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JP2009287269A - 物体移動装置 - Google Patents

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JP2009287269A JP2008140434A JP2008140434A JP2009287269A JP 2009287269 A JP2009287269 A JP 2009287269A JP 2008140434 A JP2008140434 A JP 2008140434A JP 2008140434 A JP2008140434 A JP 2008140434A JP 2009287269 A JP2009287269 A JP 2009287269A
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隆 神林
Atsuichi Omoto
充一 大本
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圭 阿久根
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Hiroyuki Shinozuka
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Abstract

【課題】無線通信のみによる台車相互間でのリアルタイムの情報交換を行うようにした協働搬送とは異なり、車両等の物体を落としたり、傷つけたりする心配がなく、更に、複雑な協調制御を不要とし、高性能なCPUや力センサ等を搭載する必要をなくしてコストダウンを図りつつ、車両等の物体を確実に且つより安定して移動させ得る物体移動装置を提供する。
【解決手段】走行駆動装置1により全方向に自走可能な台車本体2と、台車本体2に連結機構3を介して取り付けられ且つ車両4をリフトアップするリフター5とを有し、与えられた目標軌道に沿って移動可能なリーダ台車Aと、
該リーダ台車Aと共に車両4をリフトアップした際に走行状態切換手段50にて台車本体2を追従走行状態に切り換えることにより、リーダ台車Aの動きに追従するフォロワ台車Bと
を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、物体移動装置に関するものである。
従来、任意の位置に停車した車両を駐車施設における所定位置に搬送できるようにした入出車装置の一般的技術水準を示すものとしては、例えば、特許文献1がある。
特許文献1に示される装置は、それぞれ車両支持機構及び走行機構を備える左側搬送台車と右側搬送台車とからなり、該左側搬送台車と右側搬送台車とがそれぞれ独立して移動しつつ、協働して車両を支持し、搬送するようになっている。
前記左側搬送台車と右側搬送台車は、無線通信によってリアルタイムに情報交換を行うことにより、協働している。
特開2004−169451号公報
しかしながら、前述の如く、無線通信による台車相互間でのリアルタイムの情報交換に基づいて前記左側搬送台車と右側搬送台車とを協働させるのでは、通信障害で情報が途切れたり遅れたりすることもあり、前記左側搬送台車と右側搬送台車とを協働させるために必要な情報をリアルタイムに安定して得ることが難しかった。又、情報が安定して得られなかった場合、搬送される車両等の物体に必要以上の内力が加わることとなり、最悪の場合、物体を落としたり、傷つけたりする可能性があった。
このため、本発明者等は、無線通信のみによる台車相互間でのリアルタイムの情報交換を行うようにした協働搬送とは異なり、車両等の物体を落としたり、傷つけたりする心配がなく、複数の台車を協調制御により作動させることで、車両等の物体を確実に且つより安定して移動させ得る物体移動装置を提案している。
前記物体移動装置は、複数の台車を協調制御により作動させるという非常に高度で優れた機能を有するものである反面、協調制御のアルゴリズムを高速で処理しなければならないため、高性能なCPUを搭載して非常に複雑なソフトウェアを組み込む必要があると共に、複数の台車間で物体を介して相互に働く相互作用力を力情報として検出するロードセル等の力センサも搭載せざるを得ず、どうしてもコストアップが避けられない状況にあった。
本発明は、斯かる実情に鑑み、無線通信のみによる台車相互間でのリアルタイムの情報交換を行うようにした協働搬送とは異なり、車両等の物体を落としたり、傷つけたりする心配がなく、更に、複雑な協調制御を不要とし、高性能なCPUや力センサ等を搭載する必要をなくしてコストダウンを図りつつ、車両等の物体を確実に且つより安定して移動させ得る物体移動装置を提供しようとするものである。
本発明は、走行駆動装置により全方向に自走可能な台車本体と、該台車本体に連結機構を介して取り付けられ且つ物体をリフトアップするリフターとを有し、与えられた目標軌道に沿って移動可能なリーダ台車と、
走行駆動装置により全方向に自走可能な台車本体と、該台車本体に連結機構を介して取り付けられ且つ物体をリフトアップするリフターと、前記台車本体を自走可能状態と追従走行状態とに切り換える走行状態切換手段とを有し、前記リーダ台車と共に物体をリフトアップした際に前記走行状態切換手段にて台車本体を追従走行状態に切り換えることにより、前記リーダ台車の動きに追従するフォロワ台車と
を備えたことを特徴とする物体移動装置にかかるものである。
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
前述の如く構成すると、リーダ台車とフォロワ台車がそれぞれ走行駆動装置により車両等の物体の位置まで走行し、該リーダ台車のリフターとフォロワ台車のリフターにより車両等の物体をリフトアップした状態で、リーダ台車が与えられた目標軌道に沿って移動していく際、フォロワ台車は、走行状態切換手段にて台車本体が自走可能状態から追従走行状態に切り換えられ、前記リーダ台車の動きに完全に従う形となり、これにより、前記リーダ台車とフォロワ台車にて車両等の物体を確実に且つより安定して移動させることが可能となり、無線通信による台車相互間でのリアルタイムの情報交換に基づく制御方法のように、通信障害で情報が途切れたり遅れたりすることで、車両等の物体を落としたり、傷つけたりする心配もない。
しかも、本発明の物体移動装置は、複数の台車を協調制御により作動させるという非常に高度で優れた機能を有するものではなく、制御アルゴリズムを高速で処理する必要もないため、高性能なCPUを搭載して非常に複雑なソフトウェアを組み込まなくて済むと共に、複数の台車間で物体を介して相互に働く相互作用力を力情報として検出するロードセル等の力センサも搭載しなくて済み、コストアップが避けられる。
前記物体移動装置においては、前記走行状態切換手段を、前記走行駆動装置の走行車輪を接地させる接地状態と該走行車輪を地上から浮かせる引込状態との間で昇降させる昇降機構とし、該昇降機構にて走行車輪を引込状態とした際、前記台車本体の台車フレームに配設した全方向移動可能な接地支持輪と、前記リフターに配設した全方向移動可能な接地支持輪とにより台車本体を支持するよう構成することができる。
本発明の物体移動装置によれば、無線通信のみによる台車相互間でのリアルタイムの情報交換を行うようにした協働搬送とは異なり、車両等の物体を落としたり、傷つけたりする心配がなく、更に、複雑な協調制御を不要とし、高性能なCPUや力センサ等を搭載する必要をなくしてコストダウンを図りつつ、車両等の物体を確実に且つより安定して移動させ得るという優れた効果を奏し得る。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1〜図14は本発明を実施する形態の一例であって、
走行駆動装置1により全方向に自走可能な台車本体2と、該台車本体2に連結機構3を介して取り付けられ且つ物体としての車両4の幅方向一方の側に位置して該車両4をリフトアップするリフター5とを有し、与えられた目標軌道に沿って移動可能なリーダ台車Aと、
走行駆動装置1により全方向に自走可能な台車本体2と、該台車本体2に連結機構3を介して取り付けられ且つ前記車両4の幅方向他方の側に位置して該車両4をリフトアップするリフター5と、前記台車本体2を自走可能状態と追従走行状態とに切り換える走行状態切換手段50とを有し、前記リーダ台車Aと共に前記車両4をリフトアップした際に前記走行状態切換手段50にて台車本体2を追従走行状態に切り換えることにより、前記リーダ台車Aの動きに追従するフォロワ台車Bと
を備えて物体移動装置を構成したものである。
前記台車本体2は、図1〜図5に示す如く、細長い直方体形状に組み立てられた台車フレーム2aの両端部に、図6〜図8に示す如く、走行駆動装置1として走行車輪6を走行モータ7(走行アクチュエータ)の作動により水平な車軸8を中心に回転可能に且つ操舵モータ9(走行アクチュエータ)の作動により鉛直軸10を中心に旋回可能に配設し、更に、前記台車フレーム2aの走行車輪6近傍における複数所要箇所(図の例では四箇所)に全方向移動可能な接地支持輪26を配設してなる構成を有している。尚、前記走行モータ7には、軌道センサとしての走行エンコーダ11が取り付けられ、前記操舵モータ9には、軌道センサとしての操舵エンコーダ12が一体に組み込まれ、台車本体2の実際の軌道情報を検出できるようにしてある。
前記走行状態切換手段50は、前記走行駆動装置1の走行車輪6を接地させる接地状態(図7参照)と該走行車輪6を地上から浮かせる引込状態(図8参照)との間で昇降させる昇降機構51とし、該昇降機構51にて走行車輪6を引込状態とした際、前記台車フレーム2aに配設した全方向移動可能な接地支持輪26と、前記リフター5に配設した後述する全方向移動可能な接地支持輪26とにより台車本体2を支持するよう構成してある。因みに、前記昇降機構51は、図7及び図8に示す如く、前記台車本体2の台車フレーム2aに、複数本のガイドロッド52を垂下せしめ、該ガイドロッド52に、前記走行駆動装置1のベースブラケット53を上下方向へスライド自在に取り付け、該ベースブラケット53上面と前記台車フレーム2a下面との間に、二節リンク機構54を水平方向へ所要間隔をあけて配設されるよう介装し、該二節リンク機構54の中間ジョイント部55間に、水平方向へ延びるシリンダ56を掛け渡すように設けてなる構成を有しており、該シリンダ56を伸縮させて前記二節リンク機構54を上下方向へ直線的に延びる状態と中間ジョイント部55で屈曲する状態とに切り換えることにより、前記走行駆動装置1を昇降させるようにしてある。尚、前記走行状態切換手段50は、基本的には、前記フォロワ台車Bにのみ装備すれば良いのであるが、例えば、前記リーダ台車Aとフォロワ台車Bとを、バッテリー残量を考慮しつつ適宜切り換えるような状況を想定し、前記リーダ台車Aにも走行状態切換手段50を装備し、両者を全く同一の構造にしても良いことは言うまでもない。
前記連結機構3は、図1及び図9に示す如く、ロッド14からなる連結部材15を、その一端がユニバーサルジョイント16により台車本体2側に連結され他端がユニバーサルジョイント16によりリフター5側に連結されるよう、同一水平面内に複数(図1の例では三個)配設してなるパラレルリンク機構17によって構成してある。この場合、前記台車本体2に対しリフター5は、図2に示す如く、水平面内におけるX−Y方向に移動する方向の2自由度と、該X−Y方向に対して直交するZ軸を中心として回転する方向の1自由度とを加えた平面3自由度が拘束され、且つX軸を中心として回転する方向の1自由度と、Y軸を中心として回転する方向の1自由度と、Z軸方向に移動する方向の1自由度とを加えた3自由度がフリーとなるよう、前記パラレルリンク機構17(図1及び図9参照)を介して配置される形となる。
前記リフター5は、図1〜図5及び図10に示す如く、前記車両4の各車輪4aを支持するための車輪浮上支持装置18を装備し、該車輪浮上支持装置18は、前記台車本体2に対し連結機構3を介して取り付けられるリフターフレーム5a内に、一対のラック用ガイドレール19を互いに平行に延びるよう固定配置すると共に、該ラック用ガイドレール19と平行に延びるよう駆動ユニット用ガイドレール20を固定配置し、一対のラック部材21を互いにそのラック部の形成面が上下に対向するよう前記ラック用ガイドレール19に沿ってスライド自在に配設し、エンコーダ等のリフトバー開閉センサ22が一体に設けられたモータ等のリフトバー開閉アクチュエータ23を前記駆動ユニット用ガイドレール20に沿ってスライド自在に配設し、該リフトバー開閉アクチュエータ23によって回転駆動される駆動ピニオン24を前記一対のラック部材21の互いに対向するラック部に対してその両方に噛合させ、外周に車輪支持ローラ25が回転自在に嵌装され且つ先端部と基端部に接地支持輪26が取り付けられたリフトバー27を、前記一対のラック部材21における一方のラック部材21の一端並びに他方のラック部材21の他端からそれぞれ該ラック部材21と直角な水平方向へ張り出させ、前記リフトバー開閉アクチュエータ23を駆動ユニット用ガイドレール20上の所望位置に保持するための自動調芯位置保持用固定装置28を配設してなる構成を有し、図12に示す如く、前記リフター5の車輪浮上支持装置18における一対のリフトバー27を前記車両4の各車輪4aの前後に配置して互いに近接させることにより、該車両4をリフトアップするよう構成してある。
前記リフトバー27の車輪支持ローラ25表面には、ローレット加工、或いは滑り止め塗料の塗装といった滑り止め加工を施すようにしてある。
前記接地支持輪26には、図11に示す如く、操舵を必要としない全方向移動車輪29としてのオムニホイール(登録商標)等のオムニ車輪30を用い、該オムニ車輪30は、ホイール本体30aの外周部にホイール軸30bに対して直角となる接線方向へ延びる複数(図11の例では三本)のローラ軸30cを配設し且つ該ローラ軸30cに樽状のローラ30dを回動自在に取り付けたホイールユニット30eをホイール軸30b方向へ複数列(図11の例では二列)並設してなる構成を有している。尚、一列目の三個のローラ30dと二列目の三個のローラ30dとは、位相を60度ずらして並べてあり、これにより、全体のホイール軸30b方向から見た場合には、六個のローラ30dが配設されているように見え、これら六個のローラ30dの外周を連ねるとほぼ円周が形成されるようになっている。尚、前記接地支持輪26については、一般的なキャスターによっても代用可能である。
前記自動調芯位置保持用固定装置28は、図1に示す如く、前記駆動ユニット用ガイドレール20と平行に延びるようリフトバー開閉アクチュエータ23と一体に設けたブレーキ板28aを、リフターフレーム5a内に固定配置したブレーキ用電磁ユニット28bで挟みつけることにより、前記リフトバー開閉アクチュエータ23を駆動ユニット用ガイドレール20上の所望位置に保持できるようにしてある。
一方、図13はリーダ台車Aの全体制御系統並びにフォロワ台車Bの全体制御系統を示すブロック図であり、前記リーダ台車Aに搭載されたリーダ制御部31には、前記台車本体2の走行駆動装置1における走行アクチュエータとしての操舵モータ9及び走行モータ7と、前記台車本体2の走行駆動装置1における軌道センサとしての操舵エンコーダ12及び走行エンコーダ11と、前記リフター5の車輪浮上支持装置18におけるリフトバー開閉アクチュエータ23及び自動調芯位置保持用固定装置28と、前記リフター5の車輪浮上支持装置18におけるリフトバー開閉センサ22と、前記フォロワ台車Bへ制御情報を送信するための無線通信装置39とを接続し、前記台車本体2の走行駆動装置1における軌道センサとしての操舵エンコーダ12及び走行エンコーダ11による検出信号とに基づいて、前記台車本体2の走行駆動装置1における走行アクチュエータとしての操舵モータ9及び走行モータ7に駆動信号を出力すると共に、前記無線通信装置39にてフォロワ台車Bへの制御情報を送信しつつ、前記リフター5の車輪浮上支持装置18におけるリフトバー開閉センサ22による検出信号に基づいて、前記リフター5の車輪浮上支持装置18におけるリフトバー開閉アクチュエータ23及び自動調芯位置保持用固定装置28に駆動信号を出力する一方、
前記フォロワ台車Bに搭載されたフォロワ制御部32には、前記台車本体2の走行駆動装置1における走行アクチュエータとしての操舵モータ9及び走行モータ7と、前記台車本体2の走行駆動装置1における軌道センサとしての操舵エンコーダ12及び走行エンコーダ11と、前記走行状態切換手段50としての昇降機構51のシリンダ56と、前記リフター5の車輪浮上支持装置18におけるリフトバー開閉アクチュエータ23及び自動調芯位置保持用固定装置28と、前記リフター5の車輪浮上支持装置18におけるリフトバー開閉センサ22と、前記リーダ台車Aからの制御情報を受信するための無線通信装置40とを接続し、前記台車本体2の走行駆動装置1における軌道センサとしての操舵エンコーダ12及び走行エンコーダ11による検出信号と、前記無線通信装置40で受信したリーダ台車Aからの制御情報とに基づいて、前記台車本体2の走行駆動装置1における走行アクチュエータとしての操舵モータ9及び走行モータ7に駆動信号を出力すると共に、前記リフター5の車輪浮上支持装置18におけるリフトバー開閉センサ22による検出信号に基づいて、前記リフター5の車輪浮上支持装置18におけるリフトバー開閉アクチュエータ23及び自動調芯位置保持用固定装置28に駆動信号を出力し、更に前記走行状態切換手段50としての昇降機構51のシリンダ56に駆動信号を出力するようにしてある。
次に、上記図示例の作用を説明する。
先ず、停車した車両4に対し、その幅方向一方の側にリーダ台車Aを走行させてリフター5の車輪浮上支持装置18のリフトバー27をそれぞれ車両4の幅方向一方の側における車輪4a(前輪)の前後並びに車輪4a(後輪)の前後に配置すると共に、前記車両4の幅方向他方の側に自走可能状態としてあるフォロワ台車Bを走行させてリフター5の車輪浮上支持装置18のリフトバー27をそれぞれ車両4の幅方向一方の側における車輪4a(前輪)の前後並びに車輪4a(後輪)の前後に配置する。
続いて、リーダ制御部31並びにフォロワ制御部32からの駆動信号により、自動調芯位置保持用固定装置28を解除した状態で、前記リフター5の車輪浮上支持装置18におけるリフトバー開閉アクチュエータ23を所望の方向へ回転駆動すると、図12(a)(a1)に示す状態から対を成すリフトバー27が互いに近接する方向へ移動していき、図12(b)(b1)に示す如く、リフトバー27上に車両4の車輪4aが載置される形となって、該車両4がリフトアップされる。
ここで、前記リフトバー開閉アクチュエータ23は駆動ユニット用ガイドレール20に沿ってスライド自在に配設してあるため、仮に、前記リフトバー27の近接動作において、図12(b2)に示す如く、先に車両4前後方向前側(図12では左側)のリフトバー27が車輪4aに接触した場合、後側(図12では右側)のリフトバー27が前側へ移行していく一方、逆に図12(b3)に示す如く、先に車両4前後方向後側のリフトバー27が車輪4aに接触した場合、前側のリフトバー27が後側へ移行していく形となり、車両4のホイールベースに影響されずに、前記リフトバー開閉アクチュエータ23が必ず車輪4aの前後方向中心部に位置して自動調芯されることとなる。前記車両4がリフトアップされた後には、リフターフレーム5a内に固定配置した自動調芯位置保持用固定装置28のブレーキ用電磁ユニット28bにより、駆動ユニット用ガイドレール20と平行に延びるようリフトバー開閉アクチュエータ23と一体に設けたブレーキ板28aを挟みつけることにより、前記リフトバー開閉アクチュエータ23が駆動ユニット用ガイドレール20上の所望位置に保持され、前記リフトバー27が固定される。
前記リーダ台車Aのリーダ制御部31には、目標軌道情報が予め入力されており、前記リーダ台車Aの台車本体2の走行アクチュエータとしての操舵モータ9及び走行モータ7へ電流指令値が出力されると共に、前記リーダ台車Aの無線通信装置39よりフォロワ台車Bへ制御情報が送信されつつ、リーダ台車Aの台車本体2が目標軌道に沿って移動していく。これと同時に、前記リーダ台車Aから無線通信装置39にて送信される制御情報がフォロワ台車Bの無線通信装置40で受信され、前記フォロワ制御部32からの駆動信号により、前記走行状態切換手段50としての昇降機構51のシリンダ56が図7に示す如く伸長した状態から図8に示す如く収縮し、これにより、前記走行駆動装置1の走行車輪6が接地状態(図7参照)から引込状態(図8参照)とされ、前記台車フレーム2aに配設した全方向移動可能な接地支持輪26と、前記リフター5に配設した全方向移動可能な接地支持輪26とにより前記フォロワ台車Bの台車本体2が支持され、該フォロワ台車Bの台車本体2が自走可能状態から追従走行状態に切り換えられ、前記リーダ台車Aの動きに完全に従う形で移動していく。
前記リーダ台車A及びフォロワ台車Bが目標地点に到達した際には、前述の操作と逆に、前記自動調芯位置保持用固定装置28が解除され、前記リフトバー27が互いに離反する方向へ駆動され、リフトバー27上に載置される形となっていた前記車両4が目的地点に下ろされ、この後、前記フォロワ制御部32からの駆動信号により、前記走行状態切換手段50としての昇降機構51のシリンダ56が図8に示す如く収縮した状態から図7に示す如く伸長し、これにより、前記走行駆動装置1の走行車輪6が引込状態(図8参照)から接地状態(図7参照)とされ、フォロワ台車Bの台車本体2が追従走行状態から自走可能状態に再び切り換えられ、前記リーダ台車A及びフォロワ台車Bが車両4の幅方向両側へ退避していく。
この結果、前記リーダ台車とフォロワ台車にて車両4を確実に且つ安定して移動させることが可能となり、無線通信による台車相互間でのリアルタイムの情報交換に基づく制御方法のように、通信障害で情報が途切れたり遅れたりすることで、車両4を落としたり、傷つけたりする心配もない。
しかも、本図示例の物体移動装置は、複数の台車を協調制御により作動させるという非常に高度で優れた機能を有するものではなく、制御アルゴリズムを高速で処理する必要もないため、高性能なCPUを搭載して非常に複雑なソフトウェアを組み込まなくて済むと共に、複数の台車間で車両4を介して相互に働く相互作用力を力情報として検出するロードセル等の力センサも搭載しなくて済み、コストアップが避けられる。
尚、リーダ台車Aとフォロワ台車Bとの間で車両4を介在させて搬送を行う際に、車両4の重量があまり重くない場合、前記リフトバー27の車輪支持ローラ25上で車両4の車輪4aが滑ってしまい、搬送に支障をきたす虞があるが、前記リフトバー27の車輪支持ローラ25表面には、ローレット加工、或いは滑り止め塗料の塗装といった滑り止め加工を施すようにしてあるため、仮に車両4が軽かったとしても、前記リフトバー27の車輪支持ローラ25上で車両4の車輪4aが滑ってしまうことが防止され、搬送に支障をきたす心配がない。
又、前記リーダ台車Aにも走行状態切換手段50を装備し、両者を全く同一の構造にした場合には、例えば、前記リーダ台車Aとフォロワ台車Bとを、バッテリー残量を考慮しつつ適宜切り換えることにより、該バッテリーの充電頻度を減らして、前記リーダ台車Aとフォロワ台車Bとのトータル的な稼働時間を延長させることが可能となる。
こうして、無線通信のみによる台車相互間でのリアルタイムの情報交換を行うようにした協働搬送とは異なり、車両4を落としたり、傷つけたりする心配がなく、更に、複雑な協調制御を不要とし、高性能なCPUや力センサ等を搭載する必要をなくしてコストダウンを図りつつ、車両4を確実に且つより安定して移動させ得る。
尚、本発明の物体移動装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明を実施する形態の一例を示す平面図である。 本発明を実施する形態の一例におけるリーダ台車(フォロワ台車)を示す斜視図である。 本発明を実施する形態の一例におけるリーダ台車(フォロワ台車)を示す正面図であって、図1のIII−III矢視相当図である。 本発明を実施する形態の一例におけるリーダ台車(フォロワ台車)を示す側面図であって、図3のIV−IV矢視相当図である。 本発明を実施する形態の一例におけるリーダ台車(フォロワ台車)を示す背面図であって、図1のV−V矢視相当図である。 本発明を実施する形態の一例におけるリーダ台車(フォロワ台車)の走行駆動装置を示す斜視図である。 本発明を実施する形態の一例におけるリーダ台車(フォロワ台車)の走行駆動装置及び走行状態切換手段としての昇降機構を示す側面図であって、走行駆動装置の走行車輪の接地状態を示す図である。 本発明を実施する形態の一例におけるリーダ台車(フォロワ台車)の走行駆動装置及び走行状態切換手段としての昇降機構を示す側面図であって、走行駆動装置の走行車輪の引込状態を示す図である。 本発明を実施する形態の一例におけるリーダ台車(フォロワ台車)の連結機構を示す斜視図である。 本発明を実施する形態の一例におけるリーダ台車(フォロワ台車)のリフターの車輪浮上支持装置を示す斜視図であって、(a)は正面側斜視図、(b)は背面側斜視図である。 本発明を実施する形態の一例におけるリーダ台車(フォロワ台車)のリフターの車輪浮上支持装置の接地支持輪として適用可能なオムニ車輪を示す斜視図である。 本発明を実施する形態の一例におけるリーダ台車(フォロワ台車)のリフターの車輪浮上支持装置を示す作動状態説明図であって、(a)は車両支持前の状態図、(a1)はリフトバーが最大に開いた状態図、(b)は車両支持中の状態図、(b1)はリフトバーが最小に閉じた状態図、(b2)はリフトバーが閉じて装置左に寄った状態図、(b3)はリフトバーが閉じて装置右に寄った状態図である。 本発明を実施する形態の一例におけるリーダ台車の全体制御系統並びにフォロワ台車の全体制御系統を示すブロック図である。
符号の説明
1 走行駆動装置
2 台車本体
2a 台車フレーム
3 連結機構
4 車両(物体)
4a 車輪
5 リフター
5a リフターフレーム
6 走行車輪
18 車輪浮上支持装置
26 接地支持輪
27 リフトバー
28 自動調芯位置保持用固定装置
31 リーダ制御部
32 フォロワ制御部
39 無線通信装置
40 無線通信装置
50 走行状態切換手段
51 昇降機構
52 ガイドロッド
53 ベースブラケット
54 二節リンク機構
55 中間ジョイント部
56 シリンダ
A リーダ台車
B フォロワ台車

Claims (2)

  1. 走行駆動装置により全方向に自走可能な台車本体と、該台車本体に連結機構を介して取り付けられ且つ物体をリフトアップするリフターとを有し、与えられた目標軌道に沿って移動可能なリーダ台車と、
    走行駆動装置により全方向に自走可能な台車本体と、該台車本体に連結機構を介して取り付けられ且つ物体をリフトアップするリフターと、前記台車本体を自走可能状態と追従走行状態とに切り換える走行状態切換手段とを有し、前記リーダ台車と共に物体をリフトアップした際に前記走行状態切換手段にて台車本体を追従走行状態に切り換えることにより、前記リーダ台車の動きに追従するフォロワ台車と
    を備えたことを特徴とする物体移動装置。
  2. 前記走行状態切換手段を、前記走行駆動装置の走行車輪を接地させる接地状態と該走行車輪を地上から浮かせる引込状態との間で昇降させる昇降機構とし、該昇降機構にて走行車輪を引込状態とした際、前記台車本体の台車フレームに配設した全方向移動可能な接地支持輪と、前記リフターに配設した全方向移動可能な接地支持輪とにより台車本体を支持するよう構成した請求項1記載の物体移動装置。
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