JP2009203398A - 2液型ウレタン樹脂組成物 - Google Patents
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Description
で表されるイソシアネート化合物(A)と、複数のイソシアネート反応性基を有する化合物(B)と、下記式(2)
で表される酸性リン酸エステルとアミン化合物との塩(C)からなる2液型ウレタン樹脂組成物を提供する。
で表される芳香族ポリイソシアネート化合物が好ましく、なかでも、下記式(4)
で表されるポリフェニルイソシアネート化合物が好ましく、特に、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物から得られる、末端にイソシアネート基を2個以上有するウレタンプレポリマーが好ましい。
で表されるポリオール化合物(B1)が好ましく、なかでも、下記式(5)
で表されるポリオール化合物(B1)及び下記式(6)
で表されるケチミン化合物(B2)が好ましい。
本発明におけるイソシアネート化合物(A)は、上記式(1)で表される。式中、R1は多価の有機基を示し、sは2以上の整数を示す。
複数のイソシアネート反応性基を有する化合物(B)としては、イソシアネート基との反応性を有する基を2個以上有する化合物であればよく、複数のイソシアネート反応性基を有する化合物としては、例えば、ポリオール化合物、ケチミン化合物、1級アミン、2級アミン、チオール等を挙げることができる。本発明における複数のイソシアネート反応性基を有する化合物(B)としては、なかでも、上記式(5)で表されるポリオール化合物(B1)を使用することが好ましい。複数のイソシアネート反応性基を有する化合物(B)としてポリオール化合物(B1)を使用すると、触媒として使用する酸性リン酸エステルとアミン化合物との塩(C)によりイソシアネート化合物(A)との反応が著しく促進されるため、得られる硬化物に優れた強靱性を付与することができる。
本発明における複数のイソシアネート反応性基を有する化合物(B)としてのポリオール化合物(B1)は、上記式(5)で表される。式(5)中、R4は多価の有機基を示し、uは2以上の整数を示す。
本発明における複数のイソシアネート反応性基を有する化合物(B)としてのケチミン化合物(B2)は、上記式(6)で表される。式(6)中、R5は多価の有機基を示し、R6、R7は、同一又は異なって水素原子又は有機基を示し、R8は有機基を示し、vは2以上の整数を示す。R6、R7、R8のうち少なくとも2つの基は互いに結合して、隣接する1又は2個の炭素原子とともに環を形成していてもよい。
で表される1級アミン化合物と、下記式(8)
で表されるケトン化合物とを反応させて得ることができ、前記1級アミン化合物のケチミン化率が80%以上であることが好ましい。ケチミン化率が80%を下回ると、ケチミン化合物の異性体であるエナミン化合物や水酸基よりイソシアネート基に対する反応性が高い1級アミンが多く残存するため、可使時間が短くなり過ぎる傾向がある。
式(7)で表される1級アミン化合物において、R5は有機基を示し、上記式(6)中のR5に相当する。R5における有機基としては、上記R1における多価の有機基と同様の例を挙げることができる。また、前記式(7)中のvは2以上の整数を示し、上記式(6)中のvに相当する。
式(8)で表されるケトン化合物において、R6、R7、R8は、それぞれ有機基を示し、上記式(6)中のR6、R7、R8に相当する。R6、R7、R8のうち少なくとも2つの基は互いに結合して、隣接する1又は2個の炭素原子とともに環を形成していてもよい。
本発明における酸性リン酸エステルとアミン化合物との塩(C)は、上記式(2)で表される酸性リン酸エステルと、有機アミン化合物との塩である。式(2)中、R2は有機基を示し、tは1又は2を示す。
本発明に係る2液型ウレタン樹脂組成物は、上記イソシアネート化合物(A)、複数のイソシアネート反応性基を有する化合物(B)及び酸性リン酸エステルとアミン化合物との塩(C)からなることを特徴とする。イソシアネート化合物(A)と複数のイソシアネート反応性基を有する化合物(B)の配合割合[前者:後者(モル比)]としては、A/B=0.5〜1.2程度、好ましくは0.8〜1.0程度である。上記値が0.5を下回ると、物性が低下する傾向があり、一方、上記値が1.2を上回ると、発泡しやすくなる傾向がある。なお、複数のイソシアネート反応性基を有する化合物(B)として、2種以上の化合物を使用する場合、Bは使用する複数のイソシアネート反応性基を有する化合物(B)の総モル数である。例えば、複数のイソシアネート反応性基を有する化合物(B)としてポリオール化合物(B1)及びケチミン化合物(B2)を使用する場合、上記式中、Bは、(B1+B2)である。
[イソシアネート化合物]
(1)ポリフェニルイソシアネート(商品名「スミジュール44V20」、住化バイエルウレタン社製;「44V20」と称する場合がある)
(2)ウレタンプレポリマー(下記調製法により得られたウレタンプレポリマーを使用した。「ウレタンプレポリマーA」と称する場合がある)
(1)ヒマシ油系ポリオール(商品名「TLM」、豊国製油社製、数平均分子量:約900、平均官能基数:2.7、水酸基価:168.3mg−KOH/g;「TLM」と称する場合がある)
(2)ポリテトラメチレングリコール(商品名「PTMG2000」、三菱化学(株)社製、重量平均分子量:2000、水酸基価:57.2mg−KOH/g;「PTMG」と称する場合がある)
(1)ケチミン化合物1(下記調製法により得られたケチミン化合物を使用した。「1,3−DEK型ケチミン」と称する場合がある)
(1)ジエチルリン酸エステル(「Et−P−1」と称する場合がある)
(2)ジエチルリン酸エステル+エチルリン酸エステル(「Et−P−2」と称する場合がある)
(3)ジブチルリン酸エステル(「Bu−P」と称する場合がある)
(4)イソデシルリン酸エステル+ジイソデシルリン酸エステル(商品名「AP−10」、大八化学(株)製;「AP−10」と称する場合がある)
(1)トリエチルアミン(「TEA」と称する場合がある)
(2)ジアザビシクロウンデセン(「DBU」と称する場合がある)
(1)スズ系触媒(商品名「スタンBL」、三共有機社製、;「スタンBL」と称する場合がある)
TLM40gと、ポリイソシアネート(商品名「スミジュールG412」、住化バイエルウレタン社製)60gを室温(23℃)で混合し、50℃で3時間撹拌して、ウレタンプレポリマーA(Mw:800、NCO:15%)を得た。
1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(商品名「1,3−BAC」、三菱ガス化学(株)製)1モル、及び、ジエチルケトン(DEK)4モルをフラスコに入れ、生成する水をディーンスタークトラップで除去しながら、ジエチルケトン(DEK)が還流する温度(120〜150℃)で12時間還流して反応を行った後、ガスクロマトグラフィーで反応が終了していることを確認し、エバポレータを用いて減圧蒸留によりジエチルケトン(DEK)を除去して、ケチミン化合物1(1,3−DEK型ケチミン)を得た。1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンを基準としたケチミン化率は95%以上であった。
ケチミン化合物を含む反応混合物を、トルエンに溶解させて、ガスクロマトグラフィー測定法により、1級アミノ基を有していないケチミン化合物のピーク面積と、原料となる1級アミン化合物の1級アミノ基n個のうちx個がケチミン化した化合物のピーク面積Aと、ピーク面積の総和を求め、1級アミン化合物のケチミン化率(質量%)を次の数式(1)を利用して算出する。
(ガスクロマトグラフィーの測定条件)
測定方法:FID法
カラム温度:80℃で1分間の後、10℃/minの温度上昇比率で温度を280℃まで上昇させ、280℃で1分間の条件
温度:280℃(Injection)、280℃(Detector)
キャリアガス:ヘリウム(He)(流量:30ml/min)、水素(流量:30ml/min)、空気(流量:400ml/min)
表1〜3に示す各成分を混合し、ウレタン樹脂組成物を得た。
実施例及び比較例において得られたウレタン樹脂組成物(総量40g)について、23℃に温度調整した断熱容器中で混合し、その直後より、温度計で該断熱容器中の温度変化を測定し、混合してから最高温度に達するまでに要した時間(分)を可使時間とした。
実施例及び比較例において得られたウレタン樹脂組成物(総量40g)について、23℃に温度調整した断熱容器中で混合し、その直後より、温度計で該断熱容器中の温度変化を測定し、到達した最高温度(℃)の高低を比較することにより、硬化反応率を比較した。
実施例及び比較例において得られたウレタン樹脂組成物(総量40g)を、厚さ1mmになるように合板上に塗布し、24時間、室温23℃、50%RHで静置して硬化物を得た。得られた硬化物を目視で観察し、発泡の有無を下記基準に従って評価した。
評価基準
発泡が全く見られなかった:○
発泡がわずかに見られた:△
発泡が多数見られた:×
Claims (9)
- イソシアネート化合物(A)が、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物から得られる、末端にイソシアネート基を2個以上有するウレタンプレポリマーである請求項1〜3の何れかの項に記載の2液型ウレタン樹脂組成物。
- ポリオール化合物(B1)がポリプロピレングリコール骨格を有しないポリオール化合物である請求項5又は6に記載の2液型ウレタン樹脂組成物。
- ケチミン化合物(B2)が、アミンとジエチルケトンとを反応させて得られるケチミン化合物である請求項6に記載の2液型ウレタン樹脂組成物。
- 酸性リン酸エステルとアミン化合物との塩(C)が、酸性リン酸エステルとアミン化合物を1:1〜1:0.2(モル比)の割合で反応させて得られる塩である請求項1〜8の何れかの項に記載の2液型ウレタン樹脂組成物。
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