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JP2010072489A - 画像形成装置 - Google Patents

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JP2010072489A
JP2010072489A JP2008241706A JP2008241706A JP2010072489A JP 2010072489 A JP2010072489 A JP 2010072489A JP 2008241706 A JP2008241706 A JP 2008241706A JP 2008241706 A JP2008241706 A JP 2008241706A JP 2010072489 A JP2010072489 A JP 2010072489A
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Nobuhiro Hiroe
伸弘 廣江
Noribumi Sato
紀文 佐藤
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Abstract

【課題】ループ検知手段を設けなくても記録媒体のループを低減できる画像形成装置を得る。
【解決手段】プリンタ10は、搬送装置24と、定着装置48と、定着装置48のニップ部Nへの記録用紙Pの進入を検知する用紙検知センサ23と、用紙検知センサ23が、ニップ部Nへの記録用紙Pの進入を検知したとき、予め定められたヒートロール48Aの速度増加量に基づいて、ヒートロール48Aの速度を増加させる制御ユニット54と、を有している。ここで、記録用紙Pが定着装置48のニップ部Nに進入して、用紙検知センサ23がこれを検知すると、制御ユニット54は、予め定められた速度増加量に基づいて、ヒートロール48Aの速度を増加させる。これにより、記録用紙Pの先端が引っ張られ、ループ検知手段を設けなくても、記録用紙Pのループを低減できる。
【選択図】図5

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
従来、トナー等の現像剤で感光体表面の潜像を顕在化させて現像剤像を形成し、搬送ベルト等の搬送手段で搬送されてきた記録媒体に、転写手段で現像剤像を転写して、熱源を備えたロール対等の定着手段で記録媒体に定着させる画像形成装置がある。
このような画像形成装置では、搬送手段による記録媒体の搬送速度と、定着手段による記録媒体の搬送速度との差により、定着手段の手前で記録媒体が撓む所謂ループが発生する場合がある。
ここで、記録媒体のループの低減を目的として、ループ検知手段を設けた画像形成装置がある(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1、2の画像形成装置は、いずれも現像剤転写後の記録媒体を搬送する搬送手段と、定着手段との間に、記録媒体のループを検知するループ検知手段を設けている。
特開平10−097154号公報 特開2003−345150号公報
本発明は、ループ検知手段を設けなくても記録媒体のループを低減できる画像形成装置を得ることを目的とする。
本発明の請求項1に係る画像形成装置は、装置本体の内部に設けられ画像を転写する転写手段と対向配置され、記録媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送手段よりも記録媒体の搬送方向下流側に設けられ、回転して前記画像を記録媒体へ定着する定着回転体と、前記定着回転体の間への記録媒体の進入を検知する進入検知手段と、前記進入検知手段が、前記定着回転体の間への記録媒体の進入を検知したとき、予め定められた前記定着回転体の速度増加量に基づいて、前記定着回転体の速度を増加させる速度制御部と、を有する。
本発明の請求項2に係る画像形成装置は、前記定着回転体の速度増加量が、記録媒体の種類、前記装置本体の内部の温度、前記装置本体の内部の相対湿度、及び前記装置本体の内部の絶対湿度のうち、少なくとも1つの条件に応じて定められており、前記少なくとも1つの条件を検知する条件検知手段が設けられ、前記条件検知手段が検知した条件に合わせて、前記定着回転体の速度増加量が決定される。
本発明の請求項3に係る画像形成装置は、前記定着回転体の速度増加が複数段階で行われる。
本発明の請求項4に係る画像形成装置は、前記進入検知手段は、前記定着回転体よりも記録媒体の搬送方向上流側に設けられ、記録媒体の先端を検知する。
本発明の請求項5に係る画像形成装置は、前記進入検知手段は、前記定着回転体よりも記録媒体の搬送方向下流側に設けられ、前記装置本体からの記録媒体の排出を検知する排出検知センサである。
請求項1の発明は、ループ検知手段を設けなくても記録媒体のループを低減できる。
請求項2の発明は、記録媒体の種類、装置本体の内部の温度、相対湿度、及び絶対湿度、の少なくとも1つの条件による記録媒体のループ形成の変化に対応することができる。
請求項3の発明は、本構成を有していない場合に比較して、記録媒体に作用する負荷を低減できる。
請求項4の発明は、本構成を有していない場合に比較して、定着回転体の速度変更タイミングの遅れを抑えることができる。
請求項5の発明は、新たに検知センサを設ける必要がなくなる。
本発明の画像形成装置の第1実施形態を図面に基づき説明する。
図1には、本発明の画像形成装置としてのプリンタ10が示されている。プリンタ10は、4色のトナー(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))によるフルカラー画像形成を行う画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kが上下方向に配列されている。各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kは、収容されるトナーを除いて同様の構成となっている。
なお、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色を区別する際には、符号の後にY、M、C、Kを付加して説明するが、各色を区別する必要がない場合は、符号の後のY、M、C、Kは省略する。各トナーY、M、C、Kは、特に製造方法により限定されるものではなく、各種のトナーが使用可能である。
図1に示すように、プリンタ10の下部には、記録用紙Pが収納された給紙カセット14が設けられている。給紙カセット14の近傍には、記録用紙Pを所定のタイミングで送り出すピックアップロール16が設けられている。また、ピックアップロール16の記録用紙Pの搬送方向下流側には、搬送ロール18及びレジストロール20からなる用紙搬送路22が設けられている。ここで、ピックアップロール16によって給紙カセット14から送り出された記録用紙Pは、搬送ロール18及びレジストロール20を介して用紙搬送路22へ送り込まれ、各画像形成ユニット12に記録用紙Pを搬送する搬送装置24へ搬送されるようになっている。
画像形成ユニット12は、用紙搬送路22の上流側(プリンタ10の下側)から前述のY、M、C、Kの色の順に配設されている。また、画像形成ユニット12の図中左側には、画像形成ユニット12内に設けられた感光体36に走査光(露光光)を照射する露光装置26が配設されている。
露光装置26は、筐体28内に図示しない半導体レーザ、ポリゴンミラー30、結像レンズ32及びミラー34が配設されており、半導体レーザからの光は、ポリゴンミラー30で偏向走査され、結像レンズ32とミラー34を介して各感光体36に照射される。これにより、感光体36に、画像情報に応じた静電潜像が形成されるようになっている。また、露光装置26の近傍(図中左側)には、プリンタ10の各部の動作制御を行う制御ユニット54が設けられている。
一方、プリンタ10の図中右側(感光体36と対向する位置)には、前述の搬送装置24が配設されている。搬送装置24は、プリンタ10の側壁10Aに沿って上下に設けられた一対の張架ロール38(下側)、張架ロール40(上側)と、この張架ロール38、40に巻き掛けられた搬送ベルト42とで構成されている。
張架ロール40は、図示しないモータによって回転され、搬送ベルト42が移動するようになっている。また、張架ロール38の近傍には、吸着ロール44が対向配置されており、この吸着ロール44に電圧が印加されることによって、搬送ベルト42に記録用紙Pが静電的に吸着されるようになっている。
吸着ロール44に近い位置には、プリンタ10内部の温度と相対湿度、又は絶対湿度を測定する環境センサ部31が設けられている。環境センサ部31は、制御ユニット54に接続されており、環境センサ部31で測定された温度と相対湿度、又は絶対湿度が、制御ユニット54でデータ化される。
搬送ベルト42の裏面の各色の感光体36と対向する位置には、それぞれ転写ロール46が配設されている。この転写ロール46によって、感光体36上のトナー像が、搬送ベルト42によって搬送される記録用紙Pに転写される。トナー像が転写された記録用紙Pは、張架ロール40の上方に設けられた一対のロールからなる定着装置48で、熱と圧力の作用により定着される。そして、トナー像が定着された記録用紙Pは、搬送ロール49及び排出ロール50によって排出トレイ52へ排出されるようになっている。
一方、搬送装置24の張架ロール40と、定着装置48の間には、図示しない切り換えレバーの移動によって記録用紙Pが進入し搬送される用紙反転路25が設けられている。用紙反転路25は、湾曲状又は直線状に配置された複数のガイド板27と、各ガイド板27間に配置され回転して記録用紙Pを搬送する搬送ロール29とを有している。
ここで、表面(片面)の画像の定着が終了した記録用紙Pは、排出ロール50及び定着装置48のロールが逆回転することにより再度プリンタ10内に搬送され、用紙反転路25内に進入する。そして、用紙反転路25内を搬送された記録用紙Pは、再度搬送装置24で搬送される。このとき、画像形成されていない裏面は、各感光体36と対向する側に面しており、記録用紙Pの反転が完了する。
次に、画像形成ユニット12の構成について説明する。
図2に示すように、画像形成ユニット12は、感光体36を有する感光体ユニット56(上部)と、各色のトナーが収容されると共に、感光体36に作像される静電潜像に対して各色トナーの現像を行う現像装置58(下部)とで構成されている。感光体ユニット56と現像装置58の間には、露光光Lが通過する光通路59が形成されており、露光光Lは、光通路59を通って感光体36の表面に照射されるようになっている。
感光体ユニット56は、回転可能に設けられた感光体36と、感光体36の周囲に配設され所定の電位差により感光体36表面を帯電させる帯電ロール60と、感光体36表面を清掃するクリーニングブレード62と、感光体36表面の除電を行うイレーズランプ64と、クリーニングブレード62から離れた位置に設けられたサブトナー供給ユニット66とが一体となって構成されている。
サブトナー供給ユニット66には、トナーの攪拌及び搬送を行うマイラフィルムを有する攪拌搬送部材68が設けられている。また、サブトナー供給ユニット66の側壁には、支持突起70が突設されており、支持突起70をプリンタ10内の図示しない受部に挿通させることで、プリンタ10に画像形成ユニット12が装着されるようになっている。
一方、現像装置58は、感光体36の静電潜像をトナーで可視像化する現像ユニット72と、現像ユニット72にトナーTを供給するメイントナー供給ユニット74とが横方向に一体化された構成となっている。なお、現像装置58では、キャリアとの攪拌混合でトナーTを摩擦帯電させて現像する二成分現像方式が用いられている。
現像ユニット72は、本体としてのハウジング76を有している。ハウジング76は、感光体36の下方側に設けられており、感光体36側に向かって開口した開口部78が形成されている。また、ハウジング76内には、現像剤収容室80が形成されている。現像剤収容室80は、内部にトナーT及びキャリアからなる現像剤Gが収容されている。なお、キャリアは、現像剤収容室80のみに収容されている。
さらに、ハウジング76内には、開口部78から一部が露出するようにして、現像ロール82が配設されている。現像ロール82は、矢印方向へ回転可能に設けられた非磁性円筒状の現像スリーブ(図示省略)と、現像スリーブの内側で回転しないように固定され複数の磁極が交互に配設された磁石ロール(図示省略)とで構成されている。現像スリーブの端部には、図示しないギアが固定されており、モータからの回転力がギアへ伝達され、ギアを介して現像スリーブが回転するようになっている。
ここで、現像ロール82は、現像剤G中に含まれるキャリアを磁力で吸着し、表面に現像剤Gの磁気ブラシを形成して、キャリアに吸着したトナーTを感光体36と対向する現像領域(現像剤供給位置)へ搬送する。そして、露光光Lにより感光体36上に形成された静電潜像が、現像ロール82の表面に形成されたキャリアとトナーとからなる現像剤Gの磁気ブラシによって可視像化されるようになっている。
現像ロール82における現像領域の上流側には、現像ロール82と所定の距離離間し、且つ現像ロール82の軸方向に沿って、円筒状の層厚規制部材84が配設されている。層厚規制部材84は、アルミニウム等の非磁性体からなり、現像ロール82上に供給された現像剤Gの層厚を規制している。
一方、現像ロール82の下方には、現像ロール82の軸方向に沿って第1オーガ86及び第2オーガ88が回転可能に軸支されている。ここで、第1オーガ86及び第2オーガ88の端部には、それぞれ図示しないギアが固定されており、図示しないモータからの回転力がギアへ伝達され、ギアを介して第1オーガ86及び第2オーガ88がそれぞれ回転するようになっている。この回転により、現像剤収容室80内に収容された現像剤Gが、攪拌されながら現像ロール82へ搬送されるようになっている。
第1オーガ86と第2オーガ88の間には、第1仕切壁90が立設されており、この第1仕切壁90によって、第1オーガ86が配設された第1攪拌路92と、第2オーガ88が配設された第2攪拌路94とに二分されている。また、第1仕切壁90の長手方向の両端部には、連通口(図示省略)が形成されており、この連通口によって、第1攪拌路92と第2攪拌路94とが連通されている。
また、現像ユニット72に隣接したメイントナー供給ユニット74には、供給用のトナーTが収容されるトナー収容室102が設けられている。トナー収容室102には、現像ロール82の軸方向に沿って第1アジテータ104及び第2アジテータ106が回転可能に設けられている。
第1アジテータ104は、第1回転軸104Aと、マイラからなる第1搬送フィルム104Bとを備え、メイントナー供給ユニット74の周壁に回転可能に軸支されている。第2アジテータ106は、第1回転軸106Aと、マイラからなる第2搬送フィルム106Bとを備え、メイントナー供給ユニット74の周壁に回転可能に軸支されている。第1搬送フィルム104B及び第2搬送フィルム106Bには、トナーの搬送方向へ向けて斜めに切込みが形成されている。
第1回転軸104A及び第2回転軸106Aの端部には、図示しないギヤが固定されている。ここで、図示しないモータからの回転力がギヤへ伝達され、第1搬送フィルム104B及び第2搬送フィルム106Bが回転すると、トナー収容室102内のトナーTが攪拌されながら搬送されるようになっている。
一方、トナー収容室102と現像剤収容室80との間には、第2仕切壁108、湾曲壁110、及び第3仕切壁112が設けられている。第2仕切壁108の下部からは、湾曲壁110がトナー収容室102側へ延び、第3仕切壁112が現像剤収容室80側へ延びることで、ハウジング76の底部にトンネル状のトナー搬送路114を形成している。
トナー搬送路114は、第1アジテータ104のトナーの送り方向と平行となるように設けられている。また、トナー搬送路114内には、長手方向に沿ってトナーの攪拌搬送を行う搬送オーガ116が回転可能に設けられている。ここで、トナー搬送路114内には、開口部(図示省略)が形成されており、トナー収容室102内に収容されたトナーTは、第1アジテータ104によって攪拌されながらトナー収容室102内を軸方向に搬送され、開口部からトナー搬送路114へ送り込まれるようになっている。
一方、第3仕切壁112の長手方向の他方の端部近傍には、トナー搬送路114と現像剤収容室80とを連通するようにして開口部(図示省略)が形成されている。これにより、トナー搬送路114内のトナーTは、搬送オーガ116によって攪拌されながら搬送され、トナー供給口120から現像剤収容室80へ送り込まれるようになっている。
図3には、プリンタ10の用紙搬送路22周辺の模式図が示されている。搬送装置24の搬送ベルト42は、張架ロール40の回転により周速度VTで矢印方向に移動する。また、記録用紙Pの搬送方向で搬送装置24の上流側には、一対のロールで構成され図示しないモータで駆動されて、搬送ベルト42に記録用紙Pを送り込み、記録用紙Pへの画像転写のタイミングを合わせるレジストロール20が設けられている。
搬送ロール18とレジストロール20の間には、記録用紙Pの先端を検知する用紙検知センサ23が設けられている。用紙検知センサ23は、フォトセンサであり、光BMを出射する発光部23Aと、光BMを受光する受光部23Bとで構成されている。光BMの進行方向は、記録用紙Pの搬送方向と交差する方向となっている。
ここで、発光部23Aと受光部23Bの間に記録用紙Pが無いときは、受光部23Bが光BMを受光しており、受光量は多くなっている。一方、発光部23Aと受光部23Bの間に記録用紙Pが進入したときは、記録用紙Pによって光BMが遮断されるため、受光部23Bの受光量が低下する。この受光量の変化により、記録用紙Pの先端が用紙検知センサ23を通過するタイミングが検知される。
一方、定着装置48は、ヒータ(熱源)を備えたヒートロール48Aと、ヒートロール48の外周面に接触し、図示しないバネ等の付勢手段でヒートロール48Aに向けて付勢され、ニップ部Nを形成する加圧ロール48Bとを有している。ヒートロール48Aは、記録用紙Pの画像形成面側に配置されており、制御ユニット54(図1参照)によって回転制御されたモータ(図示省略)の回転駆動によって、周速度VHで回転するようになっている。なお、周速度VHは、制御ユニット54によって可変とされている。そして、加圧ロール48Bは、ヒートロール48Aの回転に従動して回転する。
ここで、用紙検知センサ23から定着装置48のニップ部Nの入口までの距離はL1となっている。また、記録用紙Pは、搬送方向の長さが、レジストロール20から定着装置48までの距離に近い長さとなっている。このため、用紙検知センサ23を通過した記録用紙Pが、搬送ベルト42の周速度(搬送速度)VTでニップ部Nの入口まで搬送されるものとすると、記録用紙Pの先端が用紙検知センサ23を通過してから、ニップ部Nに到達するまでの時間tは、t=L1/VTとなる。この時間tを用いることで、用紙検知センサ23による記録用紙Pのニップ部Nへの進入タイミングが検知可能となっている。
ここで、記録用紙Pが定着装置48のニップ部Nに進入したとき、ヒートロール48Aの周速度VHは、制御ユニット54により、搬送ベルト42の周速度VTよりも低速の範囲で初期周速度V0から増加される。
また、ヒートロール48Aの増加周速度Vは、一例として、図4(a)に示すように、記録用紙の種類(坪量[g/cm])A〜Cと、プリンタ10内部の温度T1〜T3、プリンタ10内部の相対湿度H1〜H3、プリンタ10内部の絶対湿度SH1〜SH3との組合せで、予めV1〜V29まで設定されたデータテーブルを設けておき、このデータテーブルを制御ユニット54に記憶しておくことで、各条件に合わせた速度増加が行われるようになっている。
増加周速度V1〜V29は、ヒートロール48A(図3参照)が停止している時を速度0とした絶対速度値、又はヒートロール48Aが初期速度V0で回転しているときを基準とした相対的な速度増加値(ΔV)のいずれで設定してもよい。なお、前述のように搬送ベルト42の周速度VTに対しては、0<V1、V2、・・・、V29<VTで設定される。
ここで、絶対湿度SHが増加すると静電力が弱まり、記録用紙Pの搬送ベルト42への吸着力が低下するため、図4(b)に示すように、絶対湿度SHの増加に合わせてヒートロール48Aの増加周速度も低くする必要がある。なお、坪量の大きい記録用紙PがグラフAで、坪量の小さい記録用紙PがグラフBとなっており、絶対湿度SHaのときに必要なヒートロール48Aの増加周速度は、記録用紙AでVa、記録用紙BでVb(Vb<Va)に設定されている。これは、坪量の大きい記録用紙Aでは、搬送時の見かけの移動距離(半径)が長くなるため、見かけの移動距離が短い記録用紙Bよりも速く搬送する必要があるためである。このように、ヒートロール48Aの増加周速度を記録用紙Pの種類に合わせて変更する。
図5(a)に示すように、本実施形態においては、ヒートロール48A(図3参照)の周速度(VH)を増加させるとき、複数の段階に分けて徐々に増加させる。一例として、ヒートロール48Aの増加周速度(絶対値)が図4(a)のV16であった場合、ヒートロール48Aの初期周速度V0との差分(V16−V0)を6等分して、時間t1から時間t2の間(Δt1)にΔV=(V16−V0)/6ずつ増加させている。なお、前述のデータテーブル(図4(a))の増加周速度欄(V1〜V27)には、ΔVの値と、段階数(6)が設定されているものとする。
ヒートロール48Aの周速度の増加は、時間t1から少し時間をおいて始まっているが、これは、記録用紙Pがヒートロール48Aと加圧ロール48Bの間のニップ部Nに進入した後で、ヒートロール48Aの周速度を増加させていることを表している。また、時間t2は、記録用紙Pの後端がニップ部Nを通過した時間となる。
同様にして、2枚目以降の記録用紙Pがニップ部Nに進入したときも、時間t3から時間t4の間(Δt2=Δt1)にΔV=(VT−V0)/6ずつ増加させる。ここで、ΔVの値は、初期速度V0の0.1%程度となっており、最終的な周速度の増加量は、0.6%〜1.0%となっている。
なお、本実施形態では増加周速度を分割して徐々に上げているが、これに限定されるものではなく、例えば、図5(b)に示すように、曲線状に連続的に増加させてもよい。また、1回の増加周速度ΔVは、複数の増加段階において同じ量である必要はなく、最初に小さく増加させて、後半で大きく増加させるようにしてもよい。
次に、本発明の第1実施形態の作用について説明する。
まず、プリンタ10の画像形成について説明する。図1に示すように、プリンタ10で図示しない操作パネルのスタートボタンが押され、又はコンピュータから送信されるなどして、画像形成が開始される。そして、制御ユニット54では、画像形成を行う記録用紙Pの種類が選択され、さらに、環境センサ部31では、プリンタ10内の温度と湿度のいずれか一方、又は絶対湿度が測定され、図4(a)のデータテーブルに基づいて、ヒートロール48Aの増加周速度が決定される。なお、ここでは増加周速度がV16であったものとする。
続いて、制御ユニット54がプリンタ10の各部の動作制御を行い、ピックアップロール16によって給紙カセット14から記録用紙Pが送り出される。送り出された記録用紙Pは、搬送ロール18及びレジストロール20を介して用紙搬送路22へ送り込まれ、搬送装置24へ搬送される。ここで、用紙検知センサ23が記録用紙Pの先端の通過を検知して、記録用紙Pが定着装置48のニップ部Nに進入するタイミングが計測される。
続いて、各画像形成ユニット12において、感光体36が帯電ロール60で帯電され、画像を形成するための各種データに基づいて、露光装置26から感光体36に露光光Lが照射される。これにより、感光体36上に静電潜像が形成される。そして、この静電潜像が現像ロール82上のトナーTによって顕在化(現像)されトナー像となる。感光体36上のトナー像は、搬送ベルト42によって搬送されてきた記録用紙P上に転写ロール46の転写電界によって順次転写され、各色のトナーが重ねられる。
続いて、図6(a)、(b)に示すように、トナー像が転写された記録用紙Pは、定着装置48のニップ部Nに進入する。このとき、ヒートロール48Aは、速度VH=V0(初期速度)で回転している。
ここで、制御ユニット54(図1参照)により、ヒートロール48Aの速度VHが、ΔV=(V16−V0)/6として、V0からV0+ΔV、V0+2×ΔV、・・・、V0+5×ΔV、VTというように徐々に増加される。これにより、搬送ベルト42による搬送途中で、且つ先端が定着装置48のニップ部Nに進入した記録用紙Pの先端が、搬送方向へ向けて引っ張られることになり、記録用紙Pは、転写ロール46Kの位置からニップ部Nまでの間で張架される。このようにして、ニップ部Nの手前で、記録用紙PのループRP(撓み)の発生が抑えられ、ループRPが低減される。
続いて、ニップ部Nに進入した記録用紙P上のトナー像は、ヒートロール48A及び加圧ロール48Bの熱と圧力の作用により定着される。定着が完了した記録用紙Pは、排出ロール50によって排出トレイ52へ排出される。なお、両面印刷の場合は、用紙反転路25で反転して裏面印刷が行われる。このようにして、画像形成が行われる。
次に、本発明の画像形成装置の第2実施形態を図面に基づき説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一の部品には、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
図7には、プリンタ130の用紙搬送路22周辺の模式図が示されている。プリンタ130は、前述のプリンタ10の用紙検知センサ23に換えて、排出ロールの手前(上流側)に排紙センサ140が設けられた構成となっており、他の部材は基本的に同一である。
排紙センサ140は、フォトセンサであり、光BMを出射する発光部140Aと、光BMを受光する受光部140Bとで構成されている。ここで、発光部140Aと受光部140Bの間に記録用紙Pが無いときは、受光部140Bが光BMを受光しており、受光量は多くなっている。一方、発光部140Aと受光部140Bの間に記録用紙Pが進入したときは、記録用紙Pによって光BMが遮断されるため、受光部140Bの受光量が低下する。この受光量の変化により、記録用紙Pの先端又は後端が排紙センサ140を通過するタイミングが検知される。
また、排紙センサ140において、受光部140Bでの受光量が少ないときをONとすると、検知信号の立ち下がり(ON)が、記録用紙Pの先端の通過に相当し、立ち上がり(OFF)が、記録用紙Pの後端の通過に相当する。
次に、本発明の第2実施形態の作用について説明する。
プリンタ130で図示しない操作パネルのスタートボタンが押され、又はコンピュータから送信されるなどして、画像形成が開始される。ここで、制御ユニット54において、画像形成を行う記録用紙Pの種類が選択され、さらに、環境センサ部31で、プリンタ10内の温度と湿度のいずれか一方、又は絶対湿度が測定され、図4(a)のデータテーブルに基づいて、ヒートロール48Aの増加周速度が決定される。
続いて、制御ユニット54がプリンタ130の各部の動作制御を行い、ピックアップロール16によって給紙カセット14から記録用紙Pが送り出される。送り出された記録用紙Pは、搬送ロール18及びレジストロール20を介して用紙搬送路22へ送り込まれ、搬送装置24へ搬送される。
続いて、各画像形成ユニット12において、感光体36が帯電ロール60で帯電され、画像を形成するための各種データに基づいて、露光装置26から感光体36に露光光Lが照射される。これにより、感光体36上に静電潜像が形成される。そして、この静電潜像が現像ロール82上のトナーTによって顕在化(現像)され、トナー像となる。感光体36上のトナー像は、搬送ベルト42によって搬送されてきた記録用紙P上に、転写ロール46の転写電界によって順次転写され、各色のトナーが重ねられる。
続いて、トナー像が転写された記録用紙Pは、定着装置48のニップ部Nに進入する。このとき、ヒートロール48Aは、速度VH=V0(初期速度)で回転している。
続いて、図8(a)、(b)に示すように、定着装置48のニップ部Nを通過した記録用紙Pの先端が、排紙センサ140を通過したとき、制御ユニット54(図1参照)によって、ヒートロール48Aの速度VHが、V0からV0+ΔV、V0+2×ΔV、・・・、V0+5×ΔV、VTというように徐々に増加される。なお、ΔV=(VT−V0)/6である。
これにより、搬送ベルト42による搬送途中で、且つ先端がニップ部Nに進入した記録用紙Pが搬送方向へ向けて引っ張られることになり、記録用紙Pは、転写ロール46Kの位置からニップ部Nまでの間で張架される。このようにして、ニップ部Nの手前で、記録用紙PのループRP(撓み)の発生が抑えられ、ループRPが低減される。
ニップ部Nに進入した記録用紙P上のトナー像は、ヒートロール48A及び加圧ロール48Bの熱と圧力の作用により定着される。定着が完了した記録用紙Pは、排出ロール50によって排出トレイ52へ排出される。ここで、排紙センサ140が、記録用紙Pの後端の通過を検知してから所定時間経過後に、記録用紙Pが排出トレイ52に排出される。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
環境センサ部31は、搬送装置24の下流側など、プリンタ10の他の部位に設けてもよい。また、ヒートロール48Aの速度増加は、6段階に限らず2段階以上の複数段階で設定してもよい。
また、周速度の増加を複数段階で行うときの各増加段階の経過時間は、同一でなくともよく、例えば、始め短時間にしておき、徐々に長時間としてもよい。さらに、増加速度のデータテーブルは、紙の種類、温度、相対湿度、絶対湿度の少なくとも1つの条件について設定したものだけでなく、例えば、転写ロール46の転写電圧や、ヒートロール48Aの温度等を条件としてもよい。
本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の全体図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成ユニットの断面図である。 本発明の第1実施形態に係る用紙搬送経路の模式図である。 (a)本発明の第1実施形態に係るヒートロールの各設定条件における増加速度のデータテーブルである。(b)本発明の第1実施形態に係るヒートロール周速度の絶対湿度に対する変化を示すグラフである。 (a)本発明の第1実施形態に係るヒートロールの周速度の時間に対する速度増加を示すグラフである。(b)本発明の第1実施形態に係るヒートロールの他の実施例における周速度の時間に対する速度増加を示すグラフである。 (a)、(b)本発明の第1実施形態に係る搬送装置及び定着装置における記録用紙の搬送状態を示す模式図である。 本発明の第2実施形態に係る用紙搬送経路の模式図である。 (a)、(b)本発明の第2実施形態に係る定着装置における記録用紙の搬送状態を示す模式図である。
符号の説明
10 プリンタ(画像形成装置)
23 用紙検知センサ(進入検知手段)
24 搬送装置(搬送手段)
31 環境センサ部(条件検知手段)
46 転写ロール(転写手段)
48A ヒートロール(定着回転体)
48B 加圧ロール(定着回転体)
54 制御ユニット(速度制御部、(条件検知手段))
130 プリンタ(画像形成装置)
140 排紙センサ(排出検知センサ)
P 記録用紙(記録媒体)

Claims (5)

  1. 装置本体の内部に設けられ画像を転写する転写手段と対向配置され、記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段よりも記録媒体の搬送方向下流側に設けられ、回転して前記画像を記録媒体へ定着する定着回転体と、
    前記定着回転体の間への記録媒体の進入を検知する進入検知手段と、
    前記進入検知手段が、前記定着回転体の間への記録媒体の進入を検知したとき、予め定められた前記定着回転体の速度増加量に基づいて、前記定着回転体の速度を増加させる速度制御部と、
    を有する画像形成装置。
  2. 前記定着回転体の速度増加量が、記録媒体の種類、前記装置本体の内部の温度、前記装置本体の内部の相対湿度、及び前記装置本体の内部の絶対湿度のうち、少なくとも1つの条件に応じて定められており、
    前記少なくとも1つの条件を検知する条件検知手段が設けられ、
    前記条件検知手段が検知した条件に合わせて、前記定着回転体の速度増加量が決定される請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記定着回転体の速度増加が複数段階で行われる請求項1又は請求項2記載の画像形成装置。
  4. 前記進入検知手段は、前記定着回転体よりも記録媒体の搬送方向上流側に設けられ、記録媒体の先端を検知する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記進入検知手段は、前記定着回転体よりも記録媒体の搬送方向下流側に設けられ、前記装置本体からの記録媒体の排出を検知する排出検知センサである請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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