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JP2010173353A - アクティブヘッドレストを組み付けたシートバックの内部構造 - Google Patents

アクティブヘッドレストを組み付けたシートバックの内部構造 Download PDF

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Abstract

【課題】アクティブヘッドレストを組み付けたシートバックであっても、乗員の乗り心地を向上させると共に、アクティブヘッドレストの作動を確実に行うことができる内部構造を提供することである。
【解決手段】シートバック20には、車両に後突が発生したときに生じる乗員の背凭れ荷重のうち、腰椎部における背凭れ荷重を検出することでヘッドレストを乗員の後頭部側に向けて飛び出させるアクティブヘッドレスト30が組み付けられている。シートバック20の骨格を成すフレーム22には、乗員の胸椎部に対応するように、貫通孔90aが形成された第1のパネル部材90と、乗員の腰椎部に対応するように、リブ92aが形成された第2のパネル部材92とがそれぞれ張設されている。受圧部材50は、乗員の腰椎部における背凭れ荷重を第2のパネル部材92を介して検出可能となっている。
【選択図】図2

Description

本発明は、アクティブヘッドレストを組み付けたシートバックの内部構造に関する。
従来、車両に後突が発生すると、車両用シートのヘッドレストを乗員の後頭部側に向けて瞬時に飛び出させる技術が既に知られている。ここで、下記特許文献1には、車両に後突が発生したときの弾みで、車両用シートに着座した乗員のシートバックに強く圧し掛かる荷重を検出して、上述したようにヘッドレストを飛び出させる技術が開示されている。このように、車両に後突が発生したときにヘッドレストを飛び出させることで、乗員の後頭部に生じる衝撃を低減させ安全性を向上させることができる。
特開2002−345597号公報
しかしながら、上述した従来技術では、乗員の背凭れ荷重を検出するランバーサポートプレートは、乗員の腰椎部をソフトに支持できるように、撓み易い構造になっている。このように撓み易い構造になっていると、乗員の乗り心地が向上する反面、乗員の背凭れ荷重が撓みに吸収されることで背凭れ荷重の検出が不安定になり、結果的に、ヘッドレストの飛び出しに誤作動が生じることがあった。
本発明は、このような課題を解決しようとするもので、その目的は、アクティブヘッドレストを組み付けたシートバックであっても、乗員の乗り心地を向上させると共に、アクティブヘッドレストの作動を確実に行うことができる内部構造を提供することである。
本発明は、上記の目的を達成するためのものであって、以下のように構成されている。
請求項1に記載の発明は、車両に後突が発生したときに生じる乗員の背凭れ荷重のうち、腰椎部における背凭れ荷重を検出することでヘッドレストを乗員の後頭部側に向けて飛び出させるアクティブヘッドレストを組み付けたシートバックの内部構造であって、その骨格を成すフレームには、そのフレームに包着状に取り付けられるパッド部材の背面側のうち、乗員の胸椎部に対応する背面側を支持する第1のパネル部材と、乗員の腰椎部に対応する背面側を支持する第2のパネル部材とがそれぞれ張設されており、第1のパネル部材は、その板厚方向に形成された貫通孔、同凹穴、その板厚、その材質、これらの単数もしくは任意の複数の組み合わせによって可撓性を有するように形成されており、第2のパネル部材は、その表面に形成されたリブ、その板厚、その材質、これらの単数もしくは任意の複数の組み合わせによって剛性を有するように形成されており、受圧部材は、乗員の腰椎部における背凭れ荷重を第2のパネル部材を介して検出可能となっていることを特徴とする。
この構成によれば、第1のパネル部材は可撓性を備えているため、乗員の胸椎部をソフトに支持することができる。そのため、乗員の乗り心地を向上させることができる。また、この構成によれば、第2のパネル部材は剛性を備えているため、乗員からの腰椎部における背凭れ荷重によって確実に受圧部材を回動させることができる。したがって、アクティブヘッドレストを確実に作動させることができる。
また、請求項2に記載の発明は、車両に後突が発生したときに生じる乗員の背凭れ荷重のうち、胸椎部における背凭れ荷重を検出することでヘッドレストを乗員の後頭部側に向けて飛び出させるアクティブヘッドレストを組み付けたシートバックの内部構造であって、その骨格を成すフレームには、そのフレームに包着状に取り付けられるパッド部材の背面側のうち、乗員の胸椎部に対応する背面側を支持する第1のパネル部材と、乗員の腰椎部に対応する背面側を支持する第2のパネル部材とがそれぞれ張設されており、第1のパネル部材は、その板厚方向に形成されたリブ、その板厚、その材質、これらの単数もしくは任意の複数の組み合わせによって剛性を有するように形成されており、第2のパネル部材は、その表面に形成された貫通孔、同凹穴、その板厚、その材質、これらの単数もしくは任意の複数の組み合わせによって可撓性を有するように形成されており、受圧部材は、乗員の胸椎部における背凭れ荷重を第1のパネル部材を介して検出可能となっていることを特徴とする。
この構成によれば、請求項1に対して、両パネル部材の配置が逆の構成となっている。そのため、請求項1と同様の作用効果を得ることができる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1〜2のいずれか1項に記載のアクティブヘッドレストを組み付けたシートバックの内部構造であって、第1のパネル部材と第2のパネル部材とは、それぞれ樹脂によって成形されていることを特徴とする。
この構成によれば、両パネル部材を簡便に量産することができる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアクティブヘッドレストを組み付けたシートバックの内部構造であって、第1のパネル部材と第2のパネル部材とは、一体的に成形されていることを特徴とする。
この構成によれば、パネル部材の組み付けは1枚で済むため、その組み付け作業を簡便化することができる。
図1は、本発明の実施例1に係るアクティブヘッドレストを組み付けたシートバックの内部構造を適用させた車両用シートの全体概略図であり、両パネル部材を組み付ける前の状態を示している。 図2は、図1の組み付け後の状態を示している。 図3は、図1のクラッチ機構の全体斜視図である。 図4は、図1のクラッチ機構の側面模式図である。 図5は、図1のクラッチ機構の正面模式図である。 図6は、図2において、乗員の着座状態における側面模式図である。 図7は、本発明の実施例2に係るアクティブヘッドレストを組み付けたシートバックの内部構造を適用させた車両用シートの全体概略図であり、両パネル部材を組み付ける前の状態を示している。 図8は、図7の組み付け後の状態を示している。 図9は、図8において、乗員の着座状態における側面模式図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明する。
(実施例1)
まず、図1〜6によって実施例1を説明する。なお、図1では、シートクッション10、シートバック20およびアクティブヘッドレスト30から構成される車両用シート1の内部構造を分かり易く示すために、これらのクッション構造(例えば、シートバック20のパッド部材など)および表皮構造を省略し内部のフレーム構造のみを示している。また、以下の説明にあたって、上、下、前、後、左、右とは、上述した図に記載した、上、下、前、後、左、右の方向、すなわち、車両用シート1を基準にしたときの上、下、前、後、左、右の方向を示している。このことは、後述する実施例2においても同様である。
まず、本発明の実施例に係る車両用シート1の全体構成を説明する。図1、2に示すように、車両用シート1は、乗員が着座するシートクッション10と、着座した乗員の背凭れ部となるシートバック20と、着座した乗員の後頭部を支承するアクティブヘッドレスト30とから構成されている。
これらの構成部材のうち、シートバック20とアクティブヘッドレスト30のフレーム構造についてそれぞれ詳述する。なお、シートクッション10については、公知の構成であるため、その詳細説明は省略することとする。はじめに、シートバック20のフレーム構造について詳述する。シートバック20のフレームは、左右一対のサイドフレーム22、22と、これら両サイドフレーム22の上部を橋渡す格好のアッパフレーム24と、これら両サイドフレーム22の下部を橋渡す格好のロアフレーム26とから構成されている。なお、この左右一対のサイドフレーム22、22の記載が、特許請求の範囲に記載の「その骨格を成すフレーム」に相当する。
両サイドフレーム22の下端は、リクライニング機構(図示しない)を介してシートクッション10の左右一対のクッションフレーム12、12の後端にそれぞれ組み付けられている。これにより、シートバック20をシートクッション10に対して傾動させることができ、その傾動範囲のうち所望する傾斜位置でシートバック20を保持させることができる。
アッパフレーム24には、左右一対のホルダ24a、24aがそれぞれ組み付けられている。この両ホルダ24aには、後述するアクティブヘッドレスト30の左右一対のステー34、34をそれぞれ挿入係止可能なサポート24bがそれぞれ組み付けられている。これにより、シートバック20にアクティブヘッドレスト30を組み付けることができる。
なお、両サポート24bのうち、一方のサポート24b(図1において、左側のサポート24b)の内部には、後述するアクティブヘッドレスト30のロック機構Rを解除させるために一方のステー34(図1において、左側のステー34)の内部に配置されたロッド38を突き上げるロッド突上部材(図示しない)が設けられている。このロッド突上部材は、操作ケーブル80を介して後述する第2の揺動部材75と接続されている。この操作ケーブル80とは、筒状に形成されたアウタケーブル82と、このアウタケーブル82の内部を移動可能に差し込まれたワイヤー状のインナケーブル84とから構成された2重構造のケーブル部材である。
この操作ケーブル80のうち、アウタケーブル82の一方側の端部(上端部)は、上述したように左側のサポート24bのロッド突上部材に掛け止めされ、同他方側の端部(下端部)は、後述するベースプレート40の第3のリブ44に掛け止めされている。一方、インナケーブル84の一方側の端部(上端部)は、上述したロッド突上部材の内部にロッド38を突き上げ可能に配置され、同他方側の端部(下端部)は、後述する第2の揺動部材75に掛け止めされている(図3参照)。そして、インナケーブル84に張力が作用すると、ロッド突上部材はロッド38を突き上げてアクティブヘッドレスト30のロック機構Rを解除させる構造となっている。このようにしてシートバック20のフレームは構成されている。
次に、図1に戻って、アクティブヘッドレスト30のフレーム構造について詳述する。アクティブヘッドレスト30のフレームは、アクティブヘッドレスト30の輪郭を成す基部32と、この基部32と一体に組み付けられた左右一対のステー34、34と、この基部32に引っ張りばねとリンク機構(いずれも図示しない)を介して組み付けられた支承板36とから構成されている。
なお、車両に後突が発生する前の通常時、支承板36は引っ張りばねの付勢力に抗して基部32に対して略一体となるように上述したロック機構Rによってロックされている。そのため、このロック機構Rのロック解除が行われると、引っ張りばねの付勢力によってリンク機構が作動することで、支承板36は基部32に対して前方向に瞬時に飛び出る構造となっている。これにより、支承板36によって乗員の後頭部を瞬時に受け止めることができる。このようにしてアクティブヘッドレスト30のフレームは構成されている。
次に、上述したシートバック20に組み付けられるクラッチ機構Cを説明する。このクラッチ機構Cは、図3〜5に示すように、ベースプレート40と、受圧部材50と、連結アーム60、第1の揺動部材70および第2の揺動部材75とから構成されている。以下に、これら各構成部材40、50、60、70、75を個別に説明していく。
はじめに、ベースプレート40を説明する。ベースプレート40は、クラッチ機構Cのベースを成すプレート状に形成された部材である。このベースプレート40は、ロアフレーム26(図3〜5において、図示しない)の前面に締結されている。
次に、受圧部材50を説明する。受圧部材50は、車両用シート1に着座した乗員の背凭れ荷重のうち、腰椎部における背凭れ荷重を受け止め可能に略板状に形成された部材である。この受圧部材50は、ベースプレート40に形成された左右一対の第1のリブ41、41にピン51を介して車幅方向を軸方向とする軸回りに回動可能に組み付けられている。このとき、受圧部材50は、その先端が後述する背凭れパネル90の背面に接触する方向(図4において、矢印A方向)へトーションばね52を介して付勢状態で組み付けられている。
次に、連結アーム60を説明する。連結アーム60は、車両の後突によって生じた乗員からの背凭れ荷重のうち、腰椎部における背凭れ荷重のみを後述する第1の揺動部材70に伝達する略く字状に形成された部材である。この連結アーム60の略く字の折れ曲がり部位には、ベースプレート40の第2のリブ42に形成された長孔43の内部を移動可能なピン65が形成されている。また、この連結アーム60の先端側には、ウェイト64が組み付けられている。
そして、この連結アーム60は、その基端が受圧部材50に形成されたリブ54にピン61を介して車幅方向を軸方向とする軸回りに回動可能に組み付けられている。このとき、連結アーム60は、自身のピン65が長孔43の前面43aに接触する方向(図4において、矢印B方向)へトーションばね62を介して付勢状態で組み付けられている。
続いて、第1の揺動部材70を説明する。第1の揺動部材70は、上述した連結アーム60からの背凭れ荷重を後述する第2の揺動部材75に伝達するプレート状に形成された部材である。この第1の揺動部材70は、ベースプレート40に対してその表面に対する垂直方向を軸方向とする軸回りに回動可能にピン71を介して組み付けられている。このとき、第1の揺動部材70は、その外周の一部から飛び出す格好で形成されている飛び出し部位70aがベースプレート40に形成された第4のリブ45に接触する方向(図5において、矢印C方向)へトーションばね72を介して付勢状態で組み付けられている。
また、この第1の揺動部材70には、その外周の一部から飛び出す格好で第1のアーム73と第2のアーム74がそれぞれ形成されている。これら両アーム73、74の先端には、リブ73a、74aがそれぞれ形成されている。これら両リブ73a、74aのうち、前者のリブ73aは、小さな背凭れ荷重によって連結アーム60のピン65が移動するときに押し当てられるように形成されており、後者のリブ74aは、大きな背凭れ荷重によって連結アーム60のピン65が移動するときに押し当てられるように形成されている。
最後に、第2の揺動部材75を説明する。第2の揺動部材75は、上述した第1の揺動部材70から伝達される背凭れ荷重によって操作ケーブル80を引っ張るプレート状に形成された部材である。この第2の揺動部材75は、第1の揺動部材70と同様に、ベースプレート40に対してその表面に対する垂直方向を軸方向とする軸回りに回動可能にピン76を介して組み付けられている。このとき、第2の揺動部材75は、その外周面に形成されたリブ78が第1の揺動部材70の飛び出し部位70aに接触する方向(図5において、矢印D方向)へトーションばね77を介して付勢状態で組み付けられている。また、この第2の揺動部材75には、既に説明したように、操作ケーブル80のインナケーブル84の他端(下端)が掛け止めされている。このようにしてクラッチ機構Cは構成されている。
次に、上述したクラッチ機構Cの動作を説明する。まず、図4に示す状態から、乗員が、単に、シートバック20に対して背凭れすることによって受圧部材50がパッド部材(図示しない)と後述する第2の背凭れパネル92とを介して乗員から腰椎部における背凭れ荷重を受けると、連結アーム60は、そのピン65が長孔43の内部を下方に向かって移動していくように回動していく。このとき、連結アーム60のピン65は、連結アーム60に作用するトーションばね62の付勢力によって長孔43内の前面43aに沿って移動していく。
また、図4に示す状態から、乗員が、降車することによって(または、乗員が、シートバック20を後方に倒した状態で自身の両足を車両フロアにつけて踏ん張ることによって)受圧部材50が乗員からさらに腰椎部における背凭れ荷重を受けると、連結アーム60は、そのピン65が長孔43の内部を、さらに下方に向かって移動していくように回動していく。このときも、連結アーム60のピン65は、連結アーム60に作用するトーションばね62の付勢力によって長孔43内の前面43aに沿って移動していく。そのため、乗員の降車によって生じる腰椎部における背凭れ荷重、または、乗員の単なる背凭れによって生じる腰椎部における背凭れ荷重は、第1の揺動部材70へ伝達されることはない。なお、このことは、乗員の乗車によって生じる腰椎部における背凭れ荷重でも同様である。
また、図4に示す状態から、車両に後突が発生することによって、さらに、受圧部材50が乗員から腰椎部における背凭れ荷重を受けると、連結アーム60は、そのピン65が長孔43の内部を、さらに下方に向かって移動していくように回動していく。このとき、連結アーム60のウェイト64には、車両の後突によって後方に向けて慣性力が作用しているため、連結アーム60のピン65は、連結アーム60に作用するトーションばね62の付勢力に抗して長孔43内の後面43b側に沿って移動していく。
すると、連結アーム60のピン65は、第1の揺動部材70の第1のアーム73のリブ73aを押し当てながら移動していくため、この移動によって連結アーム60のピン65は、トーションばね72の付勢力に抗して第1の揺動部材70を回動させていく。そのため、車両に後突が発生したことによって生じる腰椎部における背凭れ荷重は、第1の揺動部材70へ伝達されることになる。
また、このとき、第1の揺動部材70の飛び出し部位70aが第2の揺動部材75のリブ78を押し当てるため、この押し当てに伴って第2の揺動部材75も、トーションばね77の付勢力に抗して回動していく。すると、操作ケーブル80のインナケーブル84が引っ張られ、その引っ張られたインナケーブル84に張力が作用するため、既に説明したように、ロック機構Rのロック解除が行われて支承板36が乗員の後頭部側に向けて飛び出していく。この記載が、特許請求の範囲に記載の「ヘッドレストを乗員の後頭部側に向けて飛び出させる」に相当する。これにより、車両に後突が発生すると、支承板36によって乗員の後頭部を瞬時に受け止めることができる。
続いて、図2、6を参照して、シートバック20の両サイドフレーム22に包着状に取り付けられるパッド部材(図示しない)の背面側に張設される第1のパネル部材90と、第2のパネル部材92とを個別に説明していく。
はじめに、第1のパネル部材90を説明する。第1のパネル部材90は、シートバック20のパッド部材の背面側のうち乗員の胸椎部に対応する(胸椎部に位置する)背面側を支持するように、両サイドフレーム22に沿った左右のコンターばね27を橋渡す格好で張設されているパネル部材である。この第1のパネル部材90には、その板厚方向に貫通するように複数(図2、6において、4個)の貫通孔90aが形成されている。
これら各貫通孔90aは、第1のパネル部材90に可撓性を持たせるために形成されているため、その数および配置箇所は、所望する可撓性によって適宜に決められる設計的な事項である。このように第1のパネル部材90を張設することで、乗員の背凭れ荷重のうち、胸椎部における背凭れ荷重を受け止めることができる。また、このように貫通孔90aを形成することで、シートバック20のクッション性を向上させることができる。なお、この第1のパネル部材90は、樹脂によって一体成形されている。
次に、第2のパネル部材92を説明する。第2のパネル部材92は、シートバック20のパッド部材の背面側のうち乗員の腰椎部に対応する(腰椎部に位置する)背面側を支持するように、コンターばね27の下部に組み付けられているパネル部材である。すなわち、第2のパネル部材92は、上述したクラッチ機構Cの受圧部材50の正面側に位置するように屈曲ばね28に組み付けられている。
このように第2のパネル部材92を組み付けることで、乗員の背凭れ荷重のうち、腰椎部における背凭れ荷重を受け止めることができる。そして、受け止めた背凭れ荷重によって受圧部材50を回動させることができる。コンターばね27の下部は、その両端側がフィッシュマウス28を介してロアフレーム26にもそれぞれ組み付けられている。これにより、コンターばね27の下部は、自身に作用する撓み力だけでなく、フィッシュマウス28にも作用する撓み力によって前後方向に撓むことができる。これにより、シートバック20のクッション性を向上させることができる。
また、第2のパネル部材92には、その正面側の表面に2次元方向(上下方向と左右方向)に複数のリブ92aが格子状に形成されている。このように、リブ92aを形成することで、第2のパネル部材92の剛性を高めることができる。これら各リブ92aは、第2のパネル部材92に剛性を持たせるために形成されているため、その数および配置箇所は、所望する剛性によって適宜に決められる設計的な事項である。なお、この第2のパネル部材92も、上述した第1のパネル部材90と同様に、樹脂によって一体成形されている。
本発明の実施例1に係るアクティブヘッドレスト30を組み付けたシートバック20の内部構造は上述したように構成されている。この構成によれば、第1のパネル部材90は可撓性を備えているため、乗員の胸椎部をソフトに支持することができる。そのため、乗員の乗り心地を向上させることができる。また、この構成によれば、第2のパネル部材92は剛性を備えているため、乗員からの腰椎部における背凭れ荷重によって確実に受圧部材50を回動させることができる。したがって、アクティブヘッドレスト30を確実に作動させることができる。
また、この構成によれば、第1のパネル部材90と第2のパネル部材92とは、それぞれ樹脂によって成形されている。そのため、両パネル部材90、92を簡便に量産することができる。
また、この構成によれば、第1のパネル部材90と第2のパネル部材92とは、一体的に成形されている。そのため、パネル部材(第1のパネル部材と第2のパネル部材)の組み付け作業を簡便化することができる。
(実施例2)
次に、図7〜9によって実施例2を説明する。この実施例2は、既に説明した実施例1と比較すると、両パネル部材90、92を一体的に成形した実施形態である。すなわち、実施例1では、第1のパネル部材90と第2のパネル部材92とは、別体に構成されていた。これに対し、これから説明する実施例2では、第1のパネル部材90と第2のパネル部材92とは、一体的に構成されている。そして、以下の説明にあたっては、実施例1と同一もしくは均等な構成の部材には、図面において同一符号を付すことで、重複する説明は省略することとする。
パネル部材94(実施例1における第1のパネル部材90と第2のパネル部材92を一体成形したもの)は、シートバック20のパッド部材の背面側の略全てを支持するように、左右のコンターばね27を橋渡す格好で張設されているパネル部材である。このパネル部材94は、この上半分が実施例1で説明した第1のパネル部材90に相当するように形成されているため、この上半分には、実施例1と同様に貫通孔90aが形成されている。また、この下半分も実施例1で説明した第2のパネル部材92に相当するように形成されているため、この下半分にも、実施例1と同様にリブ92aが形成されている。なお、このパネル部材94も、樹脂によって一体成形されている。
本発明の実施例2に係るアクティブヘッドレスト30を組み付けたシートバック20の内部構造は上述したように構成されている。この構成によれば、実施例1で説明した第1のパネル部材90と第2のパネル部材92とを一体的に形成したパネル部材94を備えているため、この実施例2でも、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。また、この構成によれば、実施例1と比較すると、パネル部材94の組み付けは1枚で済むため、その組み付け作業を簡便化することができる。なお、実施例1であれば、第1のパネル部材90と第2のパネル部材92との2枚のパネル部材を組み付ける必要があるため、その組み付けに手間を要することとなる。
上述した内容は、あくまでも本発明の一実施の形態に関するものであって、本発明が上記内容に限定されることを意味するものではない。
実施例1では、乗員の背凭れ荷重のうち、腰椎部における背凭れ荷重を検出することでアクティブヘッドレスト30を乗員の後頭部側に向けて飛び出させる構成を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、乗員の背凭れ荷重のうち、胸椎部における背凭れ荷重を検出することでアクティブヘッドレスト30を乗員の後頭部側に向けて飛び出させる構成であっても構わない。この場合、第1のパネル部材90によって確実に受圧部材50を回動させる構成になると共に、第2のパネル部材92によって乗員の乗り心地を向上させる構成となる。すなわち、実施例1に対して、両パネル部材90、92の配置が上下に逆の構成となる。このことは、実施例2においても同様である。
また、実施例1では、第1のパネル部材90に貫通孔90aを形成することで、乗員の胸椎部をソフトに支持する構成を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、例えば、第1のパネル部材90に凹穴を形成することで、第1のパネル部材90の板厚を薄くすることで、または、第1のパネル部材90の材質を柔らかな素材にすることで、乗員の胸椎部をソフトに支持する構成であっても構わない。もちろん、これらの構成を任意に複数組み合わせた構成であっても構わない。これらのことは、実施例2においても同様である。
また、実施例1では、第2のパネル部材92にリブ92aを形成することで、第2のパネル部材92に剛性を備えさせる構成を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、例えば、第2のパネル部材92の板厚を厚くすることで、または、第2のパネル部材92の材質を硬い素材にすることで、第2のパネル部材92に剛性を備えさせる構成であっても構わない。もちろん、これらの構成を任意に複数組み合わせた構成であっても構わない。これらのことは、実施例2においても同様である。なお、実施例2において、パネル部材94のうち、第1のパネル部材90に相当する上半分と、第2のパネル部材92に相当する下半分とを異なる材質にする場合、例えば、2色成形で行うこととなる。
20 シートバック
22 サイドフレーム
30 アクティブヘッドレスト
90 第1のパネル部材
90a 貫通孔
92 第2のパネル部材
92a リブ
94 パネル部材




Claims (4)

  1. 車両に後突が発生したときに生じる乗員の背凭れ荷重のうち、腰椎部における背凭れ荷重を検出することでヘッドレストを乗員の後頭部側に向けて飛び出させるアクティブヘッドレストを組み付けたシートバックの内部構造であって、
    その骨格を成すフレームには、
    そのフレームに包着状に取り付けられるパッド部材の背面側のうち、乗員の胸椎部に対応する背面側を支持する第1のパネル部材と、乗員の腰椎部に対応する背面側を支持する第2のパネル部材とがそれぞれ張設されており、
    第1のパネル部材は、その板厚方向に形成された貫通孔、同凹穴、その板厚、その材質、これらの単数もしくは任意の複数の組み合わせによって可撓性を有するように形成されており、
    第2のパネル部材は、その表面に形成されたリブ、その板厚、その材質、これらの単数もしくは任意の複数の組み合わせによって剛性を有するように形成されており、
    受圧部材は、乗員の腰椎部における背凭れ荷重を第2のパネル部材を介して検出可能となっていることを特徴とするアクティブヘッドレストを組み付けたシートバックの内部構造。
  2. 車両に後突が発生したときに生じる乗員の背凭れ荷重のうち、胸椎部における背凭れ荷重を検出することでヘッドレストを乗員の後頭部側に向けて飛び出させるアクティブヘッドレストを組み付けたシートバックの内部構造であって、
    その骨格を成すフレームには、
    そのフレームに包着状に取り付けられるパッド部材の背面側のうち、乗員の胸椎部に対応する背面側を支持する第1のパネル部材と、乗員の腰椎部に対応する背面側を支持する第2のパネル部材とがそれぞれ張設されており、
    第1のパネル部材は、その板厚方向に形成されたリブ、その板厚、その材質、これらの単数もしくは任意の複数の組み合わせによって剛性を有するように形成されており、
    第2のパネル部材は、その表面に形成された貫通孔、同凹穴、その板厚、その材質、これらの単数もしくは任意の複数の組み合わせによって可撓性を有するように形成されており、
    受圧部材は、乗員の胸椎部における背凭れ荷重を第1のパネル部材を介して検出可能となっていることを特徴とするアクティブヘッドレストを組み付けたシートバックの内部構造。
  3. 請求項1〜2のいずれか1項に記載のアクティブヘッドレストを組み付けたシートバックの内部構造であって、
    第1のパネル部材と第2のパネル部材とは、それぞれ樹脂によって成形されていることを特徴とするアクティブヘッドレストを組み付けたシートバックの内部構造。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のアクティブヘッドレストを組み付けたシートバックの内部構造であって、
    第1のパネル部材と第2のパネル部材とは、一体的に成形されていることを特徴とするアクティブヘッドレストを組み付けたシートバックの内部構造。




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