JP2010146010A - 情報表示装置 - Google Patents

Abstract

【課題】多焦点面情報表示装置からの情報抽出を高める。
【解決手段】ユーザが見るために情報を表示する方法であって、第1の焦点面３の周囲に一次情報５を表示するステップと、少なくとも第２の焦点面２に、一次情報５に対する二次情報６を表示するステップとを含む。前記二次情報６は、視聴者に対する一次情報５の効果を増大させることができる少なくとも1つの特徴を示すものである。
【選択図】図１

Description

本発明は概して情報表示装置に関し、より詳細には、多焦点面情報表示装置、及び多焦点面情報表示装置からの情報抽出を高める方法に関する。

読書を介して得られる情報の入力速度、理解力及び／または記憶力の潜在的な改善は、多種多様な応用において、広範囲のユーザにとって明らかに有益であろう。

読書中や、コンピュータ画面、画像表示等を見ている間に主に使用される、既に認められている意識的読取メカニズムを高めるために、読者の潜存意識を利用できると考えられる。読者が利用する情報量を増大させるための現在の手段は、より多くのテキスト表出面積を提供するためにフォントサイズを縮小することに関係している。しかしながら、この技術は、人間の目が本来持つ限界を克服できない。つまり、テキストのフォントサイズを或るレベル以下に縮小すると、読み易さが大幅に低下する。

表示を過度に散乱させることなく読者が利用する情報量を増大させる別の手段として、従来の単焦点面表示装置では、メニュー、階層化、ポップアップウインドウ等が使用されてきた。

メニューやそれに類似する階層表示方法の使用により、大きな表示面を必要とすることなく、あるいは過度の表示散乱なしに、ユーザが必要な情報にアクセスできるようになる。しかし、それによって視聴者の状況認識が低下する。更に、これらの方法はユーザによる積極的な働きかけを必要とし、それが常に実用的あるいは望ましいものであるとは限らず、連続的に表示された情報と比べて、必然的に使用速度が遅くなる。

上述の問題点に焦点を当てて、多層または多焦点面表示装置が利用されてきた。それによって２つ以上の表示スクリーンが少なくとも部分的に重なり合い、２つ以上の異なる焦点面に情報を表示する。従って、視聴者はメニューにアクセスすることなく、あるいは大きな表示面をスキャンするのに頭や目を大きく動かす必要なしに、スクリーン上に表示された情報を見るために個々のスクリーンに焦点を合わせることができる。

ハリソン（Ｈａｒｒｉｓｏｎ）らによる、「透明な層状ユーザインターフェイス：焦点的および分散的注意を高めるための表示デザインの評価」、ＣＨＩ９５会議（１９９５）等の研究により、焦点的および/または分散的注意と透明ディスプレイとの関連が検討された。

焦点的注意の例は、文書に集中しているユーザを遮るコンピュータソフトウエアダイアログボックスまたは警告メッセージ、またはドロップダウンメニューにより一時的に隠れる表示スクリーンの一部を含む。

ハリソンらにより挙げられた分散的注意の例は、共同作業中の同僚を写すビデオ表示の使用を含み、その場合、関係者の注意は、その同僚と、図面または文書等進行中の作業とに分断される。

ハリソンらは、個人が２つの情報アイテムまたは「タスク」を時分割する必要がある場合（分散的注意）と、個人が他方のタスクを排除して、１つのタスクに選択的に従事する場合（焦点的注意）を考慮した。しかしながら、別の情報アイテムまたはタスクに集中している個人に対する、集中していない情報アイテムの潜在的な利点についての特定の調査は為されていない。

大きな文筆テキストを同時に表示し分析する種々の手段が、テキストアーク（商標）（ＴｅｘｔＡｒｃ(tm)）のホームページ、http://textarc.org（２００２年４月１５日）に開示されている。採用された表示技術は非常に珍しく革新的なものである。１つの実施の形態では、例えば小説の全テキストが同心の螺旋形に配置される。小説の連続した各々の行が螺旋の外側まわりに小規模に書かれ、頻繁に現れる言葉が螺旋形の弧の中に大きなフォントで表示される。その文書内の発生頻度がその言葉の強度または明るさで示される一方、外側の螺旋まわりの発生セグメント間の平均的な幾何学的位置によってその位置が決定される。従来の形態のテキストの付加的な表示が螺旋形の弧の描写の上にオーバレイされてもよく、それによって視聴者に対する前注意的可能性を高めることができる。視聴者が従来のテキストをスクロールするにつれて、頻繁に現れる言葉が、その言葉を含む螺旋内の各ポイントまで伸びる放射状のラインと共に螺旋内で照明される。

従って視聴者は、言葉の重要性の度合い、他の言葉との連係および文書内におけるその効果的な位置を見ることができる。このように、視聴者は全文書のボトムアップ構造及び内容の種々の相互関係を知ることができる。

しかしながら、組み合わされ、重なり合う表示はテキストの螺旋配置の一部を不明瞭にする。更に、１つの焦点面における豊富な視覚入力は気が散るものであるかもしれず、視聴者による前注意的取り込み（preattentive intake）を妨げるかもしれない。

更に、Ｉｓｈｉｉ（石井） Ｈ．らによる先行技術である、「シームレス共同媒体の反復デザイン」、ＡＣＭ通信（ＣＡＣＭ）、ＡＣＭ、Ｖｏｌ．３７、Ｎｏ．８、１９９４年8月、及び同じ著者によるホームページhttp://web.media.mit.edu/~ishii/TWS.html及びhttp://web.media.mit.edu/~ishii/CB.htmlに記載されている著作は、コンピュータディスプレイとホワイトボードタイプの透明ディスプレイの組合せについて論じている。石井らが取り組んだ課題は、コンピュータスクリーンインターフェイス、物理的デスクトップおよび両面透明なガラス板との利点を組み合わせた、有用なワークスペース環境を作り出している。その結果生じたシステムは表示面を提供し、その上に共同作業者の画像が現れてユーザと向き合う一方、組み合わされた表示装置上に正しい方位で、共同作業者またはユーザによって書かれたテキストまたは図面が自動的に現れる。これは共通の透明パネルの両側に書いている共働ユーザにより発生する反転問題を克服する。ワークスペースのスクリーン内の、特定のアイテムに関する共同作業者の表情とボディーランゲージニュアンスの意味が容易に明察されるかもしれない。しかしながら、やはり表示面は基本的に単焦点面であり、後述するようなユーザの前注意的奥行きに関する能力を充分に利用していない。

多層表示スクリーンの利点、特に同時係属の特許出願番号 NZ314566, NZ328074, NZ329130, PCT/NZ98/00098, およびPCT/NZ99/00021に記載された技術を利用した多層表示スクリーンの利点は、従来の単焦点面（single focal plane）ディスプレイと比べて機能が向上したことでますます広く認知され支持を受けている。

公知の多焦点面ディスプレイの基本的原則は、個々に焦点面の１つに、あるいは少なくとも部分的に透明なスクリーンに表示された画像の組合せによって見出される複合画像に、視聴者が意識的に注意を向けることである。

従って、このような複合表示によって提供される奥行きの潜在的な感覚によって、視聴経験が豊かになるかもしれないが、それは、今までの所、視聴者の読取/画像吸収速度を高める手段として、あるいは別々の焦点面上の表示を意識的に見るユーザに対する正味効果を向上させるために、１つの焦点面に表示される情報を利用する手段として利用されていない。このように向上した効果は、理解、知覚、記憶力、回想力、解釈を含む、及び／または関連情報との関係を含み得る。

人間が視覚情報を処理する方法は、それについての複雑なプロセスを理解するために、長期にわたり詳しく研究されてきた。前注意的処理（preattentive processing）という用語は、観察者が意識的に認識行為に集中していないときに、視覚情報を分析・処理する潜在意識の行為を表わす造語である。

多数の視覚要素を見る場合に、前注意的処理によって、要素の視覚特性における特定の変化内容や特性を素早く検知することができる。この行為は、各要素にそれぞれ目を通し、該特性の存在を見つけるよう被験者に要求するよりも極めて速く実行される。正確にどの特性が前注意的処理に役立つかということ自体が、重要な研究の対象となっている。効果的な前注意的処理を引き起こす密接な視覚的特性を理解するために、色、形状、立体的な視覚ヒント、方位、動き、および奥行きの全てが研究されてきた。

トリースマン [1985]などの研究者は、前注意的特徴を分類するために、目標および境界を検出する実験を実施した。前注意的な目標検出の試験は、不正解要素の背景領域における目標要素の存在有無を判断することで行われた。境界検出の試験は、独特の視覚的特徴を有する目標要素群により形成された境界が不正解要素内に存在する場合の検出を試みたものである。試験は、例えば複数の青い円形のなかに配置された赤い円形は即座に識別されるなど、容易に視覚化することができる。同様に、複数の四角形の不正解要素に1つの円形が配置された場合にも直ぐに検出することができる。前注意的能力をテストするため、表示する不正解要素の数を変更し、目標要素を認識するのに必要な検索時間が、不正解要素の数にかかわらず一定である場合には、この検索行為は前注意的であるといえる。境界検出の検索を前注意的として分類するため、同様の検索時間の制限が用いられる。

前注意的として分類するために広く使用される閾値時間は、200-250 ミリ秒で、この時間では被験者が場面を一瞥することしかできない。この時間枠では、人間が意識的に判断し、この場面の異なる部分を見るためには不十分である。先に述べたような検索実験は、おそらく200ミリ秒もかからずに実行することが可能で、従ってディスプレイ上の情報は、注意を払わずに、または前注意的に並行して処理されることを示している。

しかし、目標要素が複数の単一特徴の結合で構成される場合には（例えば複合検索など）、検索作業は、前注意的では検知できないことが研究により明らかになっている。上述の例をとると、例えば青円形と赤四角形を含めた不正解要素内に赤円形の目標要素を置いた場合は、全ての不正解要素には 目標要素の２つの単一特徴のうちのどちらかが含まれるので、前注意的に赤円形を検知することは不可能である。

上述の例が比較的簡単な視覚場面で実施される一方、エンスおよびレンシンク[1990]は、立体的な外見をもつ目標要素も前注意的に検知できることを明らかにした。従って、例えば上からの照明を示す陰影付き立方体の斜視図で表示された目標要素は、異なる方向からの照明を暗示する陰影をつけた複数の不正解要素立体形のなかでも前注意的に検知できる。このことは、比較的複雑で、高度レベルの知覚立体的な概念が潜在意識によって前注意的に処理されることもあるという重要な原則を示している。それに対して、上記立体形の構成要素の位置を変更し、明らかな立体性を取り除いた場合、被験者は、例えば反転した目標要素を前注意的には検知することができない。さらに、ブラウン等 [1992] の実験では、３次元的配向の特質自体が、前注意的に検知されることを確認している。Nakaymyama（ナカヤマ）およびシルバーマン [1986] は、動作および奥行きには前注意的な特質があり、さらに複合検索の影響を克服するために立体的奥行きを利用できることを明らかにした。このことはエンスとレンシンクの研究をさらに支持しており、高度レベルの情報が被験者の低レベルの視覚システムによって概念的に処理されると示している。奥行きの効果を試すために、不正解要素に対して異なる両眼視差での目標要素を被験者に検知してもらった。その結果、不正解要素数の増加とは関係なく一定の応答時間が得られた。

この実験後に、立体色（SC）複合テストを行い、青色の不正解要素を前面に、赤色の不正解要素を後面に置き、目標要素が赤色で前面に、または青色で後面にあるという複合実験を実施した。一方、不正解要素が前面で上に移動したり、後面で下に移動したりするなかで目標要素が前面で下に、または後面で上に移動する立体動作（SM）テストを実施した。

SCとSMのテスト結果では、両方とも応答時間は、不正解要素の数にかかわらず、250ミリ秒の閾値よりも低い一定時間であった。目標要素が、全ての不正解要素に特有な特徴を有していないので、これらは複合的なテストである。しかし、被験者は、それぞれの面を前注意的に順番に検索することが可能で、もう一方の面の不正解要素に惑わされることはないようである。

この研究はさらにメルトンおよびシャーフ[1998] による一連の実験によって支持され、検索実験として、中間規模の目標要素を大きい規模と小さい規模の不正解要素から見つけ出す内容で、目標要素が不正解要素と同じ面に配置された検索の連続性をテストするものと、および目標要素が不正解要素とは別の奥行きの面に配置された検索の前注意的特性をテストするものから構成される。

存在する全ての不正解要素の数（奥行きに関係なく）に対して、目標要素と同じ奥行きの面だけに存在する不正解要素の数との相対的な影響についても研究されている。その結果、目標要素の存在または不在から生じる大幅な応答時間の変化を含むいくつかの興味深い点が判明した。目標要素が不在での実験では、全ての被験者の応答時間は、不正解要素の数に直接対応する一方、目標要素が存在する実験ではそのような依存関係は全くみられなかった。さらに、不正解要素が複数の奥行きに分布された場合での応答時間は、単一の奥行きの面に位置する不正解要素のものよりも短時間だったことがわかった。

したがって、情報を表示する手段として複数の奥行き/焦点面を使用することは、前注意的処理をより速い反応/吸収時間で向上させることができる。

従って、読取／ビューイングプロセス全体の速度と有効性を高めるために、（特に、多焦点面ディスプレイと連合して）読者の周辺視及び意識下の知覚を利用することによって、上記欠点を克服する手段が利用でき、従来の読取プロセスと同時に付加的な情報源を消化吸収できると考えられる。

多層表示スクリーンの利点、特に同時係属中の特許出願番号 NZ314566、NZ328074、NZ329130、PCT/NZ98/00098およびPCT/NZ99/00021に記載された技術を利用した多層表示スクリーンの利点は、液晶表示（ＬＣＤ）を使用した表示と密接不離な関係にある。

コンピュータ画面に使用される液晶ディスプレイには、単純マトリクスおよびアクティブマトリクスの2種類がある。単純マトリクス液晶ディスプレイでは、単純な格子構造を利用して、ディスプレイ上の特定ピクセルに電荷を印加する。格子構造を作成するには、まず、基板というガラス板を2枚準備する。1枚の基板に導電性透明材料からなる縦導線、およびもう1枚の基板には横導線を配置する。この材料は、通常はインジウムスズ酸化物である。横導線と縦導線は、集積回路に接続され、これはどの時点で特定の縦導線または横導線に電荷をかけるかを制御する。2枚のガラス基板の間に液晶材料を挟み、偏光フィルムが各基板の外側に加えられる。

ピクセルとは、画面上またはメモリに保存された画像の最小の解像領域のことを指す。白黒画像の各ピクセルには、ピクセル自体の明るさがあり、黒色の０から白色の最大値（例えば、8ビットピクセルあたり255）まである。カラー画像においては、各ピクセルが独自の明るさおよび色を有し、通常、赤、緑、青の輝度の三つで表わされる。ピクセルをオンにするには、集積回路が１枚の基板の正しい縦導線に電荷をかけ、グランドが他方の基板の正しい横導線を駆動する。横導線と縦導線が指定ピクセルで交差し、これによって電圧がかかり、そのピクセルでの液晶のねじれが戻る。

単純マトリクスのシステムには、応答速度が著しく遅いことと、電圧を正確に制御できないという重大な欠点がある。応答速度とは、液晶ディスプレイが画像を更新して再表示する能力をいう。電圧制御が不正確であるために、一度に１ピクセルだけを処理する単純マトリクスの機能が妨害される。電圧が印加され１ピクセルのねじれが戻る場合、その周りのピクセルも部分的にねじれが戻ってしまうために、画像がぼやけてしまい、コントラストが弱くなってしまう。

アクティブマトリクス液晶ディスプレイは、薄膜トランジスタ（TFT）に依存する。薄膜トランジスタは、極小のスイッチトランジスタおよびコンデンサであり、ガラス基板上でマトリクス状に配列されている。特定ピクセルを処理するため、適切な横導線をオンに切替えた後に、正しい縦導線に電荷がかかる。この縦導線と交差している他の全ての横導線はオフになっているので、指定したピクセルのコンデンサだけが電荷を受ける。また、コンデンサは次の更新サイクルまで電荷を蓄えることもできる。液晶へ供給する電圧量を綿密に制御すると、ある程度の光だけが透過可能なようにねじれをとることができる。このように徐々に極めて正確に電圧を増やしていくことで、液晶ディスプレイは、グレースケールを作成することができる。今日のディスプレイの大半は、ピクセル当り256段階の輝度を実現する。

カラー表示可能な液晶ディスプレイは、各カラーピクセルを作成するため、赤、緑、青のカラーフィルタを有する3つのサブピクセルが必要となる。 印加電圧を綿密に制御、変更することで、各サブピクセルの輝度は256階調に及ぶことが可能である。各サブピクセルを合わせると、1,680万色の色調範囲を作成することができる（赤256階調×緑256階調×青256階調）。

液晶ディスプレイには、幾つかの種類の液晶技術があり、例えばSTN液晶、DSTN液晶、強誘電性液晶、および 表面安定化強誘電性液晶などがある。間接照明を使用してディスプレイを明るくすることが可能で、これを反射型液晶、バックライトを使用したものを透過型液晶、またはバックライトと反射型の組合せを半透過型液晶という。また、有機発光ダイオードなどの発光技術、および画像を直接網膜の裏側に投影する技術（液晶ディスプレイと同じ方法で処理する）などもある。これらの装置は、以下LCDパネルと称する。

本明細書に引用された全ての特許または特許出願を含む全ての文献は、参照により開示に含まれる。いかなる参考文献も先行技術を構成すると認めるわけではない。参考文献の論議は著者が主張する内容を示しており、出願人は引用文献の正確性および妥当性について異議を申し立てる権利を留保する。複数の先行技術公報が本明細書に引用されているが、ニュージーランドまたは他の全ての国でいかなる文献においても当該分野で周知の知識の一部を形成すると本参考文献で認めるわけではないことは明確である。

用語「comprise（備える）」は、様々な管轄区内において限定した意味または包含的な意味のどちらにもあり得ることがある。本明細書において、特に断りのない限り、用語「comprise（備える）」には、包含的な意味を持つものとする。例えば 直接言及され、列挙された構成部品だけでなく他の指定されていない構成部品または要素も含めることを意味するものとする。またこの論理は、方法またはプロセスにおける一つ以上の工程に関して、用語「comprised（備えられた）」または「comprising（備える）」が使用される場合にも適用される。

本発明の目的は、前述の問題に対処する、または少なくとも一般人に役立つ選択肢を提供することにある。

本発明のさらなる形態および利点は次の説明から明らかになるが、これはほんの一例として説明しただけである。

本発明の一態様によれば、ユーザが見るための情報を表示する方法であって、
ａ）第１焦点面に一次情報を表示するステップと、
ｂ）前記一次情報の周囲において少なくとも第２の焦点面に二次情報を表示するステップとを含み、
前記二次情報は、深さの認識に加えて、ユーザに対する一次情報の効果を増大させることができる少なくとも１つの特徴を示す
ことを特徴とする方法が提供される。

本明細書において使用する一次情報と二次情報は、英数文字（キャラクタ）、記号、プレーンテキスト、画像、動画像、一続きの映像、これらの組合せ、および情報を視覚的に表す手段とを含みうる。

一次情報と二次情報という用語は、一次情報と二次情報間の階層的関係または相対的重要度を推論または暗示するために限定されるのではない。むしろ、一次情報という用語は単にユーザが直接見て、画像を読取るあるいは見ることに関連する通常の意識的な思考プロセスによって解釈される情報を示す。

一次情報を見ているユーザに対する二次情報の効果は、以下のものを含むが、これらのものに制限されない：
＊ 一次情報に含まれる内容またはメッセージの吸収（読取及び／または理解の速度を含む）を向上させること；
＊ 埋め込まれた事実、黙示的事実、または（直接または間接的に）関連する事実、一次情報に関するリンク、ニュアンス、暗示、または関連を知覚する能力を高めること；
＊ 一次情報の理解と理解力を高めること；
＊ 一次情報の記憶力と一次情報の潜在的な記憶を向上させること；
＊ 一次情報だけを見ることによって経験できるものよりも、多くの楽しみが得られること。

ユーザに対して増大する効果は、下記により達成しうる。
＊ 一次情報と略同じ内容及び形式で、多焦点面に二次情報を表示すること；
＊ 一次情報と略同じ内容と、異なる形式及び／または視覚的外観とを持つ二次情報を多焦点面に表示すること；
＊ 一次情報と二次情報のいずれか一方を前方表示スクリーンに表示する前または後に、一次情報と二次情報の他方を後方表示スクリーンに表示すること；
＊ 速度、色、反復、視覚効果、運動、ルーミング（looming）、スクローリング、ブリンキング（blinking）、フェーディング（fading）および／またはサイズ変更を含むが、これらに制限されない一次情報と二次情報のいずれか一方または両方に対して、可変な形式（variable format）を適用すること；
＊ 一次情報と二次情報のいずれか一方または両方に対して適用される速度、色、反復、視覚効果、運動、ルーミング、スクローリング、ブリンキング、退色、サイズ変更を含むが、これらに制限されない形式を静的に使用（static use）すること；
＊ プライミング（priming）、プリフェッチ（pre-fetching）、予期、連合またはトリガーの反応（一次情報を見る視聴者によるもの）を引き出すことができる二次情報の少なくとも一部として、図形または画像を表示すること；
＊ 上記のいずれかまたは全ての組合せまたは変形。

本発明の更なる態様によれば、上記の方法により、情報を表示できる、少なくとも２つの少なくとも部分的に重なった表示面を含む多焦点面ディスプレイが提供される。

このように、先行技術の調査は、３つの注意を要する成分、つまり、２つのアイテム間に注意を分散させる個人の能力と、他のアイテムからの干渉を最小にして１つのアイテムに焦点を合わせる能力と、アイテム間で注意を移すことについての回復時間／遅れ時間を含んでいるが、これらは、注意が集中しまたは分散した活動中における、潜在意識（subconscious）下での情報吸収という、可能性のある利点／利益に焦点を当ててはいない。

本発明は、既存の技術的アプリケーションを組み込むことができ、それは、単一の焦点面ディスプレイ（single focal plane displays）での使用に現在提供されている一次情報と二次情報とを表示するものであり、この二次情報は、ユーザに対する一次情報の効果を増大させることができる少なくとも１つの特徴を欠いている。

このように、本発明の更なる態様によれば、一次情報と二次情報との一方が、第１と第２焦点面のいずれかの上における書かれた作品（written work）の全て、またはかなりの部分を同時に表示することを含む。

好ましくは、前記書かれた作品は、取り囲んだ幾何学的パターン、好ましくは同心の螺旋中に配置されたテキストアイテムで構成される。

一実施の形態では、反復するテキストアイテムは、同心の螺旋においての、テキストアイテムの発生の間における平均的な幾何学的位置において個々に表示される。

更なる実施の形態では、書かれた作品におけるテキストアイテムの発生頻度が、そのテキストアイテムの強度または明るさにおける対応する変化によって示される。

好ましくは、前記一次または二次情報の他方が、前記書かれた作品の一部の表示を含む。

視聴者が従来のテキストをスクロールするにつれて、その言葉を含む螺旋内の各ポイントへと伸びる放射状のラインと共に、高い発生頻度の言葉が螺旋内で明るくされる（illuminated）。

本発明の更なる実施の形態は以下の説明から明らかになるが、これは添付図面を参照してほんの一例として説明しただけである。
図１は本発明の好適な実施の形態に従って動作するデュアルスクリーンディスプレイの簡略化された透視図である。

図１は、本発明の好適な実施の形態に従って動作する多焦点面ディスプレイを示す。概して参照符号（１）で示すディスプレイは、前景スクリーン（３）と平行に方位付けられており、前景スクリーン（３）から間隔を置いて配置された背景スクリーン（２）を基本的に備えている。図１に示した好適な実施の形態では、両スクリーン（２、３）は透明な液晶表示ＬＣＤパネルであるが、本発明は必ずしもこれに限定されない。バックライト（４）が後方スクリーン（２）の背後に配置されて、ディスプレイ（１）全体が照らされる。

表示スクリーン（２、３）は、各々一次情報（５）または二次情報（６）のいずれかを表示することができる。図１は前方スクリーン（３）に表示された一次情報（５）と、後方スクリーン（２）に表示された二次情報（６）とを示している。逆の状況、つまり、後方スクリーン（２）に表示された一次情報（５）、及びその逆も可能であることが判る。一次情報（５）および二次情報（６）は共に、テキスト、記号、英数文字または動画像等で構成されてよい。しかしながら二次情報（６）の内容は、前方スクリーン（３）上の一次情報（５）を見ているユーザが、二次情報（６）の高められたまたは増大された品質による有益な効果を享受するような内容である。この高められた品質は様々な形式を取ることができ、これらは一次情報（５）についての向上した読取り及び／または理解速度を含むが、それらに制限されない。一例として、前方スクリーン（３）上に従来のテキストで書かれた地理的な位置を説明する情報の一節である。ユーザによって読まれる形態の一次情報（５）は、その情報が視聴者の意識的な読取り行為の焦点であり、直接的な関心を独占していることにおいて、一次情報（５）の定義内に入る。一次情報（５）の内容の表現は、二次情報（６）として後方スクリーン（２）上に写真形式で同時に示されてもよい。この例示的なシナリオが図１に図示されており、それによって、一次情報（５）は、特定の山から昇る日の出を描写するテキストの一節となっており、二次情報は、実際の山と来光の視覚的表現を提供している。前方スクリーン（３）上の一次情報の位置の背後にある、第２焦点面にある後方スクリーン（２）の位置は、一次情報（５）を見ているユーザに対する二次情報の内容についての、重要ではない、潜在意識のみを生じさせる。

従ってユーザは、実際の物理的形状と、読取り経験を高める前方スクリーン（３）上の本文の描写に記載された特徴に対する周囲の状況について、より大きな感覚を経験する。

ユーザの読取り速度を高める別の技術は、前方スクリーン（３）上の一次情報（５）としてテキストの特定部分を表示する一方、二次情報（６）として後方スクリーン（２）上に読むべきテキストの次のセクションを表示することである。このように、二次情報（６）はユーザによって読まれようとしているテキストを先取りし、ユーザの潜在意識を予めいっそう受容的にし、内容に気づかせるようにする。この付加的なテキストの意識下の吸収によって、頭脳によりアクセス可能な情報量が増大され、全メッセージの読取り速度と理解力を究極的に高めると考えられる。

一次情報（５）と同時に二次情報（６）を表示する代わりに、一次情報（５）を表示するわずかに前または後に、一次情報（５）を読むユーザに対する効果を予備調整または強化する二次情報（６）を各々示してもよい。一次情報及び二次情報（５、６）の内容、各々の表示（２、３）の焦点面の位置及び方位、ならびに一次情報及び二次情報（５、６）を表示する方法に関して、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、多くの変形及び置換が可能であることは自明であろう。

同様に、（いかような形態で表示されていても）一次情報（５）を見る効果が、一次情報（５）とは異なる1つ以上の焦点面に表示された二次情報（６）の付随的な吸収（peripheral assimilation）によって増大される限り、本発明は正確に２つの液晶ディスプレイに表示された情報によって必ずしも構成されなくともよいことが明らかであろう。

例としてのみ本発明の態様を説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく修正及び追加を為し得ることが理解されるべきである。

Claims (16)

1. スクロール可能な書かれた作品であって、テキストにおける第１の部分とテキストにおける第２の部分とを備えたものを表示する方法であって、前記方法は以下を含む：
   −第１の焦点面上に一次情報を表示すること；
   −前記一次情報の周囲において、少なくとも第２の焦点面上に二次情報を同時に表示すること；そして
   −ここにおいて、前記第１及び第２の焦点面は、少なくとも部分的に重畳しており、そして、ここにおいて、前記一次情報は、テキストにおける前記第１の部分であり、前記二次情報は、テキストにおける前記第２の部分である。
2. 請求項１に記載の方法であって、さらに以下のステップを備える：
   −その後に、前記二次情報を前記第１の焦点面上に表示すること。
3. 請求項１又は請求項２に記載の方法であって、さらに以下のステップを備える：
   −前記第１の焦点面上における前記二次情報についての前記表示と同時に、前記二次情報の周囲において、前記一次情報を前記第２の焦点面上に表示すること。
4. 請求項１〜３のいずれかに記載の方法であって、ここにおいては、テキストにおける前記第１及び第２の部分は連続的である。
5. 請求項１〜４のいずれかに記載の方法であって、ここにおいては、前記書かれた作品は、取り囲んだ幾何学的パターンの中で配置されている。
6. 請求項５に記載の方法であって、ここでは、反復するテキストアイテムが、前記幾何学的パターンについての、前記テキストアイテムの発生の間における平均的な幾何学的位置において、個々に表示される。
7. 請求項１〜６のいずれかに記載の方法であって、ここにおいては、見る者が前記書かれた作品を読むと、前記部分に存在し、かつ、書かれた作品全体において一度以上存在するテキストアイテムが、明るく表示される。
8. 請求項７に記載の方法であって、ここにおいては、前記書かれた作品中における前記テキストアイテムの発生頻度が、前記テキストアイテムについての照度又は輝度の変化に対応して示される。
9. ユーザによる視認のために多焦点面上で情報を表示する方法であって、前記多焦点面ディスプレイは、複数のピクセルをそれぞれ含んだ前方及び後方の表示スクリーンを含んでおり、前記前方表示スクリーンは、前記後方スクリーンに重畳しており、そして、前記後方表示スクリーンは、前記前方表示スクリーンの少なくとも一部を通して視認可能であり、前記方法は以下を含む：
   前記前方又は後方表示スクリーン上に一次情報を表示すること、そして
   前記前方又は後方表示スクリーンの他方の上に二次情報を表示すること、ここで、前記二次情報は、前記一次情報の周囲に表示されており、
   前記一次情報は、前記二次情報についての情報を提供し、あるいはそれを記述する、読むことができる情報を含んでおり、そしてここでは、前記読むことができる情報は、第１及び第２の部分を含んでおり、前記第１及び第２の部分は、それぞれ、前記二次情報における第１及び第２の部分についての情報を提供し、又はそれについて記述する。
10. ユーザによる視認のために、多焦点面ディスプレイ上において情報を表示する方法であって、前記多焦点面ディスプレイは、それぞれ複数のピクセルを備えた前方及び後方の表示スクリーンを含んでおり、前記前方表示スクリーンは、前記後方表示スクリーンに重畳しており、前記後方表示スクリーンは、前記前方表示スクリーンの少なくとも一部を通して視認可能であり、さらに、前記方法は以下を含む：
    前記前方又は後方表示スクリーン上において一次情報を表示すること、そして
    前記前方又は後方表示スクリーンの他方の上において二次情報を表示すること、ここで、前記二次情報は、前記一次情報の周辺において表示されており、
    ここにおいて、前記一次情報は、テキストの一節からのテキストにおける第１の部分を含んでおり、ここにおいて、前記テキストにおける一節は、少なくとも一つの文を含んでおり、さらに、ここにおいて、前記二次情報は、前記テキストの一節からのテキストにおける第２の部分を含んでいる。
11. 請求項１０の方法であって、ここにおいて、テキストにおける前記第１及び第２の部分は連続しているものである。
12. 請求項１０又は請求項１１の方法であって、ここにおいて、テキストにおける前記第１の部分は、前記二次情報とは異なる視覚的な外観において表示される。
13. ユーザによって視認される多焦点面ディスプレイ上に情報を表示する方法であって、前記多焦点面ディスプレイは、複数のピクセルをそれぞれ備えた前方及び後方表示スクリーンを含んでおり、前記前方表示スクリーンは、前記後方表示スクリーンに重畳しており、そして、前記後方表示スクリーンは、前記前方表示スクリーンの少なくとも一部を通して視認可能であり、前記方法は以下を含む：
    前記前方又は後方表示スクリーン上に一次情報を表示すること、そして
    前記前方又は後方表示スクリーンの内の他方の上において二次情報を表示すること、ここで前記二次情報は、前記一次情報の周囲に表示されるものであり、
    ここでは、前記二次情報は、前記一次情報と同じものであり、かつ、前記一次情報とは異なる外観で表示されるようにされている。
14. 請求項１２又は請求項１３の方法であって、ここでは、前記視覚的外観における相違は、色、反復、視覚効果、動き、ルーミング、スクローリング、ブリンキング、フェーディング及び／又はサイズ変更における相違からなる群から選ばれた可変な形式における相違である。
15. 請求項１２又は請求項１３の方法であって、ここでは、前記視覚的外観における相違は、一次及び／又は二次情報のいずれか又は両方に適用される色、反復、視覚効果、動き、ルーミング、スクローリング、ブリンキング、フェーディング及びサイズ変更からなる群から選ばれた静的な形式における相違である。
16. ユーザが見るための情報を表示する方法であって、以下を含む：
    第１の焦点面上に一次情報を表示すること、そして
    前記一次情報の周囲において、少なくとも第２の焦点面上に二次情報を同時に表示すること、
    ここにおいて、前記一次及び二次情報のうちの一方は、テキストを含んでおり、前記一次及び二次情報のうちの他方はテキスト及び／又は画像を含んでおり、ここにおいて、前記一次情報は、少なくとも部分的に、前記二次情報に重畳しており、そしてここでは、前記一次情報は、前記二次情報に関係している。

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