JP2009258590A - 液体現像剤および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このような液体現像剤は、一般に、ポリエステル樹脂が用いられている。ポリエステル樹脂は、透明性が高く、結着樹脂として用いた場合、得られる画像の発色性が良く、また、高い定着特性が得られるという特徴を有している。
しかしながら、従来の液体現像剤では、液体現像剤中に分散剤を添加した場合、トナー粒子の分散性は向上するが、帯電特性が低下してしまうといった問題があった。また、金属石けん等に代表される帯電制御剤を添加して帯電特性を向上させることも考えられるが、金属石けんのような帯電制御剤を用いた場合、絶縁性液体の絶縁性を低下させてしまい、かえって帯電特性を低下させてしまうといったが困難であった。
本発明の液体現像剤は、絶縁性液体と、
前記絶縁性液体中に分散したトナー粒子と、
分散剤と、
下記化学式(I)で表される帯電制御剤とを含むことを特徴とする。
本発明の液体現像剤では、前記化学式(I)中のR2は、炭素数が1〜4のヒドロキシアルキル基であることが好ましい。
本発明の液体現像剤では、前記トナー粒子は、ポリエステル樹脂を含む材料で構成されたものであることが好ましい。
本発明の液体現像剤では、前記絶縁性液体は、植物油を含むものであることが好ましい。
本発明の液体現像剤では、前記絶縁性液体は、脂肪酸モノエステルを含むものであることが好ましい。
複数の前記現像部で形成された複数の前記単色像が順次転写され、転写された複数の前記単色像を重ね合わせてなる中間転写像を形成する中間転写部と、
前記中間転写像を記録媒体に転写し、前記記録媒体上に未定着カラー画像を形成する2次転写部と、
前記未定着カラー画像を前記記録媒体上に定着する定着部と、を有し、
前記液体現像剤が、絶縁性液体と、
前記絶縁性液体中に分散したトナー粒子と、
分散剤と、
下記化学式(I)で表される帯電制御剤とを含むことを特徴とする。
前記仕切を通じて、前記供給部にある余剰の前記液体現像剤は、前記回収部に回収されるものであることが好ましい。
以上の構成を満足することにより、トナー粒子の分散安定性に優れるとともに、帯電特性に優れた液体現像剤を提供することができる。また、このような液体現像剤を用いた画像形成装置を提供することができる。
《液体現像剤》
まず、本発明の液体現像剤について説明する。
本発明の液体現像剤は、絶縁性液体と、トナー粒子と、分散剤と、所定の構造の帯電制御剤とを含むものである。
<帯電制御剤>
まず、帯電制御剤について説明する。
本発明では、帯電制御剤として、下記化学式(I)で表される化合物を用いる。
より詳細に説明すると、帯電制御剤としての上記化学式(I)で表される化合物は、比較的炭素数の多いアルキル基またはアルケニル基を有しているため、後述するような絶縁性液体(特に植物油や脂肪酸モノエステル)との相溶性が高い化合物である。すなわち、上記化学式(I)で表される帯電制御剤は、絶縁性液体への溶解性が高い。また、上記化合物は、ヒドロキシアルキル基を有しており、このヒドロキシアルキル基は、トナー粒子を構成する樹脂材料(特にポリエステル樹脂)との親和性が高い。したがって、絶縁性液体に上記化学式(I)で表される帯電制御剤を添加すると、該帯電制御剤は、絶縁性液体に好適に溶解し、さらに、トナー粒子の表面に好適に付着または吸着する。
なお、上記式(I)中、R1は、炭素数が8〜22のアルキル基またはアルケニル基であるが、炭素数が15〜20のアルキル基またはアルケニル基であるのがより好ましい。これにより、後述する絶縁性液体との相溶性をより優れたものとすることができる。また、R1がアルケニル基である場合、後述するような絶縁性液体を構成する植物油や脂肪酸モノエステルとの相溶性が特に高いものとすることができる。
液体現像剤中における上述したような帯電制御剤の含有量は、トナー粒子100重量部に対して、0.5〜7.5重量部であるのが好ましく、1〜2重量部であるのがより好ましい。これにより、液体現像剤の正帯電の帯電特性をより効果的に向上させることができる。
次に、分散剤について説明する。
分散剤は、トナー粒子の分散安定性に寄与する成分である。
本発明で用いる分散剤としては、特に限定されず、公知の分散剤を用いることができる。
本発明において、特に、分散剤として、分子内に12−ヒドロキシステアリン酸骨格を有する高分子分散剤を用いるのが好ましい。このような骨格を有する分散剤は、絶縁性液体(特に、植物油や脂肪酸モノエステル)との相溶性が高く、絶縁性液体に好適に溶解させることができる。また、12−ヒドロキシステアリン酸骨格部分は、トナー粒子を構成する樹脂材料(特に、ポリエステル樹脂)との親和性が高いため、分散剤をトナー粒子の表面に好適に付着させることができる。このように分散剤がトナー粒子の表面に付着すると、絶縁性液体中に単体で遊離する分散剤の量が少なくなり、絶縁性液体の絶縁性を高い状態に維持することができる。その結果、トナー粒子の分散安定性をより優れたものとすることができるとともに、液体現像剤の帯電特性をより優れたものとすることができる。
このような骨格を有する分散剤としては、例えば、ソルスパース11200、ソルスパース13940(ソルスパースはルーブリゾール社の商品名)等が挙げられる。
液体現像剤中における分散剤の含有率は、トナー粒子100重量部に対して、1〜7重量部であるのが好ましく、1.25〜5重量部であるのがより好ましい。分散剤の含有量が上記範囲であると、トナー粒子の分散安定性をより効果的に向上させることができるとともに、正帯電の帯電特性をより優れたものとすることができる。
まず、トナー粒子について説明する。
[トナー粒子の構成材料]
トナー粒子は、主として、結着樹脂(樹脂材料)で構成されたものである。
1.樹脂材料(結着樹脂)
本発明においては、樹脂材料は、特に限定されず、例えば、公知の樹脂を用いることができる。
また、トナー粒子中にポリエステル樹脂を含む場合、ポリエステル樹脂中における、低分子量のポリエステル樹脂の含有量は、50〜90wt%であるのが好ましく、60〜80wt%であるのがより好ましい。これにより、液体現像剤の保存性、低温定着性は特に優れたものとなる。
なお、樹脂材料中におけるポリエステル樹脂の含有量は、50wt%以上であるのが好ましく、80wt%以上であるのがより好ましい。
また、上述したような樹脂材料全体のガラス転移点Tgは、15〜70℃であるのが好ましく、20〜55℃であるのがより好ましい。これにより、製造されるトナー粒子を含んだ液体現像剤は、保存時において、トナー粒子同士の凝集、融着がより確実に抑制され、液体現像剤の保存性はより優れたものとなる。さらに、トナー粒子を記録媒体に低温でより好適に定着させることができる。
また、樹脂材料全体の軟化点(T1/2)は、特に限定されないが、50〜130℃であるのが好ましく、50〜120℃であるのがより好ましく、60〜115℃であるのがさらに好ましい。
また、トナー粒子は、着色剤を含んでいてもよい。着色剤としては、特に限定されず、例えば、公知の顔料、染料等を使用することができる。
3.その他の成分
また、トナー粒子は、上記以外の成分を含んでいてもよい。このような成分としては、例えば、公知のワックス、磁性粉末等が挙げられる。
上記のような材料で構成された本発明でのトナー粒子の平均粒径は、0.7〜3μmであるのが好ましく、1〜2.5μmであるのがより好ましい。トナー粒子の平均粒径が前記範囲内の値であると、各トナー粒子間での特性のばらつきを小さいものとし、液体現像剤全体としての信頼性を高いものとしつつ、液体現像剤により形成されるトナー画像の解像度を十分に高いものとすることができる。また、トナー粒子の絶縁性液体への分散を良好にし、液体現像剤の保存性を高いものとできる。なお、本明細書では、「平均粒径」とは、体積基準の平均粒径のことを指すものとする。
液体現像剤中におけるトナー粒子の含有率は、10〜60wt%であるのが好ましく、20〜50wt%であるのがより好ましい。
次に、絶縁性液体について説明する。
絶縁性液体は、十分に絶縁性の高い液体であればよいが、具体的には、室温(20℃)での電気抵抗が1011Ωcm以上のものであるのが好ましく、1012Ωcm以上のものであるのがより好ましく、1013Ωcm以上のものであるのがさらに好ましい。
また、絶縁性液体の比誘電率は、3.5以下であるのが好ましい。
絶縁性液体中に脂肪酸モノエステルが含まれている場合、絶縁性液体中の脂肪酸モノエステルの含有量は、1〜50wt%であることが好ましく、5〜45wt%であることがより好ましい。これにより、トナー粒子の分散安定性をさらに向上させることができ、帯電のばらつきをより確実に防止することができる。
また、液体現像剤(絶縁性液体)中には、上述した成分以外に、公知の酸化防止剤、帯電制御剤等を含んでいてもよい。
次に、上述したような液体現像剤の製造方法の好適な実施形態について説明する。
本実施形態の液体現像剤の製造方法は、上述したような樹脂材料、着色剤が水系分散媒に分散した分散液を調製する分散液調製工程と、複数個の分散質を合一させ、合一粒子を得る合一工程と、合一粒子に含まれる有機溶剤を除去し、樹脂材料と着色剤とを含むトナー粒子を得る脱溶剤工程と、トナー粒子、上述したような帯電制御剤および分散剤を絶縁性液体に分散させる分散工程とを有する。
以下、液体現像剤の製造方法を構成する各工程について詳細に説明する。
まず、分散液(水系分散液)を調製する。
水系分散液は、いかなる方法で調製されるものであってもよいが、例えば、樹脂材料(ポリエステル樹脂およびその他の樹脂材料)、着色剤等のトナー粒子の構成材料(トナー材料)を有機溶剤中に溶解、分散させて樹脂液を得(樹脂液調製処理)、水系液体で構成された水系分散媒を樹脂液に添加することにより、トナー材料を含む分散質(液状の分散質)を水系液体中に形成し、分散質が分散した分散液(水系分散液)を得る(分散質形成処理)。
まず、トナー材料を有機溶剤に溶解または分散させた樹脂液を調製する。
調製された樹脂液は、前述したようなトナー粒子の構成材料、および、次に述べるような有機溶剤を含むものである。
有機溶剤としては、樹脂材料の少なくとも一部を溶解するものであればいかなるものであってもよいが、後述する水系液体よりも沸点が低いものを用いるのが好ましい。これにより、有機溶剤を容易に除去することができる。
また、有機溶剤の組成は、例えば、前述したような樹脂材料、着色剤の組成や、水系分散媒の組成等に応じて適宜選択することができる。
このような有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、MEK等のケトン系溶媒、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。
また、攪拌時における材料温度は、20〜60℃であるのが好ましく、30〜50℃であるのがより好ましい。
また、樹脂液の調製においては、調製すべき樹脂液の構成成分をすべて同時に混合してもよいし、予め、調製すべき樹脂液の構成成分のうち一部を混合して混合物(マスター)を得、その後、当該混合物(マスター)を、他の成分と混合してもよい。
次に、水系分散液(分散液)を調製する。
水系液体で構成された水系分散媒を樹脂液に添加することにより、トナー材料を含む分散質(液状の分散質)を水系液体中に形成し、分散質が分散した分散液(水系分散液)を得る。
水系液体としては、主として水で構成されたものを用いることができる。
水系液体中には、例えば、水との相溶性に優れる溶媒(例えば、25℃での100重量部の水に対する溶解度が、50重量部以上である溶媒)を含むものであってもよい。
また、水系分散媒には、必要に応じて乳化分散剤を添加してもよい。乳化分散剤を添加することにより、より容易に水系乳化液を調製することができる。
また、水系分散液の調製に際して、例えば、中和剤を用いてもよい。これにより、例えば、樹脂材料が有する官能基(例えば、カルボキシル基等)を中和することができ、調製される水系分散液中における分散質の形状、大きさの均一性、分散質の分散性を特に優れたものとすることができ。このため、得られるトナー粒子は、粒度分布が特に狭いものとなる。
また、中和剤は、水系分散液の調製において、複数回に分けて添加されるものであってもよい。
中和剤としては、塩基性化合物を用いることができ、より具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機塩基や、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン等の有機塩基等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、中和剤は、上記のような化合物を含む水溶液であってもよい。
また、樹脂液への水系液体の添加時には、翼先端速度が10〜20m/秒となるように撹拌を行うことが好ましく、12〜18m/秒となるように撹拌を行うことがより好ましい。翼先端速度が前記範囲内の値であると、水系分散液を効率良く得ることができるとともに、水系分散液中における分散質の形状、大きさのばらつきを特に小さいものとすることができ、過剰に微細な分散質、粗大粒子の発生を防止しつつ、分散質の均一分散性を特に優れたものとすることができる。
また、本処理における材料温度は、20〜60℃であるのが好ましく、20〜50℃であるのがより好ましい。
次に、複数個の分散質を合一させ、合一粒子を得る(合一工程)。分散質の合一は、通常、有機溶剤を含む分散質が衝突することにより、これらが一体化して進行する。
複数個の分散質の合一は、分散液を撹拌しながら、分散液に電解質を添加することにより行う。これにより、容易かつ確実に合一粒子を得ることができる。また、電解質の添加量を調節することにより、容易かつ確実に、合一粒子の粒径、粒度分布を制御することができる。
また、電解質は、1価のカチオンの塩であることが好ましい。これにより、得られる合一粒子の粒度分布を狭いものとできる。また、1価のカチオンの塩を用いることで、本工程において、粗大粒子が発生することを確実に防止することができる。
また、上述した中でも、電解質は、硫酸塩(例えば、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム)または炭酸塩であることが好ましく、硫酸塩であることが特に好ましい。これにより、特に容易に合一粒子の粒径を制御できる。
また、電解質は、水溶液の状態で添加されるのが好ましい。これにより、速やかに分散液全体に、電解質を拡散させることができるとともに、電解質の添加量を容易かつ確実に制御することができる。この結果、所望の粒径で、粒度分布の特に狭い合一粒子を得ることができる。
また、本工程は、分散液を攪拌した状態で行う。これにより、粒子間での形状、大きさのばらつきが特に小さい合一粒子を得ることができる。その結果、得られるトナー粒子は、トナー粒子間での特性(特に、帯電特性)のばらつきの小さいものとなる。
得られる合一粒子の平均粒径は、0.5〜5μmであるのが好ましく、1.5〜3μmであるのがより好ましい。これにより、最終的に得られるトナー粒子の粒径を適度なものとすることができる。
その後、分散液中に含まれる有機溶剤を除去する。これにより、分散液中に分散した樹脂微粒子(トナー粒子)が得られる。
有機溶剤の除去は、いかなる方法で行ってもよいが、例えば、減圧により行うことができる。これにより、樹脂材料等の構成材料の変性等を十分に防止しつつ、効率良く有機溶剤を除去することができる。
また、本工程は、分散液に、消泡剤を添加した状態で行ってもよい。これにより、効率良く有機溶剤を除去することができる。
消泡剤としては、例えば、鉱物油系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、シリコーン系消泡剤のほか、低級アルコール類、高級アルコール類、油脂類、脂肪酸類、脂肪酸エステル類、リン酸エステル類等を用いることができる。
また、本工程においては、有機溶剤とともに、少なくとも一部の水系液体が除去されてもよい。
なお、本工程においては、必ずしも全ての有機溶剤(分散液中に含まれる有機溶剤の全量)が除去されなくてもよい。このような場合であっても、後述する他の工程において、残存する有機溶剤を十分に除去することができる。
次に、上記のようにして得られた樹脂微粒子(トナー粒子)の洗浄を行う(洗浄工程)。
本工程を行うことにより、不純物として、有機溶剤等が含まれる場合であっても、これらを効率良く除去することができる。その結果、最終的に得られる樹脂微粒子における、揮発性有機化合物(TVOC)量を特に少ないものとすることができる。
本工程は、例えば、固液分離(水系液体からの分離)により樹脂微粒子を分離し、さらにその後、固形分(樹脂微粒子)の水中への再分散および固液分離(水系液体からの樹脂微粒子の分離)をすることにより行うことができる。固形分の水中への再分散および固液分離は、複数回、繰り返し行ってもよい。
その後、乾燥処理を施すことにより、トナー粒子を得ることができる(乾燥工程)。
乾燥工程は、例えば、真空乾燥機(例えば、リボコーン(大川原製作所社製)、ナウター(ホソカワミクロン社製)等)、流動層乾燥機(大川原製作所社製)等を用いて行うことができる。
次に、上記のようにして得られたトナー粒子、および、上述したような帯電制御剤および分散剤を、絶縁性液体中に分散する。これにより、液体現像剤を得る。
トナー粒子および前記分散剤の絶縁性液体への分散は、いかなる方法を用いてもよく、例えば、絶縁性液体とトナー粒子と前記分散剤とをビーズミル、ボールミル等で混合することにより行うことができる。このような方法で混合することにより、帯電制御剤および分散剤をトナー粒子の表面により確実に付着または吸着させることができる。
また、トナー粒子、帯電制御剤および分散剤の絶縁性液体への分散は、最終的に得られる液体現像剤を構成する絶縁性液体の全量を用いて行うものであってもよく、絶縁性液体の一部を用いて行うものであってもよい。
次に、本発明の画像形成装置の好適な実施形態について説明する。本発明の画像形成装置は、上述したような本発明の液体現像剤を用いて記録媒体上にカラー画像を形成するものである。
図1は、本発明の液体現像剤が適用される画像形成装置の第2実施形態を示す模式図、図2は、図1に示す画像形成装置の一部を拡大した拡大図である。
現像部30Y、30M、30Cは、それぞれ、イエロー系液体現像剤(Y)、マゼンダ系液体現像剤(M)、シアン系の液体現像剤(C)で、潜像を現像し、各色に対応したカラーの単色像を形成する機能を有している。また、現像部30Kは、ブラック系液体現像剤(K)で、潜像を現像し、ブラック(黒)の単色像を形成する機能を有している。
現像部30Yは、図2に示すように、像担持体の一例としての感光体10Yと、感光体10Yの回転方向に沿って、帯電ローラ11Yと、露光ユニット12Yと、現像ユニット100Yと、感光体スクイーズ装置101Yと、1次転写バックアップローラ51Yと、除電ユニット16Yと、感光体クリーニングブレード17Yと、現像剤回収部18Yとを有している。
感光体10Yは、後述する現像ユニット100Yにより液体現像剤が供給され、表面に液体現像剤の層が形成されるものである。
感光体スクイーズ装置101Yは、現像ユニット100Yより回転方向下流側に、感光体10Yに対向して配置されており、感光体スクイーズローラ13Yと、該感光体スクイーズローラ13Yに押圧摺接して表面に付着した液体現像剤を除去するクリーニングブレード14Yと、除去された液体現像剤を回収する現像剤回収部15Yとで構成される。この感光体スクイーズ装置101Yは、感光体10Yに現像された現像剤から余剰なキャリア(絶縁性液体)および本来不要なカブリトナーを回収し、顕像内のトナー粒子比率を上げる機能を有する。
除電ユニット16Yは、1次転写バックアップローラ51Yによって中間転写部40上に中間転写像が転写された後に、感光体10Y上の残留電荷を除去する装置である。
感光体クリーニングブレード17Yは、感光体10Yの表面に当接されたゴム製の部材で、1次転写バックアップローラ51Yによって中間転写部40上に像が転写された後に、感光体10Y上に残存する液体現像剤を掻き落として除去する機能を有している。
中間転写部40は、エンドレスの弾性ベルト部材であり、図示しないモータの駆動力が伝達されるベルト駆動ローラ41および一対の従動ローラ44、45に張架されている。また、中間転写部40は、1次転写バックアップローラ51Y、51M、51C、51Kで感光体10Y、10M、10C、10Kと当接しながらベルト駆動ローラ41により反時計回りに回転駆動される。
この中間転写部40に、1次転写バックアップローラ51Y、51M、51C、51Kにより、現像部30Y、30M、30C、30Kで形成された各色に対応した単色像が順次転写され、各色に対応した単色像が重ね合わされる。これにより、中間転写部40にフルカラー現像剤像(中間転写像)が形成される。
中間転写部クリーニングブレード46および現像剤回収部47は、従動ローラ45側に配されている。
中間転写部クリーニングブレード46は、2次転写ユニット(2次転写部)60によって記録媒体F5上に像が転写された後に、中間転写部40上に付着した液体現像剤を掻き落として除去する機能を有している。
非接触式バイアス印加部材48はテンションローラ49に対向する位置に中間転写部40から離間して配設されている。この非接触式バイアス印加部材48は、二次転写後に中間転写部40上に残留する液体現像剤のトナー(固形分)に、このトナーと逆極性のバイアス電圧を印加するものである。これにより、トナーが除電されて中間転写部40へのトナーの静電付着力が低減されるようにしている。この例では、非接触式バイアス印加部材48として、コロナ帯電器が用いられている。
この中間転写部スクイーズ装置52Yは、中間転写部40上に転写された液体現像剤が望ましい分散状態に至っていない場合に、転写された液体現像剤から余剰の絶縁性液体を除去する手段として設けられている。
中間転写部スクイーズ装置52Yは、中間転写部40に1次転写された現像剤から余剰な絶縁性液体を回収し、像内のトナー粒子比率を上げると共に、本来不要なカブリトナーを回収する機能を有する。
すなわち、上流側2次転写ローラ64、下流側2次転写ローラ65は、それぞれ、ベルト駆動ローラ41および従動ローラ44に掛けられた中間転写部40に記録媒体F5を当接させて、中間転写部40上に色重ねして形成された中間転写像を記録媒体F5に2次転写する。
なお、定着温度は、具体的には、80〜160℃であるのが好ましく、100〜150℃であるのがより好ましく、100〜140℃であることがさらに好ましい。
現像ユニット100Yは、図2に示すように、液体現像剤貯留部31Yと、塗布ローラ32Yと、規制ブレード33Yと、現像剤攪拌ローラ34Y、連通部35Yと、回収スクリュー36Yと、現像ローラ20Yと、現像ローラクリーニングブレード21Yとを有している。
供給部31aYは、液体現像剤を塗布ローラ32Yに供給する機能を有し、現像剤撹拌ローラ34Yを設置した凹状の部分を有する。また、供給部31aYには、液体現像剤混合槽93Yから連通部35Yを通じて液体現像剤が供給される。
供給部31aYと回収部31bYとの境界には、壁状の仕切31cYが設けられている。仕切31cYは、供給部31aYと回収部31bYとを仕切り、回収された液体現像剤の新鮮な液体現像剤への混入を防ぐことができる。また、供給部31aYに過剰の液体現像剤が供給された際に、過剰分の液体現像剤は、仕切31cYを超えて供給部31aYから回収部31bYへあふれ出ることができる。このため、供給部31aYの液体現像剤の量が一定に保持されることができ、塗布ローラ32Yに供給される液体現像剤の液量を一定に維持することができる。このため、最終的に形成される画像の画質が安定したものとなる。
塗布ローラ32Yは、液体現像剤を現像ローラ20Yへ供給する機能を備えたものである。
この塗布ローラ32Yは、鉄等金属性のローラの表面に溝が均一かつ螺旋状に形成されニッケルメッキが施された、いわゆるアニロクスローラを呼称されるものであり、その直径は約25mmである。本実施形態では、塗布ローラ32Yの回転方向に対して斜めに複数の溝が、いわゆる切削加工や転造加工等によって形成されている。この塗布ローラ32Yは、反時計回りに回転しながら液体現像剤に接触することによって、溝に、供給部31aY内の液体現像剤を担持して、該担持した液体現像剤を現像ローラ20Yへ搬送する。
連通部35Yを現像剤攪拌ローラ34Yの下方に設けることにより、連通部35Yから供給される液体現像剤は、現像剤攪拌ローラ34Yに止められることになり、吹き出しによる液上面の盛り上がりがなく、液上面がほぼ一定に保持され、塗布ローラ32Yに安定して現像剤を供給できる。
現像ローラ20Yは、感光体10Yに担持された潜像を液体現像剤により現像するために、液体現像剤を担持して感光体10Yと対向する現像位置に搬送する。
現像ローラ20Yは、その表面に、前述した塗布ローラ32Yから液体現像剤を供給することにより、液体現像剤層を形成するものである。
また、現像ユニット100Yは、現像ローラ20Yの表面に当接されたゴム製の現像ローラクリーニングブレード21Yと、現像剤回収部24Yとを有している。この現像ローラクリーニングブレード21Yは、前記現像位置で現像が行われた後に、現像ローラ20Y上に残存する液体現像剤を掻き落として除去するための装置である。現像ローラクリーニングブレード21Yにより除去された液体現像剤は、現像剤回収部24Y内に回収される。
また、液体現像剤混合槽93Yには、回収部31bYで回収された液体現像剤が回収され、再利用される。液体現像剤混合槽93M、93C、93Kも同様である。
例えば、本発明の液体現像剤は、前述したような画像形成装置に適用されるものに限定されない。
また、本発明の液体現像剤は、前述したような製造方法により製造されたものに限定されない。
(実施例1)
まず、トナー粒子の製造を行った。なお、温度が記載されていない工程については、室温(25℃)で行った。
<分散液調整工程>
(着色剤マスター溶液の調製)
まず、ポリエステル樹脂(大日本インキ工業社製、商品名「DL−90」、酸価:10mgKOH/g、ガラス転移点:46.3℃、軟化点:95.0℃)と、着色剤としてのシアン系顔料(大日精化社製、ピグメントブルー15:3)との混合物(質量比50:50)を用意した。これらの各成分を20L型のヘンシェルミキサーを用いて混合し、トナー製造用の原料を得た。
上記のようにして冷却された混練物を粗粉砕し、平均粒径:1.0mm以下の粉末とした。混練物の粗粉砕にはハンマーミルを用いた。
得られた混練物の粉末に固形分含有量が30wt%となるようにメチルエチルケトンを加え、アイガーモーターミル(米国アイガー社製:M−1000)で湿式分散して着色剤マスター溶液を調製した。
上記着色剤マスター溶液:132重量部にメチルエチルケトン:42.6重量部、前記ポリエステル樹脂:124.3重量部および乳化剤としてのネオゲンSC−F(第一工業製薬社製):1.1重量部を加えて、高速分散機(プライミクス社製、T.K.ロボミクス/T.K.ホモディスパー2.5型翼)で混合し、樹脂液を作製した。なお、この溶液中において、顔料は均一に微分散していた。
次いで容器内の樹脂液に1規定アンモニア水:50重量部を加えて、高速分散機(プライミクス社製、T.K.ロボミクス/T.K.ホモディスパー2.5型翼)により、攪拌翼の翼先端速度を7.5m/sとして十分に攪拌し、フラスコ内の溶液の温度を25℃に調整し、その後攪拌翼の翼先端速度を14.7m/sとして攪拌を行いつつ、170重量部の脱イオン水を滴下して転相乳化を起こした。攪拌を継続しながら、上記樹脂液に対して、さらに脱イオン水:70重量部を加えた。これにより、樹脂材料を含む分散質が分散した水系分散液を得た。
次に、水系分散液をマックスブレンド翼を有した攪拌容器に移し、攪拌翼の翼先端速度を1.0m/sとして攪拌を行いながら水系分散液の温度を25℃とした。
次に、同様の温度、攪拌条件を保ちつつ、5.0%の硫酸アンモニウム水溶液:300重量部を滴下し、分散質の合一を行い、合一粒子の形成を行った。滴下後、合一粒子のトナー粒子についての50%体積粒径Dv(50)[μm]が3μmに成長するまで攪拌を続けた。合一粒子のDv(50)が3μmになったら、脱イオン水:120.6重量部を添加し、合一を終了した。
得られた合一粒子分散液に対して、減圧下で、固形分含有量が23wt%となるまで有機溶剤を留去を行い、樹脂微粒子のスラリーを得た。
<洗浄工程>
次に、スラリーに対し、固液分離を行い、さらに水中への再分散(リスラリー)、固液分離を繰り返し行うことによる洗浄処理を施した。その後、吸引ろ過法により、着色樹脂微粒子のウェットケーキ(樹脂微粒子ケーキ)を得た。なお、ウェットケーキの含水率は35wt%であった。
その後、真空乾燥機を用いて、得られたウェットケーキを乾燥することにより、トナー粒子を得た。
<分散工程>
上記の方法で得られたトナー粒子:100重量部、分散剤としてのソルスパース13940(ルーブリゾール社製):1.25重量部、帯電制御剤としての上記化学式(I)で表される化合物(チバガイギー社製、商品名「AMINE O」、式中のR1:C17H33のアルケニル基(8位の結合が2重結合)、式中のR2:CH2CH2OH):1.25重量部、菜種油(日清オイリオ社製、商品名「ハイオレイック菜種油」):240重量部、大豆油脂肪酸メチル(日清オイリオ社製):160重量部をセラミック製ポット(内容積600ml)に入れ、さらにジルコニアボール(ボール直径:1mm)を体積充填率85%になるようにセラミック製ポットに入れ、卓上ポットミルにて回転速度220rpmで48時間分散を行った。これにより、液体現像剤が得られた。
また、シアン系顔料の代わりに、マゼンダ系顔料:ピグメントレッド122、イエロー系顔料:ピグメントイエロー180、ブラック系顔料:カーボンブラック(デグサ社製、Printex L)に、それぞれ変更した以外は、上記と同様にして、マゼンダ系液体現像剤、イエロー系液体現像剤、ブラック系液体現像剤を製造した。
帯電制御剤の含有量を表1に示すように変更した以外は、前記実施例1と同様にして各色に対応する液体現像剤を製造した。
(実施例6)
分散剤として、ソルスパース11200(ルーブリゾール社製)を用いた以外は、前記実施例1と同様にして各色に対応する液体現像剤を製造した。
分散剤の含有量を表1に示すように変更した以外は、前記実施例1と同様にして各色に対応する液体現像剤を製造した。
(実施例9)
菜種油および大豆油脂肪酸メチルの双方を、アイソパーH(エクソン化学社の商品名)に変更した以外は、前記実施例1と同様にして各色に対応する液体現像剤を製造した。
上記化学式(I)で表される帯電制御剤として、Disperbyk−109(ビックケミー社製、式中のR1:アルケニル基、式中のR2:CH2CH2OH)を用いた以外は、前記実施例1と同様にして各色に対応する液体現像剤を製造した。
(実施例11)
分散剤として、ソルスパース11200(ルーブリゾール社製)を用いた以外は、前記実施例10と同様にして各色に対応する液体現像剤を製造した。
(実施例12)
菜種油および大豆油脂肪酸メチルの双方を、アイソパーH(エクソン化学社の商品名)に変更した以外は、前記実施例10と同様にして各色に対応する液体現像剤を製造した。
帯電制御剤を添加しなかった以外は、前記実施例1と同様にして各色に対応する液体現像剤を製造した。
(比較例2)
分散剤を添加しなかった以外は、前記実施例1と同様にして各色に対応する液体現像剤を製造した。
帯電制御剤として、金属石けん(ステアリン酸亜鉛)を用い、その含有量を表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして各色に対応する液体現像剤を製造した。
(比較例4)
帯電制御剤として、金属石けん(ニッカオクチックスジルコニウム(日本化学産業社製、オクチル酸ジルコニウム含有物))を用い、その含有量を表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして各色に対応する液体現像剤を製造した。
上記のようにして得られた各液体現像剤について、以下のような評価を行った。
[2.1]現像効率
図1、図2に示すような画像形成装置を用いて、画像形成装置の現像ローラ上に前記各実施例および比較例で得られた液体現像剤による液体現像剤層を形成した。次に、現像ローラの表面電位を300Vとし、感光体の表面電位を500Vで均一に帯電させ、感光体に露光を行い、感光体表面の帯電を減衰させ、表面電位を50Vとした。液体現像剤層が感光体と現像ローラとの間を通過した後の、現像ローラ上のトナー粒子と、感光体上のトナー粒子とをテープで採取した。採取に用いた各テープを記録紙上に貼り付け、それぞれのトナー粒子の濃度を測定した。測定後、感光体上で採取されたトナー粒子の濃度を、感光体上で採取されたトナー粒子の濃度と現像ローラ上で採取されたトナー粒子の濃度との総和で除した数値に100を掛けた値を現像効率として求め、以下の4段階の基準に従い評価した。
A :現像効率が95%以上であり、現像効率に特に優れる。
B :現像効率が90%以上、95%未満であり、現像効率に優れる。
C :現像効率が80%以上、90%未満であり、実用上問題のない。
D :現像効率が80%よりも小さく、現像効率に劣る。
図1、図2に示すような画像形成装置を用いて、画像形成装置の感光体上に前記各実施例および各比較例で得られた液体現像剤による液体現像剤層を形成した。次に、液体現像剤層が感光体と中間転写部との間を通過した後の、感光体上のトナー粒子と、中間転写部上のトナー粒子とをテープで採取した。採取に用いた各テープを記録紙上に貼り付け、それぞれのトナー粒子の濃度を測定した。測定後、中間転写部上で採取されたトナー粒子の濃度を、感光体上で採取されたトナー粒子の濃度と中間転写部上で採取されたトナー粒子の濃度との総和で除した数値に100を掛けた値を転写効率として求め、以下の4段階の基準に従い評価した。
A :転写効率が95%以上であり、転写効率に特に優れる。
B :転写効率が90%以上、95%未満であり、転写効率に優れる。
C :転写効率が80%以上、90%未満であり、実用上問題のない。
D :転写効率が80%よりも小さく、転写効率に劣る。
各実施例および各比較例で得られた液体現像剤について、マイクロチック・ニチオン社製の「顕微鏡式レーザーゼータ電位計」ZC−2000を用いてゼータ電位を測定し、以下の5段階の基準に従い評価した。
測定は、液体現像剤を希釈溶媒で希釈して、口形が10mm角の透明セルに入れ、電極間9mmで300Vの電圧をかけると同時に顕微鏡でセル内の粒子の移動速度を観察することで、移動速度を算出して、その値からゼータ電位を求めることにより行った。
B :ゼータ電位が+125mV以上、+150mV未満(良い)。
C :ゼータ電位が+100mV以上、+125mV未満(普通)。
D :ゼータ電位が+75mV以上、+100mV未満(やや悪い)。
E :ゼータ電位が+75mV未満(非常に悪い)。
各実施例および各比較例で得られた液体現像剤10mLを試験管(口径12mm、長さ120mm)に入れ、1週間静置後の沈降した深さを測定し、以下の4段階の基準に従って評価した。
A :沈降した深さが0mm。
B :沈降した深さが0mmよりも大きく、2mm以下。
C :沈降した深さが2mmよりも大きく、5mm以下。
D :沈降した深さが5mmよりも大きい。
これらの結果を表2に示す。
[3]液体現像剤の製造
(実施例13)
まず、トナー粒子の製造を行った。なお、温度が記載されていない工程については、室温(25℃)で行った。
<分散液調整工程>
(着色剤マスター溶液の調製)
まず、ポリエステル樹脂として、低分子量のポリエステル樹脂L1(酸価:8.5mgKOH/g、重量平均分子量Mw:5,200、ガラス転移点Tg:46℃、軟化点T1/2:95℃):48重量部と、高分子量のポリエステル樹脂H1(酸価:16.0mgKOH/g、重量平均分子量Mw:237,000、ガラス転移点Tg:63℃、軟化点T1/2:182℃):12重量部との混合物を用意した。
次に、この原料(混合物)を2軸混練押出機を用いて混練した。2軸混練押出機の押出口から押し出された混練物を冷却した。
得られた混練物の粉末に固形分含有量が30wt%となるようにメチルエチルケトンを加え、アイガーモーターミル(米国アイガー社製:M−1000)で湿式分散して着色剤マスター溶液を調製した。
上記着色剤マスター溶液:132重量部にメチルエチルケトン:42.6重量部、前記ポリエステル樹脂の混合物:124.3重量部および乳化剤としてのネオゲンSC−F(第一工業製薬社製):1.1重量部を加えて、高速分散機(プライミクス社製、T.K.ロボミクス/T.K.ホモディスパー2.5型翼)で混合し、樹脂液を作製した。なお、この溶液中において、顔料は均一に微分散していた。
次いで容器内の樹脂液に1規定アンモニア水:50重量部を加えて、高速分散機(プライミクス社製、T.K.ロボミクス/T.K.ホモディスパー2.5型翼)により、攪拌翼の翼先端速度を7.5m/sとして十分に攪拌し、フラスコ内の溶液の温度を25℃に調整し、その後攪拌翼の翼先端速度を14.7m/sとして攪拌を行いつつ、170重量部の脱イオン水を滴下して転相乳化を起こした。攪拌を継続しながら、上記樹脂液に対して、さらに脱イオン水:70重量部を加えた。これにより、樹脂材料を含む分散質が分散した水系分散液を得た。
次に、水系分散液をマックスブレンド翼を有した攪拌容器に移し、攪拌翼の翼先端速度を1.0m/sとして攪拌を行いながら水系分散液の温度を25℃とした。
次に、同様の温度、攪拌条件を保ちつつ、5.0%の硫酸アンモニウム水溶液:300重量部を滴下し、分散質の合一を行い、合一粒子の形成を行った。滴下後、合一粒子のトナー粒子についての50%体積粒径Dv(50)[μm]が3μmに成長するまで攪拌を続けた。合一粒子のDv(50)が3μmになったら、脱イオン水:120.6重量部を添加し、合一を終了した。
<脱溶剤工程>
得られた合一粒子分散液に対して、減圧下で、固形分含有量が23wt%となるまで有機溶剤を留去を行い、樹脂微粒子のスラリーを得た。
次に、スラリーに対し、固液分離を行い、さらに水中への再分散(リスラリー)、固液分離を繰り返し行うことによる洗浄処理を施した。その後、吸引ろ過法により、着色樹脂微粒子のウェットケーキ(樹脂微粒子ケーキ)を得た。なお、ウェットケーキの含水率は35wt%であった。
<乾燥工程>
その後、真空乾燥機を用いて、得られたウェットケーキを乾燥することにより、トナー粒子を得た。
上記の方法で得られたトナー粒子:100重量部、分散剤としてのソルスパース13940(ルーブリゾール社製):1.25重量部、帯電制御剤としての上記化学式(I)で表される化合物(チバガイギー社製、商品名「AMINE O」、式中のR1:C17H33のアルケニル基(8位の結合が2重結合)、式中のR2:CH2CH2OH):1.25重量部、菜種油(日清オイリオ社製、商品名「ハイオレイック菜種油」):240重量部、大豆油脂肪酸メチル(日清オイリオ社製):160重量部をセラミック製ポット(内容積600ml)に入れ、さらにジルコニアボール(ボール直径:1mm)を体積充填率85%になるようにセラミック製ポットに入れ、卓上ポットミルにて回転速度220rpmで48時間分散を行った。これにより、液体現像剤が得られた。
また、シアン系顔料の代わりに、マゼンダ系顔料:ピグメントレッド122、イエロー系顔料:ピグメントイエロー180、ブラック系顔料:カーボンブラック(デグサ社製、Printex L)に、それぞれ変更した以外は、上記と同様にして、マゼンダ系液体現像剤、イエロー系液体現像剤、ブラック系液体現像剤を製造した。
ポリエステル樹脂L1の代わりに、表3に示す低分子量のポリエステル樹脂L2、ポリエステル樹脂H1の代わりに、高分子量のポリエステル樹脂H2を用いた以外は、前記実施例13と同様にして各色に対応する液体現像剤を製造した。
(実施例15)
ポリエステル樹脂L1の代わりに、表3に示す低分子量のポリエステル樹脂L3、ポリエステル樹脂H1の代わりに、高分子量のポリエステル樹脂H3を用い、その配合量を表4に示すようにした以外は、前記実施例13と同様にして各色に対応する液体現像剤を製造した。
また、実施例13〜15について、液体現像剤の組成等を表4に示した。なお、表中、ポリエステル樹脂L1、L2、L3をそれぞれL1、L2、L3、ポリエステル樹脂H1、H2、H3をそれぞれH1、H2、H3と示した。また、AMINE OをAOと示した。また、ソルスパース13940を13940と示した。また、大豆油脂肪酸メチルをMONO、菜種油をVOと示した。
Claims (8)
- 前記分散剤は、分子内に12−ヒドロキシステアリン酸骨格を有する高分子分散剤である請求項1に記載の液体現像剤。
- 前記化学式(I)中のR2は、炭素数が1〜4のヒドロキシアルキル基である請求項1または2に記載の液体現像剤。
- 前記トナー粒子は、ポリエステル樹脂を含む材料で構成されたものである請求項1ないし3のいずれかに記載の液体現像剤。
- 前記絶縁性液体は、植物油を含むものである請求項1ないし4のいずれかに記載の液体現像剤。
- 前記絶縁性液体は、脂肪酸モノエステルを含むものである請求項1ないし5のいずれかに記載の液体現像剤。
- 前記現像部は、前記単色像を形成するための前記液体現像剤を供給する供給部と、前記液体現像剤を回収する回収部と、前記回収部と前記供給部との間に設けられた仕切とを有し、
前記仕切を通じて、前記供給部にある余剰の前記液体現像剤は、前記回収部に回収されるものである請求項7に記載の画像形成装置。
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