたり、レール圧を増減させたりする。以下、この指標とする所定の燃焼割合に対する目標のクランク角度のことを目標MFB角度ともいう。
なお、上記式(1)や式(2)で用いる比熱比κは、燃焼に伴う気体の変化により値が変動するものであるが演算の簡略化等のため、燃焼に伴う値の変動については一定値として取り扱うこととしている。
さらに、ECU42は、急加速等により予混合燃焼モードから通常燃焼モードへと切り替える過渡時には、吸気状態の変化に応じてMFB角度やレール圧の制御を行う。
以下、当該ECU42において実行される燃焼モード切替過渡時における燃焼制御について詳しく説明する。
ECU42内には、図2に示すMFB角度進角量算出部50、及び図3に示すレール圧増大量算出部52が形成されている。
MFB角度進角量算出部50は、空気過剰率λ及びエンジン回転数Neに応じてMFB角度進角量を算出するマップを有している。当該マップは、空気過剰利率λが低くなるほど、またはエンジン回転数Neが高くなるほど、MFB角度進角量を大きく出力するものである。
レール圧増大量算出部52は、目標MFB角度であるMFB角度指示値、燃焼履歴から求められる実際の燃焼における所定の燃焼割合に対応したクランク角度(以下、実MFB角度という)との偏差であるΔMFB角度が入力される。また、目標ブースト圧であるブースト圧指示値と、ブースト圧センサ46から検出される実際のブースト圧(以下、実ブースト圧という)との偏差であるΔブースト圧(ΔPb)が入力される。
そして、当該レール圧増大算出部52は、ΔMFB角度及びΔブースト圧に応じてレール圧増大量を算出するマップを有している。当該マップは、実MFB角度がMFB角度指示値より遅角側であるほど、即ちΔMFB角度が負であるほど、または実ブースト圧が指示ブースト圧より小さくなるほど、即ちΔブースト圧Pbが大きいほど、レール圧増大量を大きく出力するものである。
以下、本発明に係る内燃機関の燃焼制御装置による燃焼制御の流れについて説明する。
図4には本発明に係る内燃機関の燃焼制御装置による燃焼制御ルーチンがフローチャートにより示されており、上記図2、3を参照しつつ当該フローチャートに沿って説明する。
図4のステップS1に示すように、ECU42は、予混合燃焼モードから通常燃焼モードへの切替過渡時であるか否かを判別する。当該判別結果が偽(No)である場合、即ち予混合燃焼モードまたは通常燃焼モードの定常運転時である場合には、ステップS2に進む。
ステップS2では、空気過剰率λに基づき吸気状態及び燃料噴射状態をフィードバック制御し、当該ルーチンを抜ける。
一方、上記ステップS1の判別結果が真(Yes)である場合、即ち予混合燃焼モードから通常燃焼モードへの切替過渡時である場合には、ステップS3に進む。
ステップS3では、図2に示すMFB角度進角量算出部50のマップから、空気過剰率λ及びエンジン回転数Neに応じたMFB角度進角量を算出する。
ステップS4では、前回の燃焼におけるMFB角度指示値に上記ステップS3で算出したMFB角度進角量を加えた値を新たなMFB角度指示値として更新する(MFB角度進角制御)。
ステップS5では、上記ステップS4で更新したMFB角度指示値から実MFB角度を差し引いてΔMFB角度を算出する。
ステップS6では、ブースト圧指示値から実ブースト圧を差し引いてΔブースト圧(ΔPb)を算出する。
ステップS7では、図3に示すレール圧増大量算出部52のマップから、上記ステップS5で算出したΔMFB角度、及びステップS6で算出したΔブースト圧(ΔPb)に応じたレール圧増大量を算出する。
ステップS8では、前回の燃焼におけるレール圧指示値に上記ステップS7で算出したレール圧増大量を加えた値を新たなレール圧指示値として更新する(ブースト圧増大制御)。
そして、ステップS9において、上記ステップS4、S8で更新したMFB角度指示値、及びレール圧指示値により吸気状態及び燃料噴射を制御して、当該ルーチンを抜ける。
ここで、図5には当該燃焼制御におけるMFB角度の進角制御のみを行った場合の各種運転状態の変化を示したタイムチャートが示されており、図6にはMFB角度進角制御に加えてレール圧増大制御を行った場合の各種運転状態の変化を示したタイムチャートが示されており、当該各タイムチャートに基づき上記燃焼制御を行ったときの作用効果について説明する。
まず、図5に示すように、予混合燃焼モード及び通常燃焼モードの定常運転時にはMFB角度指示値と実MFB角度はほぼ一定に推移している。
加速等により負荷が増加し、予混合燃焼モードから通常燃焼モードへと移行する切替過渡時においては、MFB角度進角制御を行わない従来通りの場合であると、図5に破線で示すように、MFB角度指示値(太破線)は一定のままであり、実MFB角度(細破線)は切替過渡時に入った時点から急激に遅角した後にMFB角度指示値と等しくなる。
これは切替過渡時に入った時点で指示噴射量が通常燃焼モードにおける指示噴射量に瞬時に増量されるが、ブースト圧やEGRガス量等の吸気状態の変化が当該指示噴射量の増加よりも遅れ、空気量に対して燃料量の方が多くなって空気過剰率λが急激に低下し、燃焼が遅延するためである。そして、このように空気過剰率λが低く、燃焼が遅延し、MFB角度が遅角することで燃焼の後燃えが緩慢となり、スモークが多量に発生する。
これに対して、MFB角度進角制御を行う場合は、燃焼モードの切替過渡時に入ると空気過剰率λの低下に伴いMFB角度指示値を進角させる。なお、図示はしていないが、加速によるエンジン回転数の増加にも応じて、MFB角度指示値を進角する。そして、ECU42はMFB角度指示値に実MFB角度を追従させるよう燃料噴射時期を進角制御する。
このように、燃料噴射時期を進角させることで、燃焼は進角し、燃焼の後燃え期間を減少させることができ、スモークの発生を抑制することができる。
ただし、燃料噴射時期を進角させた場合でも、レール圧の増加が遅れることで、燃料噴射量の増加に対して十分な燃料噴射圧力を得られないために燃料噴射期間が長くなり、切替過渡時に入った直後に一時的に燃焼が遅延する。
このため図5に示すように、進角制御を行ったMFB角度指示値(太実線)が進角側となっても実MFB角度(細実線)は若干遅角した後に進角側となる。
そこで、次に図6に示すように、MFB角度進角制御に加えてレール圧増大制御を行う場合は、燃焼モードの切替過渡時に入るとMFB角度指示値と実MFB角度との差、及びブースト圧の遅れに伴いレール圧指示値を増大させている。
当該レール圧指示値(太実線)は、通常燃焼モードにおいて設定されるレール圧指示値よりも大きい値となるため、実レール圧も従来より急速に増大することとなる。
これにより、実MFB角度の遅角や吸気状態の遅れに対応し、十分な噴射圧で燃料は噴射され燃料噴射期間は短縮される。そして、燃焼モード切替直後の燃焼の遅延は抑制され、進角制御したMFB角度指示値に実MFB角度を速やかに追従させることができる。
このことから、より確実に燃焼の後燃え期間を減少させることができ、一層スモークの発生を抑制させることができる。
さらに、MFB角度の応答性が向上することで、予混合燃焼モードから通常燃焼モードへの切替過渡期間を短縮することができる。このように、早期に通常燃焼モードに切り替えられることで切替過渡時におけるNOxの増加も抑制させることができる。
以上のことから、本発明に係る内燃機関の燃焼制御装置によれば、燃焼モード切替等の過渡時における吸気状態の遅れや燃料噴射期間の増大によるスモークやNOxの発生を抑制して排ガス性能を向上させることができる。
以上で本発明に係る内燃機関の燃焼制御装置の実施形態についての説明を終えるが、実施形態は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、上記実施形態では、エンジン1は4気筒コモンレール式ディーゼルエンジンだが、当該構成のエンジンに限るものではなく、他の構成のディーゼルエンジンであっても構わない。
上記実施形態では、予混合燃焼モード及び通常燃焼モードの定常運転時では、空気過剰率に基づくEGRバルブ40やスロットルバルブ32等のフィードバック制御を行っているが、当該フィードバック制御は空気過剰率に基づくものに限られず、燃料噴射量に対する空気量に相当する値であればよく、例えば吸気の酸素(O)濃度に基づくフィードバック制御としても構わない。
また、上記実施形態では、燃料噴射圧を増加させるためコモンレールのレール圧を増加させているが、これに限るものではなく、例えば燃料噴射弁に増圧機構を備えている場合には、当該増圧機構により燃料噴射圧を増加させても構わない。
また、上記実施形態では、過給手段として排ガス流を利用するターボチャージャを使用しているが、過給手段はこれに限られるものではなく、例えばエンジンの動力を利用するスーパーチャージャ等であっても構わない。
本発明に係る内燃機関の燃焼制御装置の概略構成図である。 ECU内に形成されているMFB角度進角量算出部を示すブロック図である。 ECU内に形成されているレール圧増大量算出部を示すブロック図である。 本発明に係る内燃機関の燃焼制御装置による燃焼制御ルーチンを示すフローチャートである。 本発明に係る内燃機関の燃焼制御装置の燃焼制御におけるMFB角度の進角制御のみを行った場合の各種運転状態の変化を示したタイムチャートである。 本発明に係る内燃機関の燃焼制御装置の燃焼制御におけるMFB角度の進角制御に加えてレール圧増大制御を行った場合の各種運転状態の変化を示したタイムチャートである。
符号の説明
1 エンジン(内燃機関)
2 コモンレール
3 気筒
12 燃料噴射弁
14 筒内圧センサ(筒内圧検出手段)
32 スロットルバルブ
36 EGR通路
40 EGRバルブ
42 ECU(燃焼割合算出手段、燃焼制御手段)
44 クランク角センサ
46 ブースト圧センサ(過給圧検出手段)
48 レール圧センサ

Claims (3)

  1. 燃焼モードとして、第1の燃焼モード、及び該第1の燃焼モードよりも進角側で燃料を噴射し排気から吸気へのEGRガス還流量が多く設定された第2の燃焼モードを有するエンジンと、
    前記エンジンの筒内圧を検出する筒内圧検出手段と、
    前記筒内圧検出手段により検出される筒内圧に基づきクランク角度に応じて燃焼割合を算出する燃焼割合算出手段と、
    前記燃焼割合算出手段により算出される燃焼割合に基づき、指標とする所定の燃料割合が目標とするクランク角度となるよう燃料噴射を制御する燃焼制御手段と、を備えた内燃機関の燃焼制御装置であって、
    前記燃焼制御手段は、前記第2の燃焼モードから第1の燃焼モードへと切り替わる過渡時には、前記目標のクランク角度を空気過剰率の低下に応じて進角側に設定することを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
  2. 前記エンジンは、加圧ポンプにより加圧された燃料をコモンレールに貯留し、該貯留された燃料を燃料噴射弁から所定の噴射圧力で筒内に噴射するディーゼルエンジンであり、
    前記燃焼制御手段は、前記第2の燃焼モードから第1の燃焼モードへと切り替わる過渡時には、前記目標のクランク角度と、前記燃焼割合算出手段により算出された前記所定の燃焼割合に対応するクランク角度との差に応じて前記噴射圧力を増大させることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  3. 前記エンジンは、吸気を過給する過給手段を有するディーゼルエンジンであり、
    前記エンジンの筒内における過給圧を検出する過給圧検出手段を備え、
    前記燃焼制御手段は、前記第2の燃焼モードから第1の燃焼モードへと切り替わる過渡時には、目標とする過給圧と、前記過給圧検出手段により検出される過給圧との差に応じて前記噴射圧力を増大させることを特徴とする請求項2記載の内燃機関の燃焼制御装置。
JP2008299382A 2008-11-25 2008-11-25 内燃機関の燃焼制御装置 Withdrawn JP2010127087A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016020659A (ja) * 2014-07-15 2016-02-04 日本特殊陶業株式会社 ディーゼルエンジンの制御装置およびその制御方法
CN114876660A (zh) * 2022-05-20 2022-08-09 潍柴动力股份有限公司 一种喷油提前角的修正方法、装置及电子设备

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