JP2010045301A - 有機電界発光素子、及びその表示媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の有機電界発光素子は、少なくとも一方が透明である陽極及び陰極よりなる一対の電極と、前記一対の電極間に挟まれ且つ1つ以上の層で構成される有機化合物層と、を有する。前記有機化合物層のいずれか1層は、チオフェンを中心とするπ共役系の骨格に対して、その両端のベンゼン環にそれぞれフェノチアジニル基が配置されていることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
一方、有機化合物を用いた電界発光素子研究は、最初アントラセン等の単結晶を用いて始まり、蒸着法による薄膜化が試みられている(例えば、非特許文献1参照。)。
これら素子の発光は、電極の一方から電子が注入され、もう一方の電極から正孔が注入されることにより、素子中の発光材料が高いエネルギー準位に励起され、励起された発光体が基底状態に戻る際の余分なエネルギーを光として放出する現象である。
この積層構造の電界発光素子は、有機発光体と電荷輸送性の有機物(電荷輸送材料)を電極に積層した構造であり、それぞれの正孔と電子が電荷輸送材料中を移動して、再結合して励起子を生成させ、この励起子が失活することにより発光する。有機発光体としては8−キノリノールアルミニウム錯体やクマリン化合物など蛍光を発する有機色素などが用いられる。また、電荷輸送材料としては、N,N−ジ(m−トリル)N,N‘−ジフェニルベンジジンや1,1−ビス[N,N−ジ(p−トリル)アミノフェニル]シクロヘキサンといったジアミノ化合物や、4−(N,N−ジフェニル)アミノベンズアルデヒドーN,N−ジフェニルヒドラゾン化合物等が挙げられる。
これらに記載の燐光発光を利用した有機電界発光素子には、電荷輸送材料としてのホスト材料としてカルバゾール誘導体(4,4’−ビスカルバゾリルビフェニル)が用いられている(例えば、非特許文献3及び特許文献3参照。)。
請求項1にかかる発明は、
少なくとも一方が透明である陽極及び陰極よりなる一対の電極と、
前記一対の電極間に挟まれ、且つ1つ以上の層で構成される有機化合物層と、を有し、
前記有機化合物層を構成する少なくとも一層が、一般式(I)で表される化合物を1種以上含有することを特徴とする有機電界発光素子である。
前記一般式(I)で表される化合物が、下記一般式(II)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子である。
少なくとも一方が透明である陽極及び陰極よりなる一対の電極と、該一対の電極間に挟まれ、且つ1つ以上の層で構成される有機化合物層と、を有し、前記有機化合物層を構成する少なくとも1層が、下記一般式(I)で表される化合物を1種以上含有し、マトリックス状及びセグメント状の少なくとも一方で配列された有機電界発光素子と、
マトリックス状及びセグメント状の少なくとも一方で配列された前記有機電界発光素子を駆動する駆動手段と、を備えることを特徴とする表示媒体である。
請求項2に係る発明によれば、本層構成を有していない場合と比較して、より長寿命の有機電界発光素子が得られる。
請求項3に係る発明によれば、4,4’−ビスカルバゾリルビフェニルを用いた有機電界発光素子を有する表示媒体と比べ、長寿命の表示媒体が得られる。
なお、チオフェンを中心とするπ共役系の骨格Aは線状であり、この骨格Aのみで構成される化合物は結晶化し易く、成膜性が低下し易い。
ここで、「多核芳香族炭化水素」とは、炭素と水素とから構成される芳香環が2個以上存在し、環同士が炭素−炭素結合によって結合している炭化水素を表す。
また、「縮合芳香族炭化水素」とは、炭素と水素とから構成される芳香環が2個以上存在し、これらの芳香環同士が1対の隣接して結合する炭素原子を共有している炭化水素化合物を表す。
「芳香族複素環」とは、炭素と水素以外の元素も含む芳香環を表す。
Zで表されるアルキル基は、直鎖状、分岐状、又は環状アルキル基のいずれであってもよく、成膜性、非晶性の観点から好ましくは直鎖状又は分岐状アルキル基である。
Zで表されるアルキル基は、未置換のアルキル基であることが成膜性、非晶性の観点から好ましい。
また、フェニル基における該置換基の置換位置は特に限定されず、オルト位、メタ位又はパラ位で置換することができ、成膜性、移動度の観点から好適にはパラ位およびメタ位である。
Zで表される縮合芳香族炭化水素は上記置換基を1つ又は2以上有していてもよく、2以上の置換基を有する場合には、それぞれの置換基は同一でも異なっていてもよい。
6員環構造をもつ複素環としては、ピリジン、ビピリジン、ピリミジン、トリアジン、が挙げられ、ピリジン、トリアジンが好ましく、ピリジンがより好ましい。
特に、Zで表される置換若しくは未置換の1価の芳香族複素環としては、成膜性、合成の容易性の観点からチオフェンが好ましい。
Zで表される「芳香族複素環を含む芳香族基」が置換基を有する場合、該置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、カルボニル基が挙げられ、アルキル基、アルコキシ基がより好ましい。
前記金属触媒としては、例えば、Pd、Cu、Ti,Sn,Ni又はPt等が用いられる。
前記金属錯体触媒としては、例えば、テトラ(トリフエ二ルホスフイン)パラジウム(Pd(P(C6H5)3)4)、ジアセトキシパラジウム(Pd(OCOCH3)2)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pd2(dba)3)、ジ(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(Pd(P(C6H5)3)2Cl2)、ジクロロ(1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセニルパラジウム(Pd(dppf)2Cl2)、Pd/C、又はニッケルアセチルアセトネート(Ni(acac)2)等が用いられる。
前記塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸カリウム(K2CO3)、炭酸セシウム(Cs2CO3)、又は水酸化バリウム(Ba(OH)2)などの無機塩基や、トリエチルアミン(N(C2H5)3)、ジイソプロピルアミン(NH((CH3)2CH)2)、ジエチルアミン(NH(C2H5)2、)、ジメチルアミン(NH(CH3)2)、トリメチルアミン(N(CH3)3)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、N,N−ジメチル-4-アミノピリジン(DMAP)、又はピリジンなどの有機塩基が用いられる。
有機ホスフィン配位子などの助触媒としては、例えば、トリフェニルホスフィン(PPh3)、トリ−o−トリルホスフィン(P(o−CH3C6H4)3)、トリブチルホスフィン(P(C(CH3)3)3)、トリエチルホスフィン(P(C2H5)3)等が用いられる。
反応温度は、20℃〜300℃の範囲で実施され、好ましくは50℃〜180℃の範囲である。反応時間は反応条件により異なるが、数分〜20時間の範囲から選択すればよい。
塩基の使用量は、一般式(III)で表される化合物に対して、0.5モル%以上4.0モル%以下の範囲であり、より好ましくは1.0モル%以上2.5モル%以下の範囲である。
本実施形態の有機電界発光素子は、少なくとも一方が透明である陽極及び陰極よりなる一対の電極と、該一対の電極間に挟まれ且つ1つ以上の層で構成される有機化合物層と、を有し、前記有機化合物層を構成する少なくとも一層が、前記一般式(I)で表される化合物を1種以上含有する。
具体的な有機化合物層の構成としては、下記(1)〜(3)が挙げられる。
(2)少なくとも1層の発光層と、正孔輸送層及び正孔注入層の少なくとも1層と、を含む層構成。
(3)少なくとも1層の発光層と、正孔輸送層及び正孔注入層の少なくとも1層と、電子輸送層及び電子注入層の少なくとも1層と、を含む層構成。
図1〜図4は、本実施形態の有機電界発光素子の層構成を説明するための模式的断面図である。図1、図2、図3の場合は、有機化合物層が複数層で構成される場合の一例であり、図4の場合は、有機化合物層が1層で構成される場合の一例である。なお、図1〜図4において、同一の機能を有するものは同じ符号を付して説明する。
なお、符号5で示される層は、電子輸送層及び電子注入層で構成されていてもよく、その場合には、発光層4側から背面電極7側へ、電子輸送層、電子注入層、の順に積層される。
なお、符号3で示される層は、正孔輸送層及び正孔注入層で構成されていてもよく、その場合には、透明電極2側から背面電極7側へ、正孔注入層、正孔輸送層、の順に積層される。
また、符号5で示される層は、電子輸送層及び電子注入層で構成されていてもよく、その場合には、発光層4側から背面電極7側へ、電子輸送層、電子注入層、の順に積層される。
なお、符号3で示される層は、正孔輸送層及び正孔注入層で構成されていてもよく、その場合には、透明電極2側から背面電極7側へ、正孔注入層、正孔輸送層、の順に積層される。
また、トップエミッション構造や陰極・陽極共に透明電極を用いて透過型にする場合、さらには図1〜図4の層構成を複数段積重ねた構造とすることもある。
以下、各々を詳しく説明する。
例えば、図1に示される有機電界発光素子の層構成の場合、前記一般式(I)で表される化合物は、発光層4、電子輸送層又は電子注入層5のいずれに含有されてもよく、発光層4、電子輸送層又は電子注入層5としていずれも作用する。
また、図2に示される有機電界発光素子の層構成の場合、正孔輸送層又は正孔注入層3、発光層4、及び電子輸送層又は電子注入層5のいずれに含有されてもよく、正孔輸送層又は正孔注入層3、発光層4、及び電子輸送層又は電子注入層5としていずれも作用する。
図3に示される有機電界発光素子の層構成の場合、正孔輸送層又は正孔注入層3、及び発光層4のいずれに含有されてもよく、正孔輸送層又は正孔注入層3、及び発光層4としていずれも作用する。
更に、図4に示される有機電界発光素子の層構成の場合、電荷輸送能を持つ発光層6に含有され、電荷輸送能を持つ発光層6として作用する。
なお、上記透明とは、可視領域の光の透過率が10%以上であることを意味し、更に透過率が75%以上であることが好ましい。以下これに準ずる。
また、透明絶縁体基板に準じて、透明電極2における可視領域の光の透過率が10%以上で、更に透過率が75%以上であることが好ましい。
また、正孔輸送層が複数層で構成される有機電界発光素子であってもよく、前記一般式(I)で表される化合物単独で形成される層と、他の正孔輸送材料で形成される層とを積層させてもよい。
これらの中では、非晶性及び可視光の透過率の観点から、テトラフェニレンジアミン誘導体(例えば、α‐NPD(N,N’−ジ−α−ナフチル−N,N’−ジフェニル)−ベンジジン)など)、スピロフルオレン誘導体、又はトリフェニルアミン誘導体が好ましい。
好ましい芳香族三級アミン化合物の高分子としては、下記一般式(III−1)又は(III−2)で示される高分子化合物が挙げられる。
また、前記一般式(I)で表される化合物単独で形成される層と、他の電子輸送材料で形成される層とを積層させてもよい。
前記電子輸送材料として、オキサジアゾール誘導体、ニトロ置換フルオレノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、シロール誘導体、キレート型有機金属錯体、多核若しくは縮合芳香環化合物、ペリレン誘導体、トリアゾール誘導体、又はフルオレニリデンメタン誘導体等が挙げられる。
更に、前記一般式(I)で表される化合物単独で形成される層と、他の正孔輸送材料で形成される層と、他の電子輸送材料で形成される層とを積層させてもよい。
発光材料として好適な具体例は、下記の化合物(X−1)〜(X−17)を挙げられるが、これらに限定されたものではない。
前記蛍光発光材料のドーピングの割合としては、対象となる層を構成する材料全体に対して0.001質量%以上40質量%以下、好適には0.01質量%以上10質量%以下である。
このドーピングに用いられる蛍光発光材料としては、前記発光材料との相容性が良く、かつ発光層の良好な薄膜形成を妨げない有機化合物が用いられ、好適にはクマリン誘導体、DCM誘導体、キナクリドン誘導体、ペリミドン誘導体、ベンゾピラン誘導体、ローダミン誘導体、ベンゾチオキサンテン誘導体、ルブレン誘導体、ポルフィリン誘導体、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスニウム、イリジウム、又は白金若しくは金などの金属錯体化合物等が用いられる。
周期表7〜11族から選ばれる遷移金属原子としては、特に限定されないが、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、金又は白金が挙げられ、より好ましくは、レニウム、イリジウム、又は白金である。
錯体の配位子としては、例えば、G.Wilkinson等著,Comprehensive Coordination Chemistry, Pergamon Press社1987年発行、H.Yersin著,「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」 Springer-Verlag社1987年発行、山本明夫著「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社1982年発行等に記載の配位子などが挙げられる。
具体的な配位子としては、ハロゲン配位子、含窒素ヘテロ環配位子(例えば、フェニルピリジン、ベンゾキノリン、キノリノール、ビピリジル、フェナントロリン等)、ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトン等)、カルボン酸配位子(例えば、酢酸配位子等)、一酸化炭素配位子、イソニトリル配位子、又はシアノ配位子であり、より好ましくは、含窒素ヘテロ環配位子である。上記錯体は、化合物中に遷移金属原子を一つ有してもよい。また、2つ以上有する複核錯体であってもよい。異種の金属原子を併用してもよい。
更に、前記一般式(I)で表される化合物が発光特性も兼ね備えたものである場合、発光層4における発光材料として、前記一般式(I)で表される化合物を用いてもよく、その場合、電気特性及び発光特性をさらに改善する等の目的で、前記一般式(I)で表される化合物以外の電荷輸送性材料を1質量%以上50質量%以下の範囲で混合分散して形成させてもよい。
前記金属としてはマグネシウム、アルミニウム、金、銀、インジウム、リチウム、カルシウムおよびこれらの合金が挙げられる。前記金属酸化物としては、酸化リチウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化スズインジウム、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化インジウム亜鉛等が挙げられる。また、前記金属フッ化物としては、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウムが挙げられる。
保護層の形成には、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ重合法、CVD法、コーティング法が適用される。
なお、正孔輸送層又は正孔注入層3、発光層4、電子輸送層又は電子注入層5、及び電荷輸送能を持つ発光層6は、上記各材料を真空蒸着法、若しくは、適切な有機溶媒に溶解或いは分散し、得られた塗布液を用いて、前記透明電極上にスピンコーティング法、キャスト法、ディップ法、インクジェット法等により形成される。
特に、図2に示す構成の有機電界発光素子では、層構成により機能が分担されエネルギー効率が向上する。
上記各材料(前記非共役系高分子、発光材料等)の分散状態は分子分散状態でも微結晶などの粒子状態でも構わない。塗布液を用いた成膜法の場合、分子分散状態とするために分散溶媒は上記各材料の分散性及び溶解性を考慮して選択する必要がある。粒子状に分散するためには、ボールミル、サンドミル、ペイントシェイカー、アトライター、ホモジナイザー、超音波法等が利用される。
また、図3に示す有機電界発光素子の場合には発光層4の上に、図4に示す有機電界発光素子の場合には電荷輸送能を持つ発光層6の上に、背面電極7を真空蒸着法、スパッタリング法等により形成することにより本実施形態の有機電界発光素子が得られる。
本実施形態の表示媒体は、前記本実施形態の有機電界発光素子を、マトリクス状及びセグメント状の少なくともいずれかに配置し、有機電界発光素子を駆動する駆動手段を備える。
表示媒体として具体的には例えば、図1〜4に示すように、有機電界発光素子の一対の電極(透明電極2、背面電極7)に連結され、当該一対の電極間に直流電圧を印加するための電圧印加装置9を、駆動手段として備えたものが挙げられる。
電圧印加装置9を用いた有機電界発光素子の駆動方法としては、例えば、一対の電極間に、4V以上20V以下で、電流密度1mA/cm2以上200mA/cm2以下の直流電圧を印加することによって有機電界発光素子を発光させる。
本実施形態において有機電界発光素子をマトリクス状に配置する場合、電極のみをマトリクス状に配置する態様であってもよいし、電極及び有機化合物層の両方をマトリクス状に配置する態様であってもよい。
また、本実施形態において有機電界発光素子をセグメント状に配置する場合、電極のみをセグメント状に配置する態様であってもよいし、電極及び有機化合物層の両方をセグメント状に配置する態様であってもよい。
前記マトリクス状又はセグメント状の有機化合物層は、例えば前述したインクジェット法を用いることにより容易に形成される。
表示媒体の駆動方式としては、例えば、複数の行電極及び列電極を配し、行電極を走査駆動しながら各行電極に対応する画像情報に応じて列電極を一括して駆動させる単純マトリクス駆動や、画素毎に配された画素電極によるアクティブマトリックス駆動等が利用される。
1H−NMRスペクトル(1H−NMR、溶媒:CDCl3、VARIAN株式会社製、UNITY−300、300MHz)と、
IRスペクトル(KBr法にてフーリェ変換赤外分光光度計(株式会社 堀場製作所、FT−730、分解能4cm−1)を用いた。
[化合物の製造]
8.06gのフェノチアジン、11.32gの1−ブロモ−4−ヨードベンゼン、1.00gの硫酸銅五水和物、9.4gの炭酸カリウム、40mlのo−ジクロロベンゼン(o−DCB)を100ml二口フラスコに入れ、窒素雰囲気下180℃で6時間加熱した。
反応終了後、トルエンを加え濾過した。ロータリーエバポレーターにて濾液の溶媒を留去して、粗生成物を得た。これをカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:ヘキサン=2:5(体積比))にて精製し、エタノールとヘキサンの混合溶媒(エタノール:ヘキサン=1:1(体積比))で再結晶し、10−(4−ブロモフェニル)−10H−フェノチアジンを3.2g得た。
反応終了後、5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、さらにクロロホルムを加えて純水で洗浄し,硫酸ナトリウムで乾燥させた。これをカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9(体積比))にて精製し,ヘキサンと酢酸エチルとの混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=1:1(体積比))から再結晶し、フェノチアジンアシル化合物(TFA)1.13gを得た。
反応終了後、10質量%水酸化ナトリウム水溶液を加えて塩基性にし、酢酸エチルを加えて混合溶液を純水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製を行い、10−(4−ブロモフェニル)−3,7−ジヘキシル−10H−フェノチアジン0.87gを得た。
反応終了後、反応溶液を濾過し純水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。これをカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:ヘキサン=1:9(体積比))にて精製を行い、10−(4−(5−クロロチオフェン−2−イル)フェニル)−3,7−ジヘキシル−10H−フェノチアジン0.705gを得た。
その後、6mlのDMFに溶解した10−(4−(5−クロロチオフェン−2−イル)フェニル)−3,7−ジヘキシル−10H−フェノチアジンの0.672gを加えて、さらに50℃で3時間加熱した。
反応終了後、純水に反応溶液を入れ撹拌した。濾過し、5質量%EDTA水溶液及び純水で洗浄し、乾燥して粗生成物を得た。粗生成物を酢酸エチルとヘキサンとの混合溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:1(体積比))から再結晶を行い、一般式(I)で表される具体例化合物9を0.305g得た。
透明絶縁基板(25mm×25mm、厚み0.7mmの無アルカリガラス基板)上に形成されたITO(三容真空社製)を短冊状のフォトマスクを用いてフォトリソグラフィによりパターニングし、さらにエッチング処理することにより短冊状のITO電極(幅2mm)を形成した。
次に、このITOガラス基板を中性洗剤、超純水、アセトン(電子工業用、関東化学製)及びイソプロパノール(電子工業用、関東化学製)で超音波を各5分間加えて洗浄した後、スピンコーターで乾燥さ、紫外線オゾン洗浄を行った。
正孔輸送層の上に、発光層として、前記具体例化合物(X−1)と前記具体例化合物9を共に用い、8:92の比率(質量比)で35nm蒸着し、この上に前記具体例化合物(X−1)を30nm蒸着した。
更に、この発光層の上に、続いて短冊状の穴が設けられている金属性マスクを用いて、フッ化リチウムを1nm蒸着した後、アルミニウム100nmを蒸着し、背面電極をITO電極と交差するように形成した。
形成された有機電界発光素子の有効面積は0.04cm2であった。
−発光特性−
以上のように作製した有機電界発光素子を、ITO電極側をプラス、アルミニウム(Al)電極をマイナスとして直流電圧を印加し、直流駆動方式(DC駆動)で初期輝度を500cd/m2とした時の駆動電流密度により発光特性を調べた。
また、発光寿命の評価は、乾燥空気中室温(25℃)において直流駆動方式(DC駆動)で初期輝度を500cd/m2とし、後述の比較例1の素子の輝度(初期輝度L0:500cd/m2)が輝度L/初期輝度L0=0.5となった時点の駆動時間を1.0とした場合の相対時間、及び、素子の輝度が輝度L/初期輝度L0=0.5となった時点での電圧上昇分(=電圧/初期駆動電圧)により評価した。結果を表1に示す。
[化合物の製造]
50ml二口フラスコに、フェノチアジン(0.920g)、2−クロロ−5−(4−ヨードフェニル)チオフェン(1.34g)、硫酸銅五水和物(0.122g)、炭酸カリウム(0.930g)、o−ジクロロベンゼン(5ml)を入れ、窒素雰囲気下180℃で13時間加熱した。
反応終了後、トルエンを加え濾過し、これをカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:ヘキサン=1:4)及びエタノールとクロロホルムとの混合溶媒(エタノール:クロロホルム=1:1(体積比))から再結晶を行い、10-(4-(5-クロロチオフェン−2−イル)フェニル)−10H−フェノチアジンを0.785g得た。
反応終了、純水で洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥させた。これをカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:ヘキサン=1:5(体積比))及びヘキサンとクロロホルムとの混合溶媒(ヘキサン:クロロホルム=1:1(体積比))から再結晶を行い、3,7−ジブロモ−10−(4−(5−クロロチオフェン−2−イル)フェニル)−10H−フェノチアジン0.525gを得た。
反応終了後,反応溶液を吸引濾過し、純水で洗浄し塩化カルシウムで乾燥させた。これをエタノールとクロロホルムとの混合溶媒(エタノール:クロロホルム=1:1(体積比))から再結晶し、10−(4−(5−クロロチオフェン−2−イル)フェニル−3,7−ビス(5−ヘキシルチオフェン−2−イル)−10H−フェノチアジン0.481gを得た。
反応終了後、純水を加え撹拌した。その後、吸引濾過を行い,5質量%EDTA水溶液及び純水で洗浄して乾燥し、粗生成物を得た。これを酢酸エチルとヘキサンとの混合溶媒(酢酸エチル:ヘキサン=1:1(体積比))で再結晶を行い、一般式(I)で表される具体例化合物23を0.296g得た。
実施例1の前記具体例化合物9の代わりに、前記具体例化合物23を用い、実施例1と同様に素子の評価を行なった。結果を表1に示す。
[化合物の製造]
窒素雰囲気下で100mlフラスコに、6mlのトルエンに溶解させた0.174gのテトラ(トリフェニルホスフィン)パラジウムを入れ、1.78gの10−(4−ブロモフェニル)−10H−フェノチアジン(実施例1の中間生成物)、6mlのトルエン、12mlの1M炭酸水素ナトリウム水溶液、6mlのエタノール、1.26gの2−クロロチオフェンボロン酸、の順に加え、12時間還流した。
反応終了後、反応溶液を濾過し、純水で洗浄して硫酸ナトリウムで乾燥させた。これをカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9(体積比))にて精製し、酢酸エチルで再結晶し、10−(4−(5−クロロチオフェン−2−イル)フェニル)−10H−フェノチアジン0.727gを得た。
その後、上記得られた10−(4−(5−クロロチオフェン−2−イル)フェニル)−10H−フェノチアジンの0.706gを加えて、更に50℃で4時間加熱した。
反応終了後、純水に反応溶液を入れ撹拌し、濾過を行い、粗生成物を得た。これをヘキサンでソックスレーにて精製を行い、前記具体例化合物3を0.263g得た。
実施例1の前記表示化合物9の代わりに、具体例化合物3を用い、実施例1と同様に素子評価した。結果を表1に示す。
実施例1の前記具体例化合物9の代わりに、下記化合物(VII)の4,4’−ビスカルバゾリルビフェニルを用い、実施例1と同様に素子の評価を行なった。結果を表1に示す。
2 透明電極
3 正孔輸送、正孔注入層
4 発光層
5 電子輸送、電子注入層
6 電荷輸送能を持つ発光層
7 背面電極
9 電圧印加装置
10 有機電界発光素子
Claims (3)
- 少なくとも一方が透明である陽極及び陰極よりなる一対の電極と、該一対の電極間に挟まれ、且つ1つ以上の層で構成される有機化合物層と、を有し、前記有機化合物層を構成する少なくとも1層が、下記一般式(I)で表される化合物を1種以上含有し、マトリックス状及びセグメント状の少なくとも一方で配列された有機電界発光素子と、
マトリックス状及びセグメント状の少なくとも一方で配列された前記有機電界発光素子を駆動する駆動手段と、を備えることを特徴とする表示媒体。
〔一般式(I)中、Zは、各々独立に、水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、置換若しくは未置換の1価の芳香族基、又は芳香族複素環を含む置換若しくは未置換の芳香環数2〜10の1価の芳香族基を表し、nは1〜3の整数を表す。〕
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