JP2010007407A - 折板屋根の屋上緑化用トレイ取付構造 - Google Patents

Abstract

【課題】山部の間隔が異なる折板屋根にも容易に設置可能な折板屋根の屋上緑化用トレイ取付構造を提供する。
【解決手段】山部Ｙ１及び谷部Ｙ２を連続形成した折板屋根Ｙの上面に、取付用台座を介して屋上緑化用トレイ１を取付けてなる折板屋根の屋上緑化用トレイ取付構造において、前記屋上緑化用トレイ１は、方形状に形成したトレイ本体１１の対向する両側縁部に、内側に凹んだボルト嵌挿用切欠部３を前記山部Ｙ１の位置に対応させて複数形成すると共に、前記山部Ｙ１に固定可能な固定部から鉛直方向にボルト部２２を立設した取付用台座を前記山部Ｙ１の所望の位置に固定したうえで、前記屋上緑化用トレイ１を山部Ｙ１に跨って架設すると共に、立設された前記ボルト部２２の両方から前記屋上緑化用トレイ１のボルト嵌挿用切欠部３を外嵌して隣接させ、前記ボルト部２２の上方からナット等の固定具４で隣設した２つの屋上緑化用トレイ１、１を連結固定してなる。
【選択図】図１

Description

本発明は、山部及び谷部を連続形成した折板屋根の上面に、取付用台座を介して屋上緑化用トレイを取付けてなる折板屋根の屋上緑化用トレイ取付構造に関する。

近年、ヒートアイランド対策を肇とする都市環境の改善のために、建築物の屋上に植栽を行なう屋上緑化技術が提案されているが、その中でも最近では、山部及び谷部を連続形成した折板屋根の上面に、取付用台座を介して屋上緑化用トレイを取付けてなる折板屋根の屋上緑化用トレイ取付構造が提案されている（例えば、特許文献１参照。）。

具体的には、従来の折板屋根の屋上緑化用トレイ取付構造は、金属折板屋根の互いに隣合う山部に、該山部の間隔と略同寸法の横幅を持つ方形状の屋上緑化用トレイを架設すると共に、この架設した屋上緑化用トレイの四隅をボルト、ナット等の固定金具で押さえ付けて固定してなる。

そして、このように固定した屋上緑化用トレイ上に、苗場等で育成したセダム類などを植え付けることによって、施工を簡易にできる点で優れている。
特開２００５−１０５５３６号

しかし、従来の折板屋根の屋上緑化用トレイ取付構造には、以下の問題があった。

すなわち、前記屋上緑化用トレイは、一般に建築後の金属折板屋根上に後から設置するものであるため、前記屋上緑化用トレイの四隅をボルト、ナット等の固定金具で押さえ付ける従来の折板屋根の屋上緑化用トレイ取付構造では、前記屋上緑化用トレイの四隅の全てが、前記金属折板屋根の山部の位置に対応するように前記屋上緑化用トレイの大きさや形状等を形成しなければならず、例えば、前記山部の間隔が異なる他種の金属折板屋根には、その寸法に合った前記屋上緑化用トレイを使用しなければならず、同じ寸法のトレイは設置できないという問題があった。

本発明は、かかる課題を解決することを目的とし、山部の間隔が異なる折板屋根にも屋上緑化用トレイを容易に設置可能な折板屋根の屋上緑化用トレイ取付構造を提供する。

前記目的を達成するため、
請求項１に係る折板屋根の屋上緑化用トレイ取付構造は、山部及び谷部を連続形成した折板屋根の上面に、取付用台座を介して屋上緑化用トレイを取付けてなる折板屋根の屋上緑化用トレイ取付構造において、前記屋上緑化用トレイは、方形状に形成したトレイ本体の対向する両側縁部に、内側に凹んだボルト嵌挿用切欠部を前記山部の位置に対応させて長手方向に亘って複数形成すると共に、前記取付用台座は、前記折板屋根の山部に固定可能な固定部から鉛直方向にボルト部を立設してなり、前記取付用台座の固定部を前記山部の所望の位置に固定したうえで、前記屋上緑化用トレイを隣り合う折板屋根の山部に跨って架設すると共に、立設された前記ボルト部の一方から前記屋上緑化用トレイのボルト嵌挿用切欠部を外嵌し、更に、前記同様にして立設された前記ボルト部の他方から隣り合う屋上緑化用トレイのボルト嵌挿用切欠部を外嵌して、これら２つの屋上緑化用トレイを隣設させ、前記ボルト部の上方からナット等の固定具を螺着し、隣設した２つの屋上緑化用トレイを連結させて固定するようにしたことを特徴とする。

請求項２に係る折板屋根の屋上緑化用トレイ取付構造は、請求項１において、固定具は、２つの屋上緑化用トレイに跨って架設可能な押さえ板をボルト部に挿通したうえで、前記ボルト部の上方からナット等を螺着している。

本発明によれば、次のような効果がある。

請求項１に係る折板屋根の屋上緑化用トレイ取付構造によれば、前記山部に架設された取付用台座のボルト部に向けて、複数形成したボルト嵌挿用切欠部の中から前記ボルト部に対応する何れか１つのボルト嵌挿用切欠部を選択して外嵌し、更に、前記同様にして隣り合う屋上緑化用トレイのボルト嵌挿用切欠部を外嵌して、これら２つの屋上緑化用トレイを隣設させ、前記ボルト部の上方からナット等の固定具を螺着し、隣設した２つの屋上緑化用トレイを連結させて固定する構造であるため、例えば、山部の間隔が異なる他種の金属折板屋根であっても、取付用台座を架設したうえで、複数形成したボルト嵌挿用切欠部の中から前記ボルト部に対応する何れか１つのボルト嵌挿用切欠部を選択するだけで前記屋上緑化用トレイを容易に設置することができる。

請求項２に係る折板屋根の屋上緑化用トレイ取付構造によれば、固定具は、２つの屋上緑化用トレイに跨って架設可能な押さえ板をボルト部に挿通したうえで、前記ボルト部の上方からナット等を螺着する構造にしているので、隣設した２つの屋上緑化用トレイが多少離れていても確実に連結して固定することができる。

以下、本発明に係る折板屋根の屋上緑化用トレイ取付構造Ａを図面とともに説明する。

図１は、本発明に係る折板屋根の屋上緑化用トレイ取付構造Ａの一実施例を示した斜視図であり、図２（ａ）〜（ｃ）は、図１の要部の取付状態を示す拡大断面図である。

この折板屋根の屋上緑化用トレイ取付構造Ａは、山部Ｙ１及び谷部Ｙ２を連続形成した折板屋根Ｙの上面に、取付用台座２を介して屋上緑化用トレイ１を取付けるものである。

屋上緑化用トレイ１は、平面視を略長方形状に形成したトレイ本体１１の対向する両長辺側縁部に、内側に凹んだボルト嵌挿用切欠部３を山部Ｙ１の位置に対応させて長手方向に亘って複数形成してなる。

具体的には、ボルト嵌挿用切欠部３は、複数の種類の山部Ｙ１の間隔に対応するように、トレイ本体１１の両長辺側縁部に、複数の種類の各々の山部Ｙ１間隔に合わせたボルト嵌挿用切欠部３を組み合わせて形成してなる。

取付用台座２は、折板屋根Ｙの山部Ｙ１に固定可能な固定部２１から鉛直方向にボルト部２２を立設してなる。

本実施例では、図２に示すように、折板屋根Ｙの山部Ｙ１の頂面に突出された連結部Ｙ１に断面略コ状に形成した金属製の固定部２１を外装すると共に、この固定部２１の両側から固定用ボルト２３を各々捩じ込んで、該固定用ボルト２３の先端を固定部２１に圧着して固定部２１を山部Ｙ１に固定するものを例示している。

但し、固定部２１は、山部Ｙ１の構造や形状に応じて様々なものが採用され、例えば、固定部２１を山部Ｙ１の頂面に溶接、貼着等によって固定しても良く、要は、ボルト部２２を山部Ｙ１の所望の位置に立設可能なものであれば採用できる。

このように形成した屋上緑化用トレイ１は、以下の要領で取付けされる。

先ず、取付用台座２の固定部２１を山部Ｙ１の所望の位置に固定する〔図２（ａ）参照。〕。

次に、屋上緑化用トレイ１を隣り合う折板屋根Ｙの山部Ｙ１に跨って架設すると共に、固定部２１に立設されたボルト部２２の一方から屋上緑化用トレイ１のボルト嵌挿用切欠部３を外嵌する〔図２（ｂ）参照。〕。

同様にして、立設されたボルト部２２の他方から隣り合う別の屋上緑化用トレイ１のボルト嵌挿用切欠部３を外嵌して、これら２つの屋上緑化用トレイ１、１を隣設する。

そして、ボルト部２２の上方からナット等の固定具４を螺着し、隣設した２つの屋上緑化用トレイ１、１を連結させて固定することで、折板屋根Ｙ上に屋上緑化用トレイ１、１を設置するのである〔図２（ｃ）参照。〕。

又、固定具４は、隣設した２つの屋上緑化用トレイ１、１を確実に連結して固定できるものであれば採用でき、例えば、本実施例で示すように、２つの屋上緑化用トレイ１、１に跨って架設可能な押さえ板４１をボルト部２２に挿通したうえで、ボルト部２２の上方からナット等を螺着する構造であっても良く、このような押さえ板４１を設けることで、隣設した２つの屋上緑化用トレイ１、１が多少離れていても確実に連結して固定することができる。

又、押さえ板４１の両端に下方に向けて突設した爪部４２を形成すれば、この爪部４２が後述する苗場等で育成したセダム類などに食い込んで係止するため、隣設した２つの屋上緑化用トレイ１、１を連結して固定することができる。

なお、設置された屋上緑化用トレイ１上には、従来と同じく苗場等で育成したセダム類などを植え付けることによって、屋上緑化を簡易に施工できる。

以上の通り、本発明の折板屋根Ｙの屋上緑化用トレイ取付構造Ａによれば、山部Ｙ１に架設された取付用台座２のボルト部２２に向けて、複数形成したボルト嵌挿用切欠部３の中からボルト部２２に対応する何れか１つのボルト嵌挿用切欠部３を選択して外嵌し、更に、前記同様にして隣り合う屋上緑化用トレイ１のボルト嵌挿用切欠部３を外嵌して、これら２つの屋上緑化用トレイ１、１を隣設させ、ボルト部２２の上方からナット等の固定具４を螺着し、隣設した２つの屋上緑化用トレイ１、１を連結させて固定する構造であるため、例えば、山部Ｙ１の間隔が異なる他種の折板屋根Ｙであっても、複数形成したボルト嵌挿用切欠部３の中からボルト部２２に対応する何れか１つのボルト嵌挿用切欠部３を選択するだけで折板屋根Ｙ上に屋上緑化用トレイ１を容易に設置できるのである。

本発明に係る折板屋根の屋上緑化用トレイ取付構造の一実施例を示した斜視図である。 （ａ）〜（ｃ）は、図１の要部の取付状態を示す拡大断面図である。

符号の説明

Ａ 折板屋根の屋上緑化用トレイ取付構造
Ｙ 折板屋根
Ｙ１ 山部
Ｙ２ 谷部
１ 屋上緑化用トレイ
１１ トレイ本体
２ 取付用台座
２１ 固定部
２２ ボルト部
３ ボルト嵌挿用切欠部
４ 固定具
４１ 押さえ板

Claims (2)

1. 山部及び谷部を連続形成した折板屋根の上面に、取付用台座を介して屋上緑化用トレイを取付けてなる折板屋根の屋上緑化用トレイ取付構造において、
   前記屋上緑化用トレイは、方形状に形成したトレイ本体の対向する両側縁部に、内側に凹んだボルト嵌挿用切欠部を前記山部の位置に対応させて長手方向に亘って複数形成すると共に、
   前記取付用台座は、前記折板屋根の山部に固定可能な固定部から鉛直方向にボルト部を立設してなり、
   前記取付用台座の固定部を前記山部の所望の位置に固定したうえで、前記屋上緑化用トレイを隣り合う折板屋根の山部に跨って架設すると共に、立設された前記ボルト部の一方から前記屋上緑化用トレイのボルト嵌挿用切欠部を外嵌し、更に、前記同様にして立設された前記ボルト部の他方から隣り合う屋上緑化用トレイのボルト嵌挿用切欠部を外嵌して、これら２つの屋上緑化用トレイを隣設させ、前記ボルト部の上方からナット等の固定具を螺着し、隣設した２つの屋上緑化用トレイを連結させて固定するようにしたことを特徴とする折板屋根の屋上緑化用トレイ取付構造。
2. 請求項１において、
   固定具は、２つの屋上緑化用トレイに跨って架設可能な押さえ板をボルト部に挿通したうえで、前記ボルト部の上方からナット等を螺着している折板屋根の屋上緑化用トレイ取付構造。

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