JP2009120874A - 金属酸化物膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、金属源として金属塩または有機金属化合物が溶解した金属酸化物膜形成用溶液を、金属酸化物膜形成温度以上の温度まで加熱した基材に接触させることにより、上記基材上に金属酸化物膜を得る金属酸化物膜の製造方法であって、上記金属酸化物膜形成用溶液が、金属酸化物膜の結晶性を低下させるホウ素化合物を含有することを特徴とする金属酸化物膜の製造方法を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1
Description
まず、本発明の金属酸化物膜の製造方法について説明する。本発明の金属酸化物膜の製造方法は、金属源として金属塩または有機金属化合物が溶解した金属酸化物膜形成用溶液を、金属酸化物膜形成温度以上の温度まで加熱した基材に接触させることにより、上記基材上に金属酸化物膜を得る金属酸化物膜の製造方法であって、上記金属酸化物膜形成用溶液が、金属酸化物膜の結晶性を低下させるホウ素化合物を含有することを特徴とするものである。
以下、本発明の金属酸化物膜の製造方法について、各構成毎に詳細に説明する。
まず、本発明に用いられる金属酸化物膜形成用溶液について説明する。本発明に用いられる金属酸化物膜形成用溶液は、少なくとも、金属源およびホウ素化合物を含有する。さらに、必要に応じて、酸化剤、還元剤、および添加剤等を含有していても良い。
まず、本発明に用いられる金属源について説明する。本発明に用いられる金属源は、通常、金属塩または有機金属化合物である。本発明においては、2種類以上の金属源を併用しても良い。
次に、本発明に用いられるホウ素化合物について説明する。本発明に用いられるホウ素化合物は、得られる金属酸化物膜の結晶性を低下させるものである。
本発明に用いられる溶媒は、上述した金属源等を溶解することができるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロパノール、ブタノール等の総炭素数が5以下の低級アルコール;トルエン;アセチルアセトン、ジアセチル、ベンゾイルアセトン等のジケトン類;アセト酢酸エチル、ピルビン酸エチル、ベンゾイル酢酸エチル、ベンゾイル蟻酸エチル等のケトエステル類;およびこれらの混合溶媒等を挙げることができる。なお、原料(金属源)との相性によっては、例えば、メタノールのみを用いた方が成膜速度が速い場合や、アセチルアセトンを混合した方が成膜速度が速い場合がある。そのため、より好ましくは水、メタノール、エタノール、アセトン、トルエン、アセチルアセトンまたはこれらの混合溶媒が好ましい。また、溶媒の全部または一部として、上記ジケトン類および上記ケトエステル類の少なくとも一方を用いることが好ましい。成膜性が向上するからである。
また、本発明に用いられる金属酸化物膜形成用溶液は、セラミックス微粒子および界面活性剤等の添加剤を含有していても良い。
次に、本発明に用いられる基材について説明する。本発明に用いられる基材の材料としては、上記加熱温度に対する耐熱性を有するものであれば、特に限定されるものではないが、例えばガラス、SUS、金属板、セラミック基材、耐熱性プラスチック等を挙げることができ、中でもガラス、SUS、金属板、セラミック基材を使用することが好ましい。汎用性があり、充分な耐熱性を有しているからである。
次に、本発明における基材と金属酸化物膜形成用溶液との接触方法について説明する。上記接触方法としては、上述した金属酸化物膜形成用溶液と上述した基材とを接触させる方法であれば特に限定されるものではないが、金属酸化物膜形成用溶液および基材を接触させた際に、基材の温度を低下させない方法であることが好ましい。基材の温度が低下すると成膜反応が起こらず所望の金属酸化物膜を得ることができない可能性があるからである。このような基材の温度を低下させない方法としては、例えば、金属酸化物膜形成用溶液を液滴として基材に接触させる方法等が挙げられ、中でも上記液滴の径が小さいことが好ましい。上記液滴の径が小さければ、金属酸化物膜形成用溶液の溶媒が瞬時に蒸発し、基材温度の低下をより抑制することができ、さらに液滴の径が小さいことで、均一な金属酸化物膜を得ることができるからである。
また、本発明の金属酸化物膜の製造方法においては、上述した接触方法等により得られた金属酸化物膜の洗浄を行っても良い。上記金属酸化物膜の洗浄は、金属酸化物膜の表面等に存在する不純物を取り除くために行われるものであって、例えば、金属酸化物膜形成用溶液に使用した溶媒を用いて洗浄する方法等を挙げることができる。
次に、本発明の結晶性低下材について説明する。本発明の結晶性低下材は、金属源として金属塩または有機金属化合物が溶解した金属酸化物膜形成用溶液に添加され、金属酸化物膜の結晶性を低下させる結晶性低下材であって、ホウ素化合物からなることを特徴とするものである。
次に、本発明の金属酸化物膜形成用溶液について説明する。本発明の金属酸化物膜形成用溶液は、金属源として金属塩または有機金属化合物が溶解し、かつ、金属酸化物膜の結晶性を低下させるホウ素化合物を含有することを特徴とするものである。
本実施例においては、ホウ酸を添加した金属酸化物膜形成用溶液を用いて、シリコンウェハ上にZrO2膜を作製した。
本実施例においては、ホウ酸を添加した金属酸化物膜形成用溶液を用いて、微粒子酸化チタン上に、ZrO2膜を作製した。本実施例の結果と、後述する比較例1の結果とを比較することにより、基材と金属酸化物膜との界面に発生する粒界が減少する効果について確認する。
本比較例においては、ホウ酸を添加しないこと以外は実施例1と同様に実験した。
金属源としてジルコニウムテトラアセチルアセトナート(関東化学社製)、溶媒としてエタノール20重量%、トルエン80重量%の混合溶媒を用意した。その後、混合溶媒に、ジルコニウムテトラアセチルアセトナートを0.1mol/lとなるように溶解させ、100mlの金属酸化物膜形成用溶液を得た。この金属酸化物膜形成用溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、金属酸化物膜を得た。
本実施例においては、ホウ酸を添加した金属酸化物膜形成用溶液を用いて、ITO膜を作製した。本実施例の結果と、後述する比較例2の結果とを比較することにより、基材と金属酸化物膜との界面に発生する粒界が減少する効果について確認する。
ホウ酸を0.01mol/lとなるように原料溶液中へ溶解させたこと以外は、実施例2−1と同様に金属酸化物膜を作製した。
上記方法により得られた金属酸化物膜を、X線回折装置(リガク製、RINT−1500)を用いて測定したところ、ITO膜が得られていることを確認した(図9参照)。基材および金属酸化物膜を走査型電子顕微鏡で観察すると、図10に示すように、粒界のないITO膜が形成されていることを確認できた。
本比較例においては、ホウ酸を添加しないこと以外は実施例2と同様に実験した。
金属源として塩化インジウムを0.1mol/l、塩化スズを0.005mol/lとなるように溶解させ、100mlの金属酸化物膜形成用溶液を得た。この金属酸化物膜形成用溶液を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、金属酸化物膜を作製した。
2 … 金属酸化物膜形成用溶液
3 … スプレー装置
4、5、6 … ローラー
Claims (7)
- 金属源として金属塩または有機金属化合物が溶解した金属酸化物膜形成用溶液を、金属酸化物膜形成温度以上の温度まで加熱した基材に接触させることにより、前記基材上に金属酸化物膜を得る金属酸化物膜の製造方法であって、
前記金属酸化物膜形成用溶液が、金属酸化物膜の結晶性を低下させるホウ素化合物を含有することを特徴とする金属酸化物膜の製造方法。 - 前記ホウ素化合物が、ホウ酸であることを特徴とする請求項1に記載の金属酸化物膜の製造方法。
- 前記基材が、多孔質基材、または多孔質膜を備えた基材であることを特徴とする請求項1または請求項2の金属酸化物膜の製造方法。
- 前記金属酸化物膜形成用溶液が、さらにドーピング金属源を含有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の金属酸化物膜の製造方法。
- 前記金属源を構成する金属元素が、Mg、Al、Si、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Ag、In、Sn、Ce、Sm、Pb、La、Hf、Sc、Gd、Ca、Cr、Ga、Sr、Nb、Mo、Pd、Sb、Te、Ba、WまたはTaであることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の金属酸化物膜の製造方法。
- 金属源として金属塩または有機金属化合物が溶解した金属酸化物膜形成用溶液に添加され、金属酸化物膜の結晶性を低下させる結晶性低下材であって、
ホウ素化合物からなることを特徴とする結晶性低下材。 - 金属源として金属塩または有機金属化合物が溶解し、かつ、金属酸化物膜の結晶性を低下させるホウ素化合物を含有することを特徴とする金属酸化物膜形成用溶液。
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