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JP2010089386A - シート - Google Patents

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JP2010089386A
JP2010089386A JP2008262061A JP2008262061A JP2010089386A JP 2010089386 A JP2010089386 A JP 2010089386A JP 2008262061 A JP2008262061 A JP 2008262061A JP 2008262061 A JP2008262061 A JP 2008262061A JP 2010089386 A JP2010089386 A JP 2010089386A
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JP2008262061A
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Yasuo Kouchida
靖夫 河内田
Toshihiro Sueyoshi
敏宏 末吉
Shuichi Nasu
秀一 那須
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TOKYO LITHMATIC CORP
Original Assignee
TOKYO LITHMATIC CORP
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Abstract

【課題】擦りガラス調の風合いを有し、かつ、多彩な模様を有するシートを提供すること。
【解決手段】シート1は、透明なシート基材2と、このシート基材2の上面(一方の面)21の少なくとも一部の領域Xに、液滴吐出法を用いて形成された複数の凸部3とを有する。このシート1では、複数の凸部3の存在により、領域Xにおけるシート1の光の透過率が、シート基材2自体の光の透過率より低くなっている。また、領域Xにおいて、光の透過率が面方向に沿って連続的に変化していることが好ましい。また、光の透過率の変化は、領域Xにおける、凸部3の配設密度の違いによることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、シート、特に、擦りガラス調の風合いを有するシートに関するものである。
従来、店舗のウィンドウガラスの目隠しや装飾等を目的として、このウィンドウガラスに擦りガラス調のシートを貼着することが行われている。
かかるシートは、一般に、シート基材の表面にエンボス加工等を施すことにより作成されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような加工方法によれば、単純な模様を形成し得るのみであり、複雑な模様を形成すること、例えば、グラデーションを有する模様等を形成することが困難であるという問題がある。
このため、擦りガラス調の風合いを有し、かつ、多彩な模様を有するシートの開発が要望されている。
特開2005−89640号公報(段落番号0007)
本発明の目的は、擦りガラス調の風合いを有し、かつ、多彩な模様を有するシートを提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(11)の本発明により達成される。
(1) 透明なシート基材と、
該シート基材の一方の面の少なくとも一部の領域に、液滴吐出法を用いて形成された複数の凸部とを有するシートであって、
前記複数の凸部の存在により、前記領域における前記シートの光の透過率が、前記シート基材自体の光の透過率より低くなっていることを特徴とするシート。
(2) 前記領域において、前記光の透過率が、前記シートの面方向に沿って連続的に変化している上記(1)に記載のシート。
(3) 前記光の透過率の変化は、前記領域における、前記凸部の配設密度の違いによる上記(2)に記載のシート。
(4) 前記シート基材は、その少なくとも前記一方の面が、前記凸部の構成材料との親和性が高い材料で構成されている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のシート。
(5) 各前記凸部は、それぞれ、平面視においてほぼ円形をなし、前記複数の凸部の平均径が50μm以下である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のシート。
(6) 前記凸部は、樹脂材料を含む材料で構成されている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のシート。
(7) 前記樹脂材料は、光硬化性樹脂を主成分とする上記(6)に記載のシート。
(8) 前記凸部は、着色剤を含む材料で構成されている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のシート。
(9) 前記シート基材は、その他方の面に粘着剤層を有する上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のシート。
(10) 前記シート基材は、前記一方の面側に、触媒が付与されている上記(1)ないし(9)のいずれかに記載のシート。
(11) 前記触媒は、光触媒および無光触媒のうちの少なくとも一方を主成分とする上記(10)に記載のシート。
本発明によれば、透明なシート基材の一方の面の少なくとも一部の領域に複数の凸部を設けることにより、当該領域における光の透過率を低下させて、擦りガラス調の風合いを有するシートを提供することができる。
また、前記領域において、光の透過率が連続的に変化するようにするよう構成した場合には、グラデーションを有するシートとすることができる。
以下、本発明のシートを、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明のシートの第1実施形態について説明する。
図1は、本発明のシートの第1実施形態を示す平面図、図2は、図1中のA−A線断面図である。なお、以下では、説明の都合上、図1中の紙面手前側および図2中の上側を、「上」または「上方」、図1中の紙面奥側および図2中の下側を、「下」または「下方」と言う。
図1および図2に示すシート(化粧シート)1は、シート基材2と、シート基材2の上面(一方の面)21に設けられた複数の凸部3と、シート基材の下面(他方の面)22に設けられた粘着剤層4とを有している。
このシート1の使用前には、粘着剤層4に剥離シート10が貼着されて、積層シート100が構成されている。
以下、各部の構成について説明する。
シート基材2は、シート1の主要部をなす部材であり、透明な部材(光透過性を有する)で構成されている。ここで、透明とは、無色透明および着色透明のいずれをも含む概念である。
図2に示すように、本実施形態のシート基材2は、シート状の基部2Aと、基部2A上に設けられた受理層2Bとを有している。受理層2Bは、シート基材2の上面21に形成される複数の凸部3の構成材料との親和性が高い材料で構成されている。すなわち、シート基材2は、その少なくとも上面21が、凸部3の構成材料との親和性が高い材料で構成されている。
かかる構成とすることにより、シート1を目的の箇所に貼着する際に、シート1の凸部3が設けられている面側を強く擦る等の操作を行った場合等でも、凸部3がシート基材2から剥離するのを防止することができる。
基部2Aの構成材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、セルロースアセテートブチレートのようなポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレンのような各種熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂のような各種熱可塑性樹脂、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリスチレン系エラストマーのような各種エラストマー等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、基部2Aの構成材料中には、必要に応じて、例えば、可塑剤、安定化剤、酸化防止剤、カップリング剤、フィラー、紫外線カット剤、静電防止剤等の各種添加剤を添加することができる。
また、受理層2Bの構成材料は、凸部3の構成材料との親和性が高いものであればよいが、さらに基部2Aの構成材料との親和性が高いものが好ましい。これにより、凸部3の基部2Aへの密着性、すなわち、凸部3のシート基材2への密着性を高めることができる。
具体的には、受理層2Bの構成材料としては、例えば、アクリル系樹脂、イミド系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
特に、凸部3の構成材料がアクリル系樹脂を含有し、基部2Aの構成がポリオレフィンを含有する場合、受理層2Bの構成材料としては、アクリル系樹脂が好適である。
受理層2Bの平均厚さは、特に限定されないが、1〜100μm程度であるのが好ましく、5〜75μm程度であるのがより好ましい。受理層2Bの平均厚さを前記範囲とすることにより、受理層2Bは、シート基材2の物性(例えば、透明性や可撓性等)に影響を与えることなく、凸部3に対して十分な親和性を発揮するものとなる。
なお、基部2A自体が凸部3の構成材料との親和性が高い材料で構成される場合には、この受理層2Bを省略してもよい。
また、シート基材2全体としての厚さは、10〜1000μm程度であるのが好ましく、50〜750μm程度であるのがより好ましい。シート基材2の平均厚さを前記範囲とすることにより、シート基材2(基部2Aおよび受理層2B)や凸部3の構成材料にもよるが、シート基材2に十分な可撓性を付与することができる。このため、シート1を湾曲面に対しても確実に貼着することができる。また、シート1に必要な透明性を十分に確保することもできる。
また、シート基材2の光(特に、波長360〜830nmの光)の透過率は、できるだけ高い方が好ましく、具体的には、50%以上であるのが好ましく、70%以上であるのがより好ましく、90〜99.9%程度であるのがさらに好ましい。
シート基材2の上面(一方の面)21の所定の領域(本実施形態では、角形の領域X)には、複数の凸部3が設けられている。当該領域Xにおいては、凸部3が存在することにより、光が上面側から入射した際に、これらの凸部3において、光が乱反射(拡散)、吸収等される。その結果、シート1は、領域Xにおける光の透過率が、シート基材2自体(例えば、後述する領域Y)の光の透過率より低くなっている。これにより、シート1は、領域Xにおいて擦りガラス調の風合い、すなわち、半透明かつざらつきのある感じが得られる。かかるシート1は、店舗のウィンドウガラスの目隠しや装飾等に好適に用いることができる。
また、本実施形態では、図1中の上側から下側に向かって、光の透過率が連続的に上昇している。さらに、図1に示すように、領域Xに連続する下側の領域Yには、凸部3が形成されておらず、シート基材2自体の透明性が確保されている。すなわち、本実施形態のシート1では、領域Xから領域Yにかけて連続してグラデーションが形成されている。これにより、多彩な模様を有するシート1とすることができる。なお、かかるシート1は、従来法(例えば、エンボス加工、ブラスト加工等)では、作成するのが困難であるか、極めて煩雑な操作(複雑な装置)が必要であった。
また、当該領域Xにおける光の透過率のシート基材2自体の光の透過率に対する低下の程度(低下率)は、特に限定されないが、80%以下であるのが好ましく、10〜80%程度であるのがより好ましい。このような範囲において、シート1に擦りガラス調の風合いの程度がより向上する。
このような凸部3は、液滴吐出法を用いて形成されており、各凸部3は、液滴吐出装置から吐出された液滴が、シート基材2に着弾した際の形状を保持している。すなわち、本実施形態では、図1に示すように、各凸部3が、それぞれ、平面視においてほぼ円形をなしている。かかる構成により、シート1の上面側に、見た目や手触りにおいて、より滑らかな感覚を生じさせることができる。また、液滴吐出法によれば、短時間で、均一なサイズ(径)を有する複数の凸部3を寸法精度よく形成することができる。
このようなことから、見た目や手触りにおいて、シート1の擦りガラス調の風合いの程度がより向上する。
この場合、複数の凸部3の平均径(図1中、長さdの平均値)は、50μm以下であるのが好ましく、1〜35μm程度であるのがより好ましい。これにより、シート1の上面側の見た目や手触りにおける滑らかな感覚がより向上する。すなわち、審美性の向上に寄与する。
なお、かかる凸部を、例えば、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷等の印刷法を用いて形成した場合、均一なサイズを有する凸部を形成するのが難しく、前述したような効果を得難い。また、これらの方法では、凸部を形成する操作が煩雑であるという問題もある。
本実施形態では、これらの凸部3は、樹脂材料および着色剤を含む材料で構成されている。シート基材2は、一般に、樹脂材料を主材料として構成される。このため、凸部3を樹脂材料を含む材料で構成することにより、凸部3をシート基材2の上面21に、高い密着性で形成することができる。
この樹脂材料には、シート基材2の基部2Aの構成材料として記載した樹脂材料と同様のものを用いることができるが、硬化性樹脂を用いるのが好ましい。これは、比較的短い時間で、凸部3を形成することができるからである。
また、硬化性樹脂としては、例えば、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、嫌気硬化性樹脂、反応硬化性樹脂等が挙げられるが、特に、光硬化性樹脂を主成分とするものが好適である。これにより、極めて短い時間で、凸部3を形成することができ、シート1の生産性の向上を図ることができる。
光硬化性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、イミド系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられるが、これらの中でも、アクリル系樹脂を主成分とするものが好ましい。アクリル系樹脂前駆体は、反応性が高いため、特に、シート1の生産性を高めることができる。また、アクリル系樹脂を含む材料で凸部3を構成することにより、凸部3の耐候性の向上を図り、結果として、シート1の耐候性の向上を図ることができる。さらに、アクリル系樹脂は、透明性が高いことからも好ましい。
また、この場合、後述するが、凸部3を液滴吐出法で形成する際に用いる液状材料(インク)中に、有機溶剤の添加を省略することができるか、極めて少ない量とすることができる。したがって、環境への負荷が少ないという利点も有する。
さらに、本実施形態の凸部3は、着色剤を含む材料で構成されており、着色剤の色に応じた色彩をシート1に付与することができる。また、異なる色の複数の着色剤を用いて凸部3を形成するようにしてもよい。
さらに、着色剤を含む材料で構成することにより、シート1に各種の情報を表示させることもできる。この情報には、例えば、文字、図形、記号、画像等、または、これらの組み合わせが挙げられる。
前述のように、本実施形態では、領域Xにおいて、図1中の上側から下側に向かって、光の透過率が連続的に上昇している。かかる構成とする方法としては、例えば、I:領域Xにおける凸部3の配設密度を上側と下側とで違える方法、II:領域Xにおける凸部3の着色剤の含有量を上側と下側とで違える方法、III:領域Xにおける凸部3のサイズ(本実施形態では、直径)を上側と下側とで違える方法、および、IV:これらの組み合わせ等が挙げられる。
これらの中でも、Iの方法が好ましい。かかる方法によれば、同一色につき単一のインク(凸部3を形成する液状材料)を用いて、比較的簡単な方法で、目的とするシート1を作成することができる。また、同一色につき複数のインクを用いないので、シート1の生産コストの削減という観点からも好ましい。
着色剤には、染料および顔料のいずれをも用いることができるが、顔料を用いるのが好ましい。顔料は、凸部3の形成に用いる液状材料(インク)への分散性や、耐候性に優れるからである。
赤色系顔料としては、例えば、キナクリドンレッド等が挙げられる。
緑色系顔料としては、例えば、フタロシアニングリーン等が挙げられる。
青色系顔料としては、例えば、フタロシアニンブルー等が挙げられる。
黒色系顔料としては、例えば、カーボンブラック、チタンブラック等が挙げられる。
また、シート基材2には、その下面(他方の面)22に直接接触して、透明性(光透過性)を有する粘着剤層4が設けられている。これにより、シート1を目的の場所(例えば、ウィンドウガラス等)に容易に貼着することができる。
この粘着剤層4の構成材料(粘着性組成物)としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等のいずれのものでも用いることができるが、シート1をガラスに貼着することを考慮した場合、アクリル系粘着剤を主成分とするものが好ましい。また、アクリル系粘着剤を主成分とする材料で構成される粘着剤層4は、その耐候性を良好に維持すること、透明性が高いことからも好ましい。
この粘着剤層4の厚さは、特に限定されないが、好ましくは1〜100μm程度、より好ましくは5〜75μm程度とされる。
なお、本実施形態では、粘着剤層4は、シート基材2に直接接触して設けられているが、必要に応じて、粘着剤層4とシート基材2との間には、任意の目的の層(例えば、粘着剤層4とシート基材2との密着性を向上させる機能を有する層等)を少なくとも1つ設けるようにしてもよい。
また、この粘着剤層4は、必要に応じて設ければよく、省略するようにしてもよい。粘着剤層4を省略する場合、シート1を目的の場所に貼着する際に、予め、シート1および目的の場所の表面の少なくとも一方に、粘着剤(または接着剤)を付与することにより、シート1を目的の場所に貼着することができる。
このようなシート1には、その凸部3が設けられている上面側(シート基材2の一方の面側)に、触媒5が付与されている。これにより、シート1の上面に汚れ等が付着し難くなり、また、例え汚れが付着したとしても、その汚れを容易に除去することが可能となる。さらに、例えば、ウィンドウガラスの室内側に、シート1を貼着すれば、室内の空気の浄化等を行うこともでき好ましい。
特に、本発明では、領域Xに複数の凸部3が設けられていることにより、シート1の上面の表面積がシート基材2の上面21の表面積より増大している。その結果、シート1には、より多くの量の触媒5を担持させることができるようになっている。これにより、触媒5の作用をより効果的に発揮させることができる。
かかる触媒5は、光触媒および無光触媒のうちの少なくとも一方を主成分とするものが好ましく用いられる。光触媒としては、例えば、チタニア(二酸化チタン)、各種アパタイト類等が挙げられる。一方、無光触媒としては、例えば、銀、リン酸チタニア等が挙げられる。
なお、触媒5は、必要に応じて、シート1の上面に付与すればよく、省略するようにしてもよい。
このようなシート1には、例えば、製造後、輸送および保存時等の使用前において、粘着剤層4に剥離シート10が貼着され、積層シート100の状態となっている。
この剥離シート10は、剥離シート基材20と、この剥離シート基材20上に設けられた剥離剤層30とを有する。
剥離シート基材20には、シート基材2の基部2Aと同様のシート材(プラスチックフィルム)を用いることができる他、例えば、グラシン紙、上質紙、コート紙、無塵紙、含浸紙、ラミネート紙のような紙材や、これらの2種以上を積層した積層体を用いることもできる。
この剥離シート基材20の厚さは、特に限定されないが、10〜1000μm程度であるのが好ましく、50〜750mm程度であるのがより好ましい。
また、剥離剤層30の構成材料は、前記粘着剤層4の構成材料との関係で選択され、特に限定されないが、例えば、シリコーン系樹脂、長鎖アルキル系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
この剥離剤層30の厚さは、特に限定されないが、1〜100μm程度であるのが好ましく、5〜75μm程度であるのがより好ましい。
なお、剥離シート10を省略して、使用前には、シート1をロール状に巻き取って保管するようにしてもよい。この場合、ロールの外側に位置するシート1の粘着剤層4が、内側に位置するシート1の凸部3に直接接触することになる。このとき、本発明では、外側に位置するシート1の粘着剤層4と、内側に位置するシート1の上面との接触面積が小さくなるため、ロール状に巻き取られたシート1を、シート状に戻す作業(引き伸ばす操作)を容易かつ円滑に行うことができるという利点もある。
このようなシート1を備える積層シート100は、次のようにして製造することができる。
ここでは、凸部3を形成するための液状材料(インク)として、光硬化性樹脂先駆体を含む光硬化型インク(紫外線硬化型インク)を用いる場合について説明する。
<1> まず、光硬化型インクを用意する。
この光硬化型インクは、光硬化性樹脂先駆体を含んで構成され、必要に応じて、例えば、重合開始剤、増感剤(重合促進剤)、重合遅延剤、樹脂材料、補助剤、有機溶剤および顔料のうちの1つまたは2つ以上が添加される。
この光硬化型インクでは、有機溶剤を添加する必要がないか、または、添加する必要があるとしても極少量でよいという利点がある。また、光硬化型インクは、極めて短時間で硬化させることができる。したがって、光硬化型インクを用いることにより、環境への負荷を低減しつつ、シート1を量産することが可能となる。
光硬化性樹脂としてアクリル系樹脂を用いる場合、光硬化性樹脂前駆体としては、例えば、アクリル酸オリゴマーやアクリル酸プレポリマー等が好適に用いられる。
これらを構成するアクリル酸モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ−ト、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−オクチル(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
光硬化型インク中における光硬化性樹脂前駆体の含有量は、特に限定されないが、30〜90wt%程度であるのが好ましく、50〜80wt%程度であるのがより好ましい。
<2> 一方で、光照射手段(ランプ)を備える液滴吐出装置を準備する。
照射する光(紫外線)の波長は、200〜400nm程度であるのが好ましく、350〜400nm程度であるのがより好ましい。かかる波長の光を照射する光照射手段(ランプ)は、比較的安価に入手可能であることから好ましい。
ここで、液滴吐出方法には、i:圧電素子の作動により、液滴吐出ヘッドから液滴を吐出方法(いわゆる、インクジェット法)であってもよく、ii:加熱手段によりインクを加熱することにより、インク中に発生した気泡を利用して、液滴吐出ヘッドから液滴を吐出方法(いわゆる、バブルジェット法(「バブルジェット」は登録商標))であってもよいが、前記iの方法、すなわち、インクジェット法を用いるのが好ましい。インクジェット法によれば、インクの加熱を要しないため、インクの変質等を防止することができ、結果として、品質の高いシート1を得ることができる。
<3> 次に、用意した光硬化型インクを、光照射手段を備える液滴吐出装置に装填するとともに、この装置に、剥離シート10が貼着されたシート基材2をセットする。
次いで、シート基材2の上面21の所定の領域(本実施形態では、領域X)に、光硬化型インクを液滴として、液滴吐出ヘッドから吐出する。
この液滴1滴の量は、特に限定されないが、1〜100pL程度であるのが好ましく、10〜50pL程度であるのがより好ましい。かかる範囲に設定することにより、前述したような範囲の平均径を有する複数の凸部3を確実に形成することができる。
そして、吐出された液滴がシート基材2の上面21に着弾するのとほぼ同時に、光照射手段からシート基材2の上面21に光(紫外線)を照射する。これにより、シート基材2の上面21に着弾した液滴が、着弾した際の状態を保持したまま、硬化して複数の凸部3が形成される。
このとき、領域Xの各部において着弾する液滴の数を変更することにより、本実施形態のように、領域Xの各部において凸部3の配設密度を所定の値に設定して、グラデーションを形成することができる。
なお、領域Xの各部において着弾する液滴の数の変更(制御)は、例えば、液滴吐出ヘッドにおけるインクの吐出圧力を変化させること等により、容易に行うことができる。
<4> 次に、前述したような触媒を含む液状材料を、シート1の上面に付与し、必要に応じて乾燥等する。
この液状材料は、例えば、触媒粒子を、適当な分散媒に分散させてなる分散液が好適に用いられる。また、液状材料の付与は、例えば、浸漬法、噴霧法、塗布法等を用いることができる。
以上のようにして、シート1に剥離シート10が貼着された積層シート100が得られる。
<第2実施形態>
次に、本発明のシートの第2実施形態について説明する。
図3は、本発明のシートの第2実施形態を示す平面図(一部を拡大して示す。)である。
以下、第2実施形態のシート1について、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態のシート1は、領域Xが複数設けられ、各領域Xが文字の形をなしていること以外は、前記第1実施形態と同様である。
すなわち、図3に示すシート1は、各領域Xが、「L」、「i」、「t」、「h」、「m」、「a」、「t」、「i」および「c」なる文字で構成され、各領域X内およびその周囲の領域Yにかけて、図3中上側から下側に向かってグラデーションが形成されている。
なお、領域Xの形状は、文字に限定されず、図形、記号、画像およびこれらの組み合わせ等であってもよい。
また、各領域X毎に色を異ならせてもよい。
以上、本発明のシートについて、上記各実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、前記領域Yには、一般に使用されるインク(染料インクや顔料インク)を用いて、着色が施されていてもよい。
また、例えば、凸部を形成する材料には、着色剤が含まれていなくてもよい。
本発明のシートの第1実施形態を示す平面図である。 図1中のA−A線断面図である。 本発明のシートの第2実施形態を示す平面図(一部を拡大して示す。)である。
符号の説明
1 シート
2 シート基材
2A 基部
2B 受理層
21 上面
22 下面
3 凸部
4 粘着剤層
5 触媒
10 剥離シート
20 剥離シート基材
30 剥離剤層
100 積層シート
X、Y 領域

Claims (11)

  1. 透明なシート基材と、
    該シート基材の一方の面の少なくとも一部の領域に、液滴吐出法を用いて形成された複数の凸部とを有するシートであって、
    前記複数の凸部の存在により、前記領域における前記シートの光の透過率が、前記シート基材自体の光の透過率より低くなっていることを特徴とするシート。
  2. 前記領域において、前記光の透過率が、前記シートの面方向に沿って連続的に変化している請求項1に記載のシート。
  3. 前記光の透過率の変化は、前記領域における、前記凸部の配設密度の違いによる請求項2に記載のシート。
  4. 前記シート基材は、その少なくとも前記一方の面が、前記凸部の構成材料との親和性が高い材料で構成されている請求項1ないし3のいずれかに記載のシート。
  5. 各前記凸部は、それぞれ、平面視においてほぼ円形をなし、前記複数の凸部の平均径が50μm以下である請求項1ないし4のいずれかに記載のシート。
  6. 前記凸部は、樹脂材料を含む材料で構成されている請求項1ないし5のいずれかに記載のシート。
  7. 前記樹脂材料は、光硬化性樹脂を主成分とする請求項6に記載のシート。
  8. 前記凸部は、着色剤を含む材料で構成されている請求項1ないし7のいずれかに記載のシート。
  9. 前記シート基材は、その他方の面に粘着剤層を有する請求項1ないし8のいずれかに記載のシート。
  10. 前記シート基材は、前記一方の面側に、触媒が付与されている請求項1ないし9のいずれかに記載のシート。
  11. 前記触媒は、光触媒および無光触媒のうちの少なくとも一方を主成分とする請求項10に記載のシート。
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