JP2010017100A - 両軸受リールのドラグ機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ドラグ機構6は、両摩擦ディスク21と、カバー部材26と、制動ディスク22と、ドラグ調整機構と、を備えている。摩擦ディスクは、スプール4の第1フランジ部9bの収納空間に配置され、外周面に係合凹部21aを有する。カバー部材26は、収納空間の内周面に嵌合する円筒部26a、円筒部の先端面に設けられ係合凹部に係合する係合突起26e及び第1フランジ部の端面に密着可能に設けられた突出部を有し、第1フランジ部に固定され収納空間を外方から覆う。制動ディスクは、収納空間に摩擦ディスクと対向して配置され、糸繰り出し方向に回転不能である。カム機構は、摩擦ディスクをスプールとともに制動ディスクに対してスプール軸方向に相対移動させ摩擦ディスクと制動ディスクとを圧接させる。
【選択図】図6
Description
株式会社シマノ発行 TLD2スピードパーツリスト 発行日 平成20年4月9日(特に、部品番号171,238,246)
リール本体1は、たとえばアルミニウム合金等の金属製の部材である。リール本体1は、フレーム10と、フレーム10の両側方を覆う第1及び第2側板13a,13bとを有している。なおこの実施形態では、第2側板13bは、フレーム10と一体形成されているが、別体でフレームに固定される構成でもよい。フレーム10は、ハンドル3側の第1筒部11aと、第1筒部11aとスプール軸方向に間隔を隔てて配置され第1筒部11aより小径の第2筒部11bと、両筒部11a,11bを前後及び下部で連結する複数の連結部12a〜12cと、を有している。たとえば第1筒部11aの外径は、第2筒部11bの外径の110%以上140%以下の範囲であり、この実施形態では第2筒部11bの径の110%〜120%となっている。複数の連結部12a〜12cは、第1及び第2筒部11a,11bと一体成形されており、下側の連結部12cは、図1及び図3に示すように、リールを釣り竿RDに装着するための前後に長い金属製の竿装着脚部8aが固定されている。竿装着脚部8aには、釣り竿RDを挟むロッドクランプ8bが対向して配置されている。
膨出部15のドラグ調整レバー2の下方には、ハンドル3装着用の突出筒16が外方に突出して形成されている。突出筒16の内部には、図3及び図5に示すように、スプール4の回転軸であるスプール軸5に平行に筒状のハンドル軸31が配置されている。ハンドル軸31は、突出筒16の両端に配置された2つの軸受32、33により突出筒16に回転自在に支持されており、一方(図5左方)の軸端は軸受32より軸方向内側に突出して配置されている。ハンドル軸31の軸受32側の突出部分には、メインギア60が回転自在に装着されている。
スプール軸5は、図3に示すように、リール本体1に軸方向移動可能かつ相対回転不能に支持された軸部材である。スプール軸5の図3左端は、第2側板13bの中心部に内向きに突出して形成されたボス部13cに軸方向移動自在かつ回転不能に支持されている。スプール軸5の左端側には、スプール軸5を回り止めするための回り止めピン5aがスプール軸5を貫通して配置されている。回り止めピン5aは、ボス部13cに形成された回り止め溝13dに係合している。
軸受32、33の間には、図5に示すように、ローラ型の第1ワンウェイクラッチ62が配置されている。第1ワンウェイクラッチ62は、ハンドル軸31の糸巻き取り方向の正転だけを許容し糸繰り出し方向の逆転を禁止する。また、スプール軸5の外周側には、爪式の第2ワンウェイクラッチ64が配置されている。第2ワンウェイクラッチ64はピニオンギア61を介してハンドル軸31の逆転を禁止するものである。
スプール4は、図7に示すように、スプール本体9と、スプール本体9に固定された釣り糸係止ピン23と、を有している。スプール本体9は、スプール軸5の外周面と内周面が隙間をあけて配置され外周面に釣り糸を巻付可能な円筒状の糸巻胴部9aと、糸巻胴部9aの両側に形成され糸巻胴部9aより大径の第1フランジ部9b及び第2フランジ部9cとを有している。また、スプール本体9は、糸巻胴部9aの外周面に形成された座繰り部9fと、座繰り部9fに形成されたピン固定部9hと、を有している。
ドラグ調整機構7は、図3から図5に示すように、スプール軸5に装着されたスプール4の糸繰り出し方向への回転に加えられるドラグ力を変更、調整するためのものであり、ドラグ機構6を移動させる移動機構として機能する。なお、図3及び図5では、スプール軸5の軸芯Xの下側が最大ドラグ時のスプール軸5の軸方向位置を示し、上側がドラグ解除時の軸方向位置を示している。
ドラグ調整レバー2は、図2の時計回りに回動させるとドラグ力が強くなり、反時計回りに回動させるとドラグ力が弱くなる。又、実線で示す位置より僅かに時計回りに回動した位置がストライクポジションであり、2点鎖線で示す位置がドラグ解除位置であり、破線で示す位置が最大ドラグ位置である。ここで、ストライクポジションは、魚のヒットによる突然の強い引き込みにも釣り糸が切断せず、しかも魚の口に釣り針をしっかり刺すことのできるドラグ力に調整可能な位置であり、一般には釣り糸の切断強度の1/3程度の値である
ドラグ調整レバー2は、第1側板13aのボス部34の大径突出部34a及び小径突出部34bの外周面に回動自在に装着されている。ドラグ調整レバー2は、例えば、アルミニウム合金製のレバー本体47と、レバー本体47に圧入された、例えば亜鉛合金製のインサート部材48と、を有している。レバー本体47は、ボス部34の周囲に配置された筒状の基端部分47aと、基端部分47aから径方向外方に延びるレバー部分47bと、を有している。基端部分47aの内周面には、レバー部分47bとの境界部分におい斜めに切りかかれた切り欠き部47cが形成されており、そこにレバー発音機構45が装着されている。基端部分47aの内周面には、インサート部材48が圧入により固定されている。
レバー発音機構45は、ドラグ調整レバー2の回動操作により発音するとともに、ドラグ調整レバー2を位置決めするものである。レバー発音機構45は、図4及び図5に示すように、ボス部34の大径突出部34aの外周面に装着された筒状の発音部材70と、発音部材70への衝突を繰り返す打撃部71と、を備えている。
カム機構43は、カム面49を有するカム部材50と、ドラグ調整レバー2の調整範囲を設定するためのドラグ調整つまみ51と、カム面49に接触可能に設けられドラグ調整レバー2の図2時計回りの回動によりカム部材50を第1軸方向(図5右方)に移動させるカム受け部52と、ドラグ調整レバー2の図2反時計回りの回動によりカム部材50をドラグ調整つまみ51を介してカム受け部52に接触する第2軸方向に移動させる付勢部としてのコイルばねからなる第1付勢部材53と、を備えている。また、ドラグ調整機構7は、スプール4はスプール軸5に対して離反する方向(図3右方)に付勢する例えば4枚の皿ばねからなる第2付勢部材54を有している。
カム部材50は、例えばステンレス合金製の筒状の部材であり、図8及び図9に示すように、外筒部50aと内筒部50bと、外筒部50aと内筒部50bを連結する円板部50cと、を有している。外筒部50aの先端にカム面49が形成されている。また、外筒部50aの外周面には、Oリング56が装着される環状溝50dが形成されている。内筒部50bの内周面には、ガイド部材17の六角形のガイド部17aに係合する六角孔50eが形成されている。さらに、円板部50cの外側面には、後述するつまみ発音機構55を構成する音出し凹部50fが形成されている。
ドラグ調整つまみ51は、図4及び図5に示すように、スプール軸5の先端に形成された雄ねじ部5cに螺合する部材である。ドラグ調整つまみ51は、ねじ込み量を調整することで、ストライクポジションでのドラグ力及びドラグ力の調整範囲を調整できる。ドラグ調整つまみ51には、操作時に発音するつまみ発音機構55が設けられている。つまみ発音機構55は、前述したカム部材50に形成された音出し凹部50fと、ドラグ調整つまみ51にスプール軸5に沿って形成された収納穴51aに音出し凹部50fに向けて進退自在に装着された音出しピン55aと、音出しピン55aを音出し凹部50fに向けて付勢するばね部材55bと、を有している。
ドラグ機構6は、スプール4とスプール軸5方向に相対移動してスプール4の糸繰り出し方向の回転を制動するものである。ドラグ機構6は、図5及び図6に示すように、スプール4の第1フランジ部9b側に形成された円形の収納空間36に収納されている。ドラグ機構6は、スプール本体9と一体回転可能な摩擦ディスク21と、摩擦ディスク21と対向して配置された制動ディスク22と、収納空間36をスプール軸方向外方から覆うカバー部材26と、を有している。
スプール発音機構18は、図8及び図11に示すように、スプール本体9の第2フランジ部9cの外側面に固定された発音部材75と、第2側板13bに発音部材75に接触する発音位置と離反する無音位置とに進退自在に装着された打撃部材76と、打撃部材76を移動させるかつまみ部材77と、打撃部材76を中立位置に付勢する付勢部材78と、を備えている。
このように構成された両軸受リールにおいて、ドラグ機構6のドラグ力の調整範囲を設定する場合には、ドラグ調整つまみ51を使用する。ドラグ調整つまみ51を反時計回りに回動させると、図5下側の軸方向左側に少しだけ移動しドラグ力の調整範囲が僅かに弱くなる方向にシフトする。また、ドラグ調整つまみ51を時計回りに回動させると図5下側の軸方向右側に少しだけ移動しドラグ力の調整範囲が僅かに強くなる方向にシフトする。具体的には、釣り糸の先に所定の質量の重りを結び、ストライクポジションにドラグ調整レバー2を操作した状態でそれを引っ張ったときに、ドラグが作動するようにドラグ調整範囲を調整する。
(a)前記実施形態では、係合凹部21a及び係合突起26eを4つ設けたが、これらは少なくとも一つあればよい。
4 スプール
5 スプール軸
6 ドラグ機構
7 ドラグ調整機構(移動機構の一例)
9a 第1フランジ部(フランジ部の一例)
21 摩擦ディスク
21a 係合凹部
22 制動ディスク
26 カバー部材
26a 円筒部
26d 外周面
26e 係合突起
26f 突出部
36 収納空間
Claims (4)
- 両軸受リールのリール本体に装着されたスプールとスプール軸方向に相対移動して前記スプールを制動する両軸受リールのドラグ機構であって、
前記スプールのフランジ部に形成された円筒状の収納空間に配置され、外周面に内周側に凹んだ少なくとも一つの係合凹部を有する摩擦ディスクと、
前記収納空間の内周面に嵌合する外周面を有する円筒部、前記円筒部の先端面に設けられ前記係合凹部に係合する少なくとも一つの係合突起、及び前記円筒部の外周面から円形に突出し前記フランジ部の端面に密着可能に設けられた突出部を有し、前記フランジ部に固定されて前記収納空間を軸方向外方から覆うカバー部材と、
前記収納空間に前記摩擦ディスクと対向して配置され、糸繰り出し方向に回転不能な制動ディスクと、
前記摩擦ディスクを前記スプールとともに前記制動ディスクに対して前記スプール軸方向に相対移動させ前記摩擦ディスクと前記制動ディスクとを圧接させる移動機構と、
を備えた両軸受リールのドラグ機構。 - 前記係合突起は、前記円筒部の先端に円弧状に周方向に間隔を隔てて前記フランジ部に向けて突出して形成されている、請求項1に記載の両軸受リールのドラグ機構。
- 前記円筒部は、前記カバー部材が前記フランジ部に固定されたとき前記先端が前記摩擦ディスクの側面に接近可能な前記スプール軸方向長さを有する、請求項2に記載の両軸受リールのドラグ機構。
- 前記係合突起は、前記フランジ部の外側面との間に隙間が形成されるような前記スプール軸方向の長さを有している、請求項3に記載の両軸受リールのドラグ機構。
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